制御情報更新装置、画像処理装置、管理装置及びプログラム
【課題】画像処理装置を制御する制御情報を、画像処理装置の不具合の発生又は構成の変更に応じた更新情報を用いて使用者に意識させずに更新できる可能性を高める。
【解決手段】画像形成装置のコントローラ10において、検知部20が、異常の発生又は外部機器の変更を検知し、構成情報取得部21が、画像形成装置の構成情報を取得し、送信部22が、検知内容と構成情報をファームウェア管理装置に送信する。すると、ファームウェア管理装置は検知内容と構成情報に基づいて特定された更新用のファームウェアファイル(FWファイル)の情報を送ってくるので、UI制御部24が、FWファイルの情報をUI部に表示し、受信部23が、UI部からの入力に基づいてファームウェア格納装置からFWファイルを受信し、更新部26が、受信したFWファイルを用いてファームウェア記憶部25内のファームウェアを更新する。
【解決手段】画像形成装置のコントローラ10において、検知部20が、異常の発生又は外部機器の変更を検知し、構成情報取得部21が、画像形成装置の構成情報を取得し、送信部22が、検知内容と構成情報をファームウェア管理装置に送信する。すると、ファームウェア管理装置は検知内容と構成情報に基づいて特定された更新用のファームウェアファイル(FWファイル)の情報を送ってくるので、UI制御部24が、FWファイルの情報をUI部に表示し、受信部23が、UI部からの入力に基づいてファームウェア格納装置からFWファイルを受信し、更新部26が、受信したFWファイルを用いてファームウェア記憶部25内のファームウェアを更新する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御情報更新装置、画像処理装置、管理装置、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
機械操作が苦手なユーザに対しても、定期的なメンテナンス要員を派遣することなく、事務機器を快適に利用可能とする事務機器管理システムは知られている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1では、事務機器が、その異常発生を知らせる情報をサーバ装置に送信し、サーバ装置が、事務機器の異常発生を知らせる情報を受信したら、事務機器からの情報に対応するマシン設定情報を抽出し、事務機器に送信して管理する。
【0003】
また、プログラムを書き換え可能なメモリを有する処理装置において、追加・変更プログラムを処理装置毎に確保する必要性をなくす技術も知られている(例えば、特許文献2参照)。この特許文献2では、処理装置が、自己の識別情報を含むプログラム取得要求をホスト装置に送信し、ホスト装置が、処理装置からプログラムの送信を要求されると、識別情報に対応したプログラムを処理装置に送付したり、プログラムの種別情報を送信してユーザがこれを選択するとその種別に対応するプログラムを送付したりする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−38347号公報
【特許文献2】特開2005−235184号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、画像処理装置を制御する制御情報を、画像処理装置の不具合の発生又は構成の変更に応じた更新情報を用いて使用者に意識させずに更新できる可能性を高めることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、画像処理装置を制御する制御情報を記憶する記憶手段と、前記画像処理装置の不具合の発生又は構成の変更を検知する検知手段と、前記検知手段による前記不具合の発生又は前記構成の変更の検知に応じて、前記記憶手段に記憶された前記制御情報の更新に用いられる情報であって、前記検知手段による検知内容に応じた情報である更新情報の特定を、当該更新情報を管理する管理装置に要求する要求手段と、前記要求手段による要求に応答して前記管理装置で特定された前記更新情報を取得する取得手段と、前記記憶手段に記憶された前記制御情報を、前記取得手段により取得された前記更新情報を用いて更新する更新手段とを備えたことを特徴とする制御情報更新装置である。
請求項2に記載の発明は、前記要求手段は、前記記憶手段に記憶された前記制御情報の前記画像処理装置の機能に対応する部分ごとの版数の組み合わせに更に応じた情報である前記更新情報の特定を前記管理装置に要求することを特徴とする請求項1に記載の制御情報更新装置である。
請求項3に記載の発明は、前記取得手段は、前記更新情報を格納する格納装置における当該更新情報の格納位置を示す位置情報を前記管理装置から受信し、当該格納装置における当該位置情報が示す格納位置から当該更新情報を受信することにより、当該更新情報を取得することを特徴とする請求項1又は2に記載の制御情報更新装置である。
請求項4に記載の発明は、前記要求手段は、前記検知手段により検知された前記不具合の発生又は前記構成の変更に関して予め定められた条件が満たされている場合に、前記更新情報の特定を前記管理装置に要求することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の制御情報更新装置である。
請求項5に記載の発明は、前記要求手段は、一の更新情報の特定を前記管理装置に要求し、前記取得手段は、前記管理装置で特定された前記一の更新情報を取得することを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の制御情報更新装置である。
請求項6に記載の発明は、前記要求手段は、複数の更新情報の特定を前記管理装置に要求し、前記取得手段は、前記管理装置で特定された前記複数の更新情報から選択された一の更新情報を取得することを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の制御情報更新装置である。
請求項7に記載の発明は、入力された画像データに基づいて画像処理を行う画像処理手段と、前記画像処理手段を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、自装置を制御する制御情報を記憶する記憶手段と、自装置の不具合の発生又は構成の変更を検知する検知手段と、前記検知手段による前記不具合の発生又は前記構成の変更の検知に応じて、前記記憶手段に記憶された前記制御情報の更新に用いられる情報であって、前記検知手段による検知内容と、前記記憶手段に記憶された前記制御情報の前記画像処理手段及び前記制御手段に対応する部分ごとの版数の組み合わせとに応じた情報である更新情報の特定を、当該更新情報を管理する管理装置に要求する要求手段と、前記要求手段による要求に応答して前記管理装置で特定された前記更新情報を取得する取得手段と、前記記憶手段に記憶された前記制御情報を、前記取得手段により取得された前記更新情報を用いて更新する更新手段とを備えたことを特徴とする画像処理装置である。
請求項8に記載の発明は、画像処理装置を制御する制御情報を保持する当該画像処理装置から、当該画像処理装置の不具合の発生又は構成の変更を示す情報を受信する受信手段と、前記受信手段による前記不具合の発生又は前記構成の変更を示す情報の受信に応じて、前記画像処理装置が保持する前記制御情報の更新に用いられる情報であって、前記受信手段による受信内容に応じた情報である更新情報を特定する特定手段と、前記画像処理装置が保持する前記制御情報を、前記特定手段により特定された前記更新情報を用いて更新できるように、当該画像処理装置に対して、当該更新情報の取得を指示する指示手段とを備えたことを特徴とする管理装置である。
