説明

凝縮室用冷却系

【課題】能動機器特に循環ポンプをできる限り回避する凝縮室用冷却系を提供する。
【解決手段】凝縮室42と、凝縮室42の外側に設けられた少なくとも1つの熱交換器48とを有する。凝縮室42には、縦長の冷却モジュール54が設けられており、冷却モジュールは、上方領域に、蒸発室を有する。冷却モジュール54は、更に、少なくとも1つの昇水管および少なくとも1つの降水管を有する。昇水管および降水管の各々の上端は、蒸発室に通じており、各々の下端は、凝縮室に位置している。蒸発室から熱交換器48へ延びる第1の圧力管56が設けられており、熱交換器から、第2の圧力管58が、凝縮室で、最低液面の下方に通じている。かくして、凝縮室と、圧力管56,58と、冷却モジュール54と、熱交換器48とによって、受動的な閉鎖型の冷却回路が形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、沸騰水型原子炉用の凝縮室と、該凝縮室の外側に設けられた少なくとも1つの熱交換器とを有する凝縮室用冷却系に関する。
【背景技術】
【0002】
軽水型原子炉が発電のために使用されることは一般に知られている。この場合、核燃料が、例えばウラン棒の形態で、炉心内で、核分裂崩壊過程で熱を発生させる。いずれにせよ、炉心からの熱の排出によって引き起こされることは、炉心が、非臨界の温度範囲内にとどまっていることである。軽水型原子炉(加圧水型原子炉および沸騰水型原子炉)では、炉心は、圧力容器すなわち安全容器内に設けられている。圧力容器すなわち安全容器は、加圧水型原子炉では、蒸気発生器および給排管と共に、冷却剤を循環させるための閉鎖系、すなわち実際の核反応冷却系を形成する。冷却剤と燃料要素との接触によって伝達された熱を排出するために、加圧水型原子炉では、通常の作動中に、蒸気発生器および後置の蒸気タービンおよび復水器が用いられる。沸騰水型原子炉では、蒸気発生器が省略される。すなわち、炉から来る蒸気は、水蒸気タービンの駆動のために直接用いられ、かくして、冷却剤の熱が放出される。典型的な炉の出力は、例えば1.4GWである。
【0003】
しかし、軽水型原子炉が、例えば保守の目的で完全に停止された後でも、軽水型原子炉は、比較的長時間、残熱、すなわち崩壊熱を発生する。崩壊熱が確実に排出されないときは、炉心溶融に至るあり得る燃料要素の破損を伴う炉心の許されない温度上昇が生じてしまう。
【0004】
沸騰型原子炉では、炉心が水で覆われているとき、十分な冷却を前提とすることができる。沸騰型原子炉では、停止後に生じる崩壊熱が、燃料要素を囲む水の沸騰によって排出される。水の蒸発によって、燃料要素の、各々の蒸発エネルギに対応する冷却効果がなされる。かようにして生じる蒸気は、安全弁を介して、圧力容器すなわち安全容器の外側に設けられた凝縮室内の貯水に排出され、かつそこで凝縮される。蒸気を凝縮室に排出することによって失われた、圧力容器の水の総量が、典型的には、能動的な供給系を通って、凝縮室から圧力容器へ戻される。
【0005】
凝縮の最中に、すなわち、ガス状の蒸気の、液体状態への移行の際に、エネルギ放出がなされる。このエネルギ放出は、凝縮室にある水の加熱をもたらす。従って、従来の技術に対応して、能動的な緊急冷却系および残留熱除去系が設けられている。緊急冷却系および残留熱除去系によって、適切な熱交換器および熱循環システムを介して、凝縮室、詳しくは該凝縮室内の貯水の冷却と、外部のヒートシンク、例えば冷却塔への熱の伝達とがなされる。
【0006】
この場合、凝縮室に導入された能動的性質の凝縮熱を排出するためのかような冷却系、従って動的機器、例えば循環ポンプが、冷却剤として水を要求することが欠点であることが明らかである。最高の安全措置および各々の冷却系の冗長設計にも係わらず、故障における例えば循環ポンプの停止後でも、能動的な冷却回路が用いられないことが完全に排除され得ない。
【発明の概要】
【0007】
この従来の技術を前提として、能動機器および特に循環ポンプをできる限り回避する凝縮室用冷却系を記述することが、本発明の課題である。
【0008】
上記課題は、明細書の最初の部分に記載のタイプの凝縮室用冷却系によって解決される。該凝縮室用冷却系は、凝縮室には、縦長の冷却モジュールが設けられており、該冷却モジュールは、上方領域に、蒸発室を有し、冷却モジュールは、蒸発室が凝縮室内の貯水の最高液面の上方に位置しているように、凝縮室に設けられていることを特徴とする。更に、本発明に係わる凝縮室用冷却系は、少なくとも1つの昇水管および少なくとも1つの降水管を有する。昇水管および降水管の各々の上端は、蒸発室に通じており、各々の下端は、凝縮室において、貯水の最低液面の下方に位置しており、蒸発室から熱交換器へ延びる第1の圧力管が設けられており、該熱交換器から、第2の圧力管が、凝縮室で、好ましくは最低液面の下方に通じており、その結果、凝縮室と、圧力管と、冷却モジュールと、熱交換器とによって、受動的な閉鎖型の冷却回路が形成されている。
