説明

出入口装置

【課題】 回転ドアと同様に風除効果を維持しつつ、通行者の安全性を向上させる。
【解決手段】 建物2の前面に設置されるブース6内にそれぞれ形成された通路10とパネル収納路12を平面パネル14a、14bが循環する。このとき、平面パネル14a、14bは、通路10を非連通状態とする。平面パネル14a、14bが、通路10とパネル収容路12とを平行スライド移動し、通路10とパネル収納路12との端部において一方から他方に横スライド移動して、スクエア状に循環移動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物から人が出入りするための出入口装置に関し、特に出入口装置が備えるパネルが自動的に移動するものに関する。
【背景技術】
【0002】
出入口装置の一例が、特許文献1に開示されている。特許文献1に開示されている出入口装置は、回転ドア装置と称されるもので、平面形状が長円型に形成されたブースが建物の前面に設けられ、このブース内には、長円リング状の移動空間が形成されている。この移動空間内に配置された複数のパネルが、移動空間に沿って移動する。
【0003】
【特許文献1】特開2002−285754号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この回転ドア装置には、建物の内外を通行者が通行しても、建物内に風が吹き込むことを防止できる風除効果があり、多くの通行者を同時に通行させることができるという効果もある。しかし、複数のパネルが連続的に回転しているので、通行者が回転するパネルの動きを予測することが難しく、接近してくるパネルに通行者が衝突したり、回転するパネルと出入口の方立との間に通行者が挟まれたりする虞があった。
【0005】
本発明は、回転ドアと同様に風除効果を維持し、かつ通行者の安全性を向上させた出入口装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様の出入り口装置は、複数の平面パネルを備えている。建物の前面に設置されるブース内にそれぞれ通路とパネル収納路が形成されている。通路とパネル収納路とは、平行に配置することができ、通路は、その両端に開口を有している。平面パネルは、通路とパネル収納路とを循環移動し、前記通路を移動時には、前記通路を非連通状態とする。各平面パネルは、前記通路と前記パネル収容路とを平行スライド移動し、前記通路と前記パネル収納路との端部において一方から他方に横スライド移動して、スクエア状に循環移動する。例えば建物内部にある通路の端部からパネル収容路の端部への横スライドは、建物外部にあるパネル収容路の端部から通路の端部への横スライドよりも高速に行うことが望ましい。
【0007】
このように構成された出入り口装置では、平面パネルは、通路の端部からパネル収納部の端部に移動する際、或いはパネル収納部の端部から通路の端部に移動する場合、横スライド移動するので、通行者にとってなじみのあるスライド式ドアと同様に移動する。従って、通行者の安全性を確保することができる。しかも、平面パネルは通路を移動中には、通路を非連通状態としているので、平面パネルによって風除効果が発揮されている。
【0008】
更に、前記パネル収納路を前記ブース内外を連絡する別通路として使用することもできる。この場合、この通路端に開閉自在なドアが設置される。このように構成すると、パネル収納路のドアを開くことによって、パネル収納路を、火災等の非常の脱出通路として利用することができるし、或いは荷物の搬入、搬出時の通路としても使用することが可能である。
【0009】
更に、前記通路から上記パネル収納路へ連絡する開口を設けることもできる。この場合、この開口にドアが設けられる。このように構成すると、例えばパネル収納路へ通路から通行者が移動することが可能であるので、例えば火災等が発生したときに、通路内にいる通行者がパネル収納路に移動できる。従って、非常時に通行者が通路に閉じこめられることを防止できる。
【0010】
