説明

利用者情報提供システム及び利用者情報提供方法

【課題】システムによる人同士のマッチングにおいて、利用者同士でコミュニケーションをとる際の取り掛かりを容易にする。
【解決手段】利用者同士(Aさん、Bさん)のマッチングにおいて、個人の趣味や興味の対象を表す項目を階層化した個人別の階層モデルを使用する。階層モデルには、個人のプロファイル情報を表す項目が上位階層、中位階層、下位階層に分類された状態で記録されており、また各項目には予め重要度が関連付けられている。2人の各階層モデルに基づき、計算式を用いて類似度を算出することにより、親近感を抱きやすいユーザ同士のマッチングを図ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、予め登録された利用者の個人的な趣味や興味といった嗜好の対象に基づいて利用者間のマッチングや、円滑なコミュニケーションを図るのに適した利用者情報提供システム及び利用者情報提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えばインターネットを用いたソーシャルネットワーキングサービス(SNS)の運用に伴い、予めサービスに登録されている利用者間の交流を補助したり、利用者の中から適切な人物を紹介したりする試みが多くなされている。このような試みは、単にインターネット上でのコミュニティを提供するだけでなく、実際の対面を伴う人同士のコミュニケーションの実現やボランティアの派遣にまで拡大しつつある。例えば、利用者が実生活上で他人による何らかのサポートを必要とする場合(デジタル機器のセッティングや操作を教えて欲しい等)、利用者がサポート要求をサービスに送信すると、事前に登録されているメンバーの中から適任者を検索し、その利用者が実際に居る場所までボランティアを派遣したり、適任者の情報を利用者に提供したりするというものである。
【0003】
このような仕組みを地域社会に適用していけば、利用者がボランティアによる単発的なサポートを受けるだけでなく、助けてもらったボランティアと新たな人間関係をつくり、その後も地域社会での人的なつながりを深めていくことができるものと期待されている。ただし、全くの見知らぬ利用者間に自然な人間関係を発生させるには、当人同士のマッチングを図ることも重要であると考えられる。特にサービス提供者は、実際にボランティアを派遣したり、適任者の情報を提供したりするにあたって、事前に当人同士のマッチングをある程度まで考慮した上で、客観的に利用者にとって適切と考えられる人物を選択する必要がある。
【0004】
従来、ソーシャルネットワーク内でのメンバー同士のマッチングを図る先行技術として、サービスに登録したメンバーの趣味に基づいて互いの相性を得点化する手法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この手法は、メンバー各人が特定の2項目をそれぞれ自己の趣味として挙げる確率を推定し、その推定確率に基づいて2つの趣味間に相性得点を割り当てる。そして、各メンバーがそれぞれ自己の趣味として挙げた2つの項目について趣味相性得点を生成し、そこからメンバー同士の相性得点を計算するというものである。
【0005】
上記の先行技術によれば、個人的な「趣味」の相性を定量化してメンバー同士の相性得点を求めることができるため、コンピュータによる機械的・客観的な人同士の相性判定にもその適用は容易であると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表2008−539528号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した先行技術の手法はあくまで、データ上でみた2つの趣味(例えば「読書」と「スポーツ」)間の相性を数値化しているだけであり、それが必ずしも「当人同士の相性のよさ」や「人間関係のうまれやすさ」につながるという保証はない。確かに趣味が似ている者同士であれば、そこから共通の方向性を見出して互いの距離を縮めていくことも可能であるが、そこに到達するまでに最初のハードル(精神的なバリア)が高いと、それが利用者にサポート要求を躊躇させたり、再度の利用を思いとどまらせたりする原因になることもある。
【0008】
そこで本発明は上記の事情に鑑み、システムによる人同士のマッチングにおいて、利用者同士でコミュニケーションをとる際の取り掛かりを容易にする技術の提供を課題としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、人同士のマッチングに「親近感」という指標を取り入れることで上記の課題を解決する。見知らぬ人同士であっても、互いに「親近感」を抱きやすいことが事前に判っていれば、そこからコミュニケーションをとる際の取り掛かりが容易になり、その後の人間関係を円滑に発展させていくことができると見込まれる。このため、上述したボランティアの派遣サービスに際しても、サービスの利用者には自分にとって「親近感」を抱きやすい相手がサポートに来てくれるという安心感を与えることができるし、再度の利用についても抵抗感を生じにくくなる。さらに、利用者とボランティアとの間に新たな人間関係が生じやすくなることで、地域社会や現実のコミュニティ内での人的交流の促進に大きく寄与することができる。