【0009】
本発明の基本思想は、能動的な循環ポンプを回避し、従ってまた冷却系の故障確率性を減じるために、凝縮室用冷却系に、冷却剤または水の自然循環という機能性を備えることにある。
【0010】
系の作動への要求がなされる場合における能動的な残留熱排出系の故障の際に、凝縮室内の水または貯水が加熱され、かつ、圧力容器すなわち安全容器内の圧力が上昇する。従って、該圧力容器すなわち安全容器に接続された凝縮室内の圧力も上昇する。凝縮室内の水の液相および液相の上方にある気相は、所定の時間後には、飽和平衡状態にある。すなわち、凝縮室内の水は、安全容器の内圧に対応して飽和温度を有する。
【0011】
昇水・降水管は、好ましくはほぼ垂直の配置で、完全に凝縮室内にあり、昇水・降水管の下端は、液状の凝縮室内の水に突入している。昇水・降水管内の液状の水は、同様に、凝縮室内の温度に加熱される。該凝縮室は、例えば、安全容器の下方領域を中心とした円環に似たリングとして構成されていてもよい。しかしながら、昇水・降水管内の液面は、凝縮室の水位または液面よりも高い。
【0012】
凝縮室における液面の高さの違いに基づき、および昇水・降水管における、または管の各々の端部が通じている先である蒸発室における液面に基づき、蒸発室における静圧は、例えば2mの高さの差では、相応に低い。凝縮室が、前述のように、飽和温度にあるときは、水は、凝縮室の液面の上方にある蒸発室あるいは対応の管部分で、そこに支配的でありかつ蒸発室の外側の圧力より低い静圧に基づいて沸騰する。
【0013】
沸騰過程は、一方では蒸発室にある水の冷却および他方では蒸気発生をもたらす。昇水・降水管は、飽和温度にある水が昇水管を通って蒸発室に運ばれ、かつ、そこで、沸騰過程によって、蒸気を形成しつつ冷却されるように、構成されている。このとき、飽和温度にある水よりも相応に高い密度を有する冷却された水は、次に、再度、降水管を通って、凝縮室内の貯水に供給される。この密度差によって、冷却モジュールを通る水の自然循環が可能となる。該自然循環が、能動形循環ポンプ等を全然必要としないことは好ましい。
【0014】
昇水管に入り込む水と降水管から出る冷却された水との直接的な混合を回避するために、昇水管および降水管の各々の下方の口が、互いにずれて設けられていることは好ましい。
【0015】
蒸発室に発生する蒸気は、そこから、第1の圧力管すなわち蒸気管を通って、好ましくは1つの復水器を有する熱交換器へ導かれる。そこで、蒸気は、凝縮によって、熱を熱交換器に放出する。該熱交換器は、次に、直接または間接に、外部のヒートシンク、例えば冷却塔に運び出す。例えば、熱交換器は、しかしまた、凝縮熱を吸収しかつ他の水循環システムを介して導き出す貯水器を有することができる。凝縮の際に生じる凝縮液は、第2の圧力管すなわち凝縮液用管を介して、復水器から凝縮室へ導き戻される。理想的には、熱交換器は、凝縮室の上方で、以下の高さに、すなわち、凝縮液が、好ましくは連続的な勾配を有する凝縮液管を通って、重力によってのみ凝縮室に流れ戻るほどの高さに設けられている。従って、この冷却剤循環システムのためにも、能動形のポンプ要素が全然不要であることは好ましい。
【0016】
かようにして、比較的低い水温でも、例えば120℃または140℃でも、高い熱流を実現することができる。何故ならば、冷却される媒体、つまり、凝縮室にある水が、冷却回路のための冷却剤としても直接使用されるからである。かくして、冷却剤と冷却される媒体との間の、他の場合には必要な熱交換過程、および該交換過程のために必要な熱交換器が省略されることは好ましい。
【0017】
本発明に係わる凝縮室用冷却系の好ましい実施の形態では、昇水管は降水管に入れ子にされている。それ故に、外側の昇水管と、該昇水管の中に延びている内側の降水管とが形成されている。このことは、製造技術的に特に好適であることが明らかであり、更に、本発明に係わる冷却モジュールの高い機械的な安定性を可能にする。
【0018】
本発明に係わる凝縮室用冷却系の他の実施の形態によれば、凝縮室用冷却系の熱交換器は、蒸発復水器を有する。
【0019】
蒸発復水器は、前記のように、放出された凝縮熱に基づいて、非常に効果的な熱交換を可能にする。
