説明

処理に供する平坦な材料を移送するための方法、保持手段、装置およびシステム、および積み込みまたは積み降ろし装置

その内部で、処理に供する材料(21)が移送面において移送方向(5)に向かって移送される、処理に供する平坦な材料(21)の化学的処理用および電気化学的処理用の設備中で該材料を移送するために、保持手段(22、25)を処理に供する該材料(21)に取り付ける。保持手段(22、25)は、処理に供する材料(21)を、該材料の端部部分の少なくとも2つの点において保持し、その端部領域は、処理に供する該材料(21)が移送されている場合に、移送方向(5)に沿って配向される。保持手段(22、25)は、該保持手段(22、25)を移送方向に移動させて、処理に供する材料(21)を移送する移送装置(41)に脱着可能に結合される。処理に供する材料(21)の移送の少なくとも一部分において、移送面において存在し、かつ移送方向(5)に対して横方向に配向された成分を有する力(6、7)が、処理に供する材料(21)の領域に、例えば、長手方向端部領域に加えられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理に供する平坦な材料の化学的処理用および電気化学的処理用のうちの少なくとも一方の設備のための、処理に供する材料を移送するための方法、保持手段、装置およびシステムに関する。また、本発明は、この種の設備用の積み込みまたは積み降ろし装置にも関する。特に、本発明は、例えば、ホイール等の低い固有の剛性を有する、処理に供する材料を移送するためのこの種の方法および装置に関する。また、本発明は、処理に供する材料の、処理に供する使用可能な領域と設備の固定された要素との間の接触を大幅に回避することができる、この種の方法および装置にも関する。
【背景技術】
【0002】
プリント回路産業における、例えば、プリント基板等の、処理に供する平坦な材料の加工において、処理に供する材料の処理は、しばしば、湿式化学プロセスラインで行われる。従来の設備においては、プリント基板は、しばしば、ローラーコンベヤーに乗せられ、設備を通じて移送される。しかしながら、尚更に薄くなっている処理に供する材料では、特に、処理に供するホイールタイプの材料では、ローラーまたはシリンダーコンベヤーによる移送はますます困難となる。その理由は、処理に供する材料は低い固有の安定性を有するか、あるいは単位面積当たりのその低い重量のため、処理液または濯ぎ液をその材料にスプレーすることによって、移動させ、または変位させることができるためである。さらに、いくつかの基板の表面およびプロセスラインのうちの少なくとも一方においてそれらに適用される材料、例えば、ラッカーは極めてデリケートであって、それらはローラー上に置くだけでも損傷されかねない。
【0003】
独国特許出願公開第10 2007 038 116号明細書から、基板、特に、プリント基板を移送するための装置および方法は知られており、ここで、一方が他方の後方にあるプリント基板は、クリップを保持して鎖を形成する手段によって連結されている。保持クリップは、プリント基板の幅方向に沿って延びる。
【0004】
本発明の基本的目的は、当該材料、特に、低い固有の安定性を有する処理に供する材料、例えば、ホイールタイプのプリント基板、またはデリケートな表面を有する処理に供する材料の安全な移送を可能とする、処理に供する平坦な材料を移送するための方法、保持手段、装置およびシステム、また、最初に述べたタイプの設備用の積み込みまたは積み降ろし装置を提供することにある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によると、この目的は、処理に供する平坦な材料の化学的処理用および電気化学的処理用のうちの少なくとも一方の設備のための、材料を移送するための方法、保持手段、装置およびシステムによって、また、この種の設備用の積み込みまたは積み降ろし装置によって達成される。従属請求項は本発明の好ましいかつ好都合な実施形態を定義する。
【0006】
処理に供する平坦な材料が移送の方向の移送面内で移送される材料を移送する方法は、処理に供する材料を該材料の端部領域の少なくとも2つの点で保持する材料に取り付けられた保持手段を供し、その端部領域は、処理に供する該材料が移送されている場合には、移送の方向に沿って配向される。保持手段は、処理に供する材料を移送するように移送の方向に移動される。少なくとも、処理に供する材料の移送の部分の間において、移送の面内に存在し、かつ移送の方向に対して横方向に配向された成分を有する力が、処理に供する材料の少なくとも1つの領域にかけられる。
【0007】
この方法の場合においては、処理に供する材料は保持手段に設置され、該手段の移動の結果として移動されるため、該材料それ自体をローラー、シリンダーまたは同様の駆動手段と接触させて、それを移送する必要はない。移送の面内に存在し、かつ移送の方向に対して横方向に配向された成分を有する力がかかる結果として、処理に供する材料は幅方向に、すなわち、移送の方向に対して直角の方向に、かつ移送の面内でテンションをかけることができる。このように、導電体ホイール等の、低い固有の安定性およびまたはデリケートな表面を有する、処理に供する材料を安全に移送することが可能である。
【0008】
この方法は、保持手段が、まず、処理に供する材料に取り付けられ、次いで、設備に属する移送装置に単に結合されて、該設備を通じて、その上に設置された処理に供する材料と共に、該保持手段を移送するように構成されてもよい。保持手段は、特に、設備は、とりわけ、移送システムとは別々に構成される。いくつかの実施形態によると、保持手段は、特に、設備の移送システムに永久的には連結されていない。
【0009】
この方法は、処理に供する材料が、処理に供する該材料の化学的または電気化学的処理のための少なくとも2つの直接的に連続する異なる処理ステーションを通じて、保持手段がステーションの間で該材料から取り外されることなく、移送されるように構成してもよい。異なる処理ステーションは、処理溶液と成分または濃度が異なる点で相違している。
【0010】
処理に供する材料の少なくとも1つの領域にかけられる成分を有する力は、移送の面から離れる該材料の偏位が小さいが、処理に供する該材料が過度に伸ばされないように選択してもよい。該成分を有する力は、処理に供する材料が設備に属する処理ステーションを通って移送されている場合に、処理に供する材料の上側および下側が、該材料の、各々、上側および下側を処理する目的で設けられた処理ステーションの固定された要素から同一距離にあるように選択してもよい。該成分を有する力は、この距離が処理に供する材料の幅にわたって一定となるように選択してもよい。
【0011】
この力は、保持手段を介して、処理に供する材料の端部領域に加えられてもよい。この目的では、少なくとも、処理に供する材料の移送の部分の間に、すなわち、少なくとも、設備内の該材料の移送の経路の部分にわたって、移送方向に対して横方向の方向に、かつ移送面において力は、保持手段に加えられてもよい。
【0012】
この処理に供する材料は、該材料の長手方向に沿って配向された更なる端部領域において更なる保持手段によって保持されてもよい。対向方向における力、すなわち、互いに反対の方向であって、移送の方向に対して横方向に配向された力が、保持手段および更なる保持手段に加えられてもよい。
【0013】
この保持手段、または保持手段および更なる保持手段に作用する力は、処理に供する材料の特性に依存して選択してもよい。例えば、該力は、処理に供する該材料の最大限の許容可能な変形に依存して選択してもよい。力は、移送の面から離れる該材料の変形または偏位が閾値よりも小さいままであり、その変形または偏位が該移送の面に対して垂直に作用する力によってもたらされるように、処理される材料の厚みおよび、必要な場合は、更なる材料パラメーターに依存して選択してもよい。
【0014】
追加的には、保持手段は、移送の方向と平行に処理に供する材料にテンションがかかるように構成されてもよい。この目的で、その部分が相互に予めテンションがかけられる、保持手段の異なる部分は、例えば、処理に供する材料を、長手方向に沿って、例えば、長手方向に配置された端部に沿って該材料の前方および後方コーナーに隣接して間隔が設けられた点において機械的に保持してもよい。
【0015】
処理に供する材料を保持手段が保持する端部領域は、該材料の幅方向に、すなわち、移送の方向に対して横方向に、処理に供する材料の幅よりも最大伸張が小さくてもよい。かくして、処理に供する材料の比較的大きな領域は、設備内において化学的処理または電気化学的処理のうちの少なくとも一方のためにアクセス可能なままであってもよい。
【0016】
保持手段は化学的設置の目的のみならず、処理に供する材料との電気的接触を行うために用いてもよい。この目的では、保持手段は、電気化学的処理工程を行うべき場合、例えば、クランプまたはホイールの形態の、電流接触デバイスと導電的接触を行ってもよい。
【0017】
湿式化学的処理ステーションを通って進む場合、保持手段に設置された処理に供する材料は、該保持手段が、処理液が処理に供する材料に適用される処理ステーションの領域を通って案内されるように、処理ステーションを通って移送されてもよい。保持手段は、移送の方向に沿って配向される処理に供する材料のその端部部分を保持するため、該保持手段は、処理ステーションの適切な設計によって、処理液が処理に供する材料に適用される領域を通過して横方向に案内されてもよい。もし該材料が濯がれおよび/または乾燥されている場合、その上に設置された処理に供する材料と保持手段については、その保持手段もまた濯がれおよび/または乾燥されるように、該材料を濯ぎおよび/または乾燥するための領域に通って案内されてもよい。また、保持手段が選択的に処理される処理ステーションを設けることも可能である。例えば、処理ステーションは、保持手段を処理液の流れに曝露させるが、処理に供する材料の使用可能な領域は曝露させないように設計してもよい。
【0018】
処理に供する材料は、低い固有の剛性を有する材料、例えば、ホイールであってもよい。処理に供する該材料は連続的材料であってもよい。
本発明の1つの態様によって提供される保持手段は、処理に供する材料を、該材料の端部領域において少なくとも2つの点で保持するように構成される。該保持手段は、移送方向に沿って該材料を移送する目的で、処理に供する材料の化学的処理用および電気化学的処理用のうちの少なくとも一方の設備に属する移送装置と脱着可能に結合するように構成され、かつ、それらが移送装置に結合された状態では、それらは、保持手段が該材料を保持する該材料の端部領域が移送の方向に沿って延びるように処理に供する材料を保持するように設計される。
【0019】
そのように設計された保持手段は、該材料が移送されている場合に、移送の方向に配向された処理に供する材料のその端部領域を安定化することができる。
保持手段は、それらが長手方向軸を持つ保持レールを含むように設計されてもよい。該保持レールは、該レールが第一および第二の軸の周りの材料の曲りまたはよじれを抑制するように剛化させた状態で処理に供する材料に作用するように構成してもよく、その軸は各場合における保持レールの長手方向軸に対して直角に配向される。該保持レールは、該保持レールが移送装置に結合する状態においては、該保持レールの長手方向軸が移送の方向と平行となるように構成されてもよい。該保持レールが移送装置に結合する状態においては、保持手段は、かくして、第一および第二の軸の周りの該材料の曲りまたはよじれが対峙するように、処理に供する該材料に作用する曲げ力を吸収するように設定されてもよく、その軸は各場合において移送の方向に対して直角である。
【0020】
保持手段は第一の保持部分および第二の保持部分を含んでもよく、その部分は処理に供する材料を保持するための閉じた状態、および該材料を挿入するための開いた状態を有する。第一および第二の保持部分は、例えば、開いた状態にある場合に、相互に完全に分離されてもよい別々の部分として構成されてもよい。該第一および第二の保持部分は、処理に供する該材料を、閉じた状態にある場合に、少なくとも、押圧係止連結によって設置するように構成されてもよい。別の方法として、あるいは追加的には、処理に供する材料は形態係止状態にて保持されてもよい。保持手段は、該保持手段が閉じた状態にある場合に、第一保持部分と第二保持部分との間の掃引力を作用させる押圧手段を含んでもよい。該押圧手段は、保持部分上に、または中に磁石を含んでもよい。
【0021】
保持手段は、保持手段が移送装置に結合される状態において、保持手段が、該材料の幅よりも小さな距離にわたって移送の方向に対して直角な方向に処理に供する材料を重ねるように構成されてもよい。このように、保持手段によって設置される処理に供する材料の比較的大きな領域が、設備内において化学的または電気化学的処理用のためにアクセス可能なままであることは可能である。
【0022】
保持手段は内部を液体が通過する保持レールを含んでもよい。このように設計された保持手段は、液体、例えば、処理液または濯ぎ液が、保持手段を通って処理に供する材料から離れて導かれることを可能とする。
【0023】
該保持手段は、移送装置に属する駆動ローラーまたは駆動シリンダーを変位させるように構成してもよく、そのローラーまたはシリンダーは、移送の該方向に対して横方向に、移送の軸に対して横方向に移動可能である。この目的では、保持手段は、例えば、駆動ローラーまたは駆動シリンダーを把持し、保持手段が該駆動ローラーに対して移動する間に、それを移送の方向に対して横方向に変位させる傾斜面または面取端部を有してもよい。
【0024】
