説明

初期段階のざ瘡の音響的/機械的治療のための装置及び方法

装置は、狭い端面を有する少なくとも2つの皮膚接触要素と、前記接触要素を相互に緊密に隣接させて保持するための取付アセンブリとを備えている。駆動アセンブリは1つの前記可動接触要素を隣接する接触要素に対して所定の振動数で往復移動させるためのアセンブリであって、その移動は毛穴に存在する皮脂栓を緩めるために皮膚の毛穴に対する作用を生み出し、それらを皮膚から迅速に取り除くことを可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して初期段階のざ瘡の治療に係り、特に、初期段階のざ瘡障害、すなわち皮脂栓の近傍の皮膚にエネルギを加えるための機械的及び/又は音響的(acoustic)装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的なざ瘡、より具体的にはざ瘡ブルガリス(vulgaris)として知られるざ瘡は、米国においては一般に最も治療されるべき皮膚状態であると考えられている。ざ瘡の迅速且つ適切な治療、特に初期段階での治療は、初期段階状態を解消し且つより重篤なざ瘡状態を避けることの両方にとって重要である。これらの両方は、深刻な傷跡の可能性を含む永久的な影響を与える可能性を有している。ざ瘡は全ての年代の男性及び女性に生じうるが、特に十代の若者に生じる。
【0003】
ざ瘡の最も初期の形跡は皮脂栓の形成である。皮膚の個別の毛穴(濾胞)に形成される皮脂栓は一般的に矯正されていない目では見ることはできないが、顕微鏡や他の光学レンズ装置の下では見ることができる。それは共に皮膚の自然成分である角質細胞と皮脂の混合体が毛穴の開口を封鎖し、皮膚の毛穴内で特定のバクテリアが発生してその数を増やした場合に形成される。細胞及び皮脂の栓様物質は皮膚の毛穴の壁に結合し、毛穴内で物質の集合を生じさせ、結果として毛穴を拡大してしまう。この状態は皮脂及び他の細胞物質の更なる堆積と、結果として濾胞壁の破断の可能性を生じさせ、炎症反応が続き、その後、一般的にはにきび(pimples)として知られる炎症した丘疹(papules)と炎症した膿疱(pustules)が形成される。
【0004】
ざ瘡に対する既存の全身的治療は、経口抗生物質、レチノイド(retinoid)及びホルモン治療などを含む。これらの治療のそれぞれは様々な程度に対して効果的であるが、それ自身の深刻な副作用及び欠点を有している。例えば、経口抗生物質治療は皮膚の毛穴内のバクテリアの数を減少させるが、皮脂分泌物の割合あるいは形成される皮脂栓の実際の数を減少させることはできない。様々な治療の欠点には、乾燥肌、分泌液損失(fluid loss)や脱毛を含む様々な望まない皮膚反応が含まれる。一般的に、全てのそのような治療はある程度皮膚に炎症を起こさせる。
【0005】
ざ瘡に対する局所治療に関わる先行技術は、一般的に「機械的」と「化学的」に分類される。
機械的方法には、米国特許第5624416号及び4175551号明細書に記載されているような、真空装置、機械化された洗浄ブラシや手動のループ状機器を含む。これらの装置の使用は特定部位向けであり、通常は特定の技術を要求し、それらを使用するのを困難にする。電気抵抗や超音波によって生成される熱を用いる方法も、米国特許第6245093号明細書に記載されているようなものが知られている。米国特許第5891182号明細書に記載されているような、ざ瘡を生じさせる標的の微生物を殺すことができる更に他の方法であって、選択された周波数の電流を用いる方法も主張されている。
【0006】
美容/スキンケア産業において、微少摩擦の使用も皮膚を若返らせるための一般的な方法である。しかし、摩擦材料によって角質化した皮膚層のいくらかの層を除去するこの技術は、強い炎症の原因となる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
局所的及び全身的治療を含むざ瘡のための化学的方法およびそのありうる副作用は、それぞれ以下の表I及びIIに列挙されている。
一般的な局所的ざ瘡治療
【0008】
【表1】

【0009】
一般的な全身的ざ瘡治療
【0010】
【表2】

【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明によれば、初期段階のざ瘡に進む状況が回避され、初期段階のざ瘡は毛穴の開口を開放状態に維持又は復元することによって効果的に治療され、毛穴内を通気状態に維持するのを促進するために皮脂腺から継続して滲出できるようにし、より深刻なざ瘡状態への進展を防止する。そしてこれは、既存の治療に存在するような不便や副作用そして他の制限など無しで実現される。
【0012】
従って、本発明はざ瘡の治療のための装置であり、少なくとも1つの接触要素は可動接触要素である、実質的に同じ面に端面を有する少なくとも2つの接触要素と、前記接触要素を実質的に相互に隣接させて保持するための取付アセンブリと、少なくとも1つの前記可動接触要素を少なくとも1つの隣接する接触要素に対して往復移動させるためのアセンブリであって、前記接触要素の前記端面が皮膚に接触するように配置され、皮膚の毛穴から皮脂栓を取り除くために皮膚への作用が作り出され、皮膚からの皮脂栓の除去を迅速にするアセンブリと、を備えている。
【0013】
接触要素は、剛直な材料、柔軟な材料或いは剛毛束の列の何れかからなることができる。装置は更に、ざ瘡状態に無い皮膚の効果的洗浄治療のためにも使用できる。更に、装置は単一の可動接触要素を備えることもできる。
【0014】
本発明の他の特徴は、皮膚の治療方法であり、皮膚を中立位置から、皮膚がおよそその弾性限界に達する点である第1の変形位置まで変形させる第1ステップと、前記皮膚が前記中立位置に戻るのを許容する第2ステップと、皮膚の毛穴からの不要な物質の除去を含む皮膚の洗浄のための皮膚への作用を作り出すために、20Hz〜1KHzの振動数範囲内で第1及び第2ステップを繰り返す。その方法は、ざ瘡治療に効果的なだけではなく、一般の皮膚洗浄にも効果的である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1は、典型的な皮膚の毛穴を示しており、皮膚の表皮層(epidermis)と真皮層(dermis)を含んでいる。皮膚の毛穴10はまた濾胞(follicle)として知られ、正常な毛髪16と付随する皮脂腺18を備えている。皮脂腺18は通常、皮脂脂質を生成する。しかし、皮脂の生成は一般的にざ瘡(acne)に帰するためには単独では十分でない。更に、ざ瘡損傷は仮に皮脂脂質が皮膚の表面に到達しないならば生じない。しかし、角質細胞の過剰生成や(図2に示すような)皮脂脂質の不適当な分離(shedding)などにより、皮膚の毛穴或いは濾胞が封鎖されると、皮膚システムのバランスが混乱する。封鎖された濾胞により、炎症はしないが閉じた皮脂栓の形成をもたらす。図2における縦断面図及び図3の水平断面図に示される皮脂栓(面皰:microcomedone)215は、濾胞の上側部分である濾胞の先端漏斗状部(acroinfundibulum portion)に形成される。
【0016】
皮脂栓の初期形成に続いて、閉じた皮脂栓の下方のpH及び酸素分圧が特定の範囲内にある場合、多数のプロピオン酸バクテリアざ瘡バクテリアが発達し、発病状態に導いてしまう。このことは、更に濾胞壁に対する損傷を含む濾胞内での作用及び反応の繰り返しへ導く。ここで、濾胞壁は皮膚層201,203,205,207及び209からなり、皮膚の真皮部内へ蓄積された物質の突出物は、皮膚損傷及び膿疱(pustules)へ導く非炎症性反応の結果を生む。
【0017】
本発明において、焦点は濾胞の先端漏斗状部を開放状態に維持し、ざ瘡バクテリアが濾胞内で繁殖できる環境を無くし、濾胞内で有酸素状態を確立すること助け、同時に濾胞の漏斗状部内で蓄積される皮脂の量を最小にすることである。
