切断工具、ストーマフランジ開孔具及びストーマフランジ収納具
【課題】 多くのオストミーシステム使用者又は介護者などにとって大変便利な切断工具などを提供する。
【解決手段】 本発明の第1の側面は、把持部材と、前記把持部材に接続された支点部材と、前記把持部材に接続された刃とを備え、前記把持部材によって切断する対象を平面的に押さえつけながら、前記支点部材を中心に前記把持部材を回転させることで切断することを特徴とする切断工具にある。本構成によれば、切断する対象を平面的に押さえつけながら切断するため安定して切断できる切断工具が得られる。
【解決手段】 本発明の第1の側面は、把持部材と、前記把持部材に接続された支点部材と、前記把持部材に接続された刃とを備え、前記把持部材によって切断する対象を平面的に押さえつけながら、前記支点部材を中心に前記把持部材を回転させることで切断することを特徴とする切断工具にある。本構成によれば、切断する対象を平面的に押さえつけながら切断するため安定して切断できる切断工具が得られる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、切断工具、ストーマフランジ開孔具及びストーマフランジ収納具に関する。
【背景技術】
【0002】
人工肛門患者は、いわゆるオストミーシステムを利用している。様々な疾患などのため直腸や関連部位を除去し、オストミーシステムを使用する人は増加傾向にある。オストミーシステムとは、人工尿口や人工肛門部位に、液漏れがないようにストーマフランジを肌に貼り、パウチ(尿や大便を収納する袋体)を付する排尿排便のシステムである。
【0003】
図10は、ストーマフランジ(ストーマ保護プレート)を示す図である。ストーマフランジは、中背面が貼着面である。オストミーシステム使用者又は介護者などが使用者毎に適した内径で開孔した後、使用者の身体に貼りつけて使用する。ストーマフランジは、尿路系用、消化器系用などの他に、メーカーにより種種の開発がなされ、形態や構造もいろいろであるが、肌に接着して使用する用法は共通している。基本的な構成は、裏面に接着層を備えた円盤形プレートである。中央にストーマを挿入するために開孔し、かつ液漏れがないように接着層をしっかり肌に付着させて使用するプレート状である。オストミーシステムは、ワンピースパウチシステムのもの、ツーピースシステムのものなどが開発されているが、いずれのシステムのストーマフランジも、基本的構成が円盤形で裏面に接着層を形成したものである。最近はツーピースシステムで、ストーマフランジの表面にパウチ(尿や大便を収納する袋体)に接続する作業をワンタッチで行う環状立縁を形成したものも開発されている。ストーマフランジは、オストミー又は介護者などがその部位毎に適した内径を有する孔をあけた後、使用者の身体に貼りつけて使用する。孔開けの手段には、はさみによる方法と、下降カッタを設けた開孔具での開孔手段が主に提案されている。
【0004】
一般には、ストーマフランジの開孔には曲線状に切断できるはさみが利用されてきた。使用前のストーマフランジには通常中心に直径1cm程の小さな孔があけられるような切り込みがあり、密封包装されている。開封してこの切り込みを押すと小孔が開くが、これにはさみを入れて、必要な形状の孔に切断して、不要部位を切除して適宜孔を自作していた。また、ストーマフランジには、孔をあける際の補助として中心に小孔を設けるとともに、この小孔と同心円状に溝が設けられているものがある。この溝をガイドとしてはさみで切断してゆき開孔する。
【0005】
はさみを使用しない方法としては、特開2000−166952号「ストーマ開孔具」などが提案されている。この提案はカッタを中心軸にガイドさせて下降してストーマ(この発明ではプレート自体をストーマと称している)をねじ切って開孔してゆくものである。開封してストーマを取り出し開孔具の軸にセットして切断作業を行っていた。微妙な形状を作成するために数度位置をずらして所望の形状の孔を形成するものである。また、実開平3−118716号「パウチ用フランジの穴開け用具」では、蓋付の円形カッタが提案されている。この考案は、ストッパー端面(円形部材)より切断厚だけ突出した円形刃を備えたものであり、いわゆる円形ポンチを提案するものである。さらに、特開2002−253590「開孔具付きストーマフランジ」では、接続用の環状立縁を備えたストーマフランジのその環状立縁のなかに所定径の円形刃を有するカッタを内嵌して押圧可変なケースで包装した開孔具付きストーマフランジが提供されている。
【0006】
一般のストーマフランジには、はさみを用いるために、孔をあける際の補助として中心に小孔切り込みを設けたものや、さらにこの小孔と同心状に溝が設けられているものがある。小孔からはさみを差し入れ適宜切ってゆくか、溝に沿ってはさみで切れば、概ね円形の大きな孔をあけることができる。しかし、オストミー毎に必要とされる孔の形状や寸法が異なるため、更に開けた孔の内縁の一部を切除して適宜形を形成する必要がある。厳密に見れば、切除は0.1mm程度の調製が必要になることもあるため、たいへんな作業になる。場合によっては溝の存在でうまく切除することができないこともあった。また、大掛かりな装置を用いた開孔方法、又は、広く市販されていない特殊なストーマフランジでは、ストーマフランジの利用者に購入、持参などの負担が大きくかかってしまう傾向があった。
【0007】
【特許文献1】特開2000−166952号
【特許文献2】実開平3−118716号
【特許文献3】特開2002−253590号
【特許文献4】特開2001−149396号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上述の背景技術に鑑みてなされたものであり、多くのオストミーシステム使用者又は介護者などにとって大変便利な切断工具などを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明によれば、上述の目的を達成するために、特許請求の範囲に記載のとおりの構成を採用している。以下、この発明を詳細に説明する。
【0010】
本発明の第1の側面は、
把持部材と、
前記把持部材に接続された支点部材と、
前記把持部材に接続された刃と
を備え、
前記支点部材を基板に嵌合させながら、前記支点部材を中心に前記把持部材を回転させることで切断することを特徴とする切断工具
にある。
【0011】
本構成によれば、切断工具の回転時の中心位置が安定するため、切断する対象を安定して切断できる切断工具が得られる。
【0012】
本発明の第2の側面は、
前記支点部材は、基板に嵌合する部分の断面形状が略円状であることを特徴とする切断工具
にある。
【0013】
本構成によれば、支点部材を基板に容易に嵌合させることができ、容易に切断準備ができる切断工具が得られる。
【0014】
本発明の第3の側面は、
把持部材と、
前記把持部材に接続された支点部材と、
前記把持部材に接続された刃と
を備え、
前記把持部材によって切断する対象を平面的に押さえつけながら、前記支点部材を中心に前記把持部材を回転させることで切断することを特徴とする切断工具
にある。
【0015】
本構成によれば、切断する対象を平面的に押さえつけながら切断するため安定して切断できる切断工具が得られる。
【0016】
本発明の第4の側面は、