平面パネルを、前記通路及び前記パネル収納路内に向かってスイング自在に構成することもできる。このように構成すると、平面パネルをスイングさせることによって、火災等の非常時や、荷物の搬入、搬出時に、通路とパネル収納路との双方を利用することができ、円滑な脱出及び荷物の搬出入を行うことができる。しかも、スイングは、前記通路及び前記パネル収納路内に向かって行われるので、即ちブースの外側に平面パネルがスイングしないので、平面パネルがブースの外側での通行者の通行等を妨げることもない。
【発明の効果】
【0011】
以上のように、本発明による出入り口装置によれば、回転ドアと同様に風除効果を維持することができる上に、通行者の安全性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の第1の実施形態の出入口装置では、図1に示すように、建物2の前面に形成された開口4に、ブース6が取り付けられている。このブース6は、内部が空洞とされた概略直方体状のもので、長手側の側壁6a、6bの中途が開口4に位置している。このブース6の両端部は、建物2の内外それぞれに位置し、開口されている。このブース6の内部における両端部のほぼ中央間に跨って仕切り壁8が設けられている。この仕切り壁8は、ブース6の側壁6a、6bに平行で、ブース6内を通路10とパネル収容通路12とに区画している。即ち、通路10とパネル収容路12とは、互いに平行に並設されている。
【0013】
通路10の建物2外の端部開口10aから通路10内に入った通行者は、この通路10を通路10の建物2内の端部開口10bに向かって移動することによって建物2内に入ることができる。
【0014】
ブース6内には、複数、例えば2枚の平面パネル14a、14bが配置されている。これら平面パネル14a、14bは、通路10内に位置するときには、その端部開口10a、10b間を非連通状態とするように、すなわち遮蔽するように、側壁6bと仕切り壁8とに跨って位置している。同様に、パネル収容路12内に位置するときも、その端部開口12a、12bを非連通状態とするように、側壁6aと仕切り壁8とに跨って位置している。なお、平面パネル14a、14bの高さ寸法は、通路10、パネル収容路12の高さ寸法とほぼ等しい寸法である。
【0015】
これら平面パネル14a、14bは、通路10内では端部開口10a、10bを遮蔽した状態を維持しながら端部開口10a側から端部開口10b側にスライド移動し、パネル収容路12内では端部開口12a、12bを遮蔽した状態を維持しながら建物2内側の端部開口12a側から建物2外側の端部開口12b側にスライド移動する。これら平面パネル14a、14bは、例えば通路10の端部開口10bに到達すると、入口通路12の端部開口12aに向かって横スライドする。このスライドは、端部開口10bを平面パネル14a、14bによって閉じていた状態から、これを開きつつ、パネル収容通路12の端部開口12aを閉じるように行われる。平面パネル14a、14bがパネル収容路12の端部開口12bから通路10の端部開口10aに向かって横スライドする場合も同様に移動する。
【0016】
また、パネル通路12の端部開口12a、12bは図示しない壁体によって閉じられ、それらには、それぞれパネル収容路12に人が出入り可能なドア16a、16bが取り付けられている。また、仕切壁8には、通路10とパネル収容路12との間を人が出入り可能なドア18が設けられている。
【0017】
これら平面パネル14a、14bは、例えばブース6の上部に設けた図示していない駆動機構によって駆動される。平面パネル14a、14bは、通路10を移動するときは、中速Vmで移動し、通路10の開口端部10bからパネル収容路10の端部12aに横スライドするとき及びパネル収容路12をスライドするとき、それぞれ高速Vhで移動し、パネル収容路12の端部12bから通路10の端部10aに横スライドするとき、低速Vlで移動する。Vh>Vm>Vlである。
【0018】
例えば図1(a)に示すように、平面パネル14aが通路10の開口10aに位置し、平面パネル14bが通路10の開口10bに位置すると仮定する。この状態から単位時間t後には、図1(b)にそれぞれ示すように平面パネル14aは、tVmだけ端部開口10b側に移動し、平面パネル14bはtVhだけ端部開口12a側に移動する。
【0019】
