説明

凍結警告標識

【課題】非凍結時と凍結の恐れのあるときのそれぞれで明確な2種の切換え表示を行うことができる簡単かつコンパクトな構造の凍結警告標識を提供する。
【解決手段】パネル1に多数本の着色帯30を一定間隔で配し着色帯間をスリット状の透明帯31とした固定表示部31を設けると共に、カバー2には形状記憶合金製ばね5bとバイアスばね5cで付勢された作動用ロッド5aを含む駆動ユニット4を取付け、前記パネル背後のカバー内には前記作動用ロッド5aと連結したスライド板7を配し、該スライド板7にこれの移動時に前記固定表示部3の着色帯30と透明帯31との組合せで異なる情報を表示するように第1と第2の2種の表示部70,71を位相をずらして設けている。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は道路などに設置される凍結警告標識に関する。
【0002】
【従来の技術】道路などにおいては、寒冷期に降雨や降霜後、気温が低下すると水分が凍結していわゆるミラーバーン現象が発生し、車両や人などのスリップや転倒など重大な事故を引き起こす。これは粉塵公害の抑制のためスパイクタイヤの使用が禁止される傾向とともに多発している。かかる事故の発生を予防するための一つの手段として、凍結しやすい道路などに凍結の注意を促す警告標識が配置されている。この凍結警告装置として、太陽電池や一般電源を使用した警告灯が知られているが、コストが高く、故障しやすい点に問題がある。この対策として、形状記憶合金からなるバネを使用し、凍結温度まで降下したときに警告板を回転させて赤い反射板を表出させ、凍結温度以上になると形状記憶合金の回復力によって反射板を逆方向に動作して白い反射面を表出させるようにしたものが提案されている。
【0003】しかし、これら先行技術はいずれも水平軸線または垂直軸線のまわりで回動するように回転軸で支持された回動部材を必須構成要素としており、これがボックス状のハウジングに納められているため、構造が複雑で高価なものになるとともに、大型化によって取付けに不便が生ずる。また、従来の警告装置はその構造が複雑であるにもかかわらず警告し得る情報が単純で、オンオフ表示すなわち、凍結温度以上のときには元々備わっている白色の反射面を表示させ、凍結時にのみ赤色の反射面に転換表示するといっただけであった。このため、明確な指標となりにくく、高速走行中の車両の運転者などは道路路面状態が安全か否かの判断を瞬時に確実に認識することが困難で、事故発生の抑止効果が乏しいという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記のような問題点を解消するために創案されたもので、その目的とするところは、非凍結時には安全運転を喚起するような情報を表示し、凍結の恐れのあるときには警告のための情報に切り替えて明確に警告することができる簡単かつコンパクトな構造の凍結警告標識を提供することにある。
【0005】上記目的を達成するため本発明は、背後にカバーを設けたパネルに多数本の着色帯を一定間隔で配し着色帯間をスリット状の透明帯とした固定表示部を設けると共に、カバーには形状記憶合金製ばねとバイアスばねで付勢された作動用ロッドを含む駆動ユニットを取付け、前記パネル背後のカバー内には前記作動用ロッドに連結されたスライド板を配し、該スライド板には、これの移動時に前記固定表示部の着色帯と透明帯との組合せで異なる情報を表示するように2種の表示部を位相をずらして設けた構成としたものである。前記駆動ユニットは、筒状ホルダと、該筒状ホルダに軸線方向移動可能に内蔵され一部が筒状ホルダ突出してスライド板に連結された作動用ロッドと、該作動用ロッドの外周に同心状にかつ力の方向を拮抗させて配されたバイアスばねと形状記憶合金製ばねとを備えている。より好適には、バイアスばねは圧縮コイルばねからなり、形状記憶合金製ばねは引張りコイルばねからなり、しかも筒状ホルダは調整機構を備え、該調整機構は、筒状ホルダの端部に形状記憶合金製ばねの端部を係止するとともにバイアスばねの端部を受支するばね圧調整ねじと、このばね圧調整ねじの軸心に取り付けられ作動用ロッドのストロークを調整するスライド調整ねじとを備えている。固定表示部はパネルに直接設けてもよい。あるいは基板としてパネルと別に作り、パネルに形成した窓孔に表出するように固着してもよい。2種の表示部による表示形態としては単純な色以外のものであり、その例としては「安」あるいは「安全」と「凍」あるいは「凍結」で代表される異なる漢字があげられる。しかし必ずしも文字に限定されず、図形、記号などであってもよい。
