説明

凍結融解条件下で安定な布地柔軟化組成物

ポリオールを含む布地柔軟化組成物は、布地柔軟化のために有用であり且つ凍結融解サイクル後に約500mPa・s未満の粘度を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、凍結融解条件下で安定している布地柔軟化組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の液体布地柔軟化組成物は、布地柔軟化化合物の分散コロイド粒子の形態である。分散コロイド粒子から形成された布地柔軟化組成物は、複雑で不安定な構造を有する。この不安定性故に、従来の布地柔軟化組成物に付随する多くの問題が存在する。主な問題点は、高温及び低温における物理的不安定性と、凍結された場合、それらはゲルへと不可逆的に変換されることと、洗浄溶液中への良好な分散性、布地への良好な付着及び洗濯機のディスペンサー・ドローアからの良好な分配性を示す組成物を得ることが困難であることとがある分散性が乏しい場合には、洗濯物上への布地柔軟化剤のコーティングが不均一になり、且つ場合によって染みが生じることがある。これらの問題は、香料の追加によって増幅される。
【0003】
前記組成物の保存中に、該組成物がもはや流動しないレベルにまで増粘し、ゲルの不可逆的形成にまで及ぶことにより、物理的不安定性それ自体が明白となる。温水の流入によりドローアの温度が上昇した場合、ゲル形成は、洗濯機のディスペンス用ドローア内でも生じ得る。前記組成物をもはや便宜に使用することができなくなるために、前記増粘は極めて望ましくない。2つ又はそれ以上の別個の層への相分離によっても、物理的不安定性それ自体が明らかとなる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、良好な分散性及び分配性、並びに低温及び高温での保存安定性を示す製品が消費者に求められている。
【0005】
あらゆる潜在的な健康上のリスクを最小化するために、高い安全性プロファイルを有する溶媒を使用する必要もある。
【0006】
本発明はこれらの及び他の必要性に対処するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、驚くことに、従来技術のいくつかの欠点に対処できる布地柔軟化組成物を見出した。本発明は、低温での優れた保存安定性、良好な凍結融解回復性並びに優れた分配性及び分散性を依然として示し、優れた柔軟化性質を有する布地柔軟化組成物を提供する。
【0008】
本発明の一態様は、濯ぎ添加布地柔軟化組成物であって、(a)該組成物の約5重量%〜約30重量%を構成する布地柔軟化活性物質と、(b)該組成物の5重量%よりも多い量を構成するポリオールとを含んでなり、
該組成物が、少なくとも1つの凍結融解サイクル後に約500mPa・s未満の粘度を示し、
該布地柔軟化活性物質が、次の化学式を有する化合物から選択される1つの化合物、又は複数の化合物の混合物を含んでなり:
(a)
{R4−m−N−[(CH−Y−R}X
式中、各R置換基は、水素、短鎖C〜C、ポリ(C2〜3アルコキシ)、ベンジル、又はこれらの混合物のいずれかであり;各mは、2又は3であり;各nは、1〜約4であり;各Yは、−O−(O)C−又は−C(O)−O;各R中の総炭素は、C〜C21で、各Rはヒドロカルビル、又は置換ヒドロカルビル基であり;且つXは、任意の柔軟剤適合性アニオンであり得;又は
(b)
{R4−m−N−[(CH−Y−R}X
式中、各R置換基は、水素、短鎖C11〜C66アルキル、ポリ(C2〜3アルコキシ)、ベンジル、又はこれらの混合物のいずれかであり;各mは、2又は3であり;各nは、1〜約4であり;各Yは、CH、又は−NR−C(O)−、又は−C(O)−NRであり、且つ各Yが同一であっても又は異なっていても良く;各R中の総炭素は、C12〜Cで(YがCH2の場合は、(n+1)を差し引く)、各Rはヒドロカルビル、又は置換ヒドロカルビル基であり;且つXは、任意の柔軟剤適合性アニオンであり得;又は
(c)
【化1】

式中、各R、R及びAは前記で与えられた定義を有し;各Rは、C1〜6アルキレン基であり;且つ、Gは、酸素原子又は−NR−基であり;及び