【0010】
本発明の発明者等は上記の知見に基づき、人が他人に対して抱く「親近感」という観点に着目して個人の特性をより深く考慮し、人同士のマッチングを最適化するシステムを発明した。
【0011】
すなわち本発明は、人同士の「親近感」をデータに基づいて判定し、特定の利用者に対して「親近感」を抱きやすい他の利用者に関する情報を提供するシステムである。このため本発明のシステムは、複数の利用者について、個人別に「階層モデル」を記録した階層モデル記録部を有している。「階層モデル」は、個人の嗜好に関する対象(個人の趣味や興味の対象、個人的な行動パターン等が含まれる)を表す多数の項目を予め複数段階の階層に分類した状態で、それら階層ごとに各人が自己に該当するものとして特定した任意の項目に対し、それぞれの重要度を関連付けたものである。このような「階層モデル」は、人同士の「親近感」を判断する上で土台(素材)となるデータであり、個人別のプロファイル情報を端的に表したものに相当する。本発明のシステムは、このような個人別の「階層モデル」に基づいて複数の利用者間の「類似度」を判定するものである。
【0012】
システムが判定した利用者間の「類似度」は、その度数(度合)が高いほど当人同士に「親近感」が生じやすいことを意味している。このためシステムは、特定の利用者とその他の利用者との間の「類似度」を判定すると、その中で「類似度」がより高い利用者についての情報を特定の利用者に対して提供することとしている。これにより、利用者にとっては、システムから他の利用者の情報が提供された段階で、その人物は自分との「類似度」が高く、それだけ「親近感」を抱きやすい相手であるということがある程度は保証されているので、その後のコミュニケーションを円滑に進めやすくなるという利点がある。なお、システムから提供される利用者の情報は1名分だけでなく、複数名分であってもよい。
【0013】
上記のように「階層モデル」は、個人の嗜好に関する対象(個人の趣味又は興味の対象の少なくとも一方)を表す多数の項目が予め複数段階の階層に分類されたものとなっており、特に本発明では、それら多数の項目を予め上位階層、中位階層及び下位階層に分類した状態で記録している。このうち上位階層に分類される項目は、中位階層に分類される項目を包含する上位の概念である。また中位階層に分類される項目は、上位階層に属する項目のいずれかに包含されつつも、さらに詳細な項目をその下位階層に包含している中間的な概念である。その上で「階層モデル」は、各人が自己に該当するものとして特定した任意の項目のうち、下位階層に属する全ての項目に対してそれぞれ関連付けられた重要度の平均値を中位階層に属する項目の重要度とし、中位階層に属する全ての項目についての重要度の平均値を上位階層に属する項目の重要度として記録されている。
【0014】
このように、個人の嗜好(趣味や興味)の対象に階層の概念を導入することで、人同士のマッチングにおいて単に項目(下位階層に分類されるもの)がいくつ一致するかを判断するだけでなく、それらの上位概念(中位階層や上位階層の項目)からもマッチングの要素を判断することができる。
【0015】
次に「重要度」は、下位階層の各項目において、その項目の情報を仮に相手が自己のプロファイル情報として所持していたときに、果たしてどの程度の親近感を相手に対して抱くか、という観点から各人が予め重み付けをした度合(数値で表す)に相当する。すなわち、趣味や興味といった個人の嗜好の対象を表す項目は、仮に他人との共通点があったとしても、その項目からどれだけ親近感を抱くかといった度合は各人で異なると考えられる。つまり、ある1つの項目が他人と共通していた場合、その相手に対してより強い親近感を抱く場合はその項目に対する「重要度」は高くなり、逆に、それほどまで親近感を抱かない場合はその項目に対する「重要度」は低くなる。
【0016】
このようにして、下位階層の全ての項目に関連付けられた「重要度」を個人別の「階層モデル」に記録しておく。「階層モデル」においては、下位階層の項目に関連付けられた「重要度」がその上位概念(上位階層及び中位階層)の項目についての重要度を決める材料にもなる。例えば、中位階層のある項目「ζ1」の中に下位階層の項目「a1」,「a2」,「a3」,・・・,「an」が包含されるとした場合、項目「ζ1」の重要度は項目「a1」〜「an」のそれぞれに関連付けられた重要度の平均値となる。同様にして、上位階層のある項目「Ζ1」についての重要度は、その中に包含される中位階層の項目「ζ1」,「ζ2」,「ζ3」,・・・,「ζn」についての重要度の平均値となる。
【0017】
以上のように階層分類された項目と、それぞれの重要度(重み)を記録した個人別の「階層モデル」に基づき、システムはある2名の利用者間でみて「階層モデル」内の互いに共通する項目についての重要度をそれぞれ(x),(y)とし、利用者各人の「階層モデル」内で上位階層、中位階層及び下位階層のそれぞれに属する全ての項目についての重要度をそれぞれ(x),(y)としたとき、次式、
【0018】
【数1】

により算出される値から利用者間の類似度を判定する。
【0019】