【0006】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施例を添付図面に基いて説明する。図1ないし図7は本発明による凍結警告標識の第1実施例を示している。Aは本発明による凍結警告標識である。1はパネルであり、菱形、矩形、三角形などの多角形あるいは円形など所要の形状と寸法を有している。この実施例ではパネル1は耐侯性の良好な合成樹脂で作られており、全部または少なくとも中央部を含む所要範囲が透明に作られている。2は前記パネル1の背部に取外し可能に固定されたカバーであり、所要部位には支柱などの被設置物Bに対する取付け金具20を有している。
【0007】3は前記パネル1の所要範囲に設けられた再帰反射性能を持つ固定表示部であり、図5のように多数本の着色帯30を一定間隔で配し、着色帯間をスリット状の透明帯31とすることにより構成されている。この実施例では着色帯30と透明帯31を備えた固定表示部3はパネル1に一体に設けられている。すなわち、着色帯30はパネル1の透明領域にたとえば赤色系の蛍光塗料を用いて多数本のバーを印刷しまたは塗布するか、あるいは蛍光塗料を付した帯状粘着テープやバー状スリット付きの粘着シートを貼着することで構成されている。着色帯30の帯幅は透明帯31の帯幅と同等もしくは透明帯31の帯幅よりも適度に大きくなっていることが好ましい。
【0008】4は前記カバー2に固定された駆動ユニットである。該駆動ユニット4は、図2と図3のように、プラグなどにより長手方向端部8a,8bが閉止された筒状ホルダ8を有し該筒状ホルダ8に作動用ロッド5aとこれを動かすための形状記憶合金製ばね5bとバイアスばね5cを内蔵させるとともに調整機構6を取り付けている。作動用ロッド5aは、2段状の径大部50と、該径大部50から筒状ホルダ内に延出する細径の軸部51と、径大部50から筒状ホルダ8の一端部8aに設けた通孔81を通って外方に延出する連結用部52を有している。カバー2には連結用部52の移動を許容するためにガイド孔21が設けられている。調整機構6は、バイアスばね5cのセット力を調整して形状記憶合金製ばね5bとのバランスを取るためのばね圧調整ねじ6aと、作動用ロッド5aのストロークを調整して後述するスライド板の表示が正しく切り替わるようにするためのスライド調整ねじ6bを有している。詳しくは、筒状ホルダ8の後端部8bには雌ねじ80が設けられており、これにばね圧調整ねじ6aが螺通され、ばね圧調整ねじ6aの軸孔62に軸部51の自由端側が移動自由に挿入されている。ばね圧調整ねじ6bには前記軸孔52と同心に雌ねじ63が設けられており、これにスライド調整ねじ6bが螺合されている。
【0009】形状記憶合金製ばね5bは外気温が凍結温度に達しない温度のときに図2のように作動用ロッド5aを筒状ホルダ4内に引込む力を発生させるもので、この実施例では引張りコイルばねからなっている。これに対して、バイアスばね5cは外気温が凍結温度になったときに作動用ロッド5aを筒状ホルダ4外に押し出す力を発生させるもので、この実施例では圧縮コイルばねからなっている。形状記憶合金製ばね5bとしてはNi−Ti合金,Ni−Ti−Fe,Cr,V,Co,Cuなどがあげられ、これを或る温度以下で変形させ、温度上昇により変形前の形状に戻るように加工している。すなわち、ヒステリシス温度を3〜5℃程度にし、この温度で復帰するように処理したものが用いられている。前記バイアスばね5cは形状記憶合金製ばね5bよりも径が小さく、作動用ロッド5aを囲むように配され、形状記憶合金製ばね5bは前記バイアスばね5cを囲むように同心状に配されている。そして、バイアスばね5cは一端が径大部50の端面に受支され、他端がばね圧調整ねじ6aの端面に受支されている。また、形状記憶合金製ばね5bは一端がばね圧調整ねじ6aまたは筒状ホルダ4の端部8bに留められ、他端が径大部50にそれぞれ留められている。この留めはねじ溝を利用して行うことができる。好ましくは筒状ホルダ8には形状記憶合金製ばね5bの所要部分を露出させるべく開口81が設けられる。
【0010】7は前記パネル1の背後のカバー内に摺動可能に配されたスライド板である。該スライド板7は前記固定表示部3よりも適度に大きく、その一部すなわちこの実施例では上端部が前記作動用ロッド5aの連結用部52と結合され、作動用ロッド5aの移動時にこれと一体に移動するようになっている。スライド板7のパネル1に対向する表面には、前記固定表示部3の着色帯30と透明体31との組合せにより、第1移動時(常温時)には図1(a)のように安全運転を呼び掛ける指示ないし情報が、また第2移動時(凍結温度時)には図1(b)のように注意を促す指示ないし情報がそれぞれ表示されるように再帰反射性能を持つ第1表示部70と第2表示部71が設けられている。
