説明

分析装置上に固定されるインジケータ

【課題】改良された分析装置、特に乾式化学用途を対象とした分析装置を提供する。
【解決手段】本発明によれば、検体中の分析物の存在又は量を検出するための側方流動式分析装置が提供される。前記装置は検出領域を画定するクロマトグラフ媒体を含み、前記検出領域内には架橋ネットワークが非拡散的に固定されている。前記架橋ネットワークは、分析物の存在下で検出可能な変色を示すように構成された小分子インジケータを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分析装置上に固定されるインジケータに関する。
【背景技術】
【0002】
検体中に存在し得る分析物の存在及び/又は濃度を測定するために、様々な分析手法及び装置が一般的に使用される。ある場合には、分析物が単に存在することが、例えば、組織又は器官に損傷があることを示し得る。同様に、分析物の濃度異常が、細菌又はウイルス感染等の感染を示し得る。酵素分析物の存在を検出するための1つの従来技術が、特許文献1に開示されている。特許文献1の従来技術では、酵素による基質の消化を検知することにより酵素分析物の検出を行う。例えば、特許文献1の図1に、第1の領域11及び第2の領域12を有する装置10が示されている。第1の領域11には、ペプチドリンカー15を介してストレプトアビジン14(レポーター)に結合されたポリマービーズ13(キャリア)が供給される。プロテアーゼ16を加えると、ストレプトアビジン14は解放され、バイオセンサー膜17を有する第2の領域12へ移動する。バイオセンサー膜17は、該膜のインピーダンスの変化によってストレプトアビジンの存在を検出する(カラム5、第25〜30行)。しかしながら、残念なことに、特許文献1に開示されているような従来技術は、例えば患者による比較的迅速な診断(自己診断又は医療従事者の助けを借りての診断)を必要とする用途等の特定の種類の用途にはあまりにも複雑すぎてコストも非常に高かった。
【0003】
そのため、より「ユーザーフレンドリー」な分析装置が開発されている。例えば、分析物の作用により視覚的又は検出可能な変化を生じやすいインジケータを利用する分析装置が開発されている。もしインジケータが検出可能な変化(例えば色変化)を示すと、ユーザは分析物が検体中に存在することを確信することができる。例えば、特許文献2には、信号生成システムを有するアミン官能化吸水性分析紙を含む分析装置が開示されている。具体的には、前記試薬紙には、検出可能な信号試薬システムの1つ若しくは複数の要素が含浸されている。例えば、検体中のコレステロールの量を測定するときは、第1の領域にコレステロールエステラーゼを有し、第2の領域にコレステロール酸化酵素を有し、第3の領域に西洋ワサビペルオキシダーゼを有するようにすることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしそのような改良にも関わらず、分析には様々な問題点が依然として存在する。例えば、小分子インジケータは、検体が試薬含有溶液と組み合わされる湿式化学用途においては通常は良好に機能するが、例えば、使用前の輸送及び操作中に、乾式した小分子インジケータを活性状態に及び装置上の特定の場所に維持することができないため、乾式化学用途における使用は適切ではない。しかしながら、そのような乾式化学用途は、比較的単純であり、検出が迅速であり、低コストであるため好ましい。
【0005】
したがって、改良された分析装置、特に乾式化学用途を対象とした分析装置が、現在求められている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態によれば、検体中の分析物の存在又は量を検出するための側方流動式分析装置(lateral flow)が提供される。前記装置は検出領域を画定するクロマトグラフ媒体を含み、前記検出領域内には架橋ネットワークが非拡散的に固定される。前記架橋ネットワークは、分析物の存在下で検出可能な変色を示すように構成された小分子インジケータを有する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本明細書中で説明されるフロースルー分析装置の一実施形態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
定義
【0009】
本明細書中で使用される「分析物」なる用語は、一般的に、検出される物質を意味する。例えば、分析物としては、抗原性物質、ハプテン、抗体、及びそれらの組み合わせが挙げられる。分析物としては、これに限定するものではないが、毒素、有機化合物、タンパク質、ペプチド、微生物、アミノ酸、核酸、ホルモン、ステロイド、ビタミン、薬剤(治療目的で投与されるもの並びに不正目的で投与されるものを含む)、薬剤中間体又は副生成物、細菌、ウイルス粒子、及び、上記のいずれかの物質の代謝物又は抗体が挙げられる。分析物のいくつかの具体例としては;フェリチン;クレアチニンキナーゼMIB(CK−MB);ジゴキシン;フェニトイン;フェノバルビトール;カルバマゼピン;バンコマイシン;ゲンタマイシン;テオフェリン;バルプロン酸;キニジン;黄体形成ホルモン(LH);卵胞刺激ホルモン(FSH);エストラジオール;プロゲステロン;C反応性タンパク;リポカリン;IgE抗体;ビタミンB2ミクログロブリン;グリコヘモグロビン(Gly.Hb);コルチゾール;ジギトキシン;ビリルビン;ウロビリノーゲン;N−アセチルプロカインアミド(NAPA);プロカインアミド;風疹IgG及び風疹IgM等の風疹抗体;トキソプラズマ症IgG(Toxo−IgG)及びトキソプラズマ症IgM(Toxo−IgM)等のトキソプラズマ症抗体;テストステロン;サリチル酸塩;アセトアミノフェン;B型肝炎ウイルス表面抗原(HBsAg);抗B型肝炎コア抗原IgG及びIgM(抗HBC)等のB型肝炎コア抗原に対する抗体;ヒト免疫不全ウイルス1及び2(HIV1及び2);ヒトT細胞白血病ウイルス1及び2(HTLV);Be型肝炎抗原(HBeAg);Be型肝炎抗原に対する抗体(抗HBe);インフルエンザウイルス;甲状腺刺激ホルモン(TSH);チロキシン(T4);全トリヨードチロニン(全T3);遊離トリヨードチロニン(遊離T3);胎児性癌抗原(CEA);及びα胎児タンパク質(AFP)が挙げられる。不正使用物質及び規制物質の薬物としては、これに限定するものではないが、アンフェタミン;メタンフェタミン;例えばアモバルビタール、セコバルビタール、ペントバルビタール、フェノバルビタール及びバルビタール等のバルビツール酸塩;例えばリブリウム及びバリウム等のベンゾジアゼピン;例えばハシシュ及びマリファナ等の大麻類;コカイン;フェンタニル;LSD;メタカロン;例えばヘロイン、モルヒネ、ゴディン、ヒドロモルホン、ヒドロコドン、メタドン、オキシコドン、オキシモルホン及び阿片等の阿片剤;フェンシクリジン;プロポキシフェンが挙げられる。他の分析物となり得るものは、特許文献3及び特許文献4に開示されている。
【0010】
