説明

分離片及びシート搬送装置

【課題】シート搬送時の異音を低減できる分離片及びシート搬送装置を提供する。
【解決手段】分離片101は、搬送ローラ71に対向する第1面101Aと、第1面101Aとは反対側を向く第2面101Bとを有し、押圧部30に第2面101Bが押圧されることにより搬送ローラ71と第1面101Aとでシート9を挟むニップ部104を形成する。分離片101は、搬送方向D1の長さLd1に対して、幅方向の長さLw1が大きい。分離片101は、ニップ部104から搬送方向D1の上流側の端部101Uまでの部位である根元部102と、ニップ部104から搬送方向D1の下流側の端部101Dまでの部位である先端部103とを有する。先端部103は、幅方向において、搬送方向D1の下流側に向かって先細る形状であり、根元部102の搬送方向D1の長さLd2に対して、先端部103の搬送方向D1の長さLd3が小さい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は分離片及びシート搬送装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に分離片が開示されている。この分離片は、シートを搬送するシート搬送装置に設けられるものである。この分離片は、シートを搬送方向に搬送する搬送ローラに対向する第1面と、第1面とは反対側を向く第2面とを有する平板形状である。分離片は、搬送ローラに向かって付勢力を発揮する押圧部に第2面が押圧される。搬送ローラと第1面とでシートを挟むニップ部が形成され、シートが一枚ずつ分離される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−136043号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記分離片においては、シートとの摩擦による自励振動や、シートとの摩擦が無くなってニップ部が元に戻ろうとする際の振動等に起因して、シート搬送時に異音が発生する場合がある。このため、分離片に対して、シート搬送時の異音を低減することが求められている。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、シート搬送時の異音を低減できる分離片及びシート搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の分離片は、シートを搬送するシート搬送装置に設けられ、前記シートを搬送方向に搬送する搬送ローラに対向する第1面と、前記第1面とは反対側を向く第2面とを有する平板形状であり、前記搬送ローラに向かって付勢力を発揮する押圧部に前記第2面が押圧されることにより、前記搬送ローラと前記第1面とで前記シートを挟むニップ部を形成し、前記シートを一枚ずつ分離する分離片であって、
前記搬送方向の長さに対して、前記搬送方向に直交する幅方向の長さが大きく、
前記ニップ部から前記搬送方向の上流側の端部までの部位である根元部と、前記ニップ部から前記搬送方向の下流側の端部までの部位である先端部とを有し、
前記先端部は、前記幅方向において、前記搬送方向の下流側に向かって先細る形状であり、
前記根元部の前記搬送方向の長さに対して、前記先端部の前記搬送方向の長さが小さいことを特徴とする。
【0007】
発明者らが試験等により鋭意検討した結果によれば、本発明の分離片は、上記特許文献1開示の分離片等と比較して、シート搬送時の異音を低減できる。その作用効果を発明者らは以下のように推定する。
【0008】
すなわち、本発明の分離片は、上記特許文献1開示の分離片とは異なり、搬送方向の長さに対して、幅方向の長さが大きい。これにより、ニップ部における幅方向の長さを確保して、シートを一枚ずつ確実に分離できる。また、搬送方向の長さに対して、幅方向の長さが大きいことにより、ニップ部がシートとの摩擦により搬送方向の下流側に引き伸ばされ難くなる。従って、シートとの摩擦による分離片の自励振動を小さくでき、また、シートとの摩擦が無くなってニップ部が元に戻ろうとする際の分離片の振動を小さくできる。
【0009】
さらに、この分離片は、先端部が先細る形状であること、及び根元部の搬送方向の長さに対して、先端部の搬送方向の長さが小さいことにより、先端部の質量を小さくできる。これによっても、分離片の振動を小さくできる。
【0010】
したがって、本発明の分離片は、シート搬送時の異音を低減できる。
【0011】
本発明の分離片において、第2面には、発泡部材が添うように設けられていることが望ましい。この構成によれば、分離片から異音が発生しても、発泡部材により、その異音を減衰させることができるので、本発明の作用効果を確実に奏することができる。
【0012】
本発明の分離片において、発泡部材は、第2面と押圧部とに挟まれていることが望ましい。この構成によれば、発泡部材は、分離片の振動が第2面から押圧部に伝わることを抑制できるので、本発明の作用効果を一層確実に奏することができる。
【0013】
本発明の分離片において、発泡部材は、第2面における幅方向の中央に位置していることが望ましい。この構成によれば、ニップ部において最も摩擦力が発生する箇所の反対側に発泡部材が位置するので、分離片から異音が発生しても、発泡部材により、その異音を確実に減衰させることができる。