【0011】この実施例では、第1表示部70が固定表示部3とで「安」という文字が構成されるようになっており、第2の表示部71が固定表示部3とで「凍」という文字が構成されるようになっている。詳しくは、第1の表示部70は、固定表示部3の着色帯30との組合せで当該文字が形成されるように、図6と図7のように、第1移動時の透明帯31に対応する位置に、たとえば、赤色系の蛍光塗料を用いて多数本の特定状バーを印刷しまたは塗布するか、あるいは蛍光塗料を付した帯状粘着テープを貼着している。また、第2の表示部71は、固定表示部3の着色帯30との組合せで当該文字が形成されるよう、第2移動時における透明帯31に対応する位置すなわち前記表示部70とスライド板移動方向で1本ないし数本の着色帯幅分の位相をずらして、たとえば赤色系の蛍光塗料を用いて多数本の特定状バーを印刷または塗布するか、あるいは蛍光塗料を付した帯状粘着テープを貼着している。なお、第1移動時と第2移動時の双方において固定表示部3の着色帯30との組合せで表出する部分はバー状でなくベタ状となっている。
【0012】図8は本発明の他の態様を示している。(a)は固定表示部3をパネル1に一体形成した別の態様を示しており、固定表示部3の透明部31をスリットとして構成したものである。この場合にはパネル1は透明材料で構成する必要はなく、金属などを使用して打抜きなどにより形成すればよい。必要に応じてパネル1の表面には防塵のためプラスチックフィルムなどからなる透明カバー10が層着される。(b)(c)は固定表示部3を印刷や貼着などの手法でパネル1に設けるのでなく、別部材として作りそれをパネル1に固定一体化した例を示している。(b)は合成樹脂などの透明材からなる基板3aに多数本の着色帯30を一定間隔で配し、着色帯間をスリット状の透明帯31としたもので、着色帯30の形成方法は前記実施例のように印刷的手法でも貼着的手法でもよい。そして、パネル1には窓孔11を設け、この窓孔11の背後または前面に前記基板3aを固着している。(c)は前記基板3aをパネル1の窓孔11に嵌着固定している。これら(b)(c)の態様の場合には、パネル1は透明である必要はなく、金属、非透明合成樹脂など任意の材料で構成することができる。
【0013】なお、本発明は図示する態様に限定されるものではない。すなわち、情報表示内容が文字の場合、一文字ずつでなく、2文字ずつたとえば、第1移動時に「安全」、第2移動時に「凍結」と表示されるようにしてもよい。あるいはさらに4文字ずつたとえば第1移動時に「安全運転」、第2移動時に「凍結注意」と表示されるようにしてもよい。なお、一文字表示の場合には、図示のものを第1標識とし、「全」と「結」とを切換え表示できるようにしたものを第2標識としてもよく、こうした場合には第1標識と第2標識を道路の進行方向に沿って順次配置し、横断構造物に使用する場合には並列上に2標識を配置すればよい。さらに、固定表示部3や第1,第2の70,71のパターンは必ずしも文字に限定されるものではなく、図形、記号など任意である。また、第1と第2の表示部70,71は必ずしも同種の表示(異なる文字同士,異なる図形または記号同士など)である必要はなく、第1表示部70が図形または記号、第2表示部71が文字でもよいし、第1表示部70が文字、第2表示部71が図形または記号でもよい。また、実施例ではスライド板7の移動方向が上下方向であるが、これに限らず横方向あるいは斜め方向でもよいことはもちろんであり、これらの場合にはその移動方向に応じて駆動ユニット4の取付け方向を変更すればよい。
【0014】
【実施例の作用】次に本発明による凍結警告標識の使用法と作用を説明する。本発明凍結警告標識はカバー2に設けた取付け金具20によって道路路肩の支柱あるいは専用支柱あるいは道路上方を横切るゲート状構造物など任意の被設置物Bに設置すればよい。使用に先立って、必要に応じてばね圧調整ねじ6aとスライド調整ねじ6bを選択的に操作する。ばね圧調整ねじ6aを進出側に操作すれば、バイアスばね5cの受支位置が筒状ホルダ内方へ移動するため、バイアスばね5cのセット力が強められ、ばね圧調整ねじ6aを後退側に操作すればバイアスばね5cのセット力が弱められる。これにより形状記憶合金製ばね5bと拮抗する適切なバランスが設定される。また、図2の状態でスライド調整ねじ6bを押込み側に操作すれば、該ねじ端が作動用ロッド5aの軸部51の先端に当接して作動用ロッド5aを押し上げるため、連結用部52を介してスライド板7も同量押し上げられる。これによりスライド板7の第1表示部70を構成するバー類を正確に固定表示部3の透明部31に整合させ、また、温度変化によるスライド板7の移動時に、第2の表示部71を正確に固定表示部3の透明部31に整合するようにストロークをセットすることができる。