本明細書中で使用される「検体」なる用語は、一般的に、分析物を含む疑いのある物質を意味する。検体は、供給源から得られたままで直接使用してもよいし、前処理して検体の性質を改変した後に使用してもよい。検体は、例えば体液等の任意の生体的ソースから得ることができる。前記体液としては、例えば、血液、間質液、唾液、水晶体液、脳髄液、汗、尿、乳液、腹水液、粘液、滑液、腹膜液、膣液、及び羊膜液等が挙げられる。検体は使用前に前処理することができ、例えば、血液から血漿を調製したり、粘性液を希釈したりすることができる。処理方法としては、濾過、沈殿、希釈、蒸留、混合、濃縮、阻害成分の不活化、及び試薬の添加が挙げられる。生理学的液体の他にも、水、食品等の他の液体検体を使用して、環境又は食物生産の分析を実施することもできる。さらに、分析物を含む疑いのある固体材料を、検体として使用することもできる。ある場合には、液体媒体を形成するため又は分析物を解放するために、固体検体を改変することが有益であり得る。
【0011】
詳細な説明
【0012】
次に、本発明の様々な実施形態を詳細に説明する。1つ若しくは複数の実施例が図面に示されている。各実施例は本発明を説明するためのものであって、本発明を何ら限定するものではない。実際、本発明の範囲及び精神から逸脱しない限り、様々な改変及び変更が可能であることは当業者には明らかであろう。例えば、1つの実施例の一部として説明された特徴は、それらを別の実施例に適用することにより、さらなる別の実施例を生じさせ得る。したがって、そのような変形又は変更は、添付した特許請求の範囲及びその均等物の範囲及び精神から逸脱しない限り、本発明に含まれるものとする。
【0013】
概して言えば、本発明は、小分子インジケータを側方流動式分析装置のクロマトグラフ媒体上にしっかりと固定する方法に関するものである。前記インジケータは、分析物又は前記分析物の関与を必要とするプロセスにより生成された反応生成物と反応する化学的反応部分である。前記分析物(又はその反応生成物)と反応すると、前記インジケータは検出可能な変色を示し得る。前記インジケータは典型的には、任意の誘導化(例えば、前記小分子インジケータへの反応性官能基の追加)を行う前は、概ね約3000ドルトン(すなわち、原子質量単位。1ドルトンは12Cアイソトープ1個の質量の1/12と等しい)未満の大きさを有する小分子部分である。前記小分子インジケータは、他の実施形態では約2000ドルトン未満、ある実施形態では約1000ドルトン未満、ある実施形態では約500ドルトン未満であり得る。本明細書で使用される「インジケータ」なる用語は、分析物又はその反応生成物と反応したときに検出信号を生成可能な反応部分を意味する、或いは、前記インジケータ部分を含む小分子を意味する。
【0014】
様々な種類の小分子インジケータが本発明に使用され得る。ある実施形態では、例えばビリルビン及びウロビリノーゲン等の様々な分析物を検出するのにジアゾニウムイオン・インジケータが使用される。例えば、前記分析物は、ジアゾニウムイオンと直接的に結合して出発物質とは色が異なる生成物を生成する。ジアゾニウムイオンはまた、例えばグルコース及び様々なタンパク質等の分析物を間接的に検出するのに使用される。すなわち、前記分析物は、最初に、例えばタンパク質又は酵素基質等の試薬と反応して反応生成物を生成し、その後、ジアゾニウムイオンと反応して検出可能な生成物を生成する。前記ジアゾニウムイオンは、次の一般式を有する。
【0015】
【化1】

【0016】
前記ジアゾニウムイオンは、両性イオン性であり得、ジアゾニウム部分の対イオンは、ジアゾニウムイオンの環系に共有結合される。前記ジアゾニウムイオンの前記環系は、置換されていても未置換であってもよい。
【0017】
ジアゾニウムインジケータによる分析物の検出について考えると、前記分析物又はその反応生成物は、ジアゾニウムイオンにより求電子攻撃することができる。この反応は、しばしば「カップリング」と呼ばれ、インジケータ試薬の初期の色とは異なる色を示す生成物を生成する。例えば、ジアゾニウムイオンは、芳香族化合物と反応して、次の一般式を有する芳香族アゾ化合物を生成する。R−N=N−R’(ただし、R及びR’はアリール基である)。理論に拘束されることを意図するものではないが、この反応が、吸収最大値のスペクトルの赤色域に向かってのシフト(深色移動)、或いはスペクトルの青色域に向かってのシフト(浅色移動)を誘導すると考えられる。前記吸収シフトの種類は、結果として生じるアゾ分子の性質によって決定され、浅色移動が起こる場合は電子受容体(酸化剤)として機能し、深色移動が起こる場合は電子供与体(還元剤)として機能する。前記吸収シフトは、検体中の分析物の存在を示すために、視覚的に又は装置により検出可能な色差をもたらす。例えば、感染した検体と接触する前は、ジアゾニウムイオンは、無色であり得る或いは特定の色を有し得る。だが、前記検体と接触し、前記分析物(又は前記分析物の関与を必要とするプロセスにより生成された反応生成物)と反応した後は、ジアゾニウムイオンの初期の色とは異なる色を示す芳香族アゾ化合物が生成される。
【0018】
ジアゾニウムイオンはまた、酵素の存在を直接的又は間接的に検出するのに使用することができる。例えば、酵素(例えば、白血球エステラーゼ等の加水分解酵素)を検出するために、酵素基質が提供される。前記提供された酵素基質は、関心のある酵素により化学的に作用され(例えば、白血球エステラーゼの場合は分裂させられ)、生成物を生成する。例えば、白血球エステラーゼを検出する場合は、前記酵素基質は、白血球エステラーゼの存在下で触媒的に加水分解されて芳香族化合物を産出する芳香族エステルで有り得る。前記芳香族エステルとしては、例えば、次の一般式を有するインドキシルエステルが挙げられる。
【0019】
【化2】

【0020】
ただし、Rは、置換又は未置換の、アルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシアルキル基、アルキレン基、脂肪酸基等であり得る。さらに、前記芳香環は置換されていても未置換であってもよい。具体的な例としては、例えば、インドキシルアセテート、インドキシルブチラート、インドキシルラウレート、インドキシルステアレート、N末端修飾アミノ酸又はペプチドのインドキシルエステル及びそのチオインドキシル類似体、N−トシル−L−アラニン3−インドキシルエステルが挙げられる。そのようなインドキシルエステルは、白血球エステラーゼによって加水分解され、ベンゾピロールを生成する。ベンゾピロールとしては、例えば、次の構造を有するインドキシル等がある。
【0021】
【化3】

【0022】
乳酸エステルもまた、酵素検出用の基質として使用され得る。例えば、特許文献5及び6に開示されているような乳酸エステルを使用することができる(特許文献5及び6の全文は、全ての目的のために、引用を以って本明細書の一部となす)。乳酸エステルは通常は、白血球エステラーゼによって加水分解され、ヒドロキシピロール化合物を生成する。他の適切なエステル基質としては、特許文献7〜9に開示されているような、チアゾールエステル、ピロールエステル、チオフェンエステル、ナフチルエステル、フェノキシエステル、キノリニルエステルが挙げられる(特許文献7〜9の全文は、全ての目的のために、引用を以って本明細書の一部となす)。
【0023】
加水分解酵素のためのさらなる他の適切な基質としては、例えば、アミド、ペプチド、エーテル、又は、酵素加水分解性結合を有する他の化合物が挙げられる。特定の種類の基質としては、タンパク質又は糖タンパク質、ペプチド核酸(例えばDNA及びRNA)、炭水化物、脂質、エステル、それらの誘導体等が挙げられる。例えば、ペプチダーゼ及び/又はプロテアーゼのためのある適切な基質としては、ペプチド、タンパク質、及び/又は糖タンパク質(カゼイン(例えば、βカゼイン、アゾカゼイン))、アルブミン(ウシ血清アルブミン)、ヘモグロビン、ミオグロビン、ケラチン、ゼラチン、インスリン、プロテオグリカン、フィブロネクチン、ラミニン、コラーゲン、エラスチン等が挙げられる。さらなる他の適切な基質は、特許文献10〜14に開示されている(特許文献10〜14の全文は、全ての目的のために、引用を以って本明細書の一部となす)。