【0014】
本発明の分離片において、発泡部材と第2面との間に薄膜部材が介在していることが望ましい。この構成によれば、分離片は、薄膜部材に裏打ちされて延び難くなる。これにより、分離片が振動し難くなるので、本発明の作用効果を一層確実に奏することができる。
【0015】
本発明の分離片において、ニップ部の幅方向の長さに対して、根元部の幅方向の長さが小さいことが望ましい。この構成によれば、根元部側に空きスペースを確保でき、他部材のレイアウトの自由度が向上する。その結果、装置を小型化し易い。
【0016】
本発明のシート搬送装置は、シートを搬送するシート搬送装置であって、請求項1乃至6のいずれか1項記載の分離片と、シートを搬送方向に搬送する搬送ローラと、搬送ローラに向かって付勢力を発揮し、第2面を押圧する押圧部と、を備えることを特徴とする。
【0017】
本発明のシート搬送装置では、分離片が奏する作用効果により、シート搬送時の異音を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の分離片が適用されたシート搬送装置を具体化した実施例1の画像読取装置1の主に前方を示す斜視図である。
【図2】上記実施例1の供給トレイ50及び上部カバー93が開かれた状態において、画像読取装置1の主に前方を示す斜視図である。
【図3】上記実施例1の供給トレイ50、上部カバー93及び排出トレイ6が開かれた状態において、画像読取装置1の主に後方を示す斜視図である。
【図4】上記画像読取装置1の側面図である。
【図5】上記画像読取装置1の主に第1搬送ローラ71、分離片101及び押圧部30を示す要部拡大断面図である。
【図6】上記画像読取装置1の分離片101及びパッドホルダ78を抜き出して示す斜視図である。
【図7】上記画像読取装置1に係り、(a)は、分離片101及び押圧部30を示す模式断面図であり、(b)は、分離片101を第1面101A側から見た正面図である。
【図8】実施例2の画像読取装置1に係り、(a)は、分離片101、スポンジシート121及び押圧部30を示す模式断面図であり、(b)は、分離片101及びスポンジシート121を第1面101A側から見た正面図である。
【図9】実施例3の画像読取装置1に係り、(a)は、分離片101、樹脂フィルム131、スポンジシート121及び押圧部30を示す模式断面図であり、(b)は、分離片101、樹脂フィルム131及びスポンジシート121を第1面101A側から見た正面図である。
【図10】上記実施例1〜3の画像読取装置1に係り、(a)〜(c)は、変形例の分離片201、301、401を示す正面図である
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を具体化した実施例1〜3を、図面を参照しつつ説明する。
【0020】
(実施例1)
図1に示すように、実施例1の画像読取装置1は、本発明の分離片が適用されたシート搬送装置の具体的態様の一例である。図1では、排出トレイ6側を装置の前側と規定し、排出トレイ6に対向した場合に左手に来る側を左側と規定して、前後、左右及び上下の各方向を表示する。そして、図2以降に示す各方向は、全て図1に示す各方向に対応させて表示する。以下、図1等に基づいて、画像読取装置1が備える各構成要素について説明する。
【0021】
<全体構成>
画像読取装置1は、図1〜図4に示すように、筐体8と、供給トレイ50と、排出トレイ6とを備える。図4に示すように、筐体8内には、供給トレイ50から排出トレイ6にまでシート9が搬送される搬送路P1が設けられている。
【0022】
筐体8は、上部カバー93、背面部カバー90及び左右のサイドカバー95L、95Rと、それらに覆われた内部フレーム等とを有する箱状体である。内部フレームは、図2〜図4に示すロアシュート60及び図示しないフレーム部材等が組み合わされてなる。
【0023】
図4に示すように、通常、上部カバー93は、後方に向かって上り傾斜している。図5に示すように、上部カバー93は、ロアシュート60に対して上方から対向する第1搬送ガイド94を有する。上部カバー93の第1搬送ガイド94の下面は、搬送路P1の上面を構成する上側案内面94Aとされている。図2及び図3に示すように、シート詰まりやメンテナンスの際には、上部カバー93は、後端縁側が上方に持ち上がるように揺動し、ロアシュート60に対して上方に離間する。これにより、後述するロアシュート60の第2搬送ガイド61、第1搬送ローラ71及び第2搬送ローラ72等が筐体8の外部に露出する。
【0024】
供給トレイ50は、一方の面が載置面51とされた平板形状である。供給トレイ50の左右の角部には、一対のヒンジ部50L、50Rが一体に形成されている。供給トレイ50は、両ヒンジ部50L、50Rを介して、筐体8の後方かつ上方に位置して左右方向に延びる揺動軸心X1周りに揺動可能に筐体8に支持されている。
【0025】
図1に示すように、供給トレイ50が閉じられている場合、供給トレイ50は、載置面51を下方に向けて、筐体8の上部カバー93に対して上方から覆いかぶさっている。図1に示す供給トレイ50の位置を「収容位置」とする。
【0026】
