説明

切断要素、切断要素を備えている電気シェーバ及びこのような要素を製造するための方法

本発明は、電気シェーバにおいて使用されるような、切断要素10に関する。前記切断要素は、自身の表面の少なくとも一部にわたって硬化されている表面層14を有するステンレス鋼から作られており、前記切断要素の切断端面11は、少なくとも自身の切断エッジ12にわたって硬化されている鋼の表面層を有しており、この端面の残りは前記ステンレス鋼を有していることを特徴とする。前記切断要素は、自己鋭利化及び摩耗調整可能な特性を有している。本発明は、前記切断要素を製造するための方法と本発明による切断要素を少なくとも1つ有している電気シェーバとにも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気シェーバにおいて使用されているような、切断要素であって、自身の表面の少なくとも一部わたって硬化されている表面を有しているステンレス鋼から作られている切断要素に関する。本発明は、このような切断要素を備えている電気シェーバと、前記切断要素を製造する方法とにも関する。
【背景技術】
【0002】
シェーバ用のステンレス鋼の切断要素は、通常、回転可能な切断要素上に取付けられている又は回転可能な切断要素の一部であり、キャップ要素内に閉じ込められており、放射状に延在しているキャップの薄層を備えている。シェービングする場合、前記切断部材の要素は回転され、前記キャップ部材の薄層間の開口を通って延在している毛を巻き込む。この工程において、前記切断要素の切断表面(又は、走行表面)は、前記キャップ部材の薄層の表面と摩擦接触している。このことは、関係している部材の相対的な表面硬度に依存して、切断要素若しくはキャップ部材の薄片の何れかの又はこれら両方の著しい摩耗をもたらし得る、
【0003】
この長期にわたる問題のために、前記切断要素及び/又は前記シェーバのキャップの薄層に、例えば、プラズマ窒化によって得られる硬化されている表面層を設けることが提案されている。このような切断要素は、例えば、欧州特許第0 743 144 B1号から知られている。他の既知のかみそりの刃は、米国特許第6,763,593B1号に記載されているような、増強されている硬度を有する特別な金属合金でできている。しかしながら、これらの既知の切断要素は、これらの硬度が、一般的に前記キャップの薄層の硬さに対して高すぎるという事実の被害を被っている。このような切断要素は広範に摩耗するわけではないが、この硬度の不均衡さは、シェーバのキャップの広範囲な摩耗に至る。特に添加剤シェーバ(水と共に使用されることができる電気シェーバであって、動作中に放出された添加剤を使用するシェーバ)の場合、前記切断要素の摩耗が問題となり得るだけでなく、腐食も容易に生じ得る。腐食耐性は、あまり従来のシェーバに関する問題ではないが、添加剤シェーバの概念のために、前記刃は、水分とかなりより近く接触している。現在、これらの切断要素の製造に使用されている材料は、ステンレスマルエージング鋼である。これは、良好な腐食耐性の質を有すると共に適度な摩耗耐性も有する鋼の種類である。硬度を増強するように、この材料は、従来の熱処理技術により硬化されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
非常に良好な腐食耐性を有する鋼は、殆どの場合、熱処理により硬化されるのが難しく、弱い摩擦学的特性を有しており、この結果、上述の添加剤シェーバにおける使用には不十分な摩耗特性を有している。外側の刃の摩耗は、前記シェーバヘッド内の回転刃との接触のみによって生じるのではなく、肌及び(特に無精ひげのように、非常に強靭なものであり得る)毛との接触を通しても生じる。
【0005】
本発明の目的は、腐食耐性及び磨耗耐性のある切断要素であって、特に、シェーバキャップとの良好な摩耗バランスを提供することができる切断要素を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、添付請求項1に記載の切断要素により達成される。より詳細には、切断要素であって、自身の表面の少なくとも一部にわたって硬化されている表面層を有するステンレス鋼から作られており、これにより前記要素の切断端面は少なくとも自身の切断エッジにわたって硬化されている鋼の表面層を有しており、この端面の残りはステンレス鋼を含有している、切断要素が、提供される。前記切断要素(又はかみそりの刃)の切断端面とは、使用されている際に、前記シェーバのキャップの薄層と摩擦接触する前記切断要素の端の断面を称している。