保持手段は、処理に供する材料との電気的接触を行うように設定されてもよい。この目的では、該保持手段は、処理に供する材料に触れるように設定された少なくとも1つの導電性接触面、および保持手段が処理に供する材料を保持している場合に、外部接触要素と結合することができるように配置された更なる導電性接触面を含んでもよい。該導電性接触面および更なる導電性接触面は、該保持手段に設けられた導体部分によって導電性の状態で連結させてもよい。該更なる導電性接触面は、保持手段が処理に供する材料を保持している場合に、保持手段の対向側に設置された2つの部分を有してもよい。2つの部分に対して2つの接触要素をプレスすることによって、処理に供する材料との良好な電気的接触、ならびに該保持手段内での該材料の良好な機械的設置を達成することは可能である。
【0025】
処理に供する平坦な材料の化学的処理用および電気化学的処理用のうちの少なくとも一方の設備のために、保持手段によって端部領域に沿って設置される該材料を移送するために、本発明の1つの態様に従って提供される装置は、脱着可能な状態で保持手段に結合することができ、かつ移送の方向に、その装置上に設置された処理に供する材料と共に該保持手段を移動させるように構成された移送手段を含む。少なくとも、処理に供する材料の移送の1つの部分の間に、移送の1つの面内に存在し、かつ移送の方向に対して横方向に配向された成分を有する力を、処理に供する材料の少なくとも1つの領域に加えるように装置は構成される。
【0026】
装置の移送手段は、処理に供する材料を保持する保持手段に結合することができるため、該材料それ自体をローラー、シリンダー、または同様の駆動手段と接触させて、該材料を移送させる必要はない。移送の面内に存在し、かつ移送の方向に対して横方向に配向された成分を有する力を発揮した結果として、処理に供する材料は、幅方向に、すなわち、移送の方向に対して直角の方向にテンションをかけることができる。
【0027】
装置は、移送の方向に対して横方向の方向に、かつ移送の面内で保持手段に力を加えるためのテンション手段を有してもよい。テンション手段は、移送の方向に対して横方向に移動ができ、かつ保持手段を案内するために構成された移動可能なベアリングを含んでもよい。該移動可能なベアリングは駆動シャフトに取り付けられてもよい。加圧手段、例えば、一対の磁石またはバネ状要素は、移送の方向に対して横方向に移動可能なベアリングに力をかけるように設けてもよい。この設計は、該保持手段が案内される移動可能なベアリングを介して保持手段に、今度は、幅方向に処理に供する材料にテンションをかけることが可能な手段によって力をかけることを可能とする。
【0028】
装置によって移送される処理に供する材料は、更なる保持手段によって更なる端部領域に沿って設置してもよい。装置は、移送の方向に対して横方向の方向に、かつ移送の面内で更なる保持手段に力をかけるように設定された更なるテンション手段を含んでもよい。特に、テンション手段および更なるテンション手段は、保持手段および更なる保持手段と対向した方向に力をかけるように設定されてもよい。該更なるテンション手段は、移送の方向に対して横方向に力が加えられる更なる移動可能なベアリングを含んでもよい。
【0029】
処理に供する平坦な材料の化学的処理用および電気化学的処理用のうちの少なくとも一方の設備のために、保持手段によって端部領域に沿って保持される該材料を移送するための、本発明の1つの態様に従って提供されるシステムは、実施形態に従って処理に供する材料を移送するための装置、および脱着可能に装置の移送手段に結合される該材料を保持するための保持手段を含む。保持手段は、実施形態に従った保持手段として構成してもよい。
【0030】
更なる態様によると、処理に供する材料の化学的処理用および電気化学的処理用のうちの少なくとも一方の設備のための積み込みまたは積み降ろし装置が提供され、その設備は端部領域に沿って保持される処理に供する材料を移送するための装置を有する。積み込みまたは積み降ろし装置は、このタイプの設置用のローダーとして、またはアンローダーとして用いてもよい。積み込みまたは積み降ろし装置は、処理に供する材料を保持するための閉じた状態と開いた状態との間で該保持手段を移すように構成され、保持手段が開いた状態に移動される場合に、該材料を支持するための支持装置を含む。
【0031】
このタイプの積み込みまたは積み降ろし装置は、次いで、保持手段によって保持された処理に供する材料を処理用の設備まで供給し、あるいは材料が設備において処理された後に、処理に供する材料から保持手段を除去するように、材料に保持手段を取り付けることを可能にする。支持装置は、保持手段が開いた状態にある場合に、処理に供する材料を支持する。該支持装置は、例えば、鉛直に調整可能な穿孔プレート、または空気クッションを生じさせるための空気ノズルを含んでもよく、そのプレートまたはクッションは処理に供する材料を支持することができる。
【0032】
積み込みまたは積み降ろし装置は、閉じた状態で保持手段を受け取り、それらを閉じた状態から開いた状態に移し、次いで、閉じた状態に戻し、それらを閉じた状態で外に通過させるように構成してもよい。
【0033】
積み込みまたは積み降ろし装置は、保持手段の第1の保持部分と係合させるための第一の係合手段、および保持手段の第二の保持部分と係合させるための第二の係合手段を含んでもよい。第一および第二の係合手段は、例えば、各々、該第一の保持部分および第二の保持部分の上の補完面と、各々、形態係止状態にて係合に面する輪郭面を含んでもよい。第一の係合手段および第二の係合手段の相対的移動をもたらすための移動手段を設けて、第一の保持部分および第二の保持部分を開いた状態と閉じた状態との間で移してもよい。
【0034】
移動手段は、相対的移動の間にカバーされる経路の関数として可変な力をかけるように設定してもよい。例えば、保持部分が所定の距離だけ相互に離れてしまうまで、最初に比較的高い力をかけることは可能である。従って、移動手段によって加えられる力は、保持部分をなお更に相互に分離するようなより低い値を採ってもよい。該比較的高い力は、より低い力がかけられる経路よりも小さな経路にわたってかけてもよい
本発明の実施形態は、処理に供する材料、特に、例えばホイール等の低い固有の安定性を有する処理に供する材料さえ、処理に供する該材料の化学的処理用および電気化学的処理用のうちの少なくとも一方の設備を通って安全に移送することを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】処理に供する材料の処理用の設備を通じた該材料の移送の、実施形態による、模式的表示である。
【図2】実施形態による保持手段によって設置されたホイールの斜視図である。
【図3】実施形態による移送装置の斜視図である。
【図4】図4からの移送装置の部分の側面図である。
【図5】実施形態による移送装置を有する、処理に供する材料を処理するための設備に属する処理ステーションの斜視図である。
【図6】実施形態による保持手段の断面図である。
【図7】図7Aおよび7Bは、図6からの保持手段の第一および第二の保持部分の平面図である。
【図8】更なる実施形態による保持手段の部分的な切断模型図である。
【図9】実施形態による積み込み装置の斜視図である。
【図10】図1に表した設備に属する緩衝装置の斜視図である。
【図11】実施形態による隣接保持手段の端部部分の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
添付の図面を参照し、好ましいまたは好都合な実施形態を参考にして本発明を以下でより詳細に説明する。
処理に供する材料に関する方向または位置の詳細は、慣用的には、移送の方向を参照して示される。処理に供する材料の移送の間における移送の方向と平行または逆平行な方向を「長手方向」といい、移送の方向に対して直角に、移送の面に横たわる方向を、処理に供する材料の「幅方向」と称する。
【0037】
要素または装置の「脱着可能な結合」は、該要素または装置を損傷し、または破壊することなく、要素または装置を相互に分離することを可能とするこのタイプの結合を意味すると理解されるべきである。このように、保持手段と処理に供する材料との間の「脱着可能な結合」は、該保持手段または該材料を破壊し、またはそれらをそれらの機能が損なわれることによって損傷することなく、保持手段を処理に供する材料から取り外すことができる結合を意味すると理解されるべきである。保持手段と移送装置との間の「脱着可能な結合」は、該保持手段または該移送装置を破壊し、あるいはそれらを、それらの機能が損なわれるように損傷することなく、保持手段を移送装置から取り外すことができる結合を意味すると理解される。
【0038】
図1は、例えば、薄いシートまたはホイールの形態で構成してもよい処理に供する平坦な材料の化学的処理用および電気化学的処理用のうちの少なくとも一方の設備1を模式的に示す。該設備1は、多数の処理ステーションを有するプロセスライン2を含み、多数の処理ステーションでは、処理に供する材料が化学的処理および電気化学的処理のうちの少なくとも一方を受けて、濯がれ、または乾燥される。処理ステーション3、4は模式的に表される。処理に供する材料はプロセスライン2内で移送5の1つの方向に移送されて、処理ステーション3、4に供給される。2つの処理ステーション3、4を有するプロセスライン2は設備1の場合に表されるものであるが、一般には、特別な適用に適切に適合される任意の所望の数の処理ステーションを設けることが可能である。処理ステーションにおいては、以下の:処理液、電流、エネルギー、パルスまたは放射線の1つ以上が、例えば、処理に供する材料に供給されてもよく、そうでない場合は、該材料は、振動等に設定されてもよい。
【0039】
再度、より詳細に記載するように、処理に供する材料は、保持手段によって、端部領域において、または多数の端部領域に設置される。該保持手段は、処理に供する材料の長手方向端部、すなわち、移送の方向と平行に延びる該材料の端部が、処理に供する材料の「移送の面」と称する、面内に、またはほぼ面内に存在するように構成されて案内される。
【0040】
種々の実施形態による装置および方法は、低い固有の剛性を有する処理に供する材料を、移送の面からの該材料の種々の領域の偏りが小さな状態のままとなるように保持して移送することを可能とする。しかしながら、「移送の1つの面内での処理に供する材料の移送」への言及は、処理に供する材料が移送されている間、該材料の個々の部分または領域が移送の面から偏位される可能性を排除しない。従って、例えば、処理に供する材料に作用する重力、液の流れへの該材料の曝露等は、移送の面からの、処理に供する材料の領域の偏位につながるであろう。該材料は、例えば、移送水平面で移送されてもよい。プロセスライン2を通って処理に供する材料を移送する目的では、設備1には移送装置を装備させる。図1に模式的に表した設備の場合に、処理に供する材料を移送するのに用いることができる移送装置の実施形態は、図3および4を参照してより詳細に記載する。
【0041】
設備1のプロセスライン2内で処理に供する材料を移送するためには、保持手段は脱着可能な状態で該材料に取り付けられる。保持手段は、該材料がプロセスライン2を通って移送された後に、処理に供する材料から再度離され、または再度それから取り外される。
【0042】
設備1は、さらに、積み込み装置またはローダー10を含む。処理に供する材料は、例えば、(図1に表示せず)ロボット等を用いて該材料の適切な在庫品8から積み込み装置10まで供給される。また、保持手段は、該保持手段の在庫品9から積み込み装置10まで供給される。積み込み装置は、該保持手段が該材料を端部領域の多数の点において保持するように、処理に供する材料の端部領域に保持手段を取り付ける。再度、より詳細に説明するように、保持手段は、移送の方向と平行に配向された該材料のその端部の端部部分に沿って処理に供する材料を保持する。保持手段は、処理に供する材料を、保持手段内にて間隔を設けられた、または連続的に配置される端部部分内の多数の点または領域に保持することができる。実施形態において、保持手段は、処理に供する材料を、少なくとも、移送の方向と平行に延びる保持手段の材料の端部領域を定める該材料の2つのコーナーに隣接して保持する。更なる実施形態において、保持手段は、処理に供する材料を、少なくとも、移送の方向と平行に延びる該材料のその端部領域の範囲を定める処理に供する材料の2つのコーナーに隣接して、かつそれらの間に配置される該端部領域の中央部分に保持する。
【0043】
設備1は、移送の方向において、積み込み装置10の下流であって、プロセスライン2の上流に配置される緩衝装置12を有してもよい。緩衝装置12は、積み込み装置10から、保持手段に取り付けられ、且つ処理に供する材料11を受け取る。該緩衝装置12は、処理に供する設置された材料11を、プロセスライン2上まで移送し、同時に、それが、保持手段に取り付けられ、且つ処理に供する材料11を、プロセスライン2内の該材料の初期速度に対応する速度まで加速し、またはブレーキをかけるように設定されてもよい。更なる機能を緩衝装置12に一体化させてもよい。例えば、該緩衝装置12は、処理に供する設置された材料11に移送の方向に対して横方向の方向に調整するように設計されてもよい。緩衝装置11は、連続基板または処理に供する材料の間の距離を設定するように種々のセンサーおよび制御可能な駆動要素を有してもよい。
【0044】
処理に供する材料のプロセスライン2内での移送の間、設備1の移送装置は、該材料を保持する保持手段に作用する。該移送装置は、それらの上に設置される処理に供する材料を移送の方向5に移動させるように、保持手段を移動させる。
【0045】
