説明

分子集合体

【課題】可逆的な架橋により複数の分子が集合して形成される分子集合体を提供すること。
【解決手段】内部に空孔が形成されているホスト金属錯体1と、空孔内で金属錯体1に包接されている置換基5及び置換基5に結合し金属錯体1の外部まで延びている分子鎖7を有する化合物15と、を備え、1つの金属錯体1の空孔に2以上の置換基5が包接されている、分子集合体30。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分子集合体に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリマー材料は、プラスチック、フィルム、繊維、ゴム又は塗料などの汎用材料及び機能性材料として広く利用されている。このようなポリマーの強度、耐熱性、変形からの回復といった特性を改良するための方法として、ポリマーを共有結合によって架橋する方法が重要な役割を果たしている。従来、ポリマーの架橋は、機械的性質の向上を目的としたものが多かったが(例えば、特許文献1、2参照)、近年では、ポリロタキサンを用いた「トポロジカルゲル」と呼ばれる機能性材料開発を目指した架橋反応の利用も検討されている(例えば、特許文献3参照)。
【特許文献1】特開2002−239358号公報
【特許文献2】特開2002−216845号公報
【特許文献3】特開2005−320392号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一方、最近では、資源循環型社会実現のために、容易に再利用が可能なプラスチックの開発が重要となっている。しかしながら、直鎖状ポリマーを共有結合によって架橋すると3次元網目構造を形成して熱可塑性を失うため、成形品中のポリマーを回収して再加工することは困難である。また、共有結合による架橋を分解して再利用可能な直鎖状ポリマーを回収することは一般に極めて困難である。そのため、分子同士の可逆的な架橋が可能となるような、共有結合に代わる架橋方法が求められている。
【0004】
そこで、本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、可逆的な架橋により複数の分子が集合して形成される分子集合体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明は、内部に空孔が形成されている金属錯体と、空孔内で金属錯体に包接されている置換基及び置換基に結合し金属錯体の外部まで延びている分子鎖を有する化合物と、を備え、1つの上記金属錯体の空孔に2以上の置換基が包接されている分子集合体を提供する。
【0006】
上記本発明に係る分子集合体においては、1つのホスト金属錯体の空孔に2以上の置換基がゲストとして包接されていることにより、それぞれの置換基に結合した分子鎖同士が金属錯体を介して架橋された集合体が形成されている。そして、包接されている置換基を外部刺激によって金属錯体の外部に放出することが可能であり、これにより分子鎖同士の架橋が可逆的に解かれる。すなわち、上記本発明に係る分子集合体は、可逆的な架橋により複数の分子が集合して形成されたものである。
【0007】
本発明の分子集合体は、上記金属錯体がかご型金属錯体であることが好ましい。これにより、本発明の効果を一層有効に発揮することができる。
【0008】
また、本発明の分子集合体は、上記置換基が疎水性の置換基であることが好ましい。置換基が疎水性を示すことで、より容易に金属錯体の空孔に包接されやすくなり、分子集合体の集合/分離を制御することがより容易となる。
【0009】
さらに、本発明の分子集合体において、上記分子鎖が親水性であることが好ましい。分子鎖が親水性を示すことで、分子鎖部分は金属錯体の空孔に包接されにくくなり、分子鎖が延びている構造をより形成しやすくなる。そのため、分子集合体の集合/分離を制御することがより一層容易になる。
【0010】
