説明

分子を送達するための方法および材料

本文書は、分子を哺乳類に送達することに関与する方法および材料に関連する。例えば、哺乳類に投与した分子の半減期および生物学的利用能を増加させるためのナノ粒子を使用する方法および材料が提供される。本発明はまた、正常な酵素機能の欠如または破壊によって特徴付けられる状態を治療するために、哺乳類に分子を送達するための方法および材料を提供する。例えば、本明細書中で提供される方法および材料を、中枢神経系における酵素レベルを増加させることによって、変性性神経疾患を治療するために使用し得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本願は、2009年4月6日に出願された米国仮特許出願第61/166,929号への優先権の利益を主張する。
【0002】
背景
1.技術分野
本文書は、分子を哺乳類に送達することに関与する方法および材料に関連する。例えば、本文書は、哺乳類に投与した分子の半減期または生物学的利用能を増加させるためにナノ粒子を使用する方法および材料を提供する。
【背景技術】
【0003】
2.背景情報
例えばポリペプチド、小ペプチド、抗体、小分子干渉RNA(siRNA)、および抗癌剤、抗ウイルス剤、および抗生物質を含む分子の投与によって、様々な医学的疾患を治療するための方法が開発された。そのような治療の有効性は、体への送達の際に分子を分解する物質の存在によって制限され得る。例えば、プロテアーゼおよび他の内因性酵素は、正常な酵素機能の欠如または破壊によって特徴付けられる状態を治療するための酵素補充療法の過程で投与されたポリペプチドを分解し得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
要旨
本文書は、分子を哺乳類に送達するための方法および材料を提供する。本文書は、部分的には、哺乳類へ投与した分子の半減期を増加させる方法の発見に基づく。例えば、本文書は、ナノ粒子を用いて、酵素、ポリペプチド、ペプチド断片、核酸、および他の分子の半減期または生物学的利用能を増加させるための方法および材料を提供する。ある場合において、本明細書中で提供される方法および材料を、血液脳関門を横切っての送達を改善するために使用し得る。本文書はまた、正常な酵素機能の欠如または破壊によって特徴付けられる状態を治療するために、哺乳類に分子を送達するための方法および材料を提供する。例えば、本明細書中で提供される方法および材料を、中枢神経系における酵素レベルを増加させることによって、変性性神経疾患を治療するために使用し得る。ある場合において、血液脳関門を横切っての治療酵素の送達を増加させることによって、クラッベ病または他のリソソーム蓄積症に苦しむヒトを治療するために、本明細書中で提供される方法および材料を、医師または他の専門家が使用し得る。
【0005】
一般的に、本文書の1つの局面は、組成物を特色とする。その組成物は、ポリマーナノ粒子に結合した、酵素活性を有するポリペプチドを含む、または実質的にそれから成る。そのポリペプチドは、酵素活性を有し、そしてナノ粒子に結合していないコントロールポリペプチドよりも、ヒト血清においてより長い半減期を有し得る。そのポリペプチドは、ナノ粒子に結合していないコントロールポリペプチドの、少なくとも85%のレベルの酵素活性を有し得る。そのポリペプチドは、ナノ粒子に結合していないコントロールポリペプチドの、少なくとも95%のレベルの酵素活性を有し得る。そのポリペプチドは、ナノ粒子に結合していないコントロールポリペプチドと同じレベルの酵素活性を有し得る。そのポリペプチドは、ガラクトセレブロシダーゼポリペプチドであり得る。そのポリマーナノ粒子を、COOH−PEG−PLA、メトキシ−PEG−PLAポリマー、マレイミド−PEG−PLAポリマー、またはそのあらゆる組み合わせから構築し得る。そのポリペプチドを、共有結合によってポリマーナノ粒子に結合させ得る。そのポリペプチドを、非共有結合によってポリマーナノ粒子に結合させ得る。そのポリペプチドを、ポリペプチドのNまたはC末端によってナノ粒子に結合させ得る。
【0006】
別の局面において、本文書は、血清において酵素活性を有するポリペプチドの半減期を増加させる方法を特色とする。その方法は、ポリペプチドをポリマーナノ粒子に結合させて複合体を形成することを含む、または実質的にそれから成る。結合したポリペプチドは、酵素活性を有し、そしてナノ粒子に結合していないコントロールポリペプチドよりも、血清においてより長い半減期を有し得る。ナノ粒子に結合したポリペプチドは、ナノ粒子に結合していないコントロールポリペプチドの、少なくとも85%のレベルの酵素活性を有し得る。ナノ粒子に結合したポリペプチドは、ナノ粒子に結合していないコントロールポリペプチドの、少なくとも95%のレベルの酵素活性を有し得る。ナノ粒子に結合したポリペプチドは、ナノ粒子に結合していないコントロールポリペプチドと同じレベルの酵素活性を有し得る。そのポリペプチドは、ガラクトセレブロシダーゼポリペプチドであり得る。そのポリマーナノ粒子を、COOH−PEG−PLA、メトキシ−PEG−PLAポリマー、マレイミド−PEG−PLAポリマー、またはそのあらゆる組み合わせから構築し得る。そのポリペプチドを、共有結合によってポリマーナノ粒子に結合させ得る。そのポリペプチドを、非共有結合によってポリマーナノ粒子に結合させ得る。そのポリペプチドを、ポリペプチドのNまたはC末端によってナノ粒子に結合させ得る。
【0007】
別の局面において、本文書は、酵素活性を有するポリペプチドの安定性を増加させるための方法を特色とする。その方法は、ポリペプチドをポリマーナノ粒子に結合させて複合体を形成することを含む、または実質的にそれから成る。結合したポリペプチドは、酵素活性を有し、そしてナノ粒子に結合していないコントロールポリペプチドよりも高い安定性を有し得る。ナノ粒子に結合したポリペプチドは、ナノ粒子に結合していないコントロールポリペプチドの、少なくとも85%のレベルの酵素活性を有し得る。ナノ粒子に結合したポリペプチドは、ナノ粒子に結合していないコントロールポリペプチドの、少なくとも95%のレベルの酵素活性を有し得る。ナノ粒子に結合したポリペプチドは、ナノ粒子に結合していないコントロールポリペプチドと同じレベルの酵素活性を有し得る。そのポリペプチドは、ガラクトセレブロシダーゼポリペプチドであり得る。そのポリマーナノ粒子を、COOH−PEG−PLA、メトキシ−PEG−PLAポリマー、マレイミド−PEG−PLAポリマー、またはそのあらゆる組み合わせから構築し得る。そのポリペプチドを、共有結合によってポリマーナノ粒子に結合させ得る。そのポリペプチドを、非共有結合によってポリマーナノ粒子に結合させ得る。その方法はさらに、複合体を凍結乾燥して凍結乾燥複合体を形成することを含み得る。そのポリペプチドを、ポリペプチドのNまたはC末端によってナノ粒子に結合させ得る。
【0008】
