説明

冷却器出口温度制御装置および冷却器出口温度制御方法

【課題】非再生冷却器出口の1次冷却材の温度の制御の安定性を向上させることができる冷却器出口温度制御装置および冷却器出口温度制御方法を提供すること。
【解決手段】原子力発電プラントにおいて用いられる1次冷却材の非再生冷却器12の出口における温度を制御する冷却器出口温度制御装置53は、非再生冷却器12の出口における1次冷却材の温度と目標温度との偏差に基づいて、非再生冷却器12に通水される液体の流量を調整する温度制御弁51の開度に関する制御量を決定する弁制御量決定部53dと、弁制御量決定部53dによって決定された制御量を、温度制御弁51の開度と流量との関係に基づいて、当該制御量と、非再生冷却器12に通水される液体の流量との関係が線形となるように補正する弁制御量補正部53eとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加圧水型原子力発電プラントにおいて設けられている非再生冷却器出口温度制御装置および冷却器出口温度制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
加圧水型の原子力発電プラントの抽出系(脱塩処理系)には、炉心部で高温となった1次冷却材の温度を冷却材混床式脱塩塔の運転温度まで下げるために、非再生冷却器(非再生熱交換器)が設けられている(例えば、特許文献1参照)。非再生冷却器を出る1次冷却材の温度制御は、非再生冷却器に通水する原子炉補機冷却水(CCW:Component Cooling Water)の流量を温度調整弁の開度を調整して変化させることによって実現されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−43956号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、弁のCv特性(開度に対する流量の関係)は、非線形であることが知られている。このことは、温度調整弁の開度の変化量に対して、実際に非再生冷却器に通水される原子炉補機冷却水の流量の変化量が、温度調整弁の開度領域によって変動することを意味している。
【0005】
また、原子炉補機冷却水の冷却には、季節等によって温度が変化する海水が使われており、1次冷却材の温度を同じだけ下げる場合であっても、原子炉補機冷却水の温度によって非再生冷却器に通水すべき原子炉補機冷却水の流量が変動する。このため、非再生冷却器を出る1次冷却材の温度制御では、温度調整弁の開度の調整幅が広い。
【0006】
このように、非再生冷却器を出る1次冷却材の温度制御においては、温度調整弁の開度の調整幅が広いために、弁のCv特性が非線形であることの影響を受け、季節等によっては、非再生冷却器を出る1次冷却材の温度が外乱に対して不安定になる場合がある。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、非再生冷却器を出る1次冷却材の温度制御の安定性を向上させることができる冷却器出口温度制御装置および冷却器出口温度制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、原子力発電プラントにおいて設置される非再生冷却器出口の1次冷却材の温度を制御する冷却器出口温度制御装置であって、前記冷却器の出口における1次冷却材の温度と目標温度との偏差に基づいて、前記冷却器に通水される液体の流量を調整する弁の制御量を決定する弁制御量決定部と、前記弁制御量決定部によって決定された制御量を、前記弁の開度と流量との関係に基づいて、当該制御量と、前記冷却器に通水される液体の流量との関係が線形となるように補正する弁制御量補正部とを備えることを特徴とする。
【0009】
この冷却器出口温度制御装置では、温度の偏差に基づいて決定した弁の制御量と冷却器に通水される液体の流量との関係が線形となるように補正することで、非再生冷却器を出た1次冷却材の温度制御の安定性を向上させることができる。
【0010】
また、本発明の望ましい態様としては、前記冷却器の出口における1次冷却材の温度と前記目標温度との偏差を、偏差の値が大きいほど大きく補正する偏差補正部をさらに備えることが好ましい。
【0011】
この態様では、温度の偏差を大きく補正することで、弁の制御に対する温度変化の追随性を向上することができる。