【0018】
本発明の基本的な問題解決手法は、角質細胞211及び皮脂脂質213(図3参照)で封鎖されている各毛穴を再度開放することである。これは、毛穴の開口に対する局所的な異なる動きの付与が封鎖された毛穴を開放する、という発見に基づいている。毛穴の開口は、濾胞内の封鎖物質が漏斗状部の壁及び取り囲む皮膚と異なる物理的特性を有しているという事実に従っている。本発明により、所定の頻度で、皮膚領域は僅かに変形し、そして緩和状態へ解放され、その後反対方向に僅かに変形し、そして再び緩和状態へ解放される。この結果、皮脂栓は皮膚の毛穴の位置から緩む。その後、緩んだ皮脂栓は拭き取りや洗浄などによって容易に取り除かれ、その後正常な脂質の皮膚分泌が可能になり、結果としてより完全な発達したざ瘡への帰結を避けられる。
【0019】
図4は、皮膚の弾性係数の3つの領域を示しており、すなわち与えられた全体の力(応力)が皮膚を所望の程度変形させる(歪み)。この曲線は、皮膚の特有の機械的組織の結果である。この機械的組織は、不規則に配分された節点において共に接続された多数の緩んだコラーゲン繊維と考えられる。そのようなシステムの機械的振る舞いは、ナイロンストッキングのような織物材料のそれと大変類似している。その材料が引き伸ばされた場合、各繊維は最初に真っ直ぐにされ、そして応力(図4の領域I)の方向に向くようになる。弾性係数が一般的な5×10−3N/mmの場合に、このレベルの歪みを作り出すためには比較的小さな応力しか要求されない。皮膚はこの範囲では弾性を保つ。
【0020】
一般的に領域Iの終わりと領域IIに僅かに入ったところでは、皮膚の弾性は実質的に低下し、皮膚は張りつめた状態となる。領域IIにおいて、いくつかの繊維は応力の方向に完全に整列し、そして応力を直接伝達するようになる。さらなる変形は、応力を受け止めるために補充されるコラーゲン繊維が常に増える(everincreasing)という結果を生む。皮膚の弾性係数すなわち硬さは、この行程がコラーゲン繊維自体の硬さ(領域III)に合致するまで続きながら急速に増大する。この領域での弾性係数は一般的に3×10−3N/mmである。
【0021】
本発明において、皮膚に加えられる所望の異なる動きは、毛穴を開く力を生成するのに十分高い大きさであるべきであるが、皮膚におけるコラーゲン繊維の延びを最小にするのに十分小さい必要もある。変形は、図4における領域Iと領域IIの低歪み領域において制限されるべきであり、同時にコラーゲン繊維が著しく引き伸ばされないようにすべきである。このため、本発明の接触要素と呼ぶ皮膚に接触する部分の機械的特性及びその接触要素の動きの大きさは、皮膚への応力の程度がある値σを超えず、これにより皮膚の歪み量を、図4の値Eより小さく維持するようにしなければならない。
【0022】
本発明の第1の実施形態が、全体として図6に示されており、可動皮膚接触要素は固定皮膚接触要素と同じ面に配置され、双方向差動作用が分担され、すなわち2つの要素はその長さに沿って相互に平行に移動する。図示された配置では、2つの皮膚接触要素57,59と裏板/スペーサ板61を含んでいる。
【0023】
可動性の皮膚接触要素と非可動性の皮膚接触要素は、基本的には同一である。図示された実施形態において、各接触要素57,59は、それぞれ取付板に取り付けられている。固定された接触要素57は取付板58に取り付けられると共に、振動する接触要素59は取付板60に取り付けられる。接触要素は、図7及び図8に詳細に示すように、狭く多少細長い。図示された実施形態において、接触要素の寸法は一般的に約20mm(0.8インチ)の長さで約2.3mm(0.09インチ)の幅である。図に示されているように、各接触要素の縁部は傾斜しており、多少丸められた端部面が与えられ、それぞれの端部も丸められている。
【0024】
固定された接触要素のための取付板58は、およそ30mm(1.18インチ)の幅を有している。取付板58の上部角部は共に36°の角度で切り落とされている。取付板58の高さは約36mm(1.4インチ)である。図8は振動接触要素のための接触要素59と取付板60との組み合わせを示している。取付板60は、図示された実施形態においては、長さ約25mm(1インチ)で高さ約13mm(0.5インチ)の略矩形である。取付板60の上部角部は切り落とされ、すなわち角度45°の傾斜となっており、下部角部は丸められている。
【0025】
振動接触要素59は、取付板60のその上部縁に取り付けられている。接触要素60の上部縁は、取付板60の上部縁のおよそ7.6mm(0.298インチ)上方にある。取付板60は2つの駆動開口62を備え、そこを通る下記の駆動機構によって取付板60と接触要素59とが前後に動けるようしている。図示の実施形態において、駆動穴62はそれぞれの側でおよそ3.9mm(0.154インチ)角である。
【0026】
取付板60上の振動接触要素59と取付板58上の固定された接触要素は、図6に示すように、相互にすぐ近傍に位置決めされる。2つの接触要素57,59は、こうして実質的に搭載される。2つのアセンブリは、共に2つの接合ネジ46によって駆動機構50に保持され取り付けられる。こうして、接触要素は取り外しと取り替えが可能となる。振動接触要素アセンブリは、往復移動(前後)する駆動手段によって移動し、これにより取付板60は取付板58と平行に移動し、接触要素59は接触要素57と平行状態で往復移動する。
【0027】
全体として参照符号50で示される駆動アセンブリは、選択された距離を往復移動する2つの駆動ボタン52を備えている。これらの駆動ボタン52は、振動取付板に形成された駆動開口62の中に向かって延びている。図示された実施形態の振動接触要素は、20Hzから1KHzの範囲内の振動数で動くが、望ましい値の範囲は80〜200Hzである。上記したように、駆動アセンブリの作用は取付板60を取付板58に対して平行に移動させ、これにより振動接触要素59が隣接する固定接触要素57の長さに対して平行に移動する。図示された実施形態において、接触要素と取付板はステンレス鋼から形成され、接触要素は図14に示されるように規則に従って生産された(compliant)材料で被覆されるか或いは全体がその材料で作られ、或いは接触要素は剛毛ブラシ束(bristle brush tufts)などによって置き換えることもできる。
【0028】
図示された実施形態において、中心と中心との間の距離がおよそ3.2mm(0.125インチ)の場合、約2.3mm(0.09インチ)幅の接触要素57,59の間の離間距離は、およそ9mm(0.035インチ)となる。接触要素59は約0.5mm(0.02インチ)から2mm(0.08インチ)の範囲の全体距離にわたって往復移動し、望ましい値は接触要素57に沿っておよそ1mm(0.04インチ)(中立位置から最大位置まで約±0.5mm(0.02インチ))である。接触要素57,59の表面仕上げは、第一に皮膚が接触要素と共に動くような程度である。0.13〜0.51mm(5〜20μインチ)の範囲の表面粗さは効果的であり、望ましい値は0.25mm(10μインチ)である。表面は、接触要素の動きが最小限の滑り或いは滑り無く皮膚に伝わるのに十分な粗さでなければならない。仮に表面が平滑過ぎると、皮膚を擦りむいてしまう。接触要素はエラストマー或いは独立セル発泡体(closed cell foam)である。それはでこぼこした表面或いは一様な指状突起となっている。
【0029】
図6に示す実施形態の動作において、接触要素の端縁面は皮膚の表面に対して軽微に逆らって配置され、装置はスイッチによって起動する。接触要素59は振動し始める。そして装置は、皮膚の表面を横切ってゆっくりとした速度(例えば、2cm/s)で移動する。装置は、隣接する皮膚接触要素間の空間(距離)に対する最大振幅の比率として一般的に0.57で動作する。そのような作用で、僅かに皮膚を歪ませて強制的に毛穴を開くのに十分な振幅でせん断力が皮膚に加えられるが、皮膚の引っ張り過ぎを最小にするのに十分小さい。
