切断位置指示装置及び方法
【課題】手動で物品の切断作業を行う作業者に、より精確で理解しやすい切断位置の目安を指示することのできる切断位置指示装置及び方法を提供する。
【解決手段】一塊の物品をその全長方向と略直交する方向に切断して所定の切出重量の切片を切り出すために、切断ラインの位置を物品の総重量と比重分布に基づいて定め、物品の全長を2の累乗数で等分割する目盛りと、切断ラインの一方に隣接する基準目盛りと、1目盛りに対する基準目盛りから切断ラインまでの長さの割合とを含む情報を画面に表示して切断ラインの位置を指示するようにした。
【解決手段】一塊の物品をその全長方向と略直交する方向に切断して所定の切出重量の切片を切り出すために、切断ラインの位置を物品の総重量と比重分布に基づいて定め、物品の全長を2の累乗数で等分割する目盛りと、切断ラインの一方に隣接する基準目盛りと、1目盛りに対する基準目盛りから切断ラインまでの長さの割合とを含む情報を画面に表示して切断ラインの位置を指示するようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品等の物品の単一の塊を切断して所定重量の切片を得るために、切断位置の目安を指示する方法及びそのための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、魚や肉、野菜などの食品は、単一の塊から一切れなどの利用しやすい大きさ又は重量にカットされた状態でパッケージングされて販売されることがある。このとき、単一の塊から切り出される複数の切片は、例えば100gなどの定重量にほぼ揃っていることが、一パックあたりの販売価格を統一するなどの取り扱いの便宜を図るうえで好ましい。例えば、食品のハムのように、長さ方向に亘って断面が一定であり且つ長さ方向に亘って重量分布が一定であるような物品の場合には、物品の一つの塊を等しい厚さに輪切りすることによって等しい重量の切片を何度も切り出すことが容易である。しかし、多くの物品は、全長に亘って重量の分布が一様ではない。このような場合に、物品の一つの塊から所定重量の切片を一回又は複数回切り出すために、人間が勘を頼って物品の切断作業を行うと、相当な熟練者である場合を除いて切片の重量にばらつきが生じるという問題があった。
【0003】
そこで、特許文献1では、被計量物の塊から所望重量又は所望金額だけを分割して切り出す場合に、その分割比を表示させる分割秤が提案されている。この分割秤は、被計量物の重量を計量する計量部と、分割しようとする重量又は金額を入力するための入力部と、この入力部から入力された分割重量値または分割金額を被除数として分割率の演算を行う演算部と、得られた分割率を表示する表示部とを備えている。
【0004】
また、特許文献2では、魚体を定重量の切り身として加工する自動計量切断装置が開示されている。この自動計量切断装置は、予め魚種ごとに魚体重量のデータを集積し、魚体の平均重量に対する切り身を作るためのカッターの移動量とカッターの傾き角度の平均値を予め記憶させておき、処理する魚体が搬送されてくるとその重量を計測し、記憶されている平均重量と比較したうえ、記憶されているカッターの平均移動量と平均傾き角度を読み出して、処理すべき魚体重量に対応したカッターの移動量と傾き角度を演算して、カッターに出力するようにしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平1−89333号公報
【特許文献2】特公平5−11770号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献2に記載の自動計量切断装置のように自動的に物品を計量して切断する装置は、より精密に所定重量の切片を得ることが可能であるが、計測のための機器や切断具を備えることから装置が高額となり、メンテナンスも複雑である。これに対し、切り出した切片の重量がおおよそ揃っていれば十分である場合があり、比較的安価で取り扱いの容易な装置のニーズがある。
【0007】
これに対し、特許文献1に記載の分割秤は、特許文献2に記載の自動計量切断装置と比較して安価に製造することが可能であるが、特に、全長に亘って重量の分布が一様ではない物品の塊から所定重量の切片を切り出そうとする場合には、各切片の重量にばらつきが大きくなりがちである。
【0008】
そこで本発明では、特許文献1に記載の分割秤をさらに進歩させ、手動で物品の切断作業を行う作業者に、より精確で理解しやすい切断位置の目安を指示することのできる切断位置指示装置及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る切断位置指示装置は、一塊の物品をその全長方向と略直交する方向に切断して所定の切出重量の切片を切り出すための切断ラインの位置を、前記物品の総重量と前記物品の比重分布とから決定し、前記物品の全長を2の累乗数で等分割する目盛りのうち前記切断ラインの一方に隣接する前記目盛りを基準目盛りとし、1目盛りに対する前記基準目盛りから前記切断ラインまでの長さの割合を算出する演算部と、前記演算部の出力を受けて、前記目盛りと、前記基準目盛りと、前記切断ラインと、1目盛りに対する前記基準目盛りから前記切断ラインまでの長さの割合とを、少なくとも画面に表示する表示部とを、備えているものである。
【0010】
また、本発明に係る切断位置指示方法は、一塊の物品をその全長方向と略直交する方向に切断して所定の切出重量の切片を切り出すための切断ラインの位置に関する演算を行う演算部と、前記演算部の出力を受けて前記切断ラインの位置に関する情報を画面に表示する表示部とを備えた切断位置指示装置を用い、前記演算部で、前記切断ラインの位置を、前記物品の総重量と前記物品の比重分布とから決定し、前記物品の全長を2の累乗数で等分割する目盛りのうち前記切断ラインの一方に隣接する前記目盛りを基準目盛りとし、1目盛りに対する前記基準目盛りから前記切断ラインまでの長さの割合を算出するステップと、前記表示部で、前記目盛りと、前記基準目盛りと、前記切断ラインと、1目盛りに対する前記基準目盛りから前記切断ラインまでの長さの割合とを、少なくとも画面に表示するステップとを、行うものである。
【0011】
上記発明によれば、切断の目安となる目盛りは人間が視覚で容易に見当がつく物品の全長を2の累乗数で分割した位置であり、物品の切断位置は物品の全長と比較して短い1目盛りに対する割合として表示されるので、より精確で理解しやすい切断位置の目安を作業者に指示することができる。従って、作業者がその感覚に基づいて、切断位置指示装置で指示された切断位置で物品を切断することにより、切出重量に近い重量の切片をより高い精度で切り出せることが、期待できる。
【0012】
本発明において、前記切断位置指示装置は、前記物品の総重量を計量してその計量信号を前記演算部に送信する計量部を、さらに備えていてもよい。係る構成により、物品の総重量を精確且つ簡易に演算部に入力することができる。
【0013】
また、前記切断位置指示装置において、前記演算部は、切断の目標となる目標価格と前記物品の単位重量あたりの価格とから、前記目標価格に相当する前記切出重量を算出するように構成してもよい。係る構成により、所望の目標価格に相当する物品の切片を切断するための切断位置の指示を得ることができる。
【0014】
或いは、前記切断位置指示装置において、前記演算部は、切断の目標となる目標カロリーと前記物品の単位重量あたりの消費カロリーとから、前記目標カロリーに相当する前記切出重量を算出するように構成してもよい。係る構成により、所望の目標カロリーに相当する物品の切片を切断するための切断位置の指示を得ることができる。
【0015】
或いは、前記切断位置指示装置において、前記演算部は、切断の目標となる目標分割数と前記物品の総重量とから、前記物品の総重量を前記目標分割数に重量等分して前記切出重量を算出するように構成してもよい。係る構成により、所望の目標分割数で重量等分された物品の切片を切断するための切断位置の指示を得ることができる。
【0016】
或いは、前記切断位置指示装置において、前記演算部は、切断の目標となる目標重量と前記物品の総重量とから、前記目標重量により近い重量で物品を重量等分できる最適分割数を算出し、さらに、前記物品の総重量を前記最適分割数に重量等分して前記切出重量を算出するように構成してもよい。係る構成により、所望の目標重量により近い重量で、無駄なく物品を重量等分できる切断位置の指示を得ることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、切断の目安となる目盛りは人間が視覚で容易に見当がつく物品の全長を2の累乗数で分割した位置であり、物品の切断位置は物品の全長と比較して短い1目盛りに対する割合として表示されるので、より精確で理解しやすい切断位置の目安を作業者に指示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態1に係る切断位置指示装置の構成を示す模式図である。
【図2】切断位置指示処理の流れを示すフローチャートである。
【図3】切断位置情報を作成する流れを示すフローチャートである。
【図4】適用例1を説明する図である。
【図5】適用例1に係る切断位置指示画面の図である。
【図6】適用例2を説明する図である。
【図7】適用例2に係る切断位置指示画面の図である。
【図8】適用例2に係る切断位置指示画面の変形例の図である。
【図9】実施の形態2に係る切断位置指示装置の切断位置情報を作成する流れを示すフローチャートである。
【図10】適用例3を説明する図である。
【図11】適用例3に係る切断位置指示画面の図である。
【図12】切断位置指示装置と組み合わされた好適な電子はかりの構成を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら、詳細に説明する。なお、以下では全ての図を通じて同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複説明を省略する。