前記切断端面の切断エッジとは、回転する際に前記キャップの薄層に最初に接触する前記端面の外縁エッジである。従って、前記切断端面は、外側から見える。本発明によれば、ステンレス鋼の部分と増強されている硬度を有するステンレス鋼の部分とを有する複合切断端面であって、これらの部分のうちの少なくとも1つは前記切断端面に沿って延在している、切断端面が提供される。この硬化されている切断エッジは、最初に、前記薄層と接触し、当該刃の摩耗を実質的に防止するのに必要な硬度を有する一方で、鋭利な切断を提供する。前記切断端面の残りが(より低い硬度を有する)通常のステンレス鋼でできているので、全体の硬度バランスは、全体に高い硬度を有する切断端面に対して低くされる。このことは、当該シェーバのキャップの薄層の磨耗を実質的に少なくする。実際、前記シェーバのキャップの寿命全体にわたって、前記シェーバのキャップが、硬化されている鋼の表面領域と接触することは、かなり少なくなる。驚くべきことに、前記切断端面における従来の硬度よりも低いステンレス鋼の存在は、必ずしも、前記切断要素の更なる摩耗に繋がるではない。従来の硬度とは、通常、約600HV1である。
【0007】
切断要素とは、個々に働くシェーバの刃、又は他のシェーバの刃と協働して働くシェーバの刃を意味している。このような構造の協働しているシェーバの刃は、例えば、静止位置を有する外側の逆切断要素(キャップ)によって囲まれている内側の回転切断要素を備えるシェーバにおいて、見られることができる。この内側の回転切断要素と外側の静止逆切断要素との両方が、本明細書においては切断要素として称されている。本発明は、回転シェーバに限定されるものではない。本発明は、更に他の種類のシェーバ(例えば、所謂振動シェーバ(vibra shaver))にも利用される。振動シェーバにおいて、前記切断要素は、例えば、硬いニッケルでできている、実質的に静止している金属箔に対して交互の並進運動をする。前記切断要素は、前記金属箔の表面に対して多かれ少なかれ垂直に位置決めされている。従って、前記切断要素の切断端面の両側は、切断エッジとして振る舞う。
【0008】
本発明による切断要素の好ましい実施例は、前記切断端面の硬化されている表面層が、実質的に前記端面の周囲全体にわたって延在していることを特徴としている。このような実施例は、より強いだけでなく、前記端面の硬化されている鋼の量がより容易に増大されることができ、硬度のバランスの調整する際の柔軟性を加える。
【0009】
本発明による切断要素の更に好ましい実施例において、前記硬化されている表面層の厚さは、前記切断要素及び/又はシェーバのキャップの薄層の寿命が最大にされるように、調整される。本発明によれば、前記切断要素及び/又は前記シェーバのキャップの寿命は、実際、硬化されている鋼及びあまり硬くない鋼の前記切断端面の幾何学的な量を変化させることにより調整されることができる。前記切断要素が前記キャップに対してあまりに速く磨耗する場合、硬化されている鋼の量は、一般的に、増加される。前記キャップが速く磨耗する場合、硬化されている鋼の量は、徐々に減少される。最適な硬度バランスは、当業者であれば、試行錯誤の実験によって容易に決定することができる。
【0010】
前記硬化されている表面層の端面の表面領域の、前記切断端面の端面全体の表面領域に対する比は、大きい範囲内で変化されることができ、前記切断要素の好ましくは前記硬化されている表面層の端面の表面積は、前記端面全体の表面積の5乃至50%の範囲にあり、更に好ましくは前記端面全体の表面積の10乃至35%の範囲にあり、最も好ましくは前記端面全体の表面積の15乃至25%の範囲にある。
【0011】
前記硬化されている表面層の厚さは、一般的に、切断端面の寸法に依存する。約100乃至200のμmの典型的な厚みを有する備える回転切断素子の場合、硬化されている表面層の厚さは、典型的には、5乃至20μmの範囲にあるが、より小さい又はより大きい厚さも、適切なものとなり得る。大きすぎる厚さは、前記切断要素の早すぎる破断を生じ得て、特に、この要素の残りの硬化されている表面層の分離を生じ得る。このことは、硬化されている層を生成する間の、内部応力の蓄積に起因するものと考えられている。
【0012】
