説明

分散補償光導波路ファイバ

【目的】 約1310nmにおいて零分散を有する伝送ファイバにおいて1550nm波長ウインドウ内の所定の波長における光源を用いた伝送システムを提供すること。
【構成】 分散補償光ファイバが、1520〜1565nm波長ウインドウにおける低分散動作に適した伝送リンクを形成するために1290nmから1330nmまでの範囲内の波長における零分散動作のために最適化された従来の単一モ−ド伝送ファイバとともに使用するために適合される。それらの分散補償光ファイバは、-20ps/nm-kmよりも負方向に大きい分散および1520〜1565nm領域内の波長における1db/kmより小さい減衰を与え得る。それらの分散補償ファイバうちのあるものは、伝送ファイバの分散対波長傾斜を補償するために、1520〜1565nm領域内で負の傾斜を有する分散対波長関係をも呈示する。この分散補償ファイバは、それによってシステム中に導入される減衰を克服するようになされた補償器を形成するために、ファイバ増幅器と結合されうる。1つの実施例では、分散補償ファイバは分布ファイバ増幅器である。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は零分散波長が伝送波長とは実質的に異なっている伝送リンク上での低分散、低減衰単一モ−ド伝送のためのシステムおよびそのシステムに用いられる装置に関する。
【0002】
【従来の技術】光ファイバ伝送リンクの長さを制限する重大な要因は減衰である。シリカをベ−スとした光ファイバの設計および製造においては、光ファイバの減衰性能は1970年代では0dB/kmであったのが今日では理論的最小値に近い値まで改善されており、1310nmでは約0.35db/kmであり、また1550nmでは約0.2dB/kmである。
【0003】さらに、希土類ド−パントを用いた光ファイバ増幅器が公知であり、そして最近では種々の商用システムが利用できるようになっている。例えば、Armitage,"Three-level fiber laser amplifier: a theoretical model", APPLIED OPTICS, Vol. 27, No. 23, Dec. 1, 1988,およびそこで引用されている文献を参照されたい。これらのファイバ増幅器はファイバの減衰に基因するリンク長制限を実質的に軽減することができる。今日までのところ、唯一の実用ファイバ増幅器は1520 - 1565 nmの近辺で動作し、その範囲ではEr+3ド−パント・イオンに遷移が存在する。
【0004】他の重要なリンク長制限は、伝送リンクを形成する光ファイバにおける材料分散および導波路分散に基因して生ずる全色分散(total chromatic dispersion)である。ガラスファイバ導波路中での光の速度はその光の波長の関数であるから、分散はある範囲の波長を含むパルスに対するパルス拡散の原因となる。パルス広がりはファイバ分散、ファイバ長、および光源のスペクトル幅の関数である。光源の波長の範囲が非常に狭いシステムでも、すべての光源の波長範囲が例えばレ−ザ−光源チャ−プに基因してある程度は広がる。
【0005】標準的なステップ・インデックス単一モ−ド・ファイバでは、全色分散対波長のグラフは主として材料分散の関数であり、正の傾斜をもったほぼ直線の曲線として描くことができる。この曲線はほぼ1310 nmで零交差を有し、1550 nmにおいて約15 ps/nm-kmの値に達する。Agrawal, Nonlinear Fiber Optics, Academic Press, Inc., Sandiego, CA., 1989, p. 11. このような従来のファイバでは、分散がほぼ零となる1310 nm付近で帯域幅が最大となる。これらの従来のファイバは1310 nm付近での動作のために最適化されている(以下では、1310 nmでの動作のために最適化されている)と言われている。
【0006】他方、GeO2-SiO2ガラスで作成された従来の単一モ−ド・ファイバにおける最小理論減衰は1550 nmの領域にあり、これはレイリ−散乱および赤外線吸収に基因する。伝送が1310nmで行なわれる場合には、標準のステップ・インデックスは1550nmにおける理論最小値の約1.75倍の減衰を有する。標準ステップ・インデックス光ファイバが実質的な分散を生ずる1550nmにおける伝送では、分散の効果が減衰上の利益を上回るから、リンク長は分散で制限される。
【0007】ファイバのト−タル・パ−フォ−マンス(total performance)は分散と減衰との両方の関数であるから、1550nmにおける分散を最小限に抑えて、その波長範囲における最小減衰を利用するための種々の試みがなされている。分散対波長曲線の零交差を1550nm領域にシフトする種々の「分散シフト」ファイバ設計("dispersion-shifted" fiber designs)が開発されている。例えば、Cohen, Lin andFrench, ELECTRONICS LETTERS, Vol. 15, No. 12, June 7, 1979 pp. 334-335;Bhagavatulaの米国特許第4715679号;Saifi et al., "Triangular-profile single-mode fiber", OPTICS LETTERS, Vol. 7, No. 1, January 1982, pp.43-45; Ohashi et al.の米国特許第4755022号;Bhagavatula, "Dispersion-shifted and dispersion-flattened single-mode designs", Technical Digest, Conference on Optical Fiber Communication, paper WF1, Feb. 26, 1986; およびTanaka etal., "Low-Loss Dispersion Shifted Fiber with Dual ShapeRefractive Index Profile", National Conference Record 1987, Semiconductor Devices and Materials, I.E.I.C.E. (1987), p. 2-217を参照されたい。きおれらの分散シフトファイバは分散対波長曲線を全体として右方に(長い波長の方へと)シフトさせるために負の導波路分散を生ずる特別の屈折率分布に基づいている。
【0008】さらに、1300nmと1550nmの両方の伝送領域で零分散交差を有する種々の「分散フッラト」ファイバ("dispersion flattened" fibers)が設計されている。例えば上述したBhagavatulaの米国特許および上記文献Okamoto et al.,"Dispersion Minimization in single-mode fibers over a wide spectral range", ELECTRONICS LETTERS, Vol. 15, No. 22, Oct. 25, 1979, pp. 729-731; Okamoto et alの米国特許第4525027号;Cohen et al.の英国特許第2116744号;Cohen et al., "Low-loss Quadruple-clad single-mode lightguides with dispersion below 2 ps/km-nm over the 1.28μm - 1.65μmwavelength range", ELECTRONICS LETTER, Vol. 18, No. 24, Nov. 25, 1982, pp. 1023-1024; Cohenet al., "Ultrabroadband single-mode fibers", Technical Digest, Conference on Optical Fiber Communication, paper MF4, Feb. 28, 1983; Cohen et al., "A systematic approach to fabricating single-mode lightguides", Proc.SPIE, Vol. 425 (1983), pp. 28-32; Sears et al., "Measurements of the axial uniformity of dispersion spectra in single/-mode fibers", Proc. SPIE,Vol. 425(1983), pp. 56-62; Ungerの米国特許第4691991号;Francois,"Propagation Mechanisms in Quadruple-clad fibers: mode coupling, dispersion and pure bend losses", ELECTRONICS LETTERS, Vol. 19, No. 21, Oct. 13, 1983, pp. 885-886; およびShigematsu et al.ヨ−ロッパ公開特許公報第0283 748号を参照されたい。