上式は、2名の利用者間でみたコサイン類似度を求めるためのものでる。なお、上式において分子は内積であり、ここでは2名の利用者間で互いに共通する項目についての重要度だけを計算する。上式から得られる類似度は0から1の値をとり、1に近いほど2名の利用者間の類似度が高く、それだけ親近感を抱きやすい傾向にあることを示す。
【0020】
このようにシステムは、複数ある利用者の中から、当人との類似度として1に近い結果が得られた利用者の情報を提供する。したがって利用者は、たとえ見知らぬ相手に手助けを求めるにしても、相手に対して親近感を抱きやすいことが事前に判っているため、安心してサポートを依頼することができる。また、サポートに派遣された他の利用者にとっても、自己が親近感を抱きやすい相手の手助けをするのであれば、さらにやりがいが大きくなる。
【0021】
また本発明のシステムは、階層モデルに含まれる全ての項目のうち、最下層に分類される項目の中から利用者各人が特定した項目、及びそれぞれの項目に関連付けられた重要度を利用者各人のプロファイル情報として入力することができる。そしてシステムは、入力されたプロファイル情報から個人別の階層モデルを生成し、これを階層モデルとして記録する。
【0022】
これにより、例えば利用者ごとの階層モデルに変更があった場合でも、その都度、変更後の内容をプロファイル情報として入力することにより、常に個人別の階層モデルを最新の状態にしておくことができる。また、新たな利用者を登録する場合であっても、その利用者のプロファイル情報を入力すれば、システム内で階層モデルを自動的に生成することができるため、それだけ新規な利用者の登録作業を効率化することができる。
【0023】
また本発明は、上述したシステムが実行する利用者情報提供方法としても構成することができる。すなわち本発明の方法は、以下のステップから構成されている。
【0024】
(1)階層モデル記録ステップ
このステップでは、複数の利用者について、個人の嗜好に関する対象を表す多数の項目を予め複数段階の階層に分類した状態で、その階層ごとに各人が自己に該当するものとして特定した任意の項目に対し、それぞれの重要度を関連付けた階層モデルを個人別にデータベースに記録する。
【0025】
(2)判定処理ステップ
このステップでは、上記(1)の階層モデル記録ステップを通じてデータベースに記録された個人別の階層モデルに基づき、複数の利用者間の類似度を判定する。なお類似度の判定は、データベースから読み出した階層モデルをコンピュータにより演算処理することで行う。
【0026】
(3)情報提供ステップ
そしてこのステップでは、特定の利用者に対し、上記(2)の判定処理ステップで判定された類似度がより高い他の利用者についての情報を提供する。なお情報の提供は、例えばネットワーク通信を利用して特定の利用者が使用する情報端末等にデータを送信することで行われる。
【0027】
本発明の利用者情報提供方法によれば、上記(1)〜(3)のステップを通じて特定の利用者に対し、親近感を抱きやすいと考えられる別の利用者に関する情報を迅速かつ容易に提供することができる。
【0028】
また上記(1)の階層モデル記録ステップでは、多数の項目を予め上位階層、中位階層及び下位階層に分類した状態でデータベースに記録するとともに、各人が特定した任意の項目のうち下位階層に属する全ての項目に対してそれぞれ関連付けられた重要度の平均値を中位階層に属する項目の重要度とし、中位階層に属する全ての項目についての重要度の平均値を上位階層に属する項目の重要度として階層モデルをデータベースに記録するものとする。この場合、上記(2)の判定処理ステップでは、2名の利用者間でみて階層モデル内の互いに共通する項目についての重要度をそれぞれ(x),(y)とし、利用者各人の階層モデル内で上位階層、中位階層及び下位階層のそれぞれに属する全ての項目についての重要度をそれぞれ(x),(y)としたとき、(x・y)/√(Σx×Σy)の演算式により算出される値から利用者間の類似度を判定することができる。
【0029】
これにより、データベースに膨大な数の利用者についての階層モデルが記録されている場合であっても、コンピュータ演算処理を用いて迅速かつ正確に類似度の判定を行うことができる。
【0030】
また本発明の利用者情報提供方法は、上記(1)〜(3)のステップに加えて、さらに以下のステップを有していてもよい。
【0031】
(4)プロファイル情報入力ステップ
このステップでは、階層モデルに含まれる全ての項目のうち、最下層に分類される項目の中から利用者各人が特定した項目、及びそれぞれの項目に関連付けられた重要度を利用者各人のプロファイル情報として入力する。
【0032】
(5)階層モデル生成ステップ
このステップでは、上記(4)のプロファイル情報入力ステップで入力されたプロファイル情報から個人別の階層モデルを生成し、これをデータベースに記録させる。
【0033】
上記(4),(5)のステップをさらに有することにより、本発明の利用者情報提供方法に用いられるデータベースの構築をより効率化することができる。また、一度データベースに記録された階層モデルについても、その後の変更や更新を容易に行うことができ、それによってデータベースの内容を最新の状態に維持しておくことができる。
【発明の効果】
【0034】
