説明

凍結表示用標識装置

【目的】 外部電源に頼ることなく、冬期に発生する道路表面の凍結をドライバー或いは道路管理者等に報知できること。
【構成】 形状記憶合金からなる温度応動駆動手段7の温度が略氷点温度以下では、形状記憶合金からなる温度応動駆動手段7が回動部材4を右方向に回動させ、略氷点温度を越えた高い温度となると、温度応動駆動手段7が回動部材4を左方向に回動させる。結果的に、前面部材3の白色または黄色の再帰反射面からなる表側再帰反射面部3aが表出できたり、または、前面部材3の白色または黄色の再帰反射面からなる表側再帰反射面部3a及び回動部材4に形成した再帰反射面部4aが表出できる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、冬期に発生する道路表面の凍結をドライバー或いは道路管理者等に路面の凍結を警告する凍結表示用標識装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の凍結表示用標識装置としては、実開昭52−142392号公報に掲載の技術がある。
【0003】即ち、路面の凍結する温度を感知する装置を有し、設定された温度を感知したとき、路面凍結を警告する標識が点灯して表示文字が浮き出ると同時に回転警告灯または点滅警告灯が作動するものである。
【0004】一方、再帰反射面によって路側帯の存在を明示する反射標識装置は、実開昭58−10913号公報等で公知である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述の標識が点灯して表示文字が浮き出ると同時に回転警告灯または点滅警告灯が作動するものでは、外部から電源の供給が必要となり、また、その電源の管理の不備、装置が強風や車輌の衝突等によって転倒すると、爾後、その路面凍結を警告する表示が行なえなくなる。
【0006】また、再帰反射面によって路側帯の存在を明示する反射標識装置においては、白色または黄色によって左右の路肩の存在を知ることができるが、その道路幅の表示に限られるものである。
【0007】そこで、この発明は、外部電源に頼ることなく、冬期に発生する道路表面の凍結をドライバー或いは道路管理者等に報知できる凍結表示用標識装置の提供を課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1にかかる凍結表示用標識装置は、取付け可能なハウジングに配設し、前面側に表側再帰反射面部及び透光部を設けた前面部材と、前記前面部材の裏面に並行して回動自在に取付けられ、前面から見て前記前面部材の透光部を通して表出可能となり、回動位置によっては前面から表出不可能となる再帰反射面を有する回動部材と、略凍結温度を中心に温度によって前記回動部材の再帰反射面を表出可能または表出不可能な状態に回動変化させる温度応動駆動手段とを具備するものである。
【0009】請求項2にかかる凍結表示用標識装置は、取付け可能なハウジングに配設した透光部を設けた前面部材と、前記前面部材の裏面に並行して摺動自在に取付けられ、前面から見て前記前面部材の透光部を通して表出可能となり、摺動位置によっては前面から表出不可能となる再帰反射面を有する摺動部材と、略凍結温度を中心に温度によって前記摺動部材の再帰反射面を表出可能または表出不可能な状態に摺動変化させる温度応動駆動手段とを具備するものである。
【0010】請求項3にかかる凍結表示用標識装置は、請求項1または請求項2の前面部材の透光部を、前面部材の透明部としたものである。
【0011】請求項4にかかる凍結表示用標識装置は、請求項1または請求項2の前面部材の透光部を、前面部材の切欠部としたものである。
【0012】請求項5にかかる凍結表示用標識装置は、取付け可能なハウジングに配設し、前面側に表側再帰反射面部を設けた前面部材と、前記表側再帰反射面部に隣接し、折曲自在に配設された再帰反射面部を設けた折曲部材と、略凍結温度を中心に温度によって前記折曲部材の再帰反射面を表出可能または表出不可能な状態に変化させる温度応動駆動手段とを具備するものである。
【0013】請求項6にかかる凍結表示用標識装置は、取付け可能なハウジングに配設し、再帰反射面部を設けた回動自在な一対の回動部材と、前記一対の回動部材相互間の回動を1対1とする連結手段と、前記回動部材に取付けられ、略凍結温度を中心に温度によって前記回動部材を回動変化させる温度応動駆動手段とを具備するものである。
【0014】請求項7にかかる凍結表示用標識装置は、取付け可能なハウジングに配設し、再帰反射面部を設けた回動自在な回動部材と、前記回動部材に取付けられ、略凍結温度を中心に温度によって前記回動部材を回動変化させる温度応動駆動手段とを具備するものである。
【0015】請求項8にかかる凍結表示用標識装置は、請求項1から請求項7の何れか1つの温度応動駆動手段を、温度変化によって変化する形状記憶合金としたものである。
【0016】