【0009】幾つかの文献が、分散フラットファイバは零交差の付近で傾斜が低下し、それによって伝送波長の近傍における比較的広い波長範囲において低分散伝送を可能にするという利点をも有していることを示している。例えば、Okamoto et al.の米国特許第4372647号およびLazay et al.の米国特許第4439007号を参照されたい。
【0010】ある種の分散フラットファイバ設計は1300nmから1550nmまでの範囲内の波長において若干負の全分散を生ずる。Bhagavatula et al., "Segmented-core Single-mode Fibers with Low Loss and Low Dispersion", ELECTRONICS LETTERS, Vol. 19, No. 9, April 25, 1983, pp. 317-318の図3には1300nmにおける約-5ps/km-nmから1550nmにおける約-2ps/km-nmまで変化する全分散対波長曲線を有する分散フラットファイバ設計Cが示されている。この分散フラット設計は、必要とされる分散補償ファイバの長さが伝送ファイバの長さの7〜8倍となるので、1550nmにおける分散補償のためには実用できでない。同様の分散対波長曲線がReedの米国特許第4852968号の第9欄第25〜30行目に記載されている。
【0011】Cohen et al., "Tailoring the shpaes of dispersion spectra to control bandwithds in single-mode fiber", OPTICS LETTERS, Vol. 7, No. 4, April 1982, pp. 183-185はコンピュ−タ・シミュレ−ションの「ダブル・クラッド」ファイバ("double-clad" fibers)における分散フラット化に関するものである。第85頁の図6は、「短波長零交差が材料分散零交差よりも短い波長に移動されうると考えられる」と著者が主張する1つのシミュレ−トされたファイバ設計を含んでいる。零交差を左へとシフトさせることに加えて、このシミュレ−トされた設計は、1450nm波長領域における非常に急激に負の傾斜と、この領域における-40ps/km-nmより小さい全色分散を示している。Cohen et al.の米国特許第4435040号は第6欄第45〜54行目に図6に関する平行開示を含んでいる。
【0012】この文献は1550nm領域に関してどういうことを示しているのか明らかではない。分散曲線が単にル−ラで延長されただけであれば、1550nmにおける値は全体のスケ−ルの数倍だけ図6の測定スケ−ルからはずれることになるであろう。ケ−ス3のシミュレ−ションは1310より小さい波長における零交差を生ずることに関するものであるから、この文献には1550nm領域に関しては開示されても暗示されてもいない。
【0013】上記Cohen et al.の"Tialoring ...."という文献から明らかなことは、全分散曲線の傾斜の絶対値(約2 ps/nm2-km)は、1310nmにおける伝送に対して最適化された標準の単一モ−ドファイバの場合の全分散曲線の傾斜(それは約0.06 ps/nm2-km)よりはるかに大きいということである。この設計のファイバは1550nmの光を伝送しないと考えられる。このようなファイバは1dB/kmよりはるかに大きい、非常に大きな減衰を有するであろう。このシミュレ−トされたファイバは多くの理由で1550nmウインドウ(約1520nm - 1565nm)における分散補償ファイバとしては実用できないであろう。第1に、このファイバは1550nm領域における光を伝送しないであろう。なぜなら、このような非常に大きく負方向に傾斜した分散対波長曲線を示すであろうとこの実際のファイバに対するベンド・エッジ波長(bend-edge wavelength)が1520nmより大幅に低いであろうからである。ベンド・エッジ波長というのは、真っ直ぐなファイバが基本モ−ドを伝播しなくなる波長のことである。
【0014】第2に、伝送波長のわずかな変化でも分散補償効果に、従って従来の1310nm伝送リンクにおける正の分散を打消すのに必要な分散補償ファイバの長さに大きな変化を生ずることになる。さらに、著者等はこれらの「考えれ得る」シミュレ−トされたファイバを製造することの困難性を認めており、「予想されうるように、ダブル・クラッド光導波路の潜在的に魅力のある特性は直径および屈折率差に厳しい裕度を要求する」と述べている(第185頁、第1欄、第1段)。
【0015】リンクにおける全色分散を打消すための分散補償手段を有する伝送リンクに対する技術が提案されている。Kogelnick et al.の米国特許第4261639号は単一モ−ド・ファイバ伝送システムにおけるパルス分散を最小限におさえるための光パルス等化技術に関するもんどえある。(またLin, Kogelnick and Cphen,"Optical-pulse equalization of low-dispersion transmission in single-mode fibers in the 1.3-1.7μm spectral region", OPTICS LETTERS, Vol. 5, No.11, Nove. 1980, pp. 476-478をも参照されたい。)Kogelnickのシステムでは、伝送ファイバの負の分散がイコライザ・ファイバの正の分散によって打消される。2本のファイバの長さはそれらの分散値の比に基づいて整合される。
【0016】上記米国特許第第4261639号に記載されている例(第4欄第26〜56行目)では、1560nmで最小分散を有する100Km伝送ファイバを通じて1550nmにおいて5nmのスペクトル幅を有する信号を伝送して(-0.8ps/nm-km)(100km)(5nm) =-400psecの分散を生じている。1350nm単一モ−ド・ファイバがイコライザ・ファイバとして意図されており、、かつ1550nmにおけるそれの分散は約16ps/nm-kmであるから、5kmの長さのイコライザ・ファイバが400psecの分散を生じ、かつそれによって合成リンクにおける全分散を打消して零にする。
【0017】上記Lin, Kogelnick and Cohenの文献(第477頁)では、そこに記載されて例は1510nmで零分散を有する1kmファイバと、1320nmで零分散を有する0.76kmファイバを伴った伝送リンクである。この合成ファイバの場合の全分散曲線の零交差は1420nmで測定される。
【0018】上記米国特許第第4261639号のシステムは重大な問題を有している。伝送ファイバの零分散波長と光源波長との差が小さい場合には、その特許で説明されているように、比較的短い長さの市販のイコライザ・ファイバを使用することができる。しかし、上記Lin, Kogelnick and Cohenの文献に呈示されているように、波長の差が大きい場合には、それに伴って長い長さのイコライザ・ファイバが必要とされ、リンク長が減衰で制限されるようになる。従って、Kogelnickの考え方は本発明が関係する基本的な問題を解決することはできない。すなわち、1310nmにおいて零分散を有する伝送ファイバに対して1550nm光源を利用した実用的な伝送システムを実現することはできない。
【0019】同じ難点を有する同様のシステムがLarner and Bhagavatula, "Dispersion Reduction in Single-mode-fiber links", ELECTRONICS LETTERS, Vol. 21, No. 24, Nov. 21, 1985, pp. 1171-72に記載されている。このシステムでは、1310nmで零分散を有する1kmおよび2.5knの標準の単一モ−ド・ファイバが、1550nmで零分散を有する分散シフト・ファイバの60kmリンクに付加され、そのリンクの零分散の波長を1541nmの光源波長に向ってシフトさせている。改善された伝送性能が測定されかつグラフ化されている。
【0020】米国特許第4969710号はさらに他の分散補償技術であって、SiO2をベ−スとした光ファイバにおける分散を補償するためにフッ化物ガラスをベ−スとしたファイバを用いることに関するものである。フッ化物ガラスをベ−スとしたファイバの零分散波長は約2000nmである。そこに記載された仮想の例では、伝送波長において合成リンクに対する零分散を実現するために、1320nmにおいて零分散を有するSiO2をベ−スとした光ファイバ1kmが、2000nmにおいて零分散を有するフッ化物ガラスをベ−スとしたファイバ0.54kmと結合されている(第6欄24〜26行目および第7欄48〜59行目を参照されたい)。標準の分散規定を用いると、1550nmにおける標準ファイバの分散は、約15 ps-km-nmとなり、従ってフッ化物ガラスファイバのそれは約-33 ps/km-nmとなるであろう。(分散の定義に対する符号の付け方が異なっているために、上記米国特許第4969710号の図4と図5では分散対波長のグラフが上下に反転していることに注目されたい。本発明の目的に対しては、Agrawal, Nonlinear Fiber Optics, Academic Press,Inc., SanDiego, CA., 1989, p. 10に示されているように、米国で慣用されている符号の付けかたおよび分散方程式に従ものである)。