この時点から更に単位時間t後には図1(c)に示すように、平面パネル14aは、端部開口10aから2tVmだけ端部開口10b側に移動し、平面パネル14bは、端部開口10bから端部開口12a側に2tVhだけ移動し、完全に端部開口12aを閉じている。従って、端部開口10bを完全に閉じた状態から端部開口12aを完全に閉じた状態までの平面パネル14bの移動距離は2tVmである。即ち、ドアパネル10bが端部開口10bを完全に開くのに要する時間は2tで、端部開口10bが開くまで多くの時間に渡って通行者が待機することはない。
【0020】
この時点から更に単位時間t後には図1(d)に示すように、平面パネル14aは、端部開口12aから3tVmだけ端部開口10b側に移動する。同時に、平面パネル14bは、端部開口10aから端部開口10b側にtVhだけ移動している。この時点から更に単位時間t後には、図1(e)に示すように、平面パネル14aは、端部開口12aから4tVmだけ端部開口10b側に移動する。同時に平面パネル14bは、端部開口12aから端部開口12b側に2tVhだけ移動する。
【0021】
この時点から更に単位時間t後には、図1(f)に示すように、平面パネル14aは、端部開口10aから5tVmだけ端部開口10b側に移動する。平面パネル14bは、端部開口12aから端部開口12b側に3tVhだけ移動する。
【0022】
この時点から単位時間t後には、図2(a)に示すように、平面パネル14aは端部開口10aから端部開口10b側に6tVmだけ移動する。同時に平面パネル14bは、端部開口12aから端部開口12b側に4tVhだけ移動し、端部開口12bを完全に閉じている。即ち、平面パネル14bは、パネル収容路12を時間5tで移動する。
【0023】
この時点から単位時間t後には、図2(b)に示すように、平面パネル14aは端部開口10aから7tVmだけ端部開口10b側に移動する。平面パネル14bは端部開口12bから端部開口10a側にtVlだけ移動する。
【0024】
この時点から単位時間t後には、図2(c)に示すように平面パネル14aは、8tVmだけ端部開口10aから端部開口10b側に移動し、平面パネル14bは、端部開口12bから端部開口10a側に2tVlだけ移動している。
【0025】
この時点から単位時間t後には、図2(d)に示すように、平面パネル14aは、9tVmだけ端部開口10aから端部開口10b側に移動し、平面パネル14bは、端部開口12bから端部開口10a側に3tVlだけ移動している。
【0026】
この時点から単位時間t後には、図2(e)に示すように、平面パネル14aは、10tVmだけ端部開口10aから端部開口10b側に移動する。平面パネル14bは、端部開口12bから端部開口10a側に4tVlだけ移動している。
【0027】
この時点から単位時間t後には、図2(f)に示すように、平面パネル14aは、11tVmだけ端部開口10aから端部開口10b側に移動する。平面パネル14bは、端部開口12bから端部開口10a側に5tVlだけ移動している。
【0028】
この時点から単位時間t後には、図3(a)に示すように、平面パネル14aは、12tVmだけ端部開口10aから端部開口10b側に移動する。平面パネル14bは、端部開口12bから端部開口10a側に6tVlだけ移動している。
【0029】
この時点から単位時間t後には、図3(b)に示すように、平面パネル14aは、13tVmだけ端部開口10aから端部開口10b側に移動し、端部開口10bを完全に閉じる。平面パネル14bは、端部開口12bから端部開口10a側に7tVlだけ移動し、端部開口10aを完全に閉じる。端部開口10aが完全に開いている状態から完全に閉じるまでには時間7tを要しているので、通行者が横スライドしているドアパネル14bに接触することはない。
【0030】
以下、上述したパネル14aと同じ動作をパネル14bが行い、上述したパネル14bと同じ動作をパネル14aが行い、図1(a)に示す状態に戻り、上述した動作を繰り返す。
【0031】