【作用】請求項1においては、取付け可能なハウジングの前面側に、透光部を設けた前面部材の表側再帰反射面部を表出させる。また、温度応動駆動手段によって、前記前面部材の透光部を通して回動部材の再帰反射面部を表出させる。これによって、ドライバー等に対して、前面部材の表側再帰反射面部及び回動部材の再帰反射面部による再帰反射を認識させることができる。そして、温度応動駆動手段によって、前記前面部材の透光部を通して回動部材の再帰反射面部が露出状態でなくなったとき、前面部材の表側再帰反射面部のみによる再帰反射となる。したがって、前面部材の表側再帰反射面部及び回動部材の再帰反射面部による再帰反射と前面部材の表側再帰反射面部による再帰反射との違いを、温度応動駆動手段によって変化させることができる。
【0017】請求項2においては、取付け可能なハウジングの前面側に、透光部を設けた平板部材の表側再帰反射面部を表出させる。また、温度応動駆動手段によって、前記前面部材の透光部を通して摺動部材の再帰反射面部を表出させる。これによって、ドライバー等に対して、前面部材の表側再帰反射面部及び摺動部材の再帰反射面部による再帰反射を認識させることができる。そして、温度応動駆動手段によって、前記前面部材の透光部を通して摺動部材の再帰反射面部が露出状態でなくなったとき、前面部材の表側再帰反射面部のみによる再帰反射となる。したがって、前面部材の表側再帰反射面部及び摺動部材の再帰反射面部による再帰反射と前面部材の表側再帰反射面部による再帰反射との違いを、温度応動駆動手段によって変化させることができる。
【0018】請求項3においては、前記請求項1または請求項2の前面部材の透光部を、前面部材の透明部としたものであるから、前面部材によってシール性を得ることができる。
【0019】請求項4においては、前記請求項1または請求項2の前面部材の透光部を、前面部材の切欠部としたものであるから、容易に透孔を得ることができる。
【0020】請求項5においては、取付け可能なハウジングの前面側に、透光部を設けた前面部材の表側再帰反射面部を表出させる。また、温度応動駆動手段によって、前記表側再帰反射面部に隣接し、折曲自在に配設された折曲部材の再帰反射面部を表出させる。これによって、ドライバー等に対して、前面部材の表側再帰反射面部及び折曲部材の再帰反射面部による再帰反射を認識させることができる。そして、温度応動駆動手段によって、前記折曲部材の再帰反射面部を露出させなくなったとき、前面部材の表側再帰反射面部のみによる再帰反射を認識することができる。したがって、前面部材の表側再帰反射面部及び折曲部材の再帰反射面部による再帰反射と前面部材の表側再帰反射面部による再帰反射との違いを、温度応動駆動手段によって変化させることができる。
【0021】請求項6においては、取付け可能なハウジングの前面側に、一対の回動部材の再帰反射面部を表出させる。また、温度応動駆動手段によって、前記回動部材の他の面を表出させる。これによって、ドライバー等に対して、一対の回動部材の再帰反射面部による再帰反射を認識させることができる。そして、温度応動駆動手段によって、前記一対の回動部材の再帰反射面部が表出状態できなくなったとき、前記一対の回動部材の反対面が表出する。したがって、一対の回動部材の再帰反射面部の一面と他の面との間により、温度応動駆動手段によって変化させることができる。
【0022】請求項7においては、取付け可能なハウジングの前面側に、回動部材の再帰反射面部を表出させる。また、温度応動駆動手段によって、前記回動部材の他の面を表出させる。これによって、ドライバー等に対して、回動部材の再帰反射面部による再帰反射を認識させることができる。そして、温度応動駆動手段によって、前記回動部材の再帰反射面部が表出状態できなくなったとき、前記回動部材の反対面が表出する。したがって、回動部材の再帰反射面部の一面と他の面との間により、温度応動駆動手段によって変化させることができる。
【0023】請求項8においては、請求項1から請求項7の何れか1つに記載の前記温度応動駆動手段を、形状記憶合金による温度変化における変形により駆動するものであるから、略凍結温度になったとき、表示を急変させることができる。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0025】〈第一実施例〉図1は本発明の第一実施例である凍結表示用標識装置の再帰反射動作状態を示す使用斜視図、図2は本発明の第一実施例である凍結表示用標識装置の縦断面図である。また、図3は本発明の第一実施例である凍結表示用標識装置の正面からみた路面凍結していない通常状態表示(a)及び路面凍結状態表示(b)の説明図で、図4は本発明の第一実施例である凍結表示用標識装置の正面(a)及び裏面(b)からみた説明図である。
【0026】図1乃至図4において、支柱1には不透明な合成樹脂材料或いは金属板、鋳型等で箱状に形成したハウジング2が取付けられており、ハウジング2には白色または黄色の再帰反射面によって路側帯の存在を明示する公知のデリニェータと同様の表側再帰反射面部3aを有する透明アクリル板または透明ガラス板からなる前面部材3が取付けられている。
【0027】前面部材3は、図3(b)に示すように、白色または黄色の再帰反射面からなる表側再帰反射面部3aが略60度間隔に形成されており、また、透明部3bについても、略60度間隔に形成された表側再帰反射面部3aの中間に裏面が複雑屈折することなく視認できるように形成されている。通常、この種の前面部材3は合成樹脂の射出成形で形成され、その周囲には、ハウジング2に螺着する捩子が形成されており、必ずしも単純な平板形状の形態を有するものではない。