以上のように本発明の利用者情報提供システム及び利用者情報提供方法は、項目の階層化と重要度の関連付け(重み付け)により、より高い精度で利用者間の類似度を判定することができる。特に類似度は、その算出の根拠として親近感の抱きやすさを表すパラメータ(重要度)を用いているため、単なる「趣味の一致」という大まかな枠組みの中だけでなく、「似ている人同士」としてのマッチングを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】利用者情報提供システムの利用形態を概略的に示す図である。
【図2】プロファイル情報の項目を階層化して示した図である。
【図3】プロファイル情報の項目から生成される個人別の階層モデルの例を示す図である。
【図4】階層モデルに含まれるプロファイル情報の項目に対して重要度を関連付けた場合の一例を示す図である。
【図5】個人別の階層モデルに基づいて2人のユーザ間の類似度を算出する場合のイメージを示した図である。
【図6】利用者情報提供システムの構成を機能別のブロック要素で表した概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、利用者情報提供システム及び、このシステムを用いて実現される利用者情報提供方法の利用形態を概略的に示す図である。なお、以下では利用者情報提供システムの実施形態を中心として説明するが、当該システムの構成及び動作の説明を通じて、本発明の利用者情報提供方法の実施形態についてもまた明らかとなる。
【0037】
利用者情報提供システムは、多数のユーザ(図中符号H1,H2,H3,・・・)の利用を想定したものである。各ユーザは、例えばパーソナルコンピュータ等のクライアント端末10を用いて利用者情報の提供を受けることができる。クライアント端末10は所定のネットワーク20に接続されており、このネットワーク20を通じてサーバコンピュータ30にアクセスすることができる。サーバコンピュータ30には予め、サービスに登録された全てのユーザ(図中符号H1,H2,H3の他に図示しない人物も含む)に関する情報が記録されている。なお、ネットワーク20は公衆に開放されたものであってもよいし、ある特定の機関(例えば学術機関、研究機関、企業)の内部だけで利用可能なものであってもよい。またサーバコンピュータ30には、ネットワーク20を介さずに、あるいはローカルエリアネットワーク(LAN)を通じて別のクライアント端末12が接続されていてもよい。
【0038】
〔システムによるサービスの形態〕
利用者情報提供システム(及びこれを用いて実現される利用者情報提供方法)は、例えばユーザ(図中符号H1,H2,H3,・・・)が他人による何らかの手助けを必要とする際、実際にサポートを依頼することが可能な相手の情報を検索し、適任者として紹介(レコメンド)することを1つのサービスとしている。なおシステムには、予めサポートの依頼があれば、それに快く応じる意思があるユーザの情報が登録されている。また、ユーザによる検索とシステムからユーザへの情報提供は、クライアント端末10,12等を通じて行うことができる。
【0039】
このとき、サポートを依頼する側のユーザにとって最初の問題となるのは、現状で確かに「誰かに助けて欲しい」という要望はあるものの、(1)実際にそのサポータとなる相手(サポートする側のユーザ)がどのような人物であるのかが初対面では判らないし、(2)いざサポートを依頼したものの、初対面の人に手助けしてもらうこと自体に抵抗があり、そのためサービスの利用に対して不安感があるということである(図中イメージ参照。)。このような不安感は、サービスの利用に対する精神的なハードルとなるこから、せっかくシステムを設置してもその利用頻度を低下させ、やがてサービスそのものを衰退させていく原因にもなる。
【0040】
そこで本実施形態では、ユーザ情報の検索時になるべく親近感を抱きやすい相手を見つけ出すことで、実際のサービス利用時にユーザ間のマッチングを最適化することとしている。サービスの利用に際し、自分にとって親近感を抱きやすい相手を見つけ出してくれることが事前にわかっていれば、上記の不安感は払拭できると考えられる。以下、本実施形態においてユーザ間のマッチングを最適化するための手法について具体的に説明する。
【0041】
図2は、本実施形態で取り扱うプロファイル情報の項目を階層化して示した図である。ここでは例として、同じ大学に所属する学生をユーザの対象としたとき、そのキャンパスライフに関するプロファイル情報の項目を上位階層、中位階層及び下位階層のそれぞれに分類して示している。プロファイル情報の項目は、個人の趣味や興味の対象を表すもの(「テニス」、「カラオケ」、「ショッピング」等)であったり、各人の行動パターンを表すもの(「タバコ」、「昼寝」、「談笑」等)であったり、あるいは、実際によく利用する施設や店、場所等を表すもの(「ゲームセンター」、「コーヒーショップ」、「コンビニ」等)であったりする。ここで、利用者情報提供システム及び利用者情報提供方法が扱う「個人の嗜好の対象を表す項目」には、上記のような趣味や興味を表すものだけでなく、個人の行動パターンの内容や行きつけの施設・場所・店の名称を表すものも含まれるものとする。またこれらの他にも、上記の項目には娯楽上で個人が愛好する対象(例えばプロスポーツチーム、プロスポーツ選手、芸能関係者、コミック・小説・アニメ等の著作コンテンツ)を表すものが含まれていもよい。