本発明による切断要素の付加的な有利な点は、原則として、如何なる種類のステンレス鋼からも製造されることができることにある。驚くべきことに、むしろ軟らかい鋼でさえも、使用されることができる。適切な鋼は、マルエージング及び/又は析出硬化性ステンレス鋼又はオーステナイトステンレス鋼を含む。好ましくは、前記切断要素が形成されるステンレス鋼の硬度は、100乃至600HV1の範囲にあり、より好ましくは150乃至350HV1の範囲にある。軟ステンレス鋼の使用の実現性は、前記切断要素を製造における多くの有利な点を提供する。例えば、本発明による切断要素を、本発明に照らして好ましい方法である粉冶金法によって、射出成形可能なステンレス鋼から作ることも可能になる。例えば、深絞りのような、前記切断要素の成形における金属形成工程を使用することも可能になる。金属射出成形によって、前記切断要素を形成する好ましい実施例の場合、商業的に入手可能な鋼の質は、好ましくは、腐食耐性の要請とある程度の硬度の要請とを満たすように、選択されるべきである。この状況において、特に好ましい鋼は、「17−4PH」として知られている中程度に硬化可能な、析出硬化ステンレス鋼を含んでいる。この鋼の硬化能は、ちょうど400HV1に限定されているが、既知の回転カッターの切断要素は、例えば、一般的に、600HV1以上の硬度を必要とする。(400HVIの限定されている硬度を有する)17−4PH鋼の金属射出成形されたカッターに関して行われたアプリケーション試験は、当該カッターの寿命に関して2倍高い磨耗率を示した。本発明は、優れた成形性が、調整可能な摩耗及び自己鋭利化特性と組み合わされているという点において、この問題に対する解決策を提供する。
【0013】
良好な切断に必要な硬度を得るために、硬化されている表面層の硬度は、好ましくは、少なくとも1000HV1であり、更に好ましくは少なくとも1300HV1である。好ましくは、前記表面層の硬度は、前記キャップの硬度(特に、前記キャップの薄層の硬度)に少なくとも等しい。前記切断要素は、ドライシェーバ型のシェーバにおける使用、又は添加剤シェーバ型のシェーバにおける使用のために設計されることができる。
【0014】
本発明は、開示されているような切断要素を備える電気シェーバにも関する。このようなシェーバは、本発明による切断要素に関して既に述べたような有利な点を有している。
【0015】
本発明は、本発明による切断要素を製造する方法も提供する。この方法は、切断要素がステンレス鋼から形成されており、前記切断要素の表面の少なくとも一部は、切断端面を除いて、適切なイオンのプラズマにさらされることにより硬化されることを特徴としている。しかしながら、前記切断要素の部分的な硬化は、誘導硬化又はレーザ硬化等のような表面硬化熱処理技術による、歪み硬化(例えば、ショットピーニング)又は局所的な熱硬化及び/若しくは析出硬化のような、他の方法により実施されることもできる。これらの方法を組み合わせることも可能である。一般的に、このような組合せ(歪み硬化とプラズマ窒化との組み合わせが好ましい)は、より高い硬度値に到達するのを可能にする。歪み硬化は、縮小されている断面を有するかみそりの刃を製造するのにも使用される。このような種類の刃は、中間において厚さが減少されている犬の骨の形状をとるように、打ち抜きによって、断面を縮小されている。このようなかなり薄い刃は、特に摩耗しやすい。本発明の方法は、特に、このような種類の刃又は切断要素に有利なものである。
【0016】
本発明による切断要素を製造するための他の好ましい方法において、切断要素は、ステンレス鋼から形成されており、前記切断要素の表面の少なくとも一部は、適切なイオンのプラズマにさらされることにより硬化され、前記切断要素の一部が取り除かれた後に、切断端面を形成している。
【0017】
記載されている全ての方法において、イオンは、窒素、炭素、ホウ素(borium)又はこれらの組み合わせから選択されるのが好ましい。本発明によれば、切断要素は、例えば、ステンレスマルエージング鋼から形成され、前記切断要素の形成の後、前記切断要素は、少なくとも1300HV1の上部層の硬度まで、プラズマ窒化によって当該表面において硬化される。典型的な窒化パラメータは、最終的にパルス化されたプラズマ工程を使用して、300℃乃至500℃の温度、5乃至40時間の処理時間、及び250Pa乃至550Paの窒化圧力を含んでいる。本発明による方法は、硬化されていない(オーステナイト系の)ステンレス鋼からのシェーバの構成要素の製造を可能にし、前記構成要素は、硬い摩耗耐性の化合物上層の内部成長による製造工程の後半に硬化されるので、製造工程を単純化する。硬化されていないステンレス鋼は、特に金属形成技術を使用することにより、比較的容易に処理されることができる。本発明によれば、当該発明の方法は、従来不適当であった(そして、比較的廉価な)種類の鋼を、本発明による切断要素の製造に使用することを可能にする。