【0024】
前記反応が行われる方法に関係なく、分析物と、ジアゾニウムイオンの存在下で結合反応を介して変色を誘導することが可能な基質との反応によって、芳香族化合物が生成される。使用することができるジアゾニウム塩の具体例としては、これに限定するものではないが、塩化ジアゾニウム、酸性硫酸塩ジアゾニウム、アルキル硫酸塩ジアゾニウム、フルオロホウ酸塩ジアゾニウム、ベンゼンスルホン酸ジアゾニウム、ジアゾニウム酸1,5−ナフタレンジスルホン酸等が挙げられる。ジアゾニウム塩の具体例としては、1−ジアゾ−2−ナフトール−4−スルホン酸塩;1−ジアゾフェニル−3−炭酸塩;4−ジアゾ−3−ヒドロキシル−1−ナフチルスルホン酸塩(DNSA);4−ジアゾ−3−ヒドロキシル−7−ニトロ−1−ナフチルスルホン酸塩(NDNSA);4−ジアゾ−3−ヒドロキシル−1,7−ナフチルジスルホン酸塩;2−メトキシ−4−(N−モルホリニル)塩化ベンゼンジアゾニウム);4−ジアゾ−3−ヒドロキシル−7−ブロモ−1−ナフチルスルホン酸塩;4−ジアゾ−3−ヒドロキシル−7−[1,オキソプロピル]−1−ナフチルスルホン酸塩が挙げられる。特に望ましいジアゾニウム塩は、黄色を有し、「Diazo Red RC」又は「Fast Red RC」という名で分類される5−クロロ−2−メトキシベンゼンジアゾニウム塩化物である。具体的には、「Fast Red RC」は次の構造を有する。
【0025】
【化4】

【0026】
他の適切なジアゾニウム塩は、「Fast Red B」及び「Fast Blue B」という一般名で分類される。さらなる他の適切なジアゾニウム塩は、特許文献15〜17に開示されている(特許文献15〜17の全文は、全ての目的のために、引用を以って本明細書の一部となす)。
【0027】
ジアゾニウム塩はまた、ジアゾニウムイオンが特定の分析物と直接的に結合する直接的検出技術に使用される。例えば、ある実施形態では、前記開示された装置は、例えばビリルビン及び/又はウロビリノーゲン等の分析物の検出に使用される。ビリルビン並びにビリルビン還元生成物(例えばウロビリノーゲン)の濃度増加は、一般に、例えばマラリア、鎌状赤血球貧血、B型肝炎、C型肝炎、肝毒性疾患、アルコール依存症、肝硬変、ジルベール症候群、胆石、膵臓癌(pancreatic maycer)等の癌(maycer)、腺管癌、転移性癌等の特定の病状のインジケータとなり得る。ビリルビンの直接的検出に使用するのに適したジアゾニウム化合物としては、これに限定するものではないが、例えばp−アミノベンゼンスルホン酸、2,6−ジクロロベンゼンジアゾニウムテトラフルオロホウ酸塩、2−トリフルオロメチルベンゼンジアゾニウム等が挙げられる。
【0028】
ウロビリノーゲンと選択的に結合するジアゾニウムイオンとしては、次の一般式を有するものがある。
【0029】
【化5】

【0030】
ただし、Xは、安定化アニオンを表す。
【0031】
他の実施形態では、ウロビリノーゲンを選択的に検出するために、次の一般式を有するジアゾニウムイオンが使用される。
【0032】
【化6】

【0033】
ただし、R1〜R7は、互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、又は低級アルコシ基であり、Xは安定化アニオンである。ウロビリノーゲンと選択的に直接結合するのに適したジアゾニウム化合物としては、これに限定するものではないが、例えば、4−フルオロ−3−ニトロベンゼンジアゾニウム塩、4−メトキシベンゼン−ジアゾニウム−テトラフルオロホウ酸塩、3,3’−ジメトキシビフェニル−4,4’−ジアゾニウム塩等が挙げられる。
【0034】
本発明は、ジアゾニウム型の小分子インジケータに限定されるものではない。当業者に一般的に知られている多くの他の小分子インジケータも、本発明に包含される。例えば、エールリッヒ(Erhlich)試薬は、検体中のウロビリノーゲンを検出するのに使用される小分子インジケータである。エールリッヒ試薬は、ウロビリノーゲンと選択的に結合するp−アミノベンズアルデヒド分子である。ウロビリノーゲンを検出するためのエールリッヒ試薬としては、これに限定するものではないが、例えばジメチルアミノベンズアルデヒド及びジエチルアミノベンズアルデヒド等のジアルキルアミノベンズアルデヒドが挙げられる。
【0035】
本発明に従ってクロマトグラフ媒体に固定され得る小分子インジケータの他の例示的な種類としては、ベンジジン型のインジケータがある。ベンジジン型のインジケータは、過酸化物の存在下で変色し得、それ故に、例えばグルコース、潜血、電解質、コレステロール、及び当該技術分野で一般的に知られている様々なタンパク質等の過酸化活性基質の検出に使用されることが多い。ベンジジン型のインジケータは、次の一般式を有する。
【0036】
【化7】

【0037】
ただし、R1及びR2置換基は、互いに独立して、ハロゲン基、低級アルキル基(すなわち、1個〜約6個の炭素原子を有するアルキル)、低級アルキルオキシ基(すなわち、1個〜約6個の炭素原子を有するアルキルオキシ)、アリール基、又はアリールオキシ基から選択される。R1及びR2は、互いに独立して、例えばヒドロキシル基、ハロゲン基、シアノ基等により置換される。さらに、R2置換基は、互いに(CH(ただし、nは1又は2)を形成する。「ベンジジン型」インジケータという用語に包含される典型的な化合物としては、ベンジジン、o−トリジン、o−ジアニシジン、3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン(TMB)、3,3’,5,5’−テトラ(アルキル)ベンジジン、様々なN−及びN’−置換ベンジジン等がある。
【0038】
本発明に包含される小分子インジケータの他の例示的な種類としては、フタレインがある。例えばフェノールフタレイン(HIn)、ジブロモチモールスルホンフタレイン(ブロモチモールブルー、BTB)、オクタブロモフェノール−スルホンフタレイン(テトラブロモフェノールブルー)、オクタクロロフェノール−スルホンフタレイン(テトラクロロフェノールブルー)並びに混合されたハロゲン化類似体(例えば3’,3’’,5’,5’’−テトラブロモフェノール−3,4,5,6−テトラクロロスルホンフタレイン3’,3’’,5’,5’’−テトラクロロフェノール−3,4,5,6−テトラブロモスルホンフタレイン及び3’,3’’−ジクロロ−5’,5’’−ジブロモフェノール−3,4,5,6−テトラクロロスルホンフタレイン)等のフタレインが、例えばpHの測定に使用可能でありそれにより検体中の分析物の存在(例えばタンパク質の存在)を示すことができる小分子インジケータである。
【0039】