処理に供する材料がプロセスライン2内で移送される間、移送の方向と平行に延びる処理に供する材料の端部領域、すなわち、長手方向端部に成分6、7を有する力が加えられる。力の成分6、7は、それらが移送の面内に存在し、移送の方向に対して直角な、または横方向に向かって配向される。移送の方向と平行に延びる処理に供する材料の2つの端部部分に作用する力の成分6、7は同一の大きさを有し、相互に反対方向に配向される。これらの状況下で、力6、7の該成分の大きさは、それらが処理に供する材料にテンションをかけるように選択されてもよい。力の成分6、7の大きさは、該材料を過度に伸ばすことなく、該材料の幅にわたって移送の面に近接してまたは移送の面の内側で処理に供する材料を保持するように選択されてもよい。力の成分6、7の大きさは、処理に供する材料の上側および下側が、処理に供する該材料の幅にわたってほぼ一定である、該上側および下側を処理するために設けられた処理ステーションの固定された要素から一定の距離となるように選択されてもよい。
【0046】
該設備1は、処理された材料を受け取る積み降ろし装置13またはアンローダー13をも有する。プロセスライン2と積み降ろし装置13との間で、更なる緩衝装置14を設けてもよく、それに対し、処理された材料はプロセスライン2によって供給され、それは該材料を積み降ろし装置13まで供給する。該積み降ろし装置13は、処理に供する材料から保持手段を取り外す。処理された該材料15は、該装置1から取り出すことができ、次いで、更なる加工配置まで供給することができる。
【0047】
保持手段が処理に供する材料の処理に続いて取り外された後、保持手段16は装置1から取り外すこともでき、再度、処理に供する更なる材料を設置するために用いることができる。設備1を通って1回または多数回実行した後、保持手段16は、もし必要であれば、清浄プロセスに付して、該設備1を通っての先行実行または複数実行の間に保持手段16上に沈積した沈着体を該保持手段16から取り除いてもよい。
【0048】
図1に模式的に表されるような、設備の場合において処理に供する商品を移送するのに用いることができる保持手段および移送装置の実施形態は、図2ないし8を参照してより詳細に記載する。
【0049】
図2は、保持手段によって保持された処理に供する材料の斜視図である。処理に供する該材料21は、ほぼ長方形状を有する薄いシートまたはホイールとして表される。処理に供する材料21の2つの長手方向端部、すなわち、処理に供する材料が移送されている場合に移送の方向に沿って配向された2つの端部において、保持手段22および更なる保持手段25は、該材料を、各々の場合において、該材料21の端部部分上の少なくとも2つの点において保持する。示された実施形態において、保持手段22および更なる保持手段25は、各々、対応する端部領域を、処理に供する材料のコーナーに隣接して、ならびに該コーナーとの間に配置された複数の点において保持する。
【0050】
該保持手段22および更なる保持手段25は、処理に供する材料21が移送されている場合に、幅方向に、すなわち、移送の方向に対して直角で、移送の面内に延びる方向に、保持手段22,25が処理に供する材料21を、該材料21の幅Bと比較して小さい最大距離BRにわたって重なるように設計される。保持手段は、約5ないし45mm、特に約10ないし35mm、とりわけ約15ないし30mmの幅を有してもよく、従って、処理に供する材料を、該保持手段の幅よりも小さな幅BRにわたって重ねてもよい。
【0051】
保持手段22および更なる保持手段25は、それらの長さLHが処理に供する材料21の長さLに対応するか、あるいは該長さよりも長くなるように設計されてもよい。保持手段22および更なる保持手段25は、処理に供する材料21に従って、該材料をそのコーナーに隣接して保持してもよい。図2に表されるように、保持手段22および更なる保持手段25は、それらが材料21を保持する状態にある場合、該材料の片側または両側の長手方向に、処理に供する材料21を超えて保持手段22,25が突出するように構成されてもよい。図2に表される実施形態において、保持手段22および更なる保持手段25の長さLHは、この目的では、長さLHが処理に供する材料21の長さLよりも長くなるように選択される。長手方向において処理に供する材料21を超えて突出する保持手段22および更なる保持手段25の部分は、処理に供する材料の間の最小距離を設置内に設定するように働いてもよい。該保持手段22および更なる保持手段25は、移送の該方向5において後方側端部であるそれらの端部におけるよりも、移送の方向5における前方端部であるそれらの端部において、保持手段22,25が該材料からさらに突出するように、処理に供する材料21に取り付けられてもよい。
【0052】
図2に表される実施形態において、保持手段22および更なる保持手段25は、レールの形状に構成され、該レールに対して垂直方向における保持手段22または更なる保持手段25の寸法と比較して長い距離LHを有する。保持手段22および更なる保持手段25は図2において連続するレールとして表されるが、該保持手段は、処理に供する材料の長手方向に間隔が設けられ、かつ処理に供する該材料21を端部領域における多数の点において保持するように相互に連結される多数の部分を有してもよい。そのうち多数あるそれらの部分は、該部分が、長手方向にて相互に反対方向に予めテンションがかけられ、すなわち、相互に反対方向の力が長手方向において保持手段の部分にかけることができるように、構成されたバネ状要素によって相互に連結されてもよい。処理に供する材料は、保持手段によって、その長手方向にテンションをかけることもできる。
【0053】
保持手段22は、レール形状の第一の保持部分23およびレール形状の第二の保持部分24を有する。同様に、更なる保持手段25はレール形状の第一の保持部分26およびレール形状の第二の保持部分27を有する。保持部分22または25が図2に表される閉じた状態にある場合、第一の保持部分23、26および第二の保持部分24、27は、処理に供する材料21の端部領域が、第一の保持部分23、26と第二の保持部分24、27との間に内方向に突出し、その点において保持されるように、該材料の対向側に配置される。
【0054】
図2において31に表される詳細Aを次に説明する。処理に供する設置された材料21の、Aによって示される切断部分は、31において詳細な図面にて拡大して表される。上方保持部分23は、処理に供する材料21の方向に突出する多数の部分32、33を持つ接触端部を有する。処理に供する材料21の方向に面する接触端部の部分32、33のそれらの端部面は、該材料と接触し、それを押圧係止した状態で保持する。隙間34、35が、保持端部の部分32、33の間に設けられる。該隙間34、35は、処理液が保持手段22を通って離れるように導くことを可能とする液体用の通路を形成する。更なる保持手段25は、保持手段22のそれと鏡像対称をなす対応する構成を有する。
【0055】
更なる設計において、保持手段22および更なる保持手段25は同一の構造のものである。保持手段22および更なる保持手段25の各々は、上方および下方保持部分が、移送の面に対して、相互に鏡像対称をなすように構成されてもよい。該上方および下方保持手段は、例えば、ヒンジによって連結されてもよい。
【0056】
保持手段22および更なる保持手段25の端部は斜面表面28、29を有する。実施形態において、該斜面表面28、29は、処理に供する材料が移送されている場合に、最初に設備の移送装置に結合される保持手段22の少なくともその端部において形成される。これらの状況下で、斜面表面28、29は、保持手段22がそれらの端部の方向においてより狭くなって、該保持手段22の処理設備の移送装置への導入を容易ならしめるべく、相互に配置してもよい。
【0057】
保持手段22および更なる保持手段25は、処理設備の適切に構成された移送装置に結合して、該保持手段22および更なる保持手段25によって保持された処理に供する材料21を移送してもよい。これらの状況下で、移送装置の保持手段への結合は、好適には、処理に供する材料21の使用可能な領域として、処理に付される該材料の中央領域が移送装置の要素と接触せず、また、好適には、保持手段22および更なる保持手段が、再度、処理に供する材料21から解放されるまでプロセスラインの他の固定された要素と接触しないように生じる。
【0058】
図3は、保持手段に取り付けられた処理に供する材料を移送するのに用いることができる実施形態による移送装置41の斜視図である。該移送装置41は、図1から設備1のプロセスライン2において移送装置として用いてもよい。
【0059】
移送装置41は、処理に供する材料の移送通路の側面において、相互に間隔が設けられて配置された2つのローラーコンベヤー42、43を有する。ローラーコンベヤー42、43の各々は、移送の方向に沿って配置された複数のローラーの対を含む。ローラーの対の各々は、移送の面に対して垂直に間隔が設けられた2つのローラーを含む。図3に表した移送装置41において、ローラー44’、45’は、1つのローラー44’が、その内側で処理に供する材料21が移送される移送水平面上方に配置され、更なるローラー45’が該水平面の下方に設けられるように、垂直に間隔が設けられるように配置される。
【0060】
移送装置41の場合において、移送の面の上方にローラーが配置されたローラーコンベヤ−43のローラー44’、および他のローラーコンベヤ−42も対応する位置において配置されたローラー44は、各々、シャフトに連結されている。移送の面の下方に配置されたローラーは、対応して、シャフトに連結されている。それによって、ローラー44、44’、45’が回転した状態で駆動することができるシャフトは、移送装置41に属するベアリング挿入部47に設置される。シャフトの少なくとも1つは、例えば、ベアリング挿入部47中に垂直に延びる隙間48内の他のシャフトに対して変位可能となるように設置される。ローラーの対に属するローラーの間の鉛直距離はこの種の設置配置の場合に変化させることができるため、例えば、異なる厚みを有する処理に供する材料を移送することが可能である。移送装置の片側移送装置41の場合にはローラーコンベヤ−42と同一側において、シャフトは、(図示せず)駆動シャフトを介して駆動ユニット(同様に図示せず)に作動可能に連結されたギアホイール46の対に回転可能な固定の状態で連結される。
【0061】
移送装置41は、保持手段によって保持される処理に供する材料21を移送の方向にて移送し、該移送装置41は、処理に供する材料21のその中央の使用可能な領域に該移送装置の固定された要素が接触していない間、保持手段22、25に触れている。処理に供する材料21の中央の領域は、処理設備の処理ステーションにおいて液体または気体と接触する。
【0062】
移送装置41は、それが、移送の面内にて、かつ移送の方向に対して横方向に配向された保持手段22、25上に成分6、7を有する力を、処理に供する材料21の長手方向端部に該材料を保持する保持手段22、25の各々に働かせるように構成される。これらの状況下で、移送装置41は、処理に供する材料21に、移送の方向に対して横方向にテンションをかけるように、対向方向に成分6.7を有する力を、保持手段22、25にかける。
【0063】
処理に供する材料21の両側の保持手段22、25の同期移送を保証するために、移送装置41に(図示せず)同期装置を設けてもよい。該同期装置は、処理に供する材料21の異なる側面に取り付けられた保持手段22、25の同期進行を確実ならしめるべく設定されてもよい。同期装置は、移送の方向における保持手段の移動が停止手段によって妨げられ、かつ該保持手段が、再度、適時に所望の点において解放できるように、実現してもよい。この目的では、同期装置は、少なくとも1つの移動可能な要素、およびそれに対して、該少なくとも1つの移動可能な要素が、少なくとも1つの移動可能な要素が保持手段22、25の一方または双方と係合して、移送の方向における対応する保持手段の進行を妨げる第一の位置と、該移動要素が、それが対応する保持手段の進行を可能とするように位置される第二の位置との間で移動させることができる手段によって連結された駆動メカニズムを含んでもよい。第一の側での保持手段22の進行を調節するための、第一の移動可能な要素、例えば、第一の制御可能な停止手段、および第二の移動可能な要素、例えば、第二の側での保持手段25の進行を調節するための第二の制御可能な停止手段を供することが可能である。同期装置の他の構成が可能である。例えば、該同期装置は、移送の間に保持手段22、25に係合して、異なる側に取り付けた保持手段の同期かつ十分に画定された進行をもたらすギアホイールを有してもよい。
【0064】
図4を参照して、次により詳細に説明するように、ローラーの各対に属する各場合におけるローラーの少なくとも1つ、例えば、移送の面の下方に設けられたローラー45は、ローラーコンベヤ−42、43の少なくとも1つにおける移動可能なベアリングとして構成される。移動可能なベアリングは、対応する保持手段22または25を案内する目的で構成される。それは、関連保持手段22または25に、該保持手段22または25を介して処理に供する材料の対応する端部領域に伝達される移送の方向に対して横方向の成分6、7を有する力をかける。
【0065】
図4は、図3におけるIV−IVによって示される方向からの、ローラーコンベヤー42に属するローラーの1対の平面図を示す。この場合、移送の方向は、図面の面に向かって配向され、移送の面は水平方向にて該図面の面に交わる。図3を参照して既に説明した要素には同一の参照記号が設けられる。
【0066】
ローラーコンベヤー42に属するローラーの対は図4を参照して説明するが、ローラートラック43に属するローラーの対は、機能の観点から、同一である構成を有してもよく、かつ図4に示された立体配置に対して鏡像対称をなすように構成してもよい。特に、移動可能なベアリングは、処理に供する材料が浮遊させた状態で設置されるように、ローラーコンベヤ−43およびローラーコンベヤー42の双方に設けられてもよい。移送装置41の変更された実施形態において、ローラーは、ローラーコンベヤー42、43の1つのみにおいて移動可能なベアリングとして設計され、他方では、他のローラーコンベヤ−は所定の位置において関連する保持手段を案内し、固定されたベアリングとして作用する。
