凍結防止剤散布装置
【課題】 散布円盤上に投下される凍結防止剤を散布円盤の回転によって対向車線や追い越し車線等の路面上への散布ばかりでなく、走行車線の路面における轍部に対する散布も確実且つ能率よく行える凍結防止剤散布装置を提供する。
【解決手段】 散布円盤2の周囲における前半部を、一側部に散布開口部7aを設けている円弧状に湾曲した固定飛散防止板7によって囲むと共に、散布円盤2の周囲における後半部を、他側部に散布開口部8aを設けている円弧状に湾曲した可動飛散防止板8によって囲み、この状態で散布円盤2の回転によって凍結防止剤を上記両側の散布開口部7a、8aから噴射させて轍部上に散布するように構成していると共に、可動飛散防止板8を下方に移動させて散布円盤2上の空間部を後方に開放させることにより、凍結防止剤を斜め後方の路面上に散布するように構成している。
【解決手段】 散布円盤2の周囲における前半部を、一側部に散布開口部7aを設けている円弧状に湾曲した固定飛散防止板7によって囲むと共に、散布円盤2の周囲における後半部を、他側部に散布開口部8aを設けている円弧状に湾曲した可動飛散防止板8によって囲み、この状態で散布円盤2の回転によって凍結防止剤を上記両側の散布開口部7a、8aから噴射させて轍部上に散布するように構成していると共に、可動飛散防止板8を下方に移動させて散布円盤2上の空間部を後方に開放させることにより、凍結防止剤を斜め後方の路面上に散布するように構成している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、凍結防止剤を対向車線や追い越し車線の路面、或いは、走行車線における路面の轍部に散布する凍結防止剤散布装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、冬季においては路面の凍結を防止するために、凍結防止剤散布車によって路面上に凍結防止剤を散布することが行われている。このような凍結防止剤散布車としては散布車本体上に設置した凍結防止剤収容ホッパ内に凍結防止剤を収容し、所定の速度でもって走行中に、この収容ホッパの凍結防止剤をコンベアによって散布車本体の後端にまで搬送したのち、シュートを通じて散布装置の回転散布円盤上に落下させ、この円盤の回転遠心力により周囲の路面に均一に散布するように構成している。この際、散布円盤の回転により凍結防止剤が散布する必要のない路面部にまで散布されるのを防止するために、例えば、特許文献1に記載されているように、散布円盤の前側にこの散布円盤の外周に沿って円弧状に湾曲した固定飛散防止板を配設して凍結防止剤の散布角度、散布範囲を規制することが行われている。
【0003】
しかしながら、このような構成では、凍結防止剤を散布すべき車線の路面に全面的に散布することができるが、一車線の道路に対しては、轍部以外の路面への散布が不必要であるにもかかわらず、全面的に散布することは必要以上に多量の凍結防止剤を散布することになって極めて不経済であるばかりでなく、散布距離が短くなって散布作業の能率が著しく低下することになる。
【0004】
このため、特許文献2に記載されているように、路面の轍部に凍結防止剤を集中的に散布可能にした轍部散布装置が開発されている。この轍部散布装置は、回転円盤上に凍結防止剤を投入するシュートの両側方に轍部側に凍結防止剤を送り出す左右一組の轍撒きシュートを配設し、これらの3つのシュートの上端開口部に回転円盤に通じる上記シュートとこれらの轍撒きシュートとに凍結防止剤の供給を切り換える切換板を配設し、さらに、湿潤した凍結防止剤を散布するには、散布車に搭載されている水溶液タンクからの配管を中途で二分割して円盤側の配管部と轍撒き側への配管部とに分岐させてなる構造を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第2854839号公報
【特許文献2】特許第3417294号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記のような轍部散布装置によれば、散布円盤上への凍結防止剤の供給シュートとは別に、左右一組の轍撒きシュートを設けなければならず、そのため、これらの轍撒きシュートへの凍結防止剤送り込み用コンベアを別に設けておく必要が生じるばかりでなく、湿潤凍結防止剤を散布するには、上記のように、それぞれのシュートに水溶液を噴霧させる分岐配管の配設も必要となって装置全体が複雑化し、故障が発生し易くなるばかりでなく高価につき、その上、既存の凍結防止剤散布装置を轍部への散布も可能なように改良することが困難であるといった問題点があった。
【0007】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、簡単な構造によって凍結防止剤を所望の路面への散布と、轍部のみへの散布とを能率よく確実に行えるようにした凍結防止剤散布装置を提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の凍結防止剤散布装置は、請求項1に記載したように、凍結防止剤をシュートを通じて散布円盤上に投入して該散布円盤の回転により路面に散布する凍結防止剤散布装置において、上記散布円盤の前半部外周に沿って配設された円弧状に湾曲した一定高さの固定飛散防止板と、上記散布円盤の後半部外周に沿って配設されて上記固定飛散防止板と共に散布円盤の上方空間部を囲繞する円弧状に湾曲した上下動可能な可動飛散防止板と、この可動飛散防止板を上下方向に移動させて散布円盤上の空間部を後方に向かって開放させる移動手段と、散布円盤の両側方に散布円盤から一定の間隔を存して配設された左右の轍部散布規制板とからなり、上記固定飛散防止板の一側部と可動飛散防止板の他側部とに、それぞれ上記左右の轍部散布規制板に向かって散布円盤上の凍結防止剤を飛散させる凍結防止剤散布開口部を設けてなる構造としている。
【0009】
このように構成した凍結防止剤散布装置において、請求項2に係る発明は、上記シュートの両側部に外側方に向かって一定長さの固定フレームを突設して、これらの固定フレームに左右の轍部散布規制板の上端部をそれぞれ左右方向に回動自在に枢着していると共に、上記固定フレームにこれらの轍部散布規制板を回動させるシリンダを装着していることを特徴とする。
【0010】
さらに、請求項3に係る発明は、上記固定フレームに轍部散布規制板の回動角度調整用ストッパを設けていることを特徴とする。
【0011】
また、可動飛散防止板を上下動させる手段としては、請求項4に係る発明においては、固定飛散防止板の両側後端部側に固着したブラケットに可動飛散防止板の両側前端部をリンク機構を介して上下動自在に連結し、このリンク機構をモータによって作動させるように構成してあり、請求項5に係る発明においては、上記シュート又は固定フレームにシリンダを取付け、このシリンダのピストンロッドを可動飛散防止板に連結して可動飛散防止板を上下動させるように構成している。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の凍結防止剤散布装置によれば、散布円盤の後半部外周に沿って配設している可動飛散防止板を上下方向に移動させることによって散布円盤上の空間部を簡単且つ確実に後方に向かって全面的に開放させることができ、この状態にして凍結防止剤をシュートを通じて回転する散布円盤上に投下すれば、散布円盤の前半部外周に沿って配設している固定飛散防止板によって凍結防止剤が前方側に散布されるのを阻止しながら、後方に向かって開口している固定飛散防止板の両側端間の開口部を通じて対向車線や追い越し車線等の路面上に所定の散布範囲でもって散布することができる。