前記切断要素は、好ましくは、刃の表面全体におけるプラズマ窒化により硬化されており、窒素によって過飽和状態にされている鋼の表面化合物の上部層から成るプラズマ窒化硬化されている層が形成され、場合によっては、前記上部層の硬度から硬化前の前記鋼の硬度までの範囲の硬度を有する前記上部層に隣接している所謂中間拡散層を有している。この拡散層の存在の有利な点は、前記ベース材料を更に強化し、前記化合物層の耐荷重能力(load bearing capacity)を支えることにある。次いで、好ましくは1300HV1の硬度を有しており、オーステナイトステンレス鋼の場合には少なくとも1100HV1の硬度を有している、この表面化合物層は、前記切断端面を形成するために、生成された切断要素の一方の端部において、取り除かれる。
【0018】
本発明は、以下において、添付図面を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1A】本発明による切断要素を備えているシェーバキャップ及び切断部材の切欠図である。
【図1B】図1Aに示されている切断部材の詳細を示している。
【図2】本発明による切断要素の切断端面を示している。
【図3】本発明による他の切断要素の切断端面を示している。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1A及び1Bを参照すると、シェーバのキャップ部材1が示されている。キャップ部材1は、放射状に延在しているキャップの薄層3を備えている。切断部材2は、キャップ部材1内で回転可能に配されている。切断部材2は、円周方向に配されている複数の切断要素10(切断レッグとも称される)を備えている。シェービングの際、切断部材要素10は、Rにより示されている方向において、軸4の周りに回転し、キャップ部材1の薄層3間の開口5を通って延在している毛を巻き込む。この工程において、カッター要素10の切断端面11は、前記キャップ部材の薄層表面と摩擦接触している。示されている実施例において、切断要素10は、薄層3により形成されている平面に対して傾斜されている。前記切断エッジは、最初に薄層3と接触するエッジを意味しており、図1Bにおける12によって示されている。
【0021】
図2を参照すると、プラズマ窒化切断要素10の切断端面11が、示されている。切断端面11は、丸くなっているコーナーエッジ13を有して多かれ少なかれ長方形に成形されている。切断端面11の下側のエッジ12が、切断エッジである。端面11は、均一な態様において、端面11の円周表面全体を実質的に覆っている硬化されている表面層14を有している。硬化されている表面層14の平均的な厚さは、約5μmである。切断要素10の切断端面11は、切断要素が、例えば、よく知られている慣例に従って、Sandvik社の1RK91マルエージング鋼(maraging steel)によるステンレス鋼から形成される方法によって、得られる。ここで、前記切断要素の表面全体は、プラズマを窒化処理にさらされることにより硬化されている。このことは、例えば、前記切断要素が、窒化が生じている間、パルス窒化炉内で475Paの窒素ガス圧力によって20時間にわたり375℃において生成されるように保持することにより行われる。前記切断要素の約70μmの平均厚さの場合、結果として、約5―20μmの硬化されている表面層になる。1RK91鋼の場合、元々の500HV1の硬度が、硬化されている表面層の外側において、1500HV1に増強された。弾性係数も、硬化されている層において、典型的には20乃至30%増大し、例えば、170GPaから220GPaに増大した。前記切断要素に、実質的にこの表面体にわたって前記硬化されている表面層を設けた後、この要素の一部が取り除かれ、従って、前記切断端面を形成する(露出させる)。端面11を形成する工程は、ステンレス鋼の片を設けるステップと、前記片を曲がった形状に形成するステップと、前記片の一方の端部の一部を(前記曲がった形状のために湾曲している)前記切断要素の軸方向に対して角度をなして磨くステップとを有する。材料の研削又は除去は、好ましくは、電気放電機械加工により実施される。
【0022】
幾つかの厚みの硬化されている表面層14を硬化するのに使用されるパラメータの詳細な設定に依存して、層14が形成されることができる。このことが、図3に示されており、種々の端面11が描かれており、平均して厚い硬化した層14を有する。このような端面11は、一般的に、キャップの薄層を犠牲にして、前記切断要素を支持する硬度バランスを有している。窒化の工程の前に、このマルエージング析出硬化性鋼は、時効熱処理及び/又は析出硬化ステップによって、最初に硬化されても良い。オプションとして、このことは、窒化の工程と組み合わされることもできる。ここで採用されるプラズマ窒化の工程は、従来技術において一般的に知られているものである。