前記支点部材と前記刃との距離の調整を、前記支点部材を前記把持部材に接続する位置の変更、及び、前記刃を前記把持部材に接続する位置の変更によって行うことを特徴とする請求項1又は3記載の切断工具
にある。
【0017】
本構成によれば、刃との距離の調整を、支点部材を把持部材に接続する位置の変更、及び、刃を把持部材に接続する位置の変更という2つの手法によって変更できるため、刃との距離の調整を多様にかつ繊細に行うことができる。
【0018】
本発明の第5の側面は、
ストーマフランジを切断するためのものであることを特徴とする請求項1又は3記載の切断工具
にある。
【0019】
本構成によれば、多くのオストミーシステム使用者又は介護者などにとって大変便利な切断工具が得られる。
【0020】
本発明の第6の側面は、
把持部材と、
前記把持部材上に接続された支点部材と、
前記把持部材に接続された刃と
を備え、
前記把持部材には支点部材が接続されることが可能な位置が複数あり、
前記支点部材と前記刃との距離の調整を、前記支点部材を前記把持部材に接続する位置の変更、及び、前記刃を前記把持部材に接続する位置の変更によって行うことを特徴とするストーマフランジ開孔具
にある。
【0021】
本構成によれば、支点部材と刃との距離の調整を、支点部材を把持部材に接続する位置の変更、及び、刃を把持部材に接続する位置の変更という2つの手法によって変更できるため、刃との距離の調整を多様にかつ繊細に行うことができるストーマフランジ開孔具が得られる。
【0022】
本発明の第7の側面は、
前記把持部材における刃の近傍には目盛りが設けられ、
前記目盛りは前記把持部材の陥没部分に位置することを特徴とする請求項6記載のストーマフランジ開孔具
にある。
【0023】
本構成によれば、磨耗しにくい部分に目盛りがあるため、長期間にわたって正確に刃の位置調整ができるストーマフランジ開孔具が得られる。
【0024】
本発明の第8の側面は、
請求項6又は7記載のストーマフランジ開孔具の少なくとも一部を収納することができ、
前記支点部材と嵌合することができる穴が設けられ、
ストーマフランジを切断する際にはストーマフランジを前記把持部材とともに挟むことを特徴とするストーマフランジ収納具
にある。
【0025】
本構成によれば、ストーマフランジを切断する際の台としても機能するため使用者が持ち歩く部品の数を減らすことができる。
【0026】
本発明の第9の側面は、
略柱形の把持部材と、
前記把持部材の上面上に固定された支点部材と、
前記把持部材に固定された弾性体と、
前記把持部材に前記弾性体を介して固定された支持部材と、
前記支持部材に固定された刃と
を備え、
前記把持部材の上面には支点部材を固定可能な箇所が複数あり、
前記把持部材の側面は陥没しており、陥没した位置には前記弾性体及び前記支持部材が収納され、
前記把持部材の陥没した位置における前記刃の近傍には目盛りが設けられ、
前記支点部材と前記刃との距離の調整を、前記支点部材を前記把持部材に固定する位置の変更、及び、前記支持部材を前記把持部材に固定する位置の変更によって行い、
前記把持部材の上面によってストーマフランジを平面的に押さえつけながら、かつ、前記支点部材を基板に設けた穴に嵌合させながら、前記支点部材を中心に前記把持部材を回転させることでストーマフランジを切断し、
前記支点部材は、基板に設けた穴に嵌合する部分の形状が円柱形状であることを特徴とするストーマフランジ開孔具
にある。
【0027】
本構成によれば、多くのオストミーシステム使用者又は介護者などにとって大変便利なストーマフランジ開孔具が得られる。
【0028】
なお、ストーマは、人工肛門自体を指すときと、その周辺の保護プレートを指すときがあるが、本明細書では、ストーマは人工肛門自体の意味で使用し、人工肛門等周辺に貼る保護フランジの意味ではストーマフランジという語を使用する。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、多くのオストミーシステム使用者又は介護者などにとって大変便利な切断工具などが得られる。
【0030】
本発明のさらに他の目的、特徴又は利点は、後述する本発明の実施の形態や添付する図面に基づく詳細な説明によって明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0032】
[発明に至る経緯]
【0033】
市販のストーマフランジの中心には小さな径の穴が予め開けられている。この径の大きさはストーマフランジの種類、製造業者によっても異なり、ストーマフランジの使用者それぞれに適切な大きさでさらに大きな径の穴を市販のストーマフランジに正確に開ける必要があった。
【0034】
しかしながら、上述のとおり、大掛かりな機械を用いて開けるか、又は、はさみなどを用いて不正確な径の穴を開けるなどの選択肢しか一般のストーマフランジの使用者にはなかった。術後からの日時の経過に伴い、ストーマフランジの適切な穴の大きさはわずかながら変化していくが正確に穴の大きさを調整して開孔することは困難であった。
【0035】
本発明は、ストーマフランジ使用者の実際の声を生かして発明に至ったものであり、極めて実用的な方法を提案する。
【0036】
[開孔具]
【0037】
本実施形態の開孔具は、例えばストーマフランジの開口のために使用される。
【0038】
図1は、本実施形態の開孔具を示す斜視図である。図2は、本実施形態の開孔具を示す他方向からの斜視図である。図3Aは、本実施形態の開孔具を示す下方向からの斜視図である。図3Bは、本実施形態の開孔具の断面図である。図4及び図5は、実際に試作した開孔具の一例(プロトタイプ)を示す写真である。
【0039】
開孔具10は、直径が異なる2つの略円柱形部材が組み合された形状をしている。開孔具10は、略円柱形の把持部材1と、把持部材1の上面上に接続された略円柱形の支点部材2とを備えている。把持部材1には、支点部材2と、支持部材6などを介した状態で刃5とが固定されている。
【0040】
把持部材1の上面には中心及び中心以外の位置に小さな穴3がいくつか開けられている。この穴の一つに支点部材2下部の突起を差し込むことで把持部材1の上面上に支点部材2が接続され固定されている。図のように、支点部材2の上面上には六角レンチ、ドライバーなどを差し込む金属製の固定具4を設けてもよく、この場合には六角レンチ、ドライバーなどを利用して小さな力で支点部材2を把持部材1の上面上の穴3にねじ込むことができる。固定具4はいわゆるアイボルト又は蝶番螺子などでもよい。支点部材2を別の大きさ又は形状のもの変更することにより、多様な市販のストーマフランジにも対応できる。
【0041】
把持部材1はその側面が略直方体状に陥没している。その陥没した位置(収納箇所1a)には、略三角形の鋭利な先端を有する刃5を固定支持する、略直方体板状の例えば金属製の支持部材6が収納されている。支持部材6と把持部材1とが組み合わされることで全体として略円柱形をなす。略円柱形をなすことで、開孔具の運搬、収納ケースへの収納などを容易にしている。支持部材6側面の略中心には、六角レンチなどを差し込む金属製の固定具7(又はアイボルト又は蝶番螺子など)を設けてもよい。この場合にも、六角レンチ、ドライバーなどを利用して小さな力で支持部材6を把持部材1の側面に設けられた収納箇所1aに接続することができる。さらに、把持部材1の側面に設けられた収納箇所内には、例えば金属製のらせん状ばね8が把持部材1の中心軸に直交する方向に伸びて設けられている。ばね8の一端は把持部材1に、他端は支持部材6に接続されている。ばね8又は固定具7は1つでなくとも複数設けてもよい。支持部材6の位置を、固定具7を回転することなどでずらすことができ、さらに、ばね8があることでその位置の微妙な調整が容易にできる。
