説明

冷温飲料水サーバー

【課題】構造及び操作方法が簡単で使いやすく、また整備が容易であり、更に冷水及び温水を1台で供給できる冷温飲料水サーバーを提供する。
【解決手段】冷温飲料水サーバー1は、飲料水供給ボトル2個及び温水用タンク1個を装備する。飲料水ボトルの1個である冷水用水ボトル11は上段10に配置され、自然流出により冷水を供給する。この冷水用水ボトル11は、冷却されても良い。残る1個の飲料水ボトルである温水用水ボトル31は、中段30に配置され、自然流出により、下段50に配置された温水タンク51に飲料水を供給する。この飲料水は、温水タンク51内において加熱状態で温水として貯蔵され、この温水は温水ポンプ53により中段30又は上段50へ揚水されることにより使用者に提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料水提供機に関し、更に詳細には、温水と冷水の両方を同一器具により提供する冷温飲料水提供機に関する。
【背景技術】
【0002】
飲料専用の飲料水は、水道水よりも美味、健康的且つ衛生的であるものがボトルに充填されて市販され、多くの家庭、仕事場及び公共設備などにおいて提供されている。この飲料水の使用者への提供を簡便にする為に、前記飲料水の提供部であるバルブなどを装備した飲料水サーバーが市販され、数々の機能を有するサーバーが開発されている。
【0003】
飲料水サーバー機能の多様化の例としては、冷水及び温水を同一器具により提供できる飲料水サーバーが挙げられる。このような冷温飲料水サーバーにおいては、冷水用ボトル及び温水用ボトルを使用者の頭部の高さに配置して、飲料水を自然流出させることにより、使用者の胸部の高さにおいての飲料水提供が可能となる。しかし、この様なボトル配置においては、2個の飲料水ボトルにより重心が上がりすぎ、安定性が低くなる。安定性を高める為には、少なくとも1個のボトル又は飲料水の過渡的貯蔵部であるタンクを下部に配置して、ポンプ揚水により冷水又は温水を提供する必要がある。
【0004】
このような、自然流出とポンプ揚水を組み合わせた冷温飲料水サーバーとして、特開2000−335691号公報(特許文献1)及び特開2000−85892号公報(特許文献2)が開示されている。
【0005】
特許文献1においては、1個の水ボトルから飲料水が自然流出し、前記水ボトルの下方に設置された冷水タンク及び温水タンクへ、前記飲料水が供給される。冷水タンクにおいては、冷却パイプにより前記冷水タンク内部の飲料水が冷却されて冷水化され、冷水バルブにおいて前記冷水が提供される。特許文献1の図1によれば、前記冷水バルブは前記冷水タンクの上方に設置されているので、前記冷水の提供のためには、揚水を行う為の冷水ポンプが必要となる。前記温水タンクにおいては、ヒーターにより前記温水タンク内部の飲料水が加熱されて温水化され、温水バルブにおいて前記温水が提供される。特許文献1の図1によれば、前記温水バルブは温水タンクの上方に設置されているので、ここにおいても、前記温水の提供のためには、揚水を行う為の温水ポンプが必要となる。
【0006】
特許文献2においては、飲料水がまず最初に水ボトルから冷水タンクへ自然流出により供給される。前記冷水タンクにおいて、前記飲料水が冷却されて冷水化される。この冷水は、冷水抽出弁において使用者へ提供される。前記冷水抽出弁は、前記冷水タンクの下側に設置されているので、自然流出により前記冷水を提供できる。又、前記冷水タンクの中心には貯水部が存在し、仕切り板により前記冷水タンクの他の部分から隔離されている。
【0007】
前記貯水部の下方には温水タンクが設置され、前記貯水部内の飲料水が自然流出により温水タンクに供給される。前記飲料水は、前記温水タンクのバンドヒーターにより加熱されて温水化される。前記温水は、温水抽出弁から提供される。引用文献2の図1、3及び4によれば、前記温水抽出弁は前記温水タンクの上部に配置されているので、前記温水を提供する為には、揚水を行う為の温水ポンプが必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2000−335691号公報
【特許文献2】特開2000−85892号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、これらの特許文献における冷温飲料水サーバーは、何れも重大な欠点を有する。それは、これらの冷温飲料水サーバーは構造が複雑であり、又エネルギー消費量が高いということである。特許文献1の冷温飲料水サーバーにおいては、冷水ポンプと温水ポンプの2個が必要となるので、構造が複雑となり、故障の可能性が高くなる。又、2個のポンプの装備により、エネルギーの消費量も高くなる。
【0010】