【0067】
ローラーの対は、処理に供する材料21を保持している保持手段22をそれらの間で移送することができるように配置されたローラー44、45を含む。ローラー44はシャフト51に取り付けられる。ローラー45は更なるシャフト52に取り付けられる。シャフト51は回転可能に固定されたギアホイール46aに結合され、更なるシャフト52は回転可能に固定されたギアホイール46bに結合される。ギアホイール46aおよび46bは、ギアホイール46bが回転している場合、ギアホイール46aもまた回転した状態で係合される。該ギアホイール46は、(図示せず)駆動シャフトと作動可能に連結された斜面ギア46cに結合される。
【0068】
ローラー45は、保持手段22のためのガイド溝53を有する。該ローラー45は、それがある範囲にわたって該シャフト52に沿って軸方向に変位可能となるようにシャフト52に取り付けられる。このように、ローラー45は、その上に、保持手段22が、ローラー44、45の回転によって移送の方向にそれが移動されるように設置された、保持手段22用の移動可能なベアリングを形成する。シャフト52に沿ってローラー45を軸方向に移動可能に設置するため、移送の方向に対して横方向の移送の面において成分を有する力を、該保持手段22によって保持されたホイールの端部領域および保持手段22にかけることが可能である。ローラー44は円筒形の外面を有する。ローラー44の外面は、該ローラー44が、ガイド溝とは反対側にある保持手段22の(図4中の頂部における)側にて、ガイド溝53を備えたローラー45の位置にかかわらず、保持手段22に触れることが可能となるように構成される。移送装置は、好適には、ローラー45と保持手段22との間で作動する摩擦係止連結が、該保持手段22のスリップフリー移送を保証することが可能となるように構成してもよい。以下により詳細に再度記載するように、ローラー44が保持手段22をガイド溝53へ、およびローラー45に対してプレスする力を増大させる目的で、ウエイトを設けてもよい。
【0069】
移送装置は、シャフト52に平行な力をローラー45にかける押圧手段を含む。図4に表した設計の場合では、押圧手段は、ローラー45に取り付けられた磁石54、およびシャフト52に沿った固定された軸方向位置において設置配置56によって保持される更なる磁石55を含む。磁石54、55は永久磁石として構成されてもよい。ローラー45に取り付けられた磁石54および更なる磁石55は、それらの間で反発力が働くように設定される。磁石54、55の間の反発力は、力57がシャフト52に沿った軸方向においてローラー45に作用するということにつながる。保持手段22がガイド溝53に移動する場合、ローラー45は、シャフト52に沿った軸方向の移動を行うことができ、該ガイド溝53の端部を介して保持手段22に、移送の方向に対して横方向に力57をかける。このように、処理に供する材料21は、移送装置41によって弾性状態でテンションをかけることができる。
【0070】
異なる厚みを有する処理に供する材料21の移送、または異なる構成の保持手段の使用を可能とするためには、シャフト51をベアリング挿入部47上に設置して、シャフト52に対して移動可能とする。例えば、シャフト51は、シャフト52に対して垂直方向に移動させることができる。回転エントレインメント手段62をシャフト52に取り付ける。シャフト52からローラー45へトルクを伝達する目的で、回転エントレインメント手段62と該ローラー45との間にクラッチ64を設ける。該クラッチ64は、トルクを伝達するためのクラッチ64が係合したままで、シャフト62に沿ったローラー45の軸方向移動が可能となるように構成される。シャフト51に取り付けることは、回転エントレインメント手段62と接触して、相互のシャフト51、52の移動を制限することができるストップ要素61である。ストップ要素61および回転エントレインメント手段62は、保持手段22が、ストップ要素61および回転エントレインメント手段62が相互にベアリングである場合、ローラー45とローラー44のガイド溝53との間の介在空間へ、それらの面取端部と共に確実に移動することができるように設計される。それによって、ローラー44が保持手段22をガイド溝53へ、およびローラー45に対してプレスする力を増大させるために、ウエイト63をシャフト51に取り付ける。このように、ローラー44、45と保持手段22との間の摩擦係止連結を増強することができ、該保持手段22はローラー45のガイド溝53に固定することができる。
【0071】
図4を参照して説明してきた移送装置のローラーの対の構成に対する変更を更なる実施形態で実装することができる。例えば、保持手段22の外側面が係合するローラー45のガイド溝53の代わりに、シャフト52に沿ってローラー45に作用する軸方向の力が保持手段22に伝達される他の補完的係合部分を、移送装置に属するローラー上に、および保持手段上に設けてもよい。
【0072】
処理に供する材料21の幅方向において保持手段22に作用する力は、ローラー45を介して該保持手段22にかけてはならない。更なる実施形態において、磁石54は、例えば、ローラー45それ自体に配置することはできないが、ローラー45とは別々であって、処理に供する材料の幅方向に成分を有する力を保持手段22にかけるように構成された要素上に配置することができる。
【0073】
更なる実施形態において、移動可能なベアリングを介して間接的にというのではなく、シャフト52上に設置された永久磁石55等の磁石によって直接的に、磁石の力を保持手段22にかけてもよい。シャフト52上に設置された磁石と相互作用する永久磁石は、保持手段22に設けてもよい。シャフト52上に設置された磁石および保持手段22内の永久磁石は、処理に供する材料が幅方向にテンションがかかるように配向された成分を有する力が、該保持手段22にかかるように構成されて配置されてもよい。ローラー45は、シャフト52上に設置された磁石によって処理に供する材料21の幅方向において該保持手段22にかけられる力の作用の下で、保持手段22がシャフト52に沿って移動できる円筒形の外面を持つように構成してもよい。
【0074】
磁石54、55の代わりに、他の適切な手段を用いて、弾性状態で処理に供する材料にテンションをかける、移送面内であって、移送方向に対して横方向の成分を有する力を、保持手段22にかけてもよい。例えば、バネ状の要素を使用して、シャフト52に沿った力をローラー45にかけてもよい。
【0075】
更なる実施形態において、保持手段22を、それらの長手方向に対して横方向の、すなわち、処理に供する材料の幅方向の液の流れに曝露させて、処理に供する材料21に幅方向にテンションがかけられるような向きの力を保持手段22にかけてもよい。
【0076】
図11は、本明細書において説明されている種々の方法および装置の場合における実施形態により、隣接する保持手段22aと22bとの間の絡み合わせを具体化することは可能な、隣接する保持手段22aと22bとの間の結合176を示す。保持手段の端部部分は、力が1つの保持手段22aから隣接する保持手段22bに伝達されるように構成される。絡み合わせは、例えば、機械的結合、例えば、図11に示されたさねはぎ配置を介して行ってもよい。リーディング保持手段22aおよびトレイリング保持手段22bは相互に絡み合うという事実を通じて、(移送の方向において)処理に供する材料21の前方または後方端部上の力のピークを低下させ、好適には、完全に抑制することが可能である。絡み合わせ176の結果として、保持手段に作用する力もまた隣接保持手段によって吸収される。特に、絡み合わせの結果として、力が移送の方向5に対して横方向に、1つの保持要素22aから隣接する保持要素22bまで伝達されるように絡み合わせを行うことが可能である。絡み合わせを176は、例えば、1mm未満の小さな隙間とのフィットによって、または押圧係止による方法でも、保持手段22a、22bの適切な幾何学的設計の結果として具体化することができる。相互に連結された鎖リンクによる方法での形状係止連結でも、絡み合わせを具体化させることは可能である。
【0077】
図5は処理設備の部分を示す斜視図であり、この部分において、処理に供する材料21が処理ステーション71において処理される。保持手段22、25によって設置された処理に供する材料21は、処理設備の移送装置の部分72によって処理ステーション71まで供給され、該処理設備の移送装置の更なる部分73によって処理ステーション71から前方に移送される。移送装置の部分72、73は、図3および4を参照して説明されている移送装置41と同様に構成されてもよい。移送装置の該部分72、73は、設置されている処理に供する材料21の各位置について、処理に供する材料21が安全に前方に向かって移送され、必要な場合は、移送の方向に対して横方向にテンションがかけられるように、保持手段22、25が部分72、73の少なくとも1つに結合されるように配置してもよい。
【0078】
処理を行う処理ステーションは、例えば、処理に供する材料21の化学的処理のためのステーション、該材料を濯ぐためのステーション、または該材料を乾燥するための、または液を該材料から吹き飛ばすためのステーションであってもよい。従って、処理ステーション71に属するノズル配置は、例えば、処理に供する材料を流れに曝露させることによって、プロセス化学物質、水または気体を処理に供する材料21に供給してもよい。
【0079】
処理ステーションは、それにより、適切な処理液、例えば、プロセス化学物質、水または気体が、処理に供する材料21の中央の使用可能な領域に供給される切込領域75を有し、その領域は保持手段22、25によってマスクされていない。該切込領域75は、例えば、使用可能な領域を処理液の流れに曝露させるためのノズル配置を有してもよい。切込領域75は、処理に供する材料の中央の使用可能な領域の周辺付近に到達するが、該材料には触れない。特に、該切込領域75は、処理に供する材料21の方向に面する部分が、保持手段22、25の間に内方向に突出するように配置してもよい。
【0080】
(図5中の移送の面の下方の)切込領域75から処理に供する材料21の反対側に更なる切込領域を設けて、例えば、それを流れに曝露させることによって、処理液を該材料の反対側まで供給してもよい。処理に供する材料21の対向側に設けられた切込領域は、処理に供する材料に上方および下方から対称的に作用して、処理に供する該材料21の移送の面より低いいずれの偏位も保持するように構成してもよい。処理に供する材料21の対向側に設けられた切込領域は、該材料の上側が、該材料の幅にわたってほぼ一定である切込領域75から一定距離にあって、かつ処理に供する材料の下側が、該材料の幅にわたってほぼ一定である該材料の下側に対する処理ステーション71の対応する切込領域から一定距離にあるように構成されてもよく、そして幅方向に該材料にかけられる力の成分はこのように選択されてもよい。処理に供する材料21の対向側に設けられた切込領域は、これらの距離が等しくなるように構成されてもよく、および幅方向に該材料にかけられた力の成分はこのように選択されてもよい。
【0081】
処理に供する材料21が処理ステーション71を通って移送されている場合に、保持手段22、25が通過する空間は、切込領域75の両側に設けられる。切込領域75に沿って、処理液が、例えば、該液の流れにそれらを曝露させることによって、保持手段22、25に供給される更なる切込領域76、77を任意選択的に設けることが可能である。更なる切込領域76、77は、保持手段22、25が、同様に、特定の処理ステーションにおける処理に付されるかどうかに依存して設けてもよい。例えば、更なる切込領域76、77は、処理に供する材料が水で濯がれ、あるいは気体の流れによって乾燥される処理ステーション中に設けてもよい。他方、もしプロセス化学物質が、処理ステーションによって、処理に供する材料21へ、または保持手段によってマスクされていない材料21の使用可能な領域へ供給されている場合、保持手段のために切込領域76、77が設けられないように、処理ステーションを構成してもよい。従って、プロセス化学物質が供給される処理ステーションにおいて、そのいくつかが望まない沈積物の発生を増大させかねないプロセス化学物質で保持手段22、25が直接的にスプレーされることを回避することが可能である。
【0082】
上述のように、もし、保持手段22、25が、処理に供する材料と共に濯がれ、乾燥される場合、処理に供する材料の使用可能な領域の、該化学物質による先行する処理において該保持手段22、25に通過した微量なプロセス化学物質は、濯ぎおよび乾燥ステーションにおいて保持手段22、25から除去することができる。
【0083】
保持手段22、25の選択的に処理が、処理に供する材料の使用可能な領域が処理ステーション内のいずれかの直接的処理に付されずに、該保持手段22、25が該ステーションを通って案内される領域で行われるように、処理ステーションを構成してもよい。このように、例えば、除去すべき保持手段22、25上に残されたプロセス化学物質が除去されて、キャリーオーバーを回避することが可能である。処理に供する材料21の表面から液を除去するためには、浮遊させた状態で設けられた、特に、軸方向に変位可能となるように設けられたシリンダーを使用してもよい。
【0084】
処理液が供給される処理ステーションを通じて、保持手段によって設けられた、処理に供する材料の移送の記載は図5を参照して示したが、適切な設計を施した処理ステーションを他の処理工程のために構築してもよい。例えば、処理ステーションは、処理液、電流、エネルギー、パルスまたは放射線のうちの1つ以上を処理に供する材料に供給するように構成されてもよい。該処理ステーションは、保持手段22、25によってマスクされていない、処理に供する該材料の使用可能な領域が、処理ステーションまたは移送装置の固定された部分と接触しないように構成されてもよい。