【0020】
人間は、物品のおおよそ半分の位置を目視で容易に捉えることができる。そして、人間は、物品のおおよそ半分の位置のさらに半分、つまり、物のおおよそ1/4の位置を目視で容易に捉えることができる。このように、人間は、物品の2の累乗分の1のおおよその位置を目視で容易に捉えることができる。本発明に係る定量切断目安指示装置及び方法は、このような人間の特性を利用して、人間が物品の一塊から所定重量の一切れを容易に切り出せるようにするためのものである。
【0021】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1に係る切断位置指示装置について、図1を参照しながら説明する。図1は本発明の実施の形態1に係る切断位置指示装置の構成を示す模式図である。
【0022】
図1に示すように、切断位置指示装置10は、切断位置指示装置10の制御と各種演算を行う演算制御部20を備えている。演算制御部20は、CPU21を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU21の他に処理プログラム等を記憶するROM22と、データを一時的に記憶するRAM23と、図示しない入出力ポートとを備えている。
【0023】
さらに、演算制御部20には、操作表示器24と電子はかり30とが接続されている。操作表示器24は、指令や情報の入力を行なうタッチパネル式の入力部25と、CPU21の出力を受けて情報や指令の入力画面や物品の切断位置などを表示する表示部26とにより構成されている。演算制御部20には、電子はかり30からの計量信号と、操作表示器24の入力部25からの入力信号とが入力ポートを介して入力される。また、演算制御部20からは、電子はかり30への計量要求信号と操作表示器24の表示部26への表示画像信号とが出力ポートを介して出力される。
【0024】
そして、ROM22には、切断位置指示装置10が、少なくとも本実施の形態において説明する切断位置指示処理を実行するのに必要なプログラム及びデータが記録されている。また、RAM23には、複数の物品モデルが記憶されており、これらの物品モデルは、切断位置指示装置10が行う処理のなかでCPU21により適宜読み出されて演算等に利用される。ここで各物品モデルは、物品名又はそのIDなどの識別情報と、物品の二次元的形状に関する情報と、二次元的形状の全体を1とした場合の二次元的形状の各点における比重分布に関する情報と、単位重量あたりの価格情報と、単位重量あたりの消費カロリー情報とを少なくとも含んで構成されている。物品モデルに含まれる情報は、少なくとも複数の物品のサンプルを計測して得られた平均的な値から作成されている。
【0025】
上記構成の演算制御部20において、CPU21が、ROM22に記録されたデータやRAM23に記録された情報を参照しつつ、ROM22に記録された所定のプログラムを実行することにより、演算制御部20は、後述する切断位置に関する情報を作成するための演算を実行する演算実行部、算出された切断位置に関する情報を操作表示器24の表示部26に表示させる出力実行部として、切断位置指示装置10を機能させる。
【0026】
(切断位置指示処理の流れ)
続いて、切断位置指示装置10で行う切断位置指示処理の流れについて、図2を用いて説明する。図2は切断位置指示処理の流れを示すフローチャートである。
【0027】
まず、一塊の物品から所定重量の切片を切り出そうとする作業者は、電子はかり30のはかり皿の上に物品を静置し、操作表示器24を介して計量指令を演算制御部20に入力する。演算制御部20は、計量指令を受けて(ステップS1)、電子はかり30に計量要求を出力し(ステップS2)、電子はかり30からの物品の総重量の計量信号を取得する(ステップS3)。なお、電子はかり30を切断位置指示装置10に備えることにより、物品の総重量を精確且つ簡易に演算制御部20に入力することができるが、物品の総重量は、操作表示器24を介して演算制御部20に入力されるように構成することもできる。
【0028】
続いて、作業者は操作表示器24を操作して、演算制御部20のRAM23に格納された複数の物品モデルのなかから物品に相当する1つの物品モデルを選択する。この物品モデルの選択情報は、操作表示器24の入力部25から演算制御部20へ入力される(ステップS4)。演算制御部20は、受け取ったモデル選択情報に基づいてRAM23に格納された複数の物品モデルのなかから使用する1つの物品モデルを読み出す(ステップS5)。
【0029】
続いて、作業者は、操作表示器24を操作して、利用可能に登録されている複数の演算モードのなかから1つの演算モードを選択し、さらに、切断位置表示ボタンを操作して、これらの演算モード選択情報と切断位置表示指令を演算制御部20へ入力する(ステップS6,S7)。演算モード選択情報と切断位置表示指令を取得した演算制御部20は、まず、選択された演算モードに応じて一塊の物品から切り出される切片の重量値(切出重量値M)を決定する(ステップS8)。
【0030】
ここで「演算モード」として、目標重量の切片を切り出すための切断位置の指示を得る第1モード、目標価格の切片を切り出すための切断位置の指示を得る第2モード、目標カロリーの切片を切り出すための切断位置の指示を得る第3モード、目標分割数の切片を切り出すための切断位置の指示を得る第4モード、及び、物品の一塊を無駄なく等分できる数の目標重量に近い切片を切り出すための切断位置の指示を得る第5モードの、複数の演算方法が切出重量値Mを決定するために用意されている。
【0031】
第1モードが選択された場合に、演算制御部20は、切断の目標となる重量の値の入力を要求し、入力された重量の値を切出重量値Mと決定する。第2モードが選択された場合に、演算制御部20は、切断の目標となる目標価格と単価(単位重量あたりの価格)との入力を要求し、入力された目標価格と単価とから目標価格に相当する重量を算出し、算出された重量を切出重量値Mと決定する。第3モードが選択された場合に、演算制御部20は、切断の目標となる目標カロリーの入力を要求し、入力された目標カロリーと物品モデルに含まれる単位重量あたりの消費カロリーに関する情報とから目標カロリーに相当する重量を算出し、算出された重量を切出重量値Mと決定する。第4モードが選択された場合に、演算制御部20は、切断の目標となる目標分割数の入力を要求し、入力された目標分割数と電子はかり30より取得した物品の総重量とから、物品を目標分割数に重量等分したときの重量を算出し、算出された重量を切出重量値Mと決定する。第5モードが選択された場合に、演算制御部20は、切断の目標となる目標重量の入力を要求し、入力された目標重量と電子はかり30より取得した物品の総重量とから、目標重量により近い重量で物品を無駄なく重量等分できる最適分割数を算出し、さらに、物品を最適分割数に重量等分したときの重量を算出し、算出された重量を切出重量値Mと決定する。
【0032】
上述のように演算モードに応じた演算が行われることにより切出重量値Mが決定すると、演算制御部20は、一塊の物品をその全長方向と略直交する方向に切断して切出重量値Mの切片を切り出すための切断ラインZの位置に関する情報、すなわち、切断位置情報を作成する(ステップS9)。図3は切断位置情報を作成する流れを示すフローチャートである。
【0033】
図3に示すように、演算制御部20は、切断位置情報を作成するに際して、まず、切出重量値Mに相当する切断ラインZの位置を決定する(ステップS21)。切断ラインZは、物品の全長方向に対して略直交する方向(物品の全長方向に対して直交する方向から+−10度の傾きの範囲内)の線分であり、この切断ラインZが一塊の物品から切出重量値Mの切片を切り出す時の切断線となる。演算制御部20は物品モデルを用いて、物品の左端(一方端)から切断ラインZまでの重量が切出重量値Mとなるように、切断ラインZの位置を算出する(ステップS21)。このときの切断ラインZの位置は、物品の全長に対する物品の左端から切断ラインZまでの長さの割合Dzとして表される。
【0034】
次に、演算制御部20は、目盛り分割数Nを決定する(ステップS22)。これに際し、演算制御部20は、まず、割合Dzが1/2n(2のn乗分の1)よりも小さくなるような最も小さい実数nを算出し、この実数nから1だけ少ない数で2を累乗した数を目盛り分割数Nと定める。そして、物品の全長を目盛り分割数Nで等分割したときの各分割片の境界位置と、物品の両端とに、目盛りラインが設定される。ここで「目盛りライン」とは、物品に仮想的に付けられた目盛りであり、物品を切断しようとする作業者はこの目盛りラインを利用することで容易に切断ラインZの位置の見当をつけることができる。目盛りラインは過度に数が多くなるとその位置の誤差が大きくなるとともに作業者の感覚が混乱するので、目盛り分割数Nは16を超えないようにすることが望ましい。
【0035】
続いて、演算制御部20は、隣接する目盛りライン間の長さを1目盛りとし、切断ラインZの一方(ここでは、左側)に隣接する目盛りラインを「基準目盛りライン」とし、1目盛りに対する基準目盛りラインから切断ラインZまでの長さの割合Dを算出する(ステップS23)。ここで基準目盛りラインは、最も左側に位置する目盛りライン、すなわち、物品の左端である。
【0036】
そして、演算制御部20は、目盛り分割数Nと、物品の全長に対する物品の左端から切断ラインZまでの長さの割合Dzと、基準目盛りラインと、1目盛りに対する基準目盛りラインから切断ラインZまでの長さの割合Dとを、少なくとも含む切断位置情報を作成する(ステップS24)。
【0037】
そして、上述の通り切断位置情報が作成されると、図2に戻って、演算制御部20は、少なくとも切断位置情報を含む切断位置指示情報を作成し、操作表示器24の表示部26に出力して(ステップS10)、切断位置指示処理を終了する。なお、切断位置指示情報は、切断位置情報のほか、物品モデルに含まれる二次元的外形状や切出重量値Mなども含めた画像情報とすることが望ましい。