【0042】
ここで、支持部材6の位置調整について詳しく説明する。図のように、一組のばね8が、スライド板として機能する支持部材6を把持部材1の外側に押し出そうとするが、ボルトである固定具7がそれを阻止する。固定具7の位置の調整によって支持部材6の位置を正確に調整することができ、そのことによって、刃5と支点部材2との間の距離を正確に調整できる。したがって、固定具7の調整によって支持部材6に接合された刃5の位置が変わり切断円の半径を調整することができる。具体的には、実際に試作した開孔具(プロトタイプ)では、0.1mm単位で切断円の半径を調整することができ、極めて微妙な調整ができることがわかっている。
【0043】
収納箇所1aの下部と支持部材6の下部とにはそれぞれ略同等の径を持つ丸みを持たせてもよい。これらの丸みを相互に合わせることで簡単に位置あわせができるようになり、視覚に頼らずとも触覚で支持部材6を所定の位置に収納することができるようになるからである。
【0044】
把持部材1おける刃5の近傍には目盛り11が印刷されている。これは、刃5の位置を正確に知るために使用するものである。図のように目盛り11を収納箇所1a側面、つまり手で把持されにくい把持部材1の内側部分に設ければ、把持による磨耗で目盛り11が消えてしまうことを防ぐこともできるという利点がある。
【0045】
把持部材1の側面には、丸く浅く窪んだ略長方形のグリップ部9がいくつか(例えば6箇所)略等間隔で設けられている。グリップ部9には、人がつかむ部分の滑り止めを目的として表面に複数の溝を形成するローレット(例えば、アヤメ(綾目)ローレット、把持部材1の軸方向に平行に多数設けられたスジメ(筋目)ローレット)加工などが施されていてもよい。
【0046】
図6は、本実施形態の開孔具と組み合わせて使用する台(基板)である。台20は略直方体板状であり、支点部材2が嵌合する穴21が設けられている。
【0047】
刃、固定具、支持部材及びばねの材料は、磨耗に耐えやすい材料、例えば、金属とする一方、他の部分の材料は、加工しやすい材料、例えば、ポリエチレンなどのプラスチック又は木とすることが考えられる。全体又はその一部を抗菌加工してもよい。また、合成ゴムであれば煮沸消毒することもできる。全体又はその一部を薄いプラスチックを積層して作ってもよい。積層プラスチックであれば、表面が汚れてきたら一番上の1枚を剥がして捨てることもできる。刃先、支持部材などに磁力を持たせてもよい。
【0048】
刃は交換可能なものでもよい。また、刃を加熱してストーマフランジなどの化成品をより滑らかに切断することもよい。
【0049】
[開孔具の使用方法]
【0050】
市販のストーマフランジに本実施形態の開孔具を使用して任意の径の開孔する方法について説明する。
【0051】
まず、本実施形態の開孔具10の支点部材2の位置を、所望の径の大きさにおよそ合う位置にしておく。これは、把持部材1の上面にある複数の小さな穴3のうちのいずれかを選びその穴に支点部材2を接続することで行なうことができる。
【0052】
次に、所望の径の大きさに正確に合うように、刃5を固定支持する支持部材6の位置を微調整しながら固定する。これは、把持部材1と刃5の支持部材6とが、ばね8を介して接続されているため、固定具7に刺した六角レンチなどを利用して微小な位置変化をさせることができるためである。目盛り11を利用すれば容易に刃5の位置を再現することもできる。
【0053】
次に、市販のストーマフランジを、本実施形態の開孔具10(把持部材1の上面)と台20の上面とで挟み込む。この際に、本実施形態の開孔具10の支点部材2は、ストーマフランジに既に設けられた小さな穴を通して台20の穴21に嵌合する形で収められる。
【0054】
次に、開孔具10の支点部材2を嵌合させながら、開孔具10をゆっくりと回転させる。これにより、把持部材の上面でストーマフランジが下方向に押さえつけられた状態で、刃5がストーマフランジを切断し、丸い穴がストーマフランジに開く。把持部材の上面がストーマフランジを切断中も上から押さえつけていることが、刃5がスマートフランジを連続的に安定して切り裂くための重要な役割を果たしている。つまり、把持部材の上面がストーマフランジを切断中も上から押さえつけていることで、刃5の切れが悪い場合であっても、又は、刃5がスマートフランジに多少引っかかる場合でも、スマートフランジがめくれ上がったりすることなくスマートフランジを安定して切断しきれるという利点がある。
【0055】
この方法によれば、ストーマフランジの穴は、ストーマフランジ使用者それぞれに適した正確な大きさのものになる。また、女性、子供、高齢者などであっても、小さな力でストーマフランジに穴を開けることができる。さらに、開孔具自体も大掛かりなものでないため外出の際などにも気軽に所持できるという利点がある。
【0056】
また、この方法によれば、台(基板)の穴に支点部材を嵌合させて使用するため、仮に、切断をいったん中断して刃の交換などを行った後でも、支点部材を台(基板)の穴に再度嵌合させることで容易に切断を切断前と同一の位置から再開することが可能であるという利点もある。また、支点部材の形状を例えば先端を切除した円錐形状、円柱形状などのようにすることで、支点部材の断面を円形にしておけば、滑らかに支点部材を中心として開孔具を回転させることができる。特に、台(基板)の穴に支点部材を嵌合させて使用することは、スマートフランジのように小さな開孔がすでになされており、その小さな開孔よりも大きく正確な開孔を開ける場合には、女性、子供、高齢者などであっても、容易に中心の位置決めができるようになるため、たいへん優れた特徴となる。
【0057】
また、開孔具全体又は把持部材を略円柱形状を採用したため、上述の開孔具は、持ち運びやすさ、扱いやすさの点でも優れている。
【0058】
[他の実施形態]
【0059】
図7、図8A及び図8Bは、本実施形態の開孔具の収納具を示す図である。収納具30には開孔具を収納する半円柱状のくりぬきがされている。開孔具はこのくりぬき部分31に収納して持ち運ぶことができる。
【0060】
なお、図8A及び図8Bに示すように、収納具に穴32を設けておき、上述の台の穴と同様に、収納具を、開孔具の支点部材を嵌合させてストーマフランジに穴をあける際の基板代わりとしてもよい。また、収納器具において開孔具の収納具される側と反対側に替え刃を収納させておいてもよい。
【0061】
また、図8Bに示すように、円筒形状の収納箇所を設け、開孔具の刃が奥になるように開孔具を円筒内に収めればより安全に開孔具を持ち運びすることもできる。
【0062】
図9は、他の実施形態の開孔具を示す斜視図である。
【0063】
開孔具90は、上述の実施形態の開孔具と同様に、直径が異なる2つの略円柱形部材が組み合された形状をしており、略円柱形の把持部材91と、略円柱形の把持部材91の上面上に接続された支点部材92とを備えている。また、把持部材91の上面には中心及び中心以外の位置に小さな穴93がいくつか開けられており、この穴の一つに支点部材92下部の突起を差し込むことで把持部材91の上面上に支点部材92が接続され固定されている。