そして、供給トレイ50は、図1に示す状態から揺動軸心X1周りに揺動して開かれることにより、図2〜図4に示すように、筐体8の後ろ側で載置面51を上方に向ける位置に変位する。図2等に示す供給トレイ50の位置を「使用位置」とする。
【0027】
図4に示すように、供給トレイ50が使用位置にある場合、載置面51にシート9が載置される。載置面51に載置されたシート9は、供給トレイ50から排出トレイ6に向かう方向である搬送方向D1に搬送されて、搬送路P1に案内されるようになっている。
【0028】
図2及び図3に示すように、ロアシュート60は、平板形状の第2搬送ガイド61と、第2搬送ガイド61を左右から挟む側壁部60L、60Rとを有する。第2搬送ガイド61は、左右方向に延び、かつ筐体8の背面側から排出トレイ6まで下り傾斜で延びている。図5に示すように、第2搬送ガイド61の上面は、上部カバー93の上側案内面94Aに対して下方から対向している。第2搬送ガイド61の上面は、搬送路P1の下面を構成する下側案内面61Aとされている。図2等に示すように、供給トレイ50が使用位置にある場合、下側案内面61Aは、載置面51に連続する傾斜面を構成する。
【0029】
また、画像読取装置1は、図2等に示すように、左右一対の幅規制ガイド57L、57Rを備える。幅規制ガイド57L、57Rは、載置面51上から下側案内面61A上まで、搬送方向D1と平行にリブ状に延びている。幅規制ガイド57L、57Rの搬送方向D1の中間部には、連結部56L、56Rが設けられている。連結部56L、56Rは、供給トレイ50が収容位置又は使用位置に変位する場合、幅規制ガイド57L、57Rが揺動軸心X1周りに折れ曲がり、又は展開することを許容する。
【0030】
左右の幅規制ガイド57L、57Rは、センター基準で左右方向に互いに接近又は離反可能とされている。これにより、幅規制ガイド57L、57Rは、例えば、名刺サイズからA4サイズまでの複数サイズのシート9が載置面51に載置される場合に、そのシート9の左右方向の位置決めをすることができる。
【0031】
排出トレイ6は、図1、図3及び図4に示すように、筐体8に対して引き出し及び収容可能に設けられている。図1に示すように、排出トレイ6が筐体8に収容されている場合、排出トレイ6の前端面のみが外部に露出した状態となっている。そして、排出トレイ6が筐体8から引き出されると、図3及び図4に示すように、排出トレイ6は、筐体8の前方で排出面6Aを上方に向けた状態となる。
【0032】
また、画像読取装置1は、図4に示すように、筐体8の内部に、電源ユニット3、基板5、搬送部70、第1読取部7A及び第2読取部7Bを備える。
【0033】
図4に示すように、電源ユニット3は、筐体8内の背面側に設けられている。電源ユニット3は、家庭用コンセントの高圧の交流電圧を低圧の直流電圧に変換して、基板5等に給電するACアダプタである。電源ユニット3は、背面部カバー90により後方から覆われている。図3に示すように、背面部カバー90には、家庭用コンセントと電源ユニット3とを電気的に接続する電源ケーブル99の一端側が嵌入される接続穴90Eが設けられている。
【0034】
図4に示すように、基板5は、筐体8内において、電源ユニット3の下方に設けられている。基板5は、図示しない電気配線により、電源ユニット3に電気的に接続されている。また、基板5は、図示しない電気配線により、搬送部70、第1読取部7A及び第2読取部7B等に電気的に接続されて、それらを制御するようになっている。
【0035】
搬送部70は、搬送方向D1の上流側から下流側に向かって順番に、第1搬送ローラ71と、分離片101と、第2搬送ローラ72と、排出ローラ73とを有する。第1搬送ローラ71は、本発明の「搬送ローラ」の一例である。
【0036】
第1搬送ローラ71は、ロアシュート60に組み付けられており、搬送路P1の第2搬送ガイド61に位置している。第1搬送ローラ71は、図示しない駆動部に駆動されて、載置面51に載置されたシート9に当接しつつ回転することにより、そのシート9を搬送方向D1に送り出すようになっている。
【0037】
図3及び図5に示すように、分離片101は、上部カバー93に組み付けられており、搬送路P1の第1搬送ガイド94に位置している。分離片101は、ゴムやエラストマー等の摩擦部材からなる板状体である。図5に示すように、分離片101は、パッドホルダ78に保持され、そのパッドホルダ78が上部カバー93に設けられた保持部77に装着されることにより、第1面101Aを第1搬送ローラ71に対向させている。そして、分離片101は、第1搬送ローラ71に向かって付勢力を発揮する押圧部30に第1面101Aとは反対側を向く第2面101Bを押圧されて、第1搬送ローラ71に押し付けられている。これにより、分離片101は、搬送路P1において搬送されるシート9を第1搬送ローラ71と第1面101Aとで挟んで一枚ずつ分離するようになっている。分離片101、パッドホルダ78、保持部77及び押圧部30等の具体的構成については、後で詳しく説明する。
【0038】
図4に示すように、第2搬送ローラ72及び排出ローラ73はそれぞれ、ロアシュート60に組み付けられており、搬送路P1の第2搬送ガイド61に位置している。第2搬送ローラ72及び排出ローラ73は、図示しない駆動部に駆動されて、第1搬送ローラ71と同期回転する。