【0013】
さらに、可動飛散防止板を固定飛散防止板の後半部を囲むように配設して上記固定飛散防止板と共に散布円盤の周囲の上方空間部を全周に亘って一定高さ、囲繞させた状態にすると、散布円上から水平方向に向かって外部に通じる開口箇所は上記固定飛散防止板の一側部と上記可動飛散防止板の他側部とに設けている凍結防止剤散布開口部のみとなり、従って、散布円盤上に投入される凍結防止剤を散布円盤の回転による遠心力によってこれらの凍結防止剤散布開口部を通じて散布円盤の両側方に配設した左右轍部散布規制板に向かって集中的に飛散させることができ、これらの轍部散布規制板に流突させてこの轍部散布規制板の下方における車両のタイヤ通過部である轍部に、凍結防止剤を集中的に且つ確実に散布することができる。
【0014】
このように、散布円盤上に投下される凍結防止剤を轍部等に集中的に散布することができるので、凍結防止剤を効果的に散布して散布距離を延ばすことができ、散布剤消費量の削減と共に能率のよい散布を可能にすることができる。また、上記凍結防止剤装置は、一側部に凍結防止剤散布開口部を設けている固定飛散防止板に、他側部に凍結防止剤散布開口部を設けている可動飛散防止板を散布円盤を囲むようにして配設すると共に散布円盤の両側方に轍部散布規制板を配設してなる構造としているので、このような装置を既存の凍結防止剤散布車における散布円盤を備えた凍結防止剤散布装置に組み込むことによって、轍部に散布し得る機能を有する散布装置に簡単に改良することができる。
【0015】
請求項2に係る発明によれば、上記シュートの両側部に外側方に向かって一定長さの固定フレームを突設して、これらの固定フレームに左右の轍部散布規制板の上端部をそれぞれ左右方向に回動自在に枢着していると共に、上記固定フレームにこれらの轍部散布規制板を回動させるシリンダを装着しているので、これらの轍部散布規制板を左右方向に回動させることにより、該轍部散布規制板に凍結防止剤が流突して路面に向かって反射する角度を轍部間の幅に応じて簡単に調整することができ、凍結防止剤を轍部に集中的に且つ正確に散布することができる一方、対向車線や追い越し車線の路面に凍結防止剤を散布する際には、上記轍部散布規制板を水平状となるまで回動させることによって、これらの轍部散布規制板に邪魔されることなく、路面に対する凍結防止剤の散布作業を行うことができる。
【0016】
また、請求項3に係る発明によれば、上記固定フレームに轍部散布規制板の回動角度調整用ストッパを設けているので、シリンダを作動させて轍部散布規制板をストッパに当接、受止させることにより、簡単且つ確実に轍部に凍結防止剤を散布することができると共に、その際、凍結防止剤が該轍部散布規制板に流突して反射する角度を、車幅が1.7mの乗用車と車幅が2.5mのトラック等に対応した角度に調整することにより、それぞれの轍部に凍結防止剤を正確に散布することができる。
【0017】
なお、散布円盤の後半部外周に沿って配設している可動飛散防止板を上下方向に移動させる手段としては、請求項4に記載したように、固定飛散防止板の両側後端部側に固着したブラケットに可動飛散防止板の両側前端部をリンク機構を介して上下動自在に連結し、このリンク機構をモータによって作動させることにより行うように構成しておいてもよく、或いは、請求項5に記載したように、上記シュート又は固定フレームにシリンダを取付け、このシリンダのピストンロッドを可動飛散防止板に連結して可動飛散防止板を上下動させるように構成しておいてもよいものであり、いずれの手段によっても散布円盤の後半部周囲を囲繞している可動飛散防止板を上下方向に簡単且つ迅速に移動させて散布円盤上の空間部を容易に且つ確実に後方に向かって全面的に開放させることができ、また、固定飛散防止板と共に散布円盤を囲繞する一定高さの円環状周壁体を形成して轍部に対する凍結防止剤の散布作業の準備が簡単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】装置全体の簡略背面図。
【図2】その簡略縦断側面図。
【図3】簡略平面図。
【図4】図1における凍結防止剤散布装置部分を拡大した背面図。
【図5】その平面図。
【図6】その一部切欠簡略側面図。
【図7】散布円盤を囲んでいる固定飛散防止板と可動飛散防止板との横断面図。
【図8】固定飛散防止板と可動飛散防止板との連結状態を示す側面図。
【図9】その簡略斜視図。
【図10】可動飛散防止板を下方に移動させた状態の側面図。
【図11】その簡略斜視図。
【図12】右側の路面上に散布している状態の簡略平面図。
【図13】その時の簡略側面図。
【図14】散布している状態の簡略背面図。
【図15】轍部に散布している状態の簡略平面図。
【図16】可動飛散防止板の上下動させるの別な手段を示す簡略背面図。
【図17】その側面図。
【図18】可動飛散防止板を下方に移動させた状態の側面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、本発明を実施の形態を図面について説明すると、図1〜図3において、凍結防止剤散布車の車台(図示せず)上に凍結防止剤を収容するホッパAを搭載していると共に、このホッパAの下端開口部に沿って該ホッパAの下端開口部から排出される凍結防止剤を後方に搬送するためのベルトコンベアBが前後方向に水平状に配設されてあり、このベルトコンベアBの搬送終端側における車台の後端に本発明の凍結防止剤散布装置を配設している。
【0020】
凍結防止剤散布装置は、コンベアBから搬出される乾燥凍結防止剤をシュート1に投入し、このシュート1を通過中に湿潤凍結防止剤Cとしてシュート1の下方に配設している散布円盤2上に投下させて該散布円盤2の回転による遠心力でもって路面に該凍結防止剤Cを散布するように構成してなるもので、以下にその具体的な構成を述べる。
【0021】
上記シュート1は、角筒形状に形成されていて、車台の後端部における幅方向の中央部に、その上端開口部を上記ベルトコンベアBの凍結防止剤搬送終端部の下方に臨ませた状態にして適宜な支持固定部材を介して装着、支持されている。このシュート1の下端部後面に支持部材3(図4〜図6に示す)を固着し、該支持部材3に散布円盤2の中心部に上方に向かって垂直に立設している軸4を回転自在に支持させていると共にこの支持部材3上に設置したモータ5に該軸4の上端を連結し、モータ5によって散布円盤2を軸4を中心として回転させるように構成している。
【0022】