【0030】
最低20Hzの上記した振動数範囲において、各毛穴開口は毎秒およそ10回変形する。より高い振動数では、1秒あたりの変形回数は、比例的に大きくなる。漏斗状部を取り囲む細胞への繰り返しのせん断力が生じ、皮脂栓と漏斗状部壁の間の結合力は弱くなるか或いは著しく低下し、これにより皮脂栓が毛穴の中で十分に緩む。
【0031】
図6の実施形態は1つの固定接触要素と1つの可動接触要素とを示しているが、装置が広い範囲をカバーできるようにするために、複数の固定接触要素と振動接触要素が用いられてもよいことは認識するべきである。複数の接触要素がある場合、複数の可動接触要素は固定接触要素と相互に組み合わされ、一組としての態様で駆動される。
【0032】
加えて、両方の接触要素は、望ましくはお互いに対して等しくて反対の方向への移動として駆動される。2つの可動接触要素の最大振幅がそれぞれ約0.5mm(0.02インチ)の場合、相対移動の最大振幅は約1mm(0.04インチ)となる。
【0033】
図9A−9Dは、図6−8の実施形態において、せん断力が加わった場合の皮膚と皮脂栓の動きを示している。図9Aは毛穴78の内部が皮脂栓79によって閉鎖されている状態を示している。接触要素は中立位置にある。そして、可動接触要素は固定接触要素と平行に一方向へ移動し、皮脂栓を歪める(図9B)。そして、可動接触要素と取付板の組合体は逆に移動し、中立位置に戻る。これは図9Cに示されている。可動接触要素は続けて反対方向に移動し、皮脂栓を反対方向に変形させる(図9D)。これが特定の振動数で実行される。一般にはこの「二重」動作が望ましいが、可動接触要素を中立/非作動位置に対して一方向だけに移動させることも可能である。継続した繰り返しの作用により、毛穴壁から皮脂栓が追い出されて或いは取り除かれる。装置は、全体の皮膚領域にわたって上記結果を生みながら、皮膚の表面を横切ってゆっくりと移動する。
【0034】
代替的な機械的配置が図10−12に示されている。それは、2つの固定皮膚接触要素24,26と、中間振動接触要素28を備えている。引張/圧縮配置における各要素の構造は、図6−8の実施形態の各要素のそれと同様であるが、図6−8の実施形態における「せん断」作用が一般的に望ましい。両方の実施形態において、機械的作用によって生じる皮膚の異なる歪みは、皮脂栓の材料と皮膚との間の弾性の違いにより、皮膚から皮脂栓を取り去るのには十分である。
【0035】
図10−12の実施形態において、個別の接触要素24,26,28は、それぞれ取付板に取り付けられている。固定接触要素24,26は取付板30に取り付けられ(図11)、振動接触要素28は取付板32に取り付けられている(図12)。各接触要素は狭くやや細長く、詳細は図11、12に示されている。図示の実施形態において、接触要素は典型的には長さが約20mm(約0.8インチ)で、厚さが約2.3mm(0.09インチ)である。各接触要素の縁部は傾斜が設けられ、各接触要素に多少丸められた端面が与えられて、各端部も図に示すように丸められている。固定接触要素のための取付板30は、およそ30mm(1.18インチ)の幅である。取付板30の上方角部は両方とも36°の角度で切り取られている。接触要素の高さは、接触要素の一方側が他方側(約36mm(1.4インチ))よりも多少低い(約32mm(1.25インチ))。
【0036】
図示の実施形態において、固定接触要素24,26は取付板に対して横断方向(垂直)で、その一方の縁部34からおよそ13mm(0.5インチ)のところに取り付けられている。固定接触要素は、それらが取付板30の一方の面36からおよそ8mm(0.316インチ)飛び出し、反対側の面38からおよそ10mm(0.406インチ)飛び出すように、横方向にずらしてある。
【0037】
図12は振動接触要素のための接触要素28と取付板32の組み合わせを示している。図示の実施形態において取付板32は概ね矩形であり、長さは約25mm(1インチ)で高さは約13mm(0.5インチ)である。取付板32の上方角部は切り取られ、すなわち45°の角度で傾斜し、下方角部は丸められている。
【0038】
振動接触要素28は、取付板32と直角でその上方縁部に取り付けられている。接触要素28の上方縁部は取付板32の上方縁部の上方約7.6mm(0.298インチ)のところにずらして配置され、これにより取付板32の面40から約12mm(0.472インチ)飛び出すようになっている。取付板32は、貫通する2つの駆動穴42を備え、これにより取付板32と接触要素28とが後述の駆動機構によって前後に移動する。図示の実施形態において、駆動穴42はそれぞれの側がおよそ3.9mm(0.154インチ)角である。
【0039】
取付板32上の振動接触要素28と取付板30上の固定接触要素24,26は、お互いにすぐ近くに近接して配置され、図10に示すように、2つの固定接触要素アセンブリは背中合せで裏返しである。こうして、3つの接触要素24,26,28は実質的に設置される。3つのアセンブリは、共に保持され2つの接合ネジ46によって駆動手段に取り付けられる。振動接触要素アセンブリは、それを前後に動かす駆動手段によって移動可能であり、これによって取付板32は取付板30と平行に移動し、接触要素28は交互に接触要素24,26に近接離間移動する。
【0040】
図6の50で示されるのと同様の駆動手段アセンブリは、選択された距離を前後移動する2つの駆動ボタンを備えている。これらの駆動ボタンは、振動取付板32の駆動穴42につながっている。図示された実施形態の振動接触要素は20Hz〜1KHzの範囲内の振動数、望ましい範囲は80〜200Hzで移動する。上記したように、駆動手段アセンブリの作用は、取付板32を取付板30と平行に移動させ、これにより振動接触要素28は1つの隣接する固定接触要素24に向かって(から離間するように)移動し、そして他の隣接する固定接触要素から離間するように(向かって)移動する。
【0041】
図示の実施形態において、接触要素24,26は、約7mm(0.28インチ)の中心間距離によって隔てられ、接触要素28は接触要素24と28の間でおよそ3.8mm(0.15インチ)の頂点間距離にわたって往復移動する。中立/非作動位置と頂点までの距離との間の動きと、中立位置への戻りも可能である。図10−12の実施形態の動作において、接触要素の端面は皮膚表面に僅かに逆らって配置されており、装置はスイッチにより起動する。接触要素28は振動を始める。そして装置は、皮膚表面をゆっくりとした速度、例えば2cm/sで横切って移動する。そのような作用により、引張りおよび圧縮のせん断力が皮膚に加わり、これは毛穴を強制的に僅かに開くのに十分な振幅を持つが、皮膚の引張り過ぎや変形を最小にするのに十分小さい。この実施形態において、動きの最大振幅は、隣接する接触要素間の空間のおよそ39%である。
【0042】
上記した振動数範囲、特に最低の20Hzにおいて、各毛穴開口はおよそ毎秒10回変形する。より高い振動数においては、毎秒当たりの変形数は比例的に多くなる。漏斗状部を取り囲む細胞への繰り返しの引張り及び圧縮応力により、皮脂栓と漏斗状部壁との間の結合力を弱め、あるいは著しく低下させ、これにより皮脂栓は毛穴内で相当に緩くなる。
【0043】
図10〜12の実施形態は2つの固定接触要素と1つの可動接触要素を示しているが、1つの固定接触要素だけ使用したり、あるいは若干広い範囲をカバーするために複数の固定接触要素と振動接触要素を用いてもよい。複数の接触要素を用いる場合、移動する複数の接触要素は固定接触要素と相互に組み合わせられ、1組としての態様で駆動される。
【0044】
加えて、両方の接触要素は、望ましいくはお互いに対して等しく反対方向の動きで駆動される。2つの移動する要素のそれぞれは最大振幅が約0.5mm(0.02インチ)であり、結果として相対移動の最大振幅は約1mm(0.04インチ)である。
【0045】