【0012】
また、本発明の望ましい態様としては、前記弁制御量決定部は、前記冷却器の出口における1次冷却材の温度と目標温度との偏差に基づくPID制御によって、前記弁の制御量を決定することが好ましい。
【0013】
この態様では、PID制御によって、非再生冷却器を出る1次冷却材の温度制御の安定性を向上させることができる。
【0014】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、原子力発電プラントにおいて設置される非再生冷却器出口の1次冷却材の温度を制御する冷却器出口温度制御装置によって実行される冷却器出口温度制御方法であって、前記冷却器の出口における1次冷却材の温度と目標温度との偏差に基づいて、前記冷却器に通水される液体の流量を調整する弁の制御量を決定する弁制御量決定部と、前記弁の開度と流量との関係に基づいて、当該制御量と、前記冷却器に通水される液体の流量との関係が線形となるように補正する弁制御量補正部とを含むことを特徴とする。
【0015】
この冷却器出口温度制御方法では、温度の偏差に基づいて決定した弁の制御量を、制御量と冷却器に通水される液体の流量との関係が線形となるように補正することとしたので、非再生冷却器を出る1次冷却材の温度制御の安定性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る冷却器出口温度制御装置および冷却器出口温度制御方法は、非再生冷却器を出る1次冷却材の温度制御の安定性を向上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、原子力発電プラントを示す模式図である。
【図2】図2は、冷却器出口温度制御装置の概要構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、温度制御弁のCv特性の一例を示す図である。
【図4】図4は、弁制御量補正部による弁制御量の補正の一例を示す図である。
【図5】図5は、弁制御量決定部によって決定された弁制御量と原子炉補機冷却水の流量の関係を示す図である。
【図6】図6は、冷却器出口温度制御装置の動作を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明に係る冷却器出口温度制御装置および冷却器出口温度制御方法の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、これらの実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。
【実施例1】
【0019】
まず、図1を参照しながら、本実施例に係る冷却器出口温度制御装置の制御対象である非再生冷却器12を含む原子力発電プラント1の概要について説明する。図1は、原子力発電プラント1を示す模式図である。原子力発電プラント1は、原子力発電設備である。原子力発電プラント1を構成する原子炉2は、PWR(Pressurized Water Reactor:加圧水型原子炉)である。
【0020】
原子力発電プラント1は、格納容器1W内に原子炉2、蒸気発生器3、加圧器4、1次冷却材ポンプ5、再生熱交換器11が配置される。また、格納容器1Wの外には、タービン8、復水器9及び発電機10が配置される。原子炉2は、圧力容器の内部に核燃料2Cが配置されている。また、前記圧力容器の内部には1次冷却材(冷却水に相当し、例えば軽水が用いられる)C1が満たされている。1次冷却材ポンプ5と原子炉2とは1次冷却材第1供給通路6Aで接続され、原子炉2と蒸気発生器3とは、1次冷却材第2供給通路6Bで接続される。また、蒸気発生器3と1次冷却材ポンプ5とは、1次冷却材回収通路6Cで接続される。
【0021】
このような構成により、1次冷却材ポンプ5から吐出された1次冷却材C1は、1次冷却材第1供給通路6Aを通って原子炉2の圧力容器内へ供給される。そして、圧力容器の内部に配置される核燃料2Cの核分裂反応によって発生した熱エネルギーで1次冷却材C1が加熱される。加熱された1次冷却材C1は、1次冷却材第2供給通路6Bを通って蒸気発生器3へ供給される。そして、1次冷却材C1は、蒸気発生器3の伝熱管3Tを通過した後、蒸気発生器3から流出し、1次冷却材回収通路6Cを通って1次冷却材ポンプ5へ戻り、再び1次冷却材第1供給通路6Aから原子炉2の圧力容器内へ吐出される。
