説明

利用明細作成支援装置、利用明細作成支援方法および利用明細作成支援プログラム

【課題】振替手続きの円滑化を図るとともにカードの利用にかかる顧客の利便性の向上を図ること。
【解決手段】カードの利用明細の作成を支援する利用明細作成支援装置104は、顧客ごとの顧客情報を記憶する顧客情報DB110から顧客情報を、顧客ごとのクレジットカードの利用履歴に関する利用履歴情報を記憶する利用履歴情報DB120から利用履歴情報を、抽出部602によって顧客ごとにそれぞれ抽出し、抽出された情報を用いて、発行条件情報DB130から抽出された条件に関する情報に基づいて、顧客ごとの前記利用明細の作成処理の優先度を決定部603によって決定するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、カードの利用明細の作成を支援する利用明細作成支援装置、利用明細作成支援方法および利用明細作成支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
クレジットカードの利用明細は、1ヶ月などの所定の期間ごとに発行される。利用明細に記載された請求金額は、所定の期日に該当する引き落とし用の口座から引き落とされる。請求金額は、利用者が利用明細を受け取ってから引き落としの期日までに引き落とし用の口座に入金しておくことにより自動的に引き落とされる(たとえば、下記特許文献1を参照。)。
【0003】
近年では、店頭などクレジットカード決済の場で一括での支払いの手続きをおこなった場合にも、後日、分割での支払い(以下「分割払い」という)やリボルディング払い(以下「リボ払い」という)に変更することを可能とするサービスがある。分割払いやリボ払いへの変更サービスは、支払いの期日に先行する所定の期日までに申請をおこなうことによって利用可能とされている。
【0004】
また、近年では、コンサートやショッピングの優待などのクレジットカード利用者に対する特典についての案内が記載されたパンフレットなどを利用明細に同封するサービスがある。利用明細に同封するパンフレットを介して利用者に特典を提供することによって、クレジットカードの利用に対する付加価値を付けていることも多い。
【0005】
【特許文献1】特開2004−62233号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した従来の技術では、利用明細が一律の順序で発行されるため、利用者によっては利用明細を受け取ってから引き落としの期日までの期間が短く、引き落とし用の口座への入金が間に合わなかったり、分割払いやリボ払いへの変更手続きが間に合わなかったために引き落としができなかったりして、振替手続きが滞ってしまうことがあった。
【0007】
また、上述した従来の技術では、利用明細が一律の順序で発行されるため、利用者によっては利用明細に同封されたサービスの利用期限までの時間が少ないためにサービスを利用できなかったり、利用明細を受け取った時点では希望するサービスの利用定員が満たされ当該サービスを利用できなかったりすることがあった。
【0008】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、振替手続きの円滑化を図るとともにカードの利用にかかる顧客の利便性の向上を図ることができる利用明細作成支援装置、利用明細作成支援方法および利用明細作成支援プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この発明にかかる利用明細作成支援装置は、カードの利用明細の作成を支援する利用明細作成支援装置であって、顧客ごとの顧客情報を記憶する顧客情報データベースと、前記顧客ごとの前記カードの利用履歴に関する利用履歴情報を記憶する利用履歴情報データベースと、利用明細の作成処理の優先度を決定する条件に関する情報を記憶する発行条件情報データベースと、を備えあるいはネットワークを介して接続可能とし、前記顧客情報データベースから顧客情報を、前記利用履歴情報データベースから利用履歴情報を、顧客ごとにそれぞれ抽出する抽出手段と、前記抽出手段によって抽出された情報を用いて、前記発行条件情報データベースから抽出された条件に関する情報に基づいて、前記顧客ごとの前記利用明細の作成処理の優先度を決定する決定手段と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、決定した優先度にしたがった順序で利用明細を作成して送付することができるので、顧客からの早期受け取りの申請がない場合にも、優先度の決定にかかる条件に該当する利用履歴のある顧客(利用者)に対して優先的にカードの利用履歴を案内することができる。
【0011】
また、この発明にかかる利用明細作成支援装置は、上記の発明において、前記抽出手段が、前記顧客情報データベースから、顧客があらかじめ決定した所定の支払い金額に関する情報を抽出するとともに、前記利用履歴情報データベースから、前記利用明細の記載対象となる金額情報を抽出し、前記決定手段が、前記抽出手段によって抽出された情報にかかる金額の総計が、抽出された所定の支払金額を超えている顧客の優先度を、前記抽出手段によって抽出された金額情報の総計が、抽出された所定の支払い金額を超えていない顧客の前記優先度よりも上げることを特徴とする。この発明によれば、顧客からの早期受け取りの申請がない場合にも、所定の支払い金額を超えた利用履歴のある顧客に対して、優先的にカードの利用履歴を案内することができる。
【0012】
また、この発明にかかる利用明細作成支援装置は、上記の発明において、前記所定の支払い金額とは、分割払いまたはリボ払いにおける設定金額であることを特徴とする。この発明によれば、分割払いまたはリボ払いへの変更の可能性がある顧客に対して、優先的にカードの利用履歴を案内することができる。
【0013】
また、この発明にかかる利用明細作成支援装置は、カードの利用明細の作成を支援する利用明細作成支援装置であって、顧客ごとの顧客情報を記憶する顧客情報データベースと、前記顧客ごとの前記カードの利用履歴に関する利用履歴情報を記憶する利用履歴情報データベースと、利用明細の作成処理の優先度を決定する条件に関する情報を記憶する発行条件情報データベースと、を備えあるいはネットワークを介して接続可能とし、前記顧客情報データベースから顧客情報における所定の条件を満たす顧客を、前記利用履歴情報データベースから利用履歴情報における所定の条件を満たす顧客を、それぞれ抽出する抽出手段と、前記抽出手段によって抽出された顧客と、抽出されなかった顧客とで、上記優先度が異なるように、前記顧客ごとの前記利用明細の作成処理の優先度を決定する決定手段と、を備えたことを特徴とする。この発明によれば、顧客からの早期受け取りの申請がない場合にも、利用履歴の早期受け取りが有効となる顧客に対して、優先的にカードの利用履歴を案内することができる。