本発明の分子集合体は、複数の上記金属錯体を架橋点とする網目構造形成していることが好ましい。このような分子集合体は、強度や耐熱性などの点で、材料としての特性がより優れるものとなる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、可逆的な架橋により複数の分子が集合して形成される分子集合体を提供することができる。これにより、例えば可逆的な3次元網目構造を可逆的な架橋により形成することが可能になり、強度や耐熱性などの点で有利な網目構造を有しながら再利用が容易な材料としての利用が期待される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
【0013】
本発明の分子集合体は、内部に空孔が形成されている金属錯体(以下場合により「ホスト金属錯体」という)と、空孔内で金属錯体に包接されている置換基及び置換基に結合し金属錯体の外部まで延びている分子鎖を有する化合物(以下「ゲスト化合物」という)とを備える。1つの上記金属錯体の空孔に2以上の置換基が包接されている。
【0014】
ホスト金属錯体は、遷移金属及び該遷移金属に配位する配位子を有する金属錯体である。ホスト金属錯体は、その形状をかご型(Cage)、お椀型(Bowl)、カプセル型(Capsule)、ピラー型(Pilar)、プリズム型(Prism)、筒型(Tube)又は球型(Spherical)に分類することができる。これらの中でも、かご型金属錯体が特に好ましい。
【0015】
図1は、ホスト金属錯体の一実施形態を表す模式図である。図1に示すホスト金属錯体1はかご型金属錯体である。ホスト金属錯体1は、遷移金属である6つのパラジウムと、パラジウムに配位する配位子としての4つの2,4,6−トリス(4−ピリジル)−1,3,5−トリアジン及び6つのエチレンジアミンとから構成され、各頂点の位置にパラジウムが配された八面体構造を形成している。八面体構造の内部に、ゲスト分子の置換基を包接する空孔が形成されている。
【0016】
2,4,6−トリス(4−ピリジル)−1,3,5−トリアジンは実質的に平面構造を有する配位子であり、4つの2,4,6−トリス(4−ピリジル)−1,3,5−トリアジンがそれぞれ八面体の面の位置に配されている。各パラジウムには、2つの2,4,6−トリス(4−ピリジル)−1,3,5−トリアジン及び1つのエチレンジアミンが配位している。
【0017】
ホスト金属錯体が備える配位子は、遷移金属と配位結合を形成することができる電子対を有している。電子対としては、窒素原子や酸素原子などの孤立電子対、π−アリル系のπ電子が挙げられ、窒素原子の孤立電子対が好ましい。このような電子対としては、例えば、ピリジン環の窒素原子の電子対が挙げられる。ホスト金属錯体は、遷移金属に配位結合する3個以上の電子対を有し、該3個以上の電子対が実質的に同一平面内に配されている配位子(以下「平面配位子」という)を複数有することが好ましい。平面配位子は全体が実質的に平面構造を形成していることがより好ましい。
【0018】
平面配位子の大きさ(該配位子を内接する球の直径)は特に制限はないが、通常は0.5nm〜5nmが好ましい。配位子の大きさが0.5nm未満では、三次元かご状構造を形成することが困難となり、5nmを超えるとかご状構造の空孔が大きくなり、ゲスト化合物の置換基を包接することが難しくなる傾向がある。
【0019】
平面配位子は、環構造を有していることが好ましい。環構造としては、単環、多環、縮合環及びこれらの環の組み合わせたものが挙げられる。配位子としては、配位結合を形成する3個以上の電子対が幾何学的に規則的に配置されたものがより好ましい。
【0020】
より具体的には、例えば、中心にベンゼン環、1,3,5−トリアジン環等の6員芳香環を有し、その1,3,5−位又は2,4,6−位にピリジン環などの電子対を有する環が置換したものが挙げられる。係る平面配位子の具体例としては、上述の2,4,6−トリス(4−ピリジル)−1,3,5−トリアジンの他、1,3,5−トリス(4−ピリジル)ベンゼンが挙げられる。また、他の例として、中心にポルフィンのような縮合環を有し、ポルフィン環の対称の位置に4個のピリジン環が置換したものが挙げられる。
【0021】
ホスト金属錯体は、上記平面配位子とは別の小さな配位子を有することが好ましい。この配位子は立体的にある程度固定されていることが好ましく、中心の遷移金属に配位したときに環状構造を形成する配位子が特に好ましい。好ましい配位子としては、例えば、上述のエチレンジアミン等のジアミン系の2座配位子が挙げられる。
【0022】