【0023】
本発明による方法は、これらに限定されるわけではないが、カミソリ、回転ナイフ、切断ツール又は特定の自動車部品等のような、高い摩耗及び腐食性の条件にさらされる他の装置にも明らかに使用されることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気シェーバにおいて使用されるような、切断要素であって、前記切断要素は、切断エッジを有する切断端面を備えていると共に、ステンレス鋼から作られており、前記切断端面は、少なくとも自身の切断エッジにわたって硬化されている鋼の硬化されている表面層を有している、切断要素。
【請求項2】
前記切断端面の前記硬化されている表面層は、実質的に前記切断端面の周囲全体にわたって延在することを特徴とする、請求項1に記載の切断要素。
【請求項3】
前記硬化されている表面層の厚さは、前記切断要素及び/又はシェーバのキャップの薄層の寿命が最大化されるように調整されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の切断要素。
【請求項4】
前記硬化されている表面層の端面の表面積が、前記端面全体の表面積の5乃至50%の範囲にあることを特徴とする、請求項3に記載の切断要素。
【請求項5】
前記硬化されている表面層の端面の表面積が、前記端面全体の表面積の10乃至35%の範囲にあることを特徴とする、請求項4に記載の切断要素。
【請求項6】
前記ステンレス鋼の硬度が100乃至600HV1の範囲にあることを特徴とする、請求項1乃至5の何れか一項に記載の切断要素。
【請求項7】
前記ステンレス鋼の硬度が150乃至350HV1の範囲にあることを特徴とする、請求項6に記載の切断要素。
【請求項8】
前記硬化されている表面層の硬度が、少なくとも1000HV1であることを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の切断要素。
【請求項9】
前記切断要素が、粉冶金法によって射出成形可能なステンレス鋼から作られていることを特徴とする、請求項1乃至8の何れか一項に記載の切断要素。
【請求項10】
請求項1乃至9に記載の切断要素を製造する方法であって、前記切断要素はステンレス鋼から形成されており、前記切断要素の表面の少なくとも一部は、前記切断端面を除いて、適切なイオンのプラズマにさらされることにより硬化されている、方法。
【請求項11】
請求項1乃至9に記載の切断要素を製造する方法であって、前記切断要素はステンレス鋼から形成されており、前記切断要素の表面の少なくとも一部は、適切なイオンのプラズマにさらされることによって硬化されており、前記切断要素の一部が取り除かれた後に前記切断端面を形成している、方法。
【請求項12】
実質的に、前記切断要素の表面全体が、適切なイオンのプラズマにさらされることにより硬化されている、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記イオンは、窒素、炭素、ホウ素又はこれらの組み合わせから選択される、請求項10乃至12の何れか一項に記載の方法。
【請求項14】
請求項10乃至13の何れか一項に記載の方法によって、得られることが可能である切断要素。
【請求項15】
ドライシェーバ型のシェーバの請求項1乃至14の何れか一項に記載の切断要素の使用。
【請求項16】
添加剤シェーバ型のシェーバの請求項1乃至15の何れか一項に記載の切断要素の使用。
【請求項17】
請求項1乃至9の何れか一項に記載の切断要素を少なくとも1つ有している電気シェーバ。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2010−524553(P2010−524553A)
【公表日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−503650(P2010−503650)
【出願日】平成20年4月16日(2008.4.16)
【国際出願番号】PCT/IB2008/051460
【国際公開番号】WO2008/126062
【国際公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】