又、特許文献2の冷温飲料水サーバーにおいては、貯水部の飲料水の冷却が避けられない。特許文献2においては、段落[0004]に、「貯蔵部43は、冷水部44ほどには冷却されない」と記載されていて、貯蔵部の冷却は避けられないことを示している。従って、特許文献2の冷温飲料水サーバーにおいては、冷却された飲料水を加熱して温水化するので、エネルギーを浪費してしまう。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、従来における発明の欠点を克服する為に為されたものである。本発明の冷温飲料水サーバーは、飲料水供給ボトルを2個及び温水用タンクを1個を装備する。前記飲料水ボトルの1個である冷水用水ボトルは最上部(上段)に配置され、自然流出により冷水を供給する。前記冷水用水ボトルは、冷却されても良い。残る1個の飲料水ボトルである温水用水ボトルは、中部(中段)に配置され、自然流出により、最下部(下段)に配置された前記温水タンクに飲料水を供給する。前記飲料水は、前記温水タンク内において加熱状態で温水として貯蔵され、前記温水はポンプにより中段又は上段へ揚水されることにより使用者に提供される。前記冷水用水ボトル及び前記温水用水ボトルは、底面を前方へ傾斜することにより、前記ボトルの吐水口へ前記ボトル内の飲料水が集合され、前記ボトル内の使用可能飲料水の容量を大きくすることができる。
【0012】
従って、本発明の第1の形態は、上段、中段及び下段から構成され、上段は、水を室温又は冷却状態で貯蔵する冷水用水ボトルを配置し、前記冷水用水ボトルから重力により自然に流下する水を冷水バルブを介して提供し、中段は、水を貯蔵する温水用水ボトルを配置し、前記温水用水ボトルから重力により自然に流下する水を、温水用水吐水口を介して下段への中段/下段接続パイプに供給し、下段は、温水を貯蔵する温水タンクを配置し、前記中段/下段接続パイプを介して供給された水を加熱手段により温水化し、前記温水を前記温水タンクに貯蔵し、前記温水を温水ポンプにより前記温水タンクから上段又は中段まで汲み上げて温水吐水口から提供する冷温飲料水サーバーである。
【0013】
本発明の第2の形態は、第1の形態において、前記冷水用水ボトルを冷却する冷却手段を設け、前記冷水用水ボトルを冷却することにより水を冷水化し、前記冷水バルブを介して前記冷水を提供する冷温飲料水サーバーである。
【0014】
本発明の第3の形態は、第2の形態において、前記冷却手段は、少なくとも冷却媒体、冷却媒体用コンプレッサー及び冷却媒体用パイプからなる冷温飲料水サーバーである。
【0015】
本発明の第4の形態は、第1〜3の形態のいずれかにおいて、前記冷水用水ボトルが柔軟性材料から構成される水バッグであり、しかも前記水バッグの内部が減圧されていて、前記水バッグの水量の減少に応じて前記水バッグが収縮する冷温飲料水サーバーである。
【0016】
本発明の第5の形態は、第1〜4の形態のいずれかにおいて、前記温水用水ボトルが柔軟性材料から構成される水バッグであり、しかも前記水バッグの内部が減圧されていて、前記水バッグの水量の減少に応じて前記水バッグが収縮する冷温飲料水サーバーである。
【0017】
本発明の第6の形態は、第1〜5の形態において、冷水用水ボトルの底面を前方へ傾斜させる前方傾斜手段を設け、前記冷水用水ボトル内の水を冷水バルブ付近へ集合させる冷温飲料水サーバーである。
【0018】
本発明の第7の形態は、第1〜6の形態において、温水用水ボトルの底面を前方へ傾斜させる前方傾斜手段を設け、前記温水用水ボトル内の水を温水用水出口付近へ集合させる冷温飲料水サーバーである。
【0019】
本発明の第8の形態は、第1〜7の形態のいずれかにおいて、前記上段に、開状態において前記冷水用水ボトルが少なくとも前方及び上方において開放される冷水用水ボトル交換扉を設け、前記冷水用水ボトルの交換を可能とする冷温飲料水サーバーである。
【0020】
本発明の第9の形態は、第1〜8の形態のいずれかにおいて、前記中段に、前記温水用水ボトルを前方へ移動させる引き出し機構を設け、前記温水用水ボトルを前方へ引き出して、前記温水用水ボトルの少なくとも前方及び上方を開放することにより、前記温水用水ボトルの交換を可能とする冷温飲料水サーバーである。
【0021】
本発明の第10の形態は、第1〜9の形態において、前記冷水用水ボトルの保持板に上段保持板ドレインを設け、前記保持板上の溜水を排水させる冷温飲料水サーバーである。
【0022】
本発明の第11の形態は、第1〜10の形態のいずれかにおいて、前記温水用水ボトルの保持板に中段保持板ドレインを設け、前記保持板上の溜水を排水させる冷温飲料水サーバーである。
【0023】
本発明の第12の形態は、第1〜11の形態のいずれかにおいて、前記温水タンクの底部に温水タンクドレインを設け、前記温水タンク内の水の排水を可能とする冷温飲料水サーバーである。
【0024】
本発明の第13の形態は、第1〜12の形態のいずれかにおいて、前記上段、中段及び下段は、1個の縦長の略直方体箱において形成され、外部構造及び内部構造が集約されることにより小型化される冷温飲料水サーバーである。
【発明の効果】
【0025】
本発明の第1の形態によれば、冷水のみを供給する冷水用水ボトルから、自然流出による冷水の提供を行い、また温水のみを供給する温水タンクにより、温水ポンプ揚水による温水の提供を行い、更に前記温水タンクへ、冷水用水ボトルとは系統的に独立した温水用水ボトルから飲料水を供給するので、省エネルギーであり、構造が簡単であり、且つ衛生的な冷温飲料水サーバーを提供できる。
【0026】
本発明における冷温飲料水サーバーにより、使用者の頭から胸にかける高さにおいて、冷水及び温水を供給できるので、使用者の腕が最も届き易い位置において、冷水及び温水を供給できる。従来における、自然流出のみによる飲用水サーバーにおいては、供給位置が低いので、使用者が腕を下まで伸ばす必要があり、不便である。本発明の飲料水サーバーは、この不便さを解決する。
【0027】