該ポリオールが多価アルコールであり、但し、該ポリオールがエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、又はジプロピレングリコールを含有しない、布地柔軟化組成物を提供する。
【0009】
発明の他の態様は、自動洗濯機の濯ぎサイクル中に本発明の組成物を投与する工程を含んで成る布地柔軟化方法を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
A.布地柔軟剤活性物質
本発明の一態様は、布地柔軟剤活性物質(FSA)を提供する。
【0011】
ジエステル四級アンモニウム(DEQA)化合物
実施形態の1つでは、布地柔軟剤活性物質は、DEQA化合物を含む。
【0012】
本発明の組成物内における布地柔軟剤活性物質として好適な前記DEQA化合物は、次の化学式の化合物を包含する。
{R4−m−N−[(CH−Y−R}X
式中、各R置換基は、水素、短鎖C〜Cのどちらか一方であり、好ましくはC〜Cアルキル、例えばメチル(最も好ましい)、エチル、プロピルなど、ポリ(C2〜3アルコキシ)、好ましくはポリエトキシ基、ベンジル、又はこれらの混合物であり;各mは、2又は3であり;各nは、1〜約4、好ましくは2であり;各Yは、−O−(O)C−又は−C(O)−Oであり、且つ各Yが同一であっても又は異なっていても良く;各R中の総炭素は、C〜C21、好ましくはC13〜C19であり、各Rはヒドロカルビル、又は置換ヒドロカルビル基であり;Rが不飽和又は飽和且つ分枝鎖又は直鎖、好ましくは直鎖であってよく、各Rが同一か又は異なってよく、好ましくは、これらは同一であり;且つXは、任意の柔軟剤適合性アニオン、好ましくは塩化物、臭化物、硫酸メチル、硫酸エチル、硫酸塩、リン酸塩、及び硝酸塩、より好ましくは塩化物又は硫酸メチルである。好ましいDEQA化合物は、典型的には、MDEA(メチルジエタノールアミン)などのアルカノールアミン類を脂肪酸類と反応させることによって製造される。典型的にこのような反応から生じる幾つかの材料には、N,N−ジ(アシル−オキシエチル)−N,N−ジメチルアンモニウムクロライド又はN,N−ジ(アシル−オキシエチル)−N,N−ジメチルアンモニウムメチルサルフェートが挙げられる。ここで、前記アシル基は、動物性脂肪類、例えばタロー、又は植物油、例えばヤシ、又は不飽和且つ多価不飽和脂肪酸類、例えばオレイン酸及び/又は部分硬化脂肪酸類(植物油から誘導される)及び/又は部分硬化植物油、例えばキャノーラ油、ベニバナ油、ピーナッツ油、ヒマワリ油、コーン油、大豆油、トール油、米糠油など、から誘導される。適した脂肪酸類の非限定例は、米国特許第5,759,990号、第4欄、45〜66行目に列記されている。
【0013】
本発明に好ましいジエステル第四級アンモニウム化合物の非限定例には、N,N−ジ(タローオイルオキシエチル)−N,N−ジメチルアンモニウムクロライド(アクゾ(Akzo)からアーモソフト(Armosoft)(登録商標)DEQの商標名で入手可能)、及びN,N−ジ(キャノーラ−オイルオキシエチル)−N,N−ジメチルアンモニウムクロライド(デグサ(Degussa)からアドゲン(Adogen)(登録商標)CDMCの商標名で入手可能)が挙げられる。
【0014】
ジアルキル四級アンモニウム化合物(DQA)
一実施形態では、前記FSAはDQA化合物を含む。
【0015】
本発明の組成物内における布地柔軟剤活性物質として好適な前記DQA化合物は、次の化学式の化合物を包含する。
{R4−m−N−[(CH−Y−R}X
式中、各R置換基は、水素、短鎖C〜Cのどちらか一方であり、好ましくはC〜Cアルキル、例えばメチル(最も好ましい)、エチル、プロピルなど、ポリ(C2〜3アルコキシ)、好ましくはポリエトキシ基、ベンジル、又はこれらの混合物であり;各mは、2又は3であり;各nは、1〜約4、好ましくは2であり;各Yは、CH、又は−NR−C(O)−、又は−C(O)−NRであり、且つ各Yが同一であっても又は異なっていても良く;各R中の総炭素は、C12〜C(YがCH2の場合は、(n+1)を差し引く)、好ましくはC14〜C20で、各Rはヒドロカルビル、又は置換ヒドロカルビル基であり;Rが不飽和又は飽和且つ分枝鎖又は直鎖、好ましくは直鎖であってよく、各Rが同一か又は異なってよく、好ましくは、これらは同一であり;且つXは、任意の柔軟剤適合性アニオン、好ましくは塩化物、臭化物、硫酸メチル、硫酸エチル、硫酸塩、リン酸塩、及び硝酸塩、より好ましくは塩化物又は硫酸メチルである。