【0038】
切断位置指示情報の出力を受けた操作表示器24では、少なくとも、目盛り分割数N又は目盛りラインと、切断ラインZと、基準目盛りラインと、1目盛りに対する基準目盛りラインから切断ラインZまでの長さの割合Dとが、画像、数値、又は画像及び数値として表示部26に表示される。作業者は、この表示部26に表示された情報を見て、まず、物品の全長を目盛り分割数Nに等分割する各目盛りラインを仮想的に配置し、基準目盛りラインとこれの右側に隣接する目盛りラインの位置の見当をつけ、基準目盛りラインからの長さが1目盛りに対して割合Dとなる位置に切断ラインZの見当をつけ、この切断ラインZで物品を切断する。これにより、作業者は、物差しなどで物品や切片の長さを測ることなく、一塊の物品からおおよそ切出重量値Mの切片を切り出すことができる。
【0039】
上述のように、切断位置指示装置10では、切断の位置の目安となる目盛りラインは、物品の全長に対する1/2,1/4,1/8,又は1/16の長さ位置であるので、目盛りラインの位置は他の数(例えば、3,5など)を目盛り分割数Nとする場合と比較して、人間が視覚で見当を付け易い。これに加え、物品の切断位置(切断ラインZ)を、物品の全長と比較して短い1目盛りに対する長さの割合Dとして表示することで、より精確で理解しやすい切断位置の目安を作業者に指示することができる。従って、作業者がその感覚に基づいて、切断位置指示装置10で指示された切断位置(切断ラインZ)で物品を切断することにより、切出重量値Mに近い重量の切片をより高い精度で切り出せることが、期待できる。
【0040】
なお、上記の切断位置指示装置10では、一塊の物品を左端部から切断して切出重量値Mの切片を切り出すことを想定して処理が行われているが、一塊の物品を右端部から切断するように処理を設定することもできる。
【0041】
(適用例1)
以下では、上述した切断位置指示処理のうち切断位置情報の作成(ステップS9)から切断位置指示情報を出力(ステップS10)するまでの流れを、具体的な数値を用いた適用例1に当てはめながら説明する。図4は適用例1を説明する図であり、図5は適用例1に係る切断位置指示画面の図である。
【0042】
図4に示すように、適用例1では、500gの一塊のニンジンから、切出重量値Mが100gの切片を切り出すこととする。まず、演算制御部20は、ニンジンの物品モデルに含まれる情報を参照して、500gの一塊のニンジンから100gの切片を得るための切断ラインZの位置を算出する(ステップS21)。これにより算出された、物品の全長に対する物品の左端から切断ラインZまでの長さの割合Dzは、21/100(21%)であった。
【0043】
次に、演算制御部20は、目盛り分割数Nを決定する(ステップS22)。割合Dz(=21/100)により導き出される目盛り分割数Nは4である。続いて、演算制御部20は、物品の左端を基準目盛りラインとし、基準目盛りラインから切断ラインZまでの長さの割合Dを算出する(ステップS23)。これにより算出された、基準目盛りラインから切断ラインZまでの長さの割合Dは、85/100(85%)であった。さらに、演算制御部20は、目盛り分割数N(=4)と、物品の全長に対する物品の左端から切断ラインZまでの長さの割合Dz(=21/100)と、基準目盛りラインと、1目盛りの長さに対する基準目盛りラインから切断ラインZまでの長さの割合D(=85/100)とを、少なくとも含む切断位置情報を作成する(ステップS24)。
【0044】
そして、演算制御部20は、少なくとも切断位置情報を含む切断位置指示情報を作成し、操作表示器24の表示部26に出力する(ステップS10)。すると、例えば図5に示すような切断位置指示画面が、操作表示器24の表示部26に表示される。図5に示す切断位置指示画面では、物品モデルに基づく物品の二次元的形状、切断の目安となる目盛りライン、基準目盛りライン、及び切断ラインZが画像として表示され、目盛り分割数N、及び1目盛りの長さに対する基準目盛りラインから切断ラインZまでの長さの割合Dが数値として表示されている。なお、図4に示す切断位置指示画面では、割合Dをパーセント表示しているが、分数表示など他の表現方法で表示されていてもよい。また、基準目盛りラインは他の目盛りラインとの区別が容易となるように、互いに異なる色で表示することが好ましい。
【0045】
そして、切断作業を行う作業者は、この切断位置指示画面に表示された情報を視認して、まず、物品の全長を4つに等分割する目盛りラインを仮想的に配置し、物品の左端を基準目盛りラインとし、基準目盛りラインとその直ぐ右側の目盛りラインまでの1目盛りに対する長さの割合が85%となる位置に切断ラインZの見当を付け、この切断ラインZで物品を切断する。これにより作業者は、500gの一塊のニンジンからおおよそ100gの切片を切り出すことができる。
【0046】
(適用例2)
以下では、切断位置指示装置10の切断位置指示処理のうち切断位置情報の作成(ステップS9)から切断位置指示情報を出力(ステップS10)するまでの流れを、具体的な数値を用いた適用例2に当てはめて説明する。図6は適用例2を説明する図、図7は適用例2に係る切断位置指示画面の図、図8は適用例2に係る切断位置指示画面の変形例の図である。
【0047】
図6に示すように、適用例2では、500gの一塊の魚から、切出重量値Mが145gの切片を切り出すこととする。まず、演算制御部20は、魚の物品モデルに含まれる情報を参照して、500gの一塊の魚から145gの切片を得るための切断ラインZの位置を算出する(ステップS21)。なお、物品モデルの情報は、魚の頭部及び尾部などの排棄部位は切出重量値Mから除外されるように構成されている。これにより算出された、物品の全長に対する物品の左端から切断ラインZまでの長さの割合Dzは、36/100(36%)であった。
【0048】
次に、演算制御部20は、目盛り分割数Nを決定する(ステップS22)。割合Dz(=36/100)により導き出される目盛り分割数Nは2である。続いて、演算制御部20は、物品の左端を基準目盛りラインとし、1目盛りに対する基準目盛りラインから切断ラインZまでの長さの割合Dを算出する(ステップS23)。これにより算出された、1目盛りに対する基準目盛りラインから切断ラインZまでの長さの割合Dは、72/100(72%)であった。さらに、演算制御部20は、目盛り分割数N(=2)と、物品の全長に対する物品の左端から切断ラインZまでの長さの割合Dz(=36/100)と、基準目盛りラインと、1目盛りの長さに対する基準目盛りラインから切断ラインZまでの長さの割合D(=72/100)とを、少なくとも含む切断位置情報を作成する(ステップS24)。
【0049】
そして、演算制御部20は、少なくとも切断位置情報を含む切断位置指示情報を作成し、操作表示器24の表示部26に出力する(ステップS10)。すると、例えば図7に示すような切断位置指示画面が、操作表示器24の表示部26に表示される。図7に示す切断位置指示画面では、物品モデルに基づく物品の二次元的形状、切断の目安となる目盛りライン、基準目盛りライン、及び切断ラインZが画像として表示され、目盛り分割数N、及び1目盛りの長さに対する基準目盛りラインから切断ラインZまでの長さの割合Dが数値として表示されている。
【0050】
切断作業を行う作業者は、この切断位置指示画面に表示された情報を視認して、まず、物品の全長を2つに等分割する目盛りラインを仮想的に配置し、物品の左端を基準目盛りラインとし、この基準目盛りラインとその右側に隣接する目盛りラインとの間の1目盛りに対する長さの割合が72%となる位置に切断ラインZの見当を付け、この切断ラインZで物品を切断する。これにより作業者は、500gの一塊の魚から可食部位がおおよそ145gとなる切片を切り出すことができる。
【0051】
なお、ステップS22において目盛り分割数Nが2又は4と算出された場合には、その目盛り分割数Nをさらに2乗した数を目盛り分割数Nとして決定するように演算制御部20を構成しても良い。この場合、例えば、図8に示すように、基準目盛りラインは、物品の左端に位置する目盛りラインではなく、切断ラインZの直ぐ左側に位置する目盛りラインとなる。
【0052】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係る切断位置指示装置10を説明する。実施の形態1に係る切断位置指示装置10は、一塊の物品の一方端から切出重量値Mに近い重量の1つの切片を切り出すための切断位置を指示するように構成されている。これに対し、実施の形態2に係る切断位置指示装置10では、一塊の物品の一方端から切出重量値Mに近い重量の切片を連続して切り出すための切断位置を指示するように構成されている。以下に説明する実施の形態2に係る切断位置指示装置10のハード構成は、前述の実施の形態1に係る切断位置指示装置10と同一であるので、重複する説明を省略する。
【0053】
次に、実施の形態2に係る切断位置指示装置10の切断位置指示処理の流れを説明する。切断位置指示装置10が実行する切断位置指示処理は、実施の形態1に係る切断位置指示装置10が行う切断位置指示処理(図2)と比較して、切断位置情報を作成するステップ(図2のステップS9)を除いて同一である。よって、以下では切断位置情報の作成の流れについて説明し、他のステップに係る処理は説明が重複するので省略する。
【0054】
図9は実施の形態2に係る切断位置指示装置の切断位置情報を作成する流れを示すフローチャートである。図9に示すように、演算制御部20は、切断位置情報を作成するに際して、まず、目盛り分割数Nを得る(ステップS31)。ここで、演算制御部20は、物品モデルに予め情報として登録されている値から目盛り分割数Nの値を得るように構成されているが、新たに入力を要求して入力された数値を取得するように構成されたり、後述する各目盛り分割片の重量が切出重量値Mより小さくなる値を算出して値を得るように構成されたりしてもよい。なお、目盛り分割数Nは、16を超えないようにすることが望ましい。