【0014】
また、この発明にかかる利用明細作成支援装置は、上記の発明において、前記抽出手段が、前記顧客情報データベースから所定の金融機関を支払いに利用する顧客を抽出し、前記決定手段は、前記抽出手段によって抽出された顧客の前記優先度を、抽出されなかった顧客の前記優先度よりも上げることを特徴とする。この発明によれば、顧客からの早期受け取りの申請がない場合にも、たとえば月間での締め日が早い金融機関を利用する顧客に対して、優先的にカードの利用履歴を案内することができる。
【0015】
また、この発明にかかる利用明細作成支援装置は、上記の発明において、前記抽出手段が、前記利用履歴情報データベースから所定の加盟店を利用した顧客を抽出し、前記決定手段は、前記抽出手段によって抽出された顧客の前記優先度を、抽出されなかった顧客の前記優先度よりも上げることを特徴とする。この発明によれば、早期受け取りの申請手続きなどに顧客を煩わせることなく所定の加盟店を利用した顧客に対して、優先的にカードの利用履歴を案内することができる。
【0016】
また、この発明にかかる利用明細作成支援装置は、上記の発明において、前記抽出手段が、前記顧客情報データベースまたは前記利用履歴情報データベースから、前記利用明細の発送の際に同封したカタログに基づく前記カードの利用がある顧客を抽出し、前記決定手段が、前記抽出手段によって抽出された顧客の前記優先度を、抽出されなかった顧客の前記優先度よりも上げることを特徴とする。この発明によれば、早期受け取りの申請手続きなどに顧客を煩わせることなくカタログに基づくカードの利用がある顧客に対して、優先的にカードの利用履歴を案内することができる。
【0017】
また、この発明にかかる利用明細作成支援方法は、顧客ごとの顧客情報を記憶する顧客情報データベースと、前記顧客ごとのカードの利用履歴に関する利用履歴情報を記憶する利用履歴情報データベースと、利用明細の作成処理の優先度を決定する条件に関する情報を記憶する発行条件情報データベースと、を備えあるいはネットワークを介して接続可能とし、抽出手段と、決定手段を備えた、前記カードの利用明細の作成を支援する利用明細作成支援装置に用いる利用明細作成支援方法であって、前記抽出手段が、前記顧客情報データベースから顧客情報を、前記利用履歴情報データベースから利用履歴情報を、顧客ごとにそれぞれ抽出する抽出工程と、前記決定手段が、前記抽出工程によって抽出された情報を用いて、前記発行条件情報データベースから抽出された条件に関する情報に基づいて、前記顧客ごとの前記利用明細の作成処理の優先度を決定する決定工程と、を含んだことを特徴とする。
【0018】
この発明によれば、決定した優先度にしたがった順序で利用明細を作成して送付することができるので、顧客からの早期受け取りの申請がない場合にも、優先度の決定にかかる条件に該当する利用履歴のある顧客(利用者)に対して優先的にカードの利用履歴を案内することができる。
【0019】
また、この発明にかかる利用明細作成支援方法は、顧客ごとの顧客情報を記憶する顧客情報データベースと、前記顧客ごとのカードの利用履歴に関する利用履歴情報を記憶する利用履歴情報データベースと、利用明細の作成処理の優先度を決定する条件に関する情報を記憶する発行条件情報データベースと、を備えあるいはネットワークを介して接続可能とし、抽出手段と、決定手段を備えた、前記カードの利用明細の作成を支援する利用明細作成支援装置に用いる利用明細作成支援方法であって、前記抽出手段が、前記顧客情報データベースから顧客情報における所定の条件を満たす顧客を、前記利用履歴情報データベースから利用履歴情報における所定の条件を満たす顧客を、それぞれ抽出する抽出工程と、前記決定手段が、前記抽出工程によって抽出された顧客と、抽出されなかった顧客とで、上記優先度が異なるように、前記顧客ごとの前記利用明細の作成処理の優先度を決定する決定工程と、を含んだことを特徴とする。この発明によれば、顧客からの早期受け取りの申請がない場合にも、利用履歴の早期受け取りが有効となる顧客に対して、優先的にカードの利用履歴を案内することができる。
【0020】
また、この発明にかかる利用明細作成支援プログラムは、上記の利用明細作成支援方法を、コンピュータに実行させることを特徴とする。この発明によれば、顧客からの早期受け取りの申請がない場合にも、利用履歴の早期受け取りが有効となる顧客に対して、優先的にカードの利用履歴を案内することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明にかかる利用明細作成支援装置、利用明細作成支援方法および利用明細作成支援プログラムによれば、顧客からの早期受け取りの申請がない場合にも、優先度の決定にかかる条件に該当する利用履歴のある顧客(利用者)に対して優先的にカードの利用履歴を案内することができるので、早期受け取りの申請手続きなどに顧客を煩わせることなく引き落とし用の口座への入金や支払い方法の変更などに要する顧客の時間を確保することができるという効果を奏する。これによって、早期受け取りの申請手続きなどに顧客を煩わせることなく、振替手続きの円滑化を図るとともにカードの利用にかかる顧客の利便性の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる利用明細作成支援装置、利用明細作成支援方法および利用明細作成支援プログラムの好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0023】
(カードシステムのシステム構成)
まず、この発明の実施の形態にかかる利用明細作成支援装置を含むカードシステムのシステム構成について説明する。図1は、この発明の実施の形態にかかるカードシステムのシステム構成を示す説明図である。
【0024】
図1において、この発明の実施の形態にかかるカードシステム100は、顧客端末装置101と、店舗端末装置102と、銀行端末装置103と、利用明細作成支援装置104と、を含んで構成されている。顧客端末装置101、店舗端末装置102、銀行端末装置103および利用明細作成支援装置104はインターネットなどのネットワーク105に接続されている。利用明細作成支援装置104は、顧客端末装置101、店舗端末装置102および銀行端末装置103との間で、ネットワーク105を介して通信可能とされている。
【0025】