本発明の冷温飲料水サーバーは、引用文献1のそれと比較して、構造が単純である利点を有する。引用文献1においては、冷水タンク及び温水タンクの両方においてポンプが必要なので、構造が複雑であり、エネルギー消費量が多く、また故障の可能性も高い。本発明においては、ポンプは1個のみで良いので、構造が簡単になり、故障の可能性が低くなり、またエネルギー消費量が少なくなる。
【0028】
又、本発明の冷温飲料水サーバーは、引用文献2のそれと比較して、省エネルギーとなり、また衛生的である。引用文献2においては、冷却された水を加熱して温水とするので、エネルギーの損失を生じる。又、ヒーターに過度な負担が生じるので、故障が起こりやすい。又、引用文献2においては、温水タンクから冷水タンクへ逆流が起こることにより、相互汚染を起こす可能性がある。本発明においては、冷水提供系統と温水提供系統が完全に独立しているので、冷水が温水提供系統に入り込む可能性は無いし、温水が冷水提供系統に入り込む可能性もない。従って、エネルギー浪費及び相互汚染の可能性も存在しない。
【0029】
本発明における冷水用水ボトル及び温水用水ボトルの材質及び形状は問わない。前記ボトルの材質としては、プラスチック、ガラス及び金属などが使用できる。但し、プラスチックは、軽量なので、前記ボトルの材質としては最も好ましい。又、これらのボトルは、柔軟性を有するバッグでも良いし、剛性を有するボトルであっても良い。但し、前記ボトル及び飲料水の供給を簡単にするために、冷水用水ボトル及び温水用水ボトルは、材質及び形状が同一であることが望ましい。
【0030】
本発明における冷水用水ボトルは冷却されても良い。この場合は、冷水用水ボトルは冷却に耐性を有する部材が必要である。しかし、上記材質は何れも冷却に耐性を有するので、冷水用水ボトルの直接な冷却に適する。
【0031】
本発明における温水ポンプは、下段に設置された温水タンクの更に下方に設置されている方が、効率がよい。しかし、温水タンクの上方に設置されていてもよい。又、下段ではなく、中段または上段に設置されていてもよい。前記温水ポンプを前記温水タンクの上方に設置することにより、前記温水ポンプの前記温水タンクによる遮蔽が防止できるので、前記温水ポンプの整備が容易になる。
【0032】
本発明の第2の形態によれば、冷水用水ボトルを冷却手段により冷却して、冷水を得るので、簡単な機構を使用して低温度(4℃付近)の冷水を提供することができる。前記した通り、冷水用水ボトルの材質としては、プラスチック、ガラス及び金属などが考えられるが、何れの材質を使用しても、4℃付近の耐冷性は容易に確保できる。但し、プラスチックが最も軽量なので、好ましい。又、本形態における冷水用水ボトルの冷却手段としては、冷却媒体を使用したヒートポンプ冷却及び電熱効果を利用したペルチエ冷却などが考えられる。又、氷などの冷却媒体を冷水用水ボトルの周囲に補給しても良い。
【0033】
本発明の第3の形態によれば、冷却媒体を使用して冷却するので、市販されている冷蔵庫と同様のヒートポンプ効果を利用した機構により冷却を行うことができ、確立された技術を使用することにより、冷却を行うことができる。使用できる冷却媒体の種類としては、数々のものが存在するが、現在において冷却媒体として最も頻繁に使用されているイソブタンが、供給性及び技術的易度から最も好ましい。しかし、フロン、アンモニア及び二酸化炭素なども使用できる。
【0034】
本発明の第4の形態によれば、柔軟性を有する材料で製造され、冷水の供給が進むごとに体積が縮小するバッグを、冷水用水ボトルとして使用とするので、軽量で且つ交換及びリサイクルが簡単な冷水用水ボトルを使用することができ、また冷水を衛生的に保持することができる。
【0035】
ここにおけるバッグは、剛性を有するボトルと比べて極めて薄肉なので、軽量であり、従って飲料水の販売後の運搬が容易になり、また使用後の空ボトルの取り外しも容易になるので、ボトルの交換が容易になる。又、ボトルが極めて安価になり、リサイクルも簡単になる。
【0036】
又、冷水の提供により体積が縮小するので、剛性を有するボトルと違って、外からの空気をボトル内に導入する必要が無い。従って、空気中に存在する埃、タバコの煤塵、花粉、カビ胞子及び細菌などによる汚染が起こらないので、ボトル内の冷水を衛生的に保つことができる。
【0037】
本発明の第5の形態によれば、柔軟性を有する材料で製造され、飲料水の温水タンクへの供給が進むごとに体積が縮小するバッグを、温水用水ボトルとして使用とするので、軽量で且つ交換及びリサイクルが簡単な温水用水ボトルを使用することができ、また温水用水を衛生的に保持することができる。
【0038】
ここにおけるバッグは、剛性を有するボトルと比べて極めて薄肉なので、軽量であり、従って飲料水の販売後の運搬が容易になり、また使用後の空ボトルの取り外しも容易になるので、ボトルの交換が容易になる。又、ボトルが極めて安価になり、リサイクルも簡単になる。
【0039】
又、温水用水の提供により体積が縮小するので、剛性を有するボトルと違って、外からの空気をボトル内に導入する必要が無い。従って、空気中に存在する埃、タバコの煤塵、花粉、カビ胞子及び細菌などによる汚染が起こらないので、ボトル内の温水用水を衛生的に保つことができる。
【0040】
本発明の第6の形態によれば、冷水用水ボトルの底面を前方へ傾斜して、前記ボトル内の水を冷水バルブ付近へ集合させるので、ボトル内の水の残留量を少なくさせ、ボトルを効率的に使用することができる。