【0055】
次に、演算制御部20は、物品の全長を目盛り分割数Nの等しい長さの分割片(目盛り分割片)に分割したときの、各目盛り分割片の重量を、物品モデルを用いて算出する(ステップS32)。なお、各目盛り分割片の境界線と、物品の両端とが、目盛りラインとなる。
【0056】
続いて、演算制御部20は、物品の左端(一端)からk個の切出重量値Mの切片を連続して切断する各切断ラインZ1〜Zkの位置を、物品モデルを用いて算出する(ステップS33)。このとき、演算制御部20は、各切断ラインZ1〜Zkの直ぐ左側に位置する目盛りラインを基準目盛りラインと定め、1目盛りの長さに対する基準目盛りラインから切断ラインZ1〜Zkまでの長さの割合D1〜Dkとして、各切断ラインZ1〜Zkの位置を算出する(ステップS33)。
【0057】
そして、演算制御部20は、目盛り分割数Nと、各切断ラインZ1〜Zkの基準目盛りラインと、1目盛りの長さに対する基準目盛りラインから切断ラインZ1〜Zkまでの長さの割合D1〜Dkとを、少なくとも含む切断位置情報を作成する(ステップS34)。
【0058】
上記切断位置情報を含む切断位置指示情報は、操作表示器24に出力されて、その表示部26で表示される。この表示部26に表示された切断位置指示情報には、目盛り分割数N又は目盛りラインと、切断ラインZ1〜Zkと、各切断ラインZ1〜Zkの基準目盛りラインと、1目盛りの長さに対する基準目盛りラインから切断ラインZ1〜Zkまでの長さの割合D1〜Dkとが、画像、数値、又は画像及び数値として含まれる。作業者は、この表示部26に表示された情報を見て、まず、物品の全長を目盛り分割数Nに等分割する目盛りラインを仮想的に配置し、基準目盛りラインを定め、基準目盛りラインとその直ぐ右側の目盛りラインの1目盛りに対して割合D1〜Dkとなる位置に各切断ラインZ1〜Zkの見当を付け、各切断ラインZ1〜Zkで物品を切断する。これにより、作業者は、一塊の物品からk個の切出重量値Mの切片を切り出すことができる。
【0059】
(適用例3)
以下では、上述した切断位置情報の作成の流れ(ステップS31〜ステップS34)を、具体的な数値を用いた適用例3に当てはめて説明する。図10は適用例3を説明する図、図11は適用例3に係る切断位置指示画面の図である。
【0060】
図10に示すように、適用例3では、1000gの一塊のダイコンから、切出重量値Mが150gの複数の切片を切り出すこととする。演算制御部20は、切断位置情報を作成するに際して、まず、目盛り分割数Nを得る(ステップS31)。ここで、演算制御部20はダイコンの物品モデルを読み出して、目盛り分割数N(=8)を得た。
【0061】
次に、演算制御部20は、物品の全長を目盛り分割数N(=8)の目盛り分割片に分割したときの、各目盛り分割片の重量を、物品モデルを用いて算出する(ステップS32)。ここで、各目盛り分割片の重量は、左側から順に、80g,100g,105g,115g,170g,150g,145g,135gと算出された。
【0062】
続いて、演算制御部20は、物品の左端(一端)からk(=6)個の切出重量値M(=150)の切片を連続して切断する各切断ラインZ1〜Z6の位置を、物品モデルを用いて算出する(ステップS33)。各切断ラインZ1〜Z6の直ぐ左側の目盛りラインを基準目盛りラインとし、基準目盛りラインとその右側の目盛りラインの間の1目盛りに対する長さの割合D1〜D6は、左側から順に、70%,13%,29%,20%,21%,26%と算出された。
【0063】
そして、演算制御部20は、目盛り分割数N(=8)と、各切断ラインZ1〜Z6の基準目盛りラインと、1目盛りの長さに対する基準目盛りラインから切断ラインZ1〜Zkまでの長さの割合D1〜Dkとを、少なくとも含む切断位置情報を作成し(ステップS34)、この切断位置情報を含む切断位置指示情報を作成して、操作表示器24に出力する。すると、例えば図11に示すような切断位置指示画面が、操作表示器24の表示部26に表示される。図11に示す切断位置指示画面では、物品モデルに基づく物品の二次元的形状、切断の目安となる目盛りライン、及び、各切断ラインZ1〜Z6が画像として表示され、目盛り分割数N(=8)、及び、1目盛りに対する基準目盛りラインから切断ラインZ1〜Z6までの長さの割合D1〜D6が数値として表示されている。
【0064】
切断作業を行う作業者は、この切断位置指示画面に表示された情報を視認して、まず、物品の全長を8つに等分割する目盛りラインを仮想的に配置し、物品の左端から1つめの目盛りラインから2つめの目盛りラインまでの1目盛りに対する長さの割合が70%となる切断ラインZ1の位置の目安をつけ、この切断ラインZ1で物品を切断する。これにより作業者は、1000gの一塊のダイコンからおおよそ150gの切片を切り出すことができる。なお、物品の各目盛りラインに相当する位置に印をつければ、複数の切片を連続して切り出すことができる。
【0065】
(切断位置指示装置10と好適な周辺機器との組み合わせ例)
上記切断位置指示装置10と組み合わせると、より精確に一塊の物品から所望重量の切片を切り出すことが可能となるような周辺機器の一例として、物品上に目盛りラインを配置する機能を備えた電子はかり30を挙げることができる。なお、実施の形態1及び実施の形態2で使用される電子はかり30は、はかり皿に静置された物品の重量を計測することができる公知の電子はかり30である。電子はかり30に、物品上に目盛りラインを配置する機能を備えることによって、目盛りラインの位置の精度が高まり、切片の切断位置の精度が高まることが期待される。
【0066】
物品上に目盛りラインを配置する機能を備えた電子はかり30は、例えば、以下のように構成することができる。図12は、切断位置指示装置と組み合わされた好適な電子はかりの構成を説明する図である。図12に示すように、電子はかり30のはかり皿31の上にメジャー33が設けられている。このメジャー33には、目盛りラインを示すカーソル32が設けられている。はかり皿31には、1/8,2/8,,,8/8と、物品の全長を8に等分割するように8つのカーソル32が設けられており、これらのカーソル32は隣接するカーソル同士の間隔を均一に維持しつつ移動できるように機械的に構成されている。このように構成された電子はかり30のはかり皿31において、物品の一端をメジャー32の始端に位置合わせ、物品の他端を8/8のカーソル32に位置合わせることにより、物品の全長を精確に8等分する目盛りラインを容易に視覚で捉えることができる。なお、電子はかりのはかり皿に代えて、物品を切断する際に使用するまな板にメジャー及びカーソルを設けることもできる。また、カーソルは機械的構成に限定されず、例えば、カーソル位置をランプやレーザー発光器から発光された光で示すように構成することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明は、物品の一塊から所定重量の切片を切り出すために利用することができ、切り出された切片は、例えば、組み合わせ秤などで計量される被計量物として使用することができる。
【符号の説明】
【0068】
10 切断位置指示装置
20 演算制御部(演算部)
21 CPU
22 ROM
23 RAM
24 操作表示器
25 入力部
26 表示部
30 電子はかり
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品等の物品の単一の塊を切断して所定重量の切片を得るために、切断位置の目安を指示する方法及びそのための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、魚や肉、野菜などの食品は、単一の塊から一切れなどの利用しやすい大きさ又は重量にカットされた状態でパッケージングされて販売されることがある。このとき、単一の塊から切り出される複数の切片は、例えば100gなどの定重量にほぼ揃っていることが、一パックあたりの販売価格を統一するなどの取り扱いの便宜を図るうえで好ましい。例えば、食品のハムのように、長さ方向に亘って断面が一定であり且つ長さ方向に亘って重量分布が一定であるような物品の場合には、物品の一つの塊を等しい厚さに輪切りすることによって等しい重量の切片を何度も切り出すことが容易である。しかし、多くの物品は、全長に亘って重量の分布が一様ではない。このような場合に、物品の一つの塊から所定重量の切片を一回又は複数回切り出すために、人間が勘を頼って物品の切断作業を行うと、相当な熟練者である場合を除いて切片の重量にばらつきが生じるという問題があった。
【0003】
そこで、特許文献1では、被計量物の塊から所望重量又は所望金額だけを分割して切り出す場合に、その分割比を表示させる分割秤が提案されている。この分割秤は、被計量物の重量を計量する計量部と、分割しようとする重量又は金額を入力するための入力部と、この入力部から入力された分割重量値または分割金額を被除数として分割率の演算を行う演算部と、得られた分割率を表示する表示部とを備えている。
【0004】
また、特許文献2では、魚体を定重量の切り身として加工する自動計量切断装置が開示されている。この自動計量切断装置は、予め魚種ごとに魚体重量のデータを集積し、魚体の平均重量に対する切り身を作るためのカッターの移動量とカッターの傾き角度の平均値を予め記憶させておき、処理する魚体が搬送されてくるとその重量を計測し、記憶されている平均重量と比較したうえ、記憶されているカッターの平均移動量と平均傾き角度を読み出して、処理すべき魚体重量に対応したカッターの移動量と傾き角度を演算して、カッターに出力するようにしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平1−89333号公報