請求項9に記載の発明は、前記特定手段は、前記画像処理装置が保持する前記制御情報の当該画像処理装置の機能に対応する部分ごとの版数の組み合わせに更に応じた情報である前記更新情報を特定することを特徴とする請求項8に記載の管理装置である。
請求項10に記載の発明は、コンピュータに、画像処理装置の不具合の発生又は構成の変更を検知する機能と、前記不具合の発生又は前記構成の変更の検知に応じて、前記画像処理装置を制御する制御情報の更新に用いられる情報であって、前記検知する機能による検知内容に応じた情報である更新情報の特定を、当該更新情報を管理する管理装置に要求する機能と、前記要求する機能による要求に応答して前記管理装置で特定された前記更新情報を取得する機能と、前記画像処理装置を制御する前記制御情報を、取得された前記更新情報を用いて更新する機能とを実現させるためのプログラムである。
請求項11に記載の発明は、コンピュータに、画像処理装置を制御する制御情報を保持する当該画像処理装置から、当該画像処理装置の不具合の発生又は構成の変更を示す情報を受信する機能と、前記不具合の発生又は前記構成の変更を示す情報の受信に応じて、前記画像処理装置が保持する前記制御情報の更新に用いられる情報であって、前記受信する機能による受信内容に応じた情報である更新情報を特定する機能と、前記画像処理装置が保持する前記制御情報を、特定された前記更新情報を用いて更新できるように、当該画像処理装置に対して、当該更新情報の取得を指示する機能とを実現させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、画像処理装置を制御する制御情報を、画像処理装置の不具合の発生又は構成の変更に応じた更新情報を用いて使用者に意識させずに更新できる可能性が高まる。
請求項2の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、画像処理装置を制御する制御情報を、画像処理装置の機能に対応する部分ごとの版数の組み合わせに応じた更新情報を用いて更新できる可能性が高まる。
請求項3の発明によれば、制御情報の更新に用いられる更新情報を特定する管理装置とは別の格納装置に更新情報が格納されている場合であっても、更新情報を取得することができる。
請求項4の発明によれば、制御情報を更新するかどうかを、画像処理装置の不具合の発生又は構成の変更に関する条件を定めることにより制御することができる。
請求項5の発明によれば、使用者による更新情報の選択操作を必要とせずに制御情報を更新することができる。
請求項6の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、使用者が望む更新情報を用いて制御情報を更新できる可能性が高まる。
請求項7の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、画像処理装置を制御する制御情報を、画像処理装置の不具合の発生又は構成の変更に応じた更新情報を用いて使用者に意識させずに更新できる可能性が高まる。
請求項8の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、画像処理装置を制御する制御情報を、画像処理装置の不具合の発生又は構成の変更に応じた更新情報を用いて使用者に意識させずに更新できる可能性が高まる。
請求項9の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、画像処理装置を制御する制御情報を、画像処理装置の機能に対応する部分ごとの版数の組み合わせに応じた更新情報を用いて更新できる可能性が高まる。
請求項10の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、画像処理装置を制御する制御情報を、画像処理装置の不具合の発生又は構成の変更に応じた更新情報を用いて使用者に意識させずに更新できる可能性が高まる。
請求項11の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、画像処理装置を制御する制御情報を、画像処理装置の不具合の発生又は構成の変更に応じた更新情報を用いて使用者に意識させずに更新できる可能性が高まる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施の形態が適用されるコンピュータシステムの構成例を示した図である。
【図2】本発明の実施の形態における画像形成装置の構成例を示した図である。
【図3】本発明の実施の形態におけるファームウェア管理装置の構成例を示した図である。
【図4】本発明の実施の形態における画像形成装置のコントローラの機能構成例を示したブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態における画像形成装置のコントローラが取得するバージョン情報の一例を示した図である。
【図6】本発明の実施の形態におけるファームウェア管理装置の機能構成例を示したブロック図である。
【図7】本発明の実施の形態におけるファームウェア管理装置が保持するセットバージョンテーブルの一例を示した図である。
【図8】本発明の実施の形態におけるファームウェア管理装置が保持するバージョンマップテーブルの一例を示した図である。
【図9】本発明の実施の形態におけるファームウェア管理装置が保持するFWファイルテーブルの一例を示した図である。
【図10】本発明の実施の形態における画像形成装置のコントローラの動作例を示したフローチャートである。
【図11】本発明の実施の形態におけるファームウェア管理装置の動作例を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施の形態におけるコンピュータシステムの全体構成例を示したものである。
図示するように、このコンピュータシステムは、画像形成装置1a,1bと、ファームウェア管理装置3と、ファームウェア格納装置5a,5bとがネットワーク8に接続されることにより構成されている。尚、図では、画像形成装置1a,1bを示したが、これらを区別する必要がない場合は、画像形成装置1と称することもある。また、図には、2つの画像形成装置1しか示していないが、3つ以上の画像形成装置1を設けてもよい。更に、図では、ファームウェア格納装置5a,5bを示したが、これらを区別する必要がない場合は、ファームウェア格納装置5と称することもある。また、図には、2つのファームウェア格納装置5しか示していないが、3つ以上のファームウェア格納装置5を設けてもよい。
【0010】
画像形成装置1は、画像処理装置の一例であり、紙等の記録媒体に画像を形成し、印刷文書として出力する装置である。この画像形成装置1は、プリンタの機能のみを備えたものであってもよいし、他にスキャナやファクシミリの機能を備えたものであってもよい。
【0011】
ファームウェア管理装置3は、管理装置の一例であり、画像形成装置1を制御するファームウェアを管理するコンピュータ装置である。尚、ファームウェア管理装置3がファームウェアを格納することも考えられるが、本実施の形態では、ファームウェア管理装置3はファームウェアの管理のみを行い、ファームウェアの格納はファームウェア格納装置5が行うこととしている。ここで、ファームウェア管理装置3としては、例えば、ウェブサービスプロトコル(SOAP/XML等)を利用可能なサーバを用いるとよい。
【0012】
ファームウェア格納装置5は、格納装置の一例であり、画像形成装置1を制御するファームウェアを格納するコンピュータ装置である。ここで、ファームウェア格納装置5としては、例えば、HTTP(HyperText Transfer Protocol)サーバ又はFTP(File Transfer Protocol)サーバを用いるとよい。
ネットワーク8は、各種情報の交換に用いる通信手段である。このネットワーク8としては、インターネットやLAN(Local Area Network)が例示される。