【0021】この技術は、上記米国特許第第4261639号のイコライザ・ファイバよりも短い長さのフッ化物ガラスファイバを使用できるようにするが、上記米国特許第4969710号で要求されているフッ化物ガラスファイバは現在一般に入手不能であるという難点がある。
【0022】ヨ−ロッパ特許公開公報第0 089 655号は約1600nmにおいて零材料分散交差を有するフッ化物ガラス(62HfF4 - 33BaF2 - 5LaF3)で作成されたファイバに関するものである(図3参照)。このヨ−ロッパ特許公開公報の図3は、このようなフッ化物ガラスを用いた分散シフト・ファイバ分布では-10 ps/km-nmのように低い分散値が可能でありうることを示唆している。
【0023】他の多くの分散補償技術が従来技術で検討されている。米国特許第4750802号は分散補償のためのファイバ・ディレイライン・アレイに関するものである。米国特許第4768853号は分散変換器として多モ−ドファイバのセグメントを用いた分散補償システムに関するものである。米国特許第4913520号はレ−ザ−出力パルス幅を圧縮するために自己位相変調を用いるパルス圧縮技法に関するものである。米国特許第4979234号は飽和半導体レ−ザ−増幅器を用いたパルス圧縮技法に関するものである。
【0024】
【本発明が解決しようとする課題】上述のように、本発明の第1の課題は約1310nmにおいて零分散を有する伝送ファイバを通じて伝送するものであって、1550nmのウインドウ内に所定の波長の光源を利用した伝送システムの設計および実施である。今日敷設されているファイバ伝送リンクのうちの圧倒的多数が約1310nmで零分散を有する光ファイバを基礎としているから、この課題は商業的に重要である。既存の標準的な単一モ−ドの1310nmで最適化された光ファイバ・ル−トをより高い容量にアップグレ−ド(upgrading)することはロングホ−ル(long-haul)通信提供者にとって非常に関心の高い問題である。
【0025】例えば、標準のステップ・インデックス単一モ−ド・ファイバを通じて伝送する1550nmシステムの場合には、ファイバの約15ps/km-nmの正の分散レベルが40チャンネル(あるいはそれ以上の)50-500MHz AMビデオ信号の歪みを生じさせ、かつリンク長を5km以下に制限する。Vodhanel et al., "Performance of Directly Modulated DFB Lasers in 10-Gb/s ASK, FSK, and DPSK Lightwave Systems", JOURNAL OF LIGHTWAVE TECHNOLOGY, Vol. 8, No. 9, September 1990, pp.1379-1385は、1550nm DFBレ−ザ−の直接強度変調および直接検知を用いた10-Gb/s伝送実験において、標準の1300nm最適化ファイバを通じての伝送は、許容できないビット・エラ−・レ−トが生ずるまえに、3kmの長さに制限される。
【0026】理想的には、既存の1310nm最適化リンクに対するアップグレ−ド法は、増大されたデ−タ・レ−トと電子発生器サイトの両方を含み(より長いスパン容量を介して)、既存のファイバが新しい装置を最少限に抑えてさらに効率的に使用できるようにすることであろう。1550nm波長ウインドウ(約1520nm-1565nm)では、エルビウムをド−プした光ファイバ増幅器(OFAs)が減衰損失制限を効果的に除去することができる。しかし、1310nm波長ウインドウでは、光ファイバ増幅器は利用できない。
【0027】Gnauck et al., "Optical Equalization of Fiber Chromatic Dispersion ina 5-Gb/s Transmision System", IEEE PHOTONICS TECHNOLOGY LETTERS, Vol. 2,No. 8, August 1990, pp. 585-587,は反射形ファブリ−ペロ−干渉計を用いた分散等化技法に関するものである。この文献はその等化処理で6dBの損失を認めているが、その損失は光増幅によって補償され得るかあるいは光サ−キュレ−タを用いて軽減され得ると述べている(第2欄1〜5行目)。
【0028】Gysel, "CATV AM Optical Transmission Links Using the 1550 nm Window",Proc. Manual, Fiber Optics 1991, Society of Cable Television Engineers,January 1991, pp. 161-166は1310nmにおいて零分散を有する単一モ−ド・ファイバでの1550nm伝送によって生ずる分散を補償する電気的分散補償回路に関するものである。この電子的技法はそれが依存するフィルタ装置の動作波長範囲が狭いことによる制限をうける。
【0029】分散補償技術における上述の問題点を考慮すると、ファイバを基礎とした分散補償システムに対する重大な商業上の必要性が存在する。本発明の1つの目的はファイバの減衰および全色分散に基因するリンク長に対する制限が最小限であるオ−ルファイバの光伝送リンクを提供することである。本発明の他の目的は、本質的に1310nmで最適化されたファイバをそれがあたかも分散シフトファイバであるかのように1550nm波長ウインドウ内で動作させ、伝送帯域幅を実質的に増大されかつ/または複合二次(CSO)歪みを軽減させるようになし得る単純なファイバを基礎とした全光分散補償技術を提供することである。
【0030】本発明の他の目的は、減衰が付加されることがない分散補償を与えるために、大きい負の分散を伴って1550nmで動作し、1550nmで正の分散を有する伝送リンクと結合され得るエルビウムをド−プした光ファイバ増幅器システムを提供することである。
【0031】本発明の他の目的は、1520nmから1565nmまでの波長範囲内で大きく負の全色分散を与える分散補償SiO2-GeO2ガラスファイバを提供することである。本発明の他の目的は、1310nmにおける伝送に対して最適化されたファイバの標準長リンクにおける分散を補償するために比較的短い長さで用いることができるこの種のファイバを提供することである。本発明のさらに他の目的は市販の標準ファイバのkm当りの減衰の5倍より大きくない、好ましくは3倍より小さい低減衰のこの種の分散補償ファイバを提供することである。
【0032】本発明の他の目的は、1550nm波長範囲において特定のリンクに対する分散フラット化を与えるように傾斜がコントロ−ルされる全分散対波長曲線を伴うファイバを作成することである。この特徴は、本明細書中では「傾斜補償」"slope compensation")として記述されており、かつそれは1本のファイバで幾つかの信号を多重化することあるいは発信レ−ザ−の平均波長およびスペクトル幅に対するより大きな寛容度を許容する。本発明の1つの実施例では、分散曲線の傾斜は0から-1.2ps/nm2-kmまでの範囲内である。
【0033】
【課題を解決するための手段】これのおよび他の目的が本発明によって達成されるものであり、1つの実施例では、本発明は負の導波路分散を生ずるように調整された屈折率分布を有するシリカをベ−スとした分散補償光導波路ファイバを具備し、そのファイバの全分散が1520nmから1565nmまでの範囲内の所定の波長で-20ps/nm-kmより小さいようになされている。
【0034】他の実施例では、本発明は1290nmと1330nmの間の範囲内の波長で低分散動作するように最適化された少なくとも40kmの標準単一モ−ド伝送ファイバと、この標準単一モ−ド伝送ファイバの長さの約二分の一より小さい長さをもって負の導波路分散を発生するように調整された屈折率分布を有する分散補償光導波路ファイバとの直列結合よりなる分散を補償された光伝送リンクを具備しており、この分散を補償された光伝送リンクの光源スペクトル幅のnm当りの全分散が1520nmから1565nmまでの波長範囲内の所定の波長において300ps/nmより小さくなるようになされている。
【0035】さらに他の実施例では、本発明は1290nmと1330nmとの間の範囲内の波長において低減衰動作をするように最適化された標準単一モ−ド伝送ファイバに使用するための分散補償器を具備し、この補償器は1520nmから1565nmまでの範囲内の所定の波長で負の全色分散を有する分散補償ファイバと直列に接続された光ファイバ増幅器を具備しており、この光ファイバ増幅器は前記所定の波長で増幅を与えるようになされている。
【0036】他の実施例では、本発明は1520nmから4565nmまでの範囲内における所定の波長で動作する光源、光検知器、光伝送ファイバ、分散補償ファイバ、および前記光源と検知器との間に接続された光ファイバ増幅器よりなり、前記光伝送ファイバは1290nmと1330nmの間の範囲内における波長での低分散動作に対して最適化されており、前記分散補償ファイバは負の導波路分散を発生するように調整された屈折率分布を有しており、前記ファイバの全分散が1520nmから1565nmまでの範囲内の所定の波長において-20ps/nm-kmより小さくなるようになされている。
【0037】