図13A−13Dは、図10−12の構造において、引張り及び圧縮された皮脂栓を伴う毛穴の動きを示している。
図13Aは、内部が皮脂栓79によって閉鎖された毛穴78を示している。接触要素は中立位置にある。そして、可動接触要素は固定接触要素から垂直に離れるように一方向へ移動し、皮脂栓を変形させ、毛穴を一方向に変形させる(図13)。そして、動きは逆になり、中立位置に戻り、図13Cに示すように、皮脂栓と漏斗状部との間の力は緩和される。そして、可動接触要素は固定接触要素から垂直に離れるように反対方向に移動し、これにより皮脂栓を反対方向に変形させる(図13D)。この一連の流れは、20Hz〜1,000Hzの範囲、望ましくは80〜200Hzの範囲内の振動数で実行される。継続した動きは、皮脂栓を毛穴壁から取り去りあるいは引き離す。使用者は、皮膚の表面を横切るように装置をゆっくり移動させ、皮膚領域全体にわたって上記結果を生じさせる。
【0046】
更なる代替案としての機械的構成は、図15〜22に示されている。これらの構成は、上記した装置と実質的に同様の原理で動作するが、剛毛束からなる接触要素を有している。これらの実施形態において、剛毛束を保持する基礎部は、上記した取付板に類似している。剛直或いは従順な固体接触要素の代わりに、複数の剛毛束が用いられる。各束は更に複数の繊維或いは剛毛からなる。剛毛は用途に適した材料からつくられ、望ましい材料はナイロン612である。各剛毛の直径は約0.05〜0.13mm(2〜5ミル)の範囲で、望ましくは0.075mm(3ミル)であり、長さは約6.4〜15mm(0.25〜0.6インチ)の範囲で、望ましくは約11mm(0.43インチ)である。
【0047】
束の基礎部は、固定及び可動内側剛毛束列については1〜2.5mm(40〜100ミル)の範囲の直径で、望ましくは1.5mmの直径を有し、固定外側剛毛束列については望ましくは2mmの直径を有している。剛毛の直径と長さは、それらの剛性を決定する。同じ材料を用いた場合、大きな直径の剛毛が小さな直径の剛毛よりも剛直である。一般的に、長い剛毛は短い剛毛よりも柔らかい。剛毛を作るために使用される材料も、剛毛の剛性特性を左右する。加えて、列は異なる数の剛毛を有する個別の束で作られる。一般的に、束の中に小さな直径の剛毛を多数有するものは、柔らかい感覚を作り出す。
【0048】
直径が約0.076mm(0.003インチ)の束で、長さが11mm(0.43インチ)のナイロン612の剛毛は、図4における領域I及び領域IIの低い部分内で、皮膚を動かすのに良好に作動する横方向剛性を作り出す。そのような束は、約1.5mm(0.06インチ)の変位で約0.39g/mm(10g/インチ)の横方向バネ定数を作りだし、これはすなわち束の端部に約1.5mm(0.06インチ)の変位が生じた場合に0.6gの横方向の力が基礎部に対して束の端部に加わることを意味する。
【0049】
図15〜18は剛毛列の直線状移動を用いる実施形態を示している。図15及び16において、両方の組の剛毛列(3列の第1組70、3列の第2組72)は、お互いに対して移動し、図17と18において4列の1組82が固定され、3列の他の組80が移動する。両方の実施形態において、移動/固定剛毛束の列は、円形剛毛束84によって囲まれ、その円形剛毛列84は固定され、洗剤/水を皮膚上に保持するためのカーテンのように機能する。
【0050】
図19−22に示される他の実施形態において、剛毛束の列は円形であり、皮膚の表面に対して垂直な回転軸に関して弓状に移動する。図19−20は両方の組の円形剛毛列(2つの列90と2つの列92)がお互いに対して移動する実施形態を示しており、図21−22は2列の組100が移動し3列の他の組102が固定されている実施形態を示している。それぞれの場合において、剛毛列の各列90,92と剛毛列の各列100,102は、洗浄作用のためには十分である。図示されたそれを超えて追加の列を用いても同様に作用する。これらの実施形態の両方において、剛毛の列は液体などのためのカーテンとして作用する円形の固定剛毛104によって囲まれている。図19と20の実施形態において、円形の列90,92の内側にさらに円形の固定剛毛106がある。
【0051】
図15−22に示されるこの装置のための剛毛束の隣接する列は、洗浄作用を生じさせるために示されるように、図4の第I領域および僅かに第II領域に入った範囲で、皮膚を変形するのに十分な振幅でお互いに対して移動する。
【0052】
図5Aは皮膚121に対して単一の剛毛束120を用いた剛毛の洗浄作用を示しており、特に基礎部122が非作動(中立)の場合を示しており、図5Bは基礎部122が最大偏位したときの束120を示している。皮膚121は水平線上の目盛りマークと共に示されており、目盛りの間隔は皮膚の相対変形を示している。
【0053】
図5Aにおいて、均一な間隔の目盛りマークは、剛毛が非作動位置にあって皮膚の変形が無い場合を示している。図5Bは、皮膚が基礎部の動きの方向に剛毛によって僅かに圧縮され、剛毛の先端の僅か後方が引き延ばされていることを示している。一般的な動作において、剛毛と皮膚は両方とも変形し、剛毛は皮膚の表面で相対的に僅かに滑りが発生する。束の基礎部がその非作動(中立)位置から動いた場合に、皮膚の復元力が剛毛のそれと釣り合うまでその係数に従って皮膚の変形は増大する。
【0054】
剛毛束の基礎部で測定された典型的な最大振幅約1.3〜6.35mm(0.05〜0.25インチ)は、約2.5〜6.35mm(0.1〜0.25インチ)の中心間距離を有する列に用いられる。このことは、典型的には最大点までの振幅(両側の最大振幅の50%)の40%で、隣接する束の列の間の中心間距離の10〜100%の範囲である。大きな振幅において、特にブラシが潤滑要素と共に使用された場合には、剛毛は皮膚表面を横切って滑る。
【0055】
再び図19−22を参照すると、潤滑液は装置、例えば図19,20に示される中央口1062を通して供給される。排出された流体を剛毛へ拡散させようとする求心力は、相対的に均一な湿潤状態を提供する。流体は剛毛カーテン104によって保持される。
【0056】
図19から22に示されるような回転構造の場合に、動きの線状振幅は外側のリングほど大きい。内部要素の間隔に対する振幅の割合を概ね一定に保つために、列の中で中心間の間隔が調節される。
【0057】
上記した剛毛の列は、エラストマや独立セル発泡体のような可撓性部材で置き換えることもできる。
また、例えば楕円のような複合動作へ、上記差動せん断モードと引張/圧縮モードの利点を組み合わせることも可能である。
【0058】
また、洗浄すなわち漏斗状開口を洗浄するために、接触要素の単一組を介して皮膚へ双方向運動を加えることも可能である。隣接する接触要素の間で差動往復運動をする上記場合とは異なり、単一組の接触要素の使用は、毛穴開口へ差動力を与えるために皮膚の慣性に依存する。剛毛の列のような単一組の移動する接触要素は、極近傍の皮膚を強制的に動かす。この動きは、皮膚の弾性によって多少離れた皮膚領域につたわる。しかし、皮膚は動きに抵抗する慣性も有しているので、これにより動きの方向にせん断力が生じる。このせん断力は、可動接触要素から大きく離れた場所では低下する。
【0059】
単一組の接触要素を介して双方向の往復運動を与えることは、一般的に引張/圧縮すなわちそれらの間にせん断を与えるように配置された隣接する接触要素を用いる場合ほど効率的ではない。
【0060】
単一組の往復する接触要素は、全ての線状剛毛が同調して移動する図17,18に示す装置のように、直線状の態様を実現できる。この単一組の往復運動は、全ての列の剛毛が同調して動く図21から22の装置のように、円弧状の態様を実現することも可能である。ここで、接触要素は剛直な或いは柔軟な材料からなり、動きの最大振幅は約1〜3.8mm(0.04〜0.15インチ)の範囲で、望ましくは約2.3mm(0.09インチ)であり、接触要素が剛毛列の場合には、動きの最大振幅は約0.5〜4mm(0.02〜0.16インチ)の範囲で、望ましくは約2mm(0.082インチ)である。