【特許文献2】特公平5−11770号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献2に記載の自動計量切断装置のように自動的に物品を計量して切断する装置は、より精密に所定重量の切片を得ることが可能であるが、計測のための機器や切断具を備えることから装置が高額となり、メンテナンスも複雑である。これに対し、切り出した切片の重量がおおよそ揃っていれば十分である場合があり、比較的安価で取り扱いの容易な装置のニーズがある。
【0007】
これに対し、特許文献1に記載の分割秤は、特許文献2に記載の自動計量切断装置と比較して安価に製造することが可能であるが、特に、全長に亘って重量の分布が一様ではない物品の塊から所定重量の切片を切り出そうとする場合には、各切片の重量にばらつきが大きくなりがちである。
【0008】
そこで本発明では、特許文献1に記載の分割秤をさらに進歩させ、手動で物品の切断作業を行う作業者に、より精確で理解しやすい切断位置の目安を指示することのできる切断位置指示装置及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る切断位置指示装置は、一塊の物品をその全長方向と略直交する方向に切断して所定の切出重量の切片を切り出すための切断ラインの位置を、前記物品の総重量と前記物品の比重分布とから決定し、前記物品の全長を2の累乗数で等分割する目盛りのうち前記切断ラインの一方に隣接する前記目盛りを基準目盛りとし、1目盛りに対する前記基準目盛りから前記切断ラインまでの長さの割合を算出する演算部と、前記演算部の出力を受けて、前記目盛りと、前記基準目盛りと、前記切断ラインと、1目盛りに対する前記基準目盛りから前記切断ラインまでの長さの割合とを、少なくとも画面に表示する表示部とを、備えているものである。
【0010】
また、本発明に係る切断位置指示方法は、一塊の物品をその全長方向と略直交する方向に切断して所定の切出重量の切片を切り出すための切断ラインの位置に関する演算を行う演算部と、前記演算部の出力を受けて前記切断ラインの位置に関する情報を画面に表示する表示部とを備えた切断位置指示装置を用い、前記演算部で、前記切断ラインの位置を、前記物品の総重量と前記物品の比重分布とから決定し、前記物品の全長を2の累乗数で等分割する目盛りのうち前記切断ラインの一方に隣接する前記目盛りを基準目盛りとし、1目盛りに対する前記基準目盛りから前記切断ラインまでの長さの割合を算出するステップと、前記表示部で、前記目盛りと、前記基準目盛りと、前記切断ラインと、1目盛りに対する前記基準目盛りから前記切断ラインまでの長さの割合とを、少なくとも画面に表示するステップとを、行うものである。
【0011】
上記発明によれば、切断の目安となる目盛りは人間が視覚で容易に見当がつく物品の全長を2の累乗数で分割した位置であり、物品の切断位置は物品の全長と比較して短い1目盛りに対する割合として表示されるので、より精確で理解しやすい切断位置の目安を作業者に指示することができる。従って、作業者がその感覚に基づいて、切断位置指示装置で指示された切断位置で物品を切断することにより、切出重量に近い重量の切片をより高い精度で切り出せることが、期待できる。
【0012】
本発明において、前記切断位置指示装置は、前記物品の総重量を計量してその計量信号を前記演算部に送信する計量部を、さらに備えていてもよい。係る構成により、物品の総重量を精確且つ簡易に演算部に入力することができる。
【0013】
また、前記切断位置指示装置において、前記演算部は、切断の目標となる目標価格と前記物品の単位重量あたりの価格とから、前記目標価格に相当する前記切出重量を算出するように構成してもよい。係る構成により、所望の目標価格に相当する物品の切片を切断するための切断位置の指示を得ることができる。
【0014】
或いは、前記切断位置指示装置において、前記演算部は、切断の目標となる目標カロリーと前記物品の単位重量あたりの消費カロリーとから、前記目標カロリーに相当する前記切出重量を算出するように構成してもよい。係る構成により、所望の目標カロリーに相当する物品の切片を切断するための切断位置の指示を得ることができる。
【0015】
或いは、前記切断位置指示装置において、前記演算部は、切断の目標となる目標分割数と前記物品の総重量とから、前記物品の総重量を前記目標分割数に重量等分して前記切出重量を算出するように構成してもよい。係る構成により、所望の目標分割数で重量等分された物品の切片を切断するための切断位置の指示を得ることができる。
【0016】
或いは、前記切断位置指示装置において、前記演算部は、切断の目標となる目標重量と前記物品の総重量とから、前記目標重量により近い重量で物品を重量等分できる最適分割数を算出し、さらに、前記物品の総重量を前記最適分割数に重量等分して前記切出重量を算出するように構成してもよい。係る構成により、所望の目標重量により近い重量で、無駄なく物品を重量等分できる切断位置の指示を得ることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、切断の目安となる目盛りは人間が視覚で容易に見当がつく物品の全長を2の累乗数で分割した位置であり、物品の切断位置は物品の全長と比較して短い1目盛りに対する割合として表示されるので、より精確で理解しやすい切断位置の目安を作業者に指示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態1に係る切断位置指示装置の構成を示す模式図である。
【図2】切断位置指示処理の流れを示すフローチャートである。
【図3】切断位置情報を作成する流れを示すフローチャートである。
【図4】適用例1を説明する図である。
【図5】適用例1に係る切断位置指示画面の図である。
【図6】適用例2を説明する図である。
【図7】適用例2に係る切断位置指示画面の図である。
【図8】適用例2に係る切断位置指示画面の変形例の図である。
【図9】実施の形態2に係る切断位置指示装置の切断位置情報を作成する流れを示すフローチャートである。
【図10】適用例3を説明する図である。
【図11】適用例3に係る切断位置指示画面の図である。
【図12】切断位置指示装置と組み合わされた好適な電子はかりの構成を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら、詳細に説明する。なお、以下では全ての図を通じて同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複説明を省略する。
【0020】
人間は、物品のおおよそ半分の位置を目視で容易に捉えることができる。そして、人間は、物品のおおよそ半分の位置のさらに半分、つまり、物のおおよそ1/4の位置を目視で容易に捉えることができる。このように、人間は、物品の2の累乗分の1のおおよその位置を目視で容易に捉えることができる。本発明に係る定量切断目安指示装置及び方法は、このような人間の特性を利用して、人間が物品の一塊から所定重量の一切れを容易に切り出せるようにするためのものである。
【0021】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1に係る切断位置指示装置について、図1を参照しながら説明する。図1は本発明の実施の形態1に係る切断位置指示装置の構成を示す模式図である。
【0022】
図1に示すように、切断位置指示装置10は、切断位置指示装置10の制御と各種演算を行う演算制御部20を備えている。演算制御部20は、CPU21を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU21の他に処理プログラム等を記憶するROM22と、データを一時的に記憶するRAM23と、図示しない入出力ポートとを備えている。
【0023】
さらに、演算制御部20には、操作表示器24と電子はかり30とが接続されている。操作表示器24は、指令や情報の入力を行なうタッチパネル式の入力部25と、CPU21の出力を受けて情報や指令の入力画面や物品の切断位置などを表示する表示部26とにより構成されている。演算制御部20には、電子はかり30からの計量信号と、操作表示器24の入力部25からの入力信号とが入力ポートを介して入力される。また、演算制御部20からは、電子はかり30への計量要求信号と操作表示器24の表示部26への表示画像信号とが出力ポートを介して出力される。
【0024】
そして、ROM22には、切断位置指示装置10が、少なくとも本実施の形態において説明する切断位置指示処理を実行するのに必要なプログラム及びデータが記録されている。また、RAM23には、複数の物品モデルが記憶されており、これらの物品モデルは、切断位置指示装置10が行う処理のなかでCPU21により適宜読み出されて演算等に利用される。ここで各物品モデルは、物品名又はそのIDなどの識別情報と、物品の二次元的形状に関する情報と、二次元的形状の全体を1とした場合の二次元的形状の各点における比重分布に関する情報と、単位重量あたりの価格情報と、単位重量あたりの消費カロリー情報とを少なくとも含んで構成されている。物品モデルに含まれる情報は、少なくとも複数の物品のサンプルを計測して得られた平均的な値から作成されている。
【0025】
上記構成の演算制御部20において、CPU21が、ROM22に記録されたデータやRAM23に記録された情報を参照しつつ、ROM22に記録された所定のプログラムを実行することにより、演算制御部20は、後述する切断位置に関する情報を作成するための演算を実行する演算実行部、算出された切断位置に関する情報を操作表示器24の表示部26に表示させる出力実行部として、切断位置指示装置10を機能させる。
【0026】
(切断位置指示処理の流れ)
続いて、切断位置指示装置10で行う切断位置指示処理の流れについて、図2を用いて説明する。図2は切断位置指示処理の流れを示すフローチャートである。
【0027】