散布円盤2はその水平な上面に複数片の羽根2a(図7等に示す)を周方向に所定間隔毎に放射状に突設していると共にこの散布円盤2における前部上面を上記シュート1の下端開口部の下方に臨ませている一方、上記支持部材3の下面に、散布円盤2から上方に一定の間隔を存した状態で散布円盤2と同一中心線上に該散布円盤2よりも大径の固定円板6を固着してあり、この固定円板6の前部に上記シュート1の下端開口部を全面的に連通させている通孔6aを設けて、該通孔6aを通じて上述したように、散布円盤2の前部上面に向かって上記シュート1の下端開口部を臨ませていると共に、通孔6aを通して上記散布円盤回転用軸4をモータ5の回転軸に連結している。
【0023】
さらに、上記固定円板6の下面外周部における前半周縁部に、この固定円板6と散布円盤2との間の上下幅よりもやや幅広い上下幅を有し且つ散布円盤2の半円周長に略等しい長さを有する横長長方形状の帯板を円弧状に湾曲させて半円枠形状に形成してなる固定飛散防止板7の上端面を固着して、この固定飛散防止板7の下端部内周面により散布円盤2の前半部の外周端面を図6、図7に示すように、小間隔を存して被覆していると共に、散布円盤2の前半部上面と上記固定円板6の前半部下面との間の外周開口端をこの固定飛散防止板7の半円状に湾曲した内周面によって閉鎖している一方、後方に向けているこの固定飛散防止板7の両側後端部間の開口部7bを後方に向かって全面的に開口させている。
【0024】
また、上記固定円板6の下面外周部における後半周縁部に沿ってこの固定円板6の下方に、上記固定飛散防止板7と同じ上下幅(高さ)を有し、且つ、散布円盤2の半円周長に略等しい長さを有する横長長方形状の帯板を円弧状に湾曲させて半円枠形状に形成してなる可動飛散防止板8を上下動自在に配設して、この可動飛散防止板8の下端部内周面により散布円盤2の後半部の外周端面を小間隔を存して被覆していると共に、この可動飛散防止板8を上動させてその上端面を固定円板6の下面外周部における前半周縁部に当接させた状態においては、この可動飛散防止板8の両側前端面が上記固定飛散防止板7の両側後端面と突き合わせ状に対向してこれらの固定飛散防止板7と可動飛散防止板8とにより、散布円盤2と固定円板6との間の空間部10を囲んだ円環状枠を形成する一方、図10に示すように、可動飛散防止板8を散布円盤2から下方に位置するまで下動させた状態においては、上記空間部10の後半部が両側方から後方に向かって全面的に開放された状態となる。
【0025】
さらに、散布円盤2の前半側に設けている固定飛散防止板7の一側部と散布円盤2の後半側に設けている可動飛散防止板8の他側部とに、これらの飛散防止板7、8の内外周面間を貫通して適宜大きさの矩形状の凍結防止剤散布開口部7a、8aをそれぞれ設けてあり、上記のように固定飛散防止板7と可動飛散防止板8とによって円環状枠を形成した場合には図7に示すように、これらの凍結防止剤散布開口部7a、8aが散布円盤2の中心を通る直径線上で概ね対向するように構成していると共に、固定飛散防止板7の一側部に設けている上記凍結防止剤散布開口部7aに対して散布円盤2はその開口部7aの前端側から後端側に向かって回転し、可動飛散防止板8の他側部に設けている上記凍結防止剤散布開口部8aに対して散布円盤2はその開口部8aの後端側から前端側に向かって回転させることにより、散布円盤2上に投下された凍結防止剤Cを後述するように、固定飛散防止板7の凍結防止剤散布開口部7aからは斜め後方に向かって噴射状に飛散させ、可動飛散防止板8の凍結防止剤散布開口部8aからは斜め前方に向かって噴射状に飛散させて、後述する両側の轍部散布規制板9、9に流突した際には、前後方向に直交する路面幅方向に散布可能に構成している。
【0026】
可動飛散防止板8を上下動させる手段としては、図7〜図11に示すように、固定飛散防止板7の後端部両側面に対向する固定円板6の外周縁における両側端部に下部が固定飛散防止板7の後端部下端から下方に突出している板状のブラケット11、12の上端部をそれぞれ固着してこれらの両側ブラケット11、12に可動飛散防止板8の両側前端部をそれぞれリンク機構13を介して上下動自在に連結している。
【0027】
詳しくは、リンク機構13は上下一対の平行リンク13a 、13b からなり、これらのリンク13a 、13b の前後両端部を、ブラケット11、12の中間部と可動飛散防止板8の前端上部、及び、ブラケット11、12の下端部と可動飛散防止板8の前端下部とにそれぞれ回動自在に枢着していると共に、固定飛散防止板7の後端部下端から下方に突出している両側ブラケット11、12の下端部間に上記下側リンク13b の前端部を回動自在に枢着している回動軸14を回動自在に支持させて一方のブラケット11又は12に取付けたモータ15によってこの回動軸14を往復回動させることにより、可動飛散防止板8を上動又は下動させるように構成している。
【0028】
また、図4、図5に示すように、シュート1の両側部に一定長さを有する棒状の固定フレーム16、16の基端部を固着してこれらの固定フレーム16、16をシュート1から左右両側方に水平状に突設してあり、この固定フレーム16、16の先端に上記散布円盤2から一定の間隔を存して左右一対の矩形状板からなる轍部散布規制板9、9を配設してあり、これらの轍部散布規制板9、9の対向面に上記固定飛散防止板7と可動飛散防止板8とに設けている凍結防止剤散布開口部7a、8aを通じて外部に飛散する凍結防止剤をそれぞれ流突させて下方の路面における轍部に凍結防止剤を散布するように構成している。
【0029】
轍部散布規制板9、9はその上端部を固定フレーム16、16の先端に左右方向に回動自在に枢着されていると共に図4に示すように、固定フレーム16、16上にシリンダ17、17をそれぞれ装着して該シリンダ17、17ピストンロッド17a 、17a を轍部散布規制板9、9の外側面上端部に一端部を固着しているL字状アーム部材18、18の他端部に回動自在に連結してあり、シリンダ17のピストンロッド17a を伸長させることによって、轍部散布規制板9を下方に向かって垂下させ、収縮させることによって轍部散布規制板9を外側方に向かって水平状に開放させるように構成している。
【0030】
さらに、両側の固定フレーム16、16の先端部に、上記轍部散布規制板9の回動角度調整用ストッパ19を進退自在に螺通させたネジ孔を有する支持板20を取付けている一方、轍部散布規制板9の上端部に上記ストッパ19の先端に当接、受止させる回動規制突片9aを内側方に向かって一体に突設している。
【0031】
なお、図1に示すように、上記シュート1内の上端開口部を横断するようにして、長さ方向に小間隔毎に多数の溶液噴射ノズルを穿設している溶液供給パイプ21を配設してあり、この溶液供給パイプ21は、車台上に搭載した溶液タンク(図示せず)に連結、連通していて、溶液ポンプ22により溶液をシュート1内に噴射させ、シュート1に投下される粉状の乾燥凍結防止剤を湿潤凍結防止剤Cにして散布円盤2上に投下させるように構成している。
【0032】
以上のように構成した凍結防止剤散布装置によって路面上に湿潤凍結防止剤Cを散布するには、まず、散布車を走行させながらその進行方向の右側の車線の路面上に湿潤凍結防止剤Cを散布する場合に、図10、図12に示すように、モータ15を駆動してリンク機構13を介し、可動飛散防止板8をその上端面が散布円盤2から下方に位置するまで下動させて散布円盤2と固定円板6間の空間部10を後方に向かって全面的に開放させた状態にすると共にシリンダ17、17のピストンロッド17a を収縮させることにより、轍部散布規制板9、9を水平状態に開放する。
