説明

分離した花蕾を含む花蕾球を有するブロッコリ型

本発明は、分離した花蕾を有する花蕾球を含むブロッコリ植物ならびにかかるブロッコリ植物を得るための方法を含む。また、本発明は、かかるブロッコリ植物を得るための方法において使用できる試薬も提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2005年11月22日に出願した米国特許仮出願番号60/739,803の合衆国法典35巻119条(e)の優先権を主張する。
【0002】
本発明は、植物育種および新植物の開発の分野に関する。より詳細には、均一に緑色の、すなわち端部付近で黄化または変色を示さない、分離した花蕾を含む花蕾球を有する新しく、かつ、異なるブロッコリ型(Brassica oleracea L. var. italica)の開発に関する。
【背景技術】
【0003】
ブロッコリが属する植物学的な科はアブラナ科(Brassicaceae)(またはCruciferaeともいう)であり、それはアブラナ科(または、各花が十字形態で4の異なる萼片および花弁を有するため、アブラナ科とも通俗的に命名されている)としても知られる。アブラナ科は350ないし380属に配分されるほぼ3000の記載した種からなる大きな科である。属の正確な数は、当局に依存して変化するであろう。ブロッコリおよびそれどころか他のアブラナのすべての分類スキームは明瞭で、誰もが種レベルまで簡単に到着することができる。その時点で、多数の亜種または栽培群の追加が、問題の生物群のむしろ複雑および困惑する配置を生じる。例えば、ブロッコリの学名(ブラシカ・オレラセア−リンネ(Brassica oleracea(L.))は、いくつかを挙げるとキャベツ、ハクサイ、カリフラワー、コラード、芽キャベツ、ケール、コールラビによっても共有されている。すべての前記した型が生殖的に和合性であり、したがって、ビイ・オレラセアと呼ばれている事実にもかかわらず、それらは別個のものである。
【0004】
ブラシカ属にはブラシカ・オレラセア(2n=18)以外にも多数の注目に値する植物作物が含まれる。ブラシカ属には、多くの他の属の野菜または飼草作物も含まれる。本願明細書において最も重要なのは、ビイ・ラパ(B. rapa)(2n=20)またはカブラ、およびビイ・ナプス(B. napus)(2n=38)またはスウェーデンカブである。種レベルでブロッコリに使用されている名称は、ブラシカ・オレラセア リンネ コンバラエティー・ボトリシス(エル)アレフ・バライエティー・シモーサ・ダチ(Brassica oleracea L. convar botrytis (L) Alef. var. cymosa Duch)、ブラシカ・オレラセア リンネ コンバラエティー・ボトリシス(エル)アレフ・バライエティー・イタリカ・プレンク(Brassica oleracea L. convar botrytis (L) Alef. var. italica Plenck)およびブラシカ・オレラセア リンネ バライエティー・イタリカ・プレンク(Brassica oleracea L. var italica Plenckである。分類学専門家は、先に言及した理由について異なる意見を有している。米国農務省のGermplasm Resources Information Network(GRIN)は、ブロッコリに適用する植物のGRIN分類においてブラシカ・オレラセア リンネ バライエティー・イタリカ・プレンク(Brassica oleracea L. var italica Plenck)を使用している。本明細書においては、ブロッコリはブラシカ・オレラセア リンネ バライエティー・イタリカ(Brassica oleracea L. var italica)をいう。
【0005】
ブロッコリは最も消費される新鮮野菜である。一部で消費されるものは、新鮮な除茎した花成葉球である。小売業者は、かかる葉球をそのままで販売している。より最近では、新鮮野菜消費における変化が起こっており、そこではブロッコリの葉球が花蕾に分けられている。花蕾が包装され、ブロッコリ花蕾または他の新鮮野菜と混合した花蕾としていずれか単独で、簡便な食料として販売されている。
【0006】
多くのブロッコリ品種は、水を保持するよく排水された土壌で最良に生育する。砂質土壌においては潅水が最適な植物生育に重要であり、適当な主花蕾球を維持するためにも重要である。花蕾球は常温および夏期の高熱下に対して発達し、7月のブロッコリ花蕾球成熟は、より冷涼な春期および秋期における成熟よりもより迅速に(4ないし6日)花および種子を生成し得る。
【0007】
良好な品質を考慮すると、ブロッコリ花蕾球は閉まっていて、コンパクトで、暗緑色であって引き締まっていなければならない(黄色花弁を示さない)。深い緑色の均一な花蕾球の色は、ブロッコリにおける望ましい特性である。クラウンは花蕾によって被覆されたブロッコリ花蕾球の上面に存在し、一定量の日光が花蕾球のクラウンに到達することによってブロッコリは「緑色」になる。最近の商業的な「ヘディング・ブロッコリ」品種はすべて、花蕾球の少なくとも一部分、特にクラウンの端部を隠す高い葉群(leaf canopy)を有しており、収穫したブロッコリ花蕾球の外側端付近の黄化を生じ、クラウンの中心の個々の花蕾の過剰な黄化を引き起こす場合もある。
【0008】
カリフォルニアにおける1995年から1999年までの収穫実施を再調査する研究において、ブロッコリ生産コストは土地調整、種まきおよび生育コスト用に29パーセント、収穫および収穫後コストに45パーセント、現金諸経費に20パーセント、開業資本のための1パーセント、および非現金諸経費に5パーセントまで落ちた。したがって、収穫の労働要求性は、ブロッコリを生育するための全労働費に対してゆうに50%を超えるものである。収穫は単一の最も費用がかかる栽培作業であるため、これらの費用を最小限に維持することが避けられない。1つの傾向は、主な端部花蕾球のみを通常手で収穫することである。ある種の機械的収穫支援は用いるが、完全な機械的収穫は採用されていない。近代的なより均一な雑種を使用すると、生育者は、圃場を通しての2またはせいぜい3の手動切断で完全な収穫が可能になる。
【0009】
ブロッコリの手動収穫から機械的収穫への変換は、大量の取扱いによってこれらの行動要求性を低下し得る。しかしながら、異なる栽培品種、移植回数、生育技術および収穫方法の試験において、最近の研究は、等級付けする伝統的な手動収穫(6ないし8回繰り返して摘む)と比較したブロッコリの花または花蕾球の1回を超える機械的な収穫が、品種によりおよそ40ないし60%の収量減少を生じていることを明らかにした。第1花蕾球の手動収穫につづく第2花蕾球の機械的な摘み取りの組合せが、いまだおよそ約23%であるが、収量損失を減少するために提唱された。
【0010】
もう1の争点は、収穫後のブロッコリ加工処理の費用である。ブロッコリ花蕾球は、冷凍または新鮮な野菜製品の加工処理を最小限にとどめるという市場の要望のために、しばしば大部分は手動で、個々の花蕾にさらに加工処理される。ブロッコリ花蕾球を分離した花蕾に切断する、すなわちフロレッティングするための手動労働量は非常に大きい。主花蕾球のフロレッティング前には、しばしば初めに葉を取り除かなければならない。手動労働の大きな取扱量が要求されることに加えて、花蕾球から個々に分離された花蕾は一般的にサイズおよび色において非常に均一でなく、しばしば包装する前にさらなる摘み取りおよび加工処理が必要となる。英国においては、圃場においてブロッコリを収穫する費用は約$50/tである。トン当たりの花蕾摘み費用は、圃場外でほぼ$120ないし$140である。包装出荷工場における花蕾摘み費用は、ほぼ$90/tである。
【0011】
最小限の加工処理の食品として使用するためのブロッコリ花蕾球のフロレッティングは、一般的に、衛生学上の理由により生育部位から離れた包装工場で行う。この新鮮な市場の適所のために、花蕾サイズは切断末端につみ取った四角を有する20ないし80mmの範囲が好ましい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ブロッコリは、冷凍製品のためにますます生育および花蕾摘み(葉球から切除された花蕾)されてもいる。冷凍食品市場のために、花蕾サイズは20ないし40mmから40ないし65mmの範囲が好ましく、20ないし40mmが最も価値が高い。食品冷凍工場の食品加工者は、消費者により魅力的であるため、均一なサイズおよび緑色である花蕾を好む。
【0013】
現在の品種の生育性質が与える黄色ハローは避けられないが、緑色花蕾が好ましい。約10%の淡い黄色ないし暗クリーム色は花蕾に対して許容される。すべての現在の商業的結球ブロッコリ変種は、非常に詰まって充填された花蕾を含む花蕾球を有する。これは花蕾球から分離されると個々の花蕾を生じ、それは端部付近が一部黄色の外観を有する。さらに、すべての現在の商業的ブロッコリ変種は、葉群内に深く位置する花蕾球を有する。遮光および均一な直射日光の不足の結果、花蕾球ならびに軸は均一に緑色にならず、特に花蕾球の外辺部付近に黄色の退色を示す。
【0014】
したがって、均一に緑色の花蕾を含む花蕾球を生成することによって簡便な加工処理に適用されるブロッコリ植物型に対する当該技術分野における要望が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、花蕾を有する花蕾球を含む植物を生成することができるブロッコリ植物の種子を提供し、ここに花蕾球上の花蕾は平均15%未満の黄化を有するすることを特徴とする。
【0016】
本発明は、さらに、分離した花蕾を有する花蕾球を含む植物を生成することができるブロッコリ植物の種子を提供し、ここに花蕾球上の該花蕾の少なくとも50%は該花蕾球上の他の花蕾に接触しないことを特徴とする。
【0017】
本発明は、また、花蕾を有する花蕾球を含む植物を生成することができるブロッコリ植物の種子を提供し、ここに花蕾球上の花蕾は少なくとも約10センチメートルの平均長を有する。
【0018】
本発明は、50%を超える種子からのブロッコリ植物から生育した花蕾球が分離した花蕾を有するブロッコリ種子の容器も提供する。
【0019】
また、50%を超える種子から生育した花蕾球が分離した花蕾を有し、ここに花蕾球上の50%を超える花蕾が同一花蕾球上の他の花蕾に接しないことを特徴とするブロッコリ種子の容器も提供する。
【0020】
さらに、本発明は、分離した花蕾を含む花蕾球を有するブロッコリ植物からのブロッコリ花蕾の容器も提供し、ここに花蕾は平均15%未満の黄化を有することを特徴とする。