カードシステム100において、顧客端末装置101は顧客とカードシステム100とのインターフェースを司り、顧客の操作を受け付けたり受け付けた操作に応じた情報を表示したりするコンピュータ装置(図2を参照)によって実現される。顧客端末装置101は、たとえばパーソナルコンピュータによって実現することができる。また、顧客端末装置101は、携帯型電話機によって実現してもよい。顧客端末装置101は、たとえば顧客がネットショッピングを利用して商品を購入する場合に、店舗端末装置102との間で通信をおこなう。
【0026】
店舗端末装置102は、たとえばカード決済を導入する店舗に設置されるコンピュータ装置(図2を参照)であって、所定の操作がおこなわれた場合に店舗側決済処理をおこなう。店舗端末装置102は、決済処理に際して、決済金額情報、カード情報および支払い情報を含む決済要求を利用明細作成支援装置104に送信し、決済要求を送信した結果、利用明細作成支援装置104から受信した情報に基づいて決済伝票を発行する。店舗側決済処理については公知の技術であるためここではその説明を省略する。
【0027】
決済金額情報は、カード決済にかかる金額を特定可能な情報であって、具体的には、たとえばカード決済にかかる金額をあらわす数値情報などによって実現される。カード情報は、カード決済に用いるカードの利用者(顧客)を識別可能な情報であって、具体的には、たとえばクレジットカード番号などによって実現される。支払い情報は、支払いの方法を特定する情報であって、具体的には、たとえば「一括払い」、「分割払い」、「リボ払い」などを特定する情報によって実現される。分割払いの場合、支払い情報には分割回数を特定する情報を含む。
【0028】
また、店舗端末装置102は、たとえばネットショッピングのサービスサイトを運用するコンピュータ装置(図2を参照)であって、顧客端末装置101から送信された購入要求を受信した場合に、店舗側決済処理をおこなう。店舗端末装置102は、決済処理に際して、注文情報、カード情報および支払い情報を含む決済要求を利用明細作成支援装置104に送信し、決済要求を送信した結果、利用明細作成支援装置104から受信した決済結果を顧客端末装置101に送信する。
【0029】
注文情報は、商品の識別情報と、購入する商品数を特定する情報を含んでいる。商品の識別情報は、ネットショッピングのサービスサイトにおいて商品ごとにあらかじめ設定された管理番号などを用いることができる。店舗側決済処理については公知の技術であるためここではその説明を省略する。
【0030】
銀行端末装置103は、カード決済の引き落とし口座が設けられた銀行に設置されるコンピュータ装置であって、口座識別情報や残高情報などを顧客ごとに記憶する口座情報データベース(DB)106を備えている。銀行端末装置103は、利用明細作成支援装置104と通信をおこなうことによって、該当する顧客の口座と利用明細作成支援装置104を管理する企業などの口座との間で決済金額の振替処理をおこなう。決済金額の振替処理については公知の技術であるため説明を省略する。
【0031】
利用明細作成支援装置104は、店舗端末装置102から受信した決済要求に基づいて決済処置をおこない、決済処理の結果を店舗端末装置102に送信する。決済処理は、顧客情報データベース(DB)110、利用履歴情報データベース(DB)120および発行条件情報データベース(DB)130が記憶する各種の情報を用いておこなう。顧客情報DB110、利用履歴情報DB120および発行条件情報DB130については、説明を後述する(図3、図4および図5を参照)。
【0032】
決済処理は、カード情報によって特定される顧客の利用枠や当月分の利用金額、決済対象となる金額などに基づいておこなう。利用明細作成支援装置104がおこなう決済処理については公知の技術であるため説明を省略する。
【0033】
(コンピュータ装置のハードウエア構成)
つぎに、この発明の実施の形態にかかるコンピュータ装置のハードウエア構成について説明する。図2は、コンピュータ装置のハードウエア構成を示すブロック図である。図2に示したコンピュータ装置200は、利用明細作成支援装置104、顧客端末装置101、店舗端末装置102および銀行端末装置103を実現する。
【0034】
図2において、コンピュータ装置200は、CPU201と、ROM202と、RAM203と、HDD(ハードディスクドライブ)204と、HD(ハードディスク)205と、FDD(フロッピー(登録商標)ディスクドライブ)206と、着脱可能な記録媒体の一例としてのFD(フロッピーディスク)207と、ネットワークI/F(インターフェース)208と、を備えている。また、各構成部はバス209によってそれぞれ接続されている。
【0035】
CPU201は、コンピュータ装置200全体の制御を司る。ROM202は、ブートプログラムなどのプログラムを記憶している。RAM203は、CPU201のワークエリアとして使用される。HDD204は、CPU201の制御にしたがってHD205に対するデータのリード/ライトを制御する。HD205は、HDD204の制御で書き込まれたデータを記憶する。
【0036】
FDD206は、CPU201の制御にしたがってFD207に対するデータのリード/ライトを制御する。FD207は、FDD206の制御で書き込まれたデータを記憶する。着脱可能な記録媒体として、FD207の他、CD−ROM(CD−RW)、MO、DVD(Digital Versatile Disk)などであってもよい。
【0037】
ネットワークI/F208は、通信回線を通じてネットワーク105に接続され、ネットワーク105を介して顧客端末装置101などの外部装置に接続される。そして、ネットワークI/F208は、ネットワーク105と内部とのインターフェースを司り、コンピュータ装置200からのデータの入出力を制御する。
【0038】
コンピュータ装置200は、さらに、ディスプレイと、KBと、マウスと、スキャナと、プリンタと、を備えていてもよい。ディスプレイはカーソル、アイコン、ツールボックスをはじめ、文書、画像、機能情報などのデータに関するウインドウ(ブラウザ)を表示し、CRT、TFT液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどによって実現することができる。
【0039】
KBは、文字、数値、各種指示などの入力のためのキーを備え、データ入力をおこなう。マウスは、カーソルの移動や範囲選択、あるいはウインドウの移動やサイズの変更などをおこなう。ポインティングデバイスとして同様の機能を備えるものであれば、マウスに代えてあるいは加えてトラックボール、ジョイスティックなどであってもよい。
【0040】
スキャナは、画像を光学的に読み取る。プリンタは、画像データや文書データを印刷し、レーザプリンタ、インクジェットプリンタなどによって実現することができる。ディスプレイ、KB、マウス、スキャナおよびプリンタについては公知の技術を用いて容易に実現可能であり図示を省略する。