【0020】
凝縮室用冷却系の他の実施の形態の変形例によれば、排出管は、凝縮室の最低液面の下方に通じている。該排出管は、関連の沸騰型原子炉から排出弁を介して排出される蒸気を、凝縮室の貯水に導入するために、設けられている。このことによって、凝縮室内の水は、相応に加熱される。この排出管が、自らの端部で分岐されているのは、かようにして水に蒸気をより良く混入することを可能にするためである。このことによって、蒸気の凝縮従ってまた凝縮室用冷却系の性能も改善される。
【0021】
本発明に係わる凝縮室用冷却系の好ましい変形例によれば、冷却回路に作用する真空ポンプが設けられている。従って、プラントの通常の作動中に、受動的に作動する凝縮室用冷却系は、真空排気される。このことによって、液状のまたはガス状の水のみが、配管システムすなわち冷却回路の中にあることが保証されている。停止の場合に系の作動への要求がなされる間に、真空ポンプは作動されたままである。その目的は、非凝縮性ガスの凝集を回避するためである。
【0022】
本発明に係わる凝縮室用冷却系の特に好ましい実施の形態によれば、少なくとも1つの熱交換器は、凝縮室の上方に設けられている。このことは、常に落下するように設計されている適切な凝縮液用管では、凝縮液の、重力によってのみ作動される、凝縮室への凝縮液の戻りを可能にする。それ故に、ポンプ手段は全く不要である。
【0023】
凝縮室の最低液面が、少なくともほぼ、凝縮室の最高液面に対応していることは好ましい。このことによって、凝縮室用冷却系の冷却性は、一定に維持される。かようなほぼ同一の液面は、原子炉への凝縮室内の水の適切な制御された戻りによって、達成される。
【0024】
本発明に係わる凝縮室用冷却系の特に好ましい変形例は、排熱を凝縮室から運び去るために、少なくとも1つの追加の能動的な冷却回路が設けられていることを特徴とする。従って、凝縮室のための全冷却系が作り出される。該全冷却系は、多種多様であって、すなわち、種々に作動する冷却系に基づいている。種々に作動する冷却系の同時的な故障は、同一に作動する冷却系の同時的な故障よりも起こり得ない。このことによって、かような全冷却系の安全性が一層高められることは有利である。理想的には、前記少なくとも1つの能動型の冷却系は、更に、なお冗長的に設計されており、すなわち、複数の、必要な場合には同種のおよび並列作動する個別系から設計されている。該個別系の大体の冷却出力は、最大限に予期される冷却出力を下回っている。それ故に、1つの系の万一の故障にも係わらず、信頼性のある冷却が保証されている。前記受動型の系を追加的に使用することによって、信頼性が更に増大される。該系の単一故障確率性が、受動的原理に基づいて、特に低い。
【0025】
本発明によれば、実施の形態の変形例に従って、凝縮室にある水を関連の沸騰水型原子炉に戻すためのポンプシステムが設けられている。該ポンプシステムは、前述のように、沸騰型原子炉内の水の総量の保持のために必要であり、かつ、本発明に係わる冷却系の部分としても見なされることができる。
【0026】
本発明によれば、熱交換器は、排熱を環境に排出するために設けられている。このことは、必要な場合には、複数の他の冷却回路および熱交換器を介してなされることができる。冷却塔は、熱を環境に最終的に排出するための好ましいヒートシンクである。
【0027】
他の好ましい実施の形態を、他の従属請求項から読み取ることができる。
【0028】
図面に示された実施の形態を参照して、本発明、他の実施の形態および他の利点を詳述する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】第1の典型的な冷却モジュールを示す。
【図2】凝縮室用冷却系を有する典型的な沸騰型原子炉を示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1は、第1の典型的な冷却モジュール10の断面図を示す。垂直に整列された冷却モジュール10の上方領域には、冷却モジュールの内部空間に、蒸発室12が設けられている。該蒸発室へは、下方から、昇水管18が通じ、該昇水管へ入れ子式に設けられた降水管20が通じている。この例では、昇水・降水管は、回転軸線28を中心として回転対称的に示されている。しかしまた、任意の他の横断面形状、例えば、矩形断面形状、または互いに入れ子式でない変形例も考えられる。蒸発室12の上方領域には、第1の圧力管すなわち蒸気管のための接続部22が設けられている。該圧力管すなわち蒸気管は、図示しない復水器に通じている。冷却モジュールは、下方領域で、図示しない復水器の水に突入している。復水器の最高液面は、参照符号14を有する破線で略示されており、復水器の最低液面は、参照符号16を有する破線で略示されている。従って、参照符号24を有する矢印で示すように、凝縮室内の水が常に昇水管に流入することができることが、保証されている。