さらなる局面において、本文書はナノ粒子の凝集を抑制する方法を特色とする。その方法は、ポリペプチドのNまたはC末端によって、ポリペプチドをポリマーナノ粒子に結合させて複合体を形成することを含み、または実質的にそれから成り、ここで複合体の調製物は、ポリペプチドのNまたはC末端によってポリペプチドに結合していないポリマーナノ粒子を有するコントロール調製物よりも低いナノ粒子の凝集を示す。そのポリペプチドは、ガラクトセレブロシダーゼポリペプチドであり得る。そのポリマーナノ粒子を、COOH−PEG−PLA、メトキシ−PEG−PLAポリマー、マレイミド−PEG−PLAポリマー、またはそのあらゆる組み合わせから構築し得る。そのポリペプチドを、共有結合によってポリマーナノ粒子に結合させ得る。そのポリペプチドを、非共有結合によってポリマーナノ粒子に結合させ得る。その方法はさらに、複合体を凍結乾燥して凍結乾燥複合体を形成することを含み得る。
【0009】
他に定義しなければ、本明細書中で使用される全ての技術的および科学的用語は、本発明が属する当業者によって通常理解されるものと同じ意味を有する。本明細書中で記載されたものと同様のまたは同等の方法および材料を使用して本発明を実施し得るが、適当な方法および材料を下記に記載する。本明細書中で言及される全ての出版物、特許出願、特許、および他の参考文献は、その全体として参考文献に組み込まれる。対立する場合、定義を含めて本明細書が統制する。それに加えて、その材料、方法および例は単なる例証であり、そして制限することを意図しない。
【0010】
本発明の1つ以上の実施態様の詳細を、付随する図面および下の記載において述べる。本発明の他の特色、目的、および利点が、その記載および図面から、および特許請求の範囲から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、ナノ粒子合成およびGALCの共有結合の戦略を示す。(A)それぞれ10mgのジブロックコポリマー界面活性剤、COOH−PEG−PLAおよびメトキシ−PEG−PLA(またはマレイミド−PEG-PLA)を、2mLのジクロロメタンに溶解した。10mLの水の急速な追加および反復エマルション(ボルテックス/超音波処理)後、そのコポリマーはミセルに自己集合した。環境タッピングモード(ambient tapping mode)に設定し、そして100μmの面積のデータを採取する、Multimode AFMを有するNanoscopeIII制御装置(Veeco Instruments,Inc.)においてAFM画像を収集した。全てのAFM画像のスケールバーは、30nmに設定する。(B)カルボン酸官能基(−COOH)を、活性化エステルに変換し、続いてIDAと相互作用させ、そしてCu2+活性化を行なった。最後に、Cu2+IDA NPを、His6タグ付きGALCとインキュベートした。(C)システインを含むペプチドを、NP表面のマレイミド官能基に結合する図式。
【図2】図2は、ウェスタンブロットおよびGALC活性分析の結果を含む。(A)GALCまたはNP−GALC処理および取り込みの後のH4細胞溶解物のウェスタンブロット分析。1レーンあたり40μgの全タンパク質を添加し、そしてブロットをU1021一次抗体および抗ニワトリIgY二次抗体を用い、1分間曝露して調査した。80kDaのGALC前駆体タンパク質および50kDaの処理された断片の両方が検出され、このことはGALCが正常な処理のためにH4細胞のリソソームに輸送されることを示す(NT=未処理のH4細胞)。(B)(A)で示したものと同じ溶解物からの対応するGALC活性アッセイ。
【図3】図3は、血液中のGALC寿命の薬物動態学的研究の結果を含む。時点は、GALCの尾静脈内注射後どれだけの時間に血液を採取したのかを示す。およそのt1/2値を示す。
【図4】図4は、GALCまたはNP−GALC投与後の脳GALCレベルのプロットを含む。GALCを、尾静脈内注射またはi.p.注射のいずれかによって、1日おきに2mg/kgで投与した。投与した容積(μLで)は、マウスの体重(グラムで)の5倍を超えることはなかった。脳組織を生後39日、最後の注射の24時間後に回収した。組織をホモジナイズし、タンパク質レベルに対して標準化し、そして酵素活性をアッセイするために使用した。
【図5】図5は、TIMP−1のNP表面への共有結合のための、少し改変した戦略を示す。
【図6】図6は、TIMP−1酵素活性アッセイの結果を含む。(A)TIMP−1のNP表面への結合に関する洗浄工程の過程で検出されたTIMP−1のパーセント。NPの非存在下で、TIMP−1は遠心および透析の過程で濃縮されない。(B)NP結合後のTIMP−1阻害活性。NP−TIMP1活性は、MMP9阻害に対するTIMP−1活性と直接対応する。
【図7】図7は、NP−GALC免疫原性アッセイの結果を含む。ELISAに基づくアッセイを用いて、血漿中の抗体力価を測定した。動物(CD−1マウス)に、尾静脈内投与を用いて、10mg/kgのGALCまたはNP−GALCを週1回投与した。
【図8】図8は、4℃での乾燥保存下におけるNP−GALCおよびGALC単独の安定性分析の結果を含む。酵素処方物を調製した後6カ月まで、酵素活性を定期的に試験した。()GALC活性は60および120日の間のどこかで検出不能になったが、NP−GALC活性は、研究の期間100%の活性を維持した。
【発明を実施するための形態】
【0012】
詳細な説明
本文書は、分子を哺乳類に送達することに関連する方法および材料を提供する。例えば、本文書は、酵素および他の分子をナノ粒子に結合する方法および材料を提供する。本明細書中で記載するように、哺乳類へ投与する場合に、生理学的濃度を増加させる、生物学的利用能を延長する、および酵素および他の分子の血液脳関門を横切っての送達を改善するために、そのようなナノ粒子を使用し得る。ある場合において、そのような改善された性質を示すナノ粒子の組成物を、正常な酵素機能の欠如または破壊によって特徴付けられる状態を治療するために、分子を哺乳類へ送達するために使用し得る。本明細書中で使用される場合、「生物学的利用能」は、細胞、組織、または生物学的区画への送達および細胞、組織、または生物学的区画による取り込みのために利用可能な分子(例えば酵素、ペプチド)の濃度を指す。本明細書中で使用される場合、生物学的利用能の増加および/または延長は、細胞、組織、または生物学的区画へ送達される、または細胞、組織、または生物学的区画によって取り込まれる化合物の能力の増強を指す(例えば血液への吸収の増強、脳への送達の増強)。
【0013】
従来の製造方法によって、かなりの量の薬剤(例えば生物学的製剤、酵素、抗体)収量が、薬剤の凝塊形成または凝集および分解のために失われ得る。凝集および分解の問題を代償する、および/または回避するために、従来の方法は、薬剤組成物への様々な賦形剤の添加を含む。しかし、多くの賦形剤の添加は、患者の転帰に有害であり得る。ポリエチレングリコール(PEG)は、酵素の製造において使用される賦形剤の1つの例である。PEGを無差別な方式で薬剤/酵素に加える、すなわち、PEGを酵素の無作為な部位において酵素に付加/結合させている。本明細書中で提供される方法および材料は、薬剤/酵素をナノ粒子(例えば本明細書中で記載されるPEG−PLGAコポリマー)に結合させることを含み得、そのナノ粒子は酵素(またはある場合には、抗体、ポリペプチド、またはペプチド)のNまたはC末端のいずれかに結合させている。ある場合において、ナノ粒子をポリペプチド(例えば酵素)のNまたはC末端に結合させることにより、実質的に凝集を抑制し得、ポリペプチドの活性(例えば酵素活性)を影響されないまま維持し得、そして効果的なナノ粒子の収量を得る工程において使用することができる。本明細書中で提供された方法によって製造したナノ粒子は、溶液中、保存の間、および凍結乾燥および再懸濁の際に、安定性の大きな増加を示し得る。従って、本明細書中で提供された方法によって製造したナノ粒子は、実質的な臨床的価値を有し得る。