【0028】前面部材3の透明部3bは、図3(a)に示すように、その透過性により、裏側に配設して回動部材4に形成した再帰反射面部4aを認識できるようになっている。この回動部材4は、図4(a)に示すように、白色または黄色の再帰反射面からなる再帰反射面部4aが略60度間隔に形成されており、また、無反射部4bは、略60度間隔に形成された再帰反射面部4aの中間に到来する入射光を反射しないように黒色に形成されている。通常、この種の回動部材4は合成樹脂の射出成形で形成されており、射出成形の際にシャフト5をその中心に埋設している。
【0029】この回動部材4の裏面は、図4(b)に示すように、当接部4c及び当接部4dが一体成形されている。この当接部4c及び当接部4dはハウジング2に形成されたストッパー2aと当接することにより、その回動が拘束され、それによって、回動部材4は略60度のみ回動自在となり、前面部材3の透明部3bから、図3R>3(a)に示すように、その透過性により、回動部材4に形成した再帰反射面部4aの全面を認識できる状態、または、無反射部4bの全面を認識できる状態が、後述する温度応動駆動手段によって維持される。
【0030】前記前面部材3のハウジング2の内側の面の中央には、軸受部3cが形成されている。また、ハウジング2の内側の面の中央にも、軸受部2cが形成されている。それらの軸受部2cと軸受部3cには、前記回動部材4の中央に設けたシャフト5の端部を支承している。詳しくは、軸受部2cと軸受部3cはテーパ端部を有するシャフト5の尖軸軸受となっている。シャフト5のテーパ端部と軸受部3cとの支承部分は、回動部材4の中央部分に形成した凹部4dとを嵌合させ、シャフト5と軸受部3cとの間に埃等が侵入し難い形状としている。また、シャフト5のテーパ端部と軸受部2cとの支承部分は、シャフト5に取付けたカバー部材6の凹部を嵌合させ、シャフト5と軸受部2cとの間に埃等が侵入し難い形態としている。
【0031】また、シャフト5には形状記憶合金を渦巻状に巻回してなる温度応動駆動手段7の端部が鋲止めされており、また、他端部はハウジング2に鋲止めされている。この実施例で使用する、形状記憶合金を渦巻状に巻回してなる温度応動駆動手段7は、1〜2℃以下の温度で巻回密度を粗(巻回方向に戻す)にするように形状を記憶させたものであり、また、前記温度を越えると巻回密度を密(巻回方向に巻込む)にするように記憶させたものである。
【0032】したがって、形状記憶合金からなる温度応動駆動手段7の温度が略氷点温度以下では、形状記憶合金からなる温度応動駆動手段7が回動部材4を右方向に回動させ、略氷点温度を越えた高い温度となると、温度応動駆動手段7が回動部材4を左方向に回動させる。この回動は回動部材4の裏面に形成されている当接部4cまたは当接部4dとストッパー2aとの当接によって、その回動が拘束され、前面部材3の透明部3bから、図3R>3(b)に示すように、その透過性により、回動部材4に形成した無反射部4bを認識できる状態となり、結果的に前面部材3の白色または黄色の再帰反射面からなる表側再帰反射面部3aが表出できる。また、図3(a)に示すようになると、回動部材4に形成した再帰反射面部4aの全面を認識できる状態となり、結果的に前面部材3の白色または黄色の再帰反射面からなる表側再帰反射面部3a及び回動部材4に形成した再帰反射面部4aが表出できる。
【0033】なお、温度応動駆動手段7の変化領域を設定した場合には、ストッパー機能は不要となる。また、前面部材3はハウジング2を封止する部材として使用しているが、本発明を実施する場合には、別部材によってハウジング2を封止することもできる。逆に、前面部材3の透明部3bを切欠きとし、ハウジング2内を開放することもできる。
【0034】〈第二実施例〉図5は本発明の第二実施例である凍結表示用標識装置の縦断面図である。また、図6R>6は本発明の第二実施例である凍結表示用標識装置の裏面からみた正面図である。また、図7は本発明の第二実施例である凍結表示用標識装置の正面からみた通常状態表示(a)及び路面凍結状態表示(b)の説明図である。なお、図中、第一実施例と同一符号及び記号は第一実施例の構成部分と同一または相当する構成部分を示すものであるから、ここでは重複する説明を省略する。
【0035】図5において、ハウジング2には白色または黄色の再帰反射面によって路側帯の存在を明示する公知のデリニェータと同様の表側再帰反射面部3aを有する透明アクリル板または透明ガラス板からなる前面部材3が取付けられている。
【0036】前面部材3は、図7(b)に示すように、白色または黄色の再帰反射面からなる表側再帰反射面部3aが略正三角形として形成されており、また、透明部3bについては、前記表側再帰反射面部3aを形成した正三角形と、その正三角形に接する円との間の円弧で囲まれた部分を複雑屈折することなく視認できるように形成されている。通常、この種の前面部材3は合成樹脂の射出成形で形成され、その周囲には、ハウジング2に螺着する捩子が形成されており、必ずしも単純な平板形状を呈するとは限らない。