【0022】
蒸気発生器3は、前述した伝熱管3Tを複数備えており、伝熱管3T内を流れる1次冷却材C1によって伝熱管3T外の2次冷却材C2が加熱されて沸騰し、2次冷却材C2の高温高圧の蒸気が生成される。蒸気発生器3とタービン8とは、蒸気供給通路7Sで接続されており、復水器9と蒸気発生器3とは、2次冷却材回収通路7Rで接続されている。これによって、蒸気発生器3で生成された2次冷却材C2の高温高圧の蒸気は、蒸気供給通路7Sを通ってタービン8へ供給されてこれを駆動する。そして、タービン8の駆動軸に連結された発電機10によって電力を発生させる。タービン8を駆動した後の2次冷却材C2は、復水器9で液体となり、2次冷却材回収通路7Rを通って再び蒸気発生器3へ送られる。
【0023】
原子炉2は、加圧水型原子炉であり、加圧器4が1次冷却材第2供給通路6Bに接続されている。そして、加圧器4が1次冷却材第2供給通路6B内の1次冷却材C1に圧力を与える。このような構造により、1次冷却材C1は、核燃料2Cの核分裂反応によって発生した熱エネルギーで加熱されても沸騰せず、液相の状態で原子炉2及びその冷却系を循環する。ここで、原子炉2の冷却系は、1次冷却材ポンプ5、1次冷却材第1供給通路6A、1次冷却材第2供給通路6B、蒸気発生器3、1次冷却材回収通路6Cで構成される1次冷却材C1が流れる系である。
【0024】
1次冷却材C1に含まれる不純物を除去するため、脱塩塔16が設けられる。脱塩塔16は、第1脱塩塔16A及び第2脱塩塔16Bで構成されており、格納容器1Wの外側に設けられる。第1脱塩塔16Aは冷却材混床式脱塩塔であり、第2脱塩塔16Bは、冷却材陽イオン脱塩塔である。原子炉2の冷却系から脱塩塔16へは、1次冷却材ポンプ5の入口側(上流側)から取り出された1次冷却材C1が供給されて脱塩処理が施され、脱塩後の1次冷却材C1は、1次冷却材ポンプ5の出口側(下流側)に戻される。
【0025】
1次冷却材C1の脱塩処理系は、1次冷却材取り出し通路13A、再生熱交換器11、1次冷却材通路13B、非再生冷却器12、1次冷却材通路13C、脱塩塔16、1次冷却材通路13D、体積制御タンク14、1次冷却材戻し通路13E、13Fで構成される。1次冷却材取り出し通路13Aは、原子炉2の冷却系を構成する1次冷却材回収通路6Cと再生熱交換器11とを接続している。再生熱交換器11と非再生冷却器12とは1次冷却材通路13Bで接続されており、また、非再生冷却器12と脱塩塔16とは1次冷却材通路13Cで接続される。
【0026】
脱塩塔16と体積制御タンク14とは1次冷却材通路13Dで接続されており、体積制御タンク14と再生熱交換器11とは1次冷却材戻し通路13Eで接続される。また、再生熱交換器11と1次冷却材第1供給通路6Aとは、1次冷却材戻し通路13Fで接続される。1次冷却材戻し通路13Eには充填ポンプ15が設けられている。
【0027】
1次冷却材C1は、1次冷却材取り出し通路13A、すなわち、1次冷却材ポンプ5の入口側(上流側)から取り出される。原子炉2の冷却系から取り出された1次冷却材C1は、再生熱交換器11へ導かれた後、1次冷却材通路13B、非再生冷却器12、1次冷却材通路13Cを通って脱塩塔16へ導かれ、ここで脱塩処理される。脱塩処理された1次冷却材C1は、1次冷却材通路13Dを通って体積制御タンク14へ一時的に貯められた後、1次冷却材戻し通路13Eに設けられる充填ポンプ15によって再生熱交換器11へ送られる。再生熱交換器11を通過した1次冷却材C1は、1次冷却材戻し通路13Fを通って1次冷却材第1供給通路6A、すなわち、1次冷却材ポンプ5の出口側(下流側)に戻される。
【0028】
次に、本実施例に係る冷却器出口温度制御装置53の概要構成について説明する。冷却器出口温度制御装置53は、温度制御弁51の開度を調整して非再生冷却器12に通水される原子炉補機冷却水の流量を制御することにより、非再生冷却器12の出口における1次冷却材C1の温度を第1脱塩塔16Aの運転温度まで低下させる。原子炉補機冷却水は、原子炉補機冷却水系50において取水され、温度制御弁51を通過して非再生冷却器12に通水された後、原子炉補機冷却水系50へ戻される。
【0029】