【0014】
本明細書中で使用される場合、「安定な」および「安定性」という用語は、薬剤−ナノ粒子組成物(例えばポリマーナノ粒子)の、実質的に不変のままである能力を指す。薬剤−ナノ粒子安定性の1つの尺度は、薬剤−ナノ粒子組成物の、時間につれて凝塊形成および/または凝集物を形成しない能力である。薬剤−ナノ粒子安定性の別の尺度は、薬剤−ナノ粒子組成物の、時間につれて分解しない能力である。増加した安定性を有する薬剤−ナノ粒子は、時間につれて実質的に凝集物を形成するおよび/または実質的に分解する可能性が低い(例えば製造の間、保存の間、または溶液中で)。
【0015】
本明細書中で使用される場合、「治療」という用語は、本明細書中で描写した疾患または障害(例えば、リソソーム蓄積症)の進展または進行を、低下、抑制、軽減、減少、停止、または安定化させる、その疾患または障害の重症度を低下させる、またはその疾患または障害に関連する症状を改善することを意味する。
【0016】
本明細書中で使用される場合、「予防する」という用語は、本明細書中で描写された疾患または障害を発症する(例えばリソソーム蓄積症に関連する症状を発症する)可能性を低減すること、または本明細書中で描写された疾患または障害の再発(例えばリソソーム蓄積症に関連する再発する症状を経験すること)の可能性を低減することを指す。
【0017】
本明細書中で提供されるナノ粒子は、ポリマーナノ粒子であり得る。あらゆる適当な方法によって合成されたポリマーを、ポリマーナノ粒子の構築に使用し得る。ある場合において、本明細書中で提供されるナノ粒子に適当なポリマーを、開環重合(ROP)プロトコールを用いて合成し得る。例えば、ポリマー合成は、以前に記載されたプロトコールによって実施される開環重合であり得る(Zhangら、Colloid Polym.Sci.282:1323−8(2004);DongおよびFeng、Biomaterials、25(14):2843−9(2004);Zhangら、J.Drug Target 14(5):281−90(2006)を参照のこと)。
【0018】
本明細書中で提供されたナノ粒子を、ポリマーの混合物から構築し得る。例えば、ポリマーナノ粒子を、COOH−PEG−PLAおよびメトキシ−PEG−PLAポリマーの混合物から構築し得る。ある場合において、ポリマーナノ粒子を、COOH−PEG−PLAおよびマレイミド−PEG−PLAポリマーの混合物から構築し得る。本明細書中で提供されたナノ粒子の構築に適当な他のポリマーは、ポリ(乳酸−co−グリコール酸)(PLGA)、ポリ(アクリル酸)(PAA)、ポリ(ブチルシアノアクリレート)(PBCA)、ポリ(ビニルアルコール)(PVA)、ポリ(酢酸ビニル)、ポリ(エチレンオキシド)(PEO)、ポリスチレン(PS)、およびポリエチレンイミン(PEI)を含み得る。ポリマーナノ粒子を、あらゆる適当な方法によって構築し得る。ある場合において、ナノ粒子は、疎水性部分および親水性部分を両方含む個々の両親媒性ポリマーから、コア構造物およびシェル構造物へ自己集合して、固体ナノ粒子、コロイド性ナノ粒子、および高度可溶性のナノ粒子を形成し得る。ナノ粒子構築のための他の適当な方法は、乳化、超音波処理、1滴ずつの溶媒の添加、および逆ミセル法を含み得る。
【0019】
分子を、共有結合相互作用、非共有結合相互作用(例えばキレート化)、静電気的相互作用、吸着、または単純な結合によって、ポリマーナノ粒子の表面またはコアに結合させ得る。本明細書中で記載されたように、酵素、ポリペプチド、または他の分子をナノ粒子に結合することにより、インビボまたはインビトロで、結合した分子の半減期を増加させ得る。例えば、ポリ(エチレングリコール)(PEG)ナノ粒子は、治療薬の積荷(therapeutic cargo)を酵素的分解から保護することによって、および細網内皮系による早すぎる取り込みを防止することによって、結合した治療分子の全身性循環半減期を増加させ得る。ある場合において、ナノ粒子は、血清、血液、血漿、またはヒト体内における、結合していない状態の治療分子の半減期と比較して、血清、血液、血漿、またはヒト体内における、結合した治療分子の半減期を増加させ得る。ある場合において、生体適合性および生物分解性ポリマーであるポリ(ラクチド)(PEG−b−PLA)を、ナノ粒子コアを形成するために使用し得る。ジブロックコポリマー(例えばポリ(エチレングリコール)−ブロック−ポリ(ラクチド))から形成されたポリマーナノ粒子は、安定でありそして生物学的に適合性であり得る。そのようなナノ粒子は、インビボで生物分解して、増加した半減期を有する結合酵素または他の積荷を放出し得る。例えば、ナノ粒子の生物分解後に放出された酵素を、静脈内注射後の24時間を超えて、循環システムにおいて検出し得る。
【0020】
あらゆる適当な生体分子を、ポリマーナノ粒子の表面またはコアに結合させ得る。例えば、酵素(例えば内因性酵素または組換え酵素)、ポリペプチド、抗体、ペプチド核酸(PNA)、siRNA、オリゴヌクレオチド、または小分子をポリマーナノ粒子に結合させ、その生体分子を哺乳類に送達することができる。ある場合において、1つを超える生体分子を、ナノ粒子の表面またはコアに結合させ得る。例えば、ナノ粒子を、治療薬の積荷、およびペプチド、抗体、オリゴヌクレオチド、小分子、および特定の細胞または臓器を特異的に認識する他の高分子のような、細胞標的化分子または臓器標的化分子で同時に修飾し得る。結果として、そのようなヘテロ官能化ナノ粒子を、哺乳類へ投与する場合、特定のインビボの位置へ送達し得る。ある場合において、細胞通過性ペプチド(CPP)を、他の治療薬の積荷(例えば治療酵素、ポリペプチド、オリゴヌクレオチド)に融合して、本明細書中で提供されるナノ粒子の細胞膜を横切った移行を増強し得、そしてそのような治療薬の標的細胞、組織、または生物学的区画への送達を促進し得る。ある場合において、TIMP−1のようなポリペプチド阻害剤をポリマーナノ粒子の表面またはコアに結合させ、そのポリペプチド阻害剤を哺乳類へ送達することができる。ある場合において、本明細書中で提供されるナノ粒子は、他の表面の化学作用部分を有し得る。例えば、表面の化学作用部分は、カルボン酸、ヒドロキシル、マレイミド、アミン、メトキシ、アミノ酸、NHSエステル、NHS、スルフヒドリル(チオール)、カルバメート、アルキルハロゲン化物、イミノ二酢酸(Cu2+)、またはニトロ三酢酸(Ni2+)であり得る。
【0021】
ある場合において、本明細書中で提供されるナノ粒子を凍結乾燥し得る。凍結乾燥物を形成するために、あらゆる適当な方法を使用し得る。例えば、凍結乾燥物を、凍結乾燥(凍結−乾燥)、窒素パージ、または遠心真空濃縮によって形成し得る。ある場合において、本明細書中で記載される方法のいずれかによる凍結乾燥の間に、賦形剤を使用し得る。例えば、メチルセルロース、シクロデキストリン、ポリエチレングリコール、ヒドロキシプロピルシクロデキストリン、および界面活性剤(例えばポリオキシエチレングリコールドデシルエーテル(Brij35)またはドデシル硫酸ナトリウム)のような、あらゆる適当な賦形剤を使用し得る。賦形剤を、例えば約0.5から約10%の範囲で使用し得る。凍結乾燥したナノ粒子を、すぐに使用し得るか、または後で使用するために保存し得る(例えば約1日、1週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、または6ヶ月後に使用するために保存し得る)。保存は、例えば、あらゆる適当な条件下で(例えば乾燥保存)、あらゆる適当な温度(例えば4℃)においてであり得る。ある場合において、凍結乾燥したナノ粒子を、例えばナノ粒子凝集物の形成によるナノ粒子サイズの増加無しに、および/または酵素活性の喪失無しに、後に使用するために保存し得る。ある場合において、本明細書中で提供されるナノ粒子の凍結乾燥物を、使用前に再構成し得る。例えば、凍結乾燥したナノ粒子を、使用前に溶液で(例えば水または緩衝化溶液)再構成し得る。