【0013】
次に、図1のコンピュータシステムにおける画像形成装置1の構成について説明する。
図2は、画像形成装置1のハードウェア構成例を示した図である。
図示するように、画像形成装置1は、コントローラ10と、記憶装置11と、ユーザインターフェイス(UI)部12と、スキャナ部13と、プリンタ部14と、ファクシミリ(FAX)部15と、通信インターフェイス(通信I/F)16と、課金装置17と、認証装置18とを備える。
【0014】
コントローラ10は、制御手段の一例であり、画像形成装置1全体の動作を制御するもので、例えば1つのコントローラボード上に構築されるものである。コントローラ10は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を備え、コントローラ10の後述する各機能は、CPUがROM等に記憶された各種プログラムをRAMにロードして実行することによって実現される。また、ROMは、コントローラ10、UI部12、スキャナ部13、プリンタ部14、FAX部15、課金装置17、認証装置18等のサブシステムの動作を制御するファームウェアを記憶する。
【0015】
記憶装置11は、スキャナ部13が読み取った画像データやプリンタ部14で出力する画像データ等を記憶する。また、ファームウェアを更新する際の問い合わせに関するポリシーを定めたポリシー情報等も記憶する。ここで、記憶装置11としては、例えば、磁気ディスクを用いるとよい。
UI部12は、画像形成装置1に搭載された操作パネルであり、ユーザの操作を受け付ける機能と、ユーザに情報を表示する機能とを有する。
【0016】
スキャナ部13は、画像処理手段の一例であり、紙等の記録媒体に記録された画像を読み取る。ここで、スキャナ部13としては、光源から原稿に照射した光に対する反射光をレンズで縮小してCCD(Charge Coupled Devices)で受光するCCD方式のものや、LED光源から原稿に順に照射した光に対する反射光をCIS(Contact Image Sensor)で受光するCIS方式のものを用いるとよい。尚、スキャナ部13には、自動原稿送り装置等の別ファームウェアを搭載した装置が装着される場合もある。
【0017】
プリンタ部14は、画像処理手段の一例であり、紙等の記録媒体に画像を印字し出力する。ここで、プリンタ部14としては、感光体に付着させたトナーを記録媒体に転写して像を形成する電子写真方式のものや、インクを記録媒体上に吐出して像を形成するインクジェット方式のものを用いるとよい。尚、プリンタ部14には、フィニッシャ等の独立したファームウェアが搭載された装置が複数接続される場合もある。
【0018】
FAX部15は、画像処理手段の一例であり、公衆回線網を介してファクシミリ送受信を行う。
通信I/F16は、画像形成装置1がネットワーク8と接続する部分である。ファームウェア管理装置3又はファームウェア格納装置5との間の情報の送受信は、この通信I/F16を介して行われる。
課金装置17は、画像形成装置1の外部に接続され、プリンタ部14による画像出力等に応じて課金や集計管理等を行う装置である。このような課金装置17には、課金として、現金決済、専用のカード決済、ICカード決済等を行う装置がある。
認証装置18は、画像形成装置1の外部に接続され、画像形成装置1を使用するユーザの認証を行う装置である。このような認証装置18には、認証として、ユーザID入力による認証、ICカードによる認証等を行う装置がある。
【0019】
また、図1のコンピュータシステムにおけるファームウェア管理装置3及びファームウェア格納装置5の構成について説明する。
図3は、ファームウェア管理装置3のハードウェア構成例を示した図である。尚、ファームウェア格納装置5のハードウェア構成はこれと同様であるので省略する。
図示するように、ファームウェア管理装置3は、演算手段であるCPU30と、記憶手段であるメインメモリ31及び磁気ディスク装置32とを備える。ここで、CPU30は、OS(Operating System)やアプリケーション等の各種ソフトウェアを実行し、後述する各機能を実現する。また、メインメモリ31は、各種ソフトウェアやその実行に用いるデータ等を記憶する記憶領域であり、磁気ディスク装置32は、各種ソフトウェアに対する入力データや各種ソフトウェアからの出力データ等を記憶する記憶領域である。
更に、ファームウェア管理装置3は、外部との通信を行うための通信I/F33と、ビデオメモリやディスプレイ等からなる表示機構34と、キーボードやマウス等の入力デバイス35とを備える。
【0020】
ところで、上記画像形成装置1におけるファームウェアの更新は、不具合の修正、外部機器接続時のバージョン組み合わせの不整合の回避等のために行われる場合がある。このような場合、例えば、ユーザ又はエンジニアが、画像形成装置1に設けられたボタンを押下することにより、ファームウェア管理装置3からファームウェアをダウンロードし、このダウンロードしたファームウェアによってファームウェアの更新を行う方法が考えられる。しかしながら、この方法では、ユーザ又はエンジニアはファームウェアの更新を意識しなければならず、ユーザのメンテナンス時間やエンジニアのメンテナンスコストがかかってしまう。
そこで、本実施の形態では、画像形成装置1で不具合が発生した場合や、画像形成装置1に外部機器を接続したり、画像形成装置1に接続されていた外部機器のバージョンを変更したりした場合に、ユーザ又はエンジニアに意識させずにファームウェアを更新する。
【0021】
図4は、このような動作を行うコントローラ10の機能構成例を示したブロック図である。
図示するように、このコントローラ10は、検知部20と、構成情報取得部21と、送信部22と、受信部23と、UI制御部24と、ファームウェア記憶部25と、更新部26とを備える。
【0022】
検知部20は、画像形成装置1における異常の発生、及び、画像形成装置1に対する外部機器の接続や画像形成装置1に接続された外部機器のバージョンの変更を検知する。本実施の形態では、画像処理装置の不具合の発生又は構成の変更を検知する検知手段の一例として、検知部20を設けている。
【0023】
構成情報取得部21は、コントローラ10のROMを参照して、画像形成装置1の構成情報を取得する。ここで、構成情報には、画像形成装置1の機種を示すプロダクトIDと、個々の画像形成装置1をコントローラボードの構成によって区別するコントローラボード識別子と、画像形成装置1の各サブシステムのバージョンを示すバージョン情報とが含まれる。尚、コントローラボード識別子の代わりにシリアル番号を用いてもよいが、以下では、コントローラボード識別子を用いるものとする。また、この構成情報の取得は、記憶装置11に記憶されたポリシー情報を参照して、検知部20による検知内容が、更新用ファームウェアに関する問い合わせを行うべき旨を示していると判断した場合にのみ、行うようにしてもよい。
【0024】
送信部22は、検知部20が画像形成装置1における異常の発生を検知した場合には、その異常を示す異常情報と、構成情報取得部21が取得した構成情報とを含む問い合わせを、ファームウェア管理装置3に送信する。検知部20が画像形成装置1に対する外部機器の接続や画像形成装置1に接続された外部機器のバージョンの変更を検知した場合には、その外部機器及びバージョンを示す外部機器情報と、構成情報取得部21が取得した構成情報とを含む問い合わせを、ファームウェア管理装置3に送信する。また、UI部12でファームウェアの更新が指示された場合には、更新用ファームウェアの取得要求をファームウェア格納装置5に送信する。本実施の形態では、画像形成装置1を制御する制御情報の一例として、ファームウェアを用いており、制御情報の更新に用いられる更新情報の一例として、更新用ファームウェアを用いており、更新情報の特定を管理装置に要求する要求手段の一例として、送信部22を設けている。