【実施例】本発明の伝送システムは図1に示されている多数のシステム要素を用いている。1290nm-1330nmの範囲内における1310nmのような波長において零分散を有する標準の単一モ−ド光ファイバよりなる伝送リンク2(以後これを「1310nm伝送リンク」と呼ぶ)に550nm光源が入射される。1310nm伝送リンク2の端部において、信号がエルビウムをド−プされた光ファイバ増幅器(OFA)3に結合される。このような増幅器は公知である。例えば、米国特許第4959837号、第5005175号、および第5067789号を参照されたい。本発明の1つの実施例によれば、その増幅された信号が分散補償ファイバ4に結合される。分散補償ファイバ4は伝送リンクにおけるOFA3の両側に配置されうる。ある実施例では、分散補償ファイバ4は、伝送リンク2の長さに依存して、OFAを伴うことなしに使用してもよい。その信号が検知器5に送られる前にOFA3からの不要な増幅された自然放出(ASE)を濾波するために帯域フィルタ6が用いられる。
【0038】本発明の他の実施例では、分散補償ファイバ4の屈折率分布を有するファイバよりなりかつ光増幅器の性能を高めるためにアルミナを添加してまたは添加することなしにコアにErド−ピングを含んだ分布ファイバ増幅器で、OFA3と分散補償ファイバ4を置換しうる。コア中に分布されたErド−ピングを伴った分散シフトファイバに関する、Tanaka et al., "Attenuation Free, Dispersion Shifted Fiber Doped with Distributed Erbium", Techinical Digest on Optical Amplifiers and Their Applications, 1990, Optical Society of America, Vol.13, pp. 138-141と対比されたい。
【0039】信号が分散補償ファイバ4に結合されると、その信号は伝送リンク2内で誘起された正の分散によって判別しにくくなりうる。本発明の分散補償ファイバ4は分散されたパルスを等化しかつ信号が検知器5によって受信されたときにその信号を読取り可能にするための実用的で、廉価な低減衰手段を与える。OFA3が適当なレベルの光増幅を与える場合には、全伝送リンクの長さを増大させるために、検知器5を付加的な伝送リンクで置換しうる。
【0040】これらのシステム構成は1310nmファイバに伴う分散限界によって、他の場合にに許容されるよりも長いリンク長を許容する。
【0041】図2は1310nmおよび1550nm信号の高ビット・レ−ト伝播を同時に許容する本発明の他の実施例を示している。WDMカプラ19が1310nm光源11および1550nm光源11aからの信号を1310nm伝送リンク12に結合する。1310nm伝送リンク12の出力側におけるWDMカプラ16はそれら2つの信号をそれらの波長に基づいて分割する。このようなカプラは公知であり、例えば米国特許第4938556号、第4941726号、および第4955025号を参照されたい。1310nm信号はレピ−タ17によって処理され、かつ1550nm信号はOFA13によって増幅され、それの分散が分散補償ファイバ14によって補償される。再生された1310nm信号および増幅され分散補償された1550nm信号は、他の伝送リンクに再導入されるためにWDMカプラ18によって再結合される。
【0042】図3は本発明の他の実施例を示しており、この実施例では、1550nm光源21が分散補償ファイバ24に入射されるが、これによりOFA25によって増幅されるべき1550nm信号を先行歪ませるので、1310nm伝送ファイバ22の後続の長さ部分中を伝播した後で、全色分散が実質的に打消される。1310nm伝送ファイバ22からの分散補償された信号はOFA23によって増幅され、光帯域フィルタ26によって濾波され、そして検知器27によって受取られる。
【0043】図4は非常に長い1310nm伝送リンクを通じての1550nm信号の高ビット・レ−ト伝播を許容する他の実施例を示している。光源28は続いてOFA30によって増幅される1550nm信号を先行歪ませるように分散補償ファイバ29に導入して、1310nm伝送ファイバ31の長い長さ部分を通じて伝播した後に、全色分散が部分的にのみ補償されるようになされうる。弱い信号はOFA32によって増幅され、帯域フィルタ(BPF)33によって濾波され、そして検知器35に到達する前に分散補償ファイバ34によって分散を補正される。この実施例は所定の高いビット・レ−トで1310nm伝送リンクによる最も長い非中継距離の1550nm伝送を許容しうる。
【0044】分散補償ファイバに対する長さ計算の方法はが、図1に示されたシステムに関する下記の例によって示される。1550nmにおいて約15ps/km-nmの分散を有する50kmの伝送ファイバ2に場合には、光源スペクトル幅のnm当りの全伝送ファイバ分散は750ps/nmである。本発明の1つの実施例では、分散補償ファイバ4は-30ps/nm-kmの分散を有しており、50kmの伝送リンクにおける正の分散を完全に補償するためには、25kmの長さを必要とする。この長さの値は正確である必要はなく、精密でなければ分散を生ずるが、従来のシステムではシステムパラメ−タに応じてアルレベルの分散が許容される。伝送ファイバおよび分散補償ファイバの長さは特定の伝送波長(典型的には1520nm-1565nmの範囲)につきシステムを零交差に微同調するために変化されうる。本発明の分散補償伝送システムでは、分散補償ファイバの所要長は1310nm伝送リンク・ファイバの長さの約2分の1より大きくないことが好ましく、かつ光源スペクトル幅の1550nmにおけるnm当りの分散補償伝送リンク全体の全分散は約300ps/nmより小さい。1550nm波長ウインドウにおける1310nm伝送リンク・ファイバの分散は約±5ps/nm-kmであるから、分散補償ファイバの所要長が1310nm伝送リンク・ファイバの長さ2分の1より大きくないようにするために、伝送波長における分散補償ファイバの分散は-20ps/nm-kmまたはそれより負方向に大きい値であることが好ましい。
【0045】標準単一モ−ド伝送ファイバ2の減衰は、約10dBのリンク減衰に対しては、約0.2dB/kmのオ−ダ−である。分散補償ファイバ4の減衰が0.5dB/kmのオ−ダ−であれば、分散補償ファイバ4がシステムに12.5dBの減衰を付加するが、それはOFA3によって用意に除去されうる。分散補償リンクの減衰は≦1dB/kmであることが好ましい。
【0046】分散補償ファイバの良度指数はkm当りのファイバ分散を公称伝送波長におけるkm当りのファイバ減衰で割算した値である。前述の例における分散補償ファイバの良度指数は-60ps/nm-kmでおなるであろう(註:良度指数が低ければ(より負の方向であれば)、性能はそれだけ良くなる)。
【0047】前記ファイバ光分散補償システムを実際に実施できるようにするためには、良度指数が-40pn/nm-kmまたはそれより負方向に大きい値の範囲でなければならず、好ましくは-120ps/nm-kmより負方向に大きくなければならない。これらの範囲は、既存の通信エンクロ−ジャにおけるコストおよびパッケ−ジングに関して分散補償ファイバを実用的な長さに保持している場合に付加されうえう最大システム減衰に基づいている。好ましくは、分散補償ファイバの長さによって付加される最大減衰は<30dBであり、伝送ファイバにおける損失を同時に克服する1つまたは2つの増幅器でもって損失が克服(補償)され得るようになされるべきである。
【0048】システム応用において、および特に結合された増幅器/分散補償ファイバ要素においては、分散補償ファイバは、エンクロ−ジャまたは増幅器ハウジング内のリ−ル上に通常設けられる。従って、分散補償ファイバの好ましい最大実用長さは、分散補償器を形成するために単一の光ファイバ増幅器でパッケ−ジされた場合には約30kmである。
【0049】正確な傾斜補償のための目標値は下記の式(1)に従って計算される。
Sdcf/Ddcf = Stf/Dtf (1)ただし、Sdcfは伝送波長の±25nmの範囲にわたる分散補償ファイバの分散対波長曲線の傾斜であり、Stfは伝送波長の±25nmの範囲にわたる伝送ファイバの分散対波長曲線の傾斜であり、Ddcfは分散補償ファイバの伝送波長における分散であり、Dtfは伝送ファイバの伝送波長における分散である。1310nmで最適化された標準の単一モ−ド・ファイバにおいて、1550nmの伝送波長では、Stf = 0.06ps/nm2-kmであり、かつDtf = 15ps/nm-kmである。Ddcfの値 =-60と仮定すると、Sdcfの値は-0.24のオ−ダ−でなければならない。Sdcfの範囲は、傾斜を過剰補償したことから生ずる問題と結合されたベンド・エッジによって約0〜1.2ps/nm2-kmに制限っされる。整合したクラッド標準単一モ−ド・ファイバではDtfは約15ps/nm-kmであるが、この値は異なるファイバ設計および1550nm波長ウインドウ(1520nm〜1565nm)内の異なる伝送波長に対して変化する。デルタおよびコア半径のような標準単一モ−ド・ファイバの設計パラメ−タおよび1550nm波長ウインドウ内で選択された公称伝送波長に依存して、その1550nm波長ウインドウ内ではDtf = 15 ± 5 ps/nm-kmである。