【0031】
蒸発室にある水の液面は、凝縮室における最高液面および最低液面よりも高い。冷却モジュール10は凝縮室内に設けられていると見なされることができる。更に、凝縮室内の水が飽和温度を有すること、すなわち、水の液相および該液相の上方にある気相が、飽和の均衡にあること、および冷却モジュール10が同様にこの温度に達したことが前提となる。蒸発室12を液面52より高くに配置することに基づき、蒸発室にある水が、前記周辺条件下で沸騰する。
【0032】
このことは、一方では、沸騰水が冷却され、すなわち、熱を放出するという効果を有する。水を冷却することによって、水の密度が上昇し、かつ、水は、矢印26で示されるように、降水管20を通って、最低液面より下に下降する。従って、水の自然循環が引き起こされる。このことによって、凝縮室内の水の非常に効果的な冷却が達成される。何故ならば、この水は、沸騰過程によって非常に効果的な方法で熱を放出する冷却剤として直接に使用されるからである。
【0033】
沸騰過程によって、他方では、蒸気も発生される。この蒸気は、次に、蒸発室の上方領域にある接続部22を通って、図示しない復水器に導かれる。そこでは、凝縮によって、同様に効果的な方法で、熱が放出される。
【0034】
本発明に係わる冷却モジュールのための適切な材料は、例えば高級鋼である。冷却モジュールは、実施の形態に従って、例として、例えば1mないし2mの高さを有することができる。この高さの違いは、飽和温度の条件下で蒸発室12において沸騰を引き起こすためには、十分である。
【0035】
図2は、凝縮室用冷却系を有する典型的な沸騰水型原子炉の略図40を示す。沸騰水型原子炉46は、安全容器すなわち圧力容器60の内部に設けられている。安全容器すなわち圧力容器は、例えば10mの高さを有する。圧力容器60の下方領域には、リングに類似した凝縮室42が、回転軸線44を中心として、圧力容器の回りに、円環状に設けられている。凝縮室42は、適切な、圧力安定的な管継手を介して、圧力容器60に接続されている。凝縮室には、液面52まで、凝縮室の水が充填されている。
【0036】
沸騰水型原子炉46からは、排出弁76によって閉鎖可能な排出管62が、凝縮室42に延びており、かつ、そこで、液面52の下方で分配装置64に通じている。後者は、排出管62を通って流れる蒸気の、凝縮室内の水への特に良好な浸透を保証する。次に、蒸気が沸騰水型原子炉46から排出管62へ導入されるのは、蒸気が、原子炉冷却の際に発生し、かつ、蒸気と共に、余りに高い圧力が発生した場合である。この蒸気は、凝縮室での凝縮の際に、該凝縮室内にある水を加熱させるのである。
【0037】
凝縮室42の中で垂直にかつ凝縮室内の水に突入して設けられているのが、冷却モジュール54である。該冷却モジュールは、蒸発室および昇水・降水管を有する。水は、昇水管を通って、蒸発室へ上昇し、そこで、蒸気の放出の下で、沸騰し、このことによって、冷却され、降水管を通って、再度、下方へ落下する。かくして、凝縮室内の水の冷却が引き起こされる。かくして、別の自然の冷却回路が形成されている。
【0038】
この際に生じる蒸気は、蒸発室から、第1の圧力管56を介して、熱交換器48に導かれる。該熱交換器は特に復水器50を有する。ここで、蒸気は、熱の放出の下で、液状の水の状態に移行し、かつ、復水器50から、常に落下式の第2の圧力管58を通って、再度、凝縮室42に戻される。このことは、重力に従ってのみなされる。熱交換器48は、適切な給排管を介して、直接または間接に、環境に放熱するためのヒートシンク、例えば冷却塔に接続されている。
【0039】
冷却回路に作用し、かつ戻り管74を有する真空ポンプ72は、プラントの通常の作動中に、受動的に作動する凝縮室用冷却系を真空にするために設けられている。このことによって、液状のまたは気体状の水のみが、配管系統または冷却回路内にあることが保証されている。系の作動への要求がなされる間は、真空ポンプ72は作動している。その目的は、非凝縮性の気体の凝集を回避するためである。
【0040】
供給ポンプ68および水戻り管70によって、凝縮室内の水が、再度、沸騰水型原子炉46に戻される。それ故に、沸騰水型原子炉の水の総量が、凝縮室42への蒸気の排出にも係わらず、維持されている。
【符号の説明】