【0064】
把持部材91の側面には刃95が直接固定されている。固定手段は輪ゴム、接着剤、紐などでもよく、刃95の位置の微調整は、刃95と把持部材91との間に、紙や薄い木片などを適宜挟みこむことでも行うことができる。
【0065】
[その他の実施形態]
【0066】
開孔具では、把持部材又は支点部材を、断面形状における断面重心からこの断面形状の外郭線の一点までの距離と、断面重心から外郭線の他の一点までの距離が相違する形状とすることは好ましい。上述の実施形態では、開孔具と同様に、直径が異なる2つの略円柱形部材が組み合された形状であったが、例えば、略円柱形部材でなくとも略六角柱形部材などを組み合わせてもよい。略六角柱であれば転がりにくいという利点も出る。また、支点部材を断面楕円柱形状とすれば、円形の小さな穴が既に開いている市販のストーマフランジに適用することで非円形の穴をストーマフランジに開けることも可能となる。
【0067】
動作方向を一方に制限するために用いられる機構としてラチェット、フリーホイールなどを把持部材などに設けてもよい。
【0068】
開孔具の把持部材に刃先の収納機構を有するカッターナイフを固定すれば、安全に開孔具を持ち運ぶこともできるようになる。開孔具の把持部材に案内を設け、ビスなどで刃の位置を調整することも好ましい。
【0069】
[用途]
【0070】
上述の実施形態では、オストミー(患者=使用者)が使用するストーマフランジに、そのオストミーに適した開孔を容易に施すことができるストーマフランジ開孔具について主に説明してきた。しかし、上述の実施形態は、ストーマフランジだけでなく、薄膜、軟質薄材などに対して、所望の大きさの孔を空けることにも利用できる。軟質薄材には、例えば、ゴム製、合成樹脂製のシート材をはじめ、紙、皮革等に代表される可撓性を有するもの、工作用バルサのように木材であっても脆弱なものなどがあり、フィルムのみならず、シート材又は薄板状材などある程度の厚みを有するものでもよい。
【0071】
[権利解釈など]
【0072】
以上、特定の実施形態を参照しながら、本発明について説明してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が実施形態の修正又は代用を成し得ることは自明である。すなわち、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、本明細書の記載内容を限定的に解釈するべきではない。本発明の要旨を判断するためには、冒頭に記載した特許請求の範囲の欄を参酌すべきである。
【0073】
また、この発明の説明用の実施形態が上述の目的を達成することは明らかであるが、多くの変更や他の実施例を当業者が行うことができることも理解されるところである。特許請求の範囲、明細書、図面及び説明用の各実施形態のエレメント又はコンポーネントを他の1つまたは組み合わせとともに採用してもよい。特許請求の範囲は、かかる変更や他の実施形態をも範囲に含むことを意図されており、これらは、この発明の技術思想および技術的範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本実施形態の開孔具を示す斜視図である。
【図2】本実施形態の開孔具を示す他方向からの斜視図である。
【図3A】本実施形態の開孔具を示す下方向からの斜視図である。
【図3B】本実施形態の開孔具の断面図である。
【図4】実際に試作した開孔具の一例(プロトタイプ)を示す写真である。
【図5】実際に試作した開孔具の一例(プロトタイプ)を示す写真である。
【図6】本実施形態の開孔具と組み合わせて使用する台である。
【図7】本実施形態の開孔具の収納具を示す図である。
【図8A】本実施形態の開孔具の収納具を示す図である。
【図8B】本実施形態の開孔具の収納具を示す図である。
【図9】他の実施形態の開孔具を示す斜視図である。
【図10】ストーマフランジ(ストーマ保護プレート)を示す図である。
【符号の説明】
【0075】
1 把持部材
1a 収納箇所
2 支点部材
3 穴
4 固定具
5 刃
6 支持部材
7 固定具
8 ばね
9 グリップ部
10 開孔具
11 目盛り
20 台(基板)
21 穴
30 収納具
31 くりぬき部分
32 穴
90 開孔具
91 把持部材
92 支点部材
95 刃
【技術分野】
【0001】
本発明は、切断工具、ストーマフランジ開孔具及びストーマフランジ収納具に関する。
【背景技術】
【0002】
人工肛門患者は、いわゆるオストミーシステムを利用している。様々な疾患などのため直腸や関連部位を除去し、オストミーシステムを使用する人は増加傾向にある。オストミーシステムとは、人工尿口や人工肛門部位に、液漏れがないようにストーマフランジを肌に貼り、パウチ(尿や大便を収納する袋体)を付する排尿排便のシステムである。
【0003】
図10は、ストーマフランジ(ストーマ保護プレート)を示す図である。ストーマフランジは、中背面が貼着面である。オストミーシステム使用者又は介護者などが使用者毎に適した内径で開孔した後、使用者の身体に貼りつけて使用する。ストーマフランジは、尿路系用、消化器系用などの他に、メーカーにより種種の開発がなされ、形態や構造もいろいろであるが、肌に接着して使用する用法は共通している。基本的な構成は、裏面に接着層を備えた円盤形プレートである。中央にストーマを挿入するために開孔し、かつ液漏れがないように接着層をしっかり肌に付着させて使用するプレート状である。オストミーシステムは、ワンピースパウチシステムのもの、ツーピースシステムのものなどが開発されているが、いずれのシステムのストーマフランジも、基本的構成が円盤形で裏面に接着層を形成したものである。最近はツーピースシステムで、ストーマフランジの表面にパウチ(尿や大便を収納する袋体)に接続する作業をワンタッチで行う環状立縁を形成したものも開発されている。ストーマフランジは、オストミー又は介護者などがその部位毎に適した内径を有する孔をあけた後、使用者の身体に貼りつけて使用する。孔開けの手段には、はさみによる方法と、下降カッタを設けた開孔具での開孔手段が主に提案されている。
【0004】
一般には、ストーマフランジの開孔には曲線状に切断できるはさみが利用されてきた。使用前のストーマフランジには通常中心に直径1cm程の小さな孔があけられるような切り込みがあり、密封包装されている。開封してこの切り込みを押すと小孔が開くが、これにはさみを入れて、必要な形状の孔に切断して、不要部位を切除して適宜孔を自作していた。また、ストーマフランジには、孔をあける際の補助として中心に小孔を設けるとともに、この小孔と同心円状に溝が設けられているものがある。この溝をガイドとしてはさみで切断してゆき開孔する。
【0005】