【0033】
この状態にして散布車を一定の速度でもって走行させながらホッパA内の乾燥した粉末状の凍結防止剤を該ホッパAの下端開口部からベルトコンベアB上に供給してベルトコンベアBの搬送終端部からシュート1内に投入し、溶液供給パイプ20から噴霧する溶液を凍結防止剤に浸透させて湿潤凍結防止剤C(以下、単に凍結防止剤Cとする)に調製しながら散布円盤2上に投下させると、散布円盤2の回転による遠心力によって、凍結防止剤Cが該散布円盤2から四方に飛散する。この際、散布円盤2の前半部上面と上記固定円板6の前半部下面との間の空間部10の周囲は、固定飛散防止板7によって閉止された状態となっているので、凍結防止剤Cはこの固定飛散防止板7によって前方側への散布が阻止され図12〜図14に示すように、凍結防止剤Cは後方に向かって開口している固定飛散防止板7の両側後端間の開口部7bから後方に向かって散布円盤2の回転方向に拡散(飛散)し、散布車本体1の右側の車線の路面全面に散布することになる。
【0034】
次に、散布車を走行させながら、その走行車線における轍部に凍結防止剤Cを散布するには、まず、可動飛散防止板上下動用モータ15を駆動してリンク機構13を介し、可動飛散防止板8を図8に示すように、その上端面が固定円板6の下面における前半周縁部に当接させた状態にする。そうすると、上記固定飛散防止板7とこの可動飛散防止板8とによって散布円盤2と固定円板6との間の空間部10の周囲を全面的に囲繞した状態になると共に、固定飛散防止板7の一側部に設けている凍結防止剤散布開口部7aと可動飛散防止板8の他側部に設けている凍結防止剤散布開口部8aとは、散布円盤2が前端側から後端側に向かって回転しながら通過する固定飛散防止板7の凍結防止剤散布開口部7aを前方側に位置させた状態にして散布円盤2の中心を通る直径線上で概ね対向する。
【0035】
さらに、両側の固定フレーム14、14上のシリンダ15、15を作動させてそのピストンロッド15a 、15a を伸長させ、路面における轍部の上方に配設している両側の轍部散布規制板9、9をその上端に一体に設けている受止突片9a、9aがストッパ19の先端に当接、受止されるまで下方に回動させる。この際、ストッパ19の先端で轍部散布規制板9の回動規制突片9aを受止した時に、轍部散布規制板9の傾斜角度が、該轍部散布規制板9に流突して反射した凍結防止剤Cを轍部に正確に散布する角度となるように、予め、ストッパ19を支持板20に対して長さ方向に進退させて回動規制突片9aの受止位置を調整しておく。
【0036】
この状態にして散布車を一定の速度でもって走行させながらシュート1内を通じて凍結防止剤Cを散布円盤2上に投下させると、散布円盤2の回転による遠心力によって、凍結防止剤Cが該散布円盤2から四方に飛散するが、散布円盤2上から外部に通じる空間は固定飛散防止板7の一側部と可動飛散防止板8の他側部に設けている凍結防止剤散布開口部7a、8aのみであるので、図4、図15に示すように、これらの凍結防止剤散布開口部7a、8aから散布円盤2の回転方向に噴射するように拡散して散布円盤2の両外側方に配設している上記轍部散布規制板9、9の対向面に流突し、これらの轍部散布規制板9、9の下方の轍部上に凍結防止剤Cを集中的に散布することができる。
【0037】
以上の実施例においては、可動飛散防止板8を上下方向に移動させる手段として、モースタ5によってリンク機構13を介して行っているが、図16〜図18に示すように、シリンダ23によって行うように構成しておいてもよい。即ち、可動飛散防止板8の両側外側面にそれぞれシリンダ23、23のピストンロッド23a 、23a をそれぞれ連結すると共に、このシリンダ23、23を上記両側固定フレーム16、16にそれぞれ連結、支持させ、この両側シリンダ23、23のピストンロッド23a 、23a を伸縮させることによって可動飛散防止板8を散布円盤2の前部外周面を囲繞している状態と、散布円盤2の下方に移動させて散布円盤2上の空間部を後方に向かって開放させている状態とに変更可能に構成しておいてもよい。
【0038】
この場合、可動飛散防止板8の両側前端面を固定飛散防止板7の両側後端面にそれぞれ突き合わせて固定飛散防止板7の両側後端面をガイドとして可動飛散防止板8を上下動させるようにしておけばよい。その他の構成については上記実施例と同様であるので、同一部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。なお、可動飛散防止板8を下方に移動させることによって散布円盤2上の空間部を後方に向かって開放させているが、固定円板6を小径に形成してこの固定円板6の後半部を可動飛散防止板8の内周面によって被覆させた状態としておくことにより、可動飛散防止板8を上記シリンダ23、23によって上方に移動させて散布円盤2上の空間部を後方に向かって開放させるように構成しておいてもよい。
【符号の説明】
【0039】
1 シュート
2 散布円盤
6 固定円板
7 固定飛散防止板
8 可動飛散防止板
7a、8a 凍結防止剤散布開口部
9 轍部散布規制板
13 リンク機構
14 回動軸
15 モータ
16 固定フレーム
19 回動角度調整用ストッパ
【技術分野】
【0001】
本発明は、凍結防止剤を対向車線や追い越し車線の路面、或いは、走行車線における路面の轍部に散布する凍結防止剤散布装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、冬季においては路面の凍結を防止するために、凍結防止剤散布車によって路面上に凍結防止剤を散布することが行われている。このような凍結防止剤散布車としては散布車本体上に設置した凍結防止剤収容ホッパ内に凍結防止剤を収容し、所定の速度でもって走行中に、この収容ホッパの凍結防止剤をコンベアによって散布車本体の後端にまで搬送したのち、シュートを通じて散布装置の回転散布円盤上に落下させ、この円盤の回転遠心力により周囲の路面に均一に散布するように構成している。この際、散布円盤の回転により凍結防止剤が散布する必要のない路面部にまで散布されるのを防止するために、例えば、特許文献1に記載されているように、散布円盤の前側にこの散布円盤の外周に沿って円弧状に湾曲した固定飛散防止板を配設して凍結防止剤の散布角度、散布範囲を規制することが行われている。
【0003】
しかしながら、このような構成では、凍結防止剤を散布すべき車線の路面に全面的に散布することができるが、一車線の道路に対しては、轍部以外の路面への散布が不必要であるにもかかわらず、全面的に散布することは必要以上に多量の凍結防止剤を散布することになって極めて不経済であるばかりでなく、散布距離が短くなって散布作業の能率が著しく低下することになる。
【0004】