【0061】
図23は、接触要素120の可動部分の振幅を制御するための制御手段の概略ブロック図を示す。制御手段は、検知要素121,電力変調回路122及び駆動回路123からなる。検知要素121は接触要素120によって皮膚に加えられる圧力の大きさを検知し、電力変調回路122に信号を与える。電力変調回路122は、駆動回路124の電力と接触要素の振幅を変調するためにその信号を用いる。
【0062】
制御手段は、3つの動作モードのうち、好ましい数の複数の動作モードで動作する。装置の適切な動作においては、付与器(applicator)によって皮膚に加えられる圧力が所望の範囲に収まることを要求する。
【0063】
接触要素によって皮膚に加えられる圧力が装置の適当な動作の下限閾値より低い場合には、接触要素を有する付与器の振幅はその公称振幅から実質的に低減される。このことは、付与器が皮膚と接触していない場合の、流体すなわち洗浄媒体のありそうな飛びはねを低減する。
【0064】
付与器によって皮膚に加えられる圧力が装置の適切な動作のための下限閾値を超えるが上限閾値を超えない場合、付与器は公称振幅で駆動される。
付与器によって皮膚に加えられる圧力が装置の適切な動作の上限閾値を超えた場合、接触要素を備える付与器の振幅は正常な振幅か実質的に低減されるか、或いは望ましくは全て停止される。代替案としては、圧力を低減するために使用者が聞き取れるか或いは触って感じ取れるフィードバックを作り出すために、例えば2〜10Hzの低い周波数で接触要素への電力を中断させる。この過剰圧力フィードバック信号は、付与器が皮膚に対して過剰な動きを与える可能性を低減する。
【0065】
上記した制御手段は、安全性及び利便性を提供するだけではなく、付与器の圧力を装置の適切な動作のための範囲に維持するために使用者にフィードバックを提供する。
図24は、局所解剖学的に異なる、すなわち皮脂の分泌の程度が異なる顔の4つの領域を示している。一般的に、顔はTゾーン130,132と呼ばれる領域と、外側頬領域134,136の2つの異なる領域に分けられる。Tゾーンは、額、鼻および顎を含む口の回りからなる顔の部分である。それは、Tの文字に似た形状であることからそう名付けられた。
【0066】
Tゾーンは、外側の頬よりこの領域の皮脂腺の割合が高いので、しばしばざ瘡の傾向がある。従って、本発明の重要な構成要素は、その領域における皮脂の典型的な発生に従って、その領域への過剰あるいは過小な治療をすることなく、顔の異なる領域を適切に処理することに関して使用者を助けるための計時手段である。全体の治療時間は30秒から2分の間であり、望ましくは1分である。更に、全治療時間は2つ或いはそれ以上に分けられてもよく、望ましくは4つの時間間隔に分けられる。本発明において、額130の治療に対する第1の時間間隔は20秒であり、鼻、口の回り及び顎132の治療に対する第2の時間間隔は20秒であり、外側の各頬の領域134,136に対する時間間隔は10秒である。
【0067】
計時手段140(図25)は、可聴信号142或いは動く接触要素の感じられる動きの変化のどちらか、或いは同時に両方を提供することによって、使用者に気づかせる。この注意喚起は、顔の各領域に対する望ましい治療時間が経過した場合に、使用者に教える。計時手段は、オン/オフスイッチ146が選択された時間間隔の間押されることによって装置が起動した後、動作可能或いは不能となる。第1の可聴信号は計時手段が動作可能であることを示すために用いられ、第2の可聴信号は計時手段が動作不能であることを示すために使用される。
【0068】
概説すると、漏斗状(毛穴)開口へ局所的に異なる動きを与えることで、先端漏斗状部(毛穴の先端)から皮脂栓を除去する結果となる。異なる動きとは、面皰(comedone(皮脂栓))および取り囲む組織との間の境界へ力を加える直線状、円弧状あるいは楕円状であり、これにより先端漏斗状部壁と皮脂栓との間の接合を緩和する。
【0069】
双方向の、中心へ戻る動きは一般的に皮脂栓の性質に起因して、一方向の動きよりもより良い清浄能力を提供する。すなわち、皮脂栓は一般的に平坦で無秩序な組織と考えられており、酸化した皮脂脂質であってモルタル内に埋め込まれた煉瓦のような角質細胞である。先端漏斗状部の壁への皮脂栓の接合力は、酸化した皮脂とセラミド脂質との組み合わせによると考えられる。なぜなら、角質細胞の向きは先端漏斗状部の壁に対して完全に不規則ではなく、一方向の動きだけで接合のいくらかは解消できるが、皮脂栓をゆるめるのには不十分である。本発明の望ましい実施形態では、ほとんどの或いは全ての角質細胞にそれらの向きにかかわりなく接合力を緩和する応力が加わるように、双方向の動きが加えられる。
【0070】
双方向の動きの振幅を、一般的に皮膚を低い歪み領域に維持する限度まで制限することも利益のあることである。大きな振幅の双方向或いは一方向の動きは、コラーゲン繊維を大きな歪み状態に置く。
【0071】
使用時において、我々の発明は先端漏斗状部及び皮脂栓を取り囲む皮膚に毎秒多数回の周期的な変形及び緩和を与える。異なる振動周期の繰り返しは、先端漏斗状部と皮脂栓との間の結合力を除々に緩和することによって治療的効果を与える。
【0072】
本発明は、20−1000Hzの振動数範囲で動作するようになっている。望ましい範囲は、80−200Hzである。80Hzより低い範囲では、振動率は最適な値より低く、機械的実装はより困難である。200Hzを超えると、通常は好ましくない強く敏感な反応が鼻の領域で生じる。最低の振動数で動作する装置の活動面の幅が1cmと仮定し、装置を皮膚の表面にわたって2cm/秒で直線状に動かすと、各毛穴は10回の変形工程を体験し、これは実用的な手作業による技術よりも多数である。高い振動数において、1行程当たりの変形数は比例的に大きくなる。
【0073】
加えられる差動的な動きとしては、2つの基本的なモードがあり、それはせん断と引張り/圧縮である。せん断モード装置は、皮膚に接触する狭い要素を介して直線状の作動的動きを与え、それぞれ相互に対して長さ方向に移動する。この装置は、一般的に隣接する接触要素に対して正弦曲線振動を与える。装置は、2つの接触要素アセンブリを備えている。装置は、接触要素をその長手方向軸線に沿って互いに平行に移動させる。接触要素の表面と皮膚表面との間の十分な摩擦力は、この動きを皮膚に伝達し、図9A〜9Dに示されるようにそれらの間の皮膚にせん断作用を生じさせる。
【0074】
せん断モードに対して引張/圧縮モードの装置は、接触要素を違いに近接離間させるように動かす。振動は接触要素の長手方向軸線と垂直であり(すなわち、1つの接触要素が隣接する一方の接触要素に向かい且つ隣接する他方の接触要素から離れ)、こうして漏斗状部を取り囲む組織に引張/圧縮応力を交互に生じさせる。接触要素の表面と皮膚表目との間の十分な摩擦力は、図13A〜13Dに示されるように、皮膚へこの動きを伝達する。
【0075】
1つの接触要素が動く場合に代えて、両方の接触要素が装置本体に対してそしてお互いに反対に動くようにしてもよい。
皮膚接触要素は、剛体でも良いし可撓性体でもよい。剛直な表面はステンレス鋼とプラスチックで作ることができる。可撓性の接触表面は、剛毛、エラストマー及び柔らかい柔軟な発泡体を含む。表面は滑り無し或いはそのような滑りを最小にして皮膚に動きを伝達するために、十分な粗さを有するべきである。加えて、適当な程度な表面粗さは、良好な層状運動(接触表面の間質性(interstitial)の空間によって皮膚の湿潤部から乾燥部へ潤滑剤を伝達する)を実現できる。仮に表面仕上げが平滑過ぎる場合、潤滑剤は拭き取られ、接触表面は皮膚に対して乾いた状態で移動し、望まない皮膚の擦れを生じさせるかもしれない。この表面粗さは約0.13mm〜0.5mm(5〜20マイクロインチ)の範囲であり、望ましくは0.25mm(10マイクロインチ)である。