【0042】
〔上位階層〕
プロファイル情報の上位階層には、例えば「空き時間」、「サークル」、「昼食」といった大まかな概念を表す項目が割り当てられている。これら上位階層の項目には、以下の中位概念に分類される項目が包含されるものとする。
【0043】
〔中位階層〕
プロファイル情報の中位階層には、例えば上位階層の「空き時間」に対して「アリーナ、コート」、「小石川」、「アミューズメントシティ(娯楽施設の1つ)」のように、各人がよく利用する場所を表す中程度規模の項目が割り当てられている。あるいは上位階層の「サークル」に対しては、「スポーツ系」か「文化系」といった中分類の項目が割り当てられている。また上位階層の「昼食」に対しては、「3号館」、「アミューズメントシティ」、「播磨坂」といった各人がよく昼食をとる場所を表す項目が割り当てられている。
【0044】
〔下位階層〕
プロファイル情報の下位階層には、例えば中位階層の「アリーナ、コート」に対して「フットサル」、「テニス」、「バレーボール」といった、各人が実際にその場所でする具体的な行動の内容や目的を表す項目が割り当てられている。また、同じ中位階層の「アミューズメントシティ」であっても、その上位階層が「空き時間」であれば、下位階層には「談笑」や「ショッピング」、「ボーリング」といった項目が割り当てられているのに対し、上位階層が「昼食」であれば、その下位階層には「ファーストフード」や「たこ焼き」といった、性質の異なる項目が割り当てられることになる。
【0045】
〔階層モデルの例〕
図3は、上記のプロファイル情報の項目から生成される個人別の階層モデルの例を示す図である。具体的には、対象ユーザである学生それぞれに対し、「空き時間、昼食、サークルの3つのカテゴリに対して、自分はどこで(場所、所属)、どのようなこと(行動)をしているか」という経験から、自己に該当する項目として抽出された結果が図3の階層モデルとして表されている。
【0046】
図3の例でいえば、このユーザは学内で「サークル」に所属しており、それは「スポーツ系」に分類される「テニス」のサークルであることを表している。またこのユーザは、授業の「空き時間」に「アミューズメントシティ」や「図書館」をよく利用し、その際、「アミューズメントシティ」で「ダーツ」や「ボーリング」をしたり、「図書館」で「読書」をしたりすることを表している。そしてこのユーザは、「昼食」には「3号館」を利用し、その際、「定食」をよく注文することを表している。このような階層モデルは、そのユーザが普段どのような趣味や興味の対象を持ち、どのような行動パターンをしているか、といった個人別のプロファイル情報(嗜好の対象を表す項目)を階層的に表したものとなる。
【0047】
〔重要度の関連付け(重み付け)〕
次に図4は、階層モデルに含まれるプロファイル情報の項目に対して重要度を関連付けた場合の一例を示す図である。なお図4に示される階層モデルは、図3に示される階層モデルからその一部(上位階層の「昼食」以下)を省略したものである。
【0048】
重要度は、仮に他人が同じ項目をプロファイル情報として持っていた場合、その他人に対してどの程度まで親近感を抱きやすいかの度合を表した数値である。このような重要度は、予めユーザ各人が自己の判断(主観)に基づき、項目ごとに関連付けておくことができる。特に本実施形態では、下位階層に分類される項目に対して、ユーザ各人の判断で「+1」から「+5」までの5段階で重要度を関連付けることとしている。
【0049】
図4の例でいえば、このユーザは相手が同じ「サークル」で「スポーツ系」の「テニス」に所属している場合、その相手に対して抱く親近感の度合が5段階の「+2」であるとしている。一方、相手が「空き時間」に「アミューズメントシティ」で「ダーツ」をしている場合、その相手に対して抱く親近感の度合を「+4」としている。これは、単に同じ「テニス」の「サークル」に所属している相手よりも、「空き時間」を使って「ダーツ」をする相手の方が自分にとっては親しみやすい(親しくなりやすい)という傾向があることを表している。
【0050】
ユーザ各人が下位階層の項目のそれぞれに重要度を関連付けすると、それによって自動的に中位階層と上位階層の項目に対する重要度が関連付けされる。具体的には、中位階層の項目に対する重要度は、その下位階層に属する全項目の重要度の平均値とし、上位階層の項目に対する重要度は、そこに含まれる中位階層に属する全項目の重要度の平均値(小数点以下は四捨五入)とする。
【0051】
これにより、図4の例でいえば、中位階層の「スポーツ系」に対する重要度は「+2」となり、さらにその上位階層の「サークル」に対する重要度は「+2」となる。一方、中位階層の「アミューズメントシティ」に対する重要度は、下位階層の「ダーツ」と「ボーリング」のそれぞれについての重要度である「+4」及び「+2」の平均値から「+3」となる。また中位階層の「図書館」に対する重要度は、下位階層に「読書」だけを含むため、「読書」に対する重要度と同じ「+3」となる。その結果、さらにその上位階層の「空き時間」に対する重要度は、中位階層の「アミューズメントシティ」と「図書館」のそれぞれについての重要度である「+3」の平均値から「+3」となる。