遷移金属としては、配位結合により錯体を形成できる遷移金属であればパラジウムに限定されないが、白金及びパラジウムが好ましい。遷移金属の酸化状態は特に限定されないが、可逆性を考慮すると、酸化されている遷移金属が好ましく、2価の遷移金属がより好ましい。
【0023】
ホスト金属錯体は、当業者には理解されるように、遷移金属の塩又は錯体と、配位子とを水等の溶媒中で反応させることにより合成することができる。
【0024】
図2は分子集合体の一実施形態を表す模式図である。図2に示される分子集合体20は、上述の実施形態に係るかご型のホスト金属錯体1と、空孔内でホスト金属錯体1に包接されている置換基5及び置換基5に結合しかご型金属錯体1の外部まで延びている分子鎖7を有するゲスト化合物10とを備える。1つのホスト金属錯体1の空孔に4つの置換基5が包接されている。言い換えると、複数のゲスト化合物10が1つのホスト金属錯体1を介して架橋されている。
【0025】
ゲスト化合物10が有する置換基5は疎水性の置換基であり、置換基5はホスト金属錯体1と共有結合を形成することなく、主として疎水的な相互作用によってホスト金属錯体1の空孔に包接される。したがって、外部刺激を与えることによって、置換基5を容易にホスト金属錯体1の外部に出すことができる。外部刺激としては、例えば、加熱、せん断応力が挙げられる。
【0026】
疎水性の置換基としては、例えば、炭素数1〜20のアルキル基、芳香族基、脂環式基が挙げられる。中でも、芳香族基及び脂環式基が好ましく、ナフトキノン基、シクロペンタジエニル基、シクロヘキサジエニル基、アダマンチル基、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基、ピレニル基、ノルボルナン基及びフェロセニル基がより好ましく、アダマンチル基が特に好ましい。
【0027】
ゲスト化合物10が有する分子鎖7は、親水性であることが好ましい。これにより、例えば、水又は水溶性溶媒中でホスト金属錯体1とゲスト化合物10を混合したときに、置換基5がホスト金属錯体1の内部に包接されるとともに分子鎖7がホスト金属錯体1の外部に配された形態を有する分子集合体が、速やかに自己組織化的に形成される。
【0028】
親水性の分子鎖は、親水性の化合物に由来する部分構造である。親水性の分子鎖の好適な具体例としては、ポリエチレンオキサイド鎖及びポリプロピレンオキサイド鎖が挙げられる。
【0029】
ゲスト化合物としては、例えば、ポリエチレンアルコール、ポリプロピレンアルコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシ及びプロピレンブロックコポリマー等の親水性のポリマーに上述した置換基を好ましくは末端に結合させた化合物が挙げられる。
【0030】
係るゲスト化合物は、当業者には理解されるように、例えば、ヒドロキシル基を有する親水性の化合物と、疎水性置換基を有する酸クロライドのようなハロゲン化合物との反応により合成することができる。
【0031】
本発明に係る分子集合体は、ホスト金属錯体及びゲスト化合物を溶媒中で混合することにより、又はホスト金属錯体を形成する配位子、遷移金属及びゲスト化合物を溶媒中で混合することにより容易に形成される。用いられる溶媒としては、水又は水溶性の溶媒が好ましく、水が特に好ましい。
【0032】
本発明に係る分子集合体は、ホスト金属錯体を架橋点として有する網目構造を形成していてもよい。図3は、分子集合体の別の実施形態を表す模式図である。図3に示す分子集合体30は、複数のホスト金属錯体1と、分子鎖7及び該分子鎖7に結合している複数の置換基5を有する複数のゲスト化合物15とから構成される。ゲスト化合物15の複数の置換基5はそれぞれ別のホスト金属錯体1に包接されており、これにより架橋点としてのホスト金属錯体1を介して複数のゲスト化合物15が架橋され、全体として3次元網目構造が形成されている。
【0033】
以上、本発明をその実施形態に基づいて詳細に説明した。しかし、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
【実施例】
【0034】
以下、本発明の好適な実施例について更に具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0035】