このように平面パネル14a、14bが移動しているとき、通路10には平面パネル14a、14bのいずれかが必ず位置して風除効果を維持する。しかも、図1(b)、(c)に示すように例えばドアパネル14bが端部開口10bから端部開口12aに横スライドしている間、ドアパネル14aが通路10に位置して、端部開口10a、10b間を非連通状態としているので、ドアパネルが横スライドしているときも、風除効果が維持されている。しかも、各平面パネル14a、14bは端部開口10bを開くように横スライドするときには高速で、端部開口10aを閉じるように横スライドするときには低速で移動するので、通行者がドアパネル14a、14bに接触する可能性が少なく、安全性が高い。しかも、各平面パネル14a、14bは、スクエア状に循環移動するので、通行者は各平面パネルと衝突することが無いように出入りすることができる。
【0032】
また、パネル収容路12の両端部12a、12bにドア16a、16bを設けてあるので、火災等の非常時や、建物2内への荷物の搬入、搬出時に、パネル収容路12を通路として使用することができ、速やかに通行することができる。また、仕切壁8にドア18を設けてあるので、例えば火災等の非常時に、通路10内に閉じこめられた人がドア18を開いて、パネル収容路12に移動し、このパネル収容路12から直ちに避難することができる。
【0033】
また、図4に示すように平面パネル14a、14bは、駆動されていないとき、通路10及びパネル収容路12内の任意の位置で、仕切壁8側に折り畳み可能に構成されている。このように構成されているので、例えば火災等の発生で、平面パネル14a、14bが停止しても、平面パネル14a、14bを折り畳むことによって、通路10のいずれの位置に通行者がいても、ドア18の位置に到達することができ、速やかに避難することができる。なお、側壁6a、6b側に平面パネル14a、14bを折り畳むこともできる。
【0034】
本発明の第2の実施形態の出入口装置は、図5(a)乃至(f)に示すように、3枚の平面パネル14a乃至14cを使用する以外、第1の実施形態と同様に構成されている。同一部分には、同一符号を付して、その説明を省略する。これら平面パネル14a乃至14cは端部開口12bから端部開口10aに横スライドするとき以外、高速vhで移動し、端部開口12bから端部開口10aに横スライドするとき、低速vlで移動する。
【0035】
例えば図5(a)に示すように、平面パネル14aが通路10の開口10aに位置し、平面パネル14bが通路10の端部開口10bに位置し、平面パネル14cがパネル収容路12のほぼ中央に位置すると仮定する。
【0036】
この状態から単位時間t後には、図5(b)に示すように平面パネル14aは、tvhだけ端部開口10b側に移動し、平面パネル14bはtvhだけ端部開口12a側に移動し、平面パネル14cはtvhだけ端部開口12b側に移動している。
【0037】
この時点から更に単位時間t後には図5(c)に示すように、平面パネル14aは、端部開口10aから2tvhだけ端部開口10b側に移動し、平面パネル14bは、端部開口10bから端部開口12a側に2tvhだけ移動し、完全に端部開口10bを開いている。従って、端部開口10bを完全に閉じた状態から端部開口10bを完全に開いた状態までの平面パネル14bの移動距離は2tvで、所要時間は2tと短時間であり、通路10の端部開口10bから通行者は速やかに建物2内に入ることができる。なお、平面パネル14cは出口通路10のほぼ中央から2tvだけ端部開口12b側に移動している。
【0038】
この時点から更に単位時間t後には図5(d)に示すように、平面パネル14aは、端部開口10aから3tvhだけ端部開口10b側に移動し、平面パネル14bは端部開口12aで待機し、平面パネル14cは、パネル収容路12のほぼ中央から3tvhだけ端部開口12b側に移動している。
【0039】
この時点から更に所定時間t後には図5(e)に示すように、平面パネル14aは、端部開口10aから4tvhだけ端部開口10b側に移動している。平面パネル14bは、端部開口12aで待機状態を継続する。平面パネル14cは、パネル収容路12のほぼ中央から4tvhだけ端部開口12b側に移動している。
【0040】
この時点から更に単位時間t後には、図5(f)に示すように、平面パネル14aは、端部開口10aから5tvhだけ端部開口10b側に移動している。平面パネル14bは、端部開口12aでの待機状態を維持する。平面パネル14cは、端部開口12aから端部開口12b側に5tvhだけ移動している。