はさみを使用しない方法としては、特開2000−166952号「ストーマ開孔具」などが提案されている。この提案はカッタを中心軸にガイドさせて下降してストーマ(この発明ではプレート自体をストーマと称している)をねじ切って開孔してゆくものである。開封してストーマを取り出し開孔具の軸にセットして切断作業を行っていた。微妙な形状を作成するために数度位置をずらして所望の形状の孔を形成するものである。また、実開平3−118716号「パウチ用フランジの穴開け用具」では、蓋付の円形カッタが提案されている。この考案は、ストッパー端面(円形部材)より切断厚だけ突出した円形刃を備えたものであり、いわゆる円形ポンチを提案するものである。さらに、特開2002−253590「開孔具付きストーマフランジ」では、接続用の環状立縁を備えたストーマフランジのその環状立縁のなかに所定径の円形刃を有するカッタを内嵌して押圧可変なケースで包装した開孔具付きストーマフランジが提供されている。
【0006】
一般のストーマフランジには、はさみを用いるために、孔をあける際の補助として中心に小孔切り込みを設けたものや、さらにこの小孔と同心状に溝が設けられているものがある。小孔からはさみを差し入れ適宜切ってゆくか、溝に沿ってはさみで切れば、概ね円形の大きな孔をあけることができる。しかし、オストミー毎に必要とされる孔の形状や寸法が異なるため、更に開けた孔の内縁の一部を切除して適宜形を形成する必要がある。厳密に見れば、切除は0.1mm程度の調製が必要になることもあるため、たいへんな作業になる。場合によっては溝の存在でうまく切除することができないこともあった。また、大掛かりな装置を用いた開孔方法、又は、広く市販されていない特殊なストーマフランジでは、ストーマフランジの利用者に購入、持参などの負担が大きくかかってしまう傾向があった。
【0007】
【特許文献1】特開2000−166952号
【特許文献2】実開平3−118716号
【特許文献3】特開2002−253590号
【特許文献4】特開2001−149396号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上述の背景技術に鑑みてなされたものであり、多くのオストミーシステム使用者又は介護者などにとって大変便利な切断工具などを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明によれば、上述の目的を達成するために、特許請求の範囲に記載のとおりの構成を採用している。以下、この発明を詳細に説明する。
【0010】
本発明の第1の側面は、
把持部材と、
前記把持部材に接続された支点部材と、
前記把持部材に接続された刃と
を備え、
前記支点部材を基板に嵌合させながら、前記支点部材を中心に前記把持部材を回転させることで切断することを特徴とする切断工具
にある。
【0011】
本構成によれば、切断工具の回転時の中心位置が安定するため、切断する対象を安定して切断できる切断工具が得られる。
【0012】
本発明の第2の側面は、
前記支点部材は、基板に嵌合する部分の断面形状が略円状であることを特徴とする切断工具
にある。
【0013】
本構成によれば、支点部材を基板に容易に嵌合させることができ、容易に切断準備ができる切断工具が得られる。
【0014】
本発明の第3の側面は、
把持部材と、
前記把持部材に接続された支点部材と、
前記把持部材に接続された刃と
を備え、
前記把持部材によって切断する対象を平面的に押さえつけながら、前記支点部材を中心に前記把持部材を回転させることで切断することを特徴とする切断工具
にある。
【0015】
本構成によれば、切断する対象を平面的に押さえつけながら切断するため安定して切断できる切断工具が得られる。
【0016】
本発明の第4の側面は、
前記支点部材と前記刃との距離の調整を、前記支点部材を前記把持部材に接続する位置の変更、及び、前記刃を前記把持部材に接続する位置の変更によって行うことを特徴とする請求項1又は3記載の切断工具
にある。
【0017】
本構成によれば、刃との距離の調整を、支点部材を把持部材に接続する位置の変更、及び、刃を把持部材に接続する位置の変更という2つの手法によって変更できるため、刃との距離の調整を多様にかつ繊細に行うことができる。
【0018】
本発明の第5の側面は、
ストーマフランジを切断するためのものであることを特徴とする請求項1又は3記載の切断工具
にある。
【0019】
本構成によれば、多くのオストミーシステム使用者又は介護者などにとって大変便利な切断工具が得られる。
【0020】
本発明の第6の側面は、
把持部材と、
前記把持部材上に接続された支点部材と、
前記把持部材に接続された刃と
を備え、
前記把持部材には支点部材が接続されることが可能な位置が複数あり、
前記支点部材と前記刃との距離の調整を、前記支点部材を前記把持部材に接続する位置の変更、及び、前記刃を前記把持部材に接続する位置の変更によって行うことを特徴とするストーマフランジ開孔具
にある。
【0021】
本構成によれば、支点部材と刃との距離の調整を、支点部材を把持部材に接続する位置の変更、及び、刃を把持部材に接続する位置の変更という2つの手法によって変更できるため、刃との距離の調整を多様にかつ繊細に行うことができるストーマフランジ開孔具が得られる。
【0022】
本発明の第7の側面は、
前記把持部材における刃の近傍には目盛りが設けられ、
前記目盛りは前記把持部材の陥没部分に位置することを特徴とする請求項6記載のストーマフランジ開孔具
にある。
【0023】
本構成によれば、磨耗しにくい部分に目盛りがあるため、長期間にわたって正確に刃の位置調整ができるストーマフランジ開孔具が得られる。
【0024】
本発明の第8の側面は、
請求項6又は7記載のストーマフランジ開孔具の少なくとも一部を収納することができ、
前記支点部材と嵌合することができる穴が設けられ、
ストーマフランジを切断する際にはストーマフランジを前記把持部材とともに挟むことを特徴とするストーマフランジ収納具
にある。
【0025】
本構成によれば、ストーマフランジを切断する際の台としても機能するため使用者が持ち歩く部品の数を減らすことができる。
【0026】
本発明の第9の側面は、
略柱形の把持部材と、
前記把持部材の上面上に固定された支点部材と、
前記把持部材に固定された弾性体と、
前記把持部材に前記弾性体を介して固定された支持部材と、
前記支持部材に固定された刃と
を備え、
前記把持部材の上面には支点部材を固定可能な箇所が複数あり、
前記把持部材の側面は陥没しており、陥没した位置には前記弾性体及び前記支持部材が収納され、
前記把持部材の陥没した位置における前記刃の近傍には目盛りが設けられ、
前記支点部材と前記刃との距離の調整を、前記支点部材を前記把持部材に固定する位置の変更、及び、前記支持部材を前記把持部材に固定する位置の変更によって行い、
前記把持部材の上面によってストーマフランジを平面的に押さえつけながら、かつ、前記支点部材を基板に設けた穴に嵌合させながら、前記支点部材を中心に前記把持部材を回転させることでストーマフランジを切断し、
前記支点部材は、基板に設けた穴に嵌合する部分の形状が円柱形状であることを特徴とするストーマフランジ開孔具
にある。
【0027】
本構成によれば、多くのオストミーシステム使用者又は介護者などにとって大変便利なストーマフランジ開孔具が得られる。
【0028】
なお、ストーマは、人工肛門自体を指すときと、その周辺の保護プレートを指すときがあるが、本明細書では、ストーマは人工肛門自体の意味で使用し、人工肛門等周辺に貼る保護フランジの意味ではストーマフランジという語を使用する。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、多くのオストミーシステム使用者又は介護者などにとって大変便利な切断工具などが得られる。