【0037】前面部材3の透明部3bは、図7(a)に示すように、その透過性により、裏側に配設して可変部材14に形成した再帰反射面部14aを認識できるようになっている。この可変部材14は、図5に示すように、一面のみが白色または黄色の再帰反射面からなる再帰反射面部14aが形成されており、また、他の面は無反射面となるように、到来する入射光を反射しないように無光沢の黒色に形成されている。
【0038】この可変部材14の裏面は、図6に示すように、前面部材3の透明部3bの透過性により、可変部材14に形成した再帰反射面部14aの全面を認識できる状態、または、無反射部の全面を認識できる状態が、後述する温度応動駆動手段7によって維持される。
【0039】即ち、ハウジング2の内側の面の中央には、取付部2dが形成されている。その取付部2dには、略Y字状に形成された形状記憶合金からなる温度応動駆動手段7の中央部が、回動できないように取付けられている。前記略Y字状に形成された温度応動駆動手段7の端部は、可変部材14の裏面に接合されている。この形状記憶合金からなる温度応動駆動手段7は、1〜2℃以下の温度でハウジング2の内側に彎曲するように記憶させたものであり、前記温度を越えると前面部材3の透明部3bの面側に移動し、略平面状態となる。
【0040】したがって、形状記憶合金からなる温度応動駆動手段7の温度が略氷点温度以下では、形状記憶合金からなる温度応動駆動手段7が可変部材14を内側に彎曲させ、略氷点温度を越えた高い温度となると、温度応動駆動手段7が可変部材14を外側方向に変位して平板状態となる。この形状記憶合金からなる温度応動駆動手段7の変化は、ハウジング2の内側の面に当接するか、或いは前面部材3の透明部3bの面に当接することによって規制される。
【0041】故に、形状記憶合金からなる温度応動駆動手段7の温度が略氷点温度以下では、形状記憶合金からなる温度応動駆動手段7が可変部材14を内側に彎曲させ、前面部材3の透明部3bから、図7(a)に示すように、その透過性があっても、可変部材14に形成した再帰反射部14aを認識できない状態となり、結果的にドライバー等からは図7(b)に示すように、略正三角形の再帰反射面となる。
【0042】また、形状記憶合金からなる温度応動駆動手段7の温度が、略氷点温度を越えた高い温度となると、温度応動駆動手段7が可変部材14を外側方向に変位して平板状態となる。この状態で温度応動駆動手段7の変化は、前面部材3の透明部3bの面に可変部材14に形成した再帰反射面部14aを当接させ、前面部材3の白色または黄色の再帰反射面からなる表側再帰反射面部3aに加えて、可変部材14に形成した再帰反射面部14aの全面が表出される。結果的にドライバー等からは、図7(a)に示すように、略円形の再帰反射面となる。
【0043】この本実施例においては、略円形の再帰反射面と略正三角形の再帰反射面によって、ドライバー、道路管理者は路面温度が凍結温度以下にあるか否かを判別することができる。このとき、温度応動駆動手段7の温度特性を逆にすれば、略円形の再帰反射面と略正三角形の再帰反射面によって表出する形状の持つ意味を、逆にすることもできる。また、前面部材3の白色または黄色の再帰反射面からなる表側再帰反射面部3aと、可変部材14に形成した再帰反射面部14aの色を異にすることによって、路面状態の変化を強調することもできる。
【0044】なお、本実施例では、路面の凍結温度以下になったとき、前記略Y字状に形成された温度応動駆動手段7の各端部が、独自に可変部材14に形成した再帰反射面部14aの位置を変更している。しかし、本発明を実施する場合、好ましくは、路面の凍結温度以下になったとき、全可変部材14に形成した再帰反射面部14aの位置が変位されるべきであることから、全可変部材14の動きを均一化すべくリング等で変動位置を均一化させるのが好ましい。
【0045】また、本実施例の温度応動駆動手段7は、全可変部材14に形成した再帰反射面部14aの方向を、路面の凍結温度付近の温度で急激に変位させるものであればよいことから、スナップ機能を有するバイメタル或いはトリメタル等にすることもできる。
【0046】〈第三実施例〉この種の前面部材3の白色または黄色の再帰反射面からなる表側再帰反射面部3aと、可変部材14に形成した再帰反射面部14aによって、例えば、図8の文字表示の事例を示す参考例のように、『凍結注意』、『スリップ注意』、『凍結道路』の文字を表出し、再帰反射面の再帰反射表示のとき『走行注意』の文字を表出するように構成することもできる。
【0047】図8は本発明の第三実施例である凍結表示用標識装置の正面からみた縦断面図である。なお、図中、第一実施例または第二実施例と同一符号及び記号は第一実施例または第二実施例の構成部分と同一または相当する構成部分を示すものであるから、ここでは重複する説明を省略する。