まず、一塊の物品から所定重量の切片を切り出そうとする作業者は、電子はかり30のはかり皿の上に物品を静置し、操作表示器24を介して計量指令を演算制御部20に入力する。演算制御部20は、計量指令を受けて(ステップS1)、電子はかり30に計量要求を出力し(ステップS2)、電子はかり30からの物品の総重量の計量信号を取得する(ステップS3)。なお、電子はかり30を切断位置指示装置10に備えることにより、物品の総重量を精確且つ簡易に演算制御部20に入力することができるが、物品の総重量は、操作表示器24を介して演算制御部20に入力されるように構成することもできる。
【0028】
続いて、作業者は操作表示器24を操作して、演算制御部20のRAM23に格納された複数の物品モデルのなかから物品に相当する1つの物品モデルを選択する。この物品モデルの選択情報は、操作表示器24の入力部25から演算制御部20へ入力される(ステップS4)。演算制御部20は、受け取ったモデル選択情報に基づいてRAM23に格納された複数の物品モデルのなかから使用する1つの物品モデルを読み出す(ステップS5)。
【0029】
続いて、作業者は、操作表示器24を操作して、利用可能に登録されている複数の演算モードのなかから1つの演算モードを選択し、さらに、切断位置表示ボタンを操作して、これらの演算モード選択情報と切断位置表示指令を演算制御部20へ入力する(ステップS6,S7)。演算モード選択情報と切断位置表示指令を取得した演算制御部20は、まず、選択された演算モードに応じて一塊の物品から切り出される切片の重量値(切出重量値M)を決定する(ステップS8)。
【0030】
ここで「演算モード」として、目標重量の切片を切り出すための切断位置の指示を得る第1モード、目標価格の切片を切り出すための切断位置の指示を得る第2モード、目標カロリーの切片を切り出すための切断位置の指示を得る第3モード、目標分割数の切片を切り出すための切断位置の指示を得る第4モード、及び、物品の一塊を無駄なく等分できる数の目標重量に近い切片を切り出すための切断位置の指示を得る第5モードの、複数の演算方法が切出重量値Mを決定するために用意されている。
【0031】
第1モードが選択された場合に、演算制御部20は、切断の目標となる重量の値の入力を要求し、入力された重量の値を切出重量値Mと決定する。第2モードが選択された場合に、演算制御部20は、切断の目標となる目標価格と単価(単位重量あたりの価格)との入力を要求し、入力された目標価格と単価とから目標価格に相当する重量を算出し、算出された重量を切出重量値Mと決定する。第3モードが選択された場合に、演算制御部20は、切断の目標となる目標カロリーの入力を要求し、入力された目標カロリーと物品モデルに含まれる単位重量あたりの消費カロリーに関する情報とから目標カロリーに相当する重量を算出し、算出された重量を切出重量値Mと決定する。第4モードが選択された場合に、演算制御部20は、切断の目標となる目標分割数の入力を要求し、入力された目標分割数と電子はかり30より取得した物品の総重量とから、物品を目標分割数に重量等分したときの重量を算出し、算出された重量を切出重量値Mと決定する。第5モードが選択された場合に、演算制御部20は、切断の目標となる目標重量の入力を要求し、入力された目標重量と電子はかり30より取得した物品の総重量とから、目標重量により近い重量で物品を無駄なく重量等分できる最適分割数を算出し、さらに、物品を最適分割数に重量等分したときの重量を算出し、算出された重量を切出重量値Mと決定する。
【0032】
上述のように演算モードに応じた演算が行われることにより切出重量値Mが決定すると、演算制御部20は、一塊の物品をその全長方向と略直交する方向に切断して切出重量値Mの切片を切り出すための切断ラインZの位置に関する情報、すなわち、切断位置情報を作成する(ステップS9)。図3は切断位置情報を作成する流れを示すフローチャートである。
【0033】
図3に示すように、演算制御部20は、切断位置情報を作成するに際して、まず、切出重量値Mに相当する切断ラインZの位置を決定する(ステップS21)。切断ラインZは、物品の全長方向に対して略直交する方向(物品の全長方向に対して直交する方向から+−10度の傾きの範囲内)の線分であり、この切断ラインZが一塊の物品から切出重量値Mの切片を切り出す時の切断線となる。演算制御部20は物品モデルを用いて、物品の左端(一方端)から切断ラインZまでの重量が切出重量値Mとなるように、切断ラインZの位置を算出する(ステップS21)。このときの切断ラインZの位置は、物品の全長に対する物品の左端から切断ラインZまでの長さの割合Dzとして表される。
【0034】
次に、演算制御部20は、目盛り分割数Nを決定する(ステップS22)。これに際し、演算制御部20は、まず、割合Dzが1/2n(2のn乗分の1)よりも小さくなるような最も小さい実数nを算出し、この実数nから1だけ少ない数で2を累乗した数を目盛り分割数Nと定める。そして、物品の全長を目盛り分割数Nで等分割したときの各分割片の境界位置と、物品の両端とに、目盛りラインが設定される。ここで「目盛りライン」とは、物品に仮想的に付けられた目盛りであり、物品を切断しようとする作業者はこの目盛りラインを利用することで容易に切断ラインZの位置の見当をつけることができる。目盛りラインは過度に数が多くなるとその位置の誤差が大きくなるとともに作業者の感覚が混乱するので、目盛り分割数Nは16を超えないようにすることが望ましい。
【0035】
続いて、演算制御部20は、隣接する目盛りライン間の長さを1目盛りとし、切断ラインZの一方(ここでは、左側)に隣接する目盛りラインを「基準目盛りライン」とし、1目盛りに対する基準目盛りラインから切断ラインZまでの長さの割合Dを算出する(ステップS23)。ここで基準目盛りラインは、最も左側に位置する目盛りライン、すなわち、物品の左端である。
【0036】
そして、演算制御部20は、目盛り分割数Nと、物品の全長に対する物品の左端から切断ラインZまでの長さの割合Dzと、基準目盛りラインと、1目盛りに対する基準目盛りラインから切断ラインZまでの長さの割合Dとを、少なくとも含む切断位置情報を作成する(ステップS24)。
【0037】
そして、上述の通り切断位置情報が作成されると、図2に戻って、演算制御部20は、少なくとも切断位置情報を含む切断位置指示情報を作成し、操作表示器24の表示部26に出力して(ステップS10)、切断位置指示処理を終了する。なお、切断位置指示情報は、切断位置情報のほか、物品モデルに含まれる二次元的外形状や切出重量値Mなども含めた画像情報とすることが望ましい。
【0038】
切断位置指示情報の出力を受けた操作表示器24では、少なくとも、目盛り分割数N又は目盛りラインと、切断ラインZと、基準目盛りラインと、1目盛りに対する基準目盛りラインから切断ラインZまでの長さの割合Dとが、画像、数値、又は画像及び数値として表示部26に表示される。作業者は、この表示部26に表示された情報を見て、まず、物品の全長を目盛り分割数Nに等分割する各目盛りラインを仮想的に配置し、基準目盛りラインとこれの右側に隣接する目盛りラインの位置の見当をつけ、基準目盛りラインからの長さが1目盛りに対して割合Dとなる位置に切断ラインZの見当をつけ、この切断ラインZで物品を切断する。これにより、作業者は、物差しなどで物品や切片の長さを測ることなく、一塊の物品からおおよそ切出重量値Mの切片を切り出すことができる。
【0039】
上述のように、切断位置指示装置10では、切断の位置の目安となる目盛りラインは、物品の全長に対する1/2,1/4,1/8,又は1/16の長さ位置であるので、目盛りラインの位置は他の数(例えば、3,5など)を目盛り分割数Nとする場合と比較して、人間が視覚で見当を付け易い。これに加え、物品の切断位置(切断ラインZ)を、物品の全長と比較して短い1目盛りに対する長さの割合Dとして表示することで、より精確で理解しやすい切断位置の目安を作業者に指示することができる。従って、作業者がその感覚に基づいて、切断位置指示装置10で指示された切断位置(切断ラインZ)で物品を切断することにより、切出重量値Mに近い重量の切片をより高い精度で切り出せることが、期待できる。
【0040】
なお、上記の切断位置指示装置10では、一塊の物品を左端部から切断して切出重量値Mの切片を切り出すことを想定して処理が行われているが、一塊の物品を右端部から切断するように処理を設定することもできる。
【0041】
(適用例1)
以下では、上述した切断位置指示処理のうち切断位置情報の作成(ステップS9)から切断位置指示情報を出力(ステップS10)するまでの流れを、具体的な数値を用いた適用例1に当てはめながら説明する。図4は適用例1を説明する図であり、図5は適用例1に係る切断位置指示画面の図である。
【0042】
図4に示すように、適用例1では、500gの一塊のニンジンから、切出重量値Mが100gの切片を切り出すこととする。まず、演算制御部20は、ニンジンの物品モデルに含まれる情報を参照して、500gの一塊のニンジンから100gの切片を得るための切断ラインZの位置を算出する(ステップS21)。これにより算出された、物品の全長に対する物品の左端から切断ラインZまでの長さの割合Dzは、21/100(21%)であった。
【0043】
次に、演算制御部20は、目盛り分割数Nを決定する(ステップS22)。割合Dz(=21/100)により導き出される目盛り分割数Nは4である。続いて、演算制御部20は、物品の左端を基準目盛りラインとし、基準目盛りラインから切断ラインZまでの長さの割合Dを算出する(ステップS23)。これにより算出された、基準目盛りラインから切断ラインZまでの長さの割合Dは、85/100(85%)であった。さらに、演算制御部20は、目盛り分割数N(=4)と、物品の全長に対する物品の左端から切断ラインZまでの長さの割合Dz(=21/100)と、基準目盛りラインと、1目盛りの長さに対する基準目盛りラインから切断ラインZまでの長さの割合D(=85/100)とを、少なくとも含む切断位置情報を作成する(ステップS24)。