【0041】
この時点から更に単位時間t後には、図6(a)に示すように、平面パネル14aは、端部開口10aから6tvhだけ端部開口10b側に移動し、平面パネル14bは、端部開口12aで待機し、平面パネル14cは、端部開口12aから端部開口12b側に7tvhだけ移動し、端部開口12bに到達する。
【0042】
この時点から単位時間t後には、図6(b)に示すように、平面パネル14aは端部開口10aから端部開口10b側に7tvhだけ移動する。同時に平面パネル14bは、端部開口12aから端部開口12b側にtvhだけ移動し、平面パネル14cは、端部開口12bから端部開口10a側にtvlだけ移動している。
【0043】
この時点から単位時間t後には、図6(c)に示すように、平面パネル14aは端部開口10aから8tvhだけ端部開口10b側に移動し、平面パネル14bは端部開口12aから端部開口12b側に2tvhだけ移動し、平面パネル14cは、端部開口12bから端部開口10a側に2tvlだけ移動している。
【0044】
この時点から単位時間t後には、図6(d)に示すように平面パネル14aは、端部開口10aから9tvhだけ端部開口10b側に移動し、平面パネル14bは、端部開口12aから端部開口12b側に3tvhだけ移動し、平面パネル14cは、端部開口12bから端部開口10a側に3tvlだけ移動している。
【0045】
この時点から単位時間t後には、図6(e)に示すように、平面パネル14aは、端部開口10aから10tvhだけ端部開口10b側に移動し、平面パネル14bは、端部開口12aから端部開口12b側に4tvhだけ移動し、平面パネル14cは、端部開口12bから端部開口10a側に4tvlだけ移動している。
【0046】
この時点から単位時間t後には、図6(f)に示すように、平面パネル14aは、端部開口10aから11tvhだけ端部開口10b側に移動し、平面パネル14bは、端部開口12aから端部開口12b側に5tvhだけ移動し、平面パネル14cは、端部開口12bから端部開口10a側に5tvlだけ移動している。
【0047】
この時点から単位時間t後には、図7(a)に示すように、平面パネル14aは、端部開口10aから12tvhだけ端部開口10b側に移動し、平面パネル14bは、端部開口12aから端部開口12b側に6tvhだけ移動し、平面パネル14cは、端部開口12bから端部開口10a側に6tvlだけ移動している。
【0048】
この時点から単位時間t後には、図7(b)に示すように、平面パネル14aは、端部開口10aから13tvhだけ端部開口10b側に移動し、端部開口10bを完全に閉じ、平面パネル14bは、端部開口12aから端部開口12b側に6tvhだけ移動し、図4(a)に示した平面パネル14cの位置に移動し、平面パネル14cは、端部開口12bから端部開口10a側に7tvlだけ移動して、端部開口10aを完全に閉じている。即ち、端部開口10aから端部開口10bまでの距離は13tvhであり、端部開口12aからパネル収容路12のほぼ中央(図4(a)に示した平面パネル14cの位置)までの距離は、6tvhである。また、端部開口10aを平面パネル14cが完全に開いている状態から完全に閉じるまでの時間は7tであり、非常にゆっくりと端部開口10aは閉じられている。従って、ドアパネル14cが端部開口10aを閉じる際に、ドアパネル14cに通行者が衝突することを避けることができる。
【0049】
以下、平面パネル14aは、図5(a)乃至図7(b)に示した平面パネル14bと同様にパネル収容路10のほぼ中央に移動し、平面パネル14bは、図5(a)乃至図7(b)に示した平面パネル14cと同様に端部開口10aに移動する。平面パネル14cは、図5(a)乃至図7(b)に示した平面パネル14aと同様に端部開口10bに移動する。次に、平面パネル14aは図5(a)乃至図7(b)に示した平面パネル14cと同様に端部開口10aに移動し、平面パネル14bは図5(a)乃至図7(b)に示した平面パネル14aと同様に端部開口10bに移動し、平面パネル14cは図5(a)乃至図7(b)に示した平面パネル14bと同様にパネル収容路12のほぼ中央に位置する。即ち、図5(a)の状態に復帰する。以下、上述した動作を繰り返す。