【0085】
処理ステーション71の、図5を参照して説明してきた構成から分かるように、移送の方向と平行に延びる処理に供する材料21の端部領域における保持手段22、25の配置は、該処理ステーション71の処理液のための切込領域75が、移送手段22、25によってマスクされない処理に供する材料の使用可能な領域近くに到達できるように構成されることが可能になる。特に、処理に供する材料21からの切込領域75の距離は、保持手段22、25の寸法によって制限されない。
【0086】
実施形態による保持手段を図6および7を参照して説明する。該保持手段は処理に供する材料21を保持するのに用いることができ、処理に供する該材料21を移送する目的で、図3ないし5を参照して説明した処理設備の移送装置と共働するように構成される。
【0087】
図6は、線VI−VIによって図2および7に模式的に表される位置における保持手段22、25を通る断面図を示す。図7Aは、保持手段の第一の保持部分23の平面図であって、図7Bは該保持手段の第二の保持部分24の平面図である。図7A中の第一の保持部分23の平面図は、保持手段が閉じた状態にある場合に、第二の保持部分24の方向に向かって面する該第一の保持部分23の側面を示す。図7B中の第二の保持部分24の平面図は、保持手段が閉じた状態にある場合に、第一の保持部分23の方向に向かって面する第二の保持部分24の側面を示す。第一および第二の保持部分の、図7Aおよび7B中の下に表される端部は、図6中で左側に表され、かつ処理に供する材料とは反対を向く保持手段の側面に対応する。
【0088】
保持手段22および25は、各々、保持手段22が図6中に表される閉じた状態にある場合に、処理に供する材料21の対向側に取り付けられ、かつ処理に供する該材料21を押圧係止による方法で、保持手段22と25との間に保持する2つの別々のレール形状の保持部分23を含む。開いた状態において、保持部分23、24は、処理に供する材料21を該保持部分23、24の間に挿入することができ、または保持手段22から取り出すことができるように相互に分離されている。
【0089】
第一の保持部分23は、処理に供する材料21を保持するための接触端部82がその上に構築されるボディー81を含む。該ボディー81は、第二の保持部分24の補完的構成と共に位置決定手段として作用し、保持部分23、24を閉じた状態にある場合に相互に位置決定する溝83を有する。
【0090】
第一の保持部分23のボディー81は、高い剛性を有する材料、例えば、金属で形成された剛化コア84を有する。磁石85が該ボディー81内に配置される。磁石85は平行六面体であってもよい。コア84は、第一保持部分と第二の保持部分との間の磁気的引力を増大させるために強磁性金属から構成されてもよい。
【0091】
第一の保持部分23は更なるボディー86も含む。該更なるボディー86は、剛化コア84および磁石85が2つのボディー81、86によって完全に囲まれるようにボディー81に取り付けられる。更なるボディー86の外側表面は側面87を有する。例えば、積み込みまたは積み降ろし装置に属する係合手段が側面87に係合して、保持手段を閉じた状態および開いた状態の間において遷移させることが可能である。
【0092】
ボディー81、86は、プラスチックから、特に、処理設備で用いられる化学物質に対して不活性であるプラスチックから構成してもよい。この場合、剛化コア84および磁石85はプラスチックで完全に包まれる。更なる実施形態において、ボディー81、86は単一のプラスチックボディーとして一体的に構成してもよい。ボディー81、86は、非導電性材料から、例えば、セラミックスから、または高品質鋼から製造してもよい。
【0093】
第二の保持部分24は、突出93が第二の保持部分24の上に構築されるボディー91を含む。該突出93は、突出93を第一の保持部分23中の溝83に挿入することができ、その溝83と一緒になって、位置決定手段として働いて、閉じた状態にある場合に、相互に保持部分23、24を位置決定するように構成される。
【0094】
第二の保持部分24のボディー91は、高い剛性を有する材料、例えば、金属から作成された剛化コア94を有する。磁石95がボディー91内に配置される。コア94は、第一保持部分と第二の保持部分との間の磁気的引力を増大させるために強磁性金属から構成されてもよい。磁石95は、保持手段22が図6に表される閉じた状態にある場合に、磁石85、95の間に引力が存在するように配置される。
【0095】
第二の保持部分24は更なるボディー96も含む。該更なるボディー96は、剛化コア94および磁石95が2つのボディー91、96によって完全に囲われるようにボディー91に取り付けられる。更なるボディー96の外側表面は側面97を有する。例えば、積み込みまたは積み降ろし装置に属する係合手段が、側面97に係合して、保持手段を閉じた状態と開いた状態との間において遷移させることが可能である。
【0096】
第二の保持部分24のボディー91、96は、プラスチックから、特に、処理設備で用いられる化学物質に対して不活性なプラスチックから構成してもよい。この場合、剛化コア94および磁石95はプラスチックで完全に包まれる。更なる実施形態において、ボディー91、96は単一のプラスチックボディーとして一体的に構成されてもよい。ボディー91、96は非導電性材料から、例えば、セラミックスから、または高品質鋼から製造されてもよい。
【0097】
第一の保持部分23および第二の保持部分24は、保持部分23、24の、処理に供する材料を処理するために設備で用いられる処理液の少なくとも1つでの湿潤化が低下するように選択された材料でコーティングされてもよい。特に、コーティングは、プロセス化学物質のキャリーオーバーが低下または抑制されるように選択されてもよい。図7Aからの平面図において分かるように、第一の保持部分23は、該第一の保持部分23の、図6からの断面図に表した構造が、該部分の中央領域における隙間88によって遮断されるようにセグメント化されてもよい。該隙間88は、保持手段22が処理に供する材料21を保持している場合に、該材料の幅方向に対応する方向において第一の保持部分23を通って延びる。隙間88は、隙間88の部分が処理に供する材料を非常に多数の別々の線状部分において保持するように接触端部82を遮断する。
【0098】
図7Bからの平面図で分かるように、第二の保持部分は、該第二の保持部分24の、図6からの断面図に表される構造が、該部分の中央領域における隙間98によって遮断されるようにセグメント化されてもよい。該隙間98は、保持手段22が処理に供する材料21を保持している場合に、該材料の幅方向に対応する方向において第二の保持部分24を通って延びる。隙間98は突出93を遮断する。該隙間98は、第一の保持部分23上の隙間88の位置に対応する第二の保持部分24の長手方向に沿った位置に設けられる。保持手段22が閉じた状態にある場合、第一の保持部分23における隙間88は、第二の保持部分24における隙間98と整列される。該隙間88、98は、保持手段22が閉じた状態、すなわち、処理に供する材料21の幅方向にある場合、該保持手段22を通って横方向に延びる保持手段22を通る通路を画定する。この種の通路は、保持手段22を通っての処理に供する材料からの液の反対方向への移送を可能とする。接触端部82が隙間88に対して1mm未満だけ突出することは有利であろう。従って、保持手段22が処理に供する材料21に取り付けられる合、該材料の上方側と隙間88との間のギャップが1mm未満の高さを有することが可能であり、該高さは移送の面に対して垂直に測定される。また、突出93が、隙間98に対して1mm未満だけ突出することも有利であろう。従って、保持手段22が処理に供する材料21に取り付けられる場合、該材料の下側と隙間98との間のギャップが1mm未満の高さを有することが可能である。
【0099】
図7Aおよび7Bからの平面図で同様に分かるように、第一の保持部分23の端部領域101、102において、または第二の保持部分24の端部領域103、104において隙間88または98は設けられていない。従って、長さの単位当たりの多数の磁石85および95が、端部領域101、102、103、104において、各々、第一および第二の保持部分23、24に設けられてもよい。保持手段22が閉じた状態にある場合に、第一および第二の保持部分23、24が端部領域において一緒に保持される保持力がそれにより増大する。保持力のこの種の増加は、特に、各々、端部領域101、103と102、104との間に保持された処理に供する材料21の端部領域の確実な設置に導く。保持部分23、24は、処理に供する材料のコーナーが、各々、該端部領域101、103と102、104との間に保持されるように構成されてもよい。従って、処理に供する材料が移送されている場合に、保持手段22からの該材料のコーナーのワーキングフリーを低下、または防止することが可能である。
【0100】
更なる実施形態による保持手段の場合には、図6からの断面図に表される構成は第一および第二の保持部分の長さにわたって連続的に延びてもよく、すなわち、該第一および第二の保持部分は、それらが、液体が通過するいずれの通路も形成しないように構成することもできる。この場合、接触端部82は、処理に供する材料21の長手方向に沿って連続的に延び、材料の端部部分を、連続線上に配置された非常に多数の点において保持する。
【0101】
更なる実施形態による保持手段の場合において、保持手段が閉じた状態にある場合に、上方および下方保持部分の配置を決定する位置決定手段もまた、凹凸配置による場合と異なる方法で構築されてもよい。例えば、上方保持部分および下方保持部分は、ヒンジによって相互に連結されてもよい。これらの状況下で、該上方および下方保持部分は、移送の面に対して、相互に鏡像対称をなす設計を有してもよい。この種の保持部分は、処理に供する材料を、2つの長手方向端部の各々において設置するのに使用されてもよい。
【0102】
図8は、更なる実施形態による保持手段110の斜視図である。該保持手段は、処理に供する材料21を保持するのに使用されてもよい。それら保持手段は、該材料を機械的に保持するのみならず、材料との電気的接触を行う場合にも使用することができるように設定されている。保持手段110は、電気分解処理プラントにおける、またはメッキプラントにおいて、導体ホイールのみならず、より厚いシートとの電気的接触を行うのに用いることができる。
【0103】
保持手段110は、保持手段110が図8に表される閉じた状態で、処理に供する材料21の対向側に取り付けられた2つの別々のレール形状の保持部分111、112を含み、材料21を押圧止状態で保持部分111、112の間に保持する。開いた状態において、保持部分111、112は、処理に供する材料21を該保持部分111、112の間に挿入することができ、または保持手段110から取り出すことができるように相互に分離されている。
【0104】
第一の保持部分111は、プラスチックから、特に、処理設備で用いられるプロセス化学物質に対して不活性なプラスチックから形成されてもよいボディー113を含む。該ボディー113は、非導電性材料、例えば、セラミックスまたは高品質鋼を含んでもよい。磁石114がボディー113に包埋されている。第二の保持部分112は、プラスチック、特に、処理設備で用いられるプロセス化学物質に対して不活性なプラスチックから構成されてもよいボディー123を含む。ボディー123は非導電性材料、例えば、セラミックスまたは高品質鋼を含んでもよい。磁石124はボディー123に包埋されている。磁石114、124は、保持手段110が図8に表される閉じた状態にある場合に、それらの間に引力が存在するように配置される。
【0105】
第一の保持部分111は、第二の保持部分112上の対応する突出と共働して、保持手段110が閉じた状態にある場合に、保持部分111、112の相対的位置決定を決定する溝を有する。第一の保持部分111の側面、および第二の保持部分112の側面は、例えば、保持手段を閉じた状態から開いた状態に遷移させる目的で形態係止係合を可能とするような側面とされる。保持手段110を通って横方向に延びて、該保持手段110を通っての処理に供する材料21からの液を反対方向に移送することを可能とする通路130を、保持手段111に構成してもよい。これらの設計の特徴は、図6および7を参照して記載されている保持手段22の特徴的な構成に対応するため、更なる参照は該図面の描写に対して行ってもよい。
【0106】
第一の保持部分111のボディー113に配置されるものは、表された保持部分111の場合に、三角形の設計を有する導電性材料115である。該導電性材料115は、例えば、金属であってもよい。導電性材料115の部分は、保持手段110が図8に表される閉じた状態にある場合に、導電性材料115が、導電性材料115の端部に形成された接触面116で処理に供する材料21に触れるようにボディー113から突出する。該接触面116は、処理に供する材料21を機械的に保持し、かつ該材料との電気的接触を行う双方のために機能してもよい。接触面116には、導電性材料115、例えば、高品質金属、混合酸化物または電導性エラストマーとは異なる材料から形成されてもよいコーティングを設けてもよい。
【0107】