(測定装置)
核磁気共鳴スペクトル(NMR)は、超伝導フーリエ変換核磁気共鳴装置「NM−Lambda500」(日本電子製、商品名、500MHz)を用いて測定した。粘度(η)は、「フルードスペクトロメータRFS−II」(レオメトリックス社製、商品名、ジオメトリー:回転二重円筒)を用い、せん断速度(γ)10〜10−1、温度25±0.1℃で測定した。
【0036】
(合成例1)
10mL試験管に、遷移金属として(en)Pd(II)ジ硝酸塩60mg(0.206mmol)、配位子として2,4,6−トリス(4−ピリジル)−1,3,5−トリアジン43mg(0.137mmol)及び水10mLを入れ、室温で24時間撹拌した。次いで、不溶物をフィルターろ過し、ろ液をエバポレーターで濃縮し、薄黄色の固体状のかご型金属錯体(Pd−Cage)98.7mg(収率97%)を得た。得られたかご型金属錯体のNMRを測定し、構造を同定した。
H−NMR(500MHz,DO)δ9.16(d,2H,Ar−H),8.66(d、2H,Ar−H),3.00(d,2H,−NCHCHN).
【0037】
(合成例2)
100mLナス型フラスコに、1−アダマンタンカルボニルクロリド4.4g(22.0mmol)及びテトラヒドロフラン30mLを入れた。そこへトリエチレングリコール1.5g(10.0mmol)を加え、トリエチルアミン4.1mL(30.0mmol)を滴下すると、白色沈殿が生成した。26℃5時間撹拌後、桐山ロートでろ過し、ろ液に10%塩酸50mLを加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮後、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=3/1、ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製し、下記式(1)で表される化合物(Ad−tri−Ad)4.16g(収率40%)を得た。得られた化合物はH−NMRを測定し、構造を同定した。
【化1】

【0038】
(合成例3)
トリエチレングリコールに代えて、テトラエチレングリコール1.94g(10.0mmol)を用い、合成例2と同様の操作を行い、下記式(2)で表される化合物(Ad−tetra−Ad)4.00g(収率68%)を得た。得られた化合物はH−NMRを測定し、構造を同定した。
【化2】

【0039】
(実施例1)
合成例1で得たかご型金属錯体(Pd−Cage、29.9mg、10.0×10−3mmol)及び合成例2で合成したアダマンチル基を有するゲスト化合物(Ad−tri−Ad、10.0×10−2mmol、10当量)を試験管に入れ、重水1mLを加え撹拌し、分子集合体水溶液を作製した。
【0040】
(実施例2)
Ad−tri−Adに代えて、合成例3で合成したアダマンチル基を有するゲスト化合物(Ad−tetra−Ad)を用いた以外は、実施例1の操作を行い、分子集合体水溶液を作製した。
【0041】
(比較例1)
アダマンチル基を有する化合物を用いなかったこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、かご型金属錯体水溶液を作製した。
【0042】
(比較例2)
かご型金属錯体を用いなかったこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、Ad−tri−Ad水溶液を作製した。
【0043】
(比較例3)
かご型金属錯体を用いなかったこと以外は、実施例2と同様の操作を行い、Ad−tetra−Ad水溶液を作製した。
【0044】
<外観観察>
かご型金属錯体へのアダマンチル基の包接挙動を調べるため、実施例及び比較例で作製した水溶液を、室温で10分間静置し、作製直後と静置後の外観変化を目視で調べた。比較例2及び3では、かご型金属錯体を含有しないため、化合物が水に溶解又は分散せず沈殿したのに対し、実施例1及び2では、静置後も水に分散していた。これにより、かご型金属錯体に化合物中のアダマンチル基が包接されていることが確認された。
【0045】
<NMR測定>