図2は、冷却器出口温度制御装置53の概要構成を示すブロック図である。図2に示すように、冷却器出口温度制御装置53は、目標温度記憶部53aと、偏差算出部53bと、偏差補正部53cと、弁制御量決定部53dと、弁制御量補正部53eとを備える。
【0030】
目標温度記憶部53aは、非再生冷却器12の出口における1次冷却材C1の目標温度を記憶する。目標温度記憶部53aには、第1脱塩塔16Aの運転温度相当の温度が目標温度として設定される。偏差算出部53bは、非再生冷却器12の出口において温度計52によって計測された1次冷却材C1の温度と、目標温度記憶部53aに記憶されている目標温度との偏差を算出する。
【0031】
偏差補正部53cは、偏差算出部53bによって算出された偏差を、偏差が大きいほど偏差が大きくなるように補正することによって強調する。例えば、偏差補正部53cは、偏差算出部53bによって算出された偏差に対して、偏差の値が大きくなるほど大きくなるように設定された係数を乗じることによって、偏差算出部53bによって算出された偏差を補正する。
【0032】
1次冷却材C1の温度変化は、非再生冷却器12に通水される原子炉補機冷却水の流量の変化に対して、追随が遅い。偏差補正部53cが偏差算出部53bによって算出された偏差を強調することにより、1次冷却材C1の温度変化の追随性を改善することができる。
【0033】
弁制御量決定部53dは、偏差補正部53cによって強調された温度の偏差等に基づいて、温度制御弁51の開度に関する制御量を決定する。温度制御弁51の開度に関する制御量の決定は、例えば、PID制御等のフィードバック制御技術を利用して行われる。
【0034】
弁制御量補正部53eは、弁制御量決定部53dによって決定された温度制御弁51の制御量(以下、「弁制御量」)を、弁制御量と、非再生冷却器12に通水される原子炉補機冷却水の流量との関係が線形になるように補正する。
【0035】
ここで、図3〜図5を参照しながら、弁制御量補正部53eにおける弁制御量の補正についてより詳細に説明する。図3は、温度制御弁51のCv特性の一例を示す図である。図4は、弁制御量補正部53eによる弁制御量の補正の一例を示す図である。図5は、弁制御量決定部53dによって決定された弁制御量と原子炉補機冷却水の流量の関係を示す図である。
【0036】
上述したように、一般に、弁のCv特性は非線形であり、図3の例に示すように、温度制御弁51のCv特性も、弁の開度に対する流量の関係が非線形となっている。
【0037】
そこで、弁制御量補正部53eは、弁制御量決定部53dによって決定された弁制御量と、非再生冷却器12に通水される原子炉補機冷却水の流量との関係が線形になるように、弁制御量を補正する。具体的には、弁制御量補正部53eは、弁制御量決定部53dによって決定された弁制御量である入力制御量を、図4の例に示すように、入力制御量と出力制御量との関係が温度制御弁51のCv特性と逆の関係になるように補正し、補正後の出力制御量を出力する。
【0038】
このような補正により、弁制御量決定部53dによって決定された弁制御量と、非再生冷却器12に通水される原子炉補機冷却水の流量との関係は、図5の例に示すように線形となる。この結果、温度制御弁51の開度領域に関わらず、弁制御量決定部53dによって決定された弁制御量の変動量に対して、非再生冷却器12に通水される原子炉補機冷却水の流量の変動量が一定となり、非再生冷却器12の出口における1次冷却材C1の温度制御の安定性が向上する。
【0039】
次に図6を参照しながら、図2に示した冷却器出口温度制御装置53の動作について説明する。図6は、冷却器出口温度制御装置53の動作を示すフロー図である。冷却器出口温度制御装置53は、起動中は、図6に示す処理手順を繰り返して実行する。
【0040】
図6に示すように、まず、冷却器出口温度制御装置53は、ステップS10として、非再生冷却器12の出口において温度計52によって計測された1次冷却材C1の温度を取得する。そして、偏差算出部53bが、ステップS11として、取得された温度と、目標温度記憶部53aに記憶されている目標温度との偏差を算出する。
【0041】
続いて、偏差補正部53cが、ステップS12として、偏差算出部53bによって補正された偏差を、偏差の大きさに基づいて補正する。そして、弁制御量決定部53dが、ステップS13として、補正後の偏差に基づいて、温度制御弁51の開度に関する制御量を決定する。