導電性材料115に導電性状態で連結されている更なる導電性接触面117を保持部分111の外側面に設け、導電性接触面117の外側表面は、保持手段110が図8に表される閉じた状態にある場合に、(図8において上方面である第一の保持部分111のその面上の)外側に向けて露出される。該更なる電気的接触面117は、導電性材料115、例えば、高品質金属、混合酸化物または電導性エラストマーとは異なる材料から構成されてもよい。更なる電気的接触面用の材料は、特に、更なる電気的接触面117とそれにより電流が処理設備内に供給される接触要素118との間に低抵抗接触が存在するように選択されてもよい。該更なる電気的接触面117は、接触要素118が、処理設備内で、電気的接触面117に対して電流を供給する目的で更なる電気的接触面117にプレスされる接触要素118の接触面119よりも、第一の保持部分111の長手方向に対して横方向に、すなわち、処理に供する材料21の幅方向により広くなるように構成されてもよい。
【0108】
第一の保持部分111は、接触面116および更なる接触面117が平坦な構成となるように構成されてもよい。更なる実施形態において、接触面116および更なる接触面117のうちの少なくとも一方は凸の形状を有してもよい。特に、接触面116および更なる接触面117は、処理に供する材料21、または接触要素118の接触面119が、平面状の構成の接触面よりも小さな面積にわたって、但しより大きな垂直力にて触れるような凸の形状で構成されてもよい。
【0109】
第二の保持部分112のボディー123に配置されることは、表された保持部分112の場合において、長方形状を有する導電性材料125である。該導電性材料125は、特に、金属であってもよい。導電性材料125の部分は、保持手段110が図8に表される閉じた状態にある場合に、その端部に構築された接触面126で処理に供する材料21に触れるようにボディー123から突出する。該接触面126は、処理に供する材料21を機械的に保持し、かつ該材料との電気的接触を行う双方のために働いてもよい。接触面126には、導電性材料125、例えば、高品質の金属、混合酸化物または電導性エラストマーとは異なる材料から構成されてもよいコーティングを設けてもよい。
【0110】
導電性材料125に導電性状態で連結された更なる導電性接触面127は保持部分112の外側面に設けられ、その外側面は、保持手段110が図8に表される閉じた状態にある場合、(図8中の下面である第二の保持部分112のその面上の)外側に向けて露出されている。該更なる電気的接触面127は、導電性材料125、例えば、高品質金属、混合酸化物または電導性エラストマーとは異なる材料から構成されてもよい。更なる電気的接触面127用の材料は、特に、更なる電気的接触面127とそれによって面電流が処理設備内に供給される接触要素128との間に低抵抗接触が存在するように選択されてもよい。該更なる電気的接触面127は、更なる電気的接触面127が、接触要素128の接触面129よりも、第二の保持部分112の長手方向に対して横方向に、すなわち、処理に供する材料21の幅方向により広くなるように構成されてもよく、その面は、処理設備内で、電流供給の目的で更なる電気的接触面127にプレスされる。
【0111】
第二の保持部分112は、接触面126および更なる接触面127が平坦な構成のものとなるように構成されてもよい。更なる実施形態において、接触面126および更なる接触面127のうちの少なくとも一方は、各々、凸の形状を有してもよい。特に、接触面126および更なる接触面127は、処理に供する材料21、または接触要素128の接触面129が、平面状構成の接触面よりもより小さな面積にわたり、但しより大きな垂直力によって触れるような凸形状で構成してもよい。
【0112】
第一の保持部分111内の導電性材料115、および第二の保持部分112内の導電性材料125は、保持手段110の長手方向に沿って遮断されてもよい。従って、該第一および第二の保持部分111、112は、それらの長手方向に沿って、各々、導電性材料115および125の多数のセグメントを有してもよい。別の方法として、導電性材料115および125のうちの少なくとも一方が第一および第二の保持部分111、112の少なくとも一方にピン形状で設けられてもよい。更なる変更において、処理に供する材料21の方向に、第一の保持部分111または第二の保持部分112から突出する導電性材料115、125の部分は、セグメント化した状態で、または多数のピンの形態で構成されてもよい。このように構成された接触面は、処理に供する材料21との十分な接触を首尾よくもたらすことができる。セグメントまたはピンは相互に間隔を設けて配置してもよく、あるいは列にて相互に近付けて配置してもよい。
【0113】
保持手段110によって設置された処理に供する材料21は、電気化学的処理ステーション内で、外側に向けて露出された接触面117、127に対して接触要素118、128がプレスされる処理設備を通って移送することができる。接触要素は、例えば、クリップの形態の従来の接触要素であってもよい。該接触要素はローラー形状の、またはディスク形状の構成のものであってもよい。接触要素118、128は、特に、大きさの点では等しい大きさであるが、反対方向に向かって配向された力によって、保持手段110の接触面117、127に対してプレスされてもよい。
【0114】
更なる実施形態において、保持手段110は、図8に表した、隙間、および保持手段110が閉じた状態にある場合に、上方保持部分111および下方保持部分112に係合する突出の代わりに、上方保持部分111および下方保持部分112を相互に連結させ、それらを相互に位置決定するヒンジが設けられるように構成されてもよい。
【0115】
図6ないし8を参照して説明してきた、処理に供する平坦な材料のための保持手段22、110は、低い固有の剛性を有する処理に供する薄い材料を移送するのに使用されてもよいが、該保持手段22、110は、より厚い基板を設置すること、および該基板と接触させることのうちの少なくとも一方に使用することもできる。例えば、本発明による保持手段110は、たとえプリント基板がプリント基板の幅方向にテンションがかけられる必要が無いような高い固有の剛性を有しても、亜鉛メッキした設備などを通ってプリント基板を移送するのに使用することもできる。
【0116】
図9は、実施形態による積み込み装置140の斜視図である。該積み込み装置140は、図1からの設備1に属する積み込み装置10として使用してもよい。
積み込み装置140は、第一および第二の保持部分23、24を有する保持手段22を、処理に供する平坦な材料21に取り付けるように構成される。該積み込み装置140は、支持プレート141として構成されてもよい支持手段を含む。該支持プレート141は開口プレートとして構成されてもよい。支持プレート141は、(図示せず)作動装置によって鉛直方向に調整可能である。積み込み装置140は、フレーム144に枢動可能に設置された2つのフラップ142、143も含む。フラップを開閉する目的で、空気圧装置151、152が設けられる。
【0117】
複数の案内装置147が2列でフレーム143に配置される。該案内装置147は、保持手段22の第二の保持部分24を受け取り、該保持手段22が前方に移送される場合にそれを案内するように構成される。複数の案内装置145は、各場合において、フラップ142、143の各々に列にて配置される。案内装置147は、保持手段22の第一の保持部分23を受け取り、該保持手段22が前方に移送される場合に保持手段22を案内するように構成される。案内装置147および案内装置145は、特に、フラップ142、143が閉じた状態にある場合に、案内装置145の1つが、各場合において、案内装置145の1つの鉛直方向上方に存在するように配置してもよい。
【0118】
積み込み装置140は、第一および第二の保持部分23、24が相互に触れる第一および第二の保持部分23、24の閉じた状態と、処理に供する材料21を該保持手段22に挿入することができる第一および第二の保持部分23、24の開いた状態との間において保持手段22を遷移させるように構成される。この目的では、案内装置147は、フラップ142、143が開いた場合に、それが第一の保持部分23と組み合わされて移動しないように、第二の保持部分24を案内装置147に固定するように構成されてもよい。案内装置145は、フラップ142、143が開かれた場合に、案内装置145がフラップ142または143と組み合わされて第二の保持部分24とは反対方向に向かって移動するように、第一の保持部分23を該案内装置145に固定するように構成されてもよい。
【0119】
もし第一および第二の保持部分が輪郭外側表面を有する場合、案内装置147は、フラップ142、143が開かれた場合に、第二の保持部分24を形態係止状態で保持する係合手段148を有してもよい。該係合手段は、例えば、その側面が、例えば、V形状の突出の形態で、第二の保持部分24の横方向の側面に対して相補的である外側端部を有するディスク148、または多数のディスク148を含んでもよい。特に、案内装置147の各々は、第二の保持手段24の外側面に対して相補的である外側面を持つ少なくとも2つのディスク148を有してもよく、該2つのディスク148は該第二の保持部分24の対向する外側面と係合するようになる。同様に、案内装置145の各々は、第一の保持部分23を形態係止状態で保持する係合手段146を有してもよい。該係合手段は、例えば、その側面が、例えば、V形状の突出の形態で、第一の保持部分23の横方向の側面に対して相補的である外側端部を有するディスク146または多数のディスク146を含んでもよい。特に、案内装置145は、第一の保持部分23の外側面に対して相補的な外側面を持つ少なくとも2つのディスク146を有してもよく、該2つのディスク146は、該第一の保持部分23の対向する外側面と係合するようになる。
【0120】
積み込み装置140の操作を次に説明する。動作サイクルの最初において、フラップ142、143は閉じられており、保持部分23、24は案内装置145、147には位置していない。保持手段22は、閉じた状態において、案内装置145、147によって画定されるガイドに導入される。保持手段22が案内装置145、147によって画定されるガイドに完全に導入される場合、空気圧装置151、152はフラップ142、143を開くように作動される。プロセスにおいて、係合手段148は、第二の保持部分24を案内装置147に保持し、係合手段146は、第一の保持部分23を案内装置145に保持する。フラップが開けられた場合、保持手段22は、対応して、開いた状態に遷移される。
【0121】
フラップ142、143は、案内装置147によって保持される2つの第二の保持部分24の間で、ロボット等によって処理に供する材料21が配置されることを可能にするように十分に大きく開かれる。処理に供する材料21が配置される前に、支持プレート141は、第二の保持部分24上に配置された該材料を支持することが可能な位置まで鉛直方向に移動される。該プロセスにおいて、支持プレートの表面は、それが、処理に供する材料21がその上に配置される第二の保持部分24の受取領域を備えた1つの面に位置されるように配置されてもよい。
【0122】
空気圧装置151、152の更新された作動の結果として、フラップ142、143は閉じられて、該フラップ142、143上に保持された第一の保持部分23を、再度、第二の保持部分24と接触させる。従って、保持手段は、第一の保持部分23と第二の保持部分24との間に、長手方向に延びるその端部領域において、処理に供する材料21が保持される状況下で、閉じた状態に遷移される。
【0123】
保持手段22が閉じた状態に遷移された後、支持プレート141は降下される。該保持手段22によって保持された、処理に供する材料は積み込み装置140から外側に向かって移送される。これは、例えば、案内装置147上のディスク形状の係合手段148を回転した状態で駆動すること、および案内装置145上のディスク形状の係合手段146を回転した状態で駆動することの少なくとも一方によって行うことができる。
【0124】
1つの実施形態において、処理に供する材料の1つの長手方向端部に取り付けられた保持手段を案内する少なくとも1つの案内装置145または147に属するディスク形状の係合手段および処理に供する材料の他の長手方向端部に取り付けられた更なる保持手段を案内する少なくとも1つの更なる案内装置145または147に属するディスク形状の係合手段は、該保持手段を移送する目的で回転した状態で駆動される。実施形態において、図1からの設備1において積み込み装置140を用いる場合、移送の方向に、すなわち、緩衝装置12に隣接して、最も外側の位置に配置された少なくとも1つの案内装置145または147に属するディスク形状の係合手段が、処理に供する材料の各側において、回転した状態で駆動される。更なる実施形態において、全ての案内装置147に属するディスク形状の係合手段は回転した状態で駆動されて、保持手段を移送し、これにより、保持手段の上に設置された処理に供する材料を移送する。各場合において、対応する案内装置に属する全てのディスク形状の係合手段は、保持手段を移送する目的で駆動されてもよい。実施形態において、ディスク形状の係合手段のいくつかのみが、案内装置の各々において駆動され、例えば、外側の保持手段に対して休止するそれらのディスク形状の係合手段は、すなわち、処理に供する材料と反対の方向を向く案内装置147側に設けられる。
【0125】
保持手段22を確実に案内するためには、案内装置147および145は、相互に変位可能な、各々、2つの両側板を有してもよい。第二または第一の保持部分の少なくとも1つの部分を挿入することができる窪みが、各々両側板153と154との間に設けられる。移動装置155が両側板153および154の少なくとも1つに結合されて、該両側板を相互に調整する。移動装置155は、例えば、両側板の内の内側板153に結合された空気圧装置として構成してもよい。該移動装置は、両側板に取り付けられた、各々、ディスク形状の係合手段148および146が、案内装置中で案内される保持手段の保持部分に対してプレスされるように相互に両側板153、154を調整することができる。もし対応する案内装置におけるディスク形状の係合手段が回転した状態で駆動されて、保持手段を移送の方向に移送する場合、移動装置155は、ディスク形状の係合手段が回転した状態で駆動された場合に、保持手段22が、案内装置に属する係合手段と該保持手段22との間の摩擦係止連結の結果として移動するように、両側板153、154を調整するように構成されてもよい。別の方法として、または追加的には、案内装置に属するディスク形状の係合手段と保持手段との間の形態係止連結は、ディスク形状の係合手段が回転される場合に、該保持手段が移動されるように設けられてもよい。