【0041】
つぎに、顧客情報DB110の一例について説明する。図3は、顧客情報DB110の一例を示す説明図である。図3において、顧客情報DB110は、顧客ごとの顧客情報を記憶する。顧客情報は顧客の氏名、顧客の性別、利用明細の送付先、支払い条件、金融機関、サービス利用履歴などの顧客に関する情報であって、顧客情報DB110はこれらの顧客に関する情報をクレジットカード番号ごとに記憶している。
【0042】
支払い条件は、分割払いを利用するかしないか、分割払いを利用する場合にはその限度額をあらわす。また、支払い条件は、リボ払いを利用するかしないか、リボ払いを利用する場合にはその限度額をあらわす。支払い方法は「一括払い」、「分割払い」、「リボ払い」などがありクレジットカードの利用時に利用者によって指定される。支払い条件は、支払い方法として分割払いまたはリボ払いが指定された場合の条件を規定する。
【0043】
分割払いは1つの決済における利用金額(必要に応じて手数料を含む)を顧客が指定した支払い回数に分割して支払う支払い方法であり、分割払いにおける設定金額は利用金額を支払い回数で除算することによって算出される。支払い回数は、たとえばクレジットカードの発行会社などによって、「3回」、「6回」、「12回」などのようにあらかじめ設定された回数の中から顧客が選択した任意の回数とすることができる。分割払いにおいては利用限度額(分割利用枠)が定められており、支払い方法として分割払いを指定する場合には分割利用枠の範囲内で引き落としをおこなう。
【0044】
リボ払いは利用金額(必要に応じて手数料を含む)や1ヶ月間における利用件数にかかわらず毎月一定の金額を支払う支払い方法であり、リボ払いにおける利用限度額(リボ利用枠)設定金額はたとえばクレジットカードの発行会社などによって顧客ごとに設定される。
【0045】
金融機関に関する情報は、顧客が支払いに際して用いる引き落とし用の口座が設けられた金融機関を特定可能な情報とすることができる。金融機関は、たとえば「○○銀行」、「××銀行」、「△△信用金庫」などのように金融機関名あるいは金融機関の識別コードなどによって特定される。
【0046】
サービス利用履歴に関する情報は、利用明細の発送の際に同封したカタログに基づくカードの利用の有無をあらわす情報であり、たとえばこれまでの利用回数や最終利用日時、サービスについての問い合わせの有無などの情報とすることができる。利用明細の発送の際に同封するカタログは、カードの利用に際しての割引や、コンサートなどのイベントチケットをカードで支払うことを条件とする優先予約などの特典が記載された出版物であって、クレジットカードの発行会社などによって発行される。
【0047】
また、顧客情報DB110は、クレジットカード番号ごとにクレジットカードの有効期限を記憶している。決済処理に際しては、クレジットカード番号自体の確認に加えてクレジットカードの有効期限を確認することによって決済処理の信頼性の向上を図ることができる。
【0048】
つぎに、利用履歴情報DB120の一例について説明する。図4は、利用履歴情報DB120の一例を示す説明図である。図4において、利用履歴情報DB120は、顧客ごとのクレジットカードの利用履歴に関する利用履歴情報を記憶する。利用履歴情報はクレジットカードの利用日時、利用金額、利用店舗、支払い方法、未払い残高などのクレジットカードの利用履歴に関する情報であって、利用履歴情報DB120はこれらの決済に関する情報をクレジットカード番号ごとに記憶している。
【0049】
利用店舗に関する情報は、顧客が利用した店舗を特定可能な情報であって、たとえば「○○デパート」、「居酒屋××」、「△△スーパー」などのように店舗名によって特定される。店舗は、実際の店舗を有するものに限らず、たとえば「○×ネットショッピング」などのようにネットショッピングのサービスサイトの識別情報であってもよい。
【0050】
また、利用店舗に関する情報は、店舗ごとに付与された識別情報であってもよい。店舗の識別情報は、たとえばクレジットカードの発行会社などによって店舗ごとに設定される。また、利用店舗に関する情報は、店舗の種類を特定可能な情報であってもよく、たとえば「百貨店」、「飲食店」、「量販店」などのようにあらわされる。
【0051】
支払い方法は「一括払い」、「分割払い」、「リボ払い」などの規定の方法のうち、決済時に顧客が指定した支払い方法を示している。支払い方法は、決済後であっても引き落とし予定日の所定日前までは変更することが可能とされている。変更は、顧客からの申請があった場合におこなわれる。
【0052】
つぎに、発行条件情報DB130の一例について説明する。図5は、発行条件情報DB130の一例を示す説明図である。図5において、発行条件情報DB130は、利用明細の作成処理の優先度を決定する条件に関する情報(以下「発行条件」という)を記憶する。発行条件は、たとえば分割払いあるいはリボ払いの利用枠の有無とすることができる。
【0053】
また、発行条件は、分割払いあるいはリボ払いの利用枠として設定された金額(以下「設定金額」という)と、利用明細の記載対象となる金額とに基づいて決定してもよい。利用明細の記載対象となる金額は、締め日に基づいて規定される期間内における利用金額であって、たとえば締め日が「毎月10日」であれば利用明細発行月の前月11日から利用明細発行月の10日までの期間内に利用した金額となる。
【0054】
この場合、決定部は、利用明細の記載対象となる金額の総計と設定金額との差額に基づいて利用明細の発行にかかる優先順位を決定する。具体的には、たとえば利用明細の記載対象となる金額の総計が設定金額を超えている(図5においては「プラス差額」と記載)顧客の優先度を、利用明細の記載対象となる金額の総計が設定金額を超えていない(図5においては「マイナス差額」と記載)顧客の優先度よりも上げるように優先度を決定する。
【0055】
また、発行条件は、たとえば顧客が支払いに利用する金融機関の種別とすることができる。金融機関によっては締め日が早いものがあり、この実施の形態においては、その他の金融機関と比較して締め日の早い金融機関を所定の金融機関とする。具体的には、たとえば引き落とし用の口座が設けられた金融機関が締め日の早い金融機関である場合に、その他の金融機関を利用する顧客の優先度よりも上げるように優先度を決定する。
【0056】
また、発行条件は、たとえば顧客が利用した店舗の種類とすることができる。店舗の種類は、「百貨店」、「飲食店」、「量販店」などのように特定される。また、発行条件は、たとえば顧客が利用した店舗が、所定の店舗であるか否かであってもよい。この実施の形態においては、特定のグループに加盟する店舗、あるいは、あらかじめ指定された特定の店舗を所定の加盟店とする。
【0057】