【0021】
また、本発明は、分離した花蕾を有する花蕾球を有するブロッコリ植物も提供する。
【0022】
また、本発明は、分離した花蕾を含む花蕾球を有するブロッコリ植物を生成することができるブロッコリ植物の種子も提供する。
【0023】
また、分離した花蕾を含む花蕾球を有するブロッコリ植物の部分も提供し、ここに花蕾球は少なくとも50%の分離した花蕾を含む。
【0024】
また、本発明は、第1のブロッコリ系統と第2のブロッコリ系統とを交配し、ついでF種子を得ることを含むブロッコリ種子を生成する方法も提供し、ここに該第1の親ブロッコリ系統は分離した花蕾を含むことを特徴とする。
【0025】
さらに、本発明は、第1の親ブロッコリ系統と第2の親ブロッコリ系統とを交配し、ついでF種子を得ることを含む平均15%未満の黄化を有する花蕾を有するブロッコリ植物を生成する方法も提供し、ここに該第1の親ブロッコリ系統は平均で15%未満の黄化を有する花蕾を有する花蕾球を含むことを特徴とする。
【0026】
また、本発明は、NCIMB受託番号41416で寄託されている種子の試料である、ブロッコリ系統550478の種子も提供する。また、本発明は、NCIMB寄託番号41415で寄託されている種子の試料である、ブロッコリ系統550479の種子も提供する。また、本発明は、NCIMB寄託番号41417下で寄託されている種子の試料である、ブロッコリ系統550385の種子も提供する。また、本発明は、NCIMB寄託番号41418下で寄託されている種子の試料である、ブロッコリ系統550198の種子も提供する。
【0027】
図1は、分離した花蕾系統550478、550479および550385の進化の系統図を示すチャートである。
【0028】
図2は、分離した花蕾系統550475および550198の進化の系統図を示すチャートである。
【0029】
図3は、分離した花蕾系統560465の進化の系統図を示すチャートである。
【0030】
図4は、ブロッコリ型RS1149からの切断した花蕾の写真を提供する。
【0031】
図5は、本発明のブロッコリ系統の形態の葉球の写真を提供する。
【0032】
図6は、本発明のブロッコリ系統の1の形態からの切断した花蕾の写真を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
本発明は、分離した花蕾を支持する伸長した二次茎を有する主花蕾球を含む生長型を有するブロッコリ植物を提供する。また、本発明は、均一に緑色であって実質的に黄化を示さない分離した花蕾を含む花蕾球を有するブロッコリ植物も提供する。それに対して、最近の商業的な葉球ブロッコリ栽培品種からのブロッコリ花蕾は、花蕾球にきっちりと詰まっており、花蕾、特に実質的に黄色である内部花蕾を生成する。
【0034】
定義
本明細書で用いる技術用語および科学用語は、本明細書中で別段定義しない限り、当業者によって受け入れられる通常の意味を有する。植物用語の記載は、主題の膨大な教科書に見出すことができる。例えば、Hickey, M.およびKing, C., (2001). Cambridge Illustrated Glossary of Botanical Terms, Cambridge, UK: Cambridge University Press.を参照されたい。
【0035】
「ブロッコリ植物」なる用語は、ブロッコリ品種、育種系統、同系繁殖体系統、雑種などを包含する種Brassica oleracea L. var italicaのブロッコリ植物をいう。
【0036】
本明細書で用いる「品種」または「栽培品種」は、新品種保護国際同盟(「UPOV」と一致し、最下位の知られているランクの単一の植物分類学内でグループ化する植物をいい、そのグループ化は所定の遺伝子型または遺伝子型の組合せから生じる特徴の発現によって規定することができ、該特徴のうちの少なくとも1の発現によってグループ化されるいずれの他の植物から識別することができ、変化しないで(安定して)繁殖するその適合に関しての単位と考えられる。
【0037】
本明細書で用いる「商業的ブロッコリ栽培品種」または「商業的結球ブロッコリ」なる用語は、Marathon、Decathlon、Triathlon、Heritage、LegacyおよびIronmanのような最近入手可能なブロッコリ栽培品種(または品種)をいう。かかる品種は「伝統的」品種ともいう。
【0038】
「生育型」または「型」とは、植物全体の高さ、葉の存在/不存在、葉のサイズおよび位置、花蕾球の高さ、花蕾球構造、花蕾球のサイズ/重量、分枝の長さほかのような植物の1またはそれを超える形態的(表現型)特徴をいう。
【0039】
本明細書で用いる用語である「二次茎」は、収穫した葉球ならびに個々の花蕾の支持および形成部分を切断する点より上方の、ブロッコリ植物の主軸から分枝した軸を意味する。
【0040】
本明細書で用いる「花蕾」とは、花芽集団を支持する二次茎の部分を含む花芽集団をいい、それは集合的に花蕾球を構成する。二次茎は主茎から分枝し、さらに端部において単一の花糸が個々の花芽を支持するまで、三次、四次などの茎に分かれる。花蕾は非開花のブロッコリ花芽の密集した集団を提供するが、40ないし80mmの直径、好ましくは40ないし60mmの直径を有する花蕾である。これらの非開花花芽は本明細書では「ビーズ」ともいう。
【0041】
本明細書で用いる「花蕾球」なる用語は、単一花構造中の花蕾の集合をいう。これらの花蕾は典型的には固形の花蕾球を形成する。「主花蕾球」なる語は、主茎の末端に形成する花蕾球をいい、葉の腋芽から発する側枝からの二次花蕾球は除外される。「葉球」なる語は、この花のような構造をいうためにも用いられる。
【0042】
「半ば分離した花蕾」なる用語は、いくぶん中間の突出した花蕾球を示す伝統的なブロッコリ植物をいう。半ば分離した花蕾を有するブロッコリに関して、個々の花蕾は単独で立っておらず、閉じたままで互いに接触している。いくぶん突出した葉球のブロッコリは半ば分離した花蕾の特性を有し、例えばSVR5は半ば分離した花蕾型の例である。かかる系統に関して、分離した花蕾ブロッコリの場合よりも二次茎がより短い。SVR5は、PLH2546/PLH33と所有権者Seminis系統であるBRM53-3921SCとを交配することによって生成した。系統PLH2546/PLH33は、本願の系統の開発においても使用された。
【0043】
「分離した花蕾」なる用語は、二次茎または軸が商業的ブロッコリ栽培品種の二次軸よりも、主軸からの分枝点から花蕾の頂点まで測定した全長で最低5センチメートル位で長い花蕾球を有する植物生育型をいう。分離した花蕾もそのように生育して花蕾球中で単独で立ち、隣の花蕾から分離した(接触しない、またはせいぜい花蕾周囲の数ラジアン未満の接触)5−6cm(直径)の花蕾を許容する。1の態様において、分離した花蕾は、他の花蕾の花芽と接触する10、9、8、7、6、5、4、3、2、1未満の花芽を有する。好ましい態様において、分離した花蕾は、他の花蕾上の花芽と接触する花芽を有さない。好ましい花蕾は5ないし8cmの長さを有する。もう1の態様において、花蕾は少なくとも8cm、9cm、10cm、11cm、12cm、13cm、14cm、15cm、16cm、17cm、18cm、19cm、20cm、21cm、22cm、23cm、24cm、25cm、26cm、27cm、28cm、29cm、30cmの長さを有する。分離した花蕾は一次軸から一緒に生育し、伝統的なブロッコリよりもより開いた花蕾球を形成し、それは、手動によるまたは機械化された手段による、新鮮野菜市場または冷凍用の収穫時の花蕾のより簡単な加工処理を許容する。1の態様において、少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%の花蕾球上の花蕾は、同じ花蕾球上の他の花蕾と接触しない。
【0044】
「黄化」または「退色」とは、遮光の結果として花蕾中(例えば、一般的には端部)に黄色の花芽が存在することをいう。「実質的に黄化していない」花蕾とは、黄色外観を有する花蕾を横切る範囲のパーセントで測定して15%未満の黄化を有する花蕾をいう。「黄化の不存在」を有する花蕾とは、緑色外観よりもより黄色を有する花蕾を横切る範囲のパーセントで測定して約5%未満の黄化を有する花蕾をいう。もう1の態様において、花蕾球上の花蕾は、緑色外観よりもより黄色を有する花蕾を横切る範囲のパーセントで測定して平均15%、14%、13%、12%、11%、10%、7.5%、5%未満の黄化を有する。黄化は、花蕾の発達の間、収穫時、または保存期間後の収穫後の何時においても測定し得る。好ましい態様において、黄化は、緑色外観よりもより黄色を有する花蕾を横切る範囲のパーセントで測定して、収穫時の花蕾の成熟度で測定する。好ましい態様において、黄化は花蕾球からの花蕾の集合の平均黄化として測定する。好ましい態様において、本発明のブロッコリ植物は、緑色外観よりもより黄色を有する花蕾を横切る範囲のパーセントで測定して約15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%未満の平均黄化を有する花蕾球を含む。
【0045】
「均一な緑色」なる用語は、実質的に黄化を有しない花蕾球または花蕾をいう。均一な緑色の花蕾は、実質的に緑色である。この色の特性は、花芽集団を支持する二次茎の部分を含む花蕾全体に拡がる。花蕾を記載するために用いた色分類は、花の色の標準的照合であり、新品種保護国際同盟(UPOV)のような専門組織によって使用されているRoyal Horticultural Societyのカラーチャート(RHSカラーチャート)に基づいている。本発明の植物の花蕾は、「緑色グループ」に分類され、色について均一である(例えば、137A/B、138A/B)。伝統的なブロッコリ変種の花蕾は、「黄色−緑色」グループ(例えば、144B/C、149D-150Dおよび154/B/C/B)に分類される花蕾球上に少なくとも平均で15%の個々の花蕾の実質的部分を有する。伝統的なブロッコリ変種の個々の花蕾は、10%ほども低い黄化を有していてもよい。この色差は、花蕾球からの分離後に側方から見た場合の花蕾(茎を含む)の色に基づく。伝統的なブロッコリ変種の花蕾の茎も「黄色−緑色」グループ(144 B/Cおよび145 B/C/D)に分類されるが、本発明の花蕾の茎は「緑色」グループ(137A/B、138A/B/Cおよび139D)に分類される。この記載はUPOV用語と一致し、本明細書における色の用語はThe Royal Horticultural societyのカラーチャート(R.H.S.C.C.)と一致し、色の記載は前記したカラーチャートのプレート番号をいう。色表示、色記載および他の表現型記載は、環境、季節、天候および培養の条件の変動に依存して前記した値および記載からはずれてもよい。色参照を記載する場合、それらはRHSカラーチャート、The Roayl Horticultural Society, London, 2001版に言及している。