【0015】こうして設置した状態では、路面温度が凍結温度よりも高い場合には、形状記憶合金製ばね5bからなる引張りばねの力がバイアスばね5cの力よりも強いため、作動用ロッド5aはバイアスばね5cの付勢力に抗して図2のように筒状ホルダ8の内部に引き込まれ、軸部51がばね圧調整ねじ6aの軸孔62に進入してスライド調整ねじ6bに突き当たることで位置規制される。これにより連結用部52を介してスライド板7はパネル1とカバー2間で降下させられ、第1移動位置に保持される。この状態では、スライド板7の第1の表示部70を構成するバーが固定表示部3の透明帯31に位置しているため、この例では図1(a)のように「安」の文字が情報として表示される。
【0016】そして、この状態から気温が低下し、路面が凍結状態ないしこれに近い状態になると、この気温を感知した形状記憶合金製ばね5bからなる引張りばねの力は弱化し、径大部50に作用するバイアスばね5cの付勢力により作動用ロッド5aは境内部50が筒状ボルダ端部に当接するまで押し上げられる。これに伴い連結用部52を介してスライド板7も上昇し、第2移動位置に保持される。この状態では、スライド板7の第1の表示部70は固定表示部3の着色帯30の背後に位置され、第1の表示部70と位相のずれている第2の表示部71が固定表示部3の透明帯31に位置する。このためこの例では図1(b)のように「凍」の文字が情報として表示される。そして、路面温度が上昇すれば、形状記憶合金製ばね5bからなる引張りばねの力がバイアスばね5cの力に勝るようになるため、再びスライド板7は図1R>1(a)の状態に戻り、「安」の文字が情報として表示される。
【0017】警報パターンが非凍結時と凍結時でたとえば緑色から赤色に代わる色別表示などでは、高速走行している場合に瞬時にその意味合いを認識することが困難であり、しばらく走行してから認識するにいたるので危険回避効果が乏しくなる。これに対して本実施例では、非凍結時には安全運転を促す意味を直接表すの文字が、そして凍結温度時には凍結の危険を示すの文字がそれぞれ明確に表示されるため、高速走行中でも運転者は瞬時に路面状態を認識し、それに対処するすることが可能となる。
【0018】さらに、本発明においては、スライド板7の第1の表示部70と第2の表示部71が固定表示部3の透明帯31に表出することによって固定表示部3の着色帯30とで2種の情報を切換え表示するようになっており、スライド板7の移動ストロークは着色帯30の1〜2帯幅分でよいため非常に短くて済む。しかも、駆動ユニット4の形状記憶合金製ばね5bとバイアスばね5cは直列状でなく2重ばねとして作動用ロッド5aを同心状に囲んでいる。このようなことから駆動ユニット4を小型化することができる。そして駆動ユニット4が小型化なため、駆動ユニット4をカバー2の外部に取り付けることができ、これにより温度変化に対する追従性をよくすることができるとともに保守点検もいちいちカバー2を取り外さずに簡単に実施することができる。
【0019】
【発明の効果】以上説明した本発明の請求項1によるときには、回転方式でなくスライド方式であるため構造が簡単であり、しかもパネル1に多数本の着色帯30を一定間隔で配し着色帯間をスリット状の透明帯31とした固定表示部3を設けると共に、パネル背後のカバー内のスライド板7にこれの移動時に前記固定表示部3の着色帯30と透明帯31との組合せで異なる情報を表示するように第1と第2の2種の表示部70,71を位相をずらして設けているため、非凍結時の情報と凍結時の情報を文字等によって明確に切換え表示することができる。このため走行中の車両に対して指示や情報を誤りなく正確に認識させることができ、かつまた第1と第2の2種の表示部70,71の切換えは固定表示部3の着色帯30の帯幅分という小さなストロークで足りるため、形状記憶合金製ばね5bとバイアスばね5bは小型で足り、よって標識を偏平、小型なものにすることができるというすぐれた効果が得られる。
【0020】請求項2によれば、筒状ホルダ8内の作動用ロッド5aの外周に同心状にかつ力の方向を拮抗させて配されたバイアスばね5cと形状記憶合金製ばね5bを配しているため、前記請求項1の効果に加えて駆動ユニット4をコンパクトなものとすることができ、それにより駆動ユニット4をカバー2の外部に取り付けることができるため、温度変化に対する追従性をよくすることができるというすぐれた効果が得られる。