【0041】
従来型の冷水用水ボトルにおいては、ボトルの底面が略水平となっているので、冷水バルブから下側に存在する、自然流出できない水の量が多い。従って、供給できない水の体積、即ちデッドボリュームが大きい。本形態の冷水用水ボトルは前方に傾斜しているので、デッドボリュームを小さい。従って、利用できる水の比率が大きいので、効率的に冷水を提供できる。
【0042】
冷水用水ボトルを前方へ傾斜させる方法としては、前記ボトルを下側から保持する略平面な保持板を前方へ傾斜する方法があり、この方法は剛型ボトル及び柔軟型ボトルの両方に応用できる。又、保持板を使用しない場合においては、、側面の保持具の配置により、ボトルを前方へ傾ける方法があり、この方法はボトルが剛性を有し、前記ボトルの底面が略平面である場合において有効である。
【0043】
デッドボリュームが低下されたボトルの他の形式としては、柔軟性バッグをボトルとして使用し、前記バッグの保持板をV字型に形成することにより、前記バッグの下部容積が低下されたボトルが考えられる。しかし、このようなボトルにおいては、保持板のV字型加工を必要とするので、製造工程が複雑となる。又、ボトルが剛性を有する場合には、保持板をV字型にしても、前記ボトルの底面がV字型とならないので、デッドボリュームは低下されない。
【0044】
本形態におけるボトルは、底面が略平面であれば良い。従って、本形態におけるボトルは、既に市販され、略平面底面を有する剛性ボトルを前方へ傾斜させるだけで形成できる。又、ボトルに柔軟性材料を使用する場合は、略平面である保持板を前方へ傾斜させるだけで、本形態におけるボトルを形成できるので、保持板の製造が簡単になる。
【0045】
本発明の第6の形態によれば、温水用水ボトルの底面を前方へ傾斜して、前記ボトル内の水を温水用水吐水口付近へ集合させるので、ボトル内の水の残留量を少なくさせ、ボトルを効率的に使用することができる。
【0046】
従来型の温水用水ボトルにおいては、ボトルの底面が略水平となっているので、温水用水吐水口から下側に存在する、自然流出できない水の量が多い。従って、供給できない水の体積、即ちデッドボリュームが大きい。本形態の温水用水ボトルは前方に傾斜しているので、デッドボリュームを小さい。従って、利用できる水の比率が大きいので、効率的に温水用水を提供できる。
【0047】
温水用水ボトルを前方へ傾斜させる方法としては、前記ボトルを下側から保持する保持板を前方へ傾斜する方法があり、この方法は剛型ボトル及び柔軟型ボトルの両方に応用できる。又、保持板を使用しない場合においては、側面の保持具の配置により、ボトルを前方へ傾ける方法があり、この方法はボトルが剛性を有する場合に有効である。
【0048】
デッドボリュームが低下されたボトルの他の形式としては、柔軟性バッグをボトルとして使用し、前記バッグの保持板をV字型に形成することにより、前記バッグの下部容積が低下されたボトルが考えられる。しかし、このようなボトルにおいては、保持板のV字型加工を必要とするので、製造工程が複雑となる。又、ボトルが剛性を有する場合には、保持板をV字型にしても、前記ボトルの底面がV字型とならないので、デッドボリュームは低下されない。
【0049】
本形態におけるボトルは、底面が略平面であれば良い。従って、本形態におけるボトルは、既に市販され、略平面底面を有する剛性ボトルを前方へ傾斜させるだけで形成できる。又、ボトルに柔軟性材料を使用する場合は、略平面である保持板を前方へ傾斜させるだけで、本形態におけるボトルを形成できるので、保持板の製造が簡単になる。
【0050】
本発明の第8の形態によれば、少なくとも前方及び上方において開放できる冷水用水ボトル交換扉を有するので、冷水用水ボトルの交換を簡単に行うことができる。通常の交換扉は、前方のみに開放するものであるが、このような交換扉は制約が多い。前方のみの開放では、前記ボトルを上方へ持ち上げることが困難となり、従って前記ボトルの交換が不便となる。本形態における交換扉を装備することにより、前記ボトルを上方へ持ち上げることが容易となり、従って前記ボトルの交換が容易となる。
更に、前記冷水用水ボトルの左方及び右方に交換扉を設けて、前記ボトルの左方及び右方を開放することもできる。この場合は、前記ボトルの交換が更に簡単になる。
【0051】
本発明の第9の形態によれば、温水用水ボトルを前へ引き出すことにより、温水用水ボトルを少なくとも前方及び上方において開放できるので、温水用水ボトルの交換を容易にすることができる。
【0052】
温水用水ボトルの前方及び上方を開放することは、冷水用水ボトルと比べて困難である。温水用水ボトルが設置されている中段においては、上方へ開放する交換扉を設けるためには、上段を取り外す機構を設ける必要があり、従って非実用的である。上段を取り外す代わりに、温水用水ボトルを、前方へ引き出すことにより、温水用水ボトルの上方を開放することができ、温水用水ボトルの交換を容易にする。本形態における引き出し機構としては、保持板をレールに乗せるスライド式が最も好ましい。
【0053】
本発明の第10の形態によれば、冷水用水ボトルの保持板(即ち上段保持板)に排水機構である上段保持板ドレインが装備されているので、前記保持板上の溜水を簡単に除去することができ、従って前記保持板において衛生的な環境を保つことができる。
【0054】