【0016】
イミダゾリニウム四級化合物
一実施形態では、前記FSAは次式から成るイミダゾリニウム四級化合物を含む。
【化2】

式中、各R、R、及びAは前述で与えられた定義を有し、各RはC1〜6アルキレン基、好ましくはエチレン基であり、及びGは酸素原子又は−NR−基である。
【0017】
イミダゾリニウム(imidzolinium)四級化合物の例としては、1−メチル−1−タローイルアミドエチル−2−オレイルイミダゾリニウムメチルサルフェート、及び1−メチル−1−オレイルアミドエチル−2−オレイルイミダゾリニウムメチルサルフェートが挙げられ、この場合、Rは非環式脂肪族C15〜C17炭化水素基であり、Rはエチレン基であり、GはNH基であり、Rはメチル基であり、及び、Aはメチルサルフェートアニオンであって、デグサ(Degussa)からそれぞれバリソフト(Varisoft)(登録商標)475及びバリソフト(登録商標)3690の商標名で市販されている。
【0018】
カチオンデンプン
本発明の一態様は、FSAとしてのカチオンデンプンを提供する。
【0019】
「カチオンデンプン」なる用語は、本明細書では最も広い意味で使用される。本発明の一態様では、カチオンデンプンは、pH3の水溶液中でデンプンが正味の正電荷を有するように化学的に変性されたデンプンのことを言う。この化学変性は、以下に限定されないが、アミノ基及び/又はアンモニウム基(類)をデンプン分子に付加することを包含する。これらのアンモニウム基の非限定例には、トリメチルヒドロキシプロピルアンモニウムクロライド、ジメチルステアリルヒドロキシプロピルアンモニウムクロライド、又はジメチルドデシルヒドロキシプロピルアンモニウムクロライドなどの置換基を挙げてもよい。D.B.Solarek著、「加工デンプンの中のカチオンデンプン:特性と使用法(Cationic Starches in Modified Starches:Properties and Uses)」(O.B. Wurzburg編集、CRCプレス社、フロリダ州ボーカラトーン、1986年)の113〜125頁を参照されたい。
【0020】
一実施形態では、本発明の組成物は、一般に該組成物の約0.1重量%〜約7重量%、あるいは約0.1重量%〜約5重量%、あるいは約0.3重量%〜約3重量%、あるいは約0.5重量%〜約2重量%、あるいは約0.01重量%〜約5重量%、あるいは約0.3重量%〜約2重量%の濃度にて、カチオンデンプンを含む。カチオンデンプンは、米国特許公開第2004/0204337A1号(2004年10月14日公開、コロナ(Corona)らへ)、段落16〜32に記載されている。
【0021】
スクロースエステル系布地ケア物質
実施形態の1つでは、本発明の組成物は、スクロースエステル系布地ケア物質(FSA)を含んでいてもよい。スクロースエステルは、エステル化されたヒドロキシル基を1つ以上有するスクロース部分を含んでいてもよい。
【0022】
スクロースは、次の式を有する二糖類である。
【化3】

【0023】
あるいは、スクロース分子は、式M(OH)で表すことができ、Mは二糖類主鎖であり、分子中に全部で8個のヒドロキシル基がある。
【0024】
故に、スクロースエステルは、次式によって表すことができる。
M(OH)8−x(OC(O)R
式中、x個のヒドロキシル基はエステル化されており、(8−x)個のヒドロキシル基は変化しておらず、xは1〜8、又は2〜8、又は3〜8、又は4〜8から選択される整数であり、R部分は独立して、C1〜C22アルキル又はC1〜C30アルコキシ、直鎖又は分枝鎖、環式又は非環式、飽和又は不飽和、置換又は非置換のものから選択される。
【0025】