【0044】
そして、演算制御部20は、少なくとも切断位置情報を含む切断位置指示情報を作成し、操作表示器24の表示部26に出力する(ステップS10)。すると、例えば図5に示すような切断位置指示画面が、操作表示器24の表示部26に表示される。図5に示す切断位置指示画面では、物品モデルに基づく物品の二次元的形状、切断の目安となる目盛りライン、基準目盛りライン、及び切断ラインZが画像として表示され、目盛り分割数N、及び1目盛りの長さに対する基準目盛りラインから切断ラインZまでの長さの割合Dが数値として表示されている。なお、図4に示す切断位置指示画面では、割合Dをパーセント表示しているが、分数表示など他の表現方法で表示されていてもよい。また、基準目盛りラインは他の目盛りラインとの区別が容易となるように、互いに異なる色で表示することが好ましい。
【0045】
そして、切断作業を行う作業者は、この切断位置指示画面に表示された情報を視認して、まず、物品の全長を4つに等分割する目盛りラインを仮想的に配置し、物品の左端を基準目盛りラインとし、基準目盛りラインとその直ぐ右側の目盛りラインまでの1目盛りに対する長さの割合が85%となる位置に切断ラインZの見当を付け、この切断ラインZで物品を切断する。これにより作業者は、500gの一塊のニンジンからおおよそ100gの切片を切り出すことができる。
【0046】
(適用例2)
以下では、切断位置指示装置10の切断位置指示処理のうち切断位置情報の作成(ステップS9)から切断位置指示情報を出力(ステップS10)するまでの流れを、具体的な数値を用いた適用例2に当てはめて説明する。図6は適用例2を説明する図、図7は適用例2に係る切断位置指示画面の図、図8は適用例2に係る切断位置指示画面の変形例の図である。
【0047】
図6に示すように、適用例2では、500gの一塊の魚から、切出重量値Mが145gの切片を切り出すこととする。まず、演算制御部20は、魚の物品モデルに含まれる情報を参照して、500gの一塊の魚から145gの切片を得るための切断ラインZの位置を算出する(ステップS21)。なお、物品モデルの情報は、魚の頭部及び尾部などの排棄部位は切出重量値Mから除外されるように構成されている。これにより算出された、物品の全長に対する物品の左端から切断ラインZまでの長さの割合Dzは、36/100(36%)であった。
【0048】
次に、演算制御部20は、目盛り分割数Nを決定する(ステップS22)。割合Dz(=36/100)により導き出される目盛り分割数Nは2である。続いて、演算制御部20は、物品の左端を基準目盛りラインとし、1目盛りに対する基準目盛りラインから切断ラインZまでの長さの割合Dを算出する(ステップS23)。これにより算出された、1目盛りに対する基準目盛りラインから切断ラインZまでの長さの割合Dは、72/100(72%)であった。さらに、演算制御部20は、目盛り分割数N(=2)と、物品の全長に対する物品の左端から切断ラインZまでの長さの割合Dz(=36/100)と、基準目盛りラインと、1目盛りの長さに対する基準目盛りラインから切断ラインZまでの長さの割合D(=72/100)とを、少なくとも含む切断位置情報を作成する(ステップS24)。
【0049】
そして、演算制御部20は、少なくとも切断位置情報を含む切断位置指示情報を作成し、操作表示器24の表示部26に出力する(ステップS10)。すると、例えば図7に示すような切断位置指示画面が、操作表示器24の表示部26に表示される。図7に示す切断位置指示画面では、物品モデルに基づく物品の二次元的形状、切断の目安となる目盛りライン、基準目盛りライン、及び切断ラインZが画像として表示され、目盛り分割数N、及び1目盛りの長さに対する基準目盛りラインから切断ラインZまでの長さの割合Dが数値として表示されている。
【0050】
切断作業を行う作業者は、この切断位置指示画面に表示された情報を視認して、まず、物品の全長を2つに等分割する目盛りラインを仮想的に配置し、物品の左端を基準目盛りラインとし、この基準目盛りラインとその右側に隣接する目盛りラインとの間の1目盛りに対する長さの割合が72%となる位置に切断ラインZの見当を付け、この切断ラインZで物品を切断する。これにより作業者は、500gの一塊の魚から可食部位がおおよそ145gとなる切片を切り出すことができる。
【0051】
なお、ステップS22において目盛り分割数Nが2又は4と算出された場合には、その目盛り分割数Nをさらに2乗した数を目盛り分割数Nとして決定するように演算制御部20を構成しても良い。この場合、例えば、図8に示すように、基準目盛りラインは、物品の左端に位置する目盛りラインではなく、切断ラインZの直ぐ左側に位置する目盛りラインとなる。
【0052】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係る切断位置指示装置10を説明する。実施の形態1に係る切断位置指示装置10は、一塊の物品の一方端から切出重量値Mに近い重量の1つの切片を切り出すための切断位置を指示するように構成されている。これに対し、実施の形態2に係る切断位置指示装置10では、一塊の物品の一方端から切出重量値Mに近い重量の切片を連続して切り出すための切断位置を指示するように構成されている。以下に説明する実施の形態2に係る切断位置指示装置10のハード構成は、前述の実施の形態1に係る切断位置指示装置10と同一であるので、重複する説明を省略する。
【0053】
次に、実施の形態2に係る切断位置指示装置10の切断位置指示処理の流れを説明する。切断位置指示装置10が実行する切断位置指示処理は、実施の形態1に係る切断位置指示装置10が行う切断位置指示処理(図2)と比較して、切断位置情報を作成するステップ(図2のステップS9)を除いて同一である。よって、以下では切断位置情報の作成の流れについて説明し、他のステップに係る処理は説明が重複するので省略する。
【0054】
図9は実施の形態2に係る切断位置指示装置の切断位置情報を作成する流れを示すフローチャートである。図9に示すように、演算制御部20は、切断位置情報を作成するに際して、まず、目盛り分割数Nを得る(ステップS31)。ここで、演算制御部20は、物品モデルに予め情報として登録されている値から目盛り分割数Nの値を得るように構成されているが、新たに入力を要求して入力された数値を取得するように構成されたり、後述する各目盛り分割片の重量が切出重量値Mより小さくなる値を算出して値を得るように構成されたりしてもよい。なお、目盛り分割数Nは、16を超えないようにすることが望ましい。
【0055】
次に、演算制御部20は、物品の全長を目盛り分割数Nの等しい長さの分割片(目盛り分割片)に分割したときの、各目盛り分割片の重量を、物品モデルを用いて算出する(ステップS32)。なお、各目盛り分割片の境界線と、物品の両端とが、目盛りラインとなる。
【0056】
続いて、演算制御部20は、物品の左端(一端)からk個の切出重量値Mの切片を連続して切断する各切断ラインZ1〜Zkの位置を、物品モデルを用いて算出する(ステップS33)。このとき、演算制御部20は、各切断ラインZ1〜Zkの直ぐ左側に位置する目盛りラインを基準目盛りラインと定め、1目盛りの長さに対する基準目盛りラインから切断ラインZ1〜Zkまでの長さの割合D1〜Dkとして、各切断ラインZ1〜Zkの位置を算出する(ステップS33)。
【0057】
そして、演算制御部20は、目盛り分割数Nと、各切断ラインZ1〜Zkの基準目盛りラインと、1目盛りの長さに対する基準目盛りラインから切断ラインZ1〜Zkまでの長さの割合D1〜Dkとを、少なくとも含む切断位置情報を作成する(ステップS34)。
【0058】
上記切断位置情報を含む切断位置指示情報は、操作表示器24に出力されて、その表示部26で表示される。この表示部26に表示された切断位置指示情報には、目盛り分割数N又は目盛りラインと、切断ラインZ1〜Zkと、各切断ラインZ1〜Zkの基準目盛りラインと、1目盛りの長さに対する基準目盛りラインから切断ラインZ1〜Zkまでの長さの割合D1〜Dkとが、画像、数値、又は画像及び数値として含まれる。作業者は、この表示部26に表示された情報を見て、まず、物品の全長を目盛り分割数Nに等分割する目盛りラインを仮想的に配置し、基準目盛りラインを定め、基準目盛りラインとその直ぐ右側の目盛りラインの1目盛りに対して割合D1〜Dkとなる位置に各切断ラインZ1〜Zkの見当を付け、各切断ラインZ1〜Zkで物品を切断する。これにより、作業者は、一塊の物品からk個の切出重量値Mの切片を切り出すことができる。
【0059】
(適用例3)
以下では、上述した切断位置情報の作成の流れ(ステップS31〜ステップS34)を、具体的な数値を用いた適用例3に当てはめて説明する。図10は適用例3を説明する図、図11は適用例3に係る切断位置指示画面の図である。
【0060】
図10に示すように、適用例3では、1000gの一塊のダイコンから、切出重量値Mが150gの複数の切片を切り出すこととする。演算制御部20は、切断位置情報を作成するに際して、まず、目盛り分割数Nを得る(ステップS31)。ここで、演算制御部20はダイコンの物品モデルを読み出して、目盛り分割数N(=8)を得た。
【0061】
次に、演算制御部20は、物品の全長を目盛り分割数N(=8)の目盛り分割片に分割したときの、各目盛り分割片の重量を、物品モデルを用いて算出する(ステップS32)。ここで、各目盛り分割片の重量は、左側から順に、80g,100g,105g,115g,170g,150g,145g,135gと算出された。
【0062】
続いて、演算制御部20は、物品の左端(一端)からk(=6)個の切出重量値M(=150)の切片を連続して切断する各切断ラインZ1〜Z6の位置を、物品モデルを用いて算出する(ステップS33)。各切断ラインZ1〜Z6の直ぐ左側の目盛りラインを基準目盛りラインとし、基準目盛りラインとその右側の目盛りラインの間の1目盛りに対する長さの割合D1〜D6は、左側から順に、70%,13%,29%,20%,21%,26%と算出された。