【0025】
受信部23は、送信部22がファームウェア管理装置3に問い合わせを送信した場合には、その問い合わせに対する応答(問い合わせ応答)をファームウェア管理装置3から受信する。また、送信部22が更新用ファームウェアの取得要求を送信した場合には、要求された更新用ファームウェアをファームウェア格納装置5から受信する。本実施の形態では、更新情報を取得する取得手段の一例として、受信部23を設けている。
【0026】
UI制御部24は、受信部23が受信した問い合わせ応答が、更新用ファームウェアがあることを示している場合には、ファームウェアを更新するか、更新する場合はどの更新用ファームウェアを用いるか等を確認する更新確認画面のUI部12への表示を制御する。そして、UI部12からファームウェアを更新する旨の入力があった場合、その旨の情報を送信部22に出力する。また、受信部23が受信した問い合わせ応答が、更新用ファームウェアがないことを示している場合には、異常が発生していれば、その旨の情報のUI部12への表示を制御する。
【0027】
ファームウェア記憶部25は、画像形成装置1を現在制御しているファームウェアを記憶する。本実施の形態では、制御情報を記憶する記憶手段の一例として、ファームウェア記憶部25を設けている。
更新部26は、受信部23がファームウェア格納装置5から受信した更新用ファームウェアを用いて、ファームウェア記憶部25に記憶されたファームウェアを更新する。本実施の形態では、制御情報を更新する更新手段の一例として、更新部26を設けている。
【0028】
尚、このようなコントローラ10の機能は、ソフトウェアとハードウェア資源とが協働することにより実現される。検知部20、構成情報取得部21、送信部22、受信部23、UI制御部24、更新部26は、コントローラ10のCPUが、これらの機能を実現するプログラムを、例えばハードディスク等の外部記憶装置からメインメモリに読み込むことにより実現される。また、ファームウェア記憶部25は、コントローラ10のROMによって実現される。
【0029】
ここで、構成情報取得部21が取得する構成情報のうちバージョン情報について具体的に説明する。
図5は、バージョン情報の一例を示した図である。
図示するように、バージョン情報は、各サブシステムのROMと、ROMのバージョンとを対応付けたものとなっている。
【0030】
また、本実施の形態では、このような構成を有する画像形成装置1からの問い合わせを受けたファームウェア管理装置3が、更新用ファームウェアに関する情報を問い合わせ応答として画像形成装置1に返信する。
【0031】
図6は、このような動作を行うファームウェア管理装置3の機能構成例を示したブロック図である。
図示するように、このファームウェア管理装置3は、受信部41と、テーブル記憶部42と、FWファイル情報取得部43と、送信部44とを備える。
【0032】
受信部41は、異常情報又は外部機器情報と、構成情報とを含む問い合わせを、画像形成装置1から受信する。本実施の形態では、画像処理装置の不具合の発生又は構成の変更を示す情報を受信する受信手段の一例として、受信部41を設けている。
テーブル記憶部42は、各サブシステムの動作を制御するファームウェアをパッケージ化したファームウェアファイル(FWファイル)に関する情報(以下、「FWファイル情報」という)を取得するための各種テーブルを記憶する。この各種テーブルの詳しい内容については後述する。
【0033】
FWファイル情報取得部43は、テーブル記憶部42に記憶された各種テーブルを参照し、受信部41が受信した問い合わせに含まれる異常情報又は外部機器情報と、構成情報とに基づいて、更新用のFWファイルに関するFWファイル情報を取得する。本実施の形態では、更新情報の一例として、更新用のFWファイルを用いており、更新情報を特定する特定手段の一例として、FWファイル情報取得部43を設けている。
送信部44は、FWファイル情報取得部43が取得したFWファイル情報を画像形成装置1に送信する。本実施の形態では、更新情報の取得を指示する指示手段の一例として、送信部44を設けている。
【0034】
尚、このようなファームウェア管理装置3の機能は、ソフトウェアとハードウェア資源とが協働することにより実現される。受信部41、FWファイル情報取得部43、送信部44は、CPU30(図3参照)が、これらの機能を実現するプログラムを、例えば磁気ディスク装置32(図3参照)からメインメモリ31(図3参照)に読み込むことにより実現される。また、テーブル記憶部42は、例えば磁気ディスク装置32(図3参照)によって実現される。
【0035】
ここで、テーブル記憶部42に記憶された各種テーブルについて具体的に説明する。
図7は、セットバージョンテーブルの一例を示した図である。尚、このセットバージョンテーブルは、画像形成装置1の機種によって異なるので、機種に対応するプロダクトIDごとに用意される。
図示するように、セットバージョンテーブルは、セットバージョン、ROM、ROMバージョンを項目として有する。
【0036】
セットバージョンは、ROMバージョンの組み合わせに対して付与されたバージョンを示す項目である。
ROMは、各サブシステムを制御するファームウェアが記憶されたROMを示す項目である。
ROMバージョンは、対応するROMのバージョンを示す項目である。
図7は、3つのセットバージョン、つまり、ROMバージョンの3つの組み合わせについて示している。これら3つの組み合わせではコントローラROMのバージョンが異なるだけであるが、これによりセットバージョンは異なっている。
【0037】
また、図8は、バージョンマップテーブルの一例を示した図である。尚、このバージョンマップテーブルも、画像形成装置1の機種によって異なるので、機種に対応するプロダクトIDごとに用意される。
図示するように、バージョンマップテーブルは、更新前セットバージョン、異常情報、外部機器情報、更新後セットバージョンを項目として有する。
【0038】
更新前セットバージョンは、更新前のファームウェアの組み合わせのバージョンを示す項目である。
異常情報は、検知部20が検知した異常の異常コードを示す項目である。異常コード「100−200」、「123−456」、「111−222」は、それぞれが1つの異常を表している。
外部機器情報は、検知部20が検知した外部機器の商品コード及びバージョンを示す項目である。「IC_CardReader−111555」、「SmartCard_Reader−123456」が各外部機器の商品コードを表しており、「1.1.0」、「1.0.0」が各外部機器のバージョンを表している。
更新後セットバージョンは、更新後のファームウェアの組み合わせのバージョンを示す項目である。
【0039】
図8では、例えば、セットバージョン「AAAA_080601」のファームウェアが動作していたときに、異常コード「100−200」の異常が発生すると、セットバージョン「AAAA_090301」のファームウェアに更新すべきことが定義されている。尚、異常コード「123−456」、「111−222」の行を参照すると、異なる異常情報に対して、異なるセットバージョンのファームウェアに更新すべきことが定義されているが、異なる異常情報に対して、同じセットバージョンのファームウェアに更新すべきことが定義されていてもよい。
【0040】