【0046】
「均一性」とは、特に植物成熟度、花蕾球の高さおよび構造、葉を出した軸、黄化の不存在ほかに関する、植物の表現型の外観および発達において植物の圃場が均一であることをいう。したがって、収穫した植物は、成熟度、外観、貯蔵寿命、堅固さほかにおいても均一であろう。明らかに、均一性は植物による変化のいくぶんかの程度は排除するが、均一な作物の変動は最小限である。測定する特性に依存して、圃場の平均の植物間の変動は、好ましくは10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%未満、より好ましくは1%未満である。さらに、機械的収穫は、収穫した花蕾球に存在する均一な(所定の)軸の長さを可能にするであろう。
【0047】
「貯蔵寿命」とは、その間に植物(花蕾球および/または軸)を退色および堅固さの消失のような品質の損失なしに保存できる、収穫後の期間をいう。貯蔵寿命は、植物の遺伝的構成に依存し、温度、相対湿度、光ほかのような貯蔵条件に依存する。好ましい態様において、0℃および95−100%相対湿度では、貯蔵寿命は好ましくは少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20日またはそれを超える日である。
【0048】
「収穫した植物」または「収穫したブロッコリ」または「収穫した葉球」とは、主軸または第一軸の一部分または全体を含む、切断した花蕾球をいう。好ましくは、収穫機は、収穫した葉球に結合する葉を出した軸の長さを予め決定でき、かつ、収穫した作物について均一になるように、地面の上の特定の高さ(cmの距離)で切断するように設定し得る(例えば、葉を出した軸は、5、10、15、20、25cm以上の長さで存在し得る)。
【0049】
不定冠詞による要素の参照は、文章が明らかに1および1のみの要素が存在することを要求している場合を除いて、1を超える要素が存在する可能性を排除するものではない。したがって、不定冠詞は通常「少なくとも1の」を意味する。
【0050】
「含む」なる用語は、言及した部分、工程または成分の存在を特定すると解釈されるが、1またはそれを超えるさらなる部分、工程または成分の存在を排除するものではない。したがって、ある種の特性を含む植物は、さらなる特性を含み得る。
【0051】
本発明にかかる植物に参照する場合には、その中に植物部分(細胞、組織、種子、花蕾球および/または軸のような切断部分)も包含されることは理解されるべきである。また、別段指摘しない限りは、例えば、2の同系繁殖体親系統を交配することにより得た雑種種子、雑種植物およびそれに由来する植物部分のような自家受粉または交配によって得た種子のような親の区別される特徴(特に、均一な緑色花蕾および/または分離した花蕾特性)を保持している植物の子孫も包含される。
【0052】
分離した花蕾を有するブロッコリの特性
現在の商業的結球ブロッコリは、各々が花蕾を支持する5ないし6cmの平均長を有する頑強な二次茎に分枝する太い主茎を有する。
【0053】
1の態様において、本発明は、分離した花蕾を有するブロッコリ植物を提供する。1の態様において、ブロッコリ植物は、各々が花蕾を支持し、かつ、花蕾の一部分である細い、堅固な二次茎が現在の商業的結球ブロッコリの二次茎よりも実質的により長いまたは伸長しているような分離した花蕾を有する。1の態様において、花蕾球は、約7、8、9、10またはそれを超えるセンチメートルの二次茎の平均長を有する分離した花蕾を有する。
【0054】
もう1の態様において、本発明のブロッコリ植物は、少なくとも6の分離した花蕾、より好ましくは7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18またはそれを超える花蕾を含む花蕾球を有する。1の態様において、二次茎は主葉球または花蕾球を形成する分離した花蕾を支持する。
【0055】
もう1の態様において、本発明は、少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%またはそれを超える花蕾が花蕾球上のいずれの他の花蕾にも接触していない花蕾球を有するブロッコリ植物を提供する。もう1の態様において、ブロッコリ植物は、花蕾間に約または少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれを超えるミリメートルを有する花蕾を有する花蕾球を有する。
【0056】
本発明は、深緑色ないし明緑色にランクされる(RHSカラーチャート「緑色グループ」)、均一な緑色の花蕾球を有するブロッコリ植物も提供する。1の態様において、ブロッコリ植物は、実質的に黄化を有さず、好ましくはブロッコリ植物は黄化が存在しない花蕾球を有する。いずれか特定の理論に制限されることを意図するものではないが、分離した花蕾は日光のアクセスにより均一な緑色を発色し、分離した花蕾の生育性質によって透過が促進される。1の態様において、花蕾は各々次のものから分離して立ち、花蕾表面を横切って十分な日光に曝されるため、分離した花蕾上に実質的に全く黄化は見られない。伝統的なブロッコリ変種の茎および花蕾の部分は、RHSカラーチャートにより黄色−緑色である。
【0057】
もう1の態様において、本発明のブロッコリ植物は、少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20cmの二次茎の長さを有する分離した花蕾を含む花蕾球を有する。1の態様において、ブロッコリ植物は、約7cmないし約30cm、約7cmないし約27.5cm、約8cmないし約30cm、および約9cmないし約25cmの二次茎の長さを有する分離した花蕾を有する。好ましい態様において、二次茎の長さは、花蕾の頂部から一次茎への結合点の二次茎の基部までを測定する。もう1の態様において、本発明のブロッコリ植物は、約、または少なくとも約3、4、5、6、7、8、9cmの直径を有する分離した花蕾を有する。もう1の態様において、本発明のブロッコリ植物の分離した花蕾は、4ないし10cm、好ましくは4ないし9cm、または4ないし8cm、および最も好ましくは4ないし6cmの直径である。1の態様において、均一に包装するためには花蕾の集団の中により狭い直径の範囲が含まれていることが好ましい場合もある。直径は、最も広い点での花芽構造を通してとった横断面測定値として測定することができる。
【0058】
本発明の1の態様において、分離した花蕾は、現在のコンパクトな結球商業ブロッコリ変種の伝統的な花蕾球の場合よりも、花蕾球からより容易に切断される。
【0059】
もう1の態様において、分離した花蕾は、密に充填したビーズまたは結球ブロッコリに典型的な花芽からなる、堅く引き締まったコンパクトなものでもある。好ましい態様において、本発明の分離した花蕾は、ブロッコリーニまたはブロッコリーラーブに典型的な緩んだビード集合生育型を有しない。ブロッコリ花蕾の堅固さは、目視検査を通してまたは花蕾表面1平方センチメートル当たりのビーズの数を測定することによって測定することができる。
【0060】
本発明のブロッコリ植物は、好ましくは堅固な花蕾を有する。1の態様において、堅固または閉まって充填した花蕾は、1平方cm当たり約または少なくとも約25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49または50の花芽を有する。1の態様において、個々の花芽(ビーズ)は、1.50ないし2.25mmのサイズの範囲である。1の態様において、芽はすべてが1の平面または球面に存在せず、異なる高さに存在し、均一なサイズでないが、中位の若い花蕾中の芽は外側のものよりもより小さい。1の態様において、植物の頂点の花蕾は、より締まって配置し、いくつかのものが十分に分離した特徴を欠いている場合がある。
【0061】
1の態様において、本発明のブロッコリ植物は、約、または少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25グラムの重量を有する。花蕾の重量は、利用可能ないずれの方法を用いても測定し得る。好ましい態様において、花蕾の重量は、花蕾の直径に等しい長さに切断した花蕾を秤量する(「四角花蕾の重量」)ことによって測定する。1の態様において、ブロッコリ花蕾球からの花蕾は、約10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24または25グラムの平均重量を有する。
【0062】
1の好ましい態様において、ブロッコリ花蕾球上の花蕾の少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%が同じブロッコリ花蕾球上の他の花蕾と接触していない。好ましい態様において、ブロッコリ花蕾球上のいずれの花蕾も、他の花蕾と接触していない。1の態様において、本発明のブロッコリ植物は、ブロッコリ花蕾球の簡単な収穫および花蕾球からの花蕾の簡単な分離を許容する花蕾球を有する。もう1の態様において、本発明のブロッコリ花蕾球は、花蕾球上の各花蕾への日光の増大した曝露を許容する分離した花蕾を有する。1の態様において、分離した花蕾は、ブロッコリ花蕾球上の各花蕾の表面積にわたって80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%の日光を受ける。1の態様において、花蕾が触れていない場合に、日光による均一な発色が生じる。
【0063】
本発明のもう1の態様において、本発明のブロッコリ植物の花蕾球は、葉群の上方にも突出している。1の態様において、花蕾球の突出は、分離した花蕾に対するより多い日光曝露に寄与する。
【0064】
本明細書で用いる「立った葉球」または「突出した葉球」とは、花蕾球が植物の葉群の上方に発達している。1の態様において、花蕾球のクラウンは、葉群の上方に少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25cmまたはそれを超えて立っている。「クラウン」とは、花蕾球の最上部、すなわち、詰まった花序によって被われた花蕾球の頂部、をいう。「葉球の下方」とは、花蕾球の下方の領域、すなわち、茎への花蕾の実質的部分の結合より下方であって収穫時に葉球を切断する点の上方の領域、をいう。かかるブロッコリ植物は、出典明示して本明細書の一部とみなす、"Broccoli Type Adapted For Ease of Harvest"なる発明の名称の米国特許出願番号10/850,077、公開番号20050262594に記載されている。