一実施形態では、R部分は、独立に選択された様々な鎖長を有する直鎖アルキル又はアルコキシ部分を含む。例えば、Rは、直鎖の約20%よりも多い量がC18であり、又は直鎖の約50%よりも多い量がC18であり、又は直鎖の約80%よりも多い量がC18である直鎖アルキル又はアルコキシ部分の混合物を含んでもよい。
【0026】
別の実施形態では、R部分は、飽和及び不飽和アルキル又はアルコキシ部分の混合物を含み、不飽和度は、「ヨウ素価」(本明細書では以下「IV」と称し、標準のAOCS法によって測定される)によって判定することができる。本明細書に用いるのに適したショ糖エステル類のIVは、約1〜約150、又は約2〜約100、又は約5〜約85の範囲である。不飽和度を低減すべく、R部分を水素化してもよい。
【0027】
別の実施形態では、不飽和R部分は、前記不飽和箇所についての「シス」及び「トランス」形態の混合物を含んでよい。前記「シス」/「トランス」比は、約1:1〜約50:1、又は約2:1〜約40:1、又は約3:1〜約30:1、又は約4:1〜約20:1で変化してよい。
【0028】
別の実施形態では、組成物はポリヒドロキシ(olyhydroxy)物質又は糖誘導体を含む。ポリヒドロキシアミド構造体類は、米国特許第5,534,197号(シェイベル(Scheibel)ら)及び米国特許第5,512,699号(コナー(Connor)ら)に開示され、ペンタエリスリトール化合物及び誘導体は、米国特許第6,294,516号に開示され、環状多価アルコール類及び/又は還元糖類は、米国特許第6,410,501号に開示されている。
【0029】
カチオン性及びアミノシリコーン類
本発明の一態様では、カチオン性及びアミノ官能化シリコーン類、例えば米国特許出願第10/978,942号(2004年11月1日出願、P&Gケース9404)及び米国特許公開番号第2005/0026793A1号(2005年2月3日、段落137〜162)に記載されているようなものを提供する。
【0030】
一実施形態では、前記アミノシリコーン類は、直鎖又は分枝状構造のアミノシリコーンポリマー類で次の基本単位類から成るものであり得る。
(RSiO1/2(RSiO2/2[RSi(L−NR)O2/2[Si(K−NR)O3/2[RSiO3/2
式中、R、R、R、及びRは独立して、(1)C〜C22の直鎖若しくは分枝状の置換若しくは非置換ヒドロカルビル部分;あるいは(2)−O−R11、−O−R12、−O−R13、及び−O−R14(式中、R11、R12、R13、及びR14は、H、又はC〜C22直鎖若しくは分枝鎖の置換若しくは非置換ヒドロカルビル部分である)とすることができる。
【0031】
用語「SiOn/2」は、酸素原子とケイ素原子との比率を意味しており、すなわち、SiO1/2は、1つの酸素原子が2つのケイ素原子の間で共有されることを意味する。同様に、「SiO2/2」は2つの酸素原子が2つのケイ素原子の間で共有されることを意味しており、及びSiO3/2は3つの酸素原子が2つのケイ素原子の間で共有されることを意味している。
【0032】
L及びKは独立してC〜C22直鎖又は分枝鎖の置換又は非置換ヒドロカルビル部分であることができる。好ましくは、L及びKは独立して、C〜C12直鎖又は分枝鎖の置換又は非置換ヒドロカルビル部分である。より好ましくは、L及びKは独立して、C〜C直鎖又は分枝鎖の置換又は非置換ヒドロカルビル部分である。最も好ましくは、L及びKは独立して、メチレン、エチレン、プロピレン、2−メチルプロピレン、ブチレン、オクタデシレン、又は3−(2,2’,6,6’−テトラメチル−4−オキシ−ピペリジル)プロピルである。
【0033】
、R、R、及びRは独立して、H、又は窒素及び他のヘテロ原子含有置換基を包含する、C〜C22直鎖若しくは分枝鎖の置換若しくは非置換ヒドロカルビル部分であることができる。好ましくはR、R、R、及びRは独立して、H、あるいは窒素含有置換基及び酸素含有置換基を包含する、C〜C12直鎖若しくは分枝鎖の置換若しくは非置換アルキル又はアリールヒドロカルビル部分である。最も好ましくは、R、R、R、及びRは独立して、H、フェニル、シクロヘキシル、フェニル、2−アミノエチル、2−(N−2−アミノエチル)アミノエチル、2−[N−2−(N−2−アミノエチル)アミノエチル]アミノエチル、2−(N−フェニル)アミノエチル、2−(N−シクロヘキシル)アミノエチル、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリエチレンオキシド−コ−ポリプロピレンオキシド、又はポリエチレンオキシド−コ−ポリプロピレンオキシド−コ−ポリエチレンアミンである。