このため、特許文献2に記載されているように、路面の轍部に凍結防止剤を集中的に散布可能にした轍部散布装置が開発されている。この轍部散布装置は、回転円盤上に凍結防止剤を投入するシュートの両側方に轍部側に凍結防止剤を送り出す左右一組の轍撒きシュートを配設し、これらの3つのシュートの上端開口部に回転円盤に通じる上記シュートとこれらの轍撒きシュートとに凍結防止剤の供給を切り換える切換板を配設し、さらに、湿潤した凍結防止剤を散布するには、散布車に搭載されている水溶液タンクからの配管を中途で二分割して円盤側の配管部と轍撒き側への配管部とに分岐させてなる構造を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第2854839号公報
【特許文献2】特許第3417294号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記のような轍部散布装置によれば、散布円盤上への凍結防止剤の供給シュートとは別に、左右一組の轍撒きシュートを設けなければならず、そのため、これらの轍撒きシュートへの凍結防止剤送り込み用コンベアを別に設けておく必要が生じるばかりでなく、湿潤凍結防止剤を散布するには、上記のように、それぞれのシュートに水溶液を噴霧させる分岐配管の配設も必要となって装置全体が複雑化し、故障が発生し易くなるばかりでなく高価につき、その上、既存の凍結防止剤散布装置を轍部への散布も可能なように改良することが困難であるといった問題点があった。
【0007】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、簡単な構造によって凍結防止剤を所望の路面への散布と、轍部のみへの散布とを能率よく確実に行えるようにした凍結防止剤散布装置を提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の凍結防止剤散布装置は、請求項1に記載したように、凍結防止剤をシュートを通じて散布円盤上に投入して該散布円盤の回転により路面に散布する凍結防止剤散布装置において、上記散布円盤の前半部外周に沿って配設された円弧状に湾曲した一定高さの固定飛散防止板と、上記散布円盤の後半部外周に沿って配設されて上記固定飛散防止板と共に散布円盤の上方空間部を囲繞する円弧状に湾曲した上下動可能な可動飛散防止板と、この可動飛散防止板を上下方向に移動させて散布円盤上の空間部を後方に向かって開放させる移動手段と、散布円盤の両側方に散布円盤から一定の間隔を存して配設された左右の轍部散布規制板とからなり、上記固定飛散防止板の一側部と可動飛散防止板の他側部とに、それぞれ上記左右の轍部散布規制板に向かって散布円盤上の凍結防止剤を飛散させる凍結防止剤散布開口部を設けてなる構造としている。
【0009】
このように構成した凍結防止剤散布装置において、請求項2に係る発明は、上記シュートの両側部に外側方に向かって一定長さの固定フレームを突設して、これらの固定フレームに左右の轍部散布規制板の上端部をそれぞれ左右方向に回動自在に枢着していると共に、上記固定フレームにこれらの轍部散布規制板を回動させるシリンダを装着していることを特徴とする。
【0010】
さらに、請求項3に係る発明は、上記固定フレームに轍部散布規制板の回動角度調整用ストッパを設けていることを特徴とする。
【0011】
また、可動飛散防止板を上下動させる手段としては、請求項4に係る発明においては、固定飛散防止板の両側後端部側に固着したブラケットに可動飛散防止板の両側前端部をリンク機構を介して上下動自在に連結し、このリンク機構をモータによって作動させるように構成してあり、請求項5に係る発明においては、上記シュート又は固定フレームにシリンダを取付け、このシリンダのピストンロッドを可動飛散防止板に連結して可動飛散防止板を上下動させるように構成している。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の凍結防止剤散布装置によれば、散布円盤の後半部外周に沿って配設している可動飛散防止板を上下方向に移動させることによって散布円盤上の空間部を簡単且つ確実に後方に向かって全面的に開放させることができ、この状態にして凍結防止剤をシュートを通じて回転する散布円盤上に投下すれば、散布円盤の前半部外周に沿って配設している固定飛散防止板によって凍結防止剤が前方側に散布されるのを阻止しながら、後方に向かって開口している固定飛散防止板の両側端間の開口部を通じて対向車線や追い越し車線等の路面上に所定の散布範囲でもって散布することができる。
【0013】
さらに、可動飛散防止板を固定飛散防止板の後半部を囲むように配設して上記固定飛散防止板と共に散布円盤の周囲の上方空間部を全周に亘って一定高さ、囲繞させた状態にすると、散布円上から水平方向に向かって外部に通じる開口箇所は上記固定飛散防止板の一側部と上記可動飛散防止板の他側部とに設けている凍結防止剤散布開口部のみとなり、従って、散布円盤上に投入される凍結防止剤を散布円盤の回転による遠心力によってこれらの凍結防止剤散布開口部を通じて散布円盤の両側方に配設した左右轍部散布規制板に向かって集中的に飛散させることができ、これらの轍部散布規制板に流突させてこの轍部散布規制板の下方における車両のタイヤ通過部である轍部に、凍結防止剤を集中的に且つ確実に散布することができる。
【0014】
このように、散布円盤上に投下される凍結防止剤を轍部等に集中的に散布することができるので、凍結防止剤を効果的に散布して散布距離を延ばすことができ、散布剤消費量の削減と共に能率のよい散布を可能にすることができる。また、上記凍結防止剤装置は、一側部に凍結防止剤散布開口部を設けている固定飛散防止板に、他側部に凍結防止剤散布開口部を設けている可動飛散防止板を散布円盤を囲むようにして配設すると共に散布円盤の両側方に轍部散布規制板を配設してなる構造としているので、このような装置を既存の凍結防止剤散布車における散布円盤を備えた凍結防止剤散布装置に組み込むことによって、轍部に散布し得る機能を有する散布装置に簡単に改良することができる。
【0015】
請求項2に係る発明によれば、上記シュートの両側部に外側方に向かって一定長さの固定フレームを突設して、これらの固定フレームに左右の轍部散布規制板の上端部をそれぞれ左右方向に回動自在に枢着していると共に、上記固定フレームにこれらの轍部散布規制板を回動させるシリンダを装着しているので、これらの轍部散布規制板を左右方向に回動させることにより、該轍部散布規制板に凍結防止剤が流突して路面に向かって反射する角度を轍部間の幅に応じて簡単に調整することができ、凍結防止剤を轍部に集中的に且つ正確に散布することができる一方、対向車線や追い越し車線の路面に凍結防止剤を散布する際には、上記轍部散布規制板を水平状となるまで回動させることによって、これらの轍部散布規制板に邪魔されることなく、路面に対する凍結防止剤の散布作業を行うことができる。
【0016】
また、請求項3に係る発明によれば、上記固定フレームに轍部散布規制板の回動角度調整用ストッパを設けているので、シリンダを作動させて轍部散布規制板をストッパに当接、受止させることにより、簡単且つ確実に轍部に凍結防止剤を散布することができると共に、その際、凍結防止剤が該轍部散布規制板に流突して反射する角度を、車幅が1.7mの乗用車と車幅が2.5mのトラック等に対応した角度に調整することにより、それぞれの轍部に凍結防止剤を正確に散布することができる。
【0017】