【0126】
図9に表した実施形態において、案内装置は、移送の方向に保持手段を案内し、そしてフラップが開かれて、該保持部分を相互に分離する場合に保持手段の保持部分を固定する、双方のために用いられるが、別々の装置をこれらの機能のために設けてもよい。例えば、ピン形状の係合手段を設けて、フラップが開かれた場合に、案内装置が移送の方向での移送の間に保持手段を案内しつつ、該保持手段は相互に分離されるように、保持手段の保持部分を固定してもよい。
【0127】
空気圧装置151、152はフラップ142、143を開き、これにより、第二の保持部分24に係合している係合手段148に対して、第一の保持部分23と係合している係合手段146を移動させる移動手段として作用する。空気圧装置151、152は、加えられる力、またはフラップ142、143に作用するトルクが、各場合において、該フラップ142、143の開く角度が増大するにつれて減少するように構成し、作動させてもよい。例えば、第一の力を第一の経路にかけて、フラップ143の初期の開きを生じさせ、プロセスにおいて、保持手段22の保持部分23、24を相互に切り離すことができる空気圧ラム151を設けてもよい。フラップ143の進行中の開口は、更なる空気圧装置152、または空気圧ラム151よりも長い経路にわたって作動できるが、より小さな力を加えるだけの他のアクチュエーターによって行ってもよい。
【0128】
図9を参照して記載されている積み込み装置140に対する変更を更なる実施形態で行ってもよい。例えば、保持手段22の、第一および第二の保持部分23、23をそれぞれ保持する係合手段は、それらが該第一および第二の保持部分を押圧係止状態で保持して、該保持部分を閉じた状態から開いた状態に遷移するように構成されてもよい。例えば、鉛直方向に調整可能な支持ブレート141の代わりに、例えば、保持手段が開いた状態にある場合に、処理に供する材料21を支持する目的で空気クッションを生じさせる装置を用いてもよい。保持手段22は閉じた状態に遷移する前に、保持手段22に移送の面と平行な曲げ応力がかけられる状態に補正してもよい。
【0129】
図9を参照して説明してきた装置は、積み込み装置としてのみならず、積み降ろし装置としても用いてもよい。その場合、上述の機能発揮の順序は、保持手段によって保持された処理に供する材料が装置に供給され、および該保持手段が閉じた状態から開いた状態に移されて、処理に供する材料を保持手段から取り外すことができるように逆行させる。この種の積み降ろし装置は、図1からの設備1においてアンローラ13として使用してもよい。
【0130】
図10は、緩衝装置12として、または図1からの処理設備における緩衝装置14として用いることができる緩衝装置160の斜視図である。
該緩衝装置は、積み込み装置から送られたまたは積み降ろし装置に供給されるべき、処理に供する材料を受け取る以外の更なる仕事を果たすように構成されてもよい。緩衝装置160の場合において次に説明するように該緩衝装置は、長手方向端部に沿って保持手段によって保持される処理に供する材料に、移送の方向に対して横方向にテンションをかけることができ、他方、緩衝装置は処理に供する該材料を積み込み装置からプロセスラインに移送する。別の方法として、または追加的には、緩衝装置は、連続基板または処理に供する材料の間の距離を設定されるように構成してもよい。該緩衝装置は、該保持手段が移送の方向に沿って同一位置に配置され、すなわち、同期されるように、処理に供する材料の対向長手方向端部に取り付けられた保持手段の間の同期を設定するように構成されてもよい。
【0131】
緩衝装置160は、フレーム161に取り付けた、移送装置の第一のグループ162、および移送装置の第二のグループ163を有する。移送装置の第一および第二のグループ162、163における移送装置の各々は、処理に供する材料21を保持している保持手段22を前方へ案内し、および移動させるように構成される。その目的で、移送装置の各々は、保持手段22を受け取るための対応するガイド溝を有する。回転可能に設置された駆動ディスク165、168が、移送装置中のガイド溝に沿って設けられる。該駆動ディスクはガイド溝の対向側に対で配置してもよい。保持手段は、駆動ディスクが回転した状態で駆動する結果として移送の方向に移動される。例えば、移送装置の各々における少なくとも1つの駆動ディスクは回転した状態で駆動され、保持手段を移動させてもよい。1つの実施形態において、各移送装置における1対の駆動ディスクが駆動され、そのディスクはディスクの外側で、すなわち、処理に供する材料とは反対の方向を向く移送装置側で、保持手段に対して休止される。保持手段によって保持された処理に供する材料は、該保持手段の移動の結果として前方に移送される。緩衝装置160においてさえ、処理に供する材料の移送は、移送装置164、166、167、169によって処理に供する該材料が設置される保持手段が移動されることにより行われる。
【0132】
移送装置の各々は、相互に変位でき、その間でガイド溝172が構成される2つの両側板173および174を有してもよい。移動装置175は両側板173または174の少なくとも1つに結合され、該両側板を相互に調整する。駆動ディスクの対が、両側板の各々に設けられてもよい。移動装置175は、例えば、両側板の内側板173に結合される空気圧装置として構成されてもよい。該移動装置は、該両側板に取り付けられた駆動ディスクが、ガイド溝に配置された保持手段の保持部分に対してプレスされるように相互に両側板173、174を調整することができる。移動装置175は、駆動ディスクが回転した状態で駆動される場合に、保持手段22が該駆動ディスクと該保持手段22との間の摩擦係止連結の結果として移動されるように、両側板173、174を調整するように構成されてもよい。
【0133】
別の方法として、または追加的には、駆動ディスクと保持手段22との間の形態係止連結が、駆動ディスクが回転されると該保持手段22が移動されるように設けられてもよい。
【0134】
移送装置のグループ161、162に属する移送装置は、保持手段によって保持された処理に供する材料が移送されている場合に、処理に供する該材料は、その対向する長手方向端部に保持する該保持手段との間の距離を徐々に増大するように設けられてもよい。その目的では、移送装置は、移送装置166、168中のガイド溝の間の距離が、移送装置164、167中のガイド溝の間の距離よりも長くなるように配置されてもよい。処理に供する材料に対して横方向に取り付けられた2つの保持手段のために設けられた移送装置のガイド溝の間の距離は、移送の方向に沿って増加してもよい。このように、処理に供する材料がプロセスラインに対する積み込み装置によって、プロセスラインに移送されている間、処理に供する材料には緩衝装置160内にて徐々にテンションがかけられてもよい。
【0135】
緩衝装置160内の保持手段の移動をモニターするために、対応する移送装置を通っての保持手段の通過を検出するセンサー170が、該移送装置に設けられる。更なるセンサー171が、基板の間の距離を設定するために設けられる。該センサー171は、例えば、連続基板上の保持手段、または処理に供する材料の間の実際の距離を検出してもよい。連続基板に取り付けられた保持手段は、所望の理想的距離が設定されるように検出された実際の距離に依存して前方に移動されてもよい。
【0136】
種々の実施形態による装置、方法および保持手段は、低い固有の安定性を有する、またはデリケートな表面を有する処理に供する材料の安全な移送が可能となるように、処理に供する材料を、該材料の化学的処理用および電気化学的処理用の少なくとも一方の設備内に移動させることを可能とする。
【0137】
図面に表され、かつ詳細に記載されている実施形態に対する多数の変更を他の実施形態で実施することができる。
図3および4を参照して記載されている移送装置において、移動可能なベアリングは、処理に供する材料の2つの側に設けられた保持手段を弾性により外側にプレスするが、1つの変更においては、処理に供する材料の1つの長手方向端部に取り付けられた保持手段のための移動可能なベアリングを設けることが可能であり、他方、処理に供する該材料の他の長手方向端部に取り付けられた保持手段のために固定されたベアリングが設けられる。更なる実施形態において、移送の方向に対して横方向に、かつ移送の面内で、処理に供する材料に作用する力を、機械的ベアリングによってではなく、例えば、移送の該方向に対して横方向に流れる液の流れによって生じさせてもよい。
【0138】
移送ローラーを有する移送装置は実施形態との関連で記載してきたが、他の移送手段を他の実施形態で用いてもよい。例えば、移送装置は回転する鎖を有してもよい。保持手段の該回転鎖へのフッキングを可能とする係合部分が、処理に供する材料をその長手方向端部に保持する保持手段上に構成されてもよい。
【0139】
移送の方向に対して横方向であって、移送の面内にて、処理に供する材料に作用する力の成分は、移送装置によって供給される必要はない。更なる実施形態において、例えば、処理に供する材料の対向する長手方向端部に作用する2つの保持手段に結合され、かつ該保持手段を相互に反対方向にプレスするバネ状要素を設けてもよい。従って、保持手段およびバネ状要素対は長手方向端部において処理に供する材料を安定化させ、かつ該材料に幅方向にテンションをかけるフレームを形成する。バネ状要素は、処理に供する材料の対向する長手方向端部に作用する保持手段との間に、該材料の長手方向に延びてもよい。該バネ状要素とは、それらが比較的薄く、例えば、3mm未満の厚みを有するように構成されてもよい。
【0140】
なお更なる実施形態において、処理に供する材料の対向する長手方向端部に作用する2つの保持手段に結合され、かつ該保持手段を相互に反対方向にプレスするバネ状要素を設けてもよい。バネ状要素は比較的薄くてもよく、例えば、3mm未満の厚みで構成されてもよい。保持手段の各々は、処理に供する材料の長手方向に間隔が設けられた多数の部分にセグメント化されてもよい。処理手段の各々の部分の間に、対応する保持手段の部分を、処理に供する材料の長手方向に相互に反対の方向にプレスする更なるバネ状要素を設けてもよい。バネ状要素および更なるバネ状要素を有する保持手段の部分は、長手方向および幅方向の双方の方向に処理に供する材料にテンションをかけることができる完全に弾性のフレームを形成する。
【0141】
保持手段を処理に供する材料の両長手方向端部に取り付けられて、処理に供する材料を保持してもよいが、更なる実施形態においては、処理に供する該材料を長手方向端部に沿って少なくとも2つの点において保持する保持手段が移送の方向と平行に延びる、処理に供する材料の端部領域の1つの領域に対してのみ取り付けられてもよい。
【0142】
処理に供する材料が移送の水平面内で移動される設備関係で実施形態について記載してきたが、もし処理に供する材料が鉛直方向に配向された状態で移送される場合、該装置および方法を同様に使用することができる。
【0143】
処理に供する材料は、その材料が移送されている間、処理液に浸漬されてもよい。種々の実施形態による移送装置および保持手段を、浸漬された処理に供する材料の場合においてでも適切な状態で使用してもよい。
【0144】
低い固有の安定性を有する処理に供する材料の移送は、本発明の実施形態を好適に使用することができる1つの適用分野である。
追加的には、特に、移送の間に移送の方向に対して横方向にテンションがかからないような高い固有の安定性を有するプリント基板等を移送するために、本発明による保持手段がやはり使用されることは可能である。例えば、請求項22ないし24に示され、かつ図8からの実施形態を参照して詳細に記載してきたような本発明による保持手段は、電気分解設備内当での基板または処理に供する他の材料を移送するのに広く用いることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理に供する材料(21)の化学的処理用および電気化学的処理用のうちの少なくとも一方の設備内で前記処理に供する平坦な材料(21)を移送する方法であって、前記処理に供する材料(21)は、移送面における移送方向に向かって移送される、前記方法であって、
前記処理に供する材料(21)の端部領域の少なくとも2つの点において前記材料を保持する保持手段(22;110)を前記処理に供する材料(21)に取り付けることであって、前記処理に供する前記材料(21)が移送されている場合、前記端部領域は、移送方向(5)に沿って配向される、前記保持手段(22;110)を前記処理に供する材料(21)に取り付けること、
前記保持手段(22;110)を移送方向(5)に移動させて、前記処理に供する材料(21)を移送することを含み、
前記処理に供する材料(21)の移送の少なくとも一部において、移送面において存在し、かつ移送方向(5)に対して横方向に配向される成分(6、7)を有する力が、前記処理に供する材料(21)の少なくとも1つの領域に加えられる、方法。
【請求項2】
前記処理に供する材料(21)の移送の少なくとも一部において、前記力(6、7)が前記保持手段(22;110)に対して、移送面における移送方向(5)の横方向に加えられる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