【0034】
補助布地柔軟剤活性物質
本発明の布地ケア組成物は、補助布地柔軟剤活性物質を含んでよい。これらの活性物質は、次のうち1つ以上を含むことができる。シリコーン類(米国特許公開番号第2002/0077265A1号(ブザカリーニ(Buzzacarini)らへ、2002年6月20日公開、段落51〜57)に記載されているようなものを含む);粘土類(米国特許公開番号第2004/0142841A1号(2004年7月22日公開、ブザカリーニ(Buzzacarini)らへ、段落74〜99)に記載されているようなもの);――脂肪類及び/又は脂肪酸類(米国行政区分出願番号第60/621,204(2004年11月22日出願、P&Gケース9812));ポリヒドロキシアミド構造体類(米国特許第5,534,197号(シェイベル(Scheibel)らによる)及び米国特許第5,512,699号(コナー(Connor)らによる)に記載されているようなもの);ペンタエリスリトール化合物及びその誘導体(米国特許第6,294,516号に開示されているようなもの);並びに環状ポリオール類及び/又は還元糖類(米国特許第6,410,501号に開示されているようなもの)。
【0035】
一実施形態では、本発明の組成物は約0.001%〜約10%の補助布地柔軟化化合物を含む。別の実施形態では、前記組成物は上述の補助布地柔軟剤活性物質を含まないか、又は実質的に含まない。
【0036】
B.ポリオール類
本発明の一態様は、該組成物の約5重量%〜約50重量%、好ましくは10重量%〜35重量%、より好ましくは15重量%〜30重量%のポリオールの添加を提供する。本発明は、多くのポリオール類が、安定且つ良好な粘度を凍結融解状態にて提供し且つ魅力的な安全性プロフィールを有し、商業的に許容可能な布地柔軟化組成物を提供できるという驚くべき発見に基づいている。一方、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール及びジプロピレングリコールのようなポリオールは、本発明のポリオール類と同じようには安全でなく、従って特に、除外される。例えば、エチレングリコールは典型的には不凍液中に見出され、飲み込んだ場合に致命的ではないにせよ有害であり得、一方で他のものは安全ではあるが、技術的応用に使用するにはより望ましいわけではないと一般に考えられている。
【0037】
一実施形態では、本発明のポリオールは、グリセロール、ペンタエリスリトール、ヘキシレングリコール、グルコース、ソルビトール、スクロースなどから選択される多価アルコールである。
【0038】
C.粘度
本発明の一態様は、本発明の組成物が、凍結融解サイクル後に商業的に許容可能な粘度示すという驚くべき発見に基づいている。「凍結融解サイクル」なる用語は、1リットルの本発明の組成物が24時間、−18℃にさらされ且つ引き続いて24時間、+20℃に維持されることを意味する。
【0039】
一実施形態では、前記組成物は500未満の凍結融解サイクル後に、好ましくは200mPa・s未満の粘度で構成されている。本発明の目的では、本組成物類の粘度は、25℃で、ブルックフィールド(Brookfield)(登録商標)粘度計を用い、2番のスピンドルを使用して6.3rad/秒(60rpm)で測定される。
【0040】
D.補助剤物質