【0048】図8において、本実施例のハウジング2には一対の再帰反射面13a,13bの再帰反射表示は、一対の再帰反射面13a,13bに対してヘッドライトによる再帰反射によって識別できる文字が付された再帰反射部が一対の再帰反射部材13A,13Bに形成されている。各再帰反射部材13A,13Bはシャフト15A,15Bによって回動自在にハウジング2の軸受で支承されている。また、シャフト15A,15Bには形状記憶合金を渦巻状に巻回してなる温度応動駆動手段17A,17Bの端部が鋲止めされており、また、他端部はハウジング2に鋲止めされている。この実施例で使用する、形状記憶合金を渦巻状に巻回してなる温度応動駆動手段17A,17Bは、1〜2℃以下の温度で巻回密度を粗にするように形状を記憶させたものであり、また、前記温度を越えると巻回密度を密にするように記憶させたものである。
【0049】前記シャフト15A,15Bには、一対の同一径の歯車11A,11Bが噛合っており、この歯車11A,11Bの歯は180度強程度切ってあるが、それ以上の回動を禁止するストッパーとして機能させるために、両者間の噛合せを禁止している。
【0050】したがって、形状記憶合金からなる温度応動駆動手段17A,17Bの温度が略氷点温度以下では、例えば、図8の文字表示の事例を示す参考例のように、『凍結注意』の文字を表出し、略氷点温度を越えた高い温度となると、図8の位置から回動して、図示しない『走行注意』等の文字を表出することができる。故に、ドライバーは再帰反射面の文字によって路面の状態を認識することができる。
【0051】この種の実施例の凍結表示用標識装置は、シャフト15A,15Bに加わる加重を垂直に軸支するものであるから、それらの加重は、垂直に軸支した一点に集中し、その接触抵抗を小さくすることができる。
【0052】このように、上記実施例は、支柱1等に取付け可能なハウジング2と、前記ハウジング2の前面側に形成し、前面側に表側再帰反射面部3a及び透明部3bを設けた前面部材3と、前記前面部材3の裏面に並行して回動自在に取付けられ、前面から見て前記前面部材3の透明部3bを通して認識可能となり、回動位置によっては前面から見て前記前面部材3の表側再帰反射面部3aに隠れる再帰反射面を有する回動部材4と、略凍結温度を中心に温度によって前記回動部材4の再帰反射面4aを露出または隠蔽状態に回動変化させる温度応動駆動手段7とを具備するものであり、これを請求項1の実施例とすることができる。
【0053】したがって、温度応動駆動手段7が略凍結温度によって回動部材4を回動変位させるから、略凍結温度になると、前記回動部材4の一方の平面に設けられた再帰反射面によってその表示を替えることができる。よって、外部電源に頼ることなく、冬期に発生する道路表面の凍結をドライバー或いは道路管理者等に報知できる。
【0054】特に、図2に示す実施例のように、ハウジング2と前面部材3によって密閉容器を形成できるものにおいては、装置を長寿命とすることができる。また、前面部材3の透明部3bを通して回動部材4の再帰反射面4aを表出するものであり、回動部材4の無反射部4bが透明部3bの位置にあるとき、透明部3bによる直接反射が無視できなくなるから、視認効果が若干低下する。しかし、前面部材3の透明部3bを切欠部分とすれば、表側再帰反射面部3aと再帰反射面4aとの視認効果が同等となる。
【0055】また、図2に示す実施例では、温度応動駆動手段7として形状記憶合金を使用しており、路面凍結温度付近で急速にその巻数密度を変化させることができ、曖昧表示の状態を少なくすることができる。
【0056】前記実施例では、円形表示を前提とするものであるが、ハウジング2及び前面部材3の形状によって長方形表示または正方形表示等の各種の形状の表示とすることもできる。この種の実施例の場合には、図9の本発明の第四実施例である凍結表示用標識装置の縦断面の説明図に示すように、前面部材3に透光性の文字領域A,Bを形成しておき、背面に配設した再帰反射領域a,bを有する摺動部材39を温度応動駆動手段としての形状記憶合金を使用したスプリング37と通常のスプリング38との間で均衡を持たせ、路面の凍結温度状態で図9(a)のように、形状記憶合金を使用したスプリング37が通常のスプリング38の弾性よりも弱くなり、前面部材3に透光性の文字領域A,Bから摺動部材39の再帰反射領域a,bによって所定の文字を表出することができる。また、路面の凍結温度を越える温度状態で図9(b)のように、形状記憶合金を使用したスプリング37が通常のスプリング38の弾性よりも強くなり、前面部材3に透光性の文字領域A,Bの位置に摺動部材39の再帰反射領域a,bがないとき、所定の文字を表出することができなくなり、それによって路面の凍結解除を表出できる。
【0057】即ち、上記実施例は、支柱1等に取付け可能なハウジング2と、前記ハウジング2の前面側に配設した透光性の文字領域A,B等の透明部を設けた前面部材3と、前記前面部材3の裏面に並行して摺動自在に取付けられ、前面から見て前記前面部材3の透光部を通して認識可能となり、摺動位置によっては前面から見て前記前面部材3に隠れる再帰反射面を有する摺動部材39と、略凍結温度を中心に温度によって前記摺動部材39の再帰反射面を露出または隠蔽状態に摺動変化させる温度応動駆動手段としてのスプリング37とを具備するものであり、これを請求項2の実施例とすることができる。
【0058】したがって、温度応動駆動手段が略凍結温度によって摺動部材39を変位させるから、略凍結温度になると、前記摺動部材39の一方の平面に設けられた再帰反射面によってその表示を替えることができる。よって、外部電源に頼ることなく、冬期に発生する道路表面の凍結をドライバー或いは道路管理者等に報知できる。