【0039】
第2搬送ローラ72の上方には、従動ローラ72Aが第2搬送ローラ72と対向するように設けられている。従動ローラ72Aは、上部カバー93に組み付けられており、搬送路P1の第1搬送ガイド94に位置している。従動ローラ72Aは、図示しない付勢部材に付勢されて、第2搬送ローラ72に押し付けられている。これにより、第2搬送ローラ72は、搬送路P1において搬送されるシート9を従動ローラ72Aと挟んで回転し、搬送方向D1の下流側に搬送するようになっている。
【0040】
排出ローラ73の上方には、従動ローラ73Aが排出ローラ73と対向するように設けられている。従動ローラ73Aは、上部カバー93に組み付けられており、搬送路P1の第1搬送ガイド94に位置している。従動ローラ73Aは、図示しない付勢部材に付勢されて、排出ローラ73に押し付けられている。これにより、排出ローラ73は、搬送路P1において搬送されるシート9を従動ローラ73Aと挟んで回転し、搬送方向D1の下流側の排出トレイ6に排出するようになっている。
【0041】
第1読取部7A及び第2読取部7Bは、搬送方向D1における第2搬送ローラ72より下流側、かつ排出ローラ73より上流側に位置している。第1読取部7Aは、上部カバー93に組み付けられており、搬送路P1の第1搬送ガイド94に位置している。第2読取部7Bは、ロアシュート60に組み付けられており、搬送路P1の第2搬送ガイド61に位置している。すなわち、第1読取部7A及び第2読取部7Bは、搬送路P1を上下方向から挟むように対向している。第1読取部7A及び第2読取部7Bとしては、例えば、CIS(Contact Image Sensor)やCCD(Charge Coupled Device)等が採用される。
【0042】
<画像読取動作>
上記構成である画像読取装置1では、以下のようにして、シート9の画像を読み取る。すなわち、基板5に制御されて、図示しない駆動部が駆動を開始すると、第1搬送ローラ71が分離片101とシート9を挟みながら回転して載置面51上のシート9を搬送方向D1に搬送する。この際、複数枚のシート9が重なった状態で搬送されようとしている場合、分離片101とシート9との間、及びシート9と他のシート9との間に摩擦力が作用することにより、シート9が一枚ずつ分離される。次に、第2搬送ローラ72が一枚ずつ分離されたシート9を第1読取部7A及び第2読取部7Bに向けて搬送する。そうすると、第1読取部7A及び第2読取部7Bは、基板5に制御されて、シート9の両面の画像を読み取る。第1読取部7A及び第2読取部7Bの出力信号は、基板5に伝達されて、画像データ化される。そして、排出ローラ73が画像を読み取られたシート9を排出トレイ6に排出する。
【0043】
<分離片及び押圧部等の具体的構成>
図5に示すように、画像形成装置1は、分離片101を保持するパッドホルダ78と、パッドホルダ78を着脱可能に保持する保持部77と、分離片101を第1搬送ローラ71に向けて押圧する押圧部30とを備える。
【0044】
図6に示すように、パッドホルダ78は、ブロック状の基部78Aを有する。図7に示すように、分離片101の根元側、すなわち、搬送方向D1の上流側には、止め穴101Hが開口している。分離片101の止め穴101Hに対して、基部78Aの下方に設けられた突起78Cが挿入される。分離片101における搬送方向D1の上流側が基部78Aと金属固定板78Dとで挟まれる。これにより、パッドホルダ78が分離片101を保持するようになっている。
【0045】
図6に示すように、パッドホルダ78は、一対の被係合部78L、78Rを有する。両被係合部78L、78Rはそれぞれ、基部78Aの左右の端部からクランク状に屈曲しつつ互いに離れる方向に離間し、さらに、分離片101から離間する方向に長く延びている。両被係合部78L、78Rにおける分離片101から離間する平板部分には、左右方向に互いに反対側を向くように突出する左右一対の鍵爪78Qが形成されている。図6では、右側の鍵爪78Qのみを図示しているが、左側の鍵爪78Qも同様である。
【0046】
図5に示すように、保持部77は、その下端側が回動軸心X77周りに回動可能に第1搬送ガイド94に支持されている。保持部77の回動軸心X77から離れた先端側は、図示しないロック機構により、第1搬送ガイド94にロックされている。これにより、保持部77は、第1搬送ガイド94に接近した状態で保持される。保持部77の中間部には、矩形状の開口77Hが開口している。また、図示は省略するが、保持部77には、開口77Hを左右方向から挟む左右一対の係合部が設けられている。パッドホルダ78が開口77Hに挿入され、被係合部78L、78Rの鍵爪78Qが保持部77における図示しない係合部に係合することにより、パッドホルダ78が保持部77に固定される。この状態で、分離片101の第1面101Aが第1搬送ローラ71に対向する。
【0047】
なお、図示は省略するが、図2及び図3に示すように、第1搬送ガイド94が第2搬送ガイド61から離間した状態において、ユーザが図示しないロック機構を解除すると、保持部77が回動軸心X77周りに回動して、保持部77の先端側が水平に後方に向かって突出する位置に変位する。この状態において、ユーザが両被係合部78L、78Rの先端をつまんで互いに接近するように弾性変形させ、パッドホルダ78を開口77Hから引き抜く。そうすると、両被係合部78L、78Rの鍵爪78Qが図示しない係合部から外れるので、パッドホルダ78を保持部77から取り外すことができる。また、その逆の動作により、パッドホルダ78を保持部77に装着することができる。