かご型金属錯体へのアダマンチル基の包接挙動を調べるため、実施例1、比較例1及び2で作製した水溶液のNMRを測定し、比較した。図4(a)は、実施例1で作製した分子集合体のNMRスペクトル図であり、図4(b)は、かご型金属錯体のNMRスペクトル図であり、図4(c)はAd−tri−AdのNMRスペクトル図である。図4の(a)と(b)を比較すると、実施例1の分子集合体水溶液の場合、ゲスト化合物Ad−tri−Adに由来するピークが高磁場側にシフトしていた。一般に分子が別の分子に取り込まれた場合、取り込まれた分子のNMRスペクトルは通常常態よりも高磁場側にシフトすることが知られている(Angew.Chem.Int.Ed.,37,3142(1998)、Angew.Chem.Int.Ed.,39,4119(2000)を参照)。これにより、かご型金属錯体にゲスト化合物中のアダマンチル基が包接されていることが確認された。
【0046】
<粘度測定>
実施例1及び2で作製した分子集合体水溶液のせん断速度と粘度の関係を測定し、それぞれ、比較例(化合物単独の場合、かご型金属錯体単独の場合)と比較した。図5は実施例1の分子集合体水溶液のせん断速度と粘度の関係を示す図であり、図6は実施例2の分子集合体水溶液のせん断速度と粘度の関係を示す図である。実施例1及び2で作製した分子集合体水溶液は、せん断速度が大きくなるにつれて粘度が低下する、チキソトロピー性に由来する粘度挙動を示した。これは、かご型金属錯体へのアダマンチル基の包接が、せん断応力を加えられたときに可逆的に解かれたことを示唆している。また、一つの応用例として、本発明に係る分子集合体が、流動性を制御するための機能性材料として有用であることが確認された。
【0047】
以上のように、本発明の分子集合体は、可逆的な架橋により複数の分子が集合して形成されているため、分子の集合/分離を外部刺激で可逆的に制御可能である。したがって、本発明の分子集合体は、リサイクル材料、ゾル−ゲル変換材料(塗料、オイル、分散剤の流動制御剤)又は刺激応答材料(分子スイッチ、分子センサー)としての利用が期待される。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】かご型金属錯体の一実施形態を表す模式図である。
【図2】分子集合体の一実施形態を表す模式図である。
【図3】分子集合体の別の実施形態を表す模式図である。
【図4】(a)は実施例1の分子集合体のNMRスペクトル図であり、(b)は比較例2のAd−tri−AD水溶液のNMRスペクトル図であり、(c)は比較例1のかご型金属錯体水溶液のNMRスペクトル図である。
【図5】せん断速度と粘度との関係を示すグラフである。
【図6】せん断速度と粘度との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
【0049】
1…金属錯体、5…置換基、7…分子鎖、10…化合物、15…化合物、20…分子集合体、30…分子集合体。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に空孔が形成されている金属錯体と、
前記空孔内で前記金属錯体に包接されている置換基及び前記置換基に結合し前記金属錯体の外部まで延びている分子鎖を有する化合物と、を備え、
1つの前記金属錯体の空孔に2以上の前記置換基が包接されている、分子集合体。
【請求項2】
前記金属錯体がかご型金属錯体である、請求項1記載の分子集合体。
【請求項3】
前記置換基が疎水性の置換基である、請求項1又は2記載の分子集合体。
【請求項4】
前記分子鎖が親水性である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の分子集合体。
【請求項5】
複数の前記金属錯体を架橋点とする網目構造を形成している、請求項1〜4のいずれか一項に記載の分子集合体。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−79006(P2009−79006A)
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−249926(P2007−249926)
【出願日】平成19年9月26日(2007.9.26)
【出願人】(000003609)株式会社豊田中央研究所 (4,200)
【出願人】(504137912)国立大学法人 東京大学 (1,942)
【Fターム(参考)】