【0065】
突出した花蕾球は、葉群の頂部よりも10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24cm高く、好ましい形態において、葉群の頂部よりも少なくとも25cm高い。また、突出したブロッコリ植物型は、花蕾球のすぐ下方の軸に沿った葉および小葉を実質的に有しなくてもよい。このことは、花蕾球は収穫後の落葉を必要としないので、より早期の収穫も許容する。1の形態において、花蕾球のクラウンの下方25cm内では、植物は、約30cm、好ましくは20cmよりも大きな表面積を有する葉または葉柄を実質的に生成しない。特に好ましい形態において、クラウンの下方25cm以内では、実質的に葉または葉柄が生成しない。
【0066】
本発明は、種子に生育するブロッコリ植物から得た花蕾球が分離した花蕾を有するブロッコリ植物を生成することができるブロッコリ植物の種子も提供する。
【0067】
もう1の態様において、本発明は、種子に生育するブロッコリ植物から得た花蕾球が分離した花蕾特性を有するブロッコリ植物の種子から生育した植物、ならびにかかる植物からの植物部分および組織培養物も提供する。
【0068】
本発明は、50%を超える種子から生育したブロッコリ植物から得た花蕾球が分離した花蕾特性を有するブロッコリ種子の容器も提供する。もう1の態様において、容器中の55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%を超えるブロッコリ種子から生育したブロッコリ植物から得た花蕾球が分離した花蕾特性を有する。
【0069】
ブロッコリ種子の容器は、いずれの数、重量または体積の種子を含んでいてもよい。例えば、容器は、少なくとも、または約10、25、50、75、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1500、2000、2500、3000、3500、4000、4500、5000またはそれを超える種子を含み得る。あるいは、容器は、少なくとも、または約1オンス、5オンス、10オンス、1ポンド、2ポンド、3ポンド、4ポンド、5ポンドまたはそれを超える種子を含み得る。
【0070】
ブロッコリ種子の容器は、当該技術分野で入手可能ないずれの容器であってもよい。限定するものではないが、容器は、箱、バッグ、パケット、ポーチ、テープロール、バケツ、ホイルまたはチューブとし得る。
【0071】
もう1の態様において、ブロッコリ種子の容器に含まれる種子は、処理または非処理ブロッコリ種子とし得る。1の態様において、種子を処理して、例えば種子をプリミングするか、または消毒して種子生来の病原菌に対して保護することによって、発芽を改善することができる。もう1の態様において、種子は、いずれかの入手可能なコーティングでコートして、例えばプランタビリティー、種子の発芽および種子生来の病原菌に対する保護を改善することができる。種子のコーティングは、限定されるものではないが、ペレッティング、フィルム・コーティングおよび外殻形成を含むいずれの形態の種子コーティングとすることができる。
【0072】
もう1の態様において、本発明は、50%を超える花蕾が分離した花蕾を有するブロッコリ植物から得られるブロッコリ花蕾の容器も提供する。もう1の態様において、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%を超える容器中の花蕾が分離した花蕾を有するブロッコリ植物から得られる。
【0073】
もう1の態様において、本発明は、50%を超える花蕾が実質的に黄化を有しないブロッコリ花蕾の容器を提供する。好ましい態様において、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%または95%を超える花蕾が実質的に黄化を有しない。もう1の態様において、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%または95%を超える容器中の花蕾が黄化を有しない。
【0074】
花蕾の溶液は、いずれか数、重量または体積の花蕾を含み得る。例えば、容器は、少なくとも、または約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50または100を超える花蕾を含み得る。あるいは、容器は、少なくとも、または約1ポンド、2ポンド、3ポンド、4ポンド、5ポンドまたはそれを超える花蕾を含み得る。
【0075】
花蕾の容器は、当該技術分野で入手可能ないずれの容器ともし得る。非限定的な例により、容器は箱、平箱、クラムシェル、バッグ、パケットまたはバンチ(bunch)を含み得る。本発明の花蕾の容器は、限定されるものではないが、倉庫、配達業者、卸売り業者、または食品雑貨店のような小売り市場を含むいずれの場所にも見出し得る。
【0076】
分離した花蕾生育型を有する同系繁殖体および雑種の育種および開発
好適な花蕾型を有するいずれのブロッコリ植物も、本発明に関連して使用し得る。好適な花蕾型を有するブロッコリ植物は、本発明の方法において使用し得る。好ましい態様において、分離した花蕾型の起源は、同系繁殖体ブロッコリ植物である。1の態様において、好適な分離した花蕾ブロッコリ植物は、以下のソースを用いた育種によって生成し得る:DH MRE-7、DH MRD1-1、GM-1.6、B19、DH E-47、EC-2、DH GV-37、SH-2、OSU-102、OSU-111、MRD-2、HC-1、BRM56-3905、BRM53-3921、DC3EC6、1032-1104および2151xT&A。1の態様において、分離した花蕾起源のブロッコリ植物は、例えば半−分離花蕾型または突出葉球型のような、起源ブロッコリ植物の花蕾型を決定することによって同定し得る。もう1の態様において、分離した花蕾起源ブロッコリ植物は、望ましい性質を有するいずれの同系繁殖体または精鋭のブロッコリ系統と交配し得る。
【0077】
1の態様において、分離した花蕾植物型は、花粒粉培養後のある種の交配の子孫において同定することができる。花粒粉培養は劣性特徴を活用するのに使用することができ、染色体倍化によって固定した場合の遺伝的に安定なホモ接合体系統を生成する方法も提供する。花粒粉培養は、例えば出典明示して本明細書の一部とみなす米国特許第6,200,808号に記載されているような当該技術分野でよく知られている育種ツールである。1の態様において、立った葉球のブロッコリ植物型の連続選抜を用いて、変化し得る構造の花蕾球を有するブロッコリ植物型を得ることができる。1の態様において、かかる方法は、密に詰まったコンパクトな花蕾を有するコンパクトな花蕾球を支持する、直立の背丈の高い植物型を生成する。かかる方法は、短い、あまり直立していないが、大きな角度(より水平に近い)で主茎から伸長する花蕾の二次分枝を有する植物型も生成する。しかしながら、二次茎が短いため、花蕾は互いに接触する。かかる生育型は、半−分離した花蕾球を有する植物として分類することもできる。1の態様において、本発明のブロッコリ植物は、半−分離したブロッコリ植物と突出した花蕾球を有する直立植物との間の交配を花粒粉培養と組み合わせて用いて生成し得る。
【0078】
本発明のブロッコリ植物は、ホモ接合体またはヘテロ接合体とし得る。1回または2回の自家受粉またはシブ受粉につづいて自家受粉またはシブ受粉を行い、数世代にわたって型について選抜した植物は、いくつかの遺伝子型ヘテロ接合性を保持し得るが、表現型的に均一になる。ホモ接合体親であるが2のかかるヘテロ接合体の間の交配は、多くの遺伝子座についてヘテロ接合性である、表現型的に均一な雑種植物の集団を生成する。かかる親系統の開発は、一般的に少なくとも約5ないし7世代の自家受粉および/またはシブ受粉を必要とする。ついで、2のかかる親系統を交配して改善したF雑種を開発し得る。ついで、小スケールの圃場特性において雑種をスクリーニングおよび評価し得る。典型的には、それらの可能性のある商業的価値について選択した約10ないし15の表現型特性を測定し得る。もう1の態様において、二倍体植物を開発し、これらの植物は遺伝子型的に均一である。2のかかる植物、または前記した慣用的に生成した親系統を二倍体と交配して、前記したように評価するF雑種を生成し得る。
【0079】
本発明は、分離した花蕾を有するブロッコリ植物の子孫も提供する。本明細書で用いる子孫には、限定されるものではないが、2の植物間のいずれかの交配(戻し交配またはそのほか)の生成物のみならず、系統図の軌跡が起源交配に戻るいずれの子孫も含まれる。詳細には、限定されるものではないが、かかる子孫には、2の起源交配植物のうちの1に由来する50%、25%、12.5%またはそれ未満の遺伝物質を有する植物が含まれる。本明細書で用いる第2の植物は、その第2の植物の系統図が第1の植物を含む場合にはその第1の植物に由来する。
【0080】
本発明の方法を用いて生成するブロッコリ植物は、育種プログラムから生成したものまたはその一部分とし得る。育種方法の選択は、植物再生、改善する特性(または複数の特性)の遺伝性、および商業的に使用する栽培品種の型(例えば、F1雑種栽培品種、純系栽培品種ほか)の様式に依存する。本発明の植物の育種に選択した非−限定的なアプローチを以下に記載する。育種プログラムは、いずれかの交配の子孫のマーカー支援選抜のような利用可能ないずれかの方法を用いて高めることができる。さらに、いずれの商業的および非−商業的栽培品種も育種プログラムに利用し得ることは理解される。例えば、発芽活力、生長活力、ストレス耐性、病気耐性、分枝、花成、種子セット、種子密度、花蕾球サイズ、突出ほかのような因子は、一般的に選択を指示した。
【0081】
本発明は、新規なブロッコリ植物の調製方法およびかかる方法によって生成したブロッコリ植物を提供する。かかる方法によれば、第1親ブロッコリ植物を第2親ブロッコリ植物と交配することができ、ここに第1および第2ブロッコリ植物のうちの少なくとも1は、本明細書に記載する親系統もしくは二倍体系統または分離した花蕾ブロッコリ植物である。方法の1の適用は、F雑種植物の生成においてである。この方法のもう1の重要な態様は、方法を新規な親、二倍体または同系繁殖体系統の開発に使用し得ることである。例えば、本明細書に記載する分離した花蕾ブロッコリ植物はいずれかの第2植物に交配し、得られた雑種子孫を各々約5ないし7世代の間で自家受粉および/またはシブ受粉し、それによって、多数の異なる親系統を提供し得た。ついで、これらの親系統を他の系統と交配し、得られた雑種子孫を有利な特徴について分析し得た。このようにして、望ましい特徴を付与する新規な系統を同定し得た。