【0050】傾斜補償のために意図された1つの好ましい実施例では、Stfの過剰補償を回避するために、平均傾斜Sdcfが式(1)によって与えられる値のゼロ〜2倍の範囲内でなければならない。すなわち、0 ≧Sdcf≧2Ddcf(Stf/Dtf) (2)
【0051】本発明はディジタルまたはAM-ビデオ伝送に限定されるものではなく、それらの両方に適当に適用されうるものであることに注目すべきである。
【0052】ファイバの例分散補償ファイバの1つの実施例は全色分散の負方向に大きい値を実現するためにリング/セグメンテッド・コアによって負方向に非常に大きい波長分散を発生する単一モ−ド・ファイバである。
【0053】図5〜8Aは本発明の分散補償ファイバに関連し得る5つの特定の光ファイバ屈折率分布類別を示している。図5および6における分布類別は分散補償でありうる。図7、8および8Aにおける分布類別は分布および傾斜の両方の補償かあるいは単に分散補償だけであるように設計されうる。
【0054】各分布類別はクラッド51の屈折率と比較して比較的大きい屈折率デルタを有しているとともに、従来のステップ・インデックス単一モ−ド・ファイバと比較して比較的狭い帯域幅を有する中央コア領域50を含んでいる。図6、8および8Aにおける分布類別は中央コア領域から離間されかつ中央コア領域50のデルタより小さい屈折率デルタを有するコア・リング52(および102)を含んでいる。図7、8および8Aにおける分布類別は凹状屈折率分布(クラッド51の屈折率より下に凹んだ)コア・モ−ト55を中央コア領域とコア・リングとの間に含んでいる。コア・モ−トの屈折率凹みはコア・モ−トに例えばフッ素のよう負のド−パントを添加することにより、あるいはSiO2コア・モ−トを設けかつ例えばGeO2でド−ピングすることによりクラッド51(および101)の屈折率を高めることによって与えられる。他の分布類別であるコ−ンが破線51’で示されている。表1は分布51’ではなくて分布50について示している。
【表1】


【0055】これらの分布類別に対する分散補償性能に影響する主たる要因は、i)中央コア領域における高いピ−ク・デルタ、およびii)中央コア領域に対する小さい半径である。補償は半径に感応するが、システムで用いられる分散補償ファイバの長さは製造半径の変化を補償するように調節され得る。補償の程度と曲げ損失に対するファイバの耐性との間には妥協が存在する。有用な概念は「ベンド・エッジ」、または真っ直ぐなファイバがもはや基本モ−ドを保持しない波長である。コア・リングを伴う分布類別6、8および8Aは、所定の曲げ損失について、図5および7のリングを伴わない分布類別よりも大きい分散補償を与えるように設計され得る。
【0056】単一モ−ド光ファイバのカットオフ波長は伝送波長より小さくなければならなず、さもないと多モ−ドが伝播してしまう。さらに、ベンド・エッジ波長がカットオフ波長より約150nmだけ高い値に近い図6、8および8Aに示されているように高デルタの中央コア領域およびコア・リングを伴う分布の場合には、カットオフ波長は、公称伝送波長がカットオフ波長とベンド・エッジ波長とのほぼ中間であるように調整されうる。これは低減衰と負方向に大きい分散との最適組合せを与える。分布類別5および7の場合のベンド・エッジは、ベンド・エッジ波長とカットオフ波長との間の間隔が典型的にこれらの設計の場合には800nmのオ−ダ−であるから、ベンド・エッジにはそれほど感応しない。
【0057】分散補償と傾斜補償との間にも妥協が存在する。傾斜を補償するためには、分散補償ファイバに対する1525nmおよび1575nmにおける分散の比は伝送ファイバにおけるこれらの分散の比とほぼ同一でなければならない、すなわち1310nmでの伝送に対して最適化された標準のステップ・インデックス単一モ−ド・ファイバの場合には約1.2でなければならない(上記の式(1)をも参照されたい)。
【0058】図5〜8における分布類別は、中央コア領域、コア・リングおよびコア・モ−トに対して示された屈折率の変化を修正することによってさらに修正されうる。これらのコアはα分布を含む他の屈折率分布を有しうる。α分布の項は、中央コア領域の屈折率が数1によって定義されることを意味するするために用いられている。ただし、n1はファイバ軸線上の屈折率、Δ=(n12 - n22)/2n12、n2はクラッドの屈折率、rは半径、そしてaは中央コア領域の外部半径である。図5の三角形またはコ−ン状の曲線51’はα=1のα分布を表わしている。屈折率の放物線状の変化がα=2の場合に生ずる。放物線状または三角形のコア(下記の表では「コ−ン」分布と呼ばれている)、およびテ−パしたリングは若干だけ良好な分散補償を与える。さらに、中央コアはそれらの基部のまわりにペデスタルを有しうる。
【数1】


【0059】図8Aに示された分布類別は、領域103がコアとオ−バ−クラッドとの間の境界面を含むので、製造上の利点を与えるものと考えられる(下記のファイバ製造の項における製造処理工程についての論述を参照されたい)。GeO2-SiO2ケ−ン上にGeO2-SiO2ス−ト(ガラス粒子)を沈積させるのと同時にシ−ドを回避しかつ一定のド−ピング・レベルを、従って均一な屈折率レベルを維持することは困難である。図8Aの設計では、クラッドはGeO2をド−プしたSiO2であることが好ましく、かつ内側および外側のコア・モ−ト領域105および103はド−プされていないSiO2であることが好ましい。
【0060】表1は特定の分布の例における該当する特性の計算値を示している。利用できないデ−タは*で示されている。
【0061】後述する本発明の分散補償光ファイバによって、下記のレベルの負分散および減衰を得ることができ、その結果得られた良度指数が表2に示されている。
【表2】


【0062】表1および2に示された項目に関する註:− 中央コア領域、コア・リングおよびコア・モ−トに対するデルタ値はすべてクラッドの屈折率の百分率である。
− リング半径はリングの外側エッジで測定される。
− モ−ト半径はリングの内側エッジで測定される。
− 傾斜比は1575nmにおける分散を1525nmにおける分散で割算した値である。
− 分散は括弧内に表示された波長で測定された。
【0063】ファイバ製造方法本発明の分散補償ファイバは、軸付け法(VAD)、外付け法(OVD)あるいは修正化学蒸気沈積(MCVD)のような標準的なファイバ製造方法によって作成され得る。表2におけるファイバはOVD法によって作成された。OVD法は米国特許第4486212号、第4125388号、第5067975号、第4314837号、および第4715679号のような多数の特許公報に記載されている。
【0064】ファイバI.D. 7873-01および7873-02は下記のようにダブル・オ−バ−クラッド法によって作成された。コア直径62.5μmのグレ−デッド・インデックス多モ−ド・ファイバのためのコア・プリフォ−ムが標準のOVD法(マンドレル上にガラス粒子を沈積させそしてそのマンドレルを除去する)によって作成され、コンソリデ−トされ、そして延伸されてケ−ン(再延伸される)となされた。ピ−ク・コア組成は36重量%GeO2をド−プされたシリカであった。このような沈積および再延伸法(deposition and redraw process)が蒸気米国特許第4486212号および第5067975号に記載されている。この直径7mmのケ−ンはSiO2でオ−バ−クラッドされて80mmのス−ト直径となされ、そして脱水されかつコンソリデ−トされてガラス母材を形成した。このガラス母材が再延伸されて外径約7mmのケ−ンとなされた。第1のオ−バ−クラッド・ケ−ンが再び第2のSiO2ス−ト層でオ−バ−クラッドされて直径58mmのス−トとなされた。このオ−バ−クラッド・ス−ト・プリフォ−ムが脱水されそしてコンソリデ−トされて最終のガラス母材となされた。この最終のガラス母材が延伸されてファイバ(標準のコ−ティングを有する)となされた。
【0065】上記母材は、107μmから80μmまで変化するファイバ外径(ガラスファイバO.D.)に延伸された。このファイバの複数の部分が測定され、その結果、コア直径の増大に伴って分散補償性能が改善されることが判った。80μmファイバは標準の出荷リ−ル上でベンド・エッジに感応した。コア輪郭は細いコ−ン(図5の51’を参照されたい)に似たような延伸された放物線状中実である。ト−タルで、ファイバI.D. 7873-01(80μm O.D.)3.1kmおよびファイバI.D. 7873-02(107μm O.D.)3.3kmが延伸されかつ測定された。
【0066】ファイバI.D. 7939-011から-016までは単一のオ−バ−クラッド工程を伴うOVD法によって製造された母材から線引きされた6本のファイバよりなる。第1に、コア・プリフォ−ムが、高デルタ・ステップ・インデックス分布およびSiO2中における40重量%のGeO2濃度をもってマンドレル上に沈積された。このコア・プリフォ−ムはそれの外表面上に沈積された純粋なSiO2の層(0.15のコア/クラッド比を生ずるために)および74mmのス−ト直径を有していた。このコア・プリフォ−ムが従来の塩素乾燥によって脱水されかつコンソリデ−トされ、そして再延伸されて外径7mmのコア・ケ−ンとなされた。コア・ケ−ンは85mmのス−ト直径となるようにSiO2でオ−バ−クラッドされた。この最終のプリフォ−ムが脱水されかつコンソリデ−トされて、線引きによってファイバとなされるための最終のガラス母材となされた。