本発明の一態様は、次の補助剤物質:香料、分散剤、安定剤、pH制御剤、金属イオン制御剤、染色剤、光沢剤類、染料、臭気抑制剤、プロ香料、シクロデキストリン、香料、溶媒、汚れ遊離ポリマー類、防腐剤、抗菌剤、塩素スカベンジャー類、収縮防止剤類、布地糊付け剤、染み付き防止剤、酸化防止剤、腐食防止剤、整形剤(bodying agents)、ドレープ及び形状制御剤、スムージング剤(smoothness agents)、静電気抑制剤、しわ制御剤、浄化剤、消毒剤、細菌調整剤、モールド制御剤、白カビ制御剤、抗ウイルス剤、抗菌剤、乾燥剤、染み防止剤、汚れ遊離剤、悪臭抑制剤、布地リフレッシュ剤、塩素漂白臭気抑制剤、染料固定剤、移染防止剤、色保全剤、色回復/再生剤、色あせ防止剤、白色度増強剤、耐磨耗剤、耐摩耗剤、布地統合剤(fabric integrity agents)、耐磨耗剤、消泡剤及び泡防止剤、濯ぎ補助剤、紫外線保護剤、太陽光劣化阻害剤、防虫剤、抗アレルギー剤、酵素、難燃剤、防水加工剤、布地調整剤(fabric comfort agents)、水コンディショニング剤、防縮剤、伸び防止剤、並びに及びこれらの混合物を1以上含む組成物を提供する。これらの成分は、欧州特許第1297101号(米国特許申請第10/925,749号(P&Gケース8079Mとして出願中))及びそれらの中で引用されている参考文献、並びに米国特許公開第2003/0060390号(デマイヤー(Demeyere)へ、2003年3月27日公開、段落123〜222)にて更に詳細に記載されている。番号
発明の他の態様では、コスト削減の利益のために、上記に定義した任意の補助剤物質の1以上を含まないか又は実質的に含まない組成物を提供する。
【0041】
本明細書で使用する時、用語「実質的に含まない」とは、前記布地ケア組成物の1重量%未満、あるいは0.01重量%未満、あるいは0.001重量%未満、あるいは約0重量%の標記化合物、物質、又は成分を意味する。
【0042】
E.使用方法
本発明の布地ケア組成物は、いわゆる濯ぎプロセスにて使用することが可能である。典型的には、本発明の組成物は、自動洗濯機の濯ぎサイクル中に加えられる。本発明の一態様は、本発明の組成物を自動洗濯機の濯ぎサイクル中に投与することをもたらす。発明の他の態様は、本発明の組成物及び所望により取扱説明書を含むキットを提供する。
【0043】
F.実施例
実施例1
【表1】

ジエチルエステルジメチル塩化アンモニウム(15%イソプロパナール溶液)
MP10(ダウ・コーニング社(Dow Corning)より)
【0044】
本明細書を通じて与えられるあらゆる最大数の限定は、あらゆるより小さい数値の限定を、あたかもそれが本明細書に明確に表現されているかのように包含すると理解されるべきである。本明細書を通じて与えられるあらゆる最小数の限定は、それより大きいあらゆる数値の限定を、あたかもそれが本明細書に明確に表現されているかのように包含する。本明細書を通じて与えられるあらゆる数値範囲は、そのようなより広い数値範囲内にあるあらゆるより狭い数値範囲を、そのようなより狭い数値範囲が本明細書にはっきりと表現されているかのように包含する。
【0045】
特に指定がない限り、本明細書の明細、実施例、及び請求の範囲における全ての部、比、及び百分率は重量基準であり、全ての数値限定は、該技術分野により提供される通常の程度の精度で使用される。
【0046】
「発明を実施するための最良の形態」で引用した全ての文献は、関連部分において本明細書に参考として組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に関して先行技術であることを容認するものとして解釈すべきではない。
【0047】
本発明の特定の実施形態を説明し記載してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、他の様々な変形及び修正を実施できることが、当業者には明白であろう。従って、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
不透明な、濯ぎ添加布地柔軟化組成物であって、(a)該組成物の約5重量%〜約30重量%を構成する布地柔軟化活性物質と、(b)該組成物の5重量%よりも多い量を構成するポリオールとを含んでなり、
前記組成物が、少なくとも1つの凍結融解サイクル後に約500mPa・s未満の粘度を示し、
前記布地柔軟化活性物質が、次の化学式を有する化合物から選択される1つの化合物、又は複数の化合物の混合物を含んでなり:
(a)
{R4−m−N−[(CH−Y−R}X