【0022】
本明細書中で提供されるナノ粒子を、あらゆる適当な治療目的のために、哺乳類に投与し得る。例えば、ナノ粒子を、酵素補充(enzyme placement)療法のために、または抗癌治療、抗ウイルス治療、または抗生物質治療のために、哺乳類に投与し得る。ある場合において、分子を標的細胞、組織、または生物学的区画へ送達するために、本明細書中で提供されるナノ粒子を哺乳類に投与し得る。例えば、本明細書中で提供されるナノ粒子を、そのような分子がナノ粒子の表面またはコアに結合している場合に、生体分子(例えばポリペプチド、抗体、ペプチド、siRNA、またはオリゴヌクレオチド)または化学作用部分(例えばカルボン酸、ヒドロキシル、またはマレイミド(malemide))の送達を増加させるために使用し得る。ナノ粒子に結合する積荷の型は、そのナノ粒子を哺乳類に投与するための治療レジメの型に依存し得る。例えば、機能酵素の欠如または機能不全の酵素の存在によって特徴付けられる状態を有する哺乳類にそのような酵素を送達するために、酵素をポリマーナノ粒子の表面またはコアに結合させ得る。そのような治療レジメを、例えばクラッベ病、I型ゴーシェ病、ファブリー病、ハーラー症候群、ニーマン−ピックB病、ポンぺ病、ファーバー病、サンフィリッポ症候群、またはテイ・サックス病のような疾患を治療または予防するために使用し得る。そのナノ粒子が適当である他の治療レジメは、例えば抗癌治療、抗ウイルス治療、および抗生物質治療を含み得る。癌を治療するために、化学療法の性質を有する小分子を、本明細書中で記載される方法によって使用するためにナノ粒子に結合させ得る。ウイルス感染症および細菌感染症を治療するために、それぞれ抗ウイルスの性質および抗生物質の性質を有する小分子またはペプチドを、本明細書中で記載される方法によって使用するためにナノ粒子に結合させ得る。ある場合において、潜在的治療分子のナノ粒子への結合は、その治療分子のみの投与と比較した場合、その治療分子の治療効果を増加させ得、そして/または望ましくない副作用を低減し得る。
【0023】
あらゆる適当な哺乳類を、本明細書中で提供された方法および材料によって治療し得る。例えば、ヒト、非ヒト霊長類、ウマ、ウシ、ブタ、イヌ、ネコ、モルモット、ラット、マウス、およびウサギを、本明細書中で提供される方法および材料によって治療し得る。ナノ粒子を使用して、分子を哺乳類の体内のあらゆる適当な標的へ送達し得る。例えば、酵素的または薬理学的活性を、特定の部位または組織へ局在化するために、ナノ粒子−分子複合体を、哺乳類の体内のあらゆる臓器、組織、細胞、細胞小器官、または生体分子(例えば核酸またはポリペプチド)へ標的化し得る。本明細書中で提供されるナノ粒子を、哺乳類の体のあらゆる部分へ投与し得る。例えば、ナノ粒子を、体腔、臓器、体の部分、または体液へ投与し得る。
【0024】
あらゆる適当な濃度のナノ粒子を、哺乳類へ投与し得る。例えば、ナノ粒子を、約0.1mg/kgから約1000mg/kgの濃度で哺乳類へ投与し得る。ある場合において、ナノ粒子をヘテロ官能化して、2つまたは複数の化合物を同時に投与し得る。ある場合において、ナノ粒子を溶液中に懸濁して、ナノ粒子の哺乳類への投与を促進し得る。例えば、ナノ粒子をtrisベースの緩衝液、リン酸塩ベースの緩衝液、または炭酸塩ベースの緩衝液、水、食塩水、界面活性剤を含む溶液、ジメチルスルホキシドを含む溶液、または制限なしに、メチルセルロースを含むエマルション形成溶液中に懸濁し得る。あらゆる適当な投与方式を使用し得る。例えば、本明細書中で提供されるナノ粒子を、静脈内(i.v.)、腹腔内(i.p.)、または脳室内(i.c.v.)注射によって、哺乳類に投与し得る。本明細書中で提供されるナノ粒子を、他の経路によって、例えば筋肉内、皮下、舌下、髄腔内(intrathecally)、または皮内に、哺乳類に投与し得る。その投与経路は、治療目的のような様々な因子に依存し得る。
【0025】
ある場合において、本明細書中で提供される方法および材料により、哺乳類において標的分子の生物学的利用能を増加または延長し得る。酵素または他の分子の改善された生物学的利用能を、コントロール組成物と比較して評価し得る。例えば、ナノ粒子に結合した分子は、ナノ粒子に結合していない場合の分子と比較して、インビボで改善したまたは延長した生物学的利用能を示し得る。例えば、ナノ粒子上に負荷した(loaded)分子は、ナノ粒子に結合していない分子と比較して、低下した生物学的利用能を有する可能性があり、そのことを当業者に公知の方法によって決定し得る。例えば、血清中の分子の生物学的利用能を、最高血漿中薬剤濃度、最高薬剤濃度になる時間、および血漿中濃度−時間曲線下面積を決定することによって評価し得る。生物学的サンプルにおいて分子の生物学的利用能を測定する他のアッセイが、当該分野で公知である(Wrobelら、Biol.Trace Element Res.68(2):97−106(1999);Motzokら、J.Assoc.Anal.Chem.61(4):887−93(1978);Johnson、Biol.Trace Element Res.19:3−10(1989);Hazelら、British J.Nutr.57:223−33(1987);Oomenら、Environ.Sci.Tech 35:3326−34(2002))。
【0026】
本文書はまた、酵素補充療法を用いて、哺乳類において酵素疾患を治療すること、または酵素レベルを増加させることに関連する方法および材料を提供する。酵素疾患は、ポリペプチドの酵素活性を部分的にまたは完全に無効にする遺伝欠損によって引き起こされ得る。酵素補充療法は、特定の酵素が欠損している、または欠如している被験体において、酵素を置換する医学的介入の形式である。本明細書中で提供される方法および材料を用いて治療し得る代表的な酵素疾患は、制限無しに、フェニルケトン尿症(PKU)、鎌状赤血球貧血、嚢胞性線維症、およびある患者においては自閉症スペクトラム障害と共に現れるミトコンドリア疾患を含む。ある場合において、本明細書中で提供されるナノ粒子は、積荷として機能酵素を有し得る。そのようなナノ粒子は、本明細書中で記載されるように投与された場合に、哺乳類において酵素機能を回復または改善し得る。
【0027】