【0050】
このように平面パネル14a乃至14cが移動しているとき、通路10には平面パネル14a乃至14cのうち1枚が必ず位置して風除効果を維持し、しかも、平面パネル14a乃至14cのいずれかが端部開口10bを開きつつあるときには、通路10には別の平面パネルが存在し、風除効果を維持している。更に各平面パネル14a乃至14cは端部開口10bから端部開口12aに、及び端部開口12bから端部開口10aに、横スライドしてスクエア状に循環移動するので、通行者は各平面パネルと衝突することが無いように出入りすることができる。しかも、各平面パネル14a乃至14cは端部開口10bを開くように横スライドするときには高速で、端部開口10aを閉じるように横スライドするときには低速で移動するので、通行者がドアパネル14a乃至14cに接触する可能性が少なく、安全性が高い。
【0051】
なお、第2の実施形態においても、平面パネル14a乃至14cを図4に示したのと同様に通路10及びパネル収容路12内に折り畳むこともできる。
【0052】
上記の両実施形態では、建物2内に通行者が入る場合の出入り口装置を示したが、建物2から通行者が出る場合の出入り口装置とすることもできる。その場合、上記の両実施形態の出入り口装置を180度回転させて、端部開口10a、12bが建物2内に、端部開口10b、12aが建物2の外部に位置するように配置すればよい。
【0053】
上記の両実施形態では、2枚または3枚の平面パネルを使用したが、これに限ったものではなく、2枚以上であれば、更に多くの平面パネルを使用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の第1の実施形態の出入口装置の初期状態から5t時間後までの平面パネルの位置を示す平面図である。
【図2】図1の出入口装置の初期状態から6t時間及び11t時間後の平面パネルの位置を示す平面図である。
【図3】図1の出入口装置の初期状態から12t時間及び13t時間後の平面パネルの位置を示す平面図である。
【図4】図1の出入口装置の平面パネルが折り畳み可能であることを説明する平面図である。
【図5】本発明の第2の実施形態の出入口装置の5t時間後までの平面パネルの位置を示す平面図である。
【図6】図5の出入口装置の初期状態から6t時間及び11t時間後の平面パネルの位置を示す平面図である。
【図7】図5の出入口装置の初期状態から12t時間及び13t時間後の平面パネルの位置を示す平面図である。
【符号の説明】
【0055】
2 建物
6 ブース
10 通路
12 パネル収容路
14a乃至14c 平面パネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の前面に設置されるブース内にそれぞれ形成された通路とパネル収納路を循環して、前記通路を非連通状態とするように移動する複数の平面パネルを備え、前記平面パネルが、前記通路と前記パネル収容路とを平行スライド移動し、前記通路と前記パネル収納路との端部において一方から他方に横スライド移動して、スクエア状に循環移動するように構成されている、出入り口装置。
【請求項2】
請求項1記載の出入り口装置において、前記パネル収納路を前記ブース内外を連絡する別通路とし、この通路端に開閉自在なドアを設置した出入り口装置。
【請求項3】
請求項2記載の出入り口装置において、前記通路から上記パネル収納路へ連絡する開口を設け、この開口にドアを設けた出入り口装置。
【請求項4】
請求項2または3記載の出入り口装置において、前記平面パネルが、前記通路及び前記パネル収納路内に向かってスイング自在に構成されている出入り口装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−332621(P2007−332621A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−164481(P2006−164481)
【出願日】平成18年6月14日(2006.6.14)
【出願人】(503405689)ナブテスコ株式会社 (737)
【Fターム(参考)】