また、セットバージョン「AAAA_080701」のファームウェアが動作していたときに、商品コード「IC_CardReader−111555」、バージョン「1.1.0」の外部機器が接続されたり、商品コード「IC_CardReader−111555」の外部機器がバージョン「1.1.0」に変更されたりすると、セットバージョン「AAAA_090301」のファームウェアに更新すべきことも定義されている。尚、外部機器情報は、1つの更新前セットバージョンに対して1つしか定義されていないが、2つ以上定義されていてもよい。その場合も、異なる外部機器情報に対して、異なるセットバージョンのファームウェアに更新すべきことが定義されていてよいし、同じセットバージョンのファームウェアに更新すべきことが定義されていてもよい。
【0041】
更に、図9は、FWファイルテーブルの一例を示した図である。尚、このFWファイルテーブルは、画像形成装置1の機種に共通に用意される。
図示するように、FWファイルテーブルは、FWファイル名、FWファイル格納先情報、セットバージョン、コントローラボード識別子を項目として有する。
【0042】
FWファイル名は、FWファイルの名称を示す項目である。
FWファイル格納先情報は、FWファイルの格納先の情報を示す項目である。格納先の情報としては、例えば、ファームウェア格納装置5におけるFWファイルの格納位置を示す位置情報の一例であるURL(Uniform Resource Locator)を登録しておけばよい。
セットバージョンは、対応するFWファイルに含まれるファームウェアの組み合わせのバージョンを示す項目である。
コントローラボード識別子は、コントローラボード(フォント用ROM種別を含む)を区別するための情報を示す項目である。
【0043】
次に、本実施の形態におけるコンピュータシステムの動作について説明する。
まず、このコンピュータシステムにおける画像形成装置1の動作について説明する。
図10は、画像形成装置1のコントローラ10の動作例を示したフローチャートである。
図示するように、コントローラ10では、まず、検知部20が、異常の発生、又は、外部機器の変更(外部機器の新たな接続、既に接続されている外部機器のバージョンの変更等)を検知する(ステップ201)。尚、ここで検知された異常を示す異常情報、又は、外部機器及びそのバージョンを示す外部機器情報は、構成情報取得部21へ渡される。
【0044】
次に、構成情報取得部21は、記憶装置11に記憶されたポリシー情報を参照して、更新用のFWファイルについて問い合わせを行うべきかどうか判定する(ステップ202)。
その結果、問い合わせを行うべきと判定されなかった場合、処理は終了する。
一方、問い合わせを行うべきと判定された場合、構成情報取得部21は、コントローラ10のROMに記憶された情報を参照して、画像形成装置1の構成情報を取得する(ステップ203)。具体的には、プロダクトID、コントローラボード識別子、各サブシステムのバージョン情報を取得する。そして、これらの情報は、検知部20から渡された異常情報又は外部機器情報と共に送信部22に渡される。
【0045】
すると、送信部22は、構成情報取得部21から渡された情報を含む問い合わせをファームウェア管理装置3に送信する(ステップ204)。尚、ここでは、ファームウェア管理装置3が推奨する1つのFWファイルについて問い合わせを行う態様と、更新で用いられるFWファイルの候補である複数のFWファイルについて問い合わせを行う態様とが考えられるが、以下では、後者の態様を前提として説明する。
【0046】
これにより、ファームウェア管理装置3は、更新用のFWファイルの有無、及び、更新用のFWファイルがある場合にはFWファイル名とFWファイル格納先情報とを含む問い合わせ応答を送ってくるので、受信部23は、問い合わせ応答を受信する(ステップ205)。
そして、UI制御部24は、受信部23から問い合わせ応答を受け取り、FWファイルがあることを問い合わせ応答が示しているかどうかを判定する(ステップ206)。
その結果、FWファイルがあることを示していると判定された場合、UI制御部24は、ファームウェアを更新するか、更新する場合にどのFWファイルで更新するかを確認するための更新確認画面をUI部12に表示する(ステップ207)。尚、ステップ204で1つのFWファイルについて問い合わせを行う態様を前提とすると、更新確認画面には高々1つのFWファイルの情報しか表示されないので、どのFWファイルで更新するかを確認することは不要となる。
【0047】
このように更新確認画面がUI部12に表示されると、ユーザはUI部12から、ファームウェアを更新するか、更新する場合にはどのFWファイルで更新するかを入力する。そして、UI制御部24は、ユーザから更新する旨の入力があったかどうかを判定する(ステップ208)。
その結果、更新する旨の入力があったと判定された場合、UI制御部24は、その旨と、更新用のFWファイルとして選択されたFWファイルとを送信部22に伝え、送信部22は、そのFWファイルの要求を、ファームウェア格納装置5に送信する(ステップ209)。
【0048】
これにより、ファームウェア格納装置5は、要求されたFWファイルを画像形成装置1に送ってくるので、受信部23が、FWファイルを受信する(ステップ210)。
そして、更新部26は、受信部23からFWファイルを受け取り、ファームウェア記憶部25に記憶されたファームウェアをFWファイルで更新する(ステップ211)。
【0049】
一方、ステップ206でFWファイルがないことを示していると判定された場合、又は、ステップ208で更新する旨の入力がなかったと判定された場合、UI制御部24は、異常の発生によるファームウェアの更新であるか、外部機器の変更によるファームウェアの更新であるかを判定する(ステップ212)。尚、この判定は、例えば、検知部20から情報を取得することによって行えばよい。そして、異常の発生によるファームウェアの更新であると判定されれば、UI制御部24は、異常が発生したことを示すエラー画面をUI部12に表示して(ステップ213)、処理を終了する。また、外部機器の変更によるファームウェアの更新であると判定されれば、UI部12にエラー画面を表示することなく、処理を終了する。
【0050】
次に、ステップ204で問い合わせが送信されたときのファームウェア管理装置3の動作について説明する。
図11は、このときのファームウェア管理装置3の動作例を示したフローチャートである。
図示するように、ファームウェア管理装置3では、まず、受信部41が、画像形成装置1から問い合わせを受信する(ステップ401)。ここで、上述したように、問い合わせには、異常情報又は外部機器情報と、構成情報(プロダクトID、コントローラボード識別子、バージョン情報)とが含まれる。そして、これらの情報は、受信部41からFWファイル情報取得部43へと渡される。
【0051】
すると、FWファイル情報取得部43は、まず、テーブル記憶部42に記憶されたセットバージョンテーブル及びバージョンマップテーブルのうち、受信部41から渡されたプロダクトIDに対応するテーブルを読み込む(ステップ402)。尚、FWファイルテーブルは、プロダクトIDごとに用意されたものではないので、以下では、共通に用意されたものが用いられる。
次に、FWファイル情報取得部43は、受信部41から渡されたバージョン情報と、セットバージョンテーブルにおけるROMバージョンの組み合わせとを比較し、両者が一致する場合のセットバージョンを取得する(ステップ403)。例えば、図5のバージョン情報が画像形成装置1からファームウェア管理装置3へ送られてきたとすると、図7のセットバージョンテーブルのセットバージョン「AAAA_080601」が取得される。
【0052】
次いで、FWファイル情報取得部43は、テーブル記憶部42に記憶されたバージョンマップテーブルにおいて、更新前セットバージョンがステップ403で取得したセットバージョンであり、異常情報又は外部機器情報が受信部41から渡された情報である場合の更新後セットバージョンを検索する(ステップ404)。そして、検索が成功したかどうかを判定する(ステップ405)。