ある場合において、本明細書中で提供される方法および材料を、中枢神経系における酵素レベルを増加させるために、および変性性神経疾患を治療するための酵素補充療法を提供するために使用し得る。例えば、本明細書中で提供されるナノ粒子を、哺乳類においてリソソーム蓄積症のような変性性神経疾患を治療するために使用し得る。ある場合において、そのリソソーム蓄積症は、クラッベ病である。本明細書中で提供される方法および材料を用いて治療し得る、他のリソソーム蓄積症は、制限無しに、I型ゴーシェ病、ファブリー病、ハーラー症候群、ニーマン−ピックB病、ポンぺ病、ファーバー病、サンフィリッポ症候群、またはテイ・サックス病を含み得る。変性性神経疾患の治療のための酵素補充療法に、本明細書中で提供されるナノ粒子を使用することに関して、あらゆる適当な分子を、ナノ粒子(例えばポリマーナノ粒子)の表面またはコアに結合させ得る。例えば、酵素、ポリペプチド、抗体、ペプチド断片、PNA、低分子干渉RNA(siRNA)、オリゴヌクレオチド、または小分子を、その分子を哺乳類へ送達するために、ポリマーナノ粒子に結合させ得る。ある場合において、その分子はペプチドまたはポリペプチドであり得る。ある場合において、TIMP−1のようなポリペプチド阻害剤を、そのポリペプチド阻害剤の哺乳類への送達のために、ナノ粒子(例えばポリマーナノ粒子)の表面またはコアに結合させ得る。
【0028】
変性性神経疾患の治療のために、その疾患に関連する酵素を、ナノ粒子(例えばポリマーナノ粒子)の表面またはコアに結合させ得る。本明細書中で提供される方法および材料のための代表的な酵素は、ガラクトセレブロシダーゼ(GALC)であり、この酵素はいくつかのリソソーム蓄積症において欠如している、または機能不全であり得る。本明細書中で提供される方法および材料に適した他の酵素は、制限無しに、ベータ−グルコシダーゼ(ゴーシェ病I、II、およびIII型に関連する)、アルファ−ガラクトシダーゼA(ファブリー病に関連する)、セラミダーゼ(ファーバー病に関連する)、アルファ−L−イズロニダーゼ(ハーラー症候群に関連する)、マルターゼ(ポンぺ病に関連する)、スフィンゴミエリナーゼ(ニーマン−ピックB病に関連する)、ヘキソサミニダーゼ(テイ・サックス病に関連する)、スルファミダーゼ(SGSH)(サンフィリッポ症候群、またはムコ多糖症IIIに関連する)、およびアリールスルファターゼA(ARSA)(異染性白質ジストロフィーに関連する)を含み得る。
【0029】
分子が標的細胞、組織、または生物学的区画へうまく送達されるかどうかを決定するために実験を行い得る。例えば、本明細書中で提供されるナノ粒子の投与が、そのようなナノ粒子に結合した酵素または他の分子の生理学的濃度を増加させたか、または生物学的利用能を延長させたかどうかを決定するために、あらゆる適当なアッセイを行い得る。ある場合において、本明細書中で提供されるナノ粒子を投与する場合、酵素補充療法が成功したかどうかを決定するために、アッセイを行い得る。酵素補充療法の成功を、結合した酵素の体内分布を評価することによって、および治療した哺乳類の病理組織を評価することによって決定し得る。分子の哺乳類への送達の成功を決定する他の適当な方法は、ナノ粒子に結合した酵素または他のポリペプチドに対して向けられた抗体を用いたウェスタンブロッティング、ELISA、酵素活性の機能的アッセイ、および酵素のタンパク質分解の減少を検出するためのアッセイを含み得る。標的分子のタンパク質分解の減少は、その分子の生物学的利用能の増加を示し得る。分子の送達および生物学的利用能を検出するために使用し得る他のアッセイは、生物物理学的方法、分光法、顕微鏡検査、および細胞および組織のイメージングを含み得る。
【0030】
本明細書中で提供されるナノ粒子を投与する場合、神経学的状態の治療の成功を決定するために、あらゆる適当な方法を使用し得る。ある場合において、GALCの脳への局在化を検出し得る。ある場合において、GALCの細胞下の局在を、シュワン細胞、肝細胞、および腎臓立方細胞において検出し得る。アフィニティー精製抗GALCポリクローナル抗体CL1475または組換えヒトGALCタンパク質に対して産生された抗GALCモノクローナル抗体を、局在化アッセイのために使用し得る。ある場合において、切断産物のレベルの増加によって決定される、GALC酵素活性の増加を、脳ホモジネートにおいて検出し得る。例えば、脳ホモジネートを、GALC基質代謝回転反応によって分析し得る。細胞毒性GALC基質であるプシコシンの蓄積の減少を、治療した哺乳類の脳において、そしてより具体的にはオリゴデンドロサイトおよびシュワン細胞のようなミエリン形成細胞において、質量分析(mass spectral analysis)によって検出し得る。本明細書中で提供される方法による酵素補充療法の成功は、坐骨神経の脱髄を抑制し得る。ある場合において、オリゴデンドロサイトの数の増加を、本明細書中で提供されるナノ粒子の投与後に検出し得る。ある場合において、軸索喪失、星状細胞グリオーシス、および多核性末梢マクロファージまたは「グロボイド細胞」の浸潤の減少を観察し得る。酵素補充療法の成功をまた、治療した哺乳類における臨床的表現型の改善によって決定し得る(例えば痙縮、外部刺激に対する易刺激性および過敏症、強直性発作性体位(opisthotonic posturing)、視覚障害、高緊張性発作、または腱反射の喪失の改善)。
【0031】
本発明は、以下の実施例においてさらに説明され、それらは特許請求の範囲において記載される本発明の範囲を制限しない。
【実施例】
【0032】
実施例1−GALCの末梢投与
GALCをトランスフェクトしたHEK293細胞から回収し、そしてアフィニティークロマトグラフィーによって精製した、組換えマウスGALCの週1回の腹腔内(i.p.)注射を、twitcher(攣縮体)マウスに対してPND10または20から開始した。twitcherの神経病理の発症前および発症後の両方を模倣するために、これらの投与レジメを選択した。天然に存在するマウスモデルであるtwitcherは、クラッベ病に対して酵素学的に真正(authentic)である。twitcherマウスの表現型は、GALC遺伝子における単一のG>A変異に由来し、それはGALCの不活性な形態を産生し、そして出生後日数(PND)20までに、CNSおよび末梢神経系において脱髄を引き起こす。twitcherマウスは、典型的には、成長不全、四肢の脱力および麻痺、および不随意の頭部攣縮を経験した後、PND40−42付近でその疾患状態のために死亡する。両方の酵素補充療法(ERT)による治療は、twitcherマウスの寿命を約41から46日に等しく増加させたが、それはヒトのものと比較してのこれらのマウスの急速および攻撃的な病理学的悪化を考慮すると、おそらく臨床的に顕著な改善である。体内分布研究は、その酵素がほとんど全て末梢に、特に肝臓に局在化していることを示した。しかし、酵素活性および免疫組織化学的方法の両方によって、低レベルの組換えGALCが、脳内に検出された。まとめると、このデータは、末梢ERTは、クラッベ病の治療としての可能性を有するが、血液脳関門(BBB)の通過度の増加およびより長い酵素半減期が、おそらく臨床結果を改善することを示している。
【0033】
別の研究において、組換えGALCの単回片側注射を受けたtwitcherマウスが、注射部位から離れた領域を含む脳内で広範囲の酵素分布を示した。PND20においてGALCの単回用量脳室内(i.c.v.)注射を受けた動物は、52日まで生存し、それは約PND40〜42までしか生存しなかったコントロールtwitcher動物と比較して有利である。単回用量のi.c.v.注射は臨床的に実行可能であるが、それはi.p.またはi.v.投与よりかなり侵襲的である。従って、慢性のi.c.v.によるGALC投与に基づく治療は可能性が低い。それにも関らず、これらのデータは、もしGALCのBBB通過度が増加するなら、より積極的な臨床的効果があることを示唆する。