【0082】
ブロッコリ植物(Brassica oleracea L. var. italica)は、天然または機械的技術のいずれかによって交配することができる。機械的受粉は、柱頭に移行し得る花粉の型を制御するか、または手動で受粉するかのいずれかによって行うことができる。
【0083】
もう1の態様において、本発明は、
(a)第1のブロッコリ系統を第2のブロッコリ系統と交配して分離した集団を形成し、ここに第1のブロッコリ系統は分離または半−分離した花蕾を有し;
(b)分離した花蕾について集団をスクリーニングし;ついで、
(c)分離した花蕾を有する集団の1またはそれを超えるメンバーを選抜することを含む、分離した花蕾を有するブロッコリ植物を生成する方法を提供する。
【0084】
もう1の態様において、本発明は、
(a)分離したまたは半−分離した花蕾を有する少なくとも第1のブロッコリ系統と第2のブロッコリ系統とを交雑して分離した集団を形成し;
(b)分離した花蕾について集団をスクリーニングし;ついで、
(c)分離した花蕾を有する集団の少なくとも1のメンバーを選抜することを含む、ブロッコリ植物に分離した花蕾特性を遺伝子移入する方法を提供する。
【0085】
親植物は、典型的には親植物を交互の並びで、ブロックでまたはいずれか他の都合のよい植栽パターンによって互いに受粉するよう近接して植栽する。親植物が生殖成熟度の時期において異なる場合には、遅く成熟する植物を初めに植栽し、それによって雌性親の柱頭が花粉を受け入れられる時期の間に雄性親からの花粉の利用可能性を確実ならしめることが望まれる。両方の親の親の植物は、花成の時期まで栽培し、生育させる。有利には、この生長ステージの間に、一般的に、植物を肥料および/または生育者によって適当と考えられるほかの農業化学薬品で処理する。
【0086】
あるいは、本発明のもう1の態様において、第1および第2親ブロッコリ植物の両方を、本明細書に記載する分離した花蕾ブロッコリ植物とすることができる。したがって、本明細書に記載したように分離した花蕾ブロッコリ植物を用いて生成したいずれのブロッコリ植物も、本発明の一部分を形成する。本明細書で用いる交配とは、自家受粉、シブ受粉、戻し交配、他または同じ親系統への交配、集団への交配などを意味し得る。したがって、親として本明細書に記載した分離した花蕾ブロッコリ植物を用いて生成したすべてのブロッコリ植物は、本発明の範囲内に存在する。
【0087】
もう1の態様において、本発明は、分離した花蕾を有する雑種ブロッコリ植物を提供する。もう1の態様において、本発明は、分離した花蕾を有する雑種ブロッコリ植物の種子を提供する。本明細書に記載した分離した花蕾ブロッコリ植物を他の、異なるブロッコリ親系統と交配した場合には、第1世代(F)ブロッコリ雑種植物が生成する。そのようにして、F1雑種ブロッコリ植物は、例えば本明細書に記載したように、分離した花蕾ブロッコリ植物をいずれかの第2親ブロッコリ植物と交配することによって生成し得る。本質的には、いずれの他のブロッコリ植物をも用いて、1の親としての、本明細書に記載した分離した花蕾ブロッコリ植物を有する雑種ブロッコリ植物を生成することができる。最小限で要求されることは、1の植物が雌性で繁殖能力があり、第2の植物が雄性で繁殖能力があることだけである。
【0088】
単一交配雑種ブロッコリ変種は、2の親系統(その各々は他の遺伝子型を補う遺伝子型を有する)の交配である。典型的に、F1雑種はそれらの親よりもより活力がある。この雑種強勢またはヘテロシスは、改善された収量、良好な根、良好な均一性および良好な昆虫および病気抵抗性を含む多くのポリジーン特性において顕著である。雑種の開発においては、F雑種植物が典型的に求められる。2の親植物を交配した場合、F単一交配雑種が生成する。二元交配雑種は、対で交配した4の親植物(A×BおよびC×D)、ついで、2のF雑種を再度交配((A×B)×(C×D))することから生成する。三元交配は、(A×B)×Cのように3の親植物から生成する。
【0089】
1の態様において、当業者に知られているいずれのブロッコリ変種も、本発明の分離した花蕾ブロッコリ系統と交配して雑種植物を生成し得る。好ましい態様において、かかるブロッコリ変種には、限定されるものではないが、Marathon、Decathalon、Heritage、LegacyおよびIronmanが含まれる。
【0090】
本明細書に記載する分離した花蕾ブロッコリ植物を他の親植物と交配して雑種を得る場合、それは母性または父性のいずれかの植物として役に立つことができる。多くの交配の間に、親植物の割り当てられた性別にかかわりなく、結果は同一である。雑種交配における第2の親に対する種子生成特徴に依存して、雄性または雌性の親として親植物のうちの1を使用することが望ましい場合がある。したがって、雄性または雌性として1の親植物を使用する決定は、当業者によく知られているいずれかのかかる特徴に基づいてなし得る。
【0091】
1またはそれを超える出発変種を用いる新しい変種の開発は、当該技術分野においてよく知られている。本発明によれば、本明細書に記載する分離した花蕾ブロッコリ植物を交配し、つづいてかかるよく知られた方法に従って複数世代育種することによって新規な変種を創製することができる。新しい変種は、本明細書に記載する分離した花蕾ブロッコリ植物といずれかの第2の植物とを交配することによって生成し得る。新規な植物系統の開発の目的で交配するかかる第2の植物を選択することにおいては、それ自体で1またはそれを超える望ましい特徴を示すか、または雑種組合せの場合に望ましい特徴(または複数の特徴)を示すかのいずれかの植物を選択することが望ましい場合がある。潜在的に望ましい特徴の例には、より多い収量、殺虫剤、除草剤、害虫および病気に対する抵抗性、高温および渇水に対する耐性、作物成熟までの時間の短縮、良好な栽培品質、高い栄養価、および発芽時期、生長速度、成熟度および根のサイズにおける均一性が含まれる。
【0092】
本発明の分離した花蕾ブロッコリ系統との最初の交配を行ったら、自家受粉および/またはシブ受粉を行って新たな親系統を生成する。親系統の開発には、ヒト育種者による操作が必要である。自家受粉およびシブ受粉の組合せは、遺伝子型的に安定であって表現型的に均一である新しい親系統を開発するために必須である。育種者が親系統を生成する理由は、表現型的に均一であって、利用してF雑種を生成し得る外部交配種に均一な集団を開発するためである。
【0093】
系統図育種法には、2の遺伝子型を交配することが含まれる。各遺伝子型は他のものにおいて欠いている1またはそれを超える望ましい特徴を有し得;または、各遺伝子型は他のものを補い得る。2の起源親遺伝子型がすべての望ましい特徴を提供しない場合は、他の遺伝子型を育種集団に含めることができる。これらの交配の生成物である優れた植物を自家受粉またはシブ受粉し、連続する世代で選抜する。各々の続く世代は、自家受粉またはシブ受粉および選抜の結果として、より遺伝子的に均一になり、表現型的に均一になる。典型的に、育種のこの方法は、5またはそれを超える世代の自家受粉またはシブ受粉および選抜を含む。少なくとも5世代後には、得られた親系統は各遺伝子座において安定した対立遺伝子頻度を有し、表現型的に均一である。
【0094】
新しい変種の開発において通常選抜されない多くの特性が同定されたが、それは戻し交配技術によって改善することができる。特性を付与する遺伝子座はトランスジェニックであってもそうでなくてもよい。当業者に知られているかかる特性の例には、限定されるものではないが、雄性の不稔性、除草剤抵抗性、細菌、菌類またはウイルス病に対する抵抗性、昆虫抵抗性、雄性繁殖能力および高い栄養品質が含まれる。これらの遺伝子は、一般的に核を通して遺伝するが、細胞質を通しても遺伝し得る。これに対するいくつかの知られている例外は、雄性不稔性の遺伝子であり、そのうちのいくつかは細胞質的に遺伝するが、いまだ単一の遺伝子座特性として作用する。
【0095】
遺伝子座が優性特性として作用する場合は、直接選抜を適用し得る。優性特性の例は、除草剤抵抗性特性である。この選抜プロセスのために、最初の交配の子孫を、戻し交配の前に除草剤でスプレーする。スプレーは望ましい除草剤抵抗性特徴を有さないいずれの植物をも排除し、除草剤抵抗性遺伝子を有する植物のみをつづく戻し交雑に使用する。ついで、このプロセスをすべてのさらなる戻し交配世代について繰り返す。
【0096】
多くの有用な特性とは、遺伝子形質転換技術によって取り込ませたものである。ブロッコリの遺伝子形質転換の方法は、当業者に知られている。例えば、ブロッコリの遺伝子形質転換について記載している方法には、エレクトロポレーション、エレクトロ形質転換、マイクロインジェクタイル・ボンバードメント、アグロバクテリウム媒介形質転換、プロトプラストの直接的DNA取込み形質転換、および炭化ケイ素繊維媒介形質転換が含まれる。例えば、Khachatourians, G.ら編, Transgenic Plants and Crops, Marcel Dekker, Inc. (2002)およびFruit and Vegetable Biotechnology (Victoriano Valpuesta編 Woodhead Publ. 2002)を参照されたい。
【0097】
メンデル遺伝によって単一の遺伝子座を子孫に譲る安定して形質転換したブロッコリ植物の作製技術は当該技術分野においてよく知られているから、トランスジーンを必ずしも植物に直接的に形質転換する必要がないことは当業者に理解される。したがって、かかる遺伝子座は、当該技術分野においてよく知られている標準的な植物育種技術によって親植物から子孫に譲られ得る。本発明にかかるブロッコリ植物に導入し得る特性の例には、例えば優性不稔性、除草剤抵抗性、病気抵抗性、昆虫抵抗性および高い栄養品質が含まれる。
【0098】
PCRおよびサザン・ハイブリダイゼーションは、所定の遺伝子座の存在およびその遺伝子座の変換の存在を確認するために用い得る分子的技術の2の例である。
【0099】