その結果、検索が成功したと判定された場合、FWファイル情報取得部43は、テーブル記憶部42に記憶されたFWファイルテーブルにおいて、セットバージョンが検索で得られた更新後セットバージョンであり、コントローラボード識別子が受信部41から渡されたコントローラボード識別子である場合のFWファイル名及びFWファイル格納先情報を検索する(ステップ406)。そして、検索が成功したかどうかを判定する(ステップ407)。
【0053】
その結果、検索が成功したと判定された場合、FWファイル情報取得部43は、検索で得られたFWファイル名及びFWファイル格納先情報をセットした問い合わせ応答を生成する(ステップ408)。
一方、ステップ405又はステップ407で検索が成功しなかったと判定された場合、FWファイル情報取得部43は、更新用のFWファイルがない旨をセットした問い合わせ応答を生成する(ステップ409)。
その後、ステップ408又はステップ409で生成された問い合わせ応答は送信部44に渡され、送信部44が、問い合わせ応答を画像形成装置1へ送信する(ステップ410)。
【0054】
尚、上記では述べなかったが、図10において、ステップ211でファームウェアを更新した場合は、その後、ファームウェア管理装置3に対し、更新後のファームウェアのバージョンの通知(コンフィグ通知)を行うようにしてもよい。具体的には、画像形成装置1の識別情報と、画像形成装置1におけるファームウェアのバージョンの最新状態とをファームウェア管理装置3に送信し、ファームウェア管理装置3でこれらの対応情報を管理する構成としてもよい。この場合は、図10のステップ204で、バージョン情報の代わりに画像形成装置1の識別情報を含む問い合わせをファームウェア管理装置3に送信し、図11のステップ403で、上記対応情報を参照して画像形成装置1の識別情報に対応するバージョン情報を特定した後、そのバージョン情報に対応するセットバージョンを特定するような構成とすることが考えられる。
【0055】
また、上記では、記憶装置11に記憶されたポリシー情報について詳しく述べなかったが、このようなポリシー情報としては、例えば、次のようなものが考えられる。
第一に、処理継続不可能な異常の発生時には必ず問い合わせを行う、といったポリシー情報である。記憶装置11にこのようなポリシー情報が記憶されている場合は、図10のステップ202で、検知部20から渡された異常情報を参照し、異常情報が処理継続不可能な異常を示していれば、問い合わせを行うべきと判定すればよい。
【0056】
第二に、用紙ジャムや原稿ジャムの発生時には多発時のみ問い合わせを行う、といったポリシー情報である。記憶装置11にこのようなポリシー情報が記憶されている場合は、図10のステップ202で、今回検知部20から渡された異常情報に加えて、これまでに検知部20から渡された異常情報の履歴も参照し、異常情報が用紙ジャムや原稿ジャムを示しており、その発生頻度が閾値を超えていれば、問い合わせを行うべきと判定すればよい。
【0057】
第三に、消耗品切れ等の発生時には問い合わせを行わない、といったポリシー情報である。記憶装置11にこのようなポリシー情報が記憶されている場合は、図10のステップ202で、検知部20から渡された異常情報を参照し、異常情報が消耗品切れを示していれば、問い合わせを行うべきでないと判定すればよい。
【0058】
更に、上記では、ファームウェア管理装置3が、図11のステップ408、410で、FWファイル名及びFWファイル格納先情報を画像形成装置1に送信し、画像形成装置1は、図10のステップ209、210で、FWファイル名及びFWファイル格納先情報に基づいてFWファイルをファームウェア格納装置5から取得するようにした。しかしながら、ファームウェア管理装置3が、FWファイルを格納しておき、図11のステップ408、410で、FWファイルを画像形成装置1に送信し、画像形成装置1は、図10のステップ209、210を実行せず、ステップ211で、ファームウェア管理装置3から受信したFWファイルによってファームウェアを更新するようにしてもよい。
【0059】
更にまた、本実施の形態では、画像形成装置1内のコントローラ10が、異常の発生又は外部機器の変更を検知し、ファームウェアに対してこの検知内容に応じた更新を行うファームウェア更新装置として機能した。しかしながら、このファームウェア更新装置は、画像形成装置1の外部から、異常の発生又は外部機器の変更を検知し、画像形成装置1内のファームウェアに対してこの検知内容に応じた更新を行う装置であってもよい。
【0060】
尚、本実施の形態を実現するプログラムは、通信手段により提供することはもちろん、USBメモリ又はCD−ROM等の記録媒体に格納して提供することも可能である。
【符号の説明】
【0061】
1…画像形成装置、10…コントローラ、20…検知部、21…構成情報取得部、22…送信部、23…受信部、24…UI制御部、25…ファームウェア記憶部、26…更新部、3…ファームウェア管理装置、41…受信部、42…テーブル記憶部、43…FWファイル情報取得部、44…送信部、5…ファームウェア格納装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御情報更新装置、画像処理装置、管理装置、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
機械操作が苦手なユーザに対しても、定期的なメンテナンス要員を派遣することなく、事務機器を快適に利用可能とする事務機器管理システムは知られている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1では、事務機器が、その異常発生を知らせる情報をサーバ装置に送信し、サーバ装置が、事務機器の異常発生を知らせる情報を受信したら、事務機器からの情報に対応するマシン設定情報を抽出し、事務機器に送信して管理する。
【0003】
また、プログラムを書き換え可能なメモリを有する処理装置において、追加・変更プログラムを処理装置毎に確保する必要性をなくす技術も知られている(例えば、特許文献2参照)。この特許文献2では、処理装置が、自己の識別情報を含むプログラム取得要求をホスト装置に送信し、ホスト装置が、処理装置からプログラムの送信を要求されると、識別情報に対応したプログラムを処理装置に送付したり、プログラムの種別情報を送信してユーザがこれを選択するとその種別に対応するプログラムを送付したりする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−38347号公報
【特許文献2】特開2005−235184号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、画像処理装置を制御する制御情報を、画像処理装置の不具合の発生又は構成の変更に応じた更新情報を用いて使用者に意識させずに更新できる可能性を高めることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、画像処理装置を制御する制御情報を記憶する記憶手段と、前記画像処理装置の不具合の発生又は構成の変更を検知する検知手段と、前記検知手段による前記不具合の発生又は前記構成の変更の検知に応じて、前記記憶手段に記憶された前記制御情報の更新に用いられる情報であって、前記検知手段による検知内容に応じた情報である更新情報の特定を、当該更新情報を管理する管理装置に要求する要求手段と、前記要求手段による要求に応答して前記管理装置で特定された前記更新情報を取得する取得手段と、前記記憶手段に記憶された前記制御情報を、前記取得手段により取得された前記更新情報を用いて更新する更新手段とを備えたことを特徴とする制御情報更新装置である。