【0067】線引き(およびコ−ティング)によって長いファイバを形成する前に、7939-011および-016のための母材の一部分が延伸されて、110μmから85μmまで変化するO.D.を有する2kmの長さのファイバ(ガラス)となされた。この2kmの長さのファイバの異なる直径部分における分散が測定され、110μmの直径では-17ps/nm-kmが、そして85μmの直径では-45ps/nm-kmの値が得られた。その後で、母材の残部から次のようにして6本のファイバが線引きされた。7939-011(30.7km); -012(7km); -013(15.9km); -014(12.7km); -015(6.7km); および-016(11.6km) これら6本のファイバの測定された特性は均一であえり、上記の表2に示されている。
【0068】ファイバI.D. 7-8015-01〜-03は単一のオ−バ−クラッド工程を含むOVD法によって製造された母材から線引きされた3本のファイバよりなる。第1に、コア・プリフォ−ムがSiO2中で40重量%の目標GeO2濃度を有し、かつSiO2中で8重量%GeO2の目標濃度を有するデルタの低下したコア・リングによって包囲された高デルタのステップ・インデックス中央コア領域をもってマンドレル上に沈積された。コア・プリフォ−ムはそれの外表面上に沈積された純粋なSiO2の薄い層、および74mmのス−ト直径を有していた。このコア・プリフォ−ムが従来の塩素乾燥によって脱水されかつコンソリデ−トされ、そして再延伸されて外径が7mmのコア・ケ−ンとなされた。このコア・ケ−ンは82mmのス−ト直径となるようにSiO2でオ−バ−クラッドされた。この最終のプリフォ−ムが脱水されかつコンソリデ−トされて、線引きによってファイバ(標準のコ−ティングを有する)となされるための最終のガラス母材となされた。
【0069】ファイバI.D. 7-8015-01〜-013の長さは6.4km(-01)、11km(-03)、および22km(-02)であった。これら3本のファイバの測定された特性は均一であり、それらは上記の表2に示されている。
【0070】モ−トを有するファイバ設計は従来のファイバ製造方法によって作成され得る。そのモ−トはフッ素のような屈折率低下ド−パントをド−ピングすることによって形成される凹状領域でありうるが、純粋なシリカであってもよく、その場合には、GeO2をド−プしたシリカよりなるクラッドが用いられる。
【0071】これらのファイバの分散がファイバ・オプティック・テスト・プロシ−ジュアEIA/TIA-455-168に記載されている標準分散測定技法によって測定された。これらの測定は、分散補償ファイバの2つの端部に標準ステップ・インデックス単一モ−ド・ファイバの短いセクションを添接してその分散補償ファイバに入射される光が単一モ−ドであるようにすることによって、改善されうる。
【0072】システム例140チャンネルAMビデオ・テストでの分散補償ファイバのテストが図9〜12に示されているようなシステムに基づいて行なわれた。このテストの結果が表3に示されている。
【表3】


【0073】表3および図9〜12に示されているように、一連の比較テストにおいて同じ送信機、受信機および光ファイバ増幅器が用いられた。送信はチャンネル当りの変調深さを有する40チャンネルNTSC AMビデオを装填され、かつ受信機のパワ−・レベルは表3に示されているようになされた。各テストにおいて補正されたキャリア対ノイズ(CNR)、複合2次(CSO)および複合3次ビ−ト(CTB)歪みが55.25および325.25メガヘルツで測定された。これら2つの周波数はそれらが40チャンネル・スペクトルにおける周波数歪みの最悪のケ−スを表わすから選ばれた。
【0074】表3における第1のテスト(テスト#1)(図9参照)は結合された送信機および光ファイバ増幅器に対するベ−スラインをキャリア対ノイズ、CSOおよびCTB歪みレベルについて確立することを含む。受信機で0dBを実現するように可変光減衰器が調節された。テスト#1はレ−ザ−・チャ−プとファイバ分散の相互作用による劣化を比較するための基礎となる。1310nmで最適化されたファイバ(テスト#2)および分散補償ファイバを伴った1310nmで最適化されたファイバ(テスト#3)による伝送がテスト#1の結果と比較された。
【0075】表3のテスト#2(図10参照)では、40キロメ−トルの長さの標準単一モ−ド・ファイバ(Corning SMF-28, Corning Incorporated, Corning, N.Y. 14831)が敷設され、そして受信機で0dBパワ−・レベルを許容するように可変光減衰器が調節された。このテストでは、レ−ザ−・チャ−プとファイバ分散との相互作用により、ベ−スに比較して、CSOが55.2メガヘルツで12.8dB、そして325.25メガヘルツで24.25dB劣化された。これらは、特に325.25メガヘルツの周波数において比較的大きな変化であり、50dBより大きいキャリア対ノイズ比、-60dBより低いCSOレベル、および-65dBより低いCTBレベルによって特徴づけられうる典型的なAMバックボ−ン伝送システムの最低基準をこのテストが満足しない点までCSOレベルを劣化させた。
【0076】表3のテスト#3(図11)では、11.6キロメ−トルの分散補償ファイバ(上述したファイバI.D. 7939-016)がCSO歪みを補正するためにテスト#2のシステムに付加された。性能デ−タによって示されているように、このシステムでは、ベ−スに比較して両方のRF周波数において付加された歪み実質的な部分が補正された。55.25メガヘルツでは、12.8dBの付加歪みの11.4dBが補正された。325.25メガヘルツでは、24.2dBの付加歪みの15.5dBが補正され、8.7dBが補正されないままであった。
【0077】この補正が完全でなかったということは補償ファイバの長さが正しくなかったか、あるいは1310nm最適化ファイバに対して分散補償ファイバの分散傾斜がミスマッチであることのいずれかに基因するものと考えられる。
【0078】分散補償ファイバによる1310nm最適化ファイバの伝送を分散シフト(DS)ファイバによる伝送と比較することは有意義である。表3のテスト#4(図12R>2参照)では、全てのファイバが1550nmにおける性能を最適化された分散シフトファイバ(Corning SMF-DS)の40キロメ−トルで置換された。1550nmで動作する補償または伝送回路網は分散シフトファイバの全体のエンド・ツ−・エンド性能よりも良好に機能しうることはありえない。
【0079】デルタで表示されるように、分散シフトファイバ・テストに比較して、分散補償ファイバは良く機能した。55.25メガヘルツにおいては、SDO歪みは分散シフトファイバを通る場合の0.2dBという歪み値の範囲内であったが、325.25メガヘルツというそれより高い周波数では、そのSDO歪みが分散シフトファイバを通る場合の7dBという歪み値以内に補正された。325.25メガヘルツにおいてSDO歪みが完全に補正されたわけではないが、これは分散補償ファイバの長さが不正確であること、あるいは伝送ファイバの分散傾斜と分散補償ファイバのそれとの間のミスマッチに関係しているものと考えられる。
【0080】この場合にも、この補正が完全でなかったということは補償ファイバの長さが正しくなかったか、あるいは1310nm最適化ファイバに対して分散補償ファイバの分散傾斜がミスマッチであることのいずれかに基因するものと考えられる。
【0081】この補償方法は、標準の単一モ−ド・ファイバをそれがあたかも分散シフトファイバであるかのように動作せて、1320nm伝送リンクを通じて1550nmのAMビデオ信号を伝送するシステムに存在するCSO歪みを大幅に減少させることができる。傾斜補償された分散補償ファイバは標準の単一モ−ド・ファイバを通じた場合のこのCSO劣化を完全に補正するために有用であろうと考えられる。
【0082】システム例2この例で用いられた分散補償ファイバは3本のファイバI.D. Nos. 7-8015-01〜 -03 (合計で39.4km)よりなるものであり、それは1550nmにおいて-65.5ps/nm-kmの分散を呈示したが、これは標準の単一モ−ド・ファイバの正の分散より約4倍の大きさである。この分散補償ファイバのスペクトル減衰が図13に示されている。1550nmにおける損失は0.48dB/kmであった。この分散補償ファイバの分散が図16に波長との関係でプロットされている。
【0083】1310nm伝送に対して最適化された標準の単一モ−ド・ファイバの分散を補正するためには、39kmの分散補償ファイバが必要とされ、これによって19dBの過剰損失が生じた。1310nm伝送リンクおよび分散補償ファイバの損失は3つのOFAを用いることによって克服された。分散補償ファイバの所要長は重要であるが、この分散補償ファイバは曲げ損失に対する耐性が非常に強いので、コンパクトなファイバ・リ−ルに巻取ることができる。