【0042】
続いて、弁制御量補正部53eが、ステップS14として、決定された制御量を、温度制御弁51のCv特性に基づいて、制御量と、非再生冷却器12に通水される原子炉補機冷却水の流量との関係が線形になるように、温度制御弁51の開度に関する制御量を補正する。そして、冷却器出口温度制御装置53は、ステップS15として、補正後の制御量を指示するための制御信号を温度制御弁51へ出力する。
【0043】
上述してきたように、本実施例では、フィードバック制御等に基づいて決定した弁の開度に関する制御量を、制御量と弁を通過する原子炉補機冷却水の流量との関係が線形となるように補正することとしたので、非再生冷却器の出口における1次冷却材の温度制御の安定性を向上させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
以上のように、本発明に係る冷却器出口温度制御装置および冷却器出口温度制御方法は、原子力発電プラントに有用であり、特に、非再生冷却器を出る1次冷却材の温度の制御の安定性を向上させることが必要な場合に適している。
【符号の説明】
【0045】
1 原子力発電プラント
1W 格納容器
2 原子炉
2C 核燃料
3 蒸気発生器
3T 伝熱管
4 加圧器
5 1次冷却材ポンプ
6A、6B 供給通路
6C 1次冷却材回収通路
7R 2次冷却材回収通路
7S 蒸気供給通路
8 タービン
9 復水器
10 発電機
11 再生熱交換器
12 非再生冷却器
13A 1次冷却材取り出し通路
13B、13C、13D 1次冷却材通路
13E、13F 1次冷却材戻し通路
14 体積制御タンク
15 充填ポンプ
16A、16B 脱塩塔
50 原子炉補機冷却水系
51 温度制御弁
52 温度計
53 冷却器出口温度制御装置
53a 目標温度記憶部
53b 偏差算出部
53c 偏差補正部
53d 弁制御量決定部
53e 弁制御量補正部
C1 1次冷却材
C2 2次冷却材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原子力発電プラントにおいて設置される非再生冷却器出口の1次冷却材の温度を制御する冷却器出口温度制御装置であって、
前記冷却器の出口における1次冷却材の温度と目標温度との偏差に基づいて、前記冷却器に通水される液体の流量を調整する弁の制御量を決定する弁制御量決定部と、
前記弁制御量決定部によって決定された制御量を、前記弁の開度と流量との関係に基づいて、当該制御量と、前記冷却器に通水される液体の流量との関係が線形となるように補正する弁制御量補正部と
を備えることを特徴とする冷却器出口温度制御装置。
【請求項2】
前記冷却器の出口における1次冷却材の温度と前記目標温度との偏差を、偏差の値が大きいほど大きく補正する偏差補正部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の冷却器出口温度制御装置。
【請求項3】
前記弁制御量決定部は、前記冷却器の出口における1次冷却材の温度と目標温度との偏差に基づくPID制御によって、前記弁の制御量を決定することを特徴とする請求項1または2に記載の冷却器出口温度制御装置。
【請求項4】
原子力発電プラントにおいて設置される非再生冷却器出口の1次冷却材の温度を制御する冷却器出口温度制御装置によって実行される冷却器出口温度制御方法であって、
前記冷却器の出口における1次冷却材の温度と目標温度との偏差に基づいて、前記冷却器に通水される液体の流量を調整する弁の制御量を決定する弁制御量決定部と、
前記弁制御量決定部において決定された制御量を、前記弁の開度と流量との関係に基づいて、当該制御量と、前記冷却器に通水される液体の流量との関係が線形となるように補正する弁制御量補正部と
を含むことを特徴とする冷却器出口温度制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−83114(P2012−83114A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−226962(P2010−226962)
【出願日】平成22年10月6日(2010.10.6)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)