請求項2に記載の発明は、前記要求手段は、前記記憶手段に記憶された前記制御情報の前記画像処理装置の機能に対応する部分ごとの版数の組み合わせに更に応じた情報である前記更新情報の特定を前記管理装置に要求することを特徴とする請求項1に記載の制御情報更新装置である。
請求項3に記載の発明は、前記取得手段は、前記更新情報を格納する格納装置における当該更新情報の格納位置を示す位置情報を前記管理装置から受信し、当該格納装置における当該位置情報が示す格納位置から当該更新情報を受信することにより、当該更新情報を取得することを特徴とする請求項1又は2に記載の制御情報更新装置である。
請求項4に記載の発明は、前記要求手段は、前記検知手段により検知された前記不具合の発生又は前記構成の変更に関して予め定められた条件が満たされている場合に、前記更新情報の特定を前記管理装置に要求することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の制御情報更新装置である。
請求項5に記載の発明は、前記要求手段は、一の更新情報の特定を前記管理装置に要求し、前記取得手段は、前記管理装置で特定された前記一の更新情報を取得することを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の制御情報更新装置である。
請求項6に記載の発明は、前記要求手段は、複数の更新情報の特定を前記管理装置に要求し、前記取得手段は、前記管理装置で特定された前記複数の更新情報から選択された一の更新情報を取得することを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の制御情報更新装置である。
請求項7に記載の発明は、入力された画像データに基づいて画像処理を行う画像処理手段と、前記画像処理手段を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、自装置を制御する制御情報を記憶する記憶手段と、自装置の不具合の発生又は構成の変更を検知する検知手段と、前記検知手段による前記不具合の発生又は前記構成の変更の検知に応じて、前記記憶手段に記憶された前記制御情報の更新に用いられる情報であって、前記検知手段による検知内容と、前記記憶手段に記憶された前記制御情報の前記画像処理手段及び前記制御手段に対応する部分ごとの版数の組み合わせとに応じた情報である更新情報の特定を、当該更新情報を管理する管理装置に要求する要求手段と、前記要求手段による要求に応答して前記管理装置で特定された前記更新情報を取得する取得手段と、前記記憶手段に記憶された前記制御情報を、前記取得手段により取得された前記更新情報を用いて更新する更新手段とを備えたことを特徴とする画像処理装置である。
請求項8に記載の発明は、画像処理装置を制御する制御情報を保持する当該画像処理装置から、当該画像処理装置の不具合の発生又は構成の変更を示す情報を受信する受信手段と、前記受信手段による前記不具合の発生又は前記構成の変更を示す情報の受信に応じて、前記画像処理装置が保持する前記制御情報の更新に用いられる情報であって、前記受信手段による受信内容に応じた情報である更新情報を特定する特定手段と、前記画像処理装置が保持する前記制御情報を、前記特定手段により特定された前記更新情報を用いて更新できるように、当該画像処理装置に対して、当該更新情報の取得を指示する指示手段とを備えたことを特徴とする管理装置である。
請求項9に記載の発明は、前記特定手段は、前記画像処理装置が保持する前記制御情報の当該画像処理装置の機能に対応する部分ごとの版数の組み合わせに更に応じた情報である前記更新情報を特定することを特徴とする請求項8に記載の管理装置である。
請求項10に記載の発明は、コンピュータに、画像処理装置の不具合の発生又は構成の変更を検知する機能と、前記不具合の発生又は前記構成の変更の検知に応じて、前記画像処理装置を制御する制御情報の更新に用いられる情報であって、前記検知する機能による検知内容に応じた情報である更新情報の特定を、当該更新情報を管理する管理装置に要求する機能と、前記要求する機能による要求に応答して前記管理装置で特定された前記更新情報を取得する機能と、前記画像処理装置を制御する前記制御情報を、取得された前記更新情報を用いて更新する機能とを実現させるためのプログラムである。
請求項11に記載の発明は、コンピュータに、画像処理装置を制御する制御情報を保持する当該画像処理装置から、当該画像処理装置の不具合の発生又は構成の変更を示す情報を受信する機能と、前記不具合の発生又は前記構成の変更を示す情報の受信に応じて、前記画像処理装置が保持する前記制御情報の更新に用いられる情報であって、前記受信する機能による受信内容に応じた情報である更新情報を特定する機能と、前記画像処理装置が保持する前記制御情報を、特定された前記更新情報を用いて更新できるように、当該画像処理装置に対して、当該更新情報の取得を指示する機能とを実現させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、画像処理装置を制御する制御情報を、画像処理装置の不具合の発生又は構成の変更に応じた更新情報を用いて使用者に意識させずに更新できる可能性が高まる。
請求項2の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、画像処理装置を制御する制御情報を、画像処理装置の機能に対応する部分ごとの版数の組み合わせに応じた更新情報を用いて更新できる可能性が高まる。
請求項3の発明によれば、制御情報の更新に用いられる更新情報を特定する管理装置とは別の格納装置に更新情報が格納されている場合であっても、更新情報を取得することができる。
請求項4の発明によれば、制御情報を更新するかどうかを、画像処理装置の不具合の発生又は構成の変更に関する条件を定めることにより制御することができる。
請求項5の発明によれば、使用者による更新情報の選択操作を必要とせずに制御情報を更新することができる。
請求項6の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、使用者が望む更新情報を用いて制御情報を更新できる可能性が高まる。
請求項7の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、画像処理装置を制御する制御情報を、画像処理装置の不具合の発生又は構成の変更に応じた更新情報を用いて使用者に意識させずに更新できる可能性が高まる。
請求項8の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、画像処理装置を制御する制御情報を、画像処理装置の不具合の発生又は構成の変更に応じた更新情報を用いて使用者に意識させずに更新できる可能性が高まる。
請求項9の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、画像処理装置を制御する制御情報を、画像処理装置の機能に対応する部分ごとの版数の組み合わせに応じた更新情報を用いて更新できる可能性が高まる。
請求項10の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、画像処理装置を制御する制御情報を、画像処理装置の不具合の発生又は構成の変更に応じた更新情報を用いて使用者に意識させずに更新できる可能性が高まる。
請求項11の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、画像処理装置を制御する制御情報を、画像処理装置の不具合の発生又は構成の変更に応じた更新情報を用いて使用者に意識させずに更新できる可能性が高まる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施の形態が適用されるコンピュータシステムの構成例を示した図である。
【図2】本発明の実施の形態における画像形成装置の構成例を示した図である。