前記保持板上には、交換時のボトルの漏れなどにより、溜水が発生しやすい。特に、冷水用水ボトルが冷却されている場合においては、大気中の水分が結露し、この露水が前記保持板上に集合して溜水となるので、溜水の問題が更に深刻となる。本形態のドレインを使用することにより、前記問題を解決することができる。
【0055】
本発明の第11の形態によれば、温水用水ボトルの保持板(即ち中段保持板)に排水機構である中段保持板ドレインが装備されているので、溜水を簡単に排除でき、衛生的な環境を保つことができる。温水用水ボトルにおいては、結露は重要な問題ではないが、ボトルの交換などの際に水が漏れたりすることがあるので、前記保持板の溜水の除去は重要である。
【0056】
本発明の第12の形態によれば、温水タンクに排水機構である温水タンクドレインが装備されているので、温水タンクから不要な水を簡単に除去できる。温水タンクの洗浄及び修理、及び冷温飲料水サーバーの輸送などの前には、前記温水タンク内部の水を除去する必要がある。本形態のドレインはこの水の除去を容易にする。
【0057】
本発明の第13の形態によれば、1個の箱の中に上段、中段及び下段が一体化されて形成されているので、、部品を近接させて配置することができる、全体をコンパクトに製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】冷温飲料水サーバーの側面透視図である。
【図2】冷水用水ボトル交換扉が開状態にある場合の上段の側面透視図である。
【図3】冷温飲料水サーバーの前面透視図である。
【図4】温水用水ボトル交換扉が開状態にある場合の冷温飲料水サーバーの上面図である。
【図5】従来の保持版の効果及び本発明における保持版の効果の比較を示す概念図である。
【図6】引き出し機構による温水用水ボトルの引き出しを示す斜視図である。
【図7】中段保持板が水平である状態で、温水タンクの上部に温水ポンプが設置されている場合の部分側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0059】
図1は、冷温飲料水サーバー1の側面透視図である。冷温飲用水サーバー1は、上段10、中段30及び下段50から形成される。上段10内においては、冷水用水ボトル11が設置され、前記ボトル11において冷水を貯蔵する。図1における冷水用水ボトル11は、柔軟性を持つバッグなので、空気入れ孔を必要としない。しかし、冷水用水ボトル11は、剛性を有するものでも良く、その場合には空気入れ孔を装備する必要がある。
【0060】
この冷水用水ボトル11には、冷水バルブ12が設置され、前記バルブ12において冷水が重力により自然に流出し、使用者に提供される。図1においては、前記バルブ12が前記ボトル11に直接に結合している。しかし、前記ボトル11と前記バルブ12が、ホース又はパイプなどにより結合されても良い。
【0061】
上段10には、冷水用水ボトル交換扉21が装備される。図1における交換扉21は、開状態において前方及び上方が開放され、前記ボトル11の交換を容易にする。前記交換扉21は、一体で形成されても、また複数の部品により形成されても良い。又、前方へ開く交換扉及び上方へ開く交換扉が別個に装備されても良い。図1においては、冷水用水ボトル11の左右方は開放されない。しかし、冷水用水ボトル交換扉21が、前方及び上方と共に、左右方を開放するものでも良い。又、前記交換扉21とは別に、左右方に開放する交換扉が追加装備されても良い。冷水用水ボトル11内の飲料水残量の視認を可能にする為に、前記交換扉21は透明材質により製造されていることが好ましい。前記交換扉21の材質を透明プラスチックとすることにより、透明で且つ軽量であり、開閉が容易である冷水用水ボトル交換扉21を得ることができる。
【0062】
上段10の下部には、略平面な上段保持板22が配置され、上段保持板22上に冷水用水ボトル11が支えられる。図1においては、上段保持板22は冷却され、この冷却により前記水ボトル11内の飲料水が冷水化される。又、図1においては、上段保持板22は前方に傾斜され、冷水バルブ付近へ冷水を集合させることにより、デッドボリューム(使用できない飲料水の容積)が減少される。
【0063】
上段保持板22には、上段保持板ドレイン23が装備され、前記ドレイン23により上段保持板22上に形成する溜水が除去される。前記したように、上段保持板22は冷却されているので、水が露結することにより形成される溜水が発生し易い。上段保持板ドレイン23は、この溜水を除去し、上段保持板22を衛生的に保つ。
【0064】
冷水用水ボトル11の左方、右方及び後方には、保冷板24が設置されている。これらの保冷板24は発泡スチロールなどの断熱材を材質として形成され、冷水用水ボトル11の冷却状態を保持する。又、冷水用水ボトル11の交換を容易にする為に、前記保冷板24が、前記水ボトル11の周辺を開放するように開くことが可能であっても良い。
【0065】
図1においては、上段10には温水吐水口55が設置されていて、前記吐水口55から温水を提供する。ここにおける温水は、下段50から供給されるものである。従って、温水吐水口55は、冷水用水ボトル11及び冷水バルブ12からなる冷水提供系統から独立したものである。図1においては、温水吐水口55は、冷水バルブ12の近辺に設けられ、配置位置は上段10の下部である。しかし、温水吐水口55の配置位置は、中段30でも良い。図1においては、温水吐水口55は、使用者の胸部の高さに設置されているので、使用し易い。