分離した花蕾の特性はいずれの遺伝子型ともし得、それには、限定されるものではないが、優性、劣性または量的形質が含まれる。好ましい態様において、分離した花蕾ブロッコリ特性の遺伝は劣性である。1の態様において、分離した花蕾ブロッコリ型は、ホモ接合体またはヘテロ接合体である。1の態様において、花粒粉培養を用いて、ホモ接合体育種系統を開発し得る。同系繁殖体系統も、分離した花蕾雑種植物の開発に重要であり、その場合、両方の親が分離した花蕾特性を有している必要がある。
【0100】
下記のようにATCCに寄託した分離した花蕾生長型のブロッコリ植物、またはこれらの植物の生長型を保持しているそれらからの誘導体は、親系統として使用し得る。分離した花蕾特性は、慣用的な育種技術を用い、ついで親の生長型を保持している、すなわち分離した花蕾を支持する二次茎を有し、それらの端部付近に実質的な黄化を有していない、子孫を選抜することによって他のブロッコリ植物に移行することができる。
【0101】
また、分離した花蕾を有する雑種ブロッコリ植物を作製する方法も提供する。この方法には、本発明に係る2の植物(好ましくは2の半数体)を交配し、ついで雑種種子を収穫することが含まれる。得られた種子は、生長した場合に、新規な生長型、特に、定義した伸長および分離した二次茎軸および分離した花蕾を示すであろう。1の形態において、方法は、圃場に本発明の同系繁殖体植物の雄性および雌性親の列を植栽し、花成および種子セットが起こるまで植物を生育させ、ついで、雌性親の列から雑種種子を収穫する工程を含む。方法は、好ましくは、100%の純粋な雑種種子を得るために、雌性親のいずれの自家受粉が起こることを防ぐ(下記参照)。
【0102】
種子生産
大規模の雑種種子生産のために、自家不和合性または別法として細胞質雄性不稔性(CMS)に基づく雑種受粉の異なる系を用いることができる。これらの技術は、当該技術分野でよく知られている。雑種親(同系繁殖体系統)の大スケール増加は自家受粉によって行い、その場合、COの濃度を増加することによって促進して自家不和合性、または手動を用いた芽受粉を克服することが必要である。
【0103】
同系繁殖体系統のかかる大スケール増加は、温室またはプラスチックハウス内で最も一般的に行う。親系統種子生産のこの実施は、良好な品質の種子および病気制御につながる。本発明にかかる同系繁殖体ブロッコリ植物には、例えば、550478、550479、550385、550475、550198および560465系統のブロッコリ植物ならびにそれらの種子または派生植物が含まれる。これらの系統は、蕾受粉(bud pollination)によって増加することができ、あるいはcmS細胞質に変換することができる。これらの方法は、当業者によく知られている。
【0104】
商業的な雑種種子は、種子(雌性)親および受粉(雄性)親の列間植栽によって開放圃場で生産し、その場合、種子親の自家不和合性またはcmSによって自家受粉が妨げられ、当該技術分野でよく知られている方法で雑種F1種子の収穫が確実ならしめられる。したがって、本発明にかかる雑種種子を生産する方法は、1の形態において、新規な生長型を有する雄性および雌性親の列を生育し、ついで雌性親の列から雑種種子を収穫することを含む。
【0105】
ブロッコリ雑種種子生産のため、近代的なシステムでは、ハツカダイコンからブラシカ・オレラセア リンネ(Brassica oleracea L.)に遺伝子移入されたcmSを用いる(雑種種子の実際の生起に向けたこの不稔性の利用に特に参照した、ハツカダイコンにおける新たな雄性不稔性に関する研究)。
【0106】
したがって、雄性不稔性であって、雑種種子生産における雌性親として使用するのに好適である本発明にかかる同系繁殖体ブロッコリ植物も提供する。1の形態において、同系繁殖体ブロッコリ植物は、細胞質雄性不稔性、例えばOgura cmS、に起因する雄性不稔性である。かかる植物は当該技術分野において知られているように作製することができる。もう1の形態において、本発明にかかる植物は、例えば、その全ての内容を出典明示して本明細書の一部とみなす欧州特許第0 344 029号、米国特許第6,509,516号、米国特許第5,254,802号または米国特許第5,789,566号に記載されているような、遺伝学的な雄性不稔性、またはそのゲノムに組み込まれた雄性不稔性を付与する1またはそれを超えるトランスジーンに起因する不稔性である。
【0107】
分離した花蕾生長を有する同系繁殖体ブロッコリの種々の系統からの種子は、以下に記載するようにATCCに寄託されている。本発明は、かかる種子を生長することによって生成した植物、ならびにかかる植物からの花粉および胚珠を含む植物の部分を包含するものである。
【0108】
実施例
実施例1:分離した花蕾を有する花蕾球を有する植物の開発
突出した花蕾球または立った葉球(RH)特性を有する所有権者および公共研究機関の両方の系統が入手可能であった。例えば、オレゴン州立大学(OSU)ブロッコリ育種プログラムは、中位の突出した葉球を有する系統を有し、幾つかの受け入れがOSU育種プログラムから1980年代に得られた。これらの系統の幾つかはOSU−102およびOSU−111と命名された。これらの受け入れは、乏しい葉球サイズ、乏しい葉球品質、および、一般的に、葉球の真下の茎に葉を生成し、商業的に価値のある雑種の親としてかかる系統を不適当なものとした。良好に立った葉球(「RH」という)特性および高い節間長についての選抜は、一貫して低い葉球重量に通じた。結局、複数ラウンドの育種および選抜の後に、RH特性および良好な品質のコンパクトな重い葉球を有する系統を開発した。
【0109】
育種プロジェクトの開始時に選抜した所有権者受け入れは、DH MRE−7、DH MRD1−1、GM−1.6、B19、DH E−47、EC−2、DH GV−37、SH−2、OSU−102、OSU−111、MRD−2、HC−1、BRM56−3905、BRM53−3921、DC3EC6、1032−1104および2151×T&Aと命名した。これらの系統のすべては、Seminis育種プログラムにおいて開発された精鋭の親系統であり、これが1970年代に商業的雑種の生産に使用された。これらの系統は、少なくとも部分的に、OSU系統の園芸特徴の観察された欠点を少なくとも部分的に補うように選抜した。
【0110】
より詳細には、所有権者系統は、非常に良好な一般的組合せ能力、病気に対する抵抗性、特にべと病菌(ペロノスポーラ・パラジティカ(Peronospora parasitica))に対する抵抗性、すでに示した妥当に良好はRH特性、良好な葉球高および葉球高の均一性、ならびに細菌性軟腐病(エルビニア(Erwinia)およびシュードモナス(Pseudomonas)細菌)に対する抵抗性を有した。系統550478、550198、550479および550385の系統図を図1に示す。系統550475の系統図を図2に示し、系統560465の系統図を図3に示す。
【0111】
DHの記号は半数体倍化を示し、これらの系統が花粉培養につづく染色体倍化を通して開発されたことを示す。
【0112】
すべての遺伝材料または系統は、長年の交配および選抜後に開発された。この交配および選抜プログラムの詳細を図1、2および3に記載する。各交配の子孫植物(F1)を、すべての他の重要な園芸および葉球特性について好ましい園芸特性と組み合わさった葉球突出の表現型外観について選抜した。最良のファミリーから選抜した植物を他のファミリーから選抜した他の植物と再び交配した。ときおり、2の交配サイクルで選抜した植物を1または2世代(F2、F3)に自家受粉して、良好な均一性の系統を得た。
【0113】
これらの系統の最良の植物を再び交配した。この育種法は、植物育種の標準的な教科書、例えばAllard, R.W., Principles of Plant Breeding (1960) New York, NY, Wiley, pp 485; Simmonds, N.W., Principles of Crop Improvement (1979), London, UK, Longman, pp 408; Sneep, J.ら, (1979) Plant breeding perspectives, PUDOC Wageningen, The Netherlands; Mark J. Basset, (編), Breeding of Vegetable Crops, (1986) AVI Publ. Comp. Westport, U.S.A.; Fehr, W.R.ら, Principles of Cultivar DevelopmentTheory and Technique (1987) MacMillan, New York, NY.に記載されているように、修飾ファミリー選抜として知られている。
【0114】
選抜プログラムの過程で、好ましい特徴を示す幾つかの系統を選抜し、それをPLHと命名して連続する番号と結合した。
【0115】
半ば分離した花蕾を示す花蕾球を有する系統(BRM56-3905/BRM53-5913)と完全に突出した葉球を有する系統(PLH2546/PLH33)との交配は、系統520166 (PLH2546/PLH33/BRM56-3905/BRM53-3913)の開発につながった。系統図を図1に提供する。
【0116】
図2は、系統521163の系統図を示す。系統521163は、系統PLH42/1032/BRM56-3905/BRM53-3913(半ば分離)と完全に突出した葉球を有する系統PLH2546/plh33/brm56-3905.brm53-3913との間の交配に源を発する。これは、分離した花蕾を有する分枝した花蕾球を示す系統520166と同様に、521163と命名した系統の選抜に通じた。
【0117】
実施例2:花粉培養
系統520166および521163を花粉培養の出発材料として用いた。16時間明期下、10−12℃で生育させたヘテロ接合体ドナー植物からの葯を実験材料として用いた。異なるサイズの花芽を収穫および単離し、葯を潰してDAPIで染色して減数分裂進展のステージを決定した。後期一核から早期二核ステージの花粉を有する葯を含む花芽を選抜し、96%エタノールを噴霧し、つづいて次亜塩素酸ナトリウムの2.6%溶液に5分間浸漬し、滅菌蒸留水で3回濯ぐことにより滅菌した。
【0118】