【0048】
図5に示すように、押圧部30は、押圧部本体31と、付勢バネ32とを有する。押圧部本体31の上端側は、回動軸心X30周りに回動可能に第1搬送ガイド94に支持されている。回動軸心X30は、保持部77の回動軸心X77に対して上方に位置している。押圧部本体31の下端側には、左右方向に延びる三角柱形状である当接部31Aが形成されている。付勢バネ32は圧縮コイルバネであり、当接部31Aと、第1搬送ガイド94との間に配設されている。
【0049】
図5及び図7(a)に示すように、当接部31Aは、分離片101を挟んで第1供給ローラ71とは反対側に位置して、分離片101の第1面101とは反対側を向く第2面101Bに当接している。そして、付勢バネ32が第1供給ローラ71に向かって付勢力を発揮することにより、当接部31Aが分離片101を第1供給ローラ71に押圧する。その結果、第1供給ローラ71と、分離片101の第1面101Aとでシート9を挟むニップ部104を形成する。図5及び図7(a)において点状に図示するニップ部104は、図7(b)に示すように、左右方向に延びる補助線H1に沿って、分離片101の左側縁101Lから右側縁101Rまで延びている。
【0050】
図7(a)に示すように、分離片101は、厚みがほぼ一定である板状の摩擦部材が打ち抜き加工されたものである。このため、図7(a)に示すように、分離片101の厚みは、搬送方向D1の上流側から下流側までほぼ一定になっている。
【0051】
次に、図7(a)を参照しつつ、分離片101の平面形状を説明する。なお、本実施例において、搬送方向D1に直交する幅方向とは、左右方向のことである。
【0052】
分離片101は、ニップ部104から搬送方向D1の上流側の端部101Uまでの部位である根元部102と、ニップ部104から搬送方向D1の下流側の端部101Dまでの部位である先端部103とを有する。
【0053】
分離片101における左側縁101L及び右側縁101Rは、搬送方向D1の上流側の端部101Uの左右端から搬送方向D1と平行に搬送方向D1の下流側に向かって延びた後、互いに離間するように屈曲している。そして、左側縁101L及び右側縁101Rは、再び、搬送方向D1と平行に搬送方向D1の下流側に向かって延びてニップ部104と直交し、搬送方向D1におけるニップ部104より下流側に短く突出している。そして、左側縁101L及び右側縁101Rは、互いに接近するように大きく屈曲して、搬送方向D1の下流側の端部101Dで合流している。なお、本実施例において、「平行」は「おおよそ平行」を意味する。「直交」、「水平」等も同様である。
【0054】
根元部102は、搬送方向D1の上流側の端部101U、左側縁101L、右側縁101R及びニップ部104により囲まれた領域である。ニップ部104の左右方向の長さLw4に対して、根元部102の端部101U側における左右方向の長さLw2が小さい。
【0055】
先端部103は、搬送方向D1の下流側の端部101D、左側縁101L、右側縁101R及びニップ部104により囲まれた領域である。先端部103は、左右方向において、搬送方向D1の下流側に向かって先細る形状である。根元部102の搬送方向D1の長さLd2に対して、先端部103の搬送方向D1の長さLd3が小さい。
【0056】
分離片101の左右方向の長さLw1は、ニップ部104の左右方向の長さLw4と一致している。搬送方向D1の長さLd1に対して、左右方向の長さLw1が大きい。
【0057】
左側縁101L及び右側縁101Rがニップ部104と直交し、搬送方向D1におけるニップ部104より下流側に短く突出している理由、すなわち、先端部103が先細るように屈曲するポイントよりも搬送方向D1の上流側にニップ部104が位置している理由は、以下の通りである。仮に、先端部103が先細るように屈曲するポイントと、ニップ部104とを設計上において一致させる場合を考える。そうすると、部品誤差や組み付け誤差等によってニップ部104が先端部103の屈曲ポイントよりも搬送方向D1の下流側に位置してしまう場合がある。そして、この場合、先端部103が先細り形状なので、ニップ部104におけるニップ面積が減ってしまうことになり、分離性能が低下してしまう。これに対して、先端部103が先細るように屈曲するポイントよりも搬送方向D1の上流側にニップ部104が位置している構成によれば、部品誤差等によってニップ部104の位置がずれてもニップ部104におけるニップ面積が減り難いので、分離性能が低下し難い。
【0058】
<作用効果>
発明者らは、上述した構成である実施例1の分離片101を適用した画像読取装置1について、シート9の搬送試験等を行った。その結果、実施例1の分離片101によって、シート9の搬送時の異音を低減できることを確認できた。その作用効果を発明者らは以下のように推定する。
【0059】