【0066】
上段10の下側には中段30が配置される。中段30には、温水用水ボトル31が設置される。前記ボトル31から、飲料水を下部50へ供給する。前記飲料水は、下部50において温水として貯蔵される。図1における温水用水ボトル31は、柔軟性を持つバッグなので、空気入れ孔を必要としない。しかし、温水用水ボトル31は、剛性を有するものでも良く、その場合には空気入れ孔を装備する必要がある。温水用水ボトル31は、それ自身は飲料水を温水として貯蔵する必要はない。従って、温水用水ボトル31は熱耐性を有する必要が無く、従って冷水用水ボトル11と同じ材質により製造することができる。温水用水ボトル31が、冷水用水ボトル11と同じ材質及び構造により製造され、相互に交換性を有する方が、飲料水の供給性及び整備の容易性の点で好ましい。図1においては、温水用水ボトル31は加熱されない。しかし、前記ボトル31の材質が劣化しない程度に、前記ボトル31が加熱されても良い。
【0067】
温水用水ボトル31には温水用水吐水口32が設けられる。前記吐水口32は、冷水バルブ12と同じ構造を有してもよい。前記吐水口32は中段/下段接続パイプ33に接続され、前記パイプ33は下段50に接続される。前記吐水口32及び前記パイプ33を介して、前記ボトル31からの飲料水が、自然に流出して下段50へ供給される。
【0068】
中段30の温水用水ボトル31の前方には、温水用水ボトル交換扉41が設けられる。図1においては、前記交換扉41は横に開き、前記ボトル31の前方のみが開放される。温水用水ボトル31の上方を開放する為に、前記ボトル31の引き出し機構が中段30に設けられてもよい。前記ボトル31内の飲料水残量の視認を可能にする為に、前記交換扉41は透明材質により製造されていることが好ましい。前記交換扉41の材質を透明プラスチックとすることにより、透明で且つ軽量であり、開閉が容易である温水用水ボトル交換扉41を得ることができる。
【0069】
中段30の下部においては、略平面な中段保持板42が設けられ、この中段保持板42により温水用水ボトル31が支えられている。図1における中段保持板42は、前方に傾斜している。この傾斜により、ボトル31内のデッドボリューム(利用できない飲料水の体積)を減らすことができ、ボトル31内の飲料水を有効に使用することができる。中段保持板42には、中段保持板ドレイン43が装備され、中段保持板42上に発生する溜水が除去される。
【0070】
中段30の下側には、下段50が配置されている。下段50には、温水タンク51が装備され、温水タンク51内において、加熱状態で温水として貯蔵される。温水タンク51を下段50に設置することにより、冷温飲料水サーバー1の重心を低くすることができ、前記サーバー1の安定性に貢献できる。温水タンク51は耐熱性及び耐腐食性を有する材料から製造される。最も望ましい材料は、ステンレスなどの金属である。しかし、温水タンク51を魔法瓶構造もすることもでき、この場合はガラスも材料として使用することができる。
【0071】
温水タンク51には、中段/下段接続パイプ33が接続され、パイプ33から飲料水が供給される。温水タンク51の内部には加熱手段が設けられ、前記飲料水を加熱して温水化する。この温水は使用者への提供時まで、加熱状態で貯蔵される。従って、サーミスタ等による定温保持機構が装備されていることが好ましい。ここにおける加熱手段としては、水中投入電熱器、タンク外部電熱器、赤外線加熱器、IH加熱器、及び電磁波加熱器などが使用できる。
【0072】
温水タンク51には、温水タンクドレイン59が装備されている。このドレイン59は、保持板ドレイン23及び43と違い、冷温飲料水サーバー1の使用時においては封鎖されている。しかし、前記タンク51の洗浄時及び整備時、及び前記サーバー1の輸送時において、前記ドレイン59を開放することにより、温水タンク51内に残留する水を除去する。
【0073】
図1においては、温水タンク51の下部にはタンク/ポンプ接続パイプ52が接続され、このパイプ52には温水ポンプ53が接続される。しかし、温水ポンプ53を温水タンク51に直接に接続しても良い。温水ポンプ53は、温水提供時において作動し、温水タンク51から上方へ汲み上げる。温水ポンプ53は、温水タンク51の上方に設置しても良く、また中段30又は上段10に設置しても良い。このような温水ポンプ53配置の場合には、前記ポンプ53を前記タンク51の下方に設置する場合よりも、前記ポンプの整備が簡単になる。しかし、図1に示されるように、温水タンク51の直下に設置されることにより、温水汲上げ効率が最も高くなる。前記ポンプ53の形式は問わないが、例えば渦巻きポンプ、ディフューザポンプ、カスケードポンプ、渦巻き斜流ポンプ、ディフューザ斜流ポンプ、ギアポンプ及びダイアフラムポンプなどが使用できる。
【0074】
温水ポンプ53には、温水吐水パイプ54が接続されている。前記パイプ54は、下段50から中段30又は上段10に配置された温水吐水口55まで、温水を誘導する。
【0075】