本発明によれば、インジケータを含んでいる架橋ネットワークが、側方流動式装置のクロマトグラフ媒体上に形成される。理論に拘束されることを意図するものではないが、前記架橋ネットワークは、インジケータの耐久的な固定を助けることができ、それにより使用中のインジケータの変色をユーザがより容易に検出することを可能にすると考えられる。前記架橋ネットワークは、「分子内架橋(intra-cross links)」(すなわち、単一分子における官能基間の共有結合)及び/又は「分子間架橋(inter-cross links)」(すなわち、2つのインジケータ分子間の共有結合、或いは、インジケータ分子と基質表面との間の共有結合)を含む。架橋結合は、インジケータの自己架橋により、及び/又は別個の架橋剤の封入により行われる。適切な架橋剤としては、例えばエチレングリーコールジグリシジルエーテル及びポリエチレングリーコールジグリシジルエーテル等のポリグリシジルエーテル;アクリルアミド;例えばアルコキシ基(メトキシ、エトキシ、プロポキシ)等の1つ若しくは複数の加水分解性基を含有する化合物;アルコキシアルコキシ基(メトキシエトキシ、エトキシエトキシ、メトキシプロポキシ);アシルオキシ基(アセトキシ、オクタノイルオキシ);ケトオキシム基(ジメチルケトオキシム、メチルケトオキシム、メチルエチルケトオキシム);アルケニルオキシ基(ビニルオキシ、イソプロペンオキシ、1−エチル−2−メチルビニルオキシ);アミノ基(ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ブチルアミノ);アミノキシ基(ジメチルアミノキシ、ジエチルアミノキシ);アミド基(N−メチルアセトアミド、N−エチルアセトアミド)が挙げられる。
【0040】
例えば熱開始反応(縮合反応、付加反応等)や電磁放射等の様々な異なる架橋機構が本発明に使用され得る。本発明で使用され得る電磁放射のいくつかの適切な例としては、これに限定するものではないが、例えば、電子ビーム放射、天然及び人工放射性同位体(例えば、α、β及びγ線)、x線、中性子ビーム、正電荷ビーム、レーザービーム、紫外線等が挙げられる。電子ビーム放射は、例えば、電子ビーム装置による加速電子の生成を含む。電子ビーム装置は、当該技術分野では公知である。例えば、ある実施形態では、Energy Sciences, Inc.社(Woburn, Massachusetts)から「Microbeam LV」の名称で市販されている電子ビーム装置が使用され得る。適切な電子ビーム装置の他の例は、特許文献18〜20に開示されている(特許文献18〜20の全文は、全ての目的のために、引用を以って本明細書の一部となす)。放射線の波長λは、様々な種類の電磁放射スペクトラムを有する放射線に対して、例えば約10−14メートルから約10−5メートルまで変更され得る。電子ビーム放射線は、例えば、約10−13メートルから約10−9メートルの波長λを有する。電磁放射線の特定の波長λを選択するのに加えて、架橋の程度を制御するために、他のパラメータもまた選択される。例えば、放射線量は、約0.1メガラドから約10メガラドの範囲に及び、あるある実施形態では、約1メガラドから約5メガラドの範囲に及ぶ。
【0041】
電磁放射線源は、当該技術分野で既知の任意の放射線源であり得る。例えば、D型電球を有するエキシマーランプ又は水銀ランプが使用され得る。極めて狭い放出ピークで放射線を放射する他の特殊にドープされたランプが、等しい吸収最大量を有する光開始剤と共に使用され得る。例えば、Fusion Systems社から市販されているV型電球が、使用するための他の適切なランプである。さらに、1つ若しくは複数の特定の光開始剤と共に使用するための、特殊な放射帯を有する特殊なランプが製造され得る。
【0042】
選択された架橋技術の官能性を向上させる開始剤が、ある実施形態で使用され得る。例えばアゾ、過酸化物、過硫酸塩及びレドックス開始剤等の熱的開始剤が、ある実施形態で使用される。適切な熱的開始剤の例としては、例えば2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2’−アゾビス(メチルイソブチレート)、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、及び2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ開始剤;例えば過酸化ベンゾイル、過酸化アセチル、過酸化ラウロイル、過酸化デカノイル、ジセチルペルオキシジカーボネート、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)ペルオキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシル)ペルオキシジカーボネート、t−ブチルペルオキシビバレート、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノアート、及び過酸化ジクミル等の過酸化物開始剤;例えば過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、及び過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩開始剤;例えば上記の過硫酸塩開始剤と還元剤(メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム)との組み合わせ、有機過酸化物と第三級アミンとに基づいた系、及び有機ヒドロペルオキシドと遷移金属とに基づいた系等のレドックス(酸化還元)開始剤;例えばピナコール等の他の開始剤;及びそれらの組み合わせ等が挙げられる。アゾ化合物及び過酸化物が一般的に好ましい。光開始剤も同様に使用される。光開始剤としては、例えばベンジルジメチルケタール及び1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等の置換アセトフェノン;例えば2−メチル−2−ヒドロキシプロピオフェノン等の置換アルファケトール;例えばベンゾインメチルエーテル及びベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾインエーテル;例えばアニソインメチルエーテル等の置換ベンゾインエーテル;芳香族スルホニルクロライド;光活性オキシム;及びそれらの組み合わせ等がある。他の適切な光開始剤は、特許文献21及び22に開示されている(特許文献21及び22は、引用を以って本明細書の一部となす)。
【0043】