【0059】また、上記実施例においては、前記前面部材3の透明部3b、透光性の文字領域A,B等を前面部材3の透光部とすることができ、これを請求項3の実施例とすることができる。この種の実施例においては、ハウジング2を前面部材3で封止できるから、回動部分が砂、土等の塵埃の影響を受け難くなり、装置の寿命を長くすることができる。
【0060】そして、上記実施例の前面部材3の透明部3b、透光性の文字領域A,B等は、前面部材3の切欠部とすることができ、これを請求項4の実施例とすることができる。この種の前面部材3の切欠部においては、自己の反射がないから背面に配設されている再帰反射面の存在または非存在を明確に表現できる。
【0061】更に、上記実施例の凍結表示用標識装置は、取付け可能なハウジング2と、前記ハウジング2の前面側に形成し、前面側に固定された表側再帰反射面3aを設けた前面部材3と、前記固定された表側再帰反射面部3aに隣接し、折曲自在に配設された表側再帰反射面部14aを設けた折曲部材14と、略凍結温度を中心に温度によって前記折曲部材14の表側再帰反射面14aを露出または隠蔽状態に変化させる温度応動駆動手段7とを具備するものであり、これを請求項5の実施例とすることができる。
【0062】したがって、路面の凍結温度を境界として、折曲部材14の表側再帰反射面部14aの表示を変更することができ、それによってドライバー等に路面の凍結によるスリップ等の注意を促すことができる。よって、外部電源に頼ることなく、冬期に発生する道路表面の凍結をドライバー或いは道路管理者等に報知できる。特に、本実施例では、折曲部材14の表側再帰反射面14aを直接、温度応動駆動手段7で変化させるものであるから、部品点数が少なくなり、構造的にシンプルにすることができる。また、特に軸受等を必要としないから、表側再帰反射面3aを設けた前面部材3と表側再帰反射面部14aを設けた折曲部材14とを露出使用とする場合に好適となる。
【0063】更にまた、上記実施例の凍結表示用標識装置は、取付け可能なハウジング2と、前記ハウジング2に収納し、再帰反射面部13a,13bを設けた回動自在な一対の回動部材13A,13Bと、前記一対の回動部材13A,13B相互間の回動を1対1とする歯車11A,11Bからなる連結手段と、前記回動部材13A,13Bに取付けられ、略凍結温度を中心に温度によって前記回動部材13A,13Bを回動変化させる温度応動駆動手段17A,17Bとを具備するものであり、これを請求項6の実施例とすることができる。
【0064】したがって、路面の凍結温度を境界として、回動部材13A,13Bの再帰反射面部13a,13bの表示を変更することができ、それによってドライバー等に路面の凍結によるスリップ等の注意を促すことができる。特に、本実施例では、一対の回動部材13A,13Bの再帰反射面部13a,13bで路面の凍結を明示できるから、その表示を大きくすることができる。
【0065】しかし、本実施例はハウジング2に収納された再帰反射面部13a,13bの面を広くするものであるが、再帰反射面部13aまたは再帰反射面部13bの一方のみとすることもできる。例えば、再帰反射面部13aのみとすると、次のように実施できる。
【0066】即ち、取付け可能なハウジング2と、前記ハウジング2に配設し、再帰反射面部13aを設けた回動自在な回動部材13Aと、前記回動部材13Aに取付けられ、略凍結温度を中心に温度によって前記回動部材13Aを回動変化させる温度応動駆動手段17Aとを具備する凍結表示用標識装置とすることができ、これを請求項7の実施例とすることができる。
【0067】この実施例においても、路面の凍結温度を境界として、回動部材13Aの再帰反射面部13aの表示を変更することができ、それによってドライバー等に路面の凍結によるスリップ等の注意を促すことができる。
【0068】ところで、上記実施例の温度応動駆動手段7,17A,17Bは、温度変化によって変化する形状記憶合金としたものであるが、本発明を実施する場合には、バイメタル等の温度の変化によって物理的な変量を期待することができる熱応動手段が使用できる。特に、路面の凍結温度を境界として急変させる場合には、形状記憶合金、バイメタル、トリメタル等のスナップ機能を持つ熱応動手段の使用が好適である。
【0069】また、上記各実施例の温度応動駆動手段は0℃以下の温度を検出するものでないが、路面から0.8〜1m程度上部に設置される凍結表示用標識装置は、その温度検出箇所と地表の温度差との関係で地表の凍結温度よりも若干高い温度とすることで良好な凍結温度検出効果が得られた。しかし、交通量、山間部等の地域、路面の種類等の設置環境、タイムラグによっては、0℃に設定することもできるし、或いは0℃以下とすることもできる。また、形状記憶合金のヒステリシス温度については3〜4℃程度のもの、即ち、4〜5℃で復帰するものを使用したが、このヒステリシス温度については、一旦、路面が凍結すると、外気温が上昇しても、路面温度がすぐに上昇しないでタイムラグが存在することから、それをこのヒステリシス温度で補正するものである。例えば、夜間凍結し、凍結が解除される路面温度と午前中の外気温との温度上昇に、ヒステリシス温度を対応させて使用するのが望ましい。