すなわち、実施例1の分離片101は、上記特許文献1開示の分離片等とは異なり、搬送方向D1の長さLd1に対して、左右方向の長さLw1が大きい。これにより、ニップ部104における左右方向の長さLw4を確保して、シート9を一枚ずつ確実に分離できる。また、搬送方向D1の長さLd1に対して、左右方向の長さLw1が大きいことにより、ニップ部104がシート9との摩擦により搬送方向D1の下流側に引き伸ばされ難くなるので、シート9との摩擦による分離片101の自励振動を小さくでき、また、シート9との摩擦が無くなってニップ部104が元に戻ろうとする際の分離片101の振動を小さくできる。
【0060】
さら、この分離片101は、先端部103が先細る形状であること、及び根元部102の搬送方向D1の長さLd2に対して、先端部103の搬送方向D1の長さLd3が小さいことにより、先端部103の質量を小さくできる。これによっても、分離片101の振動を小さくできる。
【0061】
したがって、実施例1の分離片101は、シート9の搬送時の異音を低減できる。また、実施例1の画像読取装置1は、分離片101が奏する作用効果により、シート9の搬送時の異音を低減できる。
【0062】
また、この分離片101において、ニップ部104の左右方向の長さLw4に対して、根元部102の端部101U側における左右方向の長さLw2が小さい。この構成によれば、分離片101の根元部102側、より詳しくは、分離片101における搬送方向D1の上流側の端部101Uの左右端の近傍に空きスペースS1を確保でき、他部材のレイアウトの自由度が向上する。その結果、装置を小型化し易い。そもそも根元部102は、ニップ部104から離れており、シート9の分離に寄与しない領域である。この領域を有効活用して空きスペースS1を確保し、他部材のレイアウトにまわせるので、装置の小型化に非常に効果的である。
【0063】
(実施例2)
図8に示すように、実施例2の画像読取装置では、実施例1における分離片101の第2面101Bに、スポンジシート121が添うように設けられている。実施例2の画像読取装置のその他の構成は、実施例1の画像読取装置1と同一である。このため、実施例1と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略又は簡略する。
【0064】
図8(a)に示すように、スポンジシート121は、その厚みが分離片101の厚さに比べて大幅に小さい発泡シートである。スポンジシート121は、本発明の「発泡部材」の一例である。スポンジシート121は、第2面101Bに接着剤や両面テープ等を用いて貼り付けられている。また、スポンジシート121は、分離片101の第2面101Bと、押圧部30の当接部31Aとに挟まれている。スポンジシート121における搬送方向D1の上流側は、パッドホルダ78の基部78Aと、分離片101との間に挟まれてはいない。
【0065】
図8(b)に示すように、スポンジシート121は、搬送方向D1に長い長方形であり、第2面101Bにおける左右方向の中央に位置している。スポンジシート121は、根元部102から先端部103まで延びている。スポンジシート121の左右方向の長さLw21は、分離片101の左右方向の長さLw1の1/3よりも小さい。
【0066】
このような構成である実施例2の画像読取装置では、分離片101の第2面101Bに、スポンジシート121が添うように設けられている。この構成によれば、分離片101から異音が発生しても、スポンジシート121により、その異音を減衰させることができるので、本発明の作用効果を確実に奏することができる。
【0067】
また、スポンジシート121は、分離片101の第2面101Bと、押圧部30の当接部31Aとに挟まれている。この構成によれば、スポンジシート121は、分離片101の振動が第2面101Bから押圧部30に伝わることを抑制できる。このため、例えば、押圧部30と、押圧部30を支持する第1搬送ガイド94との間でがたつき等による異音が発生し難いので、本発明の作用効果を一層確実に奏することができる。
【0068】
また、ニップ部104において最も摩擦力が発生する箇所は、第1面101Aにおける左右方向の中央である。そして、スポンジシート121は、第2面101Bにおける左右方向の中央に位置している。この構成によれば、ニップ部104において最も摩擦力が発生する箇所の反対側にスポンジシート121が位置するので、分離片101から異音が発生しても、スポンジシート121により、その異音を確実に減衰させることができる。
【0069】
(実施例3)
図9に示すように、実施例3の画像読取装置では、実施例2における分離片101の第2面101Bと、スポンジシート121との間に、樹脂フィルム131が介在している。実施例3の画像読取装置のその他の構成は、実施例2の画像読取装置と同一である。このため、実施例2と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略又は簡略する。
【0070】
図9(a)に示すように、樹脂フィルム131は、スポンジシート121や分離片101を構成する材料と比較して剛性の高い樹脂材料からなる薄いフィルムである。樹脂フィルム131は、本発明の「薄膜部材」の一例である。板状の摩擦部材の片面に樹脂フィルムが貼り付けられた状態で、分離片101を打ち抜き加工することにより、分離片101と同一の平面形状を有する樹脂フィルム131を分離片101の第2面101Bに設けることができる。なお、図9(b)に破線で示す樹脂フィルム131の輪郭は、見易いように、分離片101の輪郭よりわずかに小さくして図示している。