必須ではないが、インジケータの固定を容易にするために、追加の要素もまた架橋ネットワークに使用し得る。例えば、インジケータをクロマトグラフ媒体の表面に結合し、側方流動式装置上でのインジケータの耐久性をさらに向上させるアンカー化合物を使用し得る。一般的に、アンカー化合物は、インジケータよりもサイズが大きく、使用中に、インジケータがクロマトグラフ媒体の表面上に保持される可能性を向上させる。アンカー化合物としては、例えばポリマー、オリゴマー、デンドリマー、粒子等の高分子化合物が挙げられる。高分子アンカー化合物は、天然物質、合成物質、又はそれらの組み合わせであり得る。天然高分子アンカー化合物の例としては、ポリペプチド、タンパク質、DNA/RNA及び多糖(例えばグルコースベースポリマー)等がある。合成高分子アンカー化合物の例としては、ポリアクリル酸及びポリビニル・アルコール等がある。多糖アンカー化合物の一例は、活性化されたデキストランである。ある実施形態では、アンカー化合物は粒子(「ビーズ」又は「マイクロビーズ」と呼ばれることもある)であり得る。天然に存在する粒子、例えば、核、マイコプラズマ、プラスミド、プラスチド、哺乳類細胞(例えば赤血球ゴースト)、単細胞微生物(例えば細菌)、多糖(アガロース)等が使用され得る。さらに、合成粒子もまた使用され得る。例えば、ある実施形態では、ラテックス微粒子が使用される。合成粒子も使用され得るが、粒子は、一般的には、ポリスチレン、ブタジエンスチレン、スチレンアクリル系ビニルターポリマー、ポリメチルメタクリレート、メタクリル酸ポリエチレン、スチレン系無水マレイン酸コポリマー、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピリジン、ポリジビニルベンゼン、ポリブチレンテレフタレート、アクリロニトリル、塩化ビニルアクリレート等、或いは、アルデヒド、カルボキシル、アミノ、又はそれらのヒドラジド誘導体から作成される。使用時は、粒子の形状は一般的に変わり得る。ある特定の実施形態では、例えば、粒子は球形の形状を有する。しかし、平板、ロッド、円板、棒、チューブ、不整形等の他の形状もまた意図されることを理解されたい。さらに、粒子のサイズも変わり得る。例えば、粒子の平均サイズ(例えば直径)は、約0.1ナノメートルから約1000ミクロンの範囲、ある実施形態では約0.1ナノメートルから約100ミクロンの範囲、ある実施形態では約0.1ナノメートルから約10ミクロンの範囲に及び得る。
【0044】
インジケータとクロマトグラフ媒体とを結合するためにアンカー化合物が使用される方法も変更され得る。ある実施形態では、例えば、アンカー化合物及びインジケータの両者をクロマトグラフ媒体に取り付ける前に、アンカー化合物はインジケータに取り付けられる。他の実施形態では、インジケータへ取り付ける前に、アンカー化合物がクロマトグラフ媒体に結合される。さらなる他の実施形態では、前記材料は、別個の構成要素として、クロマトグラフ媒体に結合される。結合反応は、随意的にネットワークの架橋と同時に、原位置で行うことができる。例えば、小分子インジケータはアンカー化合物と結合し得、アンカー化合物はクロマトグラフ媒体と結合し得、それと同時に、アンカー化合物間、インジケータ間又は両者の間で架橋反応が起こり得る。そのような実施形態の1つでは、このようにして形成された架橋ネットワークは、クロマトグラフ媒体の多孔質膜と系の他の構成要素との間の結合を必要とせずに前記多孔質膜上に物理的に保持される。特に、多孔質膜の孔内及び孔間で延在し得る部分である架橋ネットワークは、多孔質膜と架橋ネットワークの構成要素との間に特定の結合でさえも形成することなく、多孔質膜上で物理的に固定される。
【0045】
前記系の構成要素の間に結合が形成される場合、アンカー化合物のクロマトグラフ媒体への結合、並びに、アンカー化合物のインジケータへの結合は、カルボキシル基、アミノ基、アルデヒド基、ブロムアセチル基、ヨードアセチル基、チオール基、エポキシ基又は他の反応性官能基、並びに、残留遊離ラジカル及びラジカルカチオンを使用し、熱開始プロセス、光開始プロセス、触媒反応等の任意の適切な方法に従って行われる結合反応により実現され得る。例えば、クロマトグラフ媒体は、例えば3−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミン含有化合物との接触によってアミン官能化され得、表面のアミン官能性を増加させ、例えばアンカー化合物のアルデヒド官能性を介して、アンカー化合物を前記表面に結合させる。また、例えば粒子の表面が比較的表面濃度が高い極性基を含有している場合、前記表面の官能基は反応性官能基として前記粒子型アンカー化合物に組み込まれ得る。ある場合では、前記粒子は、さらなる改変を必要とせずに、クロマトグラフ媒体及び/又はインジケータに直接的に結合可能である。
【0046】
アンカー化合物をクロマトグラフ媒体に結合させるのに、及び/又はインジケータをアンカー化合物に結合させるのに、共有結合の他にも、例えば電荷間相互作用等の他の結合技術もまた使用され得ることを理解されたい。例えば、帯電したアンカー化合物(例えば、正に帯電した高分子電解質アンカー化合物)が、負に帯電したクロマトグラフ媒体(例えば、負に帯電した多孔質ニトロセルロース膜)上に、両者間の電荷間相互作用によって固定され得る。同様に、負に帯電したインジケータ(例えばジアゾニウムイオン)が、正に帯電したアンカー化合物上に固定され得る。
【0047】
さらに、本発明は、単一のインジケータを単一のアンカー化合物に取り付けることに限定されないことに留意されたい。例えば、多官能性のアンカー化合物を使用する場合、単一のアンカー化合物分子に複数のインジケータを結合させることにより、検出領域におけるインジケータの密度が増加する。例えば、例えば64−カスケード:1,4−ジアミノブタン[4]:1−アザブチリデン)60−プロピルアミン(Astramol(Am)64デンドリマーとしてDSMから市販されている)等の多官能性のアンカー化合物は、当該技術分野で一般的に知られている任意の適切なプロセスにおいて、複数のインジケータ(例えば、N−(1−ナフチル)エチレンジアミン二塩酸塩)を結合させることができる。1つの方法では、例えば、インジケータは、小分子インジケータのインジケータ部分を保護しながら複数のインジケータをアンカー化合物に結合するのに使用される反応性部分によって官能化される。例えば、約11mgのN−(1−ナフチル)エチレンジアミン二塩酸塩・インジケータと、結合を容易にするための任意の追加の試薬(例えば約18mgの炭酸水素ナトリウム)を含む適切な溶媒(DMSO)とを含有する溶液が作成される。インジケータはその後、アンカー化合物と結合するために、溶液内で反応性部分によって官能化される。例えば、溶液に加えられ(暗条件下で)攪拌された約9mgのN−ヒドロキシスクシニミジル−4−アジドサリチル酸(Pierce Biotech社製のNHS−ASA)は、光反応性部分を有するインジケータを官能化し得る。デンドリマー型アンカー化合物を加えて適切な反応状態を確立すると(例えばUVランプを使用して365nmで約20分間照射する)、アンカー化合物は複数のインジケータを結合することができる。このようにして作成されたアンカー化合物/インジケータ複合体を含む溶液は、その後、所望に応じてさらに処理され、そしてクロマトグラフ媒体に塗布される。例えば、このようにして作成された溶液は、膜(例えば、Pierce Biotech社製の3,500カットオフ膜)を使用して、酸性水内に透析される。透析された溶液はその後クロマトグラフ媒体(例えばニトロセルロース膜)に塗布され、架橋し、検出領域(例えば亜硝酸塩のための検出領域)を形成する。
【0048】
塗布されるとすぐに架橋反応が発生し架橋ネットワークを形成する。任意の特定の実施形態の材料の性質に依存して、架橋反応は、クロマトグラフ媒体の表面、アンカー化合物及びインジケータのうちの2つの間で起こり得る。また、架橋反応は、分子間架橋(例えば、2つのアンカー化合物の間、又は2つの小分子インジケータの間の架橋)のように任意の2つの同じ構成要素の間で、或いは、分子内架橋(例えば、単一の高分子アンカー化合物上の2つの官能部分の間の架橋)のように単一の構成要素の中で起こり得る。例えば、多官能性アンカー化合物はインジケータを架橋し得、隣接するアンカー化合物を架橋(分子間架橋)し得、及び/又は、それ自体の内部で架橋(分子内架橋)し得る。同様に、多官能性インジケータは、互いに架橋し得、及び/又は隣接するアンカー化合物と架橋し得、架橋されたインジケータのネットワーク内に架橋を形成し得る。例えば、多官能性アンカー化合物及びインジケータは混合物として、随意的に適切な架橋剤及び/又は架橋開始剤と共に、検出領域に塗布され得る。結合反応(例えば光開始反応)の開始時に、しっかりと固定されたインジケータを含む架橋ネットワークが形成され得る。