【0034】
血漿中のGALC活性を定量するために、偽ELISAに基づく方法を開発した。まず、吸着性プレート(Nunc Maxisorp)を、アフィニティー精製ニワトリ抗GALC抗体(U1021)でコーティングした。血漿サンプルを、標準的な方法およびEDTAを用いて処理し、次いで直接プレートに加え、そこでGALCを結合させた。徹底的に洗浄した後、反応緩衝液中のGALC比色定量基質を加えた。その反応を規定された間隔で停止し、そして吸光度をプレートリーダー(Molecular Devices)によって読み取った。twitcherマウス血漿(GALC無し)に加えた既知量のGALCを、同じプレートにおける標準曲線として使用して、血漿中のGALCレベルを信頼性高く定量した。
【0035】
実施例2−PEG−b−PLAナノ粒子合成
ナノ粒子はサイズが小さい(2−100nm)ために、ナノ粒子は生物学的システムにおいて使用するのに適している。大きな表面対容積比により、同じようなサイズの生体分子を用いるカプセル封入または機能付与を受けることができ、それにより数種のコピーの同じ生体分子を、単一のNPコアに充填し得る、またはNP表面に結合させ得る。ポリマーNPは、個々の両親媒性ポリマー(疎水性および親水性部分の両方を含む)からコア/シェル構造物に自己集合し;固体で、コロイド性で、高度に可溶性のNPを形成する。GALCの生体内安定性(biostability)および中枢神経系での生物学的利用能を改善するために、GALCに選択的に結合させたポリマーPEG−b−PLA NPを合成した。そのジブロックコポリマーであるPEG−b−PLAを、以前に記載した(Zhangら、Colloid Polym.Sci.282:1323−8(2004);DongおよびFeng、Biomaterials、25(14):2843−9(2004);Zhangら、J.Drug Target 14(5):281−90(2006))をわずかに改変して合成した。簡単には、再蒸留D,L-ラクチドを、ワンポット、開環重合(ROP)反応を用いて、R−PEG3500−OH上に重合した、ここでRはメトキシ、カルボキシル、またはマレイミド部分を示す(図1A)。ROPを、不活性雰囲気下で、130℃で48時間進行させ、それは同様のサイズのPEGポリマーブロックおよびPLAポリマーブロックを生成するために最も良い条件であることが決定された。反応物および最終的なポリマーサイズを、NMRによってモニターした。NPは、異なる比のメトキシ末端ポリマー、カルボキシル末端ポリマー、およびマレイミド末端ポリマーを用いた共溶媒エマルションの手法によって、自己集合した。NPを、原子間力顕微鏡(AFM)によって特徴付けし、そして直径約30nmであることが推定された(図1A)。NP表面のPEG−カルボキシレートを、カルボジイミド(EDC)結合化学反応を用いて、イミノ二酢酸(IDA)へ選択的に変換し、次いで標準的な固定化金属アフィニティークロマトグラフィーによってNP表面に捕捉された、His6タグ化GALCと混合して、NP−GALC結合物を形成させた(図1B)。NP機能付与後、結合物を大規模透析(extensive dialysis)および高速遠心分離にかけ、あらゆる過剰な試薬(未結合のGALCを含む)を除去する(図1C)。
【0036】
現在までに、この方法は、IDAに変換し、続いてGALCに結合させることができるCOOH−PEG基からなる約50%の表面被覆率を有する小規模調製物から、NP−GALC結合物を再現性よく産生している。NP−GALC調製物あたりのNP濃度、またはNPあたりに結合したGALC分子の正確な数は確認されていないが、NP−GALC結合物溶液は、高度に活性なGALCを含む。ゲルに基づくアッセイ、または比色定量GALC活性アッセイを用いることにより、NP−GALCの個々の調製物は20〜40μg/mLのGALC濃度を有した。GALCがNP結合後にその活性を維持することに加えて、NP−GALC結合物が、培養H4細胞(ヒト神経膠腫細胞系統)によって効率的に取り込まれることを実証した。コンフルエントなH4細胞を、12穴プレートに70〜80%の集密度で24時間播種した。細胞を、2、4、または6μgの全GALCのNP−GALC結合物で、または等しい濃度のGALC単独で、さらに24時間処理した。細胞溶解物を、全タンパク質濃度に対して標準化し、そしてウェスタンブロット分析およびGALC活性アッセイによって分析した(図2)。GALCまたはNP−GALC処理および取り込み後に、ウェスタンブロッティングをH4細胞溶解物で行った。80kDaのGALC前駆体タンパク質および50kDaの処理断片の両方が検出され、このことはGALCが正常なプロセシングのためにH4細胞のリソソームに輸送されたことを示している。さらに、NP−GALC結合物が、GALC単独と同じかまたはそれより高いレベルでH4細胞に輸送されたことが観察された。さらに、ウェスタンブロットによって検出されるように、NP−GALC結合物は、GALCがその80kDaの形態から、はるかにより活性な50kDa断片および30kDa断片へプロセシングされる細胞内の部位である、細胞のリソソームに対して正しく標的化された。これらの予備実験は、NP−GALC結合物の生体適合性、およびそのような結合物をERTの形式として使用する可能性を実証した。最初のデータは非常に有望であり、そしてCNS疾患を治療するためにポリマーナノ粒子技術を使用することの発展を支持した。
【0037】
実施例3−NP−GALC結合物のインビトロおよびインビボにおける特徴付け
予備実験により、COOH−PEG−PLAおよびメトキシ−PEG-PLAポリマーの混合物から構築された、NP−GALC結合物の再現性の良い生成がもたらされ、その結果、NP表面の約50%が−COOH部分で覆われ、そしてGALC結合のために利用可能であった。NP−GALC結合物の形態およびサイズを、原子間力顕微鏡(AFM)によって推定し、そして結合したGALCの活性を検証した。NPあたりに結合したGALCの量をより正確に示すために、調製物の比活性をより正確に計算するために、および最適な安定性を可能にする一般的な保存条件を決定するために、NP−GALC結合物のインビトロおよびインビボにおける特徴付けを行った。AFMを使用して、調製した懸濁液あたりに存在するNPの数を計算した。簡単には、広い範囲の希釈における(10〜10,000倍)10μLのNP懸濁液を、3’−(アミノプロピル)−トリエトキシシラン(APTES)で改変した、新しく調製した雲母断片(mica stub)上で、サンプルスポットが乾燥するまでインキュベートした。環境タッピングモード(ambient tapping mode)に設定した、Multimode AFM(Veeco Instruments,Inc.)を有するNanoscope III制御装置を使用して、100μm領域の平均10セクターに沈積したNP(?10μm)の数を計測した。GALCをNP調製物に10μg/mLで加えた。連続的な遠心分離(洗浄)の繰り返しの後、上清層を濃縮し、そして最終的な、4倍濃縮NP−GALC溶液と一緒に、SDS−PAGEゲル電気泳動によって分析した。加えたほとんど全てのGALCがNPに結合した;それは、NP−GALC活性測定に基づく推定GALC量、20〜40μg/mLとよく相関する。