滅菌した芽をB5液体培地に調製し、芽をFan, Z., Armstrong, K.C.およびKeller, W. A., Development of microspores in vivo and in vitro in Brassica napus L., Protoplasma 147, 191-199 (1988)に記載されているように潰した。ついで、得られた潰した芽を2のナイロンフィルター(48μm、63μmφ)を通して濾過し、遠心した(100g、8℃、4分)。そのペレットを27mlのB5液体培地で3回洗浄した。少量のチャコールを添加し、そのペレットをLichter, R.Z., Anther culture of Brassica napus in a liquid culture medium, Planzenphysiol. 103, 229-237 (1981)およびLichter R. Z., Induction of haploid plants from isolated pollen of Brassica napus, Planzenphysiol. 105, 427-437 (1982)に記載されているように、1花芽/この培地mlの最終密度で液体培地に再懸濁した。花粒粉懸濁培養液を暗所下、35℃にて24時間インキュベートし、暗所下、25℃にて生育させた。
【0119】
3ないし6週間後に胚が出現し、それをKeller, W.A.およびArmstrong, K.C., Embryogenesis and plant regeneration in Brassica napus anther cultures, Can. J. Bot. 55, 1383-1388 (1977)により記載されているように植物再生培地に移し、連続明所下、8℃にて一週間インキュベートした。その後、胚を間接照明の16時間明期下、25℃の条件に移した。4週間後、分裂組織を有する植物様構造を発根培地(4.44g/l、ミオイノシトールを含有しないビタミン(MS Royal SluisとしてDuchefaから購入)、100mg/lミオイノシトール(BDHから購入)、400μg/lチアミンHCl(Duchefa)、200μg/l IBA(Duchefa)、30g/lスクロース(Duchefa)、10g/l植物寒天(Duchefa)を含有し、pH5.8に調整した4.44g/lのMS基本塩)に移し、16時間明期下、20℃にて生育させた。再生した苗木を4週間毎に一度、新鮮な発根培地に移した。
【0120】
さらなる選抜および育種のために育種者に植物が配達されるまで、この方法を続ける。未知の倍数性レベルの植物を育種者に提供する。育種者は、表現型的に望ましく、繁殖力があり、同一の完全なホモ接合体子孫を生成する植物を選抜する。
【0121】
同系繁殖体系統をテストし、最良の雑種性能を与えるものを同定および選抜した。雑種種子は、同質性および同系繁殖体親のホモ接合性が維持される限り、無制限に生成し得る。
【0122】
ヘテロ接合体系統520166(PLH2546/PLH33/BRM56-3905/BRM53-3913)および521163((PLH42/1032/BRM56-3905/BRM53-3913)x(PLH2546/PLH33/BRM56-3905/BRM53-3913))を花粒粉実験の出発材料として用いた。ブロッコリ系統550478、550479、550198および550385は520166の花粒粉培養から得た。ブロッコリ系統550475は521163の花粒粉培養から得た。これらの系統を、望ましい園芸特性と組み合わさった分離したおよび均一に緑色の花蕾に基づいて選抜した。
【0123】
分離した花蕾を有する代表的なブロッコリ系統から得た種子試料は、以下のNCIBM受託番号で寄託した:ブロッコリ系統550479の種子はNCIMB寄託番号41415で寄託し;ブロッコリ系統550478の種子はNCIMB寄託番号41416で寄託し;ブロッコリ系統550385の種子はNCIMB寄託番号41417で寄託した。ブロッコリ系統550198の種子はNCIMB寄託番号41418で寄託した。
【0124】
実施例3:さらなる同系繁殖体ブロッコリ系統
前記したように、ブロッコリ系統520166を用いた交配からさらなる同系繁殖体ブロッコリ系統を開発した。ブロッコリ系統560465の系統図を図3に示す。
【0125】
商業的クラウン・ブロッコリ雑種(RS1149またはTinman)、クラウン・ブロッコリ雑種系統550118および2の分離した花蕾系統560465および550475から測定値をとる。図4は、商業的ブロッコリ雑種RS1149の幾つかの外側花蕾の写真を提供しており、図5および6は、各々、ブロッコリ系統550465のインタクトな葉球および幾つかの離れた花蕾の写真を提供している。以下のデータはブロッコリ植物から収集し、下記の表1に提供する。花蕾球中の最も近い花蕾までの各花蕾の最短距離(ミリメートル);花蕾の最大直径(ミリメートル);第1茎への花蕾の結合部までのクラウンから花蕾の全長(ミリメートル);各花蕾の品質レート(1から5までのスケールで;1は非常に乏しい、2は乏しい、3は中位、4は良好、および5は非常に良好);花蕾の頂部の色(Royal Horticultural Societyからのカラーチャートを用いて);花蕾の肩部の色(また、RHSからのカラーチャートを用いて);花蕾のパーセント黄色(全花蕾のパーセント肩部);花蕾の茎の色(RHSカラーチャートに基づいて);および、四角花蕾の重量(花蕾の直径として同じサイズまで切った花蕾の長さ)。
【0126】
【表1】

【0127】
【表2】

【0128】
【表3】

【0129】
【表4】

【0130】
前述の発明を明瞭および理解の目的で説明および実施例によって幾分詳細に記載したが、ある種の変化および修飾を、添付する特許請求の範囲のみによって限定される本発明の範囲内で実施し得ることは明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0131】
【図1】図1は、分離した花蕾系統550478、550479および550385の進化の系統図を示すチャートである。
【図2】図2は、分離した花蕾系統550475および550198の進化の系統図を示すチャートである。
【図3】図3は、分離した花蕾系統560465の進化の系統図を示すチャートである。
【図4】図4は、ブロッコリ型RS1149からの切断した花蕾の写真を提供する。
【図5】図5は、本発明のブロッコリ系統の形態の葉球の写真を提供する。
【図6】図6は、本発明のブロッコリ系統の1の形態からの切断した花蕾の写真を提供する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
花蕾を有する花蕾球を含む植物を生成することができるブロッコリ植物の種子であって、ここに該花蕾球上の該花蕾が平均15%未満の黄化を有することを特徴とする該種子。
【請求項2】
該花蕾が平均12%未満の黄化を有する請求項1記載の種子。
【請求項3】
該花蕾が平均10%未満の黄化を有する請求項1記載の種子。
【請求項4】
該花蕾球が少なくとも8の花蕾を含む請求項1記載の種子。
【請求項5】
該花蕾球が少なくとも10の花蕾を含む請求項1記載の種子。
【請求項6】
該花蕾が、RHSカラーチャートで緑色範囲の色スコアを有する請求項1記載の種子。
【請求項7】
該花蕾が、137A、137B、138Aおよび138Bよりなる群から選択されるRHSカラーチャートの色スコアを有する請求項6記載の種子。
【請求項8】
該花蕾が、RHSカラーチャートで緑色範囲の色スコアを有する軸を含む請求項1記載の種子。
【請求項9】
該軸が、137A、137B、138A、138B、138Cおよび139Dよりなる群から選択されるRHSカラーチャートの色スコアを有する請求項8記載の種子。
【請求項10】
分離した花蕾を有する花蕾球を含む植物を生成することができるブロッコリ植物の種子であって、ここに該花蕾球上の少なくとも50%の該花蕾が該花蕾球上の他の花蕾に接触していないことを特徴とする該種子。
【請求項11】
少なくとも60%の該花蕾が該花蕾球上の他の花蕾に接触していない請求項10記載の種子。
【請求項12】
少なくとも70%の該花蕾が該花蕾球上の他の花蕾に接触していない請求項11記載の種子。
【請求項13】
少なくとも80%の該花蕾が該花蕾球上の他の花蕾に接触していない請求項12記載の種子。
【請求項14】
少なくとも90%の該花蕾が該花蕾球上の他の花蕾に接触していない請求項13記載の種子。
【請求項15】
該花蕾が実質的に黄化を有しない請求項10記載の種子。
【請求項16】
該花蕾が黄化の不存在を有する請求項15記載の種子。
【請求項17】
該花蕾球が少なくとも6の分離した花蕾を含む請求項10記載の種子。
【請求項18】
該花蕾球が少なくとも10の分離した花蕾を含む請求項17記載の種子。
【請求項19】
該花蕾球が少なくとも15の分離した花蕾を含む請求項18記載の種子。
【請求項20】
花蕾を有する花蕾球を含む植物を生成することができるブロッコリ植物の種子であって、ここに該花蕾球上の花蕾が少なくとも約8センチメートルの平均長を有することを特徴とする該種子。
【請求項21】
該花蕾が、少なくとも10cmの平均長を有する請求項20記載の種子。
【請求項22】
該花蕾が、少なくとも15cmの平均長を有する請求項20記載の種子。
【請求項23】
該花蕾が、約8cmないし約30cmの平均長を有する請求項20記載の種子。
【請求項24】
該花蕾球が少なくとも8の花蕾を有する請求項20記載の種子。
【請求項25】
該花蕾球が少なくとも10の花蕾を有する請求項20記載の種子。
【請求項26】
該花蕾球上の少なくとも50%の該花蕾が該花蕾球上の他の花蕾に接触していない請求項20記載の種子。
【請求項27】
少なくとも60%の該花蕾が該花蕾球上の他の花蕾に接触していない請求項26記載の種子。
【請求項28】
少なくとも70%の該花蕾が該花蕾球上の他の花蕾に接触していない請求項27記載の種子。
【請求項29】
少なくとも80%の該花蕾が該花蕾球上の他の花蕾に接触していない請求項28記載の種子。
【請求項30】
少なくとも90%の該花蕾が該花蕾球上の他の花蕾に接触していない請求項29記載の種子。
【請求項31】
該花蕾が平均15%未満の黄化を有する請求項20記載の種子。
【請求項32】
50%を超える該種子からのブロッコリ植物から生育した花蕾球が分離した花蕾を有するブロッコリ種子の容器。
【請求項33】
該容器が少なくとも25の種子を含む請求項32記載のブロッコリ種子の容器。
【請求項34】
該容器が少なくとも1000の種子を含む請求項32記載のブロッコリ種子の容器。
【請求項35】
該容器が、バッグ、ホイル、箱、パケット、ポーチ、缶およびバケツよりなる群から選択される請求項32記載のブロッコリ種子の容器。
【請求項36】
75%を超える該種子から生育した花蕾球が分離した花蕾を有する請求項32記載のブロッコリ種子の容器。
【請求項37】