【0041】
10 第1の典型的な冷却モジュール
12 蒸発室
14 最高液面
16 最低液面
18 昇水管
20 降水管
22 第1の圧力管のための接続部
24 上昇する水
26 下降する冷却水
28 冷却モジュールの回転軸
40 凝縮室用冷却系を有する典型的な沸騰水型原子炉
42 凝縮室
44 凝縮室の回転軸線
46 沸騰水型原子炉
48 熱交換器
50 蒸発復水器
52 液面
54 第2の典型的な冷却モジュール
56 第1の圧力管
58 第2の圧力管
60 原子炉用の安全容器すなわち圧力容器(原子炉格納容器)
62 排出管
64 排出管用の分配器
66 熱交換器用の給排管
68 供給ポンプ
70 水戻り管
72 真空ポンプ
74 戻り管
76 排出弁。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
沸騰水型原子炉(46)用の凝縮室(42)と、該凝縮室(42)の外側に設けられた少なくとも1つの熱交換器(48)とを有する凝縮室用冷却系において、
前記凝縮室(42)には、縦長の冷却モジュール(10,54)が設けられており、
該冷却モジュールは、上方領域に、蒸発室(12)を有し、前記冷却モジュール(10,54)は、前記蒸発室(12)が前記凝縮室(42)の最高液面(14)の上方に位置しているように、前記凝縮室(42)に設けられており、
少なくとも1つの昇水管(18)および少なくとも1つの降水管(20)の各々の上端は、前記蒸発室(12)に通じており、各々の下端は、前記凝縮室(42)において最低液面(16)の下方に位置しており、
前記蒸発室(12)から前記熱交換器(48)へ延びる第1の圧力管(56)が設けられており、該熱交換器から、第2の圧力管(58)が前記凝縮室(42)へ通じており、その結果、前記凝縮室(42)と、前記圧力管(56,58)と、前記冷却モジュール(10,54)と、前記熱交換器(48)とによって、受動的な閉鎖型の冷却回路が形成されていることを特徴とする凝縮室用冷却系。
【請求項2】
前記昇水管(18)は前記降水管(20)に入れ子にされていることを特徴とする請求項1に記載の凝縮室用冷却系。
【請求項3】
前記熱交換器(48)は、蒸発復水器(50)を有することを特徴とする請求項1または2に記載の凝縮室用冷却系。
【請求項4】
排出管(62)が、前記凝縮室(42)の最低液面(16)の下方に通じていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の凝縮室用冷却系。
【請求項5】
前記冷却回路に作用する真空ポンプ(72)が設けられていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の凝縮室用冷却系。
【請求項6】
前記少なくとも1つの熱交換器(48)は、前記凝縮室の測地的に上方に設けられていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の凝縮室用冷却系。
【請求項7】
前記最低液面(16)は、少なくともほぼ、前記最高液面(14)に対応していることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の凝縮室用冷却系。
【請求項8】
排熱を前記凝縮室(42)から運び去るために、追加の能動的な冷却回路が設けられていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の凝縮室用冷却系。
【請求項9】
前記凝縮室(42)にある水を関連の沸騰水型原子炉(46)に戻すためのポンプシステム(68.70)が設けられていることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の凝縮室用冷却系。
【請求項10】
前記熱交換器(48)は、排熱を環境に排出するために設けられていることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載の凝縮室用冷却系。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−72879(P2013−72879A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−216404(P2012−216404)
【出願日】平成24年9月28日(2012.9.28)
【出願人】(505192969)ウェスティングハウス・エレクトリック・ジャーマニー・ゲーエムベーハー (2)
【Fターム(参考)】