下段50には、温水を提供する為の系統とは独立して、冷却媒体用コンプレッサー71が設置されている。前記冷却媒体は、上段10に設置された上段保持板22を冷却するのに使用される。この冷却に使用された冷却媒体を、冷却媒体用パイプ72により冷却媒体用コンプレッサー71へ輸送し、コンプレッサー71により圧縮して、冷温水サーバー1の外部に設置された冷却媒体凝縮器により放熱し、冷却媒体膨張弁により低温ガス化して、再度に上段保持板22へ輸送されて上段保持板22を冷却する。冷却媒体用コンプレッサー71は重いので、前記サーバー1の重心を低くする為に、下段50内に設置される。使用される冷却媒体はイソブタン、フロン、アンモニア及び二酸化炭素などが使用できる。又、上段10における冷却は、ペルチエ冷却など、他の方法により行ってもよい。ペルチエ冷却を使用する場合は、ペルチエ冷却素子を上段10に設置する。
【0076】
下段50の前面には、取り外し式下段カバー61が装備され、温水タンク51、温水ポンプ53及び冷却媒体コンプレッサー71などの洗浄及び修理を容易にする。
【0077】
図1に示されるように、本発明における飲料水サーバー1においては、冷水提供系統及び温水提供系統が独立に存在する。冷水提供系統においては、飲用水が冷水用水ボトル11から冷水バルブ12へ流れて提供される。、温水提供系統においては、飲用水が温水用水ボトル31から温水用水吐水口32及び中段/下段接続パイプ32を介して温水タンク51へ流れ、温水タンク51において温水化されて貯蔵され、タンク/ポンプ接続パイプ52、温水ポンプ53,温水吐水パイプ54及び温水吐水口55を介して提供される。これら2系統は独立しているので、逆流が起こったとしても冷水と温水は混合することがない。従って、エネルギーの浪費及び相互汚染を防止できる。
【0078】
図2は、冷水用水ボトル交換扉21が開状態にある場合の上段の側面透視図である。この交換扉21の開状態において、冷水用水ボトル11の前方及び上方が開放され、前記ボトル11の交換を容易にする。図2における冷水用水ボトル交換扉21は、2段構造を有するが、前記交換扉21が一体形成されても良い。又、前記ボトル11の前方のみを開放する交換扉及び前記ボトル11の上方のみを開放する交換扉が装備されても良い。
【0079】
図3は、冷温飲料水サーバー1の前面透視図である。前面には温水吐水ボタン25が設置される。前記ボタン25を押すことにより、温水ポンプ53を作動させ、温水吐水口55から温水を提供させる。前記ボタン25は、図3においては、上段10の下部に設置されている。この位置は使用者の胸部の高さにほぼ相当するので、前記ボタン25は操作しやすい。温水吐水ボタン25の近辺には、温水吐水量調整レバー26が設置される。前記レバー26は、温水ポンプ53の作動速度を調整することにより、温水吐水口55からの温水吐水量を調整する。前記レバー26は、図3においては、上段10の下部に設置されているので、操作しやすい。
【0080】
図4は、温水用水ボトル交換扉41が開状態にある場合の冷温飲料水サーバー1の上面図である。前記交換扉41は横へ開き、前方を開放する。更に温水用水ボトル31の上方を開放する為には、中段30において、ボトル31の引き出し機構を設ける必要がある。
【0081】
図5は、従来の保持版122の効果及び本発明の保持版の効果の比較を示す概念図である。図5においては、本発明の保持板の例として、上段保持板22を示している。図5Aは、従来の保持板122の効果を示す。前記保持板122は略水平である。従って、冷水用水ボトル11が柔軟性を有する水バッグである場合は、前記ボトル11の底面も略水平となる。冷水提供時において、前記ボトル11内の冷水は、冷水の自重により自然に流出する。しかし、水面が冷水バルブ12の高さ付近まで下がると、残りの冷水を自重のみで流出させることができなる。この冷水は、提供できない冷水であり、この冷水の容量をデッドボリュームと定義する。図5Aにおいては、前記保持板122が水平であるので、デッドボリュームが大きくなる。
【0082】
図5Bは、本発明の上段保持板22の効果を示す。図5Bにおいては、上段保持板22は略水平であり、更に前方に傾斜している。この傾斜により、冷水用水ボトル11内の水が冷水バルブ12付近へ集合し、結果としてデッドボリュームが小さくなる。従って、提供できる冷水の量が、図5Aの場合と比べて大きく、冷水用水ボトル11をより効率的に使用できる。
【0083】
なお、図5においては、上段10における上段保持板22を例として示したが、中段30における中段保持板42にも、図5により提示された概念が応用できることは、言うまでもない。
【0084】
図6は、引き出し機構による温水用水ボトル31の全面への引き出しを示す断面斜視図である。図6においては、中段保持板42が、引き出し機構によりスライドできるようになっている。図6Aは、前記ボトル31が中段30に収納された状態を示し、図6Bは、前記ボトル31が引き出し機構44により前方へスライドれた状態を示す。前記ボトル31を引き出すことにより、前記ボトル31の前方及び上方が開放され、前記ボトル31の交換が簡単になる。
【0085】
図7は、中段保持板42が水平である状態で、温水タンク51の上部に温水ポンプ53が設置されている場合の部分側面断面図である。ここにおいては、温水用水ボトル11は水バッグであり、飲料水が消費されるについて容積が低下する。中段/下段接続パイプ33の下部及びタンク/ポンプ接続パイプ53の下部が同じ高さに配置されている。両下部は温水タンク51内の水面から少々下側に配置され、温水ポンプ53が温水を汲上げると同時に、温水用水ボトル11内の飲料水が吸い込まれて温水タンク51に移動される。このようにタンク/ポンプ接続パイプ53を設置することにより、温水タンク51内の加熱手段58により加熱され、対流により温水タンク51の上部に移動した高温温水を、温水吐水口55へ移動することができる。従って、タンク/ポンプ接続パイプ53を温水タンク51の下部に設置された場合よりも、高温な温水を提供できる。