【0038】
血液中におけるGALCの寿命を決定するために、薬物動態学的研究を行った。GALCの血漿半減期(t1/2)を決定するために、GALCをCD−1マウスに尾静脈内注射によって投与した。GALCのi.v.尾静脈注射後0および180分の間の時点で、血液を採取した。結果は、静脈内注射後の血液中のGALCの半減期は、約60分であることを示した(図3)。NP−GALCおよびPEG−GALCの半減期は、それぞれ約105および31分であった。これらの方法を、静脈内投与を用いたGALCおよびNP−GALCに対する薬物動態学的研究を行うために使用し得る。図4で実証するように、脳GALC活性を、GALCまたはNP−GALCのi.v.またはi.p.注射による投薬後に測定した。
【0039】
実施例4−TIMP−1ナノ粒子
ナノ粒子結合後のポリペプチドの酵素活性を試験するために、ポリペプチド阻害剤TIMP−1を、ポリマーナノ粒子の表面に結合させた。ナノ粒子の構築のために、TIMP−1を、ナノ粒子表面の利用可能な部位の1/2に機能付与するために適当な濃度で、ナノ粒子調製物に加えた。TIMP−1を、NHS−誘導バイオコンジュゲーション化学反応を用いて、ナノ粒子のカルボン酸部分に共有結合させた(そのアミン基を介して)(図5)。ナノ粒子結合後のTIMP−1濃度を、TIMP−1に対する比色定量のサンドイッチELISAアッセイを用いて検出した。図6Aにおいて実証するように、NP−TIMP1精製の過程で測定したTIMP−1の濃度に基づいて、結合効率は日常的に>75%であった。TIMP−1は、その天然タンパク質基質であるMMP−9の阻害によって証明されるように、ナノ粒子への結合後にその阻害活性を保持していることが観察された。さらに、NP−TIMP−1結合物は、用量依存的な様式でMMP−9を阻害した(図6B)。ナノ粒子単独は、MMP−9阻害活性を示さなかった。
【0040】
実施例5−TIMP−1、スルファミダーゼおよびアリールスルファターゼAのナノ粒子結合
ナノ粒子結合後のポリペプチドの酵素活性を試験するために、以下のポリペプチドをポリマーナノ粒子の表面に結合した:TIMP−1、スルファミダーゼ(SGSH)、およびアリールスルファターゼA(ARSA)。TIMP−1を、COOH−官能化ナノ粒子またはNH−官能化ナノ粒子のいずれかに共有結合させた。スルファミダーゼを、ナノ粒子表面のCOOH−部分に共有結合した。アリールスルファターゼAを、ナノ粒子表面のCOOH−基を介して共有結合させた。タンパク質構造、立体障害、およびタンパク質動態の違いのために、異なるタンパク質は、独特の率で、そして様々な濃度でナノ粒子に結合する。よって、各タンパク質の結合条件を、標準的なナノ粒子調製手順を用いて、経験的に決定した。各結合に関して、バッチナノ粒子自己集合のために20ミリグラム(mg)の全ポリマーを使用した:約15mg(75%)が利用可能な官能基(COOH−およびNH)を有し、そして約5mgが非反応性の末端(例えばMeO−)を有していた。ナノ粒子は、10mLの最終水容積の水または緩衝化溶液中で自己集合した。各結合物の調製条件を、表1にまとめる。表1および2は、結合後に酵素活性の著しい喪失無しにナノ粒子を得るために、異なるタンパク質濃度が必要であったことを示す。GALCは最も高い濃度でナノ粒子表面に結合し、一方TIMP−1はより低い濃度でナノ粒子表面に結合した。
【0041】
表1.酵素活性の喪失無しに>80%のポリペプチド回収率を達成するためのポリペプチド結合プロトコール
【0042】
【表1】

表2.酵素活性の喪失無しにナノ粒子を産生するタンパク質濃度
タンパク質 結合後の活性
【0043】
【表2】

実施例6−ナノ粒子結合物に対する免疫反応
ナノ粒子結合物の免疫原性を試験するために、マウス(n=8)にGALCまたはNP−GALCを投与した。CD−1マウスに、尾静脈i.v.投与を用いて、10mg/kgのGALCまたはNP−GALCを週1回投与した。GALC単独およびNP−GALC結合物による6週間の投薬レジメの前および後に、抗体反応の存在をアッセイした。ELISAに基づくアッセイを用いて、血漿中の抗体力価を測定した。図7に示すように、酵素単独およびNP酵素処置動物の間に、免疫原性の有意差は認められなかった。これらのデータは、ナノ粒子−酵素結合物が、単独で投与した酵素より有意に高い程度にまで免疫原性を引き起こさないことを示唆する。
【0044】
実施例7−ナノ粒子結合物の安定性分析
保存したナノ粒子−酵素結合物の安定性を試験するために、安定性分析を行った。NP−GALCを、上記で記載したように得た。NP−GALCおよびGALCを凍結乾燥(lyophilized)(凍結乾燥(freeze−dried))し、そして凍結乾燥物として4℃で乾燥保存した。NP−GALCおよびGALC単独の酵素活性を、酵素処方物を調製した後6カ月まで定期的に試験した。図8に示すように、GALC活性は、60日および120日の間のどこかで検出不能になり、一方NP−GALC活性は、研究の期間100%の活性を維持した。これらのデータは、ナノ粒子−酵素結合物が、凍結乾燥した酵素単独よりも、これらの保存条件下でより安定であることを示唆する。
【0045】
他の実施態様
本発明を、その詳細な説明とともに記載したが、上述の記載は、例証することを意図し、そして添付の特許請求の範囲によって定義される、本発明の範囲を制限しないことが理解される。他の局面、利点、および改変が、以下の特許請求の範囲内である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリマーナノ粒子に結合した、酵素活性を有するポリペプチドを含む組成物であって、該ナノ粒子に結合した該ポリペプチドは、該酵素活性を有し、そしてナノ粒子に結合していないコントロールポリペプチドよりも、ヒト血清においてより長い半減期を有する、組成物。
【請求項2】
前記ナノ粒子に結合した前記ポリペプチドは、ナノ粒子に結合していない前記コントロールポリペプチドの、少なくとも85%のレベルの前記酵素活性を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記ナノ粒子に結合した前記ポリペプチドは、ナノ粒子に結合していない前記コントロールポリペプチドの、少なくとも95%のレベルの前記酵素活性を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記ナノ粒子に結合した前記ポリペプチドは、ナノ粒子に結合していない前記コントロールポリペプチドと同じレベルの前記酵素活性を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記ポリペプチドは、ガラクトセレブロシダーゼポリペプチドである、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記ポリマーナノ粒子は、COOH−PEG−PLA、メトキシ−PEG−PLAポリマー、マレイミド−PEG−PLAポリマー、またはその任意の組み合わせから構築される、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記ポリペプチドは、共有結合によって前記ポリマーナノ粒子に結合される、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記ポリペプチドは、非共有結合によって前記ポリマーナノ粒子に結合される、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