なお、散布円盤の後半部外周に沿って配設している可動飛散防止板を上下方向に移動させる手段としては、請求項4に記載したように、固定飛散防止板の両側後端部側に固着したブラケットに可動飛散防止板の両側前端部をリンク機構を介して上下動自在に連結し、このリンク機構をモータによって作動させることにより行うように構成しておいてもよく、或いは、請求項5に記載したように、上記シュート又は固定フレームにシリンダを取付け、このシリンダのピストンロッドを可動飛散防止板に連結して可動飛散防止板を上下動させるように構成しておいてもよいものであり、いずれの手段によっても散布円盤の後半部周囲を囲繞している可動飛散防止板を上下方向に簡単且つ迅速に移動させて散布円盤上の空間部を容易に且つ確実に後方に向かって全面的に開放させることができ、また、固定飛散防止板と共に散布円盤を囲繞する一定高さの円環状周壁体を形成して轍部に対する凍結防止剤の散布作業の準備が簡単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】装置全体の簡略背面図。
【図2】その簡略縦断側面図。
【図3】簡略平面図。
【図4】図1における凍結防止剤散布装置部分を拡大した背面図。
【図5】その平面図。
【図6】その一部切欠簡略側面図。
【図7】散布円盤を囲んでいる固定飛散防止板と可動飛散防止板との横断面図。
【図8】固定飛散防止板と可動飛散防止板との連結状態を示す側面図。
【図9】その簡略斜視図。
【図10】可動飛散防止板を下方に移動させた状態の側面図。
【図11】その簡略斜視図。
【図12】右側の路面上に散布している状態の簡略平面図。
【図13】その時の簡略側面図。
【図14】散布している状態の簡略背面図。
【図15】轍部に散布している状態の簡略平面図。
【図16】可動飛散防止板の上下動させるの別な手段を示す簡略背面図。
【図17】その側面図。
【図18】可動飛散防止板を下方に移動させた状態の側面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、本発明を実施の形態を図面について説明すると、図1〜図3において、凍結防止剤散布車の車台(図示せず)上に凍結防止剤を収容するホッパAを搭載していると共に、このホッパAの下端開口部に沿って該ホッパAの下端開口部から排出される凍結防止剤を後方に搬送するためのベルトコンベアBが前後方向に水平状に配設されてあり、このベルトコンベアBの搬送終端側における車台の後端に本発明の凍結防止剤散布装置を配設している。
【0020】
凍結防止剤散布装置は、コンベアBから搬出される乾燥凍結防止剤をシュート1に投入し、このシュート1を通過中に湿潤凍結防止剤Cとしてシュート1の下方に配設している散布円盤2上に投下させて該散布円盤2の回転による遠心力でもって路面に該凍結防止剤Cを散布するように構成してなるもので、以下にその具体的な構成を述べる。
【0021】
上記シュート1は、角筒形状に形成されていて、車台の後端部における幅方向の中央部に、その上端開口部を上記ベルトコンベアBの凍結防止剤搬送終端部の下方に臨ませた状態にして適宜な支持固定部材を介して装着、支持されている。このシュート1の下端部後面に支持部材3(図4〜図6に示す)を固着し、該支持部材3に散布円盤2の中心部に上方に向かって垂直に立設している軸4を回転自在に支持させていると共にこの支持部材3上に設置したモータ5に該軸4の上端を連結し、モータ5によって散布円盤2を軸4を中心として回転させるように構成している。
【0022】
散布円盤2はその水平な上面に複数片の羽根2a(図7等に示す)を周方向に所定間隔毎に放射状に突設していると共にこの散布円盤2における前部上面を上記シュート1の下端開口部の下方に臨ませている一方、上記支持部材3の下面に、散布円盤2から上方に一定の間隔を存した状態で散布円盤2と同一中心線上に該散布円盤2よりも大径の固定円板6を固着してあり、この固定円板6の前部に上記シュート1の下端開口部を全面的に連通させている通孔6aを設けて、該通孔6aを通じて上述したように、散布円盤2の前部上面に向かって上記シュート1の下端開口部を臨ませていると共に、通孔6aを通して上記散布円盤回転用軸4をモータ5の回転軸に連結している。
【0023】
さらに、上記固定円板6の下面外周部における前半周縁部に、この固定円板6と散布円盤2との間の上下幅よりもやや幅広い上下幅を有し且つ散布円盤2の半円周長に略等しい長さを有する横長長方形状の帯板を円弧状に湾曲させて半円枠形状に形成してなる固定飛散防止板7の上端面を固着して、この固定飛散防止板7の下端部内周面により散布円盤2の前半部の外周端面を図6、図7に示すように、小間隔を存して被覆していると共に、散布円盤2の前半部上面と上記固定円板6の前半部下面との間の外周開口端をこの固定飛散防止板7の半円状に湾曲した内周面によって閉鎖している一方、後方に向けているこの固定飛散防止板7の両側後端部間の開口部7bを後方に向かって全面的に開口させている。
【0024】
また、上記固定円板6の下面外周部における後半周縁部に沿ってこの固定円板6の下方に、上記固定飛散防止板7と同じ上下幅(高さ)を有し、且つ、散布円盤2の半円周長に略等しい長さを有する横長長方形状の帯板を円弧状に湾曲させて半円枠形状に形成してなる可動飛散防止板8を上下動自在に配設して、この可動飛散防止板8の下端部内周面により散布円盤2の後半部の外周端面を小間隔を存して被覆していると共に、この可動飛散防止板8を上動させてその上端面を固定円板6の下面外周部における前半周縁部に当接させた状態においては、この可動飛散防止板8の両側前端面が上記固定飛散防止板7の両側後端面と突き合わせ状に対向してこれらの固定飛散防止板7と可動飛散防止板8とにより、散布円盤2と固定円板6との間の空間部10を囲んだ円環状枠を形成する一方、図10に示すように、可動飛散防止板8を散布円盤2から下方に位置するまで下動させた状態においては、上記空間部10の後半部が両側方から後方に向かって全面的に開放された状態となる。
【0025】
さらに、散布円盤2の前半側に設けている固定飛散防止板7の一側部と散布円盤2の後半側に設けている可動飛散防止板8の他側部とに、これらの飛散防止板7、8の内外周面間を貫通して適宜大きさの矩形状の凍結防止剤散布開口部7a、8aをそれぞれ設けてあり、上記のように固定飛散防止板7と可動飛散防止板8とによって円環状枠を形成した場合には図7に示すように、これらの凍結防止剤散布開口部7a、8aが散布円盤2の中心を通る直径線上で概ね対向するように構成していると共に、固定飛散防止板7の一側部に設けている上記凍結防止剤散布開口部7aに対して散布円盤2はその開口部7aの前端側から後端側に向かって回転し、可動飛散防止板8の他側部に設けている上記凍結防止剤散布開口部8aに対して散布円盤2はその開口部8aの後端側から前端側に向かって回転させることにより、散布円盤2上に投下された凍結防止剤Cを後述するように、固定飛散防止板7の凍結防止剤散布開口部7aからは斜め後方に向かって噴射状に飛散させ、可動飛散防止板8の凍結防止剤散布開口部8aからは斜め前方に向かって噴射状に飛散させて、後述する両側の轍部散布規制板9、9に流突した際には、前後方向に直交する路面幅方向に散布可能に構成している。