クレジットカードでの決済を可能とする店舗(加盟店)からクレジットカード会社に支払われる手数料(手数料率)は加盟店によって異なっており、この実施の形態においては他の加盟店と比較してクレジットカード会社に支払われる手数料(手数料率)が高い加盟店を所定の加盟店とする。
【0058】
また、発行条件は、利用明細の発送の際に同封したカタログに基づくカードの利用の有無であってもよい。利用明細の発送の際に同封するカタログは、カードの利用に際しての割引や、コンサートなどのイベントチケットをカードで支払うことを条件とする優先予約などの特典が記載された出版物であって、クレジットカードの発行会社などによって発行される。
【0059】
(利用明細作成支援装置104の機能的構成)
つぎに、この発明にかかる実施の形態の利用明細作成支援装置104の機能的構成について説明する。図6は、この発明にかかる実施の形態の利用明細作成支援装置104の機能的構成を示すブロック図である。図6において、この発明にかかる実施の形態の利用明細作成支援装置104は、顧客情報DB110と、利用履歴情報DB120と、発行条件情報DB130と、入力部601と、抽出部602と、決定部603と、出力部604と、を備えている。
【0060】
入力部601は、クレジットカードの利用明細の作成開始指示の入力を受け付ける。作成開始指示は、たとえば作成開始指示に対する所定の入力操作があった場合に作成開始指示を受け付ける。また、入力部601は、たとえばCPU201が備えるタイマによってカウントされる日時が、利用明細の締め日の翌日になった場合に作成開始指示を受け付ける。利用明細の締め日はたとえば「毎月10日」、「毎月26日」などのようにあらかじめ定められており、利用明細の締め日が「毎月10日」であれば利用明細発行月の11日になった時点で作成開始指示を受け付ける。
【0061】
抽出部602は、顧客情報DB110から顧客情報を、利用履歴情報DB120から利用履歴情報を、顧客ごとにそれぞれ抽出する。抽出部602は、たとえば、顧客情報DB110から、顧客があらかじめ決定した所定の支払い金額に関する情報を顧客情報として抽出するとともに、利用履歴情報DB120から、利用明細の記載対象となる金額情報を利用履歴情報として抽出する。所定の支払い金額は、たとえば分割払いにおける設定金額とすることができる。また、所定の支払い金額は、たとえばリボ払いにおける設定金額とすることができる。
【0062】
決定部603は、抽出部602によって抽出された情報を用いて、発行条件情報DB130から抽出された条件に関する情報に基づいて、顧客ごとの利用明細の作成処理の優先度を決定する。決定部603は、抽出部602によって所定の支払い金額に関する情報および利用明細の記載対象となる金額情報が抽出された場合に、抽出された情報にかかる金額の総計が、抽出された所定の支払い金額を超えている顧客の優先度を、抽出部602によって抽出された金額情報の総計が、抽出された所定の支払い金額を超えていない顧客の優先度よりも上げるように優先度を決定する。
【0063】
また、抽出部602は、顧客情報DB110から顧客情報における所定の条件を満たす顧客を、利用履歴情報DB120から利用履歴情報における所定の条件を満たす顧客を、それぞれ抽出してもよい。この場合、抽出部602は、たとえば顧客情報DB110から所定の金融機関を支払いに利用する顧客を、所定の条件を満たす顧客として抽出する。
【0064】
また、この場合、抽出部602は、たとえば利用履歴情報DB120から所定の加盟店を利用した顧客や、利用明細の発送の際に同封したカタログに基づくカードの利用がある顧客を、所定の条件を満たす顧客として抽出してもよい。カタログに基づくカードの利用がある顧客は、利用明細の発送の際に同封したカタログに記載された割引や優先予約などの特典を行使してカードを利用した顧客とすることができる。
【0065】
決定部603は、抽出部602によって所定の条件を満たす顧客が抽出された場合、抽出部602によって抽出された顧客と、抽出されなかった顧客とで、上記優先度が異なるように、顧客ごとの利用明細の作成処理の優先度を決定する。決定部603は、たとえば抽出部602によって抽出された顧客の優先度を、抽出されなかった顧客の優先度よりも上げるように優先度を決定する。すなわち、決定部603は、たとえばカタログに基づくカードの利用がある顧客の優先度を、抽出されなかった顧客の優先度よりも上げるように優先度を決定する。
【0066】
出力部604は、決定部603によって決定された顧客ごとの利用明細の作成処理の優先度に関する情報を出力する。出力部604は、たとえば利用明細の印刷をおこなうプリンタに対して、顧客ごとの利用明細の作成処理の優先度に関する情報を出力する。また、出力部604は、ネットワーク105を介して接続されて利用明細の作成処理をおこなうコンピュータ装置200に対して、顧客ごとの利用明細の作成処理の優先度に関する情報を出力してもよい。
【0067】
この実施の形態においては、ROM202、HD205、FD207などの記憶領域に記憶された各種の制御プログラムを、ROM202、HD205、FD207などに記憶された各種情報を用いて、CPU201がRAM203をワークエリアとしながら実行することによって、抽出部602および決定部603の機能を実現することができる。また、この実施の形態においては、ネットワークI/F208によって入力部601および出力部604の機能を実現することができる。
【0068】
顧客情報DB110、利用履歴情報DB120および発行条件情報DB130は、利用明細作成支援装置104を実現するコンピュータ装置200が一体に備えるあるいは有線で接続されているものに限るものではない。顧客情報DB110、利用履歴情報DB120および発行条件情報DB130は、利用明細作成支援装置104を実現するコンピュータ装置200とネットワーク105を介して接続可能とされた別のコンピュータ装置200であってもよい。
【0069】
つぎに、この発明にかかる実施の形態の利用明細作成支援装置104の処理手順について説明する。図7は、この発明にかかる実施の形態の利用明細作成支援装置104の処理手順を示すフローチャートである。図7のフローチャートにおいて、まず、利用明細の作成開始指示があるまで待機する(ステップS701:No)。
【0070】
ステップS701において作成開始指示があった場合(ステップS701:Yes)は、対象期間内においてクレジットカードの利用のあった顧客を特定し(ステップS702)、発行条件情報DB130から発行条件を取得する(ステップS703)。そして、取得した発行条件に基づいてリボ利用枠が設定されていることが発行条件であるか否かを判断する(ステップS704)。
【0071】