【0084】分散補償は線形で受動的な技法であるから、分散補償ファイバは送信端部、受信端部、あるいはOFAsまたは光受信機にとって許容できる最低パワ−・レベルによってのみ制限される、補償されている標準単一モ−ド・ファイバの中間点に配置され得る。この例では、図14に示されているように、6.4kmの分散補償ファイバがリンクの送信端部に配置され、その分散補償ファイバの残りの33kmはリンクの受信端部に配置された。送信端部におけるOFA#1は、出力パワ−が11dBのブ−スタ−増幅器として用いられる980nm逆方向ポンピング(backward-pumped)増幅器であった。標準1310nm最適化単一モ−ド・ファイバ・リンクは長さが150kmであり、1550nmにおいて約2500ps/kmのエンド・ツ−・エンド分散、および33dBの減衰損失を伴った。OFA#2は980nm順方向ポンピング(forward-pumped)の25dB利得増幅器であり、その後に1.2nm帯域光フィルタが配置だれた。OFA#3は+13dBmの飽和出力パワ−を有し、31dBの利得を生ずる2つの980nm逆方向ポンピング増幅器であり、その後に3nm帯域光フィルタが配置された。OFA#3によるノイズ寄与を軽減するために、受信端部における分散補償ファイバが2つのセクションに分割され、これによってOFA#3の入力におけるパワ−・レベルを増大させるようになされた。これらのOFAはすべて入力および出力側に光アイソレ−タを有していた。
【0085】0.5nmのスペクトル幅(-20dBmで測定して)を有する均一な回折格子DFBレ−ザ−ダイオ−ドが光源として用いられた。そのレ−ザ−はテスト送信機から直接の10 Obit/s NRZ(非ゼロ復帰)波形で駆動された。デ−タ・パタ−ンは長さ223-1の準ランダム・パタ−ンであった。
【0086】レ−ザ−光消滅比は約8対1であった。光受信機は、後段に1.2nm帯域同調可能光フィルタ、可変光減衰器、PINフォトダイオ−ド、および電気的前置増幅器を設けられたOFA#2で構成されていた。可変光減衰器はBER(ビット・エラ−・レ−ト)テスト時にPINフォトダイオ−ドに一定の光レベルを維持するために用いられた。光受信機の正味感度は1E-12 BERで-30dBmであった。
【0087】図17はOFAsおよび分散補償ファイバを含んだ全光通路の測定されたエンド・ツ−・エンド色分散を示している。150kmの標準ファイバから予想される分散傾斜(9ps/nm2)がデ−タ点上に重畳されて、測定値と予想値との間にかなり良好な合致を呈示した。
【0088】標準の1310nm最適化ファイバの0.020kmを通じて伝送された後における光波形のアイ・パタ−ンが図18(a)に示されている。補償を伴わない1310nm最適化ファイバの12kmを通じて伝送された後の光波形のアイ・パタ−ンが図18(b)に示されている。1310nm最適化ファイバの150kmプラス分散補償ファイバの39.4kmを通じて伝送された後におけるアイ・パタ−ンが図18(c)に示されている。分散補償を伴わない場合のアイ・パタ−ンから予測されうるように、このシステムは標準ファイバの12kmだけを通じてでは動作しない。しかし、ファイバをベ−スとした光補償器を所定の場所に設置すれば、図15のBERグラフに示されているように、標準ファイバの150kmを通じて動作する場合に、1dB以下のの受信機パワ−・ペナルティ(power penalty)が得られた。
【0089】1310nm最適化ファイバをそれがあたかも分散シフトファイバかのように本質的に動作させ得る単純なファイバをベ−スとした全光分散補償技術が実施された。この波長許容度のある方法で非分散シフトファイバの分散を補償することによって、ファイバの容量をビット・レ−トおよび光源スペクトル特性とほとんど無関係にすることができた。これが、ファイバの得られるビット・レ−ト距離積が大きく増加されるので、容量のアップグレ−ドのための便利な方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の増幅器および分散補償ファイバを具備した特定のシステムのブロック図である。
【図2】本発明の増幅器および分散補償ファイバを具備した特定のシステムのブロック図である。
【図3】本発明の増幅器および分散補償ファイバを具備した特定のシステムのブロック図である。
【図4】本発明の増幅器および分散補償ファイバを具備した特定のシステムのブロック図である。
【図5】本発明による分散補償ファイバ設計に対する屈折率分布の一例を示している。
【図6】本発明による分散補償ファイバ設計に対する屈折率分布の一例を示している。
【図7】本発明による分散補償ファイバ設計に対する屈折率分布の一例を示している。
【図8】本発明による分散補償ファイバ設計に対する屈折率分布の一例を示している。
【図8A】本発明による分散補償ファイバ設計に対する屈折率分布の一例を示している。
【図9】システム実施例1に用いられる4つのシステム要素構成のうちの1つを示すブロック図であり、かつ表3におけるデ−タに対応している。
【図10】システム実施例1に用いられる4つのシステム要素構成のうちの1つを示すブロック図であり、かつ表3におけるデ−タに対応している。
【図11】システム実施例1に用いられる4つのシステム要素構成のうちの1つを示すブロック図であり、かつ3におけるデ−タに対応している。
【図12】システム実施例1に用いられる4つのシステム要素構成のうちの1つを示すブロック図であり、かつ3におけるデ−タに対応している。
【図13】システム実施例2で用いられる分散補償ファイバのスペクトル減衰を示すグラフである。
【図14】システム実施例2で用いられるシステム要素構成のブロック図である。
【図15】システム実施例2の場合のビット・エラ−・レ−トテスト結果のグラフである。
【図16】システム実施例2で用いられる分散補償ファイバの分散対波長曲線のグラフである。
【図17】システム実施例2の分散補償された伝送リンクの実効分散対波長のグラフである。
【図18】(a)は規格化された、(c)は分散補償を伴った、そして(b)は分散補償を伴わない場合のシステム実施例2の伝送リンクにおける受信機「アイ」(eye)パタ−ンを示している。
【符号の説明】
1 光源
2 伝送リンク
3 光ファイバ増幅器(OFA)
4 分散補償ファイバ
5 検知器
6 帯域フィルタ
11 1310nm光源
11a 1550nm光源
12 伝送リンク
16 WDMカプラ
17 レピ−タ
18 WDMカプラ
19 WDMカプラ
21 1550nm光源
22 伝送ファイバ
23 OFA
24 分散補償ファイバ
25 OFA
26 光帯域フィルタ
27 検知器
28 光源
29 分散補償ファイバ
30 OFA
31 伝送ファイバ
32 OFA
33 帯域フィルタ(BPF)
34 分散補償ファイバ
35 検知器

【特許請求の範囲】
【請求項1】 負の導波路分散を発生するように調整された屈折率分布を有していて、全分散が1520nmから1565nmまでの範囲内の所定の波長において-20ps/nm-km以下であり、かつ前記所定の波長における減衰が1dB/km以下であるようになされたシリカをベ−スとした分散補償光導波路ファイバ。
【請求項2】 前記ファイバの分散対波長曲線が1290nmと1565nmの間の波長の範囲内ゼロ交差を有していない請求項1のファイバ。
【請求項3】 前記所定の波長における前記ファイバの分散を前記所定の波長における前記ファイバの減衰で割算したものが-40ps/nm-dBより小さいようになされている請求項1のファイバ。
【請求項4】 前記所定の波長における前記ファイバの分散を前記所定の波長における前記ファイバの減衰で割算したものが-120ps/nm-dBより小さいようになされている請求項3のファイバ。
【請求項5】 公称伝送波長がカットオフ波長とベンド・エッジ波長との間のほぼ中間となるようにカットオフ波長が調整されている請求項1のファイバ。
【請求項6】 前記屈折率分布がクラッド領域によって包囲された中央コア領域よりなり、前記中央コア領域は、前記クラッド領域に対比して、前記負の導波路分散を生ずるために十分に小さい直径およびそのために十分に大きい屈折率を有している請求項1のファイバ。
【請求項7】 中央に配置されてクラッドガラスによって包囲されかつ所定の屈折率の中央コア領域を有するコアと、前記中央コア領域を包囲したクラッドガラスの層と、前記所定の屈折率と前記クラッドガラスの屈折率との中間の屈折率を有するコア・リング領域を具備した請求項1のファイバ。
【請求項8】 中央に配置されてクラッドガラスによって包囲されたコアを具備しており、このコアは前記クラッドガラスの屈折率より低い屈折率を有するコア・モ−ト領域を有している請求項1のファイバ。
【請求項9】 中央に配置されてクラッドガラスによって包囲されたコアを具備しており、このコアは、(a)所定の屈折率を有する中央コア領域、(b)前記クラッドガラスの屈折率より低い屈折率を有するコア・モ−ト、および(c)前記所定の屈折率と前記クラッドガラスの屈折率との中間の屈折率を有するコア・リング領域を半径が増大する方向に見てこの順序で具備している請求項1のファイバ。
【請求項10】 中央に配置されてクラッドガラスによって包囲されたコアを具備しており、このコアは、(a)所定の屈折率を有する中央コア領域、(b)前記クラッドガラスの屈折率より低い屈折率を有するコア・モ−ト、(c)前記所定の屈折率と前記クラッドガラスの屈折率との中間の屈折率を有するコア・リング領域、および(d)前記クラッドガラスの屈折率より低い屈折率を有する第2のコア・モ−トを半径が増大する方向に見てこの順序で具備している請求項1のファイバ。