【産業上の利用可能性】
【0086】
本発明により、構造及び操作方法が簡単で使いやすく、更に整備が容易であり冷水及び温水を1台で供給できる冷温飲料水サーバーを提供できるので、安価且つ便利な本発明の冷温飲料水サーバーは、家庭、仕事場、公共設備などの快適化に貢献できる。
【符号の説明】
【0087】
1 冷温飲料水サーバー
10 上段
11 冷水用水ボトル
12 冷水バルブ
21 冷水用水ボトル交換扉
22 上段保持板
23 上段保持板ドレイン
24 保冷板
25 温水吐水ボタン
26 温水吐水量調整レバー
30 中段
31 温水用水ボトル
32 温水用水吐水口
33 中段/下段接続パイプ
41 温水用水ボトル交換扉
42 中段保持板
43 中段保持板ドレイン
44 引き出し機構
50 下段
51 温水タンク
52 タンク/ポンプ接続パイプ
53 温水ポンプ
54 温水吐水パイプ
55 温水吐水口
59 温水タンクドレイン
61 取り外し式下段カバー
71 冷却媒体用コンプレッサー
72 冷却媒体用パイプ
112 従来の保持板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上段、中段及び下段から構成され、上段は、水を室温又は冷却状態で貯蔵する冷水用水ボトルを配置し、前記冷水用水ボトルから重力により自然に流下する水を冷水バルブを介して提供し、中段は、水を貯蔵する温水用水ボトルを配置し、前記温水用水ボトルから重力により自然に流下する水を、温水用水吐水口を介して下段への中段/下段接続パイプに供給し、下段は、温水を貯蔵する温水タンクを配置し、前記中段/下段接続パイプを介して供給された水を加熱手段により温水化し、前記温水を前記温水タンクに貯蔵し、前記温水を温水ポンプにより前記温水タンクから上段又は中段まで汲み上げて温水吐水口から提供することを特徴とする冷温飲料水サーバー。
【請求項2】
前記冷水用水ボトルを冷却する冷却手段を設け、前記冷水用水ボトルを冷却することにより水を冷水化し、前記冷水バルブを介して前記冷水を提供する請求項1に記載の冷温飲料水サーバー。
【請求項3】
前記冷却手段は、少なくとも冷却媒体、冷却媒体用コンプレッサー及び冷却媒体用パイプからなる請求項2に記載の冷温飲料水サーバー。
【請求項4】
前記冷水用水ボトルが柔軟性材料から構成される水バッグであり、しかも前記水バッグの内部が減圧されていて、前記水バッグの水量の減少に応じて前記水バッグが収縮する請求項1〜3のいずれかに記載の冷温飲料水サーバー。
【請求項5】
前記温水用水ボトルが柔軟性材料から構成される水バッグであり、しかも前記水バッグの内部が減圧されていて、前記水バッグの水量の減少に応じて前記水バッグが収縮する請求項1〜4のいずれかに記載の冷温飲料水サーバー。
【請求項6】
冷水用水ボトルの底面を前方へ傾斜させる前方傾斜手段を設け、前記冷水用水ボトル内の水を冷水バルブ付近へ集合させる請求項1〜5のいずれかに記載の冷温飲料水サーバー。
【請求項7】
温水用水ボトルの底面を前方へ傾斜させる前方傾斜手段を設け、前記温水用水ボトル内の水を温水用水出口付近へ集合させる請求項1〜6のいずれかに記載の冷温飲料水サーバー。
【請求項8】
前記上段に、開状態において前記冷水用水ボトルが少なくとも前方及び上方において開放される冷水用水ボトル交換扉を設け、前記冷水用水ボトルの交換を可能とする請求項1〜7のいずれかに記載の冷温飲料水サーバー。
【請求項9】
前記中段に、前記温水用水ボトルを前方へ移動させる引き出し機構を設け、前記温水用水ボトルを前方へ引き出して、前記温水用水ボトルの少なくとも前方及び上方を開放することにより、前記温水用水ボトルの交換を可能とする請求項1〜8のいずれかに記載の冷温飲料水サーバー。
【請求項10】
前記冷水用水ボトルの保持板に上段保持板ドレインを設け、前記保持板上の溜水を排水させる請求項1〜9のいずれかに記載の冷温飲料水サーバー。
【請求項11】
前記温水用水ボトルの保持板に中段保持板ドレインを設け、前記保持板上の溜水を排水させる請求項1〜10のいずれかに記載の冷温飲料水サーバー。
【請求項12】
前記温水タンクの底部に温水タンクドレインを設け、前記温水タンク内の水の排水を可能とする請求項1〜11のいずれかに記載の冷温飲料水サーバー。
【請求項13】
前記上段、中段及び下段は、1個の縦長の略直方体箱において形成され、外部構造及び内部構造が集約されることにより小型化される請求項1〜12のいずれかに記載の冷温飲料水サーバー。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−235135(P2010−235135A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−83520(P2009−83520)
【出願日】平成21年3月30日(2009.3.30)
【出願人】(000133445)株式会社ダスキン (119)
【Fターム(参考)】