ステップS704において、発行条件に基づいてリボ利用枠が設定されていることが発行条件である場合(ステップS704:Yes)は、ステップS702において特定した顧客のうちリボ利用枠のある顧客情報を顧客情報DB110から抽出する(ステップS705)とともに、当該顧客の利用明細の記載対象金額情報を利用履歴情報DB120から抽出する(ステップS706)。
【0072】
ステップS705の処理とステップS706の処理とは、実行の順序が逆であってもよい。すなわち、発行条件に基づいてリボ利用枠が設定されていることが発行条件である場合には、ステップS702において特定した顧客の利用明細の記載対象金額情報を抽出してから、特定した顧客のうちのリボ利用枠のある顧客情報を抽出するようにしてもよい。
【0073】
つぎに、ステップS705において抽出した顧客情報に含まれるリボ利用枠の限度額(設定金額)とステップS706において抽出した利用明細の記載対象金額情報とを比較して、設定金額が記載対象金額よりも小額であるか否かを判断する(ステップS707)。設定金額が記載対象金額以上である場合(ステップS707:No)は、ステップS709へ移行する。
【0074】
ステップS707において、設定金額が記載対象金額よりも小額である場合(ステップS707:Yes)は、設定金額が記載対象金額よりも小額である顧客、すなわち対象期間における請求金額が設定金額よりも大きい顧客に高い優先度を設定する(ステップS708)。ステップS708においては、設定金額が記載対象金額よりも小額である顧客の優先度が、それ以外の顧客の優先度よりも高くなるような優先度を設定する。
【0075】
設定金額が記載対象金額よりも小額である顧客どうしの優先度は、たとえば従来と同様の方法によって順序を決定する。また、設定金額が記載対象金額よりも小額である顧客どうしの優先度は、別の発行条件を用いて、設定金額が記載対象金額よりも小額である顧客の中でさらに優先度の高低を設定するようにしてもよい。
【0076】
同一の発行条件における優先度が等しい地位顧客に関しては、発行条件の優先度にしたがって順次別の発行条件による優先度の高低の設定をおこない、複数の発行条件を用いて顧客の優先度の高低を設定するようにしてもよい。
【0077】
その後、ステップS708において設定された優先度を示す情報を出力して(ステップS709)、一連の処理を終了する。ステップS709においては、たとえば利用明細の印刷をおこなうプリンタに優先度を示す情報を出力する。また、ステップS709においては、たとえばネットワーク105を介して当該ネットワーク105に接続された別のコンピュータ装置200に優先度を示す情報を出力してもよい。具体的には、たとえば利用明細の発行業務をおこなう場所が利用明細作成支援装置104の設置場所とは異なる場合に、ネットワーク105を介して当該ネットワーク105に接続された別のコンピュータ装置200に優先度を示す情報を出力する。
【0078】
ステップS709において出力された優先度に関する情報に基づいて発行する利用明細には、発行された利用明細が他の顧客よりも早期に送付されている旨を案内するメッセージを記載してもよい。
【0079】
一方、ステップS704において、発行条件に基づいてリボ利用枠が設定されていることが発行条件ではない場合(ステップS704:No)は、ステップS702において特定した顧客のうち分割利用枠が設定されている顧客情報を顧客情報DB110から抽出する(ステップS710)。その後、ステップS706に移行する。
【0080】
ステップS710を経由した場合、ステップS706においては、ステップS710において抽出した分割利用枠のある顧客の利用明細の記載対象金額情報を利用履歴情報DB120から抽出する。そして、ステップS710において抽出した顧客情報に含まれる分割利用枠の限度額(設定金額)とステップS706において抽出した利用明細の記載対象金額情報とを比較して、設定金額が記載対象金額よりも小額であるか否かを判断する。
【0081】
利用明細の作成の優先度は、図7に示した発行条件とは別の発行条件にしたがって決定するようにしてもよい。別の発行条件としては、たとえば特典利用の有無、引き落としに利用する金融機関、クレジットカードを利用した店舗などに基づいて優先度を決定するようにしてもよい。
【0082】
つぎに、この発明にかかる実施の形態の利用明細作成支援装置104の別の処理手順について説明する。図8は、この発明にかかる実施の形態の利用明細作成支援装置104の処理手順を示すフローチャートである。図8のフローチャートにおいて、まず、利用明細の作成開始指示があるまで待機する(ステップS801:No)。
【0083】
ステップS801において作成開始指示があった場合(ステップS801:Yes)は、対象期間内においてクレジットカードの利用のあった顧客を特定し(ステップS802)、発行条件情報DB130から発行条件を取得する(ステップS803)。そして、取得した発行条件に基づいて、カタログに記載された特典を利用したことが発行条件であるか否かを判断する(ステップS804)。
【0084】
ステップS804において、カタログに記載された特典を利用したことが発行条件である場合(ステップS804:Yes)は、ステップS802において特定した顧客のうちカタログに記載された特典を利用した特典利用履歴のある顧客情報を顧客情報DB110から抽出する(ステップS805)。
【0085】
そして、ステップS805において抽出された顧客情報によって特定される顧客、すなわちカタログに記載された特典を利用したことがある顧客に高い優先度を設定する(ステップS806)。ステップS806においては、カタログに記載された特典を利用したことがある顧客の優先度が、それ以外の顧客の優先度よりも高くなるような優先度を設定する。
【0086】
また、ステップS806においては、カタログに記載された特典についての質問、あるいは、カタログの早期送付を依頼するなど、カタログに関する何らかのアクションのあった顧客の優先度が、それ以外の顧客の優先度よりも高くなるような優先度を設定してもよい。
【0087】
一方、ステップS804において、カタログに記載された特典を利用したことが発行条件ではない場合(ステップS804:No)は、金融機関の種別が発行条件であるか否かを判断する(ステップS808)。金融機関の種別が発行条件である場合(ステップS808:Yes)は、ステップS802において特定した顧客のうち発行条件情報DB130に設定された所定の金融機関に引き落とし用の口座を設定している顧客、すなわち引き落としに所定の金融機関を利用する顧客情報を抽出して(ステップS809)、ステップS806へ移行する。
【0088】