【0021】請求項3によれば、バイアスばね5cが圧縮コイルばね、形状記憶合金製ばね5bが引張りコイルばねからなり、しかも調整機構6として、筒状ホルダ8の端部に形状記憶合金製ばね5bの端部を係止するとともにバイアスばね5cの端部を受支するばね圧調整ねじ6aが取り付けられ、このばね圧調整ねじの軸心に作動用ロッドのストロークを調整するスライド調整ねじ6bが取り付けられているため、外部から簡単にばね力の調整とストローク調整を行え、所定温度で正確に、確実にスライド板7による表示の切換えを行うことができるというすぐれた効果が得られる。
【0022】請求項4によれば、固定表示部3がパネル1に直接設けられているため、部品数を少なくすることができ、より安価でコンパクトなこの種の標識とするとことができるというすぐれた効果が得られる。請求項5によれば、所望のパターンの表示形態を作ることができるというすぐれた効果が得られる。請求項6によれば、固定表示部3と第1,第2の表示部70,71とで表されるものが異なる文字であるため、明確に凍結と非凍結を認識させることができるというすぐれた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による凍結警告標識の一実施例を示す正面図であり、(a)は非凍結時の状態、(b)は凍結時の状態を示す。
【図2】図1(a)の縦断側面図である。
【図3】図1(b)の縦断側面図である。
【図4】図1の横断面図で或る。
【図5】本発明における固定表示部の一例を示す正面図である。
【図6】本発明におけるスライド板の表示部の一例を示す正面図である。
【図7】図1の部分的拡大図で或る。
【図8】本発明の他の態様を示すもので、(a)は第2例の部分的縦断側面図、(b)は第3例の部分的横断面図、(c)は第4例の部分的横断面図である。
【符号の説明】
1 パネル
2 カバー
3 固定表示部
4 駆動ユニット
5a 作動用ロッド
5b 形状記憶合金製ばね
5c バイアスばね
6 調整機構
6a ばね圧調整ねじ
6b スライド調整ねじ
7 スライド板
30 着色帯
31 透明帯
70 第1の表示部
71 第2の表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】背後にカバーを設けたパネルに多数本の着色帯を一定間隔で配し着色帯間をスリット状の透明帯とした固定表示部を設けると共に、カバーには形状記憶合金製ばねとバイアスばねで付勢された作動用ロッドを含む駆動ユニットを取付け、前記パネル背後のカバー内には前記作動用ロッドに連結されたスライド板を配し、該スライド板にはこれの移動時に前記固定表示部の着色帯と透明帯との組合せで異なる情報を表示するように第1と第2の2種の表示部を位相をずらして設けたことを特徴とする凍結警告標識。
【請求項2】駆動ユニットが、筒状ホルダと、該筒状ホルダに軸線方向移動可能に内蔵され一部が筒状ホルダ突出してスライド板に連結された作動用ロッドと、該作動用ロッドの外周に同心状にかつ力の方向を拮抗させて配されたバイアスばねと形状記憶合金製ばねとを備えている請求項1に記載の凍結警告標識。
【請求項3】バイアスばねが圧縮コイルばねからなり、形状記憶合金製ばねが引張りコイルばねからなり、しかも筒状ホルダは調整機構を備え、該調整機構は、筒状ホルダの端部に形状記憶合金製ばねの端部を係止するとともにバイアスばねの端部を受支するばね圧調整ねじと、このばね圧調整ねじの軸心に取り付けられ作動用ロッドのストロークを調整するスライド調整ねじとを備えているものを含む請求項1または請求項2に記載の凍結警告標識。
【請求項4】固定表示部がパネルに直接設けられている請求項1に記載の凍結警告標識。
【請求項5】固定表示部がパネルと別部材の基板からなり、パネルに形成した窓孔に表出するように固着されている請求項1に記載の凍結警告標識。
【請求項6】固定表示部3と第1と第2の2種の表示部によって異なる文字が表されるようになっている請求項1に記載の凍結警告標識。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図7】
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【図6】
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【図5】
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【図8】
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