85%を超える該種子から生育した花蕾球が分離した花蕾を有する請求項32記載のブロッコリ種子の容器。
【請求項38】
95%を超える該種子から生育した花蕾球が分離した花蕾を有する請求項32記載のブロッコリ種子の容器。
【請求項39】
該花蕾が実質的に黄化を有しない請求項32記載のブロッコリ種子の容器。
【請求項40】
該花蕾が黄化の不存在を有する請求項32記載のブロッコリ種子の容器。
【請求項41】
該種子が処理した種子である請求項32記載のブロッコリ種子の容器。
【請求項42】
該処理した種子が、プリミングされたか、脱感染されたか、またはプリミングおよび脱感染されている請求項41記載のブロッコリ種子の容器。
【請求項43】
該種子がコートされた種子である請求項32記載のブロッコリ種子の容器。
【請求項44】
該コートされた種子が、プランタビリティーを改善するため、種子の発芽を改善するため、および種子生来の病原菌に対して保護するための組成物よりなる群から選択される組成物でコートされている請求項43記載のブロッコリ種子の容器。
【請求項45】
該コートされた種子が、ペレット化した種子、フィルム・コーティングした種子および外殻形成種子よりなる群から選択される請求項43記載のブロッコリ種子の容器。
【請求項46】
50%を超える該種子から生育した花蕾球が分離した花蕾を有し、50%を超える該花蕾球上の該花蕾が同一の花蕾球上の他の花蕾に接触していない、ブロッコリ種子の容器。
【請求項47】
70%を超える該花蕾球上の該花蕾が同一の花蕾球上の他の花蕾に接触していない請求項46記載のブロッコリ種子の容器。
【請求項48】
80%を超える該花蕾球上の該花蕾が同一の花蕾球上の他の花蕾に接触していない請求項46記載のブロッコリ種子の容器。
【請求項49】
90%を超える該花蕾球上の該花蕾が同一の花蕾球上の他の花蕾に接触していない請求項46記載のブロッコリ種子の容器。
【請求項50】
該花蕾球が少なくとも6の分離した花蕾を含む請求項46記載のブロッコリ種子の容器。
【請求項51】
該花蕾球が少なくとも10の分離した花蕾を含む請求項46記載のブロッコリ種子の容器。
【請求項52】
該花蕾球が少なくとも15の分離した花蕾を含む請求項46記載のブロッコリ種子の容器。
【請求項53】
該分離した花蕾が実質的に黄化を有しない請求項46記載のブロッコリ種子の容器。
【請求項54】
該分離した花蕾が黄化の不存在を有する請求項53記載のブロッコリ種子の容器。
【請求項55】
分離した花蕾を含む花蕾球を有するブロッコリ植物からのブロッコリ花蕾の容器であって、ここに該花蕾が平均15%未満の黄化を有する該容器。
【請求項56】
該花蕾球が少なくとも6の分離した花蕾を含む請求項55記載のブロッコリ花蕾の容器。
【請求項57】
該花蕾球が少なくとも10の分離した花蕾を含む請求項55記載のブロッコリ花蕾の容器。
【請求項58】
該花蕾球が少なくとも15の分離した花蕾を含む請求項55記載のブロッコリ花蕾の容器。
【請求項59】
該花蕾が黄化の不存在を有する請求項55記載のブロッコリ花蕾の容器。
【請求項60】
少なくとも75%の該花蕾が実質的に黄化を有さない請求項55記載のブロッコリ花蕾の容器。
【請求項61】
少なくとも85%の該花蕾が実質的に黄化を有さない請求項55記載のブロッコリ花蕾の容器。
【請求項62】
少なくとも95%の該花蕾が実質的に黄化を有さない請求項55記載のブロッコリ花蕾の容器。
【請求項63】
該容器が、箱、平箱、クラムシェル、バッグまたはパケットよりなる群から選択される請求項55記載のブロッコリ花蕾の容器。
【請求項64】
該容器が少なくとも10の花蕾を含む請求項55記載のブロッコリ花蕾の容器。
【請求項65】
該容器が少なくとも25の花蕾を含む請求項64記載のブロッコリ花蕾の容器。
【請求項66】
該容器が少なくとも50の花蕾を含む請求項65記載のブロッコリ花蕾の容器。
【請求項67】
該容器が店に存在する請求項55記載のブロッコリ花蕾の容器。
【請求項68】
該店が食品雑貨店である請求項67記載のブロッコリ花蕾の容器。
【請求項69】
分離した花蕾を含む花蕾球を有するブロッコリ植物。
【請求項70】
該花蕾球が少なくとも6の分離した花蕾を含む請求項69記載のブロッコリ植物。
【請求項71】
該花蕾球が少なくとも10の分離した花蕾を含む請求項69記載のブロッコリ植物。
【請求項72】
該花蕾球が少なくとも15の分離した花蕾を含む請求項69記載のブロッコリ植物。
【請求項73】
該花蕾球が少なくとも約50%の分離した花蕾を含む請求項69記載のブロッコリ植物。
【請求項74】
該花蕾球が少なくとも60%の分離した花蕾を含む請求項71記載のブロッコリ植物。
【請求項75】
該花蕾球が少なくとも70%の分離した花蕾を含む請求項74記載のブロッコリ植物。
【請求項76】
該花蕾球が少なくとも80%の分離した花蕾を含む請求項75記載のブロッコリ植物。
【請求項77】
該花蕾球が少なくとも90%の分離した花蕾を含む請求項76記載のブロッコリ植物。
【請求項78】
分離した花蕾を含む花蕾球を有するブロッコリ植物を生成することができるブロッコリ植物の種子。
【請求項79】
該花蕾球が少なくとも6の分離した花蕾を含む請求項78記載の種子。
【請求項80】
該花蕾球が少なくとも10の分離した花蕾を含む請求項78記載の種子。
【請求項81】
該花蕾球が少なくとも15の分離した花蕾を含む請求項78記載の種子。
【請求項82】
該花蕾球が少なくとも50%の分離した花蕾を含む請求項78記載の種子。
【請求項83】
該花蕾球が少なくとも60%の分離した花蕾を含む請求項82記載の種子。
【請求項84】
該花蕾球が少なくとも70%の分離した花蕾を含む請求項83記載の種子。
【請求項85】
該花蕾球が少なくとも80%の分離した花蕾を含む請求項84記載の種子。
【請求項86】
該花蕾球が少なくとも90%の分離した花蕾を含む請求項85記載の種子。
【請求項87】
分離した花蕾を含む花蕾球を有するブロッコリ植物の部分であって、該花蕾球が少なくとも50%の分離した花蕾を含む該部分。
【請求項88】
該部分が種子、内胚乳、胚珠および花粉よりなる群から選択される請求項87記載のブロッコリ植物の部分。
【請求項89】
第1の親ブロッコリ系統と第2のブロッコリ系統とを交配し、ここに該第1の親ブロッコリ系統は分離した花蕾を含み;ついで
種子を得る
ことを含むブロッコリ種子を生産する方法。
【請求項90】
該第1の親が少なくとも6の分離した花蕾を含む請求項89記載の方法。
【請求項91】
該第1の親ブロッコリ系統が少なくとも10の分離した花蕾を含む請求項89記載の方法。
【請求項92】
該第1の親ブロッコリ系統が少なくとも15の分離した花蕾を含む請求項89記載の方法。
【請求項93】
該第1の親ブロッコリ系統が少なくとも50%の分離した花蕾を含む請求項89記載の方法。
【請求項94】
該第1の親ブロッコリ系統が550478、550479、550385、560465、550198および550475よりなる群から選択される請求項89記載の方法。
【請求項95】
第1の親ブロッコリ系統と第2のブロッコリ系統とを交配し、ここに該第1の親ブロッコリ系統は平均15%未満の黄化を有する花蕾を有する花蕾球を含み;ついで
種子を得る
ことを含む、平均15%未満の黄化を有する花蕾を有するブロッコリ植物を生産する方法。
【請求項96】
該第1の親の該花蕾球が少なくとも6の花蕾を含む請求項95記載の方法。
【請求項97】
該第1の親の該花蕾球が少なくとも10の花蕾を含む請求項95記載の方法。
【請求項98】
該花蕾が平均10%未満の黄化を有する請求項95記載の方法。
【請求項99】
該第1の親ブロッコリ系統が550478、550479、550385、560465、550198および550475よりなる群から選択される請求項95記載の方法。
【請求項100】
ブロッコリ系統550478の種子であって、該種子の試料がNCIMB受託番号41416で寄託されている該種子。
【請求項101】
請求項100記載の種子から生育した植物。
【請求項102】
請求項100記載の植物からの植物の部分。
【請求項103】
さらに、花粉、プロトプラスト、胚珠または細胞と定義される請求項102記載の植物の部分。
【請求項104】
請求項100記載の植物から得た細胞の組織培養物。
【請求項105】
ブロッコリ系統550479の種子であって、該種子の試料がNCIMB受託番号41415で寄託されている該種子。
【請求項106】
請求項105記載の種子から生育した植物。
【請求項107】
請求項105記載の植物からの植物の部分。
【請求項108】
さらに、花粉、プロトプラスト、胚珠または細胞と定義される請求項107記載の植物の部分。
【請求項109】
請求項105記載の植物から得た細胞の組織培養物。
【請求項110】
ブロッコリ系統550385の種子であって、該種子の試料がNCIMB受託番号41417で寄託されている該種子。
【請求項111】
請求項110記載の種子から生育した植物。
【請求項112】
請求項110記載の植物からの植物の部分。
【請求項113】
さらに、花粉、プロトプラスト、胚珠または細胞と定義される請求項112記載の植物の部分。
【請求項114】
請求項110記載の植物から得た細胞の組織培養物。
【請求項115】
ブロッコリ系統550198の種子であって、該種子の試料がNCIMB受託番号41418で寄託されている該種子。
【請求項116】
請求項115記載の種子から生育した植物。
【請求項117】
請求項115記載の植物からの植物の部分。
【請求項118】
さらに、花粉、プロトプラスト、胚珠または細胞と定義される請求項117記載の植物の部分。
【請求項119】
請求項115記載の植物から得た細胞の組織培養物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2009−516528(P2009−516528A)
【公表日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−542403(P2008−542403)
【出願日】平成18年11月21日(2006.11.21)
【国際出願番号】PCT/US2006/045008
【国際公開番号】WO2007/062009
【国際公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【出願人】(500195035)セミニス・ベジタブル・シーズ・インコーポレイテツド (17)
【氏名又は名称原語表記】Seminis Vegetable Seeds,Inc.
【Fターム(参考)】