【0063】
そして、演算制御部20は、目盛り分割数N(=8)と、各切断ラインZ1〜Z6の基準目盛りラインと、1目盛りの長さに対する基準目盛りラインから切断ラインZ1〜Zkまでの長さの割合D1〜Dkとを、少なくとも含む切断位置情報を作成し(ステップS34)、この切断位置情報を含む切断位置指示情報を作成して、操作表示器24に出力する。すると、例えば図11に示すような切断位置指示画面が、操作表示器24の表示部26に表示される。図11に示す切断位置指示画面では、物品モデルに基づく物品の二次元的形状、切断の目安となる目盛りライン、及び、各切断ラインZ1〜Z6が画像として表示され、目盛り分割数N(=8)、及び、1目盛りに対する基準目盛りラインから切断ラインZ1〜Z6までの長さの割合D1〜D6が数値として表示されている。
【0064】
切断作業を行う作業者は、この切断位置指示画面に表示された情報を視認して、まず、物品の全長を8つに等分割する目盛りラインを仮想的に配置し、物品の左端から1つめの目盛りラインから2つめの目盛りラインまでの1目盛りに対する長さの割合が70%となる切断ラインZ1の位置の目安をつけ、この切断ラインZ1で物品を切断する。これにより作業者は、1000gの一塊のダイコンからおおよそ150gの切片を切り出すことができる。なお、物品の各目盛りラインに相当する位置に印をつければ、複数の切片を連続して切り出すことができる。
【0065】
(切断位置指示装置10と好適な周辺機器との組み合わせ例)
上記切断位置指示装置10と組み合わせると、より精確に一塊の物品から所望重量の切片を切り出すことが可能となるような周辺機器の一例として、物品上に目盛りラインを配置する機能を備えた電子はかり30を挙げることができる。なお、実施の形態1及び実施の形態2で使用される電子はかり30は、はかり皿に静置された物品の重量を計測することができる公知の電子はかり30である。電子はかり30に、物品上に目盛りラインを配置する機能を備えることによって、目盛りラインの位置の精度が高まり、切片の切断位置の精度が高まることが期待される。
【0066】
物品上に目盛りラインを配置する機能を備えた電子はかり30は、例えば、以下のように構成することができる。図12は、切断位置指示装置と組み合わされた好適な電子はかりの構成を説明する図である。図12に示すように、電子はかり30のはかり皿31の上にメジャー33が設けられている。このメジャー33には、目盛りラインを示すカーソル32が設けられている。はかり皿31には、1/8,2/8,,,8/8と、物品の全長を8に等分割するように8つのカーソル32が設けられており、これらのカーソル32は隣接するカーソル同士の間隔を均一に維持しつつ移動できるように機械的に構成されている。このように構成された電子はかり30のはかり皿31において、物品の一端をメジャー32の始端に位置合わせ、物品の他端を8/8のカーソル32に位置合わせることにより、物品の全長を精確に8等分する目盛りラインを容易に視覚で捉えることができる。なお、電子はかりのはかり皿に代えて、物品を切断する際に使用するまな板にメジャー及びカーソルを設けることもできる。また、カーソルは機械的構成に限定されず、例えば、カーソル位置をランプやレーザー発光器から発光された光で示すように構成することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明は、物品の一塊から所定重量の切片を切り出すために利用することができ、切り出された切片は、例えば、組み合わせ秤などで計量される被計量物として使用することができる。
【符号の説明】
【0068】
10 切断位置指示装置
20 演算制御部(演算部)
21 CPU
22 ROM
23 RAM
24 操作表示器
25 入力部
26 表示部
30 電子はかり
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一塊の物品をその全長方向と略直交する方向に切断して所定の切出重量の切片を切り出すための切断ラインの位置を、前記物品の総重量と前記物品の比重分布とから決定し、前記物品の全長を2の累乗数で等分割する目盛りのうち前記切断ラインの一方に隣接する前記目盛りを基準目盛りとし、1目盛りに対する前記基準目盛りから前記切断ラインまでの長さの割合を算出する演算部と、
前記演算部の出力を受けて、前記目盛りと、前記基準目盛りと、前記切断ラインと、1目盛りに対する前記基準目盛りから前記切断ラインまでの長さの割合とを、少なくとも画面に表示する表示部とを、
備えていることを特徴とする切断位置指示装置。
【請求項2】
前記物品の総重量を計量してその計量信号を前記演算部に送信する計量部を、さらに備えている、
請求項1に記載の切断位置指示装置。
【請求項3】
前記演算部は、切断の目標となる目標価格と前記物品の単位重量あたりの価格とから、前記目標価格に相当する前記切出重量を算出する、
請求項1に記載の切断位置指示装置。
【請求項4】
前記演算部は、切断の目標となる目標カロリーと前記物品の単位重量あたりの消費カロリーとから、前記目標カロリーに相当する前記切出重量を算出する、
請求項1に記載の切断位置指示装置。
【請求項5】
前記演算部は、切断の目標となる目標分割数と前記物品の総重量とから、前記物品の総重量を前記目標分割数に重量等分して前記切出重量を算出する、
請求項1に記載の切断位置指示装置。
【請求項6】
前記演算部は、切断の目標となる目標重量と前記物品の総重量とから、前記目標重量により近い重量で物品を重量等分できる最適分割数を算出し、さらに、前記物品の総重量を前記最適分割数に重量等分して前記切出重量を算出する、
請求項1に記載の切断位置指示装置。
【請求項7】
一塊の物品をその全長方向と略直交する方向に切断して所定の切出重量の切片を切り出すための切断ラインの位置に関する演算を行う演算部と、前記演算部の出力を受けて前記切断ラインの位置に関する情報を画面に表示する表示部とを備えた切断位置指示装置を用い、
前記演算部で、前記切断ラインの位置を、前記物品の総重量と前記物品の比重分布とから決定し、前記物品の全長を2の累乗数で等分割する目盛りのうち前記切断ラインの一方に隣接する前記目盛りを基準目盛りとし、1目盛りに対する前記基準目盛りから前記切断ラインまでの長さの割合を算出するステップと、
前記表示部で、前記目盛りと、前記基準目盛りと、前記切断ラインと、1目盛りに対する前記基準目盛りから前記切断ラインまでの長さの割合とを、少なくとも画面に表示するステップとを、
行うことを特徴とする切断位置指示方法。
【請求項1】
一塊の物品をその全長方向と略直交する方向に切断して所定の切出重量の切片を切り出すための切断ラインの位置を、前記物品の総重量と前記物品の比重分布とから決定し、前記物品の全長を2の累乗数で等分割する目盛りのうち前記切断ラインの一方に隣接する前記目盛りを基準目盛りとし、1目盛りに対する前記基準目盛りから前記切断ラインまでの長さの割合を算出する演算部と、
前記演算部の出力を受けて、前記目盛りと、前記基準目盛りと、前記切断ラインと、1目盛りに対する前記基準目盛りから前記切断ラインまでの長さの割合とを、少なくとも画面に表示する表示部とを、
備えていることを特徴とする切断位置指示装置。
【請求項2】
前記物品の総重量を計量してその計量信号を前記演算部に送信する計量部を、さらに備えている、
請求項1に記載の切断位置指示装置。
【請求項3】
前記演算部は、切断の目標となる目標価格と前記物品の単位重量あたりの価格とから、前記目標価格に相当する前記切出重量を算出する、
請求項1に記載の切断位置指示装置。
【請求項4】
前記演算部は、切断の目標となる目標カロリーと前記物品の単位重量あたりの消費カロリーとから、前記目標カロリーに相当する前記切出重量を算出する、
請求項1に記載の切断位置指示装置。
【請求項5】
前記演算部は、切断の目標となる目標分割数と前記物品の総重量とから、前記物品の総重量を前記目標分割数に重量等分して前記切出重量を算出する、
請求項1に記載の切断位置指示装置。
【請求項6】
前記演算部は、切断の目標となる目標重量と前記物品の総重量とから、前記目標重量により近い重量で物品を重量等分できる最適分割数を算出し、さらに、前記物品の総重量を前記最適分割数に重量等分して前記切出重量を算出する、
請求項1に記載の切断位置指示装置。
【請求項7】
一塊の物品をその全長方向と略直交する方向に切断して所定の切出重量の切片を切り出すための切断ラインの位置に関する演算を行う演算部と、前記演算部の出力を受けて前記切断ラインの位置に関する情報を画面に表示する表示部とを備えた切断位置指示装置を用い、
前記演算部で、前記切断ラインの位置を、前記物品の総重量と前記物品の比重分布とから決定し、前記物品の全長を2の累乗数で等分割する目盛りのうち前記切断ラインの一方に隣接する前記目盛りを基準目盛りとし、1目盛りに対する前記基準目盛りから前記切断ラインまでの長さの割合を算出するステップと、
前記表示部で、前記目盛りと、前記基準目盛りと、前記切断ラインと、1目盛りに対する前記基準目盛りから前記切断ラインまでの長さの割合とを、少なくとも画面に表示するステップとを、
行うことを特徴とする切断位置指示方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−53070(P2011−53070A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−201959(P2009−201959)
【出願日】平成21年9月1日(2009.9.1)
【出願人】(505260556)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月1日(2009.9.1)
【出願人】(505260556)
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