【請求項11】 負の導波路分散を生ずるように調整された屈折率分布を有するシリカをベ−スにした分散補償光導波路ファイバであって、全分散が1520nmから1565nmまでの範囲内の所定の波長において-20ps/nm-kmより小さくなされ、かつ1520nmと1565nmとの間の前記波長範囲内における分散対波長曲線の平均傾斜が0と-1.2ps/nm-kmとの間であるようになされたシリカをベ−スとした分散補償光導波路ファイバ。
【請求項12】 負の導波路分散を生ずるように調整された屈折率分布を有するシリカをベ−スにした分散補償光導波路ファイバであって、全分散が1520nmから1565nmまでの範囲内の所定の波長において-20ps/nm-kmより小さくなされ、かつ1520nmと1565nmとの間の前記波長範囲内における分散対波長曲線の平均傾斜Sdcfが0 ≧ Sdcf ≧ 2Ddcf(Stf/Dtf)という関係式によって決定され、Ddcfは前記分散補償ファイバの分散、Stfは1290nmと1330nmとの間の範囲内の波長における低分散動作のために最適化された標準の単一モ−ド伝送ファイバの1520nmと1565nmとの間の波長範囲における分散対波長曲線の平均傾斜、Dtfは1520nmと1565nmとの間の範囲内の波長における前記標準の単一モ−ド伝送ファイバの分散であり、かつDdcfは-20〜-120ps/nm-kmの範囲内にあるようになされたシリカをベ−スとした分散補償光導波路ファイバ。
【請求項13】 Dtfが約15ps/nm-km、プラスまたはマイナス5ps/nm-kmであるようになされた請求項12のファイバ。
【請求項14】 負の導波路分散を生ずるように調整された屈折率分布を有するシリカをベ−スにした分散補償光導波路ファイバであって、全分散が1520nmから1565nmまでの範囲内の所定の波長において-20ps/nm-kmより小さくなされ、かつ1520nmと1565nmとの間の前記波長範囲内における分散対波長曲線の平均傾斜Sdcfが0 ≧ Sdcf ≧ 2Ddcf(Stf/Dtf)という関係式によって決定され、Ddcfは前記分散補償ファイバの分散、Stfは1290nmと1330nmとの間の範囲内の波長における低分散動作のために最適化された標準の単一モ−ド伝送ファイバの1520nmと1565nmとの間の波長範囲における分散対波長曲線の傾斜、Dtfは1520nmと1565nmとの間の範囲内の波長における前記標準の単一モ−ド伝送ファイバの分散、そしてDdcfは前記所定の波長における前記標準の単一モ−ド伝送ファイバの分散であるシリカをベ−スとした分散補償光導波路ファイバ。
【請求項15】 1290nmと1330nmとの間の範囲内の波長における低分散動作のために最適化された標準単一モ−ド伝送ファイバの少なくとも40kmと、前記標準単一モ−ド伝送ファイバの長さの約2分の1以下の長さでもって負の導波路分散を生ずるように調整された分散補償光導波路ファイバとの直列の組合せよりなる分散補償された光伝送リンクであって、このリンクの光源スペクトル幅のnm当りの全分散が1520nmから1565nmまでの波長範囲内の所定の波長において300ps/nm以下であるようになされた分散補償された光伝送リンク。
【請求項16】 前記分散補償ファイバおよび前記標準ファイバに直列に接続された光ファイバ増幅器をさらに具備しており、前記分散補償された光伝送リンクにおける損失が標準単一モ−ド・ファイバの少なくとも40kmの長さにおける減衰より小さいかあるいはそれに等しくなされた請求項15の光伝送リンク。
【請求項17】 前記分散補償ファイバがコアにErド−ピングを含んでおり、かつさらに分布ファイバ増幅器を具備している請求項15の光伝送リンク。
【請求項18】 1290nmと1330nmとの間の範囲内の波長における低分散動作のために最適化されたシリカをベ−スにした標準単一モ−ド伝送ファイバの少なくとも40kmと、負の導波路分散を生ずるように調整された屈折率分布を有する分散補償光導波路ファイバの所定長との直列組合せを具備しており、前記ファイバの全分散が1520nmから1565nmまでの範囲内の所定の波長において-20ps/nm-kmより小さく、前記所定の波長における前記ファイバの減衰が、1dB/kmより小さく、かつ前記分散補償ファイバの長さが前記標準単一モ−ド伝送ファイバの長さの約2分の1より大きくないようになされた分散を補償された光伝送リンク。
【請求項19】 1290nmと1330nmとの間の範囲内の波長における低分散動作のために最適化されたシリカをベ−スにした標準単一モ−ド伝送ファイバの少なくとも40kmと、負の導波路分散を生ずるように調整された屈折率分布を有する分散補償光導波路ファイバの所定長との直列組合せを具備しており、1520nmから1656nmまでの波長範囲内における分散対波長曲線の平均傾斜が0と-1.2ps/nm2-kmとの間であり、前記分散補償ファイバの長さが前記標準単一モ−ド伝送ファイバの長さの約2分の1より大きくないようになされた分散を補償された光伝送リンク。
【請求項20】 1290nmと1330nmとの間の範囲内の波長における低分散動作のために最適化された標準単一モ−ド伝送ファイバの第1の長さと、負の導波路分散を生ずるように調整された屈折率分布を有する分散補償光導波路ファイバの所定長との直列組合せを具備する分散を補償された光伝送リンクであって、負の導波路分散を生ずるように調整された屈折率分布を有しかつ前記第1の長さの約2分の1より小さい第2の長さを有する分散補償光導波路ファイバとの直列組合せよりなり、1520nmから1565nmまでの波長範囲内の所定の波長における前記伝送リンクの複合2次歪み積が、前記所定の波長における低分散動作のために最適化されかつ前記第1の長さと同じ長さを有する分散シフト単一モ−ド・ファイバよりなる伝送リンクの複合2次歪み積とほぼ同一のレベルまで低下されるようになされた分散を補償された光伝送リンク。
【請求項21】 1290nmと1330nmとの間の範囲内の波長における低分散動作のために最適化された標準単一モ−ド伝送ファイバに対して使用するための分散補償器であって、1520nmから1565nmまでの範囲内の所定の波長において負の全色分散を有する分散補償ファイバと直列に接続された光ファイバ増幅器を具備しており、この光ファイバ増幅器は前記所定の波長において増幅を与えるようになされている分散補償器。
【請求項22】 前記負の全色分散が前記ファイバの屈折率分布に基因するものであり、その屈折率分布は負の導波路分散を生ずるように調整されている請求項21の分散補償器。
【請求項23】 前記分散補償ファイバの長さが約30kmより小さい請求項21の分散補償器。
【請求項24】 前記光ファイバ増幅器が増幅器ファイバを含んでおりかつその増幅器ファイバと前記分散補償ファイバとの間のスプライスによって前記分散補償ファイバに接続されている請求項21の分散補償器。
【請求項25】 1520nmから1565nmまでの範囲内の所定の波長で動作する光源と、光検知器と、光伝送ファイバと、分散補償ファイバと、前記光源および光検知器間に直列に接続された光ファイバ増幅器を具備し、前記伝送ファイバは1290nmから1330nmまでの範囲内の波長における低分散動作のために最適化されており、前記分散補償ファイバは負の導波路分散を生ずるように調整された屈折率分布を有し、このファイバの全分散が1520nmから1656nmまでの範囲内の所定の波長において-20ps/nm-kmより小さくなるようになされている光伝送システム。
【請求項26】 前記光源が前記伝送ファイバ、前記分散補償ファイバおよび前記ファイバ増幅器の直列組合せに第1のWDMカプラ手段によって接続されており、前記システムは1290nmと1330nmとの間の波長で動作する第2の光源をさらに具備しており、この第2の光源は前記第1のWDMカプラ手段によって前記直列組合せに接続されており、前記検知器は第2のWDMカプラ手段によって前記直列組合せに接続されており、さらにまた前記第2のカプラ手段によって前記直列組合せに接続された第2の検知器を具備しており、この第2の検知器は前記第2の光源によって発生された信号を受信するようになされている請求項25のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図8A】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図17】
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【図15】
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【図16】
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【図18】
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【公開番号】特開平6−11620
【公開日】平成6年(1994)1月21日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平5−39296
【出願日】平成5年(1993)2月4日
【出願人】(390037903)コーニング インコーポレイテッド (7)
【氏名又は名称原語表記】CORNING INCORPORATED