【0049】
架橋を促進するために、任意の適切な結合機構を使用し得る。例示のみを目的として、光開始架橋プロセスにより硬化し得るアンカー化合物の例としては不飽和のモノマー又はオリゴマー基が挙げられ、そのようなものとしては、これに限定するものではないが、エチレン、プロピレン、塩化ビニル、イソブチレン、スチレン、イソプレーン、アクリロニトリル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸ビニル、メタクリル酸アリル、ジアクリル酸トリプロピレングリコール、アクリル酸トリメチロールプロパンエトキシレート、エポキシアクリル(例えば、ビスフェノールAエポキシドとアクリル酸との反応生成物)、アクリル酸ポリエーテル(例えば、アクリル酸とアジピン酸/ヘキサンジオール−ベースポリマーとの反応生成物)、アクリル酸ウレタン(例えば、ヒドロキシプロピルアクリレートとジフェニルメタン4,4’−ジイソシアネートとの反応生成物)、及びポリブタジエンジアクリレートオリゴマーがある。
【0050】
ある実施形態では、アンカー化合物は、ポリカルボン酸基又は環状無水物基を含み得、ポリカルボン酸基又は環状無水物基はいずれも、適切なpH条件及び温度条件下で、小分子インジケータの反応性部分(例えばシクロデキストリン部分)と多糖クロマトグラフ媒体(例えばセルロース)との間でエステル結合を形成させ得る。アンカー化合物はまた、例えばタンパク質又はポリ核酸等の生体高分子で有り得る。例えば抗体及びアルブミン等のタンパク質は、例えばニトロセルロース等のクロマトグラフ媒体上に固定可能であることが知られている。インジケータは、そのような生体アンカー化合物に、既存の又は改変された化学反応を介して共有結合され得る。例えば、インジケータは、タンパク質のリシン基又はカルボン酸基を介して、アルブミンアンカー化合物に結合され得る。このような結合化学反応は当該技術分野では公知である。同様に、ポリヌクレオチドアンカー化合物内に存在し得る塩基を、官能反応性を有する小分子インジケータに共有結合させる方法は当該技術分野では公知である。アンカー化合物はその後、分子間架橋及び分子内架橋により架橋されて、インジケータを含む架橋ネットワークを形成する。
【0051】
小分子インジケータのインジケータ部分は、ネットワーク形成プロセス中に保護され得る。例えば、アンカー化合物及び/又はクロマトグラフ媒体は、形成中にインジケータ分子と反応しない反応性官能性を有し得る。随意的に、他の系の構成要素は、ネットワーク形成条件下で、インジケータ自体以外の小分子インジケータ部分と選択的に反応する反応性官能性を有し得る。したがって、反応条件はその後、前記インジケータ部分を保護しながら、所望の結合を選択的に形成するように制御され得る。他の実施形態では、例えば、小分子インジケータであるポリアミンジアゾニウム化合物が、小分子インジケータをアンカー化合物に結合させるのに使用され得る複数の反応性アミンを含む場合は、小分子インジケータは複数の同様の反応部位を含み得る。アンカー化合物をインジケータと反応させるとき、前記アミン基の一部が、インジケータをアンカー化合物に結合するのに、及び随意的にネットワークを架橋するのに使用され、それにより、インジケータの反応性が維持され得る。
【0052】
分析物を容易に検出するのに使用され得る分析装置を作成するための様々な実施形態を詳細に説明する。図1を参照して、例として、膜ベースのフロースルー分析装置20のある実施形態が示されている。図1に示すように、装置20は、随意的に剛体材料21により支持される、クロマトグラフ媒体23を含む。クロマトグラフ媒体23は、検体が通過することが可能な任意の様々な材料から作成され得る。例えば、クロマトグラフ媒体を作成するのに使用される材料としては、これに限定するものではないが、例えば多糖等の人工的に改変される天然、人工又は自然発生的物質(例えば紙及びセルロース誘導体等のセルロース物質(例えば酢酸セルロースやニトロセルロース));シリカ;無機物質(例えば、不活性化アルミナ、珪藻土、MgSO、又は、ポリマー(塩化ビニル、塩化ビニル−プロピレンコポリマー、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー等)と共に、多孔性ポリマーマトリックス内に均一に分散された他の無機微粉物質);布(天然布(例えば綿)及び合成布(ナイロン、レーヨン)の両方);多孔質ゲル(シリカゲル、アガロース、デキストラン、ゼラチン等);高分子膜(ポリアクリルアミド等)等が挙げられる。ある特定の実施形態では、クロマトグラフ媒体は、ニトロセルロース及び/又はポリエステルスルホン材料から形成される。「ニトロセルロース」という用語は、ニトロセルロース単独であり得る、又は硝酸と他の酸(例えば、1〜7個の炭素元素を有する脂肪族カルボン酸)との混合エステルで有り得る、セルロースの硝酸エステルを意味することを理解されたい。
【0053】
クロマトグラフ媒体23は、インジケータ(図示せず)を含む架橋ネットワークがその中に含まれる検出領域31を画定する。架橋ネットワークは、クロマトグラフ媒体23の基質を通って拡散しないように、クロマトグラフ媒体23の表面に固定される。検出領域31は、一般的に、任意の数の別個の検出領域を提供し、それにより、ある実施形態では、ユーザは検体中の特定の分析物の濃度を測定し得る。各領域は、同一のインジケータを有する、或いは複数の分析物を捕らえるための異なるインジケータを有する架橋ネットワークを含み得る。例えば、検出領域31は、2つ以上の別個の検出領域(例えば線、ドット等)を含み得る。検出領域は、分析装置20を通過する検体の流れと実質的に垂直な方向に、線状の別個の層として配置され得る。同様に、ある実施形態では、検出領域は、分析装置20を通過する検体の流れと実質的に平行な方向に線状に配置され得る。
【0054】
装置20はまた、吸収パッド28を含み得る。吸収パッド28は、クロマトグラフ媒体23全体を通じて移動した液体を概ね受容する。当該技術分野では公知のように、吸収パッド28は、毛細管作用及び膜23を通過する流動を促進するのを助力し得る。検体中の分析物の検出を開始するために、ユーザは、クロマトグラフ媒体23と流体連通するクロマトグラフ媒体23の塗布パッド24上に検体を直接的に塗布する。塗布パッド24を作成するのに使用されるいくつかの適切な材料としては、これに限定するものではないが、例えば、ニトロセルロース、セルロース、多孔性ポリエチレンパッド、及びガラス繊維ろ紙が挙げられる。必要であれば、塗布パッド24はまた、塗布パッド24に拡散的又は非拡散的に結合される1つ若しくは複数の前処理分析試薬を含み得る。
【0055】
この図示した実施形態では、検体は、塗布パッド24から、塗布パッド24の一端と連通して設置された共役(conjugate)パッド22へ移動する。共役パッド22は、検体が通過可能な材料から形成される。例えば、ある実施形態では、共役パッド22は、ガラス繊維から形成される。1つの共役パッド22しか示されていないが、他の共役パッドも使用し得ることを理解されたい。