【0076】
一方向に移動する皮膚接触要素の組が動かない皮膚接触要素或いは反対方向に移動する皮膚接触要素の組との間で相互嵌合するように、複数の接触要素が備えられている。図15は二重の皮膚接触要素の組を備える装置を示しており、これは図6に示される単一の皮膚接触要素の組を有する装置を模倣したものである。図15に示されるものの場合、2つの組の皮膚接触要素のそれぞれは、3列の剛毛束からなる。剛毛束列の各組は相対的に反対に動き、固定された剛毛束の固定された円形列によって取り囲まれ、飛びはねを最小にして、皮膚上への動く剛毛の先端の接触を制御する役割を有する。剛毛束は、相互嵌合列の動きが先端漏斗状部の開口を治療するために皮膚に十分な力を生じさせるように設計されている。この作用は、手を洗うときに左右の手を相互に合わせるときの指に類似している。
【0077】
図示されたモデルでは、それぞれ2つの相互嵌合された剛毛列の組を3列有するが、剛毛列の数は単一列から求められる表面積に対して実際的な数まで変化可能である。
加えて、剛毛束列の動きは皮膚の面に沿って直線状、円弧状或いは楕円状であり、皮膚に直角な回転軸を持つ。
【0078】
皮膚に加えられる往復の力の大きさは、一義的には横方向変形に対する剛毛束の剛性、剛毛列の長さ及び幅、剛毛列間の間隔、相互嵌合運動の振幅及び使用者によって加えられる圧力によって決定される。
【0079】
接触要素の動きによる皮膚への影響は、皮膚への潤滑剤の使用によって変化させることもできる。潤滑剤は水、石けん水、他の皮膚洗浄剤、ローション或いはジェルである。多くの潤滑剤の使用によって皮膚を横切る剛毛の先端の滑り作用は拡大し、皮膚へ加わる変形作用は小さくなる。皮膚を横切る滑り作用は皮膚表面の堆積物の除去に役立つ。堆積物には、皮脂、トリグリセリド、脂肪酸、落屑した(desquamatized)角質細胞及び蓄積された泥及び環境物質などが含まれる。
【0080】
従って、本発明は皮脂栓と毛穴壁との間の結合力を緩めるために、せん断モード、引張/圧縮モード或いはその組み合わせ(楕円)モードの何れかで機械的エネルギを提供する。そのような動きは往復直線運動、往復円弧運動或いはそれらの組み合わせの何れかの動く接触要素によって作り出される。緩められた皮脂栓と前もって固定された毛穴からの脂質は、その後清浄領域を洗浄することによって容易に取り除くことができる。そのような構成により、より深刻なざ瘡状態の進展を避けるための、早い段階でのざ瘡の効果的治療となる。しかしながら、加えてこの構成は、ざ瘡が存在しない場合に皮膚の効果的な洗浄に使用することもできる。穏やかな洗浄作用の組み合わせにより、皮膚に対して所望の効果的な洗浄効果を発揮し、使用者には清潔で健康な皮膚の感覚を作り出す。
【0081】
本発明の望ましい実施形態は例示の目的のために開示されているが、請求項で規定された思想から逸脱することなく、様々な置き換えや変更がそのような実施形態に対して可能であることは理解するべきである。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】一般的な皮膚の毛穴の断面図を示す。
【図2】面皰で塞がれた先端漏斗状部の断面図を示す。
【図3】面皰で塞がれた先端漏斗状部の図2における3−3線に沿った断面図を示す。
【図4】異なる程度の加えられた応力に対する皮膚の歪み特性を示す。
【図5】皮膚に対して動く単一剛毛束の相対移動を示す。
【図6】本発明の機械的ざ瘡治療装置の一実施形態の拡大図を示す。
【図7】図6の装置の固定接触要素部の概略図を示す。
【図8】図6の装置の可動接触要素部の概略図を示す。
【図9】図6の装置の作用が加えられる、皮膚の毛穴内に位置する一般的な皮脂栓への効果を示す。
【図10】図6の機械的装置の変形例の概略図を示す。
【図11】図10の装置の固定接触要素部の概略図を示す。
【図12】図10の装置の可動接触要素部の概略図を示す。
【図13】図10−12の装置の作用が加えられる、皮膚の毛穴内に位置する一般的な皮脂栓への効果を示す。
【図14】図7に示す機械的装置の変形例を示し、柔軟材料が接触要素の表面に設けられている。
【図15】固定された剛毛束の円形列によって囲まれる、交互に直線状に移動する剛毛束列を備える本発明の代替的実施形態を示す図である。
【図16】図15に示す装置の上面図である。
【図17】図15に示す機械的装置の変形例を示す図であり、剛毛束の1組は固定され、他の組は直線状に移動する。
【図18】図17に示す装置の上面図である。
【図19】交互に回転移動する剛毛束の組を有する本発明の代替的実施形態を示す図である。
【図20】図19に示す機械的装置の上面図である。
【図21】単一組の回転移動する剛毛束(2列)を有する図16に示す機械的装置の変形例を示す図である。
【図22】図21に示す機械的装置の上面図である。
【図23】皮膚に加えられる圧力の関数として動きの振幅を制御するための制御手段を示す概略ブロック図である。
【図24】皮脂分泌の程度とざ瘡障害の発生の程度が異なる顔の様々な領域を示す人間の顔の概略図である。
【図25】本発明に役立つ計時構造のブロック図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ざ瘡の治療のための装置であって、
少なくとも1つの接触要素は可動接触要素である、実質的に同じ面に端面を有する少なくとも2つの接触要素と、
前記接触要素を実質的に相互に隣接させて保持するための取付アセンブリと、
少なくとも1つの前記可動接触要素を少なくとも1つの隣接する接触要素に対して往復移動させるためのアセンブリであって、前記接触要素の前記端面が皮膚に接触するように配置され、皮膚の毛穴から皮脂栓を取り除くために皮膚への作用が作り出され、皮膚からの皮脂栓の除去を迅速にするアセンブリと、
を備えていることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記可動接触要素の動きの振動数は、20Hzから1KHzの範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記振動数は80Hz〜200Hzの範囲内であることを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記接触要素の動きによって皮膚は繰り返しのせん断状態に置かれ、前記接触要素が位置する場所での皮膚の毛穴から皮脂栓が離れるのを助けることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記可動接触要素の動きは往復直線運動であることを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記可動接触要素の動きは往復円弧運動であることを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項7】
前記接触要素は剛直な材料からなることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記接触要素は、粗さが約0.13〜0.5mm(5〜20マイクロインチ)の範囲内の接触表面を有することを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記粗さは約0.25mm(10マイクロインチ)であることを特徴とする請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記可動接触要素の動きの最大振幅の割合は、お互いに関して移動する隣接した接触要素間の距離の15〜120%の範囲内であることを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項11】