凍結乾燥された組成物である、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
前記ポリペプチドは、前記ポリペプチドのNまたはC末端を介して、前記ナノ粒子に結合される、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
血清において酵素活性を有するポリペプチドの半減期を増加させるための方法であって、該方法は、該ポリペプチドをポリマーナノ粒子に結合させて複合体を形成する工程を含み、ここで、該結合されたポリペプチドは、該酵素活性を有し、そしてナノ粒子に結合していないコントロールポリペプチドよりも、血清においてより長い半減期を有する、方法。
【請求項12】
前記ナノ粒子に結合した前記ポリペプチドは、ナノ粒子に結合していない前記コントロールポリペプチドの、少なくとも85%のレベルの前記酵素活性を有する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ナノ粒子に結合した前記ポリペプチドは、ナノ粒子に結合していない前記コントロールポリペプチドの、少なくとも95%のレベルの前記酵素活性を有する、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記ナノ粒子に結合した前記ポリペプチドは、ナノ粒子に結合していない前記コントロールポリペプチドと同じレベルの前記酵素活性を有する、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記ポリペプチドは、ガラクトセレブロシダーゼポリペプチドである、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記ポリマーナノ粒子は、COOH−PEG−PLA、メトキシ−PEG−PLAポリマー、マレイミド−PEG−PLAポリマー、またはその任意の組み合わせから構築される、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記ポリペプチドは、共有結合によって前記ポリマーナノ粒子に結合される、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記ポリペプチドは、非共有結合によって前記ポリマーナノ粒子に結合される、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
前記複合体を凍結乾燥させて、凍結乾燥された複合体を形成する工程を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項20】
前記ポリペプチドは、前記ポリペプチドのNまたはC末端を介して、前記ナノ粒子に結合される、請求項11に記載の方法。
【請求項21】
酵素活性を有するポリペプチドの安定性を増加させるための方法であって、該方法は、該ポリペプチドをポリマーナノ粒子に結合させて複合体を形成する工程を含み、ここで該結合されたポリペプチドは、該酵素活性を有し、そしてナノ粒子に結合していないコントロールポリペプチドよりも高い安定性を有する、方法。
【請求項22】
前記ナノ粒子に結合した前記ポリペプチドは、ナノ粒子に結合していない前記コントロールポリペプチドの、少なくとも85%のレベルの前記酵素活性を有する、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記ナノ粒子に結合した前記ポリペプチドは、ナノ粒子に結合していない前記コントロールポリペプチドの、少なくとも95%のレベルの前記酵素活性を有する、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記ナノ粒子に結合した前記ポリペプチドは、ナノ粒子に結合していない前記コントロールポリペプチドと同じレベルの前記酵素活性を有する、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
前記ポリペプチドは、ガラクトセレブロシダーゼポリペプチドである、請求項21に記載の方法。
【請求項26】
前記ポリマーナノ粒子は、COOH−PEG−PLA、メトキシ−PEG−PLAポリマー、マレイミド−PEG−PLAポリマー、またはその任意の組み合わせから構築される、請求項21に記載の方法。
【請求項27】
前記ポリペプチドは、共有結合によって前記ポリマーナノ粒子に結合される、請求項21に記載の方法。
【請求項28】
前記ポリペプチドは、非共有結合によって前記ポリマーナノ粒子に結合される、請求項21に記載の方法。
【請求項29】
前記複合体を凍結乾燥させて、凍結乾燥された複合体を形成する工程をさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項30】
前記ポリペプチドは、前記ポリペプチドのNまたはC末端を介して、前記ナノ粒子に結合される、請求項21に記載の方法。
【請求項31】
ナノ粒子の凝集を抑制する方法であって、該方法は、ポリペプチドのNまたはC末端を介して、該ポリペプチドをポリマーナノ粒子に結合させて複合体を形成する工程を含み、ここで該複合体の調製物は、該ポリペプチドのNまたはC末端を介して該ポリペプチドに結合していないポリマーナノ粒子を有するコントロール調製物よりも低いナノ粒子の凝集を示す、方法。
【請求項32】
前記ポリペプチドは、ガラクトセレブロシダーゼポリペプチドである、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記ポリマーナノ粒子は、COOH−PEG−PLA、メトキシ−PEG−PLAポリマー、マレイミド−PEG−PLAポリマー、またはその任意の組み合わせから構築される、請求項31に記載の方法。
【請求項34】
前記ポリペプチドは、共有結合によって前記ポリマーナノ粒子に結合される、請求項31に記載の方法。
【請求項35】
前記ポリペプチドは、非共有結合によって前記ポリマーナノ粒子に結合される、請求項31に記載の方法。
【請求項36】
前記複合体を凍結乾燥させて、凍結乾燥された複合体を形成する工程をさらに含む、請求項31に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公表番号】特表2012−522809(P2012−522809A)
【公表日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−503772(P2012−503772)
【出願日】平成22年4月5日(2010.4.5)
【国際出願番号】PCT/US2010/029985
【国際公開番号】WO2010/117957
【国際公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【出願人】(501083115)メイヨ・ファウンデーション・フォー・メディカル・エデュケーション・アンド・リサーチ (27)
【Fターム(参考)】