【0056】
検体中の分析物の存在又は非存在の検出を容易にするために、共役パッド22には様々な試薬が固定され得る。例えば、分析物(例えばグルコース)を含む検体が共役パッド22に移動し、分析物が、グルコースオキシダーゼ、ペルオキシダーゼ及び適切な緩衝剤を含む試薬と混合される。検体と試薬の混合時は、グルコースオキシダーゼがグルコースの酸化を触媒し、ペルオキシダーゼ過酸化水素を生成する。共役パッド22は、クロマトグラフ媒体23と流体連通しており、物質は、共役パッド22から、例えばベンジジン型インジケータ(TMB)等のインジケータを含む架橋ネットワークを有する検出領域31に移動し得る。ペルオキシダーゼの存在下で、過酸化水素はインジケータの変色を引き起こす。当然、前記試薬のいずれか又は全ての特定の位置は、検出領域の位置に対して最適で有り得る。例えば、ある実施形態では、検出領域31内に拡散的に固定された緩衝剤を含むことが好ましい。
【0057】
図1に示した実施形態では、検体中の分析物の濃度が増加すると、より多くの分析物(又はその反応生成物)が検出領域31内のインジケータと反応し得る。検出領域31での反応量が増加すると、信号強度が増大する。信号強度が増大すると、分析物の存在又は濃度の検出が容易となる。例えば、ある実施形態では、分析物の量は、検出領域31における信号強度lと直接的に比例する。必要に応じて、信号強度lが、既知の濃度の範囲で、分析物濃度に対してプロットされ、強度曲線が作成され得る。未知の検体中の分析物の量を測定するために、信号強度はその後、前記強度曲線に従って分析物濃度に変換される。
【0058】
検出領域31の1つ若しくは複数の別個の領域が、信号強度と分析物濃度との間の上述した関係を示すことに留意されたい。しかしながら、それぞれの及び全ての別個の領域がそのような関係を示す必要はない。例えば、ある実施形態では、複数の別個の領域のうちの1つのみが、分析物の濃度と直接的に比例する信号強度を示す。例えば偽陽性を減少させるのに使用される領域等の他の別個の領域における信号強度は、一定のままである、或いは、信号強度の増加及び/又は減少を示す。検出領域31の少なくとも1つの別個の領域が前記直接的関係を満たす限り、検出領域31により示される信号強度は、酵素濃度と直接的に比例すると見なされる。
【0059】
図1を参照して、分析装置20はまた制御領域32を有する。制御領域32は、分析装置20が正確に動作しているかどうかを確認するのに使用される。制御領域32は、制御領域32の上流側のクロマトグラフ媒体23上で拡散的に分散され得る試薬と結合可能な受容物質により作成される。より具体的には、十分な量の検体と接触して、クロマトグラフ媒体23中を流れる、検出可能な試薬が使用される。これらの検出可能な試薬はその後、制御領域32内で視覚的に又は機器により観察される。前記制御試薬は一般的に、例えば発光化合物(例えば、蛍光性、リン光性)、放射性化合物、可視性化合物(有色色素や、金属物質(金))、信号生成物質を含んでいるリポソーム又は他の小胞、酵素及び/又は基質等の検出可能な物質を含む。他の適切な検出可能物質は、特許文献23及び24に開示されている(特許文献23及び24の全文は、全ての目的のために、引用を以って本明細書の一部となす)。必要に応じて、前記検出可能物質は、上記したような粒子上に配置される。
【0060】
制御領域32の位置は、実施される試験の性質に基づいて変更され得る。図示された実施形態では、例えば、制御領域32はクロマトグラフ媒体23によって画定され、検出領域31の下流側に配置される。制御領域32は、非拡散的に固定され、前記検出可能試薬と化学的及び/又は物理的結合を形成する物質を含み得る。例えば、ある実施形態では、前記結合剤は、生体的受容物質を含み得る。このような生体的受容物質は、当該技術分野では公知であり、そのようなものとしては、これに限定するものではないが、抗原、ハプテン、抗体、タンパク質A又はG、アビジン、ストレプトアビジン、二次抗体、及びそれらの複合体等がある。ある場合には、これらの生体的受容物質は、前記検出可能試薬上に存在する特定の結合部分(例えば抗体)と結合可能であることが望ましい。或いは、様々な非生体的物質は、前記検出可能試薬受容物質のために使用され得る。例えば、ある実施形態では、前記受容物質は、前記検出可能試薬と結合することができる高分子電解質を含み得る。様々な高分子電解の結合システムが、例えば、特許文献25に開示されている(特許文献25の全文は、全ての目的のために、引用を以って本明細書の一部となす)。しかし、他の実施形態では、制御領域32は、単に、クロマトグラフ媒体23を通過した後の検出可能試薬が流れる吸収物質28の領域により画定される。
【0061】
選択された特定の技術に関わらず、装置20に十分な量の検体を塗布すると、分析物の存在の有無に関係なく、制御領域32から信号が発生するであろう。そのような制御領域により提供される利益は、緻密な測定又は計算を必要とすることなく、十分な量の検体が加えられたことをユーザに知らせることである。このことにより、反応時間、検体の量等を外部から制御する必要なく、側方流動式装置20を使用することができる。
【0062】
本発明の側方流動式装置の1つの利点は、分析物の検出を容易にするために、1つ若しくは複数の追加の領域を簡単に組み込めることである。例えば、再び図1を参照して、そのような領域の1つはクエンチング(quenching)領域35である。クエンチング領域35は、検出系の正確さに悪影響を及ぼす化合物を検体から除去するように構成されている。例えば、検体中の汚染物質(例えば、フェノール成分、ビリルビン、ウロビリノーゲン等)は、検出領域31でインジケータと反応して検出可能な化合物を生成し、それにより「偽陰性(false negative)」の結果を生成し得る。したがって、クエンチング領域35は、汚染物質と反応可能なクエンチング物質(例えばジアゾニウムイオン)を含み得る。クエンチング物質は、検出領域31で使用されるインジケータと同一であっても異なっていてもよい。クエンチング物質は、媒体23を通過して試験を妨げないように、上述した方法によりクエンチング領域35に非拡散的に固定される。クエンチング領域35の位置は変更され得るが、典型的には、検出を妨げないように、検出領域31の上流側の検体が塗布される位置に配置される。例えば、図示した実施形態では、クエンチング領域35は、検体塗布領域24と試薬領域22との間に配置される。
【0063】
上述した領域に加えて、側方流動式装置20はまた、他の随意的な領域も含み得る。例えば、ある実施形態では、側方流動式装置20は、酵素触媒による基質反応を促進するための促進剤を含有する促進領域(図示せず)を含み得る。典型的には、前記促進剤は、検体と接触して媒体23を通過することができるように、上述した方法によって前記促進領域内に拡散的に固定される。前記促進領域の位置は、検出領域31の上流側に位置する限り、一般的に変更可能である。例えば、ある実施形態では、前記促進領域は、試薬領域22の上流側の位置(例えば、検体塗布領域24)に配置され得る。試薬領域22に提供された基質と促進剤との間を分離することにより、それらの間で早すぎる反応が生じる可能性が減少される。しかし、それでもなお、ある用途では、促進剤は基質と結合され得ることを理解されたい。
【0064】