【0026】
可動飛散防止板8を上下動させる手段としては、図7〜図11に示すように、固定飛散防止板7の後端部両側面に対向する固定円板6の外周縁における両側端部に下部が固定飛散防止板7の後端部下端から下方に突出している板状のブラケット11、12の上端部をそれぞれ固着してこれらの両側ブラケット11、12に可動飛散防止板8の両側前端部をそれぞれリンク機構13を介して上下動自在に連結している。
【0027】
詳しくは、リンク機構13は上下一対の平行リンク13a 、13b からなり、これらのリンク13a 、13b の前後両端部を、ブラケット11、12の中間部と可動飛散防止板8の前端上部、及び、ブラケット11、12の下端部と可動飛散防止板8の前端下部とにそれぞれ回動自在に枢着していると共に、固定飛散防止板7の後端部下端から下方に突出している両側ブラケット11、12の下端部間に上記下側リンク13b の前端部を回動自在に枢着している回動軸14を回動自在に支持させて一方のブラケット11又は12に取付けたモータ15によってこの回動軸14を往復回動させることにより、可動飛散防止板8を上動又は下動させるように構成している。
【0028】
また、図4、図5に示すように、シュート1の両側部に一定長さを有する棒状の固定フレーム16、16の基端部を固着してこれらの固定フレーム16、16をシュート1から左右両側方に水平状に突設してあり、この固定フレーム16、16の先端に上記散布円盤2から一定の間隔を存して左右一対の矩形状板からなる轍部散布規制板9、9を配設してあり、これらの轍部散布規制板9、9の対向面に上記固定飛散防止板7と可動飛散防止板8とに設けている凍結防止剤散布開口部7a、8aを通じて外部に飛散する凍結防止剤をそれぞれ流突させて下方の路面における轍部に凍結防止剤を散布するように構成している。
【0029】
轍部散布規制板9、9はその上端部を固定フレーム16、16の先端に左右方向に回動自在に枢着されていると共に図4に示すように、固定フレーム16、16上にシリンダ17、17をそれぞれ装着して該シリンダ17、17ピストンロッド17a 、17a を轍部散布規制板9、9の外側面上端部に一端部を固着しているL字状アーム部材18、18の他端部に回動自在に連結してあり、シリンダ17のピストンロッド17a を伸長させることによって、轍部散布規制板9を下方に向かって垂下させ、収縮させることによって轍部散布規制板9を外側方に向かって水平状に開放させるように構成している。
【0030】
さらに、両側の固定フレーム16、16の先端部に、上記轍部散布規制板9の回動角度調整用ストッパ19を進退自在に螺通させたネジ孔を有する支持板20を取付けている一方、轍部散布規制板9の上端部に上記ストッパ19の先端に当接、受止させる回動規制突片9aを内側方に向かって一体に突設している。
【0031】
なお、図1に示すように、上記シュート1内の上端開口部を横断するようにして、長さ方向に小間隔毎に多数の溶液噴射ノズルを穿設している溶液供給パイプ21を配設してあり、この溶液供給パイプ21は、車台上に搭載した溶液タンク(図示せず)に連結、連通していて、溶液ポンプ22により溶液をシュート1内に噴射させ、シュート1に投下される粉状の乾燥凍結防止剤を湿潤凍結防止剤Cにして散布円盤2上に投下させるように構成している。
【0032】
以上のように構成した凍結防止剤散布装置によって路面上に湿潤凍結防止剤Cを散布するには、まず、散布車を走行させながらその進行方向の右側の車線の路面上に湿潤凍結防止剤Cを散布する場合に、図10、図12に示すように、モータ15を駆動してリンク機構13を介し、可動飛散防止板8をその上端面が散布円盤2から下方に位置するまで下動させて散布円盤2と固定円板6間の空間部10を後方に向かって全面的に開放させた状態にすると共にシリンダ17、17のピストンロッド17a を収縮させることにより、轍部散布規制板9、9を水平状態に開放する。
【0033】
この状態にして散布車を一定の速度でもって走行させながらホッパA内の乾燥した粉末状の凍結防止剤を該ホッパAの下端開口部からベルトコンベアB上に供給してベルトコンベアBの搬送終端部からシュート1内に投入し、溶液供給パイプ20から噴霧する溶液を凍結防止剤に浸透させて湿潤凍結防止剤C(以下、単に凍結防止剤Cとする)に調製しながら散布円盤2上に投下させると、散布円盤2の回転による遠心力によって、凍結防止剤Cが該散布円盤2から四方に飛散する。この際、散布円盤2の前半部上面と上記固定円板6の前半部下面との間の空間部10の周囲は、固定飛散防止板7によって閉止された状態となっているので、凍結防止剤Cはこの固定飛散防止板7によって前方側への散布が阻止され図12〜図14に示すように、凍結防止剤Cは後方に向かって開口している固定飛散防止板7の両側後端間の開口部7bから後方に向かって散布円盤2の回転方向に拡散(飛散)し、散布車本体1の右側の車線の路面全面に散布することになる。
【0034】
次に、散布車を走行させながら、その走行車線における轍部に凍結防止剤Cを散布するには、まず、可動飛散防止板上下動用モータ15を駆動してリンク機構13を介し、可動飛散防止板8を図8に示すように、その上端面が固定円板6の下面における前半周縁部に当接させた状態にする。そうすると、上記固定飛散防止板7とこの可動飛散防止板8とによって散布円盤2と固定円板6との間の空間部10の周囲を全面的に囲繞した状態になると共に、固定飛散防止板7の一側部に設けている凍結防止剤散布開口部7aと可動飛散防止板8の他側部に設けている凍結防止剤散布開口部8aとは、散布円盤2が前端側から後端側に向かって回転しながら通過する固定飛散防止板7の凍結防止剤散布開口部7aを前方側に位置させた状態にして散布円盤2の中心を通る直径線上で概ね対向する。
【0035】
さらに、両側の固定フレーム14、14上のシリンダ15、15を作動させてそのピストンロッド15a 、15a を伸長させ、路面における轍部の上方に配設している両側の轍部散布規制板9、9をその上端に一体に設けている受止突片9a、9aがストッパ19の先端に当接、受止されるまで下方に回動させる。この際、ストッパ19の先端で轍部散布規制板9の回動規制突片9aを受止した時に、轍部散布規制板9の傾斜角度が、該轍部散布規制板9に流突して反射した凍結防止剤Cを轍部に正確に散布する角度となるように、予め、ストッパ19を支持板20に対して長さ方向に進退させて回動規制突片9aの受止位置を調整しておく。
【0036】
この状態にして散布車を一定の速度でもって走行させながらシュート1内を通じて凍結防止剤Cを散布円盤2上に投下させると、散布円盤2の回転による遠心力によって、凍結防止剤Cが該散布円盤2から四方に飛散するが、散布円盤2上から外部に通じる空間は固定飛散防止板7の一側部と可動飛散防止板8の他側部に設けている凍結防止剤散布開口部7a、8aのみであるので、図4、図15に示すように、これらの凍結防止剤散布開口部7a、8aから散布円盤2の回転方向に噴射するように拡散して散布円盤2の両外側方に配設している上記轍部散布規制板9、9の対向面に流突し、これらの轍部散布規制板9、9の下方の轍部上に凍結防止剤Cを集中的に散布することができる。
【0037】