【0071】
このような構成である実施例3の画像読取装置では、スポンジシート121と第2面101Bとの間に樹脂フィルム131が介在している。この構成によれば、分離片101は、樹脂フィルム131に裏打ちされて、シート9との間に摩擦力が作用しても延び難くなる。これにより、分離片101が振動し難くなるので、本発明の作用効果を一層確実に奏することができる。
【0072】
(変形例1)
実施例1〜3の分離片101の代わりに、図10(a)に示す平面形状の分離片201を採用することもできる。
【0073】
分離片201は、補助線H2に沿って左右方向に延びるニップ204から搬送方向D1の上流側の端部201Uまでの部位である根元部202と、ニップ部204から搬送方向D1の下流側の端部201Dまでの部位である先端部203とを有する。
【0074】
分離片201における左側縁201L及び右側縁201Rは、搬送方向D1の上流側の端部201Uの左右端から搬送方向D1と平行に搬送方向D1の下流側に向かって延びてニップ部204と直交し、搬送方向D1におけるニップ部204より下流側に短く突出している。そして、左側縁201L及び右側縁201Rは、互いに接近するように大きく屈曲して、搬送方向D1の下流側の端部201Dで合流している。
【0075】
根元部202は、搬送方向D1の上流側の端部201U、左側縁201L、右側縁201R及びニップ部204により囲まれた領域である。ニップ部204の左右方向の長さLw24は、根元部202の端部201U側における左右方向の長さLw22と等しい。
【0076】
先端部203は、搬送方向D1の下流側の端部201D、左側縁201L、右側縁201R及びニップ部204により囲まれた領域である。先端部203は、左右方向において、搬送方向D1の下流側に向かって先細る形状である。根元部202の搬送方向D1の長さLd22に対して、先端部203の搬送方向D1の長さLd23が小さい。
【0077】
分離片201の左右方向の長さLw21は、ニップ部204の左右方向の長さLw24と一致している。搬送方向D1の長さLd21に対して、左右方向の長さLw21が大きい。
【0078】
このような平面形状の分離片201によっても、分離片101と同様の作用効果を奏することができる。
【0079】
(変形例2)
実施例1〜3の分離片101の代わりに、図10(b)に示す平面形状の分離片301を採用することもできる。
【0080】
分離片301は、補助線H3に沿って左右方向に延びるニップ304から搬送方向D1の上流側の端部301Uまでの部位である根元部302と、ニップ部304から搬送方向D1の下流側の端部301Dまでの部位である先端部303とを有する。
【0081】
分離片301における左側縁301L及び右側縁301Rは、搬送方向D1の上流側の端部301Uの左右端から搬送方向D1の下流側に向かって互いに離間するように延びている。左側縁301L及び右側縁301Rは、ニップ部304と交差する箇所で互いに接近するように大きく屈曲して、搬送方向D1の下流側の端部301Dで合流している。
【0082】
根元部302は、搬送方向D1の上流側の端部301U、左側縁301L、右側縁301R及びニップ部304により囲まれた領域である。ニップ部304の左右方向の長さLw34に対して、根元部302の端部301U側における左右方向の長さLw32が小さい。
【0083】
先端部303は、搬送方向D1の下流側の端部301D、左側縁301L、右側縁301R及びニップ部304により囲まれた領域である。先端部303は、左右方向において、搬送方向D1の下流側に向かって先細る形状である。根元部302の搬送方向D1の長さLd32に対して、先端部303の搬送方向D1の長さLd33が小さい。
【0084】
分離片301の左右方向の長さLw31は、ニップ部304の左右方向の長さLw34と一致している。搬送方向D1の長さLd31に対して、左右方向の長さLw31が大きい。
【0085】
このような平面形状の分離片301によっても、分離片101と同様の作用効果を奏することができる。
【0086】
(変形例3)
実施例1〜3の分離片101の代わりに、図10(c)に示す平面形状の分離片401を採用することもできる。
【0087】
分離片401は、補助線H4に沿って左右方向に延びるニップ404から搬送方向D1の上流側の端部401Uまでの部位である根元部402と、ニップ部404から搬送方向D1の下流側の端部401Dまでの部位である先端部403とを有する。
【0088】
分離片401における左側縁401L及び右側縁401Rは、搬送方向D1の上流側の端部401Uの左右端から搬送方向D1と平行に搬送方向D1の下流側に向かって延びた後、互いに離間するように屈曲してニップ部404と交差し、搬送方向D1におけるニップ部404より下流側に短く突出している。そして、左側縁401L及び右側縁401Rは、互いに接近するように大きく屈曲して、搬送方向D1の下流側の端部101Dで合流している。
【0089】