【図3】本発明の実施の形態におけるファームウェア管理装置の構成例を示した図である。
【図4】本発明の実施の形態における画像形成装置のコントローラの機能構成例を示したブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態における画像形成装置のコントローラが取得するバージョン情報の一例を示した図である。
【図6】本発明の実施の形態におけるファームウェア管理装置の機能構成例を示したブロック図である。
【図7】本発明の実施の形態におけるファームウェア管理装置が保持するセットバージョンテーブルの一例を示した図である。
【図8】本発明の実施の形態におけるファームウェア管理装置が保持するバージョンマップテーブルの一例を示した図である。
【図9】本発明の実施の形態におけるファームウェア管理装置が保持するFWファイルテーブルの一例を示した図である。
【図10】本発明の実施の形態における画像形成装置のコントローラの動作例を示したフローチャートである。
【図11】本発明の実施の形態におけるファームウェア管理装置の動作例を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施の形態におけるコンピュータシステムの全体構成例を示したものである。
図示するように、このコンピュータシステムは、画像形成装置1a,1bと、ファームウェア管理装置3と、ファームウェア格納装置5a,5bとがネットワーク8に接続されることにより構成されている。尚、図では、画像形成装置1a,1bを示したが、これらを区別する必要がない場合は、画像形成装置1と称することもある。また、図には、2つの画像形成装置1しか示していないが、3つ以上の画像形成装置1を設けてもよい。更に、図では、ファームウェア格納装置5a,5bを示したが、これらを区別する必要がない場合は、ファームウェア格納装置5と称することもある。また、図には、2つのファームウェア格納装置5しか示していないが、3つ以上のファームウェア格納装置5を設けてもよい。
【0010】
画像形成装置1は、画像処理装置の一例であり、紙等の記録媒体に画像を形成し、印刷文書として出力する装置である。この画像形成装置1は、プリンタの機能のみを備えたものであってもよいし、他にスキャナやファクシミリの機能を備えたものであってもよい。
【0011】
ファームウェア管理装置3は、管理装置の一例であり、画像形成装置1を制御するファームウェアを管理するコンピュータ装置である。尚、ファームウェア管理装置3がファームウェアを格納することも考えられるが、本実施の形態では、ファームウェア管理装置3はファームウェアの管理のみを行い、ファームウェアの格納はファームウェア格納装置5が行うこととしている。ここで、ファームウェア管理装置3としては、例えば、ウェブサービスプロトコル(SOAP/XML等)を利用可能なサーバを用いるとよい。
【0012】
ファームウェア格納装置5は、格納装置の一例であり、画像形成装置1を制御するファームウェアを格納するコンピュータ装置である。ここで、ファームウェア格納装置5としては、例えば、HTTP(HyperText Transfer Protocol)サーバ又はFTP(File Transfer Protocol)サーバを用いるとよい。
ネットワーク8は、各種情報の交換に用いる通信手段である。このネットワーク8としては、インターネットやLAN(Local Area Network)が例示される。
【0013】
次に、図1のコンピュータシステムにおける画像形成装置1の構成について説明する。
図2は、画像形成装置1のハードウェア構成例を示した図である。
図示するように、画像形成装置1は、コントローラ10と、記憶装置11と、ユーザインターフェイス(UI)部12と、スキャナ部13と、プリンタ部14と、ファクシミリ(FAX)部15と、通信インターフェイス(通信I/F)16と、課金装置17と、認証装置18とを備える。
【0014】
コントローラ10は、制御手段の一例であり、画像形成装置1全体の動作を制御するもので、例えば1つのコントローラボード上に構築されるものである。コントローラ10は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を備え、コントローラ10の後述する各機能は、CPUがROM等に記憶された各種プログラムをRAMにロードして実行することによって実現される。また、ROMは、コントローラ10、UI部12、スキャナ部13、プリンタ部14、FAX部15、課金装置17、認証装置18等のサブシステムの動作を制御するファームウェアを記憶する。
【0015】
記憶装置11は、スキャナ部13が読み取った画像データやプリンタ部14で出力する画像データ等を記憶する。また、ファームウェアを更新する際の問い合わせに関するポリシーを定めたポリシー情報等も記憶する。ここで、記憶装置11としては、例えば、磁気ディスクを用いるとよい。
UI部12は、画像形成装置1に搭載された操作パネルであり、ユーザの操作を受け付ける機能と、ユーザに情報を表示する機能とを有する。
【0016】
スキャナ部13は、画像処理手段の一例であり、紙等の記録媒体に記録された画像を読み取る。ここで、スキャナ部13としては、光源から原稿に照射した光に対する反射光をレンズで縮小してCCD(Charge Coupled Devices)で受光するCCD方式のものや、LED光源から原稿に順に照射した光に対する反射光をCIS(Contact Image Sensor)で受光するCIS方式のものを用いるとよい。尚、スキャナ部13には、自動原稿送り装置等の別ファームウェアを搭載した装置が装着される場合もある。
【0017】
プリンタ部14は、画像処理手段の一例であり、紙等の記録媒体に画像を印字し出力する。ここで、プリンタ部14としては、感光体に付着させたトナーを記録媒体に転写して像を形成する電子写真方式のものや、インクを記録媒体上に吐出して像を形成するインクジェット方式のものを用いるとよい。尚、プリンタ部14には、フィニッシャ等の独立したファームウェアが搭載された装置が複数接続される場合もある。
【0018】
FAX部15は、画像処理手段の一例であり、公衆回線網を介してファクシミリ送受信を行う。
通信I/F16は、画像形成装置1がネットワーク8と接続する部分である。ファームウェア管理装置3又はファームウェア格納装置5との間の情報の送受信は、この通信I/F16を介して行われる。
課金装置17は、画像形成装置1の外部に接続され、プリンタ部14による画像出力等に応じて課金や集計管理等を行う装置である。このような課金装置17には、課金として、現金決済、専用のカード決済、ICカード決済等を行う装置がある。
認証装置18は、画像形成装置1の外部に接続され、画像形成装置1を使用するユーザの認証を行う装置である。このような認証装置18には、認証として、ユーザID入力による認証、ICカードによる認証等を行う装置がある。
【0019】
また、図1のコンピュータシステムにおけるファームウェア管理装置3及びファームウェア格納装置5の構成について説明する。
図3は、ファームウェア管理装置3のハードウェア構成例を示した図である。尚、ファームウェア格納装置5のハードウェア構成はこれと同様であるので省略する。
図示するように、ファームウェア管理装置3は、演算手段であるCPU30と、記憶手段であるメインメモリ31及び磁気ディスク装置32とを備える。ここで、CPU30は、OS(Operating System)やアプリケーション等の各種ソフトウェアを実行し、後述する各機能を実現する。また、メインメモリ31は、各種ソフトウェアやその実行に用いるデータ等を記憶する記憶領域であり、磁気ディスク装置32は、各種ソフトウェアに対する入力データや各種ソフトウェアからの出力データ等を記憶する記憶領域である。