【0030】
本発明のさらに他の目的、特徴又は利点は、後述する本発明の実施の形態や添付する図面に基づく詳細な説明によって明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0032】
[発明に至る経緯]
【0033】
市販のストーマフランジの中心には小さな径の穴が予め開けられている。この径の大きさはストーマフランジの種類、製造業者によっても異なり、ストーマフランジの使用者それぞれに適切な大きさでさらに大きな径の穴を市販のストーマフランジに正確に開ける必要があった。
【0034】
しかしながら、上述のとおり、大掛かりな機械を用いて開けるか、又は、はさみなどを用いて不正確な径の穴を開けるなどの選択肢しか一般のストーマフランジの使用者にはなかった。術後からの日時の経過に伴い、ストーマフランジの適切な穴の大きさはわずかながら変化していくが正確に穴の大きさを調整して開孔することは困難であった。
【0035】
本発明は、ストーマフランジ使用者の実際の声を生かして発明に至ったものであり、極めて実用的な方法を提案する。
【0036】
[開孔具]
【0037】
本実施形態の開孔具は、例えばストーマフランジの開口のために使用される。
【0038】
図1は、本実施形態の開孔具を示す斜視図である。図2は、本実施形態の開孔具を示す他方向からの斜視図である。図3Aは、本実施形態の開孔具を示す下方向からの斜視図である。図3Bは、本実施形態の開孔具の断面図である。図4及び図5は、実際に試作した開孔具の一例(プロトタイプ)を示す写真である。
【0039】
開孔具10は、直径が異なる2つの略円柱形部材が組み合された形状をしている。開孔具10は、略円柱形の把持部材1と、把持部材1の上面上に接続された略円柱形の支点部材2とを備えている。把持部材1には、支点部材2と、支持部材6などを介した状態で刃5とが固定されている。
【0040】
把持部材1の上面には中心及び中心以外の位置に小さな穴3がいくつか開けられている。この穴の一つに支点部材2下部の突起を差し込むことで把持部材1の上面上に支点部材2が接続され固定されている。図のように、支点部材2の上面上には六角レンチ、ドライバーなどを差し込む金属製の固定具4を設けてもよく、この場合には六角レンチ、ドライバーなどを利用して小さな力で支点部材2を把持部材1の上面上の穴3にねじ込むことができる。固定具4はいわゆるアイボルト又は蝶番螺子などでもよい。支点部材2を別の大きさ又は形状のもの変更することにより、多様な市販のストーマフランジにも対応できる。
【0041】
把持部材1はその側面が略直方体状に陥没している。その陥没した位置(収納箇所1a)には、略三角形の鋭利な先端を有する刃5を固定支持する、略直方体板状の例えば金属製の支持部材6が収納されている。支持部材6と把持部材1とが組み合わされることで全体として略円柱形をなす。略円柱形をなすことで、開孔具の運搬、収納ケースへの収納などを容易にしている。支持部材6側面の略中心には、六角レンチなどを差し込む金属製の固定具7(又はアイボルト又は蝶番螺子など)を設けてもよい。この場合にも、六角レンチ、ドライバーなどを利用して小さな力で支持部材6を把持部材1の側面に設けられた収納箇所1aに接続することができる。さらに、把持部材1の側面に設けられた収納箇所内には、例えば金属製のらせん状ばね8が把持部材1の中心軸に直交する方向に伸びて設けられている。ばね8の一端は把持部材1に、他端は支持部材6に接続されている。ばね8又は固定具7は1つでなくとも複数設けてもよい。支持部材6の位置を、固定具7を回転することなどでずらすことができ、さらに、ばね8があることでその位置の微妙な調整が容易にできる。
【0042】
ここで、支持部材6の位置調整について詳しく説明する。図のように、一組のばね8が、スライド板として機能する支持部材6を把持部材1の外側に押し出そうとするが、ボルトである固定具7がそれを阻止する。固定具7の位置の調整によって支持部材6の位置を正確に調整することができ、そのことによって、刃5と支点部材2との間の距離を正確に調整できる。したがって、固定具7の調整によって支持部材6に接合された刃5の位置が変わり切断円の半径を調整することができる。具体的には、実際に試作した開孔具(プロトタイプ)では、0.1mm単位で切断円の半径を調整することができ、極めて微妙な調整ができることがわかっている。
【0043】
収納箇所1aの下部と支持部材6の下部とにはそれぞれ略同等の径を持つ丸みを持たせてもよい。これらの丸みを相互に合わせることで簡単に位置あわせができるようになり、視覚に頼らずとも触覚で支持部材6を所定の位置に収納することができるようになるからである。
【0044】
把持部材1おける刃5の近傍には目盛り11が印刷されている。これは、刃5の位置を正確に知るために使用するものである。図のように目盛り11を収納箇所1a側面、つまり手で把持されにくい把持部材1の内側部分に設ければ、把持による磨耗で目盛り11が消えてしまうことを防ぐこともできるという利点がある。
【0045】
把持部材1の側面には、丸く浅く窪んだ略長方形のグリップ部9がいくつか(例えば6箇所)略等間隔で設けられている。グリップ部9には、人がつかむ部分の滑り止めを目的として表面に複数の溝を形成するローレット(例えば、アヤメ(綾目)ローレット、把持部材1の軸方向に平行に多数設けられたスジメ(筋目)ローレット)加工などが施されていてもよい。
【0046】
図6は、本実施形態の開孔具と組み合わせて使用する台(基板)である。台20は略直方体板状であり、支点部材2が嵌合する穴21が設けられている。
【0047】
刃、固定具、支持部材及びばねの材料は、磨耗に耐えやすい材料、例えば、金属とする一方、他の部分の材料は、加工しやすい材料、例えば、ポリエチレンなどのプラスチック又は木とすることが考えられる。全体又はその一部を抗菌加工してもよい。また、合成ゴムであれば煮沸消毒することもできる。全体又はその一部を薄いプラスチックを積層して作ってもよい。積層プラスチックであれば、表面が汚れてきたら一番上の1枚を剥がして捨てることもできる。刃先、支持部材などに磁力を持たせてもよい。
【0048】
刃は交換可能なものでもよい。また、刃を加熱してストーマフランジなどの化成品をより滑らかに切断することもよい。
【0049】
[開孔具の使用方法]
【0050】
市販のストーマフランジに本実施形態の開孔具を使用して任意の径の開孔する方法について説明する。
【0051】
まず、本実施形態の開孔具10の支点部材2の位置を、所望の径の大きさにおよそ合う位置にしておく。これは、把持部材1の上面にある複数の小さな穴3のうちのいずれかを選びその穴に支点部材2を接続することで行なうことができる。
【0052】
次に、所望の径の大きさに正確に合うように、刃5を固定支持する支持部材6の位置を微調整しながら固定する。これは、把持部材1と刃5の支持部材6とが、ばね8を介して接続されているため、固定具7に刺した六角レンチなどを利用して微小な位置変化をさせることができるためである。目盛り11を利用すれば容易に刃5の位置を再現することもできる。
【0053】