以上の実施例においては、可動飛散防止板8を上下方向に移動させる手段として、モースタ5によってリンク機構13を介して行っているが、図16〜図18に示すように、シリンダ23によって行うように構成しておいてもよい。即ち、可動飛散防止板8の両側外側面にそれぞれシリンダ23、23のピストンロッド23a 、23a をそれぞれ連結すると共に、このシリンダ23、23を上記両側固定フレーム16、16にそれぞれ連結、支持させ、この両側シリンダ23、23のピストンロッド23a 、23a を伸縮させることによって可動飛散防止板8を散布円盤2の前部外周面を囲繞している状態と、散布円盤2の下方に移動させて散布円盤2上の空間部を後方に向かって開放させている状態とに変更可能に構成しておいてもよい。
【0038】
この場合、可動飛散防止板8の両側前端面を固定飛散防止板7の両側後端面にそれぞれ突き合わせて固定飛散防止板7の両側後端面をガイドとして可動飛散防止板8を上下動させるようにしておけばよい。その他の構成については上記実施例と同様であるので、同一部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。なお、可動飛散防止板8を下方に移動させることによって散布円盤2上の空間部を後方に向かって開放させているが、固定円板6を小径に形成してこの固定円板6の後半部を可動飛散防止板8の内周面によって被覆させた状態としておくことにより、可動飛散防止板8を上記シリンダ23、23によって上方に移動させて散布円盤2上の空間部を後方に向かって開放させるように構成しておいてもよい。
【符号の説明】
【0039】
1 シュート
2 散布円盤
6 固定円板
7 固定飛散防止板
8 可動飛散防止板
7a、8a 凍結防止剤散布開口部
9 轍部散布規制板
13 リンク機構
14 回動軸
15 モータ
16 固定フレーム
19 回動角度調整用ストッパ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
凍結防止剤をシュートを通じて散布円盤上に投入して該散布円盤の回転により路面に散布する凍結防止剤散布装置において、上記散布円盤の前半部外周に沿って配設された円弧状に湾曲した一定高さの固定飛散防止板と、上記散布円盤の後半部外周に沿って配設されて上記固定飛散防止板と共に散布円盤の上方空間部を囲繞する円弧状に湾曲した上下動可能な可動飛散防止板と、この可動飛散防止板を上下方向に移動させて散布円盤上の空間部を後方に向かって開放させる移動手段と、散布円盤の両側方に散布円盤から一定の間隔を存して配設された左右の轍部散布規制板とからなり、上記固定飛散防止板の一側部と可動飛散防止板の他側部とに、それぞれ上記左右の轍部散布規制板に向かって散布円盤上の凍結防止剤を飛散させる凍結防止剤散布開口部を設けていることを特徴とする凍結防止剤散布装置。
【請求項2】
シュートの両側部に外側方に向かって一定長さの固定フレームを突設して、これらの固定フレームに左右の轍部散布規制板の上端部をそれぞれ左右方向に回動自在に枢着していると共に、上記固定フレームにこれらの轍部散布規制板を回動させるシリンダを装着していることを特徴とする請求項1に記載の凍結防止剤散布装置。
【請求項3】
固定フレームに轍部散布規制板の回動角度調整用ストッパを設けていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の凍結防止剤散布装置。
【請求項4】
固定飛散防止板に対する可動飛散防止板の上下移動手段は、固定飛散防止板の両側後端部側に固着したブラケットに可動飛散防止板の両側前端部をリンク機構を介して上下動自在に連結し、このリンク機構をモータによって作動させるように構成していることを特徴とする請求項1に記載の凍結防止剤散布装置。
【請求項5】
固定飛散防止板に対する可動飛散防止板の上下移動手段は、シュート又は固定フレームにシリンダを取付け、このシリンダのピストンロッドを可動飛散防止板に連結して可動飛散防止板を上下動させるように構成していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の凍結防止剤散布装置。
【請求項1】
凍結防止剤をシュートを通じて散布円盤上に投入して該散布円盤の回転により路面に散布する凍結防止剤散布装置において、上記散布円盤の前半部外周に沿って配設された円弧状に湾曲した一定高さの固定飛散防止板と、上記散布円盤の後半部外周に沿って配設されて上記固定飛散防止板と共に散布円盤の上方空間部を囲繞する円弧状に湾曲した上下動可能な可動飛散防止板と、この可動飛散防止板を上下方向に移動させて散布円盤上の空間部を後方に向かって開放させる移動手段と、散布円盤の両側方に散布円盤から一定の間隔を存して配設された左右の轍部散布規制板とからなり、上記固定飛散防止板の一側部と可動飛散防止板の他側部とに、それぞれ上記左右の轍部散布規制板に向かって散布円盤上の凍結防止剤を飛散させる凍結防止剤散布開口部を設けていることを特徴とする凍結防止剤散布装置。
【請求項2】
シュートの両側部に外側方に向かって一定長さの固定フレームを突設して、これらの固定フレームに左右の轍部散布規制板の上端部をそれぞれ左右方向に回動自在に枢着していると共に、上記固定フレームにこれらの轍部散布規制板を回動させるシリンダを装着していることを特徴とする請求項1に記載の凍結防止剤散布装置。
【請求項3】
固定フレームに轍部散布規制板の回動角度調整用ストッパを設けていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の凍結防止剤散布装置。
【請求項4】
固定飛散防止板に対する可動飛散防止板の上下移動手段は、固定飛散防止板の両側後端部側に固着したブラケットに可動飛散防止板の両側前端部をリンク機構を介して上下動自在に連結し、このリンク機構をモータによって作動させるように構成していることを特徴とする請求項1に記載の凍結防止剤散布装置。
【請求項5】
固定飛散防止板に対する可動飛散防止板の上下移動手段は、シュート又は固定フレームにシリンダを取付け、このシリンダのピストンロッドを可動飛散防止板に連結して可動飛散防止板を上下動させるように構成していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の凍結防止剤散布装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2011−94450(P2011−94450A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−252233(P2009−252233)
【出願日】平成21年11月2日(2009.11.2)
【出願人】(505398941)東日本高速道路株式会社 (66)
【出願人】(000235163)範多機械株式会社 (26)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月2日(2009.11.2)
【出願人】(505398941)東日本高速道路株式会社 (66)
【出願人】(000235163)範多機械株式会社 (26)
[ Back to top ]