前記割合は約60%であることを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記各接触要素は、それぞれ剛毛束の列を備えていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記剛毛は、直径は約0.05〜0.13mm(2〜5ミル)の範囲で、長さは約6.4〜15mm(0.25〜0.6インチ)の範囲で、前記剛毛の材料はたわみ係数が約690〜6900MPa(100〜1000kpsi)の範囲であることを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記剛毛束は、束の基部での約1.5mm(0.062インチ)の変位が、前記束の末端において前記皮膚に加えられるべき約0.3〜1.4gの範囲の力を生じさせような、機械的特性を有していることを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項15】
前記力は約0.61gであることを特徴とする請求項14に記載の装置。
【請求項16】
隣接する接触要素の基部に対する前記剛毛束の基部における動きの前記最大振幅は、お互に対して動く隣接接触要素間の中心間距離の10〜125%の範囲であることを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項17】
隣接する接触要素の基部に対する前記剛毛束の基部における動きの前記最大振幅は、約45%であることを特徴とする請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記接触要素は柔軟な材料からなることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項19】
前記接触要素はエラストマーの中実材料からなることを特徴とする請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記接触要素は発泡材料からなることを特徴とする請求項18に記載の装置。
【請求項21】
前記可動接触要素の動きは、往復して前記皮膚を交互に引張及び圧縮状態に置くことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項22】
何れかの前記可動接触要素の最大振幅移動は、隣接する接触要素上の点に関して直線移動であり、前記直線移動は接触要素が中立位置に有る場合の隣接する接触要素間の距離の10〜60%の範囲であることを特徴とする請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記直線移動は約40%であることを特徴とする請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記接触要素は剛直な材料からなることを特徴とする請求項21に記載の装置。
【請求項25】
前記接触要素は、0.13〜0.5mm(5〜20マイクロインチ)の範囲の表面仕上げがなされていることを特徴とする請求項24に記載の装置。
【請求項26】
前記表面仕上げは約0.25mm(10マイクロインチ)であることを特徴とする請求項25に記載の装置。
【請求項27】
前記可動接触要素の動きは制御手段によって制御され、前記可動接触要素の動きの振幅は皮膚に接触要素が接触していない場合には低減され、接触要素が皮膚に正しい圧力で当接している場合には最適な動作のために可動接触要素の動きの振幅は望ましい大きさにされ、前記接触要素が正しい圧力よりも大きな圧力で当接している場合は使用者によって感じ取れる態様に、前記可動接触要素の動きの大きさが変化することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項28】
前記接触要素に隣接して配置される流体供給構造を更に備え、前記構造は動作中に皮膚に接触する流体を供給することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項29】
前記接触要素に隣接して配置される流体包囲構造を更に備え、前記流体包囲構造は前記接触要素の移動によって装置から流体が漏れるのを防ぐことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項30】
前記流体包囲構造は、前記接触要素の端部と略同じ面に自由端を有する剛毛束からなることを特徴とする請求項29に記載の装置。
【請求項31】
過剰な皮膚圧力が可動接触要素にかかる可能性を最小にするように、皮膚に加わる圧力を制御するための制御アセンブリを更に備えていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項32】
前記接触要素は取り外し可能で取り替え可能であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項33】
経過時間の間隔の連続報知を生じさせるために、起動している装置に応答する計時手段を更に備え、前記経過時間の間隔は顔の治療部分に対する必要な時間に関連しており、時間の連続報知は装置が動作している間のあらかじめ確定された時間の設定間隔内で提供され、
更に、装置が起動された後の予め確定された時間間隔の間において、装置が停止された後の選択された時間間隔の間前記計時手段の状態を維持するための手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項34】
前記時間の連続報知は、装置が動作している間の予め確定された設定時間間隔で与えられることを特徴とする請求項33に記載の装置。
【請求項35】
前記設定された時間間隔は約1分であり、選択された時間間隔は約10〜20秒であることを特徴とする請求項34に記載の装置。
【請求項36】
前記報知は、a)可聴信号、及び、b)可動接触要素の感知可能な動きの変化のうちの選ばれた1つであることを特徴とする請求項33に記載の装置。
【請求項37】
前記報知は、可聴信号及び可動接触要素の感知可能な動きの変化の両方からなることを特徴とする請求項33に記載の装置。
【請求項38】
前記装置の起動後に、前記計時手段の状態を起動及び停止の間で切替えるための手段を更に備えていることを特徴とする請求項33に記載の装置。
【請求項39】
前記切替手段は、選択された時間間隔にわたって押されるオン/オフスイッチに連動していることを特徴とする請求項38に記載の装置。
【請求項40】
第1の可聴信号は計時手段が起動されたことを報知し、前記第1の可聴信号とは異なる第2の可聴信号は前記計時手段が停止したことを報知することを特徴とする請求項39に記載の装置。
【請求項41】
前記剛毛束の列は直線状の複数の列からなり、交互にそれらの1つが(a)移動し別の1つが(b)固定位置に残ることを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項42】
前記直線状の複数の列を取り囲む固定された剛毛束の列を更に備えることを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項43】
前記剛毛束の列は直線状の複数の列からなり、交互にそれらが反対方向に移動することを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項44】
前記複数の直線状列を取り囲む固定された剛毛束の列を更に備えることを特徴とする請求項43に記載の装置。
【請求項45】
前記剛毛束の列は複数の円形状列を備え、交互にそれらの1つが(a)移動し別の1つが(b)固定位置に残ることを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項46】
前記複数の円形状列を取り囲む固定された剛毛束の列を更に備えることを特徴とする請求項45に記載の装置。
【請求項47】