【0070】そして、路面の凍結温度付近で変化する形態は、文字或いは図形の何れであってもよい。
【0071】更に、前記再帰反射面は、小球体、プリズム面等として形成できるし、反射光に対する着色は反射面の着色、透明体を有色透過性部材とすることによって実施できる。また、上記実施例の再帰反射は、透明球体のように入射角と反射角が平行するものを前提としているものの、本発明を実施する場合には、狭義の再帰反射を意味するものでなく、鏡面のように、入射角と反射角が平行するものにも置換できることは自明であり、また、厳密に入射角と反射角が平行する必要性がないことから、基本的に、入射光の多くが反射光として反射する場合を包含するものである。
【0072】なお、上記実施例では、支柱1に取付け可能なハウジング2の事例で説明したが、本発明を実施する場合、支柱1に取付けをしなければならないという限定はなく、デリニェータ自体または他の取付具または橋の欄干等に直接的または間接的に取付けることもできる。
【0073】また、上記実施例では、ハウジング2の内部を封止する構成を前提に説明したが、本発明を実施する場合には、ハウジング2の内部を封止するものに限定されるものではない。しかし、ハウジング2の内部を封止するものにおいては、その寿命を長くすることができる。
【0074】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明の凍結表示用標識装置は、取付け可能なハウジングに配設し、その前面側に表側再帰反射面部及び透光部を設けた前面部材と、前記前面部材の裏面に回動自在に取付けられ、前面から見て前記前面部材の透光部を通して表出可能となり、回動位置によっては前面から表出不可能となる再帰反射面を有する回動部材と、略凍結温度を中心に温度によって前記回動部材の再帰反射面を表出可能または表出不可能な状態に回動変化させる温度応動駆動手段とを具備し、温度応動駆動手段が略凍結温度によって回動部材を回動変位させるから、略凍結温度になると、前記回動部材の一方の平面に設けられた再帰反射面によってその表示を替えることができる。したがって、外部電源に頼ることなく、冬期に発生する道路表面の凍結をドライバー或いは道路管理者等に報知できる。
【0075】請求項2の発明の凍結表示用標識装置は、取付け可能なハウジングに配設し、その前面側に表側再帰反射面部及び透光部を設けた前面部材と、前記前面部材の裏面に摺動自在に取付けられ、前面から見て前記前面部材の透光部を通して表出可能となり、摺動位置によっては前面から表出不可能となる再帰反射面を有する摺動部材と、略凍結温度を中心に温度によって前記摺動部材の再帰反射面を表出可能または表出不可能な状態に摺動変化させる温度応動駆動手段とを具備し、温度応動駆動手段が略凍結温度によって摺動部材を摺動変位させるから、略凍結温度になると、前記摺動部材の一方の平面に設けられた再帰反射面によってその表示を替えることができる。したがって、外部電源に頼ることなく、冬期に発生する道路表面の凍結をドライバー或いは道路管理者等に報知できる。
【0076】請求項3の発明の凍結表示用標識装置は、前記請求項1または請求項2の前面部材の透光部を、前面部材の透明部としたものであるから、前面部材によってシール性を得ることができる。
【0077】請求項4の発明の凍結表示用標識装置は、前記請求項1または請求項2の前面部材の透光部を、前面部材の切欠部としたものであるから、容易に透孔を得ることができる。
【0078】請求項5の発明の凍結表示用標識装置は、取付け可能なハウジングに配設し、前面側に表側再帰反射面部を設けた前面部材と、前記表側再帰反射面部に隣接し、折曲自在に配設された再帰反射面部を設けた折曲部材と、略凍結温度を中心に温度によって前記折曲部材の再帰反射面を表出可能または表出不可能な状態に変化させる温度応動駆動手段とを具備し、温度応動駆動手段が略凍結温度によって変位させるから、略凍結温度を境界として、前記折曲部材に設けられた再帰反射面の表出変化を持たせることができる。したがって、外部電源に頼ることなく、冬期に発生する道路表面の凍結をドライバー或いは道路管理者等に報知できる。
【0079】請求項6の発明の凍結表示用標識装置は、取付け可能なハウジングに配設し、再帰反射面部を設けた回動自在な一対の回動部材と、前記一対の回動部材相互間の回動を1対1とする連結手段と、前記回動部材に取付けられ、略凍結温度を中心に温度によって前記回動部材を回動変化させる温度応動駆動手段とを具備し、温度応動駆動手段が略凍結温度によって回動部材を回動変位させるから、略凍結温度になると、前記一対の回動部材の少なくとも一面に形成した再帰反射面とその裏面との表示を切替えることができる。しかも、その表示面を大きくできる。したがって、外部電源に頼ることなく、冬期に発生する道路表面の凍結をドライバー或いは道路管理者等に報知できる。