【0052】
〔類似度の算出〕
図5は、個人別の階層モデルに基づいて2人のユーザ間の類似度を算出する場合のイメージを示した図である。図5中(A)は、あるユーザ(Aさん)の個人別階層モデルを表したものであり、図5中(B)は、別のユーザ(Bさん)の個人別階層モデルを表したものである。
【0053】
図5のイメージにおいて、2人のユーザ(Aさん、Bさん)間でみて階層モデル内の互いに共通する項目についての重要度をそれぞれ(x),(y)とする。また、ユーザ各人の階層モデル内で上位階層、中位階層及び下位階層のそれぞれに属する全ての項目についての重要度をそれぞれ(x),(y)とする。このとき2人のユーザ(Aさん、Bさん)の類似度は、コサイン類似度として次式により表される。
【0054】
【数2】

【0055】
ここで上式の分子は、2人のユーザ(Aさん、Bさん)で共通しているものの内積である。図5の例でいえば、互いに共通する空き時間、アミューズメントシティ、ダーツ、ボーリングの内積から上式の分子は62となる。
【0056】
また上式の分母は、一方のユーザ(Aさん)についてはΣx=2+2+2+3+3+4+2+3+3であり、他方のユーザ(Bさん)についてはΣy=2+2+2+4+4+5+3+4+4である。したがって上式の分母は、√(Σx×Σy)から86.5となる。
【0057】
その結果、2人のユーザ(Aさん、Bさん)間のコサイン類似度はおおよそ0.72として算出されることがわかる。コサイン類似度は0から1までの値をとり、1に近いほど類似度が高く、それだけ親近感を抱きやすい傾向にあることを表している。
【0058】
上式から明らかなように、階層モデルを用いた類似度の判定には以下の傾向が見られる。
(1)上式の分子から明らかなように、本実施形態では2人のユーザ間でみて共通する項目が多く、かつ、その共通する項目についての重要度が高く設定されているほど、両者の類似度は高くなることがわかる。
【0059】
(2)共通点は、下位階層にある項目ほど類似度に寄与する。すなわち、上位階層や中位階層の項目は、たとえ2人の間で共通するものがあっても、その下位階層の項目が共通していないと、あまり分子の大きさに寄与しないため、類似度としてはそれほど高くならない。逆に下位階層の項目が多く類似していれば、それだけ分子が大きくなり、類似度の値は1に近付く。
【0060】
(3)また共通点は、各人の指定した重要度が高いほど類似度に寄与する。すなわち、共通する項目が多くあっても、1つ1つの重要度があまり高くなければ、それほど類似度は高くならない。逆に共通する項目が少なくても、1つ1つの重要度が高ければ、それだけ分子が大きくなるため類似度は1に近付く。
【0061】
〔システムの構成例〕
図6は、利用者情報提供システムの構成を機能別のブロック要素で表した概略図である。なお、これらブロック要素の各機能は、例えばサーバコンピュータ30やクライアント端末10,12及びその周辺機器のハードウェアリソース(CPU、メモリ、通信機器等)を用いて実現することができる。以下、システムの構成及び動作について具体的に説明する。
【0062】
〔サポート依頼の送信〕
利用者情報提供システムは、サーバコンピュータ30内にサポート依頼受付部32を有している。このサポート依頼受付部32は、クライアント端末10,12から送信されるサポート依頼を受け付ける。システムを利用するユーザは、クライアント端末10(例えば自宅のパーソナルコンピュータ、携帯電話機等)から公衆ネットワーク20を通じてシステムにログインし、サポート依頼を送信することができる。あるいは、ユーザは学内のLANに接続されたクライアント端末12を操作してシステムにログインし、サポート依頼を送信することもできる。
【0063】
利用者情報システムは、サーバコンピュータ30内に個人別階層モデル記録部42を有している。この個人別階層モデル記録部42には、予めシステムのサービスに登録された全てのユーザについて、個人別に作成された階層モデルが記録されている。個人別の階層モデルには、ユーザ個人を識別するためのユニークなIDコードが割り当てられている。
【0064】
ここでサーバコンピュータ30には、例えば利用者情報提供システムを稼働させるためのプログラムが予めハードディスク(図示しない)にインストールされている。サーバコンピュータ30はこのプログラムの実行に伴い、データベースとしての個人別階層モデル記憶部42に個人別の階層モデルを記録する処理を行う(階層モデル記録ステップ)。なおサーバコンピュータ30は上記のプログラムの実行に伴い、これ以降で挙げる各種の処理を実行することができる。
【0065】
〔個人別階層モデルの抽出〕
また利用者情報システムは、サーバコンピュータ30内にクライアント個人モデル抽出部34及びサポータ個人モデル抽出部36を有している。上記のサポート依頼受付部32は、ユーザから新たにサポート依頼を受け付けると、個人別階層モデル記録部42にアクセスし、そこから今回のサポート依頼を送信したユーザ個人の階層モデルを検索し、その階層モデルをクライアント個人モデル抽出部34に渡す。一方でサポート依頼受付部32は、サポータ個人モデル抽出部36に対して今回のサポート依頼を送信したユーザIDを通知するとともに、「サポータ個人の階層モデル抽出実行」を通知する。