前記剛毛束の列は複数の円形状列を備え、交互にそれらが反対方向に移動することを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項48】
前記複数の円形状列を取り囲む固定された剛毛束の列を更に備えることを特徴とする請求項47に記載の装置。
【請求項49】
ざ瘡の治療のための装置であって、
使用者の皮膚に接触するための端面を有する少なくとも1つの可動接触要素と、
前記接触要素の端面が皮膚に接触するように前記装置が位置決めされた時に、皮脂栓を皮膚の毛穴から取り除き、それを皮膚から迅速に取り除くことを可能にする皮膚への作用が作り出されるように、双方向の態様で前記接触要素を往復運動させるための手段とを備えていることを特徴とする装置。
【請求項50】
前記接触要素の動きの振動数は、80Hzから200Hzの範囲内であることを特徴とする請求項49に記載の装置。
【請求項51】
前記接触要素の動きによって皮膚は繰り返しのせん断状態に置かれ、前記接触要素が位置する場所での皮膚の毛穴から皮脂栓が離れるのを助けることを特徴とする請求項49に記載の装置。
【請求項52】
前記接触要素は剛直な材料からなることを特徴とする請求項51に記載の装置。
【請求項53】
前記接触要素は、約0.13〜0.5mm(5〜20マイクロインチ)の範囲内の粗さを有することを特徴とする請求項52に記載の装置。
【請求項54】
前記接触要素は、約1〜3.8mm(0.04〜0.15インチ)の範囲の最大振幅を有していることを特徴とする請求項49に記載の装置。
【請求項55】
前記接触要素は単一列の剛毛束を備えていることを特徴とする請求項49に記載の装置。
【請求項56】
前記剛毛は、直径は約0.05〜0.13mm(2〜5ミル)の範囲で、望ましい直径は約0.075mm(3ミル)で、長さは約6.4〜15mm(0.25〜0.6インチ)の範囲で、望ましい長さは11mmで、前記剛毛の材料はたわみ係数が約690〜6900MPa(100〜1000kpsi)の範囲で、望ましいたわみ係数は約4140MPa(600kpsi)であることを特徴とする請求項49に記載の装置。
【請求項57】
前記剛毛束の動きの最大振幅は約0.5〜4mm(0.02〜0.16インチ)の範囲であることを特徴とする請求項55に記載の装置。
【請求項58】
前記接触要素の動きは皮膚を繰り返し交互に引張と圧縮の状態に置くことを特徴とする請求項49に記載の装置。
【請求項59】
前記接触要素は、0.13〜0.5mm(5〜20マイクロインチ)の範囲の表面仕上げがなされていることを特徴とする請求項58に記載の装置。
【請求項60】
前記剛毛束の単一列は直線であることを特徴とする請求項55に記載の装置。
【請求項61】
前記剛毛束の単一列は円形であることを特徴とする請求項55に記載の装置。
【請求項62】
皮膚の治療のための装置であって、
少なくとも1つの接触要素は可動接触要素である、実質的に同じ面に端面を有する少なくとも2つの接触要素と、
前記接触要素を実質的に相互に隣接させて保持するための取付アセンブリと、
少なくとも1つの前記可動接触要素を少なくとも1つの隣接する接触要素に対して往復移動させるためのアセンブリであって、前記接触要素の前記端面が皮膚に接触するように配置され、皮膚への作用は皮膚の毛穴からの異物の除去を含む皮膚への洗浄作用を作り出すアセンブリ、を備えていることを特徴とする装置。
【請求項63】
前記可動接触要素の運動の振動数は、80Hzから200Hzの範囲内であることを特徴とする請求項62に記載の装置。
【請求項64】
前記接触要素の相対運動は、皮膚を繰り返しのせん断歪み状態に置くことを特徴とする請求項62に記載の装置。
【請求項65】
前記接触要素は、粗さが約0.13〜0.5mm(5〜20マイクロインチ)の範囲内の接触表面を有することを特徴とする請求項62に記載の装置。
【請求項66】
前記接触要素は、剛毛束の各列からなることを特徴とする請求項62に記載の装置。
【請求項67】
前記接触要素の動きは皮膚を繰り返し交互に引張と圧縮の状態に置くことを特徴とする請求項62に記載の装置。
【請求項68】
前記可動接触要素の動きは制御手段によって制御され、前記可動接触要素の動きの振幅は皮膚に接触要素が接触していない場合には低減され、接触要素が皮膚に対して最適な動作のために正しい圧力で当接している場合には可動接触要素の動きの振幅は望ましい大きさにされ、前記接触要素が正しい圧力よりも大きな圧力で皮膚に当接している場合は使用者によって感じ取れる態様に、前記可動接触要素の動きの大きさが変化することを特徴とする請求項62に記載の装置。
【請求項69】
前記接触要素に隣接して配置される流体供給構造を更に備え、前記構造は動作中に皮膚に接触する流体を供給することを特徴とする請求項62に記載の装置。
【請求項70】
前記接触要素は取り外し可能で取り替え可能であることを特徴とする請求項62に記載の装置。
【請求項71】
経過時間の間隔の連続報知を生じさせるために、起動している装置に応答する計時手段を更に備え、前記経過時間の間隔は顔の治療部分に対する必要な時間に関連しており、時間の連続報知は装置が動作している間のあらかじめ確定された時間の設定間隔内で提供される計時手段と、
更に、装置が起動された後の予め確定された時間間隔の間において、装置が停止された後の選択された時間間隔の間前記計時手段の状態を維持するための手段を備えていることを特徴とする請求項62に記載の装置。
【請求項72】
皮膚の治療のための方法であって、
皮膚を中立位置から、皮膚がおよそその弾性限界に達する点である第1の変形位置まで変形させる第1ステップと、
前記皮膚が前記中立位置に戻るのを許容する第2ステップと、
皮膚の毛穴からの不要な物質の除去を含む皮膚の洗浄のための皮膚への作用を作り出すために、20Hz〜1KHzの振動数範囲内で第1及び第2ステップを繰り返すことを特徴とする方法。
【請求項73】
前記不要な物質は皮脂栓であることを特徴とする請求項72に記載の方法。
【請求項74】
前記振動数範囲は80Hz〜200KHzであることを特徴とする請求項72に記載の方法。
【請求項75】
皮膚を第1ステップの方向とは逆の方向の第2変形位置まで伸ばす第3ステップと、皮膚が中立位置まで戻るのを許容する第4ステップとを更に含み、第3及び第4ステップは前記繰り返しステップに先んじて実行されることを特徴とする請求項72に記載の方法。
【請求項76】
前記皮膚の変形はせん断歪み作用によって成し遂げられることを特徴とする請求項72に記載の方法。
【請求項77】
前記皮膚の変形は引張/圧縮作用によって成し遂げられることを特徴とする請求項72に記載の方法。
【請求項78】
皮膚の洗浄を助けるために皮膚へ流体を供給するステップを更に含むことを特徴とする請求項72に記載の方法。
【請求項79】
前記方法の各ステップは、使用者の顔の特定の皮膚領域に対して所定時間実行されることを特徴とする請求項72に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図9D】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図13D】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公表番号】特表2007−523712(P2007−523712A)
【公表日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−500727(P2007−500727)
【出願日】平成16年2月25日(2004.2.25)
【国際出願番号】PCT/US2004/000533
【国際公開番号】WO2005/091748
【国際公開日】平成17年10月6日(2005.10.6)
【出願人】(505359481)パシフィック・バイオサイエンス・ラボラトリーズ・インコーポレーテッド (10)
【Fターム(参考)】