【0080】請求項7の発明の凍結表示用標識装置は、取付け可能なハウジングに配設し、再帰反射面部を設けた回動自在な回動部材と、前記回動部材に取付けられ、略凍結温度を中心に温度によって前記回動部材を回動変化させる温度応動駆動手段とを具備し、温度応動駆動手段が略凍結温度によって回動部材を回動変位させるから、略凍結温度になると、前記回動部材の少なくとも一面に形成した再帰反射面とその裏面との表示を切替えることができる。したがって、外部電源に頼ることなく、冬期に発生する道路表面の凍結をドライバー或いは道路管理者等に報知できる。
【0081】請求項8の発明の凍結表示用標識装置は、前記請求項1から請求項7の何れか1つに記載の温度応動駆動手段を、温度変化によって変化する形状記憶合金としたものである。したがって、形状記憶合金による温度変化における変形により駆動するものであるから、略凍結温度になったとき、表示を急変させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の第一実施例である凍結表示用標識装置の再帰反射動作状態を示す使用斜視図である。
【図2】図2は本発明の第一実施例である凍結表示用標識装置の縦断面図である。
【図3】図3は本発明の第一実施例である凍結表示用標識装置の正面からみた通常状態表示(a)及び路面凍結状態表示(b)の説明図である。
【図4】図4は本発明の第一実施例である凍結表示用標識装置の正面(a)及び裏面(b)からみた説明図である。
【図5】図5は本発明の第二実施例である凍結表示用標識装置の縦断面図である。
【図6】図6は本発明の第二実施例である凍結表示用標識装置の裏面からみた正面図である。
【図7】図7は本発明の第二実施例である凍結表示用標識装置の正面からみた通常状態表示(a)及び路面凍結状態表示(b)の説明図である。
【図8】図8は本発明の第三実施例である凍結表示用標識装置の正面からみた縦断面図である。
【図9】図9は本発明の第四実施例である凍結表示用標識装置の縦断面の説明図である。
【符号の説明】
2 ハウジング
3 前面部材
3a 表側再帰反射面部
3b 透明部
4 回動部材
4a 再帰反射面部
4b 無反射部
7 温度応動駆動手段
13a,13b 再帰反射面
13A,13B 再帰反射部材
17A,17B 温度応動駆動手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】 取付け可能なハウジングと、前記ハウジングに配設し、その前面側に表側再帰反射面部及び透光部を設けた前面部材と、前記前面部材の裏面に回動自在に取付けられ、前面から見て前記前面部材の透光部を通して表出可能となり、回動位置によっては前面から表出不可能となる再帰反射面を有する回動部材と、略凍結温度を中心に温度によって前記回動部材の再帰反射面を表出可能または表出不可能な状態に回動変化させる温度応動駆動手段とを具備することを特徴とする凍結表示用標識装置。
【請求項2】 取付け可能なハウジングと、前記ハウジングに配設した透光部を設けた前面部材と、前記前面部材の裏面に摺動自在に取付けられ、前面から見て前記前面部材の透光部を通して表出可能となり、摺動位置によっては前面から表出不可能となる再帰反射面を有する摺動部材と、略凍結温度を中心に温度によって前記摺動部材の再帰反射面を表出可能または表出不可能な状態に摺動変化させる温度応動駆動手段とを具備することを特徴とする凍結表示用標識装置。
【請求項3】 前記前面部材の透光部は、前面部材の透明部としたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の凍結表示用標識装置。
【請求項4】 前記前面部材の透光部は、前面部材の切欠部としたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の凍結表示用標識装置。
【請求項5】 取付け可能なハウジングと、前記ハウジングに配設し、前面側に表側再帰反射面部を設けた前面部材と、前記表側再帰反射面部に隣接し、折曲自在に配設された再帰反射面部を設けた折曲部材と、略凍結温度を中心に温度によって前記折曲部材の再帰反射面を表出可能または表出不可能な状態に変化させる温度応動駆動手段とを具備することを特徴とする凍結表示用標識装置。
【請求項6】 取付け可能なハウジングと、前記ハウジングに配設し、再帰反射面部を設けた回動自在な一対の回動部材と、前記一対の回動部材相互間の回動を1対1とする連結手段と、前記回動部材に取付けられ、略凍結温度を中心に温度によって前記回動部材を回動変化させる温度応動駆動手段とを具備することを特徴とする凍結表示用標識装置。
【請求項7】 取付け可能なハウジングと、前記ハウジングに配設し、再帰反射面部を設けた回動自在な回動部材と、前記回動部材に取付けられ、略凍結温度を中心に温度によって前記回動部材を回動変化させる温度応動駆動手段とを具備することを特徴とする凍結表示用標識装置。
【請求項8】 前記温度応動駆動手段は、温度変化によって変化する形状記憶合金としたことを特徴とする請求項1から請求項7の何れか1つに記載の凍結表示用標識装置。

【図1】
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【図3】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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