【0066】
サポータ個人モデル抽出部36は、サポート依頼を送信したユーザ以外の登録ユーザに該当する個人別の階層モデルを抽出する。この段階で階層モデルの抽出は、ランダムに行われてもよい。
【0067】
利用者情報システムは、サーバコンピュータ30内に類似度判定処理部38を有している。上記のクライアント個人モデル抽出部34は、今回のサポート依頼を送信したユーザについて抽出した個人別の階層モデルを類似度判定処理部38に渡す。一方でサポータ個人モデル抽出部36は、抽出した他のユーザについての個人別の階層モデルを類似度判定処理部38に渡す。
【0068】
〔類似度の算出〕
類似度判定処理部38は、クライアント個人モデル抽出部34及びサポータ個人モデル抽出部36からそれぞれ受け取った階層モデルに基づき、上記のコサイン類似度を算出する(判定処理ステップ)。類似度判定処理部38は、算出した類似度の結果をひとまずバッファメモリ(図示しない)に記憶し、次の抽出要求をサポータ個人モデル抽出部36に対して通知する。
【0069】
次の抽出要求が通知されると、サポータ個人モデル抽出部36は前回と異なるユーザについて個人別の階層モデルを抽出する。そしてサポータ個人モデル抽出部36は、新たに抽出した個人別の階層モデルを類似度判定処理部38に渡す。
【0070】
これを受けて類似度判定処理部38は、新たに受け取った階層モデルに基づいてコサイン類似度を改めて算出する。そして類似度判定処理部38は、算出した類似度の結果を上記のバッファメモリに記憶し、次の抽出要求をサポータ個人モデル抽出部36に対して通知する。
【0071】
以上の処理を全ての登録ユーザ(サポート依頼を送信したユーザ以外)について繰り返し実行すると、類似度判定処理部38は、例えばその中で類似度の値が1に近かった順にユーザの情報(例えば氏名、学年、クラス、学生番号、電話番号、メールアドレス等の連絡先)を数名分だけ抽出する。
【0072】
〔サポータ情報の提供〕
また利用者情報システムは、サーバコンピュータ30内にリコメンドサポータ情報提供部40を有している。上記の類似度判定処理部38は、抽出したユーザの情報をリコメンドサポータ情報提供部40に通知する。これを受けてリコメンドサポータ情報提供部40は、通知されたユーザの情報(数名分)をクライアント端末10,12に対して送信する(情報提供ステップ)。
【0073】
これにより、サポート依頼を送信したユーザは、例えばクライアント端末10,12上でサポータとなるユーザの情報を得ることができる。ここで得られる情報は、システムが適任者としてリコメンドしたユーザの情報となる。
【0074】
〔プロファイル情報の入力と階層モデルの生成〕
その他に利用者情報システムは、サーバコンピュータ30内にプロファイル情報入力部46及び階層モデル生成部44を有している。このうちプロファイル情報入力部46は、例えば新たな登録ユーザについて得られたプロファイル情報の入力を受け付ける。またシステムは、既存の登録ユーザについてプロファイル情報に変更があった場合、その変更後の内容をプロファイル情報入力部46から入力することで、プロファイル情報を更新することができる(プロファイル情報入力ステップ)。
【0075】
階層モデル生成部44は、プロファイル情報入力部46に入力されたプロファイル情報に基づき、個人別の階層モデルを生成する。階層モデルの生成は、上記のようにユーザ各人が下位階層の項目について指定した重要度に基づき、中位階層及び上位階層の項目についての重要度を付与することで行われる。そして個人別階層モデル記録部42は、生成(又は更新)した階層モデルを個人別階層モデル記録部42に記録する(階層モデル生成ステップ)。
【0076】
上述した利用者情報システムによれば、サービスを利用するユーザからのサポート依頼に対し、階層モデルに基づいてユーザ間のマッチングを最適化した上で、相互に親近感を抱きやすいユーザの情報をリコメンドすることができる。このためサービスを利用するユーザにとっては、サポートしてくれる相手が自分にとって親近感を抱きやすい人物であることが事前にわかるため、サポート依頼時において不安がなくなるという利点がある。また、実際に相手がサポートに来てくれた場合、自分にとって親しみやすい人物であることから、初対面でもサポートを受けることに対する不安がなくなる。
【0077】
これにより、学内でのシステムの利用が活発となり、その結果、いままで人間関係のなかったユーザ同士に新たなつながりが自然と生まれていき、それによって大学生活の活性化を大きく促進することができる。
【0078】
本発明は上述した一実施形態に制約されることなく、種々の応用が可能である。利用者情報システムは、特定の大学内だけでなく、地域社会や企業、団体、組合等に所属する利用者についても適用することができる。
【0079】
またプロファイル情報の項目は、システムを適用するコミュニティの利用者層に合わせて適宜に変更することができるし、各項目についての重要度の指定は5段階に限られるものではない。
【符号の説明】
【0080】
10,12 クライアント端末
20 ネットワーク
30 サーバコンピュータ
32 サポート依頼受付部
34 クライアント個人モデル抽出部