更なる保持手段(25)が前記処理に供する材料(21)を前記材料(21)の更なる端部部分において保持し、かつ前記力(6,7)が前記保持手段(22)および前記更なる保持手段(25)に対向する方向に加えられる、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記保持手段(22;110)に、または前記保持手段(22)および更なる前記保持手段(25)に作用する力(6,7)が、前記処理に供する材料(21)の特性、特に、前記処理に供する材料(21)の最大限に許容可能な変形に依存して選択される、請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
前記保持手段が、移送方向(5)と平行に、前記処理に供する材料(21)にテンションをかける、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記保持手段(22;110)によって前記処理に供する材料(21)が保持される端部領域が、前記処理に供する材料(21)の幅(B)よりも小さく、且つ移送方向(5)に対して横方向の最大伸張(BR)を有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記処理に供する材料(21)との電気的接触が電気化学的処理のために前記保持手段(110)を介してなされる、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
処理液が前記処理に供する材料(21)に適用される処理ステーションの領域(75)を通って前記保持手段(22;110)が案内されるように、前記保持手段(22;110)に設置された前記処理に供する材料(21)が、湿式化学的処理ステーションを通って移送される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
保持手段(22;110)に設置された前記処理に供する材料(21)が前記保持手段(22;110)と共に、前記処理に供する材料(21)を濯ぎおよび乾燥のうちの少なくとも一方を行うための領域(75−77)を通って案内される、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記保持手段(22;110)に設置された前記処理に供する材料(21)が、前記処理に供する材料(21)の使用可能な領域が、設備内での移送中に前記設備の要素が接触しないように移送される、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記処理に供する材料が、低い固有の剛性を有する処理に供する材料(21)、特に、ホイールであるか、またはプリント基板である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
処理に供する平坦な材料(21)を移送するための保持手段であって、
前記保持手段は、前記処理に供する材料(21)を移送方向(5)に沿って移送するために、前記処理に供する材料(21)を、前記材料の端部領域の少なくとも2つの点にて保持するように構成され、かつ前記処理に供する材料(21)の化学的処理用および電気化学的処理用の少なくとも一方の設備に属する移送装置(41)に脱着可能に結合されるように構成され、
前記保持手段(22;110)が前記処理に供する材料(21)を保持し、
前記保持手段(22;110)が移送装置(41)に結合される状態にあり、
前記保持手段(22;110)が前記処理に供する材料(21)を保持する前記処理に供する前記材料(21)の端部領域が、移送方向(5)に沿って伸びている、保持手段。
【請求項13】
前記処理に供する材料(21)を保持する少なくとも1つの保持部分(82;116、126)であって、前記保持手段(22;110)が移送装置に結合した状態にある場合、移送方向(5)に対応する方向に沿って延びる前記少なくとも1つの保持部分(82;116、126)、又は
前記処理に供する材料(21)を保持する複数の保持部分(82;116、126)であって、前記保持手段(22;110)が移送装置に結合される状態にある場合、移送方向(5)に対応する方向に沿って配置される前記複数の保持部分(82;116、126)を含む請求項13に記載の保持手段。
【請求項14】
第一の保持部分(23;111)および第二の保持部分(24;112)を含み、
前記第一の保持部分(23;111)および第二の保持部分(24;112)は、前記処理に供する材料(21)を設置するための閉じた状態、および前記処理に供する前記材料(21)を挿入するための開いた状態を有し、かつ閉じた状態にある場合、前記処理に供する材料(21)を、第一の保持部分(23;111)と第二の保持部分(24;112)との間に、少なくとも、押圧係止連結、特に摩擦係止連結によって保持するように構成された、請求項12または13に記載の保持手段。
【請求項15】
前記保持手段(22;110)が閉じた状態にある場合、前記第一の保持部分(23;111)と前記第二の保持部分(24;112)との間に掃引力を発生させるための押圧手段、特に、少なくとも1つの磁石の対(85、95;114、124)を含む請求項14に記載の保持手段。
【請求項16】
第一の保持部分が、閉じた状態において、第二の保持部分の方向に向かって突出して、前記処理に供する材料(21)を押圧係止状態で保持する接触端部(82)を有する、請求項14および15に記載の保持手段。
【請求項17】
閉じた状態にある場合に、相互に所定の配置である第一の保持部分(23;111)および第二の保持部分(24;112)を位置決定する位置決定手段(83、93)を含む請求項14ないし16のいずれか1項に記載の保持手段。
【請求項18】
前記保持手段(22;110)が前記移送装置に結合している状態にある場合、前記保持手段(22;110)が、前記処理に供する前記材料(21)の幅(B)より小さな距離(BR)にわたって、且つ移送方向(5)に対して垂直に前記処理に供する材料(21)に重なるように構成される、請求項12ないし17のいずれか1項に記載の保持手段。
【請求項19】
高い剛性を有する材料(94、94;115、125)、特に、金属コアを含む請求項12ないし18のいずれか1項に記載の保持手段。
【請求項20】
液用の通路(88、89;130)が形成された保持レール(23、24;111)を含む請求項12ないし19のいずれか1項に記載の保持手段。
【請求項21】
前記保持手段は、プラスチック材料(81、86;91、96)、特に、設備で用いられる処理化学物質に対して不活性であるプラスチック材料で被覆される、請求項12ないし20のいずれか1項に記載の保持手段。
【請求項22】
前記処理に供する材料(21)との電気的接触を行うように構成される、請求項12ないし20のいずれか1項に記載の保持手段。
【請求項23】
前記処理に供する材料(21)に触れるように構成された少なくとも1つの導電性接触面(116:126)と、
導電性の状態で前記少なくとも1つの導電性接触面(116:126)に対して接続されたさらなる導電性接触面(117;127)であって、前記保持手段(22;110)が前記処理に供する材料(21)を保持する場合に、外部電源に結合できるように配置される前記さらなる導電性接触面(117;127)を含む請求項22に記載の保持手段。
【請求項24】
前記保持手段(22;110)によって前記処理に供する材料(21)が保持される場合に、前記さらなる導電性接触面は、前記保持手段(22;110)の対向側に配置された2つの部分(117;127)を有する、請求項23に記載の保持手段。
【請求項25】
処理に供する前記材料(21)の化学的処理用および電気化学的処理用の少なくとも一方の設備(1)のために、保持手段(22;110)が端部領域に沿って取り付けられた前記処理に供する平坦な材料(21)を移送するための装置であって、移送面において移送方向(5)に向かって前記処理に供する材料(21)を移送するように構成される前記装置であって、
前記保持手段(22;110)に脱着可能な状態で結合することができ、かつ前記保持手段(22;110)に取り付けられた前記処理に供する材料(21)と共に、移送方向(5)に向かって前記保持手段(22;1110)を移動させるように構成された移送手段(44、45)を含み、
前記処理に供する材料(21)の移送の少なくとも一部分において、移送面において存在し、かつ移送方向(5)に対して横方向に配向された成分(6、7)を有する力を、処理に供する材料(21)の少なくとも1つの領域に加えるように構成される装置。
【請求項26】
移送面において移送方向(5)に対して横方向に配向された力(57)を、前記保持手段(22;110)にかけるテンション手段(45、54、55)を含む請求項25に記載の装置。
【請求項27】
前記テンション手段が、前記保持手段(22;110)を案内するための移動可能なベアリング(45)を含む、請求項26に記載の装置。
【請求項28】
前記移送手段が、移動可能なベアリング(45)が取り付けられた駆動シャフト(52)を含む、請求項27に記載の装置。
【請求項29】
前記テンション手段が押圧手段(54、55)、特に、少なくとも1つの磁石を含んで、移送方向(5)に対して横方向に、移動可能なベアリング(45)に力(57)を加える、請求項27または28に記載の装置。
【請求項30】
前記移送手段が、前記保持手段(22;110)を移動可能なベアリング(45)に対してプレスするように構成された押圧適用手段(44)を含む、請求項27ないし29のいずれか1項に記載の装置。
【請求項31】
更なる保持手段(25)によって更なる端部領域に沿って設置された処理に供する材料(21)を移送するように構成され、
移送面において移送方向(5)に対して横方向に配向された力を、前記更なる保持手段(25)に加えるように構成された更なるテンション手段(45’)を含む請求項26ないし30のいずれか1項に記載の装置。
【請求項32】
前記テンション手段および前記更なるテンション手段が、前記保持手段(22)および前記更なる保持手段(25)に力(6、7)を対向方向に加えるように構成された、請求項31項に記載の装置。
【請求項33】
処理に供する前記材料(21)の化学的処理用および電気化学的処理用のうちの少なくとも一方の設備のための前記処理に供する平坦な材料(21)を移送するシステムであって、
請求項25ないし32のいずれか1項に記載の装置(41)と、
前記処理に供する材料(21)の端部領域に結合することができる保持手段(22;110)とを含み、
前記装置の移送手段は脱着可能な状態にて保持手段(22;110)に結合されている、システム。
【請求項34】
前記保持手段(22;110)が、請求項12ないし24のいずれか1項に記載の保持手段として構成された、請求項33に記載のシステム。
【請求項35】
処理に供する材料(21)の化学的処理用および電気化学的処理用のうちの少なくとも一方の設備のための積み込みまたは積み降ろし装置(140)であって、保持手段(22;110)によって端部領域に沿って設置された前記処理に供する平坦な材料(21)を移送するための装置を有する前記積み込みまたは積み降ろし装置であって、
前記処理に供する材料(21)を保持するための閉じた状態と開いた状態との間で保持手段(22;110)を遷移させるように構成され、
前記保持手段(22;110)が開いた状態に遷移される場合、前記処理に供する前記材料(21)を支持する支持装置(141)を含む積み込みまたは積み降ろし装置。
【請求項36】
閉じた状態の保持手段(22;110)を受け取り、保持手段(22;110)を閉じた状態から開いた状態に遷移させ、次いで、保持手段(22;110)を閉じた状態に戻し、且つ保持手段(22;110)を閉じた状態で通過させるように構成された請求項35に記載の積み込みまたは積み降ろし装置。
【請求項37】
前記保持手段(22;110)の第一の保持部分(23)との係合のための第一の係合手段(146)、前記保持手段(22;110)の第二の保持部分(24)との係合のための第二の係合手段(148)、および前記第一の係合手段(146)および前記第二の係合手段(148)の相対的移動をもたらすための移動手段(151、152)を含む請求項35または36に記載の積み込みまたは積み降ろし装置。
【請求項38】
移動手段(151、152)が、前記第一の係合手段146と第二の係合手段148との間の距離が増大するにつれ、相対的移動をもたらす目的の前記移動手段(151、152)によってかけられる力が減少するように前記相対的移動をもたらすように構成された、請求項37に記載の積み込みまたは積み降ろし装置。
【請求項39】
前記第一の係合手段(146)および前記第二の係合手段(148)の少なくとも一方が回転した状態で駆動させることができる、請求項37または38に記載の積み込みまたは積み降ろし装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2012−522389(P2012−522389A)
【公表日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−502517(P2012−502517)
【出願日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際出願番号】PCT/EP2010/002481
【国際公開番号】WO2010/121815
【国際公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【出願人】(503037583)アトテック・ドイチュラント・ゲーエムベーハー (55)
【氏名又は名称原語表記】ATOTECH DEUTSCHLAND GMBH