ステップS809を経由した場合、ステップS806においては、ステップS809において抽出した所定の金融機関を利用する顧客に高い優先度を設定する。ステップS809を経由した場合のステップS806においては、所定の金融機関を利用する顧客の優先度が、それ以外の顧客の優先度よりも高くなるような優先度を設定する。
【0089】
一方、ステップS808において、金融機関の種別が発行条件ではない場合(ステップS808:No)は、ステップS802において特定した顧客のうち特定の加盟店でクレジットカードを利用した顧客、すなわち所定の加盟店での利用がある顧客情報を抽出して(ステップS810)、ステップS806へ移行する。
【0090】
ステップS810を経由した場合、ステップS806においては、ステップS810において抽出した所定の加盟店での利用がある顧客の優先度が、それ以外の顧客の優先度よりも高くなるような優先度を設定する。その後、ステップS806において設定された優先度を示す情報を出力して(ステップS807)、一連の処理を終了する。
【0091】
上述したように、この発明にかかる実施の形態の利用明細作成支援装置104によれば、決定した優先度にしたがった順序で利用明細を作成して送付することができるので、顧客からの早期受け取りの申請がない場合にも、優先度の決定にかかる条件に該当する利用履歴のある顧客(利用者)に対して優先的にクレジットカードの利用履歴を案内することができる。
【0092】
これによって、早期受け取りの申請手続きなどに顧客を煩わせることなく引き落とし用の口座への入金や支払い方法の変更などに要する顧客の時間を確保することができるので、振替手続きの円滑化を図るとともにクレジットカードの利用にかかる顧客の利便性の向上を図ることができる。
【0093】
また、この発明にかかる実施の形態の利用明細作成支援装置104によれば、顧客からの早期受け取りの申請がない場合にも、所定の支払い金額を超えた利用履歴のある顧客に対して、優先的にクレジットカードの利用履歴を案内することができる。これによって、早期受け取りの申請手続きなどに顧客を煩わせることなく支払い方法の変更などに要する顧客の時間を確保することができ、振替手続きの円滑化を図るとともにクレジットカードの利用にかかる顧客の利便性の向上を図ることができる。
【0094】
また、この発明にかかる実施の形態の利用明細作成支援装置104によれば、分割払いまたはリボ払いへの変更の可能性がある顧客に対して、優先的にクレジットカードの利用履歴を案内することができる。これによって、早期受け取りの申請手続きなどに顧客を煩わせることなく支払い方法の変更に要する顧客の時間を確保することができ、振替手続きの円滑化を図るとともにクレジットカードの利用にかかる顧客の利便性の向上を図ることができる。
【0095】
また、この発明にかかる実施の形態の利用明細作成支援装置104によれば、顧客からの早期受け取りの申請がない場合にも、利用履歴の早期受け取りが有効となる顧客に対して、優先的にクレジットカードの利用履歴を案内することができる。これによって、早期受け取りの申請手続きなどに顧客を煩わせることなく引き落とし用の口座への入金や支払い方法の変更などに要する顧客の時間を確保することができ、振替手続きの円滑化を図るとともにクレジットカードの利用にかかる顧客の利便性の向上を図ることができる。
【0096】
また、この発明にかかる実施の形態の利用明細作成支援装置104によれば、顧客からの早期受け取りの申請がない場合にも、たとえば月間での締め日が早い金融機関を利用する顧客に対して、優先的にクレジットカードの利用履歴を案内することができる。これによって、早期受け取りの申請手続きなどに顧客を煩わせることなく利用する金融機関の締め日までの顧客の時間を確保することができ、振替手続きの円滑化を図るとともにクレジットカードの利用にかかる顧客の利便性の向上を図ることができる。
【0097】
また、この発明にかかる実施の形態の利用明細作成支援装置104によれば、早期受け取りの申請手続きなどに顧客を煩わせることなく所定の加盟店を利用した顧客に対して、優先的にクレジットカードの利用履歴を案内することができる。この実施の形態においては、クレジットカード会社に支払われる手数料(手数料率)が高い加盟店の優先度を他の加盟店の優先度よりも高くすることにより、クレジットカード会社に対する利率のよい取引の請求を優先的におこなうことができる。これによって、顧客に負担をかけることなくクレジットカード会社の収益向上を図ることができる。
【0098】
また、この発明にかかる実施の形態の利用明細作成支援装置104によれば、早期受け取りの申請手続きなどに顧客を煩わせることなくカタログに基づくカードの利用がある顧客に対して、優先的にカードの利用履歴を案内することができる。これによって、カタログを有効に活用している顧客に優先的にカタログの内容を伝え、クレジットカードの利用を促進することができ、顧客、加盟店およびクレジットカード会社の3方の収益向上を図ることができる。
【0099】
以上説明したように、この発明にかかる利用明細作成支援装置104、利用明細作成支援方法および利用明細作成支援プログラムによれば、顧客からの早期受け取りの申請がない場合にも、優先度の決定にかかる条件に該当する利用履歴のある顧客(利用者)に対して優先的にクレジットカードの利用履歴を案内することができるので、早期受け取りの申請手続きなどに顧客を煩わせることなく引き落とし用の口座への入金や支払い方法の変更などに要する顧客の時間を確保することができる。これによって、早期受け取りの申請手続きなどに顧客を煩わせることなく、振替手続きの円滑化を図るとともにクレジットカードの利用にかかる顧客の利便性の向上を図ることができる。
【0100】
なお、この実施の形態で説明した利用明細作成支援方法は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネットなどのネットワーク105を介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0101】
以上のように、この発明にかかる利用明細作成支援装置、利用明細作成支援方法および利用明細作成支援プログラムは、カードの利用明細の作成支援に有用であり、特に、クレジットカードの利用明細の作成支援に適している。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】この発明の実施の形態にかかるカードシステムのシステム構成を示す説明図である。
【図2】コンピュータ装置のハードウエア構成を示すブロック図である。
【図3】顧客情報DBの一例を示す説明図である。
【図4】利用履歴情報DBの一例を示す説明図である。
【図5】発行条件情報DBの一例を示す説明図である。