次に、市販のストーマフランジを、本実施形態の開孔具10(把持部材1の上面)と台20の上面とで挟み込む。この際に、本実施形態の開孔具10の支点部材2は、ストーマフランジに既に設けられた小さな穴を通して台20の穴21に嵌合する形で収められる。
【0054】
次に、開孔具10の支点部材2を嵌合させながら、開孔具10をゆっくりと回転させる。これにより、把持部材の上面でストーマフランジが下方向に押さえつけられた状態で、刃5がストーマフランジを切断し、丸い穴がストーマフランジに開く。把持部材の上面がストーマフランジを切断中も上から押さえつけていることが、刃5がスマートフランジを連続的に安定して切り裂くための重要な役割を果たしている。つまり、把持部材の上面がストーマフランジを切断中も上から押さえつけていることで、刃5の切れが悪い場合であっても、又は、刃5がスマートフランジに多少引っかかる場合でも、スマートフランジがめくれ上がったりすることなくスマートフランジを安定して切断しきれるという利点がある。
【0055】
この方法によれば、ストーマフランジの穴は、ストーマフランジ使用者それぞれに適した正確な大きさのものになる。また、女性、子供、高齢者などであっても、小さな力でストーマフランジに穴を開けることができる。さらに、開孔具自体も大掛かりなものでないため外出の際などにも気軽に所持できるという利点がある。
【0056】
また、この方法によれば、台(基板)の穴に支点部材を嵌合させて使用するため、仮に、切断をいったん中断して刃の交換などを行った後でも、支点部材を台(基板)の穴に再度嵌合させることで容易に切断を切断前と同一の位置から再開することが可能であるという利点もある。また、支点部材の形状を例えば先端を切除した円錐形状、円柱形状などのようにすることで、支点部材の断面を円形にしておけば、滑らかに支点部材を中心として開孔具を回転させることができる。特に、台(基板)の穴に支点部材を嵌合させて使用することは、スマートフランジのように小さな開孔がすでになされており、その小さな開孔よりも大きく正確な開孔を開ける場合には、女性、子供、高齢者などであっても、容易に中心の位置決めができるようになるため、たいへん優れた特徴となる。
【0057】
また、開孔具全体又は把持部材を略円柱形状を採用したため、上述の開孔具は、持ち運びやすさ、扱いやすさの点でも優れている。
【0058】
[他の実施形態]
【0059】
図7、図8A及び図8Bは、本実施形態の開孔具の収納具を示す図である。収納具30には開孔具を収納する半円柱状のくりぬきがされている。開孔具はこのくりぬき部分31に収納して持ち運ぶことができる。
【0060】
なお、図8A及び図8Bに示すように、収納具に穴32を設けておき、上述の台の穴と同様に、収納具を、開孔具の支点部材を嵌合させてストーマフランジに穴をあける際の基板代わりとしてもよい。また、収納器具において開孔具の収納具される側と反対側に替え刃を収納させておいてもよい。
【0061】
また、図8Bに示すように、円筒形状の収納箇所を設け、開孔具の刃が奥になるように開孔具を円筒内に収めればより安全に開孔具を持ち運びすることもできる。
【0062】
図9は、他の実施形態の開孔具を示す斜視図である。
【0063】
開孔具90は、上述の実施形態の開孔具と同様に、直径が異なる2つの略円柱形部材が組み合された形状をしており、略円柱形の把持部材91と、略円柱形の把持部材91の上面上に接続された支点部材92とを備えている。また、把持部材91の上面には中心及び中心以外の位置に小さな穴93がいくつか開けられており、この穴の一つに支点部材92下部の突起を差し込むことで把持部材91の上面上に支点部材92が接続され固定されている。
【0064】
把持部材91の側面には刃95が直接固定されている。固定手段は輪ゴム、接着剤、紐などでもよく、刃95の位置の微調整は、刃95と把持部材91との間に、紙や薄い木片などを適宜挟みこむことでも行うことができる。
【0065】
[その他の実施形態]
【0066】
開孔具では、把持部材又は支点部材を、断面形状における断面重心からこの断面形状の外郭線の一点までの距離と、断面重心から外郭線の他の一点までの距離が相違する形状とすることは好ましい。上述の実施形態では、開孔具と同様に、直径が異なる2つの略円柱形部材が組み合された形状であったが、例えば、略円柱形部材でなくとも略六角柱形部材などを組み合わせてもよい。略六角柱であれば転がりにくいという利点も出る。また、支点部材を断面楕円柱形状とすれば、円形の小さな穴が既に開いている市販のストーマフランジに適用することで非円形の穴をストーマフランジに開けることも可能となる。
【0067】
動作方向を一方に制限するために用いられる機構としてラチェット、フリーホイールなどを把持部材などに設けてもよい。
【0068】
開孔具の把持部材に刃先の収納機構を有するカッターナイフを固定すれば、安全に開孔具を持ち運ぶこともできるようになる。開孔具の把持部材に案内を設け、ビスなどで刃の位置を調整することも好ましい。
【0069】
[用途]
【0070】
上述の実施形態では、オストミー(患者=使用者)が使用するストーマフランジに、そのオストミーに適した開孔を容易に施すことができるストーマフランジ開孔具について主に説明してきた。しかし、上述の実施形態は、ストーマフランジだけでなく、薄膜、軟質薄材などに対して、所望の大きさの孔を空けることにも利用できる。軟質薄材には、例えば、ゴム製、合成樹脂製のシート材をはじめ、紙、皮革等に代表される可撓性を有するもの、工作用バルサのように木材であっても脆弱なものなどがあり、フィルムのみならず、シート材又は薄板状材などある程度の厚みを有するものでもよい。
【0071】
[権利解釈など]
【0072】
以上、特定の実施形態を参照しながら、本発明について説明してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が実施形態の修正又は代用を成し得ることは自明である。すなわち、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、本明細書の記載内容を限定的に解釈するべきではない。本発明の要旨を判断するためには、冒頭に記載した特許請求の範囲の欄を参酌すべきである。
【0073】
また、この発明の説明用の実施形態が上述の目的を達成することは明らかであるが、多くの変更や他の実施例を当業者が行うことができることも理解されるところである。特許請求の範囲、明細書、図面及び説明用の各実施形態のエレメント又はコンポーネントを他の1つまたは組み合わせとともに採用してもよい。特許請求の範囲は、かかる変更や他の実施形態をも範囲に含むことを意図されており、これらは、この発明の技術思想および技術的範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本実施形態の開孔具を示す斜視図である。
【図2】本実施形態の開孔具を示す他方向からの斜視図である。
【図3A】本実施形態の開孔具を示す下方向からの斜視図である。
【図3B】本実施形態の開孔具の断面図である。
【図4】実際に試作した開孔具の一例(プロトタイプ)を示す写真である。
【図5】実際に試作した開孔具の一例(プロトタイプ)を示す写真である。
【図6】本実施形態の開孔具と組み合わせて使用する台である。
【図7】本実施形態の開孔具の収納具を示す図である。