36 サポータ個人モデル抽出部
38 類似度判定処理部
40 リコメンドサポータ情報提供部
42 個人別階層モデル記録部
44 階層モデル生成部
46 プロファイル情報入力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の利用者について、個人の嗜好に関する対象を表す多数の項目を予め複数段階の階層に分類した状態で、前記階層ごとに各人が自己に該当するものとして特定した任意の項目に対し、それぞれの重要度を関連付けた階層モデルを個人別に記録する階層モデル記録部と、
前記階層モデル記録部に記録された個人別の前記階層モデルに基づいて複数の利用者間の類似度を判定する判定処理部と、
特定の利用者に対し、前記判定処理部にて判定された類似度がより高い他の利用者についての情報を提供する情報提供部と
を備えた利用者情報提供システム。
【請求項2】
請求項1に記載の利用者情報提供システムにおいて、
前記階層モデル記録部は、
前記多数の項目を予め上位階層、中位階層及び下位階層に分類した状態で記録するとともに、各人が特定した任意の項目のうち前記下位階層に属する全ての項目に対してそれぞれ関連付けられた重要度の平均値を前記中位階層に属する項目の重要度とし、前記中位階層に属する全ての項目についての重要度の平均値を前記上位階層に属する項目の重要度として前記階層モデルを記録するものであり、
前記判定処理部は、
2名の利用者間でみて前記階層モデル内の互いに共通する項目についての重要度をそれぞれ(x),(y)とし、利用者各人の前記階層モデル内で前記上位階層、前記中位階層及び前記下位階層のそれぞれに属する全ての項目についての重要度をそれぞれ(x),(y)としたとき、次式、
(x・y)/√(Σx×Σy
により算出される値から利用者間の類似度を判定することを特徴とする利用者情報提供システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の利用者情報提供システムにおいて、
前記階層モデルに含まれる全ての項目のうち、最下層に分類される項目の中から利用者各人が特定した項目、及びそれぞれの項目に関連付けられた重要度を利用者各人のプロファイル情報として入力するプロファイル情報入力部と、
前記プロファイル情報入力部により入力されたプロファイル情報から個人別の前記階層モデルを生成し、前記階層モデル記録部に記録させる階層モデル生成部と
をさらに備えたことを特徴とする利用者情報提供システム。
【請求項4】
複数の利用者について、個人の嗜好に関する対象を表す多数の項目を予め複数段階の階層に分類した状態で、前記階層ごとに各人が自己に該当するものとして特定した任意の項目に対し、それぞれの重要度を関連付けた階層モデルを個人別にデータベースに記録する階層モデル記録ステップと、
前記階層モデル記録ステップを通じて前記データベースに記録された個人別の前記階層モデルに基づき、複数の利用者間の類似度を判定する判定処理ステップと、
特定の利用者に対し、前記判定処理ステップで判定された類似度がより高い他の利用者についての情報を提供する情報提供ステップと
を有する利用者情報提供方法。
【請求項5】
請求項4に記載の利用者情報提供方法において、
前記階層モデル記録ステップでは、
前記多数の項目を予め上位階層、中位階層及び下位階層に分類した状態で前記データベースに記録するとともに、各人が特定した任意の項目のうち前記下位階層に属する全ての項目に対してそれぞれ関連付けられた重要度の平均値を前記中位階層に属する項目の重要度とし、前記中位階層に属する全ての項目についての重要度の平均値を前記上位階層に属する項目の重要度として前記階層モデルを前記データベースに記録し、
前記判定処理ステップでは、
2名の利用者間でみて前記階層モデル内の互いに共通する項目についての重要度をそれぞれ(x),(y)とし、利用者各人の前記階層モデル内で前記上位階層、前記中位階層及び前記下位階層のそれぞれに属する全ての項目についての重要度をそれぞれ(x),(y)としたとき、次式、
(x・y)/√(Σx×Σy
により算出される値から利用者間の類似度を判定することを特徴とする利用者情報提供方法。
【請求項6】
請求項5又は5に記載の利用者情報提供方法において、
前記階層モデルに含まれる全ての項目のうち、最下層に分類される項目の中から利用者各人が特定した項目、及びそれぞれの項目に関連付けられた重要度を利用者各人のプロファイル情報として入力するプロファイル情報入力ステップと、
前記プロファイル情報入力ステップで入力されたプロファイル情報から個人別の前記階層モデルを生成し、前記データベースに記録させる階層モデル生成ステップと
をさらに有する利用者情報提供方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−22905(P2011−22905A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−168921(P2009−168921)
【出願日】平成21年7月17日(2009.7.17)
【出願人】(000162113)共同印刷株式会社 (488)
【出願人】(599011687)学校法人 中央大学 (110)
【Fターム(参考)】