【図6】この発明にかかる実施の形態の利用明細作成支援装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図7】この発明にかかる実施の形態の利用明細作成支援装置の処理手順を示すフローチャート(その1)である。
【図8】この発明にかかる実施の形態の利用明細作成支援装置の処理手順を示すフローチャート(その2)である。
【符号の説明】
【0103】
104 利用明細作成支援装置
110 顧客情報DB
120 利用履歴情報DB
130 発行条件情報DB
601 入力部
602 抽出部
603 決定部
604 出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カードの利用明細の作成を支援する利用明細作成支援装置であって、
顧客ごとの顧客情報を記憶する顧客情報データベースと、
前記顧客ごとの前記カードの利用履歴に関する利用履歴情報を記憶する利用履歴情報データベースと、
利用明細の作成処理の優先度を決定する条件に関する情報を記憶する発行条件情報データベースと、を備えあるいはネットワークを介して接続可能とし、
前記顧客情報データベースから顧客情報を、前記利用履歴情報データベースから利用履歴情報を、顧客ごとにそれぞれ抽出する抽出手段と、
前記抽出手段によって抽出された情報を用いて、前記発行条件情報データベースから抽出された条件に関する情報に基づいて、前記顧客ごとの前記利用明細の作成処理の優先度を決定する決定手段と、
を備えたことを特徴とする利用明細作成支援装置。
【請求項2】
前記抽出手段は、前記顧客情報データベースから、顧客があらかじめ決定した所定の支払い金額に関する情報を抽出するとともに、前記利用履歴情報データベースから、前記利用明細の記載対象となる金額情報を抽出し、
前記決定手段は、前記抽出手段によって抽出された情報にかかる金額の総計が、抽出された所定の支払い金額を超えている顧客の優先度を、前記抽出手段によって抽出された金額情報の総計が、抽出された所定の支払い金額を超えていない顧客の前記優先度よりも上げることを特徴とする請求項1に記載の利用明細作成支援装置。
【請求項3】
前記所定の支払い金額とは、分割払いまたはリボ払いにおける設定金額であることを特徴とする請求項2に記載の利用明細作成支援装置。
【請求項4】
カードの利用明細の作成を支援する利用明細作成支援装置であって、
顧客ごとの顧客情報を記憶する顧客情報データベースと、
前記顧客ごとの前記カードの利用履歴に関する利用履歴情報を記憶する利用履歴情報データベースと、
利用明細の作成処理の優先度を決定する条件に関する情報を記憶する発行条件情報データベースと、を備えあるいはネットワークを介して接続可能とし、
前記顧客情報データベースから顧客情報における所定の条件を満たす顧客を、前記利用履歴情報データベースから利用履歴情報における所定の条件を満たす顧客を、それぞれ抽出する抽出手段と、
前記抽出手段によって抽出された顧客と、抽出されなかった顧客とで、上記優先度が異なるように、前記顧客ごとの前記利用明細の作成処理の優先度を決定する決定手段と、
を備えたことを特徴とする利用明細作成支援装置。
【請求項5】
前記抽出手段は、前記顧客情報データベースから所定の金融機関を支払いに利用する顧客を抽出し、
前記決定手段は、前記抽出手段によって抽出された顧客の前記優先度を、抽出されなかった顧客の前記優先度よりも上げることを特徴とする請求項4に記載の利用明細作成支援装置。
【請求項6】
前記抽出手段は、前記利用履歴情報データベースから所定の加盟店を利用した顧客を抽出し、
前記決定手段は、前記抽出手段によって抽出された顧客の前記優先度を、抽出されなかった顧客の前記優先度よりも上げることを特徴とする請求項4または5に記載の利用明細作成支援装置。
【請求項7】
前記抽出手段は、前記顧客情報データベースまたは前記利用履歴情報データベースから、前記利用明細の発送の際に同封したカタログに基づく前記カードの利用がある顧客を抽出し、
前記決定手段は、前記抽出手段によって抽出された顧客の前記優先度を、抽出されなかった顧客の前記優先度よりも上げることを特徴とする請求項4〜6のいずれか一つに記載の利用明細作成支援装置。
【請求項8】
顧客ごとの顧客情報を記憶する顧客情報データベースと、
前記顧客ごとのカードの利用履歴に関する利用履歴情報を記憶する利用履歴情報データベースと、
利用明細の作成処理の優先度を決定する条件に関する情報を記憶する発行条件情報データベースと、を備えあるいはネットワークを介して接続可能とし、
抽出手段と、決定手段を備えた、前記カードの利用明細の作成を支援する利用明細作成支援装置に用いる利用明細作成支援方法であって、
前記抽出手段が、前記顧客情報データベースから顧客情報を、前記利用履歴情報データベースから利用履歴情報を、顧客ごとにそれぞれ抽出する抽出工程と、
前記決定手段が、前記抽出工程によって抽出された情報を用いて、前記発行条件情報データベースから抽出された条件に関する情報に基づいて、前記顧客ごとの前記利用明細の作成処理の優先度を決定する決定工程と、
を含んだことを特徴とする利用明細作成支援方法。
【請求項9】
顧客ごとの顧客情報を記憶する顧客情報データベースと、
前記顧客ごとのカードの利用履歴に関する利用履歴情報を記憶する利用履歴情報データベースと、
利用明細の作成処理の優先度を決定する条件に関する情報を記憶する発行条件情報データベースと、を備えあるいはネットワークを介して接続可能とし、
抽出手段と、決定手段を備えた、前記カードの利用明細の作成を支援する利用明細作成支援装置に用いる利用明細作成支援方法であって、
前記抽出手段が、前記顧客情報データベースから顧客情報における所定の条件を満たす顧客を、前記利用履歴情報データベースから利用履歴情報における所定の条件を満たす顧客を、それぞれ抽出する抽出工程と、
前記決定手段が、前記抽出工程によって抽出された顧客と、抽出されなかった顧客とで、上記優先度が異なるように、前記顧客ごとの前記利用明細の作成処理の優先度を決定する決定工程と、
を含んだことを特徴とする利用明細作成支援方法。
【請求項10】
前記請求項8または9のいずれかに記載の利用明細作成支援方法を、コンピュータに実行させることを特徴とする利用明細作成支援プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−245124(P2009−245124A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−90224(P2008−90224)
【出願日】平成20年3月31日(2008.3.31)
【出願人】(594103301)三井住友カード株式会社 (39)
【出願人】(302064762)株式会社日本総合研究所 (367)