根元部402は、搬送方向D1の上流側の端部401U、左側縁401L、右側縁401R及びニップ部404により囲まれた領域である。ニップ部404の左右方向の長さLw44に対して、根元部402の端部401U側における左右方向の長さLw42が小さい。
【0090】
先端部403は、搬送方向D1の下流側の端部401D、左側縁401L、右側縁401R及びニップ部404により囲まれた領域である。先端部403は、左右方向において、搬送方向D1の下流側に向かって先細る形状である。根元部402の搬送方向D1の長さLd42に対して、先端部403の搬送方向D1の長さLd43が小さい。
【0091】
分離片401の左右方向の長さLw41は、ニップ部404の左右方向の長さLw44に対して大きい。搬送方向D1の長さLd41に対して、左右方向の長さLw41及びニップ部404の左右方向の長さLw44が大きい。
【0092】
このような平面形状の分離片401によっても、分離片101と同様の作用効果を奏することができる。
【0093】
以上において、本発明を実施例1〜3に即して説明したが、本発明は上記実施例1〜3に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
【0094】
実施例2では発泡部材としてスポンジシート121を採用しているが、この構成に限定されない。例えば、発泡部材として、ウレタンフォーム等を採用できる。また、発泡部材を構成する気泡は、独立気泡又は連続気泡であり得る。
【0095】
実施例3では薄膜部材として樹脂フィルム131を採用しているが、この構成に限定されない。例えば、薄膜部材として、金属薄板等を採用できる。
【0096】
実施例3では、樹脂フィルム131は分離片101と同一形状であるが、この構成に限定されず、例えば、全体的に分離片101より小さくてもよい。また、樹脂フィルム131の輪郭の一部が分離片101の輪郭の一部と一致し、その他の部分は、離片101より小さくてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0097】
本発明は例えば、シート搬送装置、画像読取装置、画像形成装置又は複合機等に利用可能である。
【符号の説明】
【0098】
1…シート搬送装置(画像読取装置)、9…シート、D1…搬送方向
71…搬送ローラ(第1搬送ローラ)、30…押圧部
101、201、301、401…分離片
102…根元部、103…先端部、104…ニップ部
101A…分離片の第1面、101B…分離片の第2面
Ld1…分離片の搬送方向の長さ、Lw1…分離片の幅方向の長さ
101U…分離片における搬送方向の上流側の端部
101D…分離片における搬送方向の下流側の端部
Ld2…根元部の搬送方向の長さ、Ld3…先端部の搬送方向の長さ
121…発泡部材(スポンジシート)、131…薄膜部材(樹脂フィルム)
Lw2…根元部の幅方向の長さ、Lw4…ニップ部の幅方向の長さ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートを搬送するシート搬送装置に設けられ、前記シートを搬送方向に搬送する搬送ローラに対向する第1面と、前記第1面とは反対側を向く第2面とを有する平板形状であり、前記搬送ローラに向かって付勢力を発揮する押圧部に前記第2面が押圧されることにより、前記搬送ローラと前記第1面とで前記シートを挟むニップ部を形成し、前記シートを一枚ずつ分離する分離片であって、
前記搬送方向の長さに対して、前記搬送方向に直交する幅方向の長さが大きく、
前記ニップ部から前記搬送方向の上流側の端部までの部位である根元部と、前記ニップ部から前記搬送方向の下流側の端部までの部位である先端部とを有し、
前記先端部は、前記幅方向において、前記搬送方向の下流側に向かって先細る形状であり、
前記根元部の前記搬送方向の長さに対して、前記先端部の前記搬送方向の長さが小さいことを特徴とする分離片。
【請求項2】
前記第2面には、発泡部材が添うように設けられている請求項1記載の分離片。
【請求項3】
前記発泡部材は、前記第2面と前記押圧部とに挟まれている請求項2記載の分離片。
【請求項4】
前記発泡部材は、前記第2面における前記幅方向の中央に位置している請求項2又は3記載の分離片。
【請求項5】
前記発泡部材と前記第2面との間に薄膜部材が介在している請求項2乃至4のいずれか1項記載の分離片。
【請求項6】
前記ニップ部の前記幅方向の長さに対して、前記根元部の前記幅方向の長さが小さい請求項1乃至5のいずれか1項記載の分離片。
【請求項7】
前記シートを搬送するシート搬送装置であって、
請求項1乃至6のいずれか1項記載の分離片と、
前記シートを搬送方向に搬送する前記搬送ローラと、
前記搬送ローラに向かって付勢力を発揮し、前記第2面を押圧する前記押圧部と、を備えることを特徴とするシート搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−112490(P2013−112490A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−261612(P2011−261612)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】