【図8A】本実施形態の開孔具の収納具を示す図である。
【図8B】本実施形態の開孔具の収納具を示す図である。
【図9】他の実施形態の開孔具を示す斜視図である。
【図10】ストーマフランジ(ストーマ保護プレート)を示す図である。
【符号の説明】
【0075】
1 把持部材
1a 収納箇所
2 支点部材
3 穴
4 固定具
5 刃
6 支持部材
7 固定具
8 ばね
9 グリップ部
10 開孔具
11 目盛り
20 台(基板)
21 穴
30 収納具
31 くりぬき部分
32 穴
90 開孔具
91 把持部材
92 支点部材
95 刃
【特許請求の範囲】
【請求項1】
把持部材と、
前記把持部材に接続された支点部材と、
前記把持部材に接続された刃と
を備え、
前記支点部材を基板に嵌合させながら、前記支点部材を中心に前記把持部材を回転させることで切断することを特徴とする切断工具。
【請求項2】
前記支点部材は、基板に嵌合する部分の断面形状が略円状であることを特徴とする請求項1記載の切断工具。
【請求項3】
把持部材と、
前記把持部材に接続された支点部材と、
前記把持部材に接続された刃と
を備え、
前記把持部材によって切断する対象を平面的に押さえつけながら、前記支点部材を中心に前記把持部材を回転させることで切断することを特徴とする切断工具。
【請求項4】
前記支点部材と前記刃との距離の調整を、前記支点部材を前記把持部材に接続する位置の変更、及び、前記刃を前記把持部材に接続する位置の変更によって行うことを特徴とする請求項1又は3記載の切断工具。
【請求項5】
ストーマフランジを切断するためのものであることを特徴とする請求項1又は3記載の切断工具。
【請求項6】
把持部材と、
前記把持部材上に接続された支点部材と、
前記把持部材に接続された刃と
を備え、
前記把持部材には支点部材が接続されることが可能な位置が複数あり、
前記支点部材と前記刃との距離の調整を、前記支点部材を前記把持部材に接続する位置の変更、及び、前記刃を前記把持部材に接続する位置の変更によって行うことを特徴とするストーマフランジ開孔具。
【請求項7】
前記把持部材における刃の近傍には目盛りが設けられ、
前記目盛りは前記把持部材の陥没部分に位置することを特徴とする請求項6記載のストーマフランジ開孔具。
【請求項8】
請求項6又は7記載のストーマフランジ開孔具の少なくとも一部を収納することができ、
前記支点部材と嵌合することができる穴が設けられ、
ストーマフランジを切断する際にはストーマフランジを前記把持部材とともに挟むことを特徴とするストーマフランジ収納具。
【請求項9】
略柱形の把持部材と、
前記把持部材の上面上に固定された支点部材と、
前記把持部材に固定された弾性体と、
前記把持部材に前記弾性体を介して固定された支持部材と、
前記支持部材に固定された刃と
を備え、
前記把持部材の上面には支点部材を固定可能な箇所が複数あり、
前記把持部材の側面は陥没しており、陥没した位置には前記弾性体及び前記支持部材が収納され、
前記把持部材の陥没した位置における前記刃の近傍には目盛りが設けられ、
前記支点部材と前記刃との距離の調整を、前記支点部材を前記把持部材に固定する位置の変更、及び、前記支持部材を前記把持部材に固定する位置の変更によって行い、
前記把持部材の上面によってストーマフランジを平面的に押さえつけながら、かつ、前記支点部材を基板に設けた穴に嵌合させながら、前記支点部材を中心に前記把持部材を回転させることでストーマフランジを切断し、
前記支点部材は、基板に設けた穴に嵌合する部分の形状が円柱形状であることを特徴とするストーマフランジ開孔具。
【請求項1】
把持部材と、
前記把持部材に接続された支点部材と、
前記把持部材に接続された刃と
を備え、
前記支点部材を基板に嵌合させながら、前記支点部材を中心に前記把持部材を回転させることで切断することを特徴とする切断工具。
【請求項2】
前記支点部材は、基板に嵌合する部分の断面形状が略円状であることを特徴とする請求項1記載の切断工具。
【請求項3】
把持部材と、
前記把持部材に接続された支点部材と、
前記把持部材に接続された刃と
を備え、
前記把持部材によって切断する対象を平面的に押さえつけながら、前記支点部材を中心に前記把持部材を回転させることで切断することを特徴とする切断工具。
【請求項4】
前記支点部材と前記刃との距離の調整を、前記支点部材を前記把持部材に接続する位置の変更、及び、前記刃を前記把持部材に接続する位置の変更によって行うことを特徴とする請求項1又は3記載の切断工具。
【請求項5】
ストーマフランジを切断するためのものであることを特徴とする請求項1又は3記載の切断工具。
【請求項6】
把持部材と、
前記把持部材上に接続された支点部材と、
前記把持部材に接続された刃と
を備え、
前記把持部材には支点部材が接続されることが可能な位置が複数あり、
前記支点部材と前記刃との距離の調整を、前記支点部材を前記把持部材に接続する位置の変更、及び、前記刃を前記把持部材に接続する位置の変更によって行うことを特徴とするストーマフランジ開孔具。
【請求項7】
前記把持部材における刃の近傍には目盛りが設けられ、
前記目盛りは前記把持部材の陥没部分に位置することを特徴とする請求項6記載のストーマフランジ開孔具。
【請求項8】
請求項6又は7記載のストーマフランジ開孔具の少なくとも一部を収納することができ、
前記支点部材と嵌合することができる穴が設けられ、
ストーマフランジを切断する際にはストーマフランジを前記把持部材とともに挟むことを特徴とするストーマフランジ収納具。
【請求項9】
略柱形の把持部材と、
前記把持部材の上面上に固定された支点部材と、
前記把持部材に固定された弾性体と、
前記把持部材に前記弾性体を介して固定された支持部材と、
前記支持部材に固定された刃と
を備え、
前記把持部材の上面には支点部材を固定可能な箇所が複数あり、
前記把持部材の側面は陥没しており、陥没した位置には前記弾性体及び前記支持部材が収納され、
前記把持部材の陥没した位置における前記刃の近傍には目盛りが設けられ、
前記支点部材と前記刃との距離の調整を、前記支点部材を前記把持部材に固定する位置の変更、及び、前記支持部材を前記把持部材に固定する位置の変更によって行い、
前記把持部材の上面によってストーマフランジを平面的に押さえつけながら、かつ、前記支点部材を基板に設けた穴に嵌合させながら、前記支点部材を中心に前記把持部材を回転させることでストーマフランジを切断し、
前記支点部材は、基板に設けた穴に嵌合する部分の形状が円柱形状であることを特徴とするストーマフランジ開孔具。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2010−200811(P2010−200811A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−46571(P2009−46571)
【出願日】平成21年2月27日(2009.2.27)
【出願人】(509058830)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月27日(2009.2.27)
【出願人】(509058830)
【Fターム(参考)】
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