式中、各R置換基は、水素、短鎖C〜C、ポリ(C2〜3アルコキシ)、ベンジル、又はこれらの混合物のいずれかであり;各mは、2又は3であり;各nは、1〜約4であり;各Yは、−O−(O)C−又は−C(O)−O;各R中の総炭素は、C11〜C21で、各Rはヒドロカルビル、又は置換ヒドロカルビル基であり;且つXは、任意の柔軟剤適合性アニオンであり得;又は
(b)
{R4−m−N−[(CH−Y−R}X
式中、各R置換基は、水素、短鎖C〜Cアルキル、ポリ(C2〜3アルコキシ)、ベンジル、又はこれらの混合物のいずれかであり;各mは、2又は3であり;各nは、1〜約4であり;各Yは、CH、又は−NR−C(O)−、又は−C(O)−NRであり、且つ各Yが同一であっても又は異なっていても良く;各R中の総炭素は、C12〜C22で(YがCH2の場合は、(n+1)を差し引く)、各Rはヒドロカルビル、又は置換ヒドロカルビル基であり;且つXは、任意の柔軟剤適合性アニオンであり得;又は
(c)
【化1】

式中、各R、R及びAは前記で与えられた定義を有し;各Rは、C1〜6アルキレン基であり;且つ、Gは、酸素原子又は−NR−基であり;及び
前記ポリオールが多価アルコールであり、但し、該ポリオールがエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、又はジプロピレングリコールを含有しない、布地柔軟化組成物。
【請求項2】
疎水変性糖エステル、カチオンデンプン、アミノ官能化シリコーン、又はこれらの混合物から選択される追加の布地柔軟化活性物質を、該組成物の0.1重量%〜10重量%にて更に含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
布地柔軟剤活性物質が、N,N−ジ(水素添加タローオイルオキシエチル)−N,N−ジメチルアンモニウムクロライド、N,N−ジ(タローオイルオキシエチル)−N,N−ジメチルアンモニウムクロライド、ジ−水素添加タロージメチル塩化アンモニウム又はジタロージメチル塩化アンモニウム、1−メチル−1−タローイルアミドエチル−2−オレイルイミダゾリニウムメチルサルフェート、1−メチル−1−オレイルアミドエチル−2−オレイルイミダゾリニウムメチルサルフェート、これらの混合物から選択される、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
少なくとも2回の凍結融解サイクルを実施後に、500mPa・s以下、好ましくは200mPa・s以下の粘度を示す、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記ポリオールが、グリセロール、ペンタエリスリトール、グルコース、フルクトース、スクロース、及びマルトースから選択される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記ポリオールが該組成物の5重量%〜50重量%、好ましくは10重量%〜35重量%、最も好ましくは15重量%〜30重量%を含んでなる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記ポリオールが、グリセロールである、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
グリセロールの濃度が、該組成物の少なくとも15重量%である、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記ポリオールが、糖である、請求項6に記載の組成物。
【請求項10】
自動洗濯機の濯ぎサイクル中に、請求項1〜9に記載の組成物を投与する工程を含んでなる布地柔軟化方法。

【公表番号】特表2008−540859(P2008−540859A)
【公表日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−510275(P2008−510275)
【出願日】平成18年5月5日(2006.5.5)
【国際出願番号】PCT/US2006/017469
【国際公開番号】WO2006/124338
【国際公開日】平成18年11月23日(2006.11.23)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】