以上、本発明の特定の実施形態について詳細に説明したが、本明細書中で説明された本発明の実施形態の改変及び変更が可能であることは、当業者であれば容易に理解できるであろう。従って、本発明の範囲は、特許請求の範囲及びその均等範囲によってのみ規定されるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0065】
【特許文献1】米国特許第6,348,319号明細書
【特許文献2】米国特許第5,409,664号明細書
【特許文献3】米国特許第6,436,651号明細書
【特許文献4】米国特許第4,366,241号明細書
【特許文献5】米国特許第5,464,739号明細書
【特許文献6】米国特許第5,663,044号明細書
【特許文献7】米国特許第5,750,359号明細書
【特許文献8】米国特許第4,657,855号明細書
【特許文献9】特開2003−210193号公報
【特許文献10】米国特許第4,748,116号明細書
【特許文献11】米国特許第5,786,137号明細書
【特許文献12】米国特許第6,197,537号明細書
【特許文献13】米国特許第6,235,464号明細書
【特許文献14】米国特許第6,485,926号明細書
【特許文献15】米国特許第4,637,979号明細書
【特許文献16】米国特許第4,806,423号明細書
【特許文献17】米国特許第4,814,271号明細書
【特許文献18】米国特許第5,003,178号明細書
【特許文献19】米国特許第5,962,995号明細書
【特許文献20】米国特許第6,407,492号明細書
【特許文献21】米国特許第6,486,227号明細書
【特許文献22】米国特許第6,780,896号明細書
【特許文献23】米国特許第5,670,381号明細書
【特許文献24】米国特許第5,252,459号明細書
【特許文献25】米国特許出願公開第2003/0124739号明細書

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検体中の分析物の存在又は量を検出するための側方流動式分析装置であって、
検出領域を画定するクロマトグラフ媒体を含み、
前記検出領域内には、前記分析物の存在下で検出可能な変色を示すように構成された小分子インジケータを有する架橋ネットワークが非拡散的に固定されていることを特徴とする装置。
【請求項2】
請求項1に記載の側方流動式分析装置であって、
前記架橋ネットワークが、前記クロマトグラフ媒体と前記小分子インジケータを結合するアンカー化合物をさらに有することを特徴とする装置。
【請求項3】
請求項2に記載の側方流動式分析装置であって、
前記小分子インジケータが、前記アンカー化合物に共有結合されることを特徴とする装置。
【請求項4】
請求項2に記載の側方流動式分析装置であって、
前記小分子インジケータが、前記アンカー化合物に電荷間相互作用により結合されることを特徴とする装置。
【請求項5】
請求項2乃至4のいずれかに記載の側方流動式分析装置であって、
前記アンカー化合物が、前記クロマトグラフ媒体に共有結合されることを特徴とする装置。
【請求項6】
請求項2乃至4のいずれかに記載の側方流動式分析装置であって、
前記アンカー化合物が、前記クロマトグラフ媒体に電荷間相互作用により結合されることを特徴とする装置。
【請求項7】
請求項2乃至6のいずれかに記載の側方流動式分析装置であって、
前記アンカー化合物が、高分子化合物であることを特徴とする装置。
【請求項8】
請求項7に記載の側方流動式分析装置であって、
前記高分子アンカー化合物がポリマーであることを特徴とする装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれかに記載の側方流動式分析装置であって、
前記小分子インジケータが、ジアゾニウム化合物を含むことを特徴とする装置。
【請求項10】
請求項1乃至8のいずれかに記載の側方流動式分析装置であって、
前記小分子インジケータが、ベンジジン化合物、フタレイン化合物、アミノベンズアルデヒド化合物、又はそれらの組み合わせを含むことを特徴とする装置。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれかに記載の側方流動式分析装置であって、
前記クロマトグラフ媒体が、前記検出領域の上流側に位置する試薬領域をさらに有することを特徴とする装置。
【請求項12】
請求項11に記載の側方流動式分析装置であって、
前記試薬領域内に含まれる酵素基質をさらに有することを特徴とする装置。
【請求項13】
請求項1乃至12のいずれかに記載の側方流動式分析装置であって、
制御領域をさらに有することを特徴とする装置。
【請求項14】
請求項1乃至13のいずれかに記載の側方流動式分析装置であって、
前記クロマトグラフ媒体と流体連通する検出可能な試薬をさらに有することを特徴とする装置。
【請求項15】
請求項1乃至14のいずれかに記載の側方流動式分析装置であって、
前記架橋ネットワークが電磁放射により作成されることを特徴とする装置。
【請求項16】
請求項15に記載の側方流動式分析装置であって、
前記放射が紫外線放射であることを特徴とする装置。
【請求項17】
請求項1乃至14のいずれかに記載の側方流動式分析装置であって、
前記架橋ネットワークが熱エネルギーにより作成されることを特徴とする装置。
【請求項18】
請求項1乃至17のいずれかに記載の側方流動式分析装置であって、
前記架橋ネットワークが架橋剤をさらに有することを特徴とする装置。
【請求項19】
検体中の分析物の存在又は濃度を検出するための方法であって、
請求項1乃至18のいずれかに記載の前記側方流動式分析装置と検体を接触させるステップと、
前記インジケータの変色を検出するステップとを含むことを特徴とする方法。
【請求項20】
請求項19に記載の方法であって、
前記インジケータが、前記分析物と直接的に反応して変色することを特徴とする方法。
【請求項21】
請求項19に記載の方法であって、
前記インジケータが、前記分析物と関連する化合物と反応して変色することを特徴とする方法。
【請求項22】
請求項19に記載の方法であって、
前記インジケータの変色を視覚的に検出するステップをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項23】
請求項19に記載の方法であって、
前記検体中の分析物の量が、前記検出された変色の強度と直接的に比例することを特徴とする方法。
【請求項24】
請求項19に記載の方法であって、
前記検体中の分析物の量が、前記検出された変色の強度と間接的に比例することを特徴とする方法。

【図1】
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【公表番号】特表2010−513857(P2010−513857A)
【公表日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−540899(P2009−540899)
【出願日】平成19年9月28日(2007.9.28)
【国際出願番号】PCT/IB2007/053962
【国際公開番号】WO2008/075216
【国際公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【出願人】(504460441)キンバリー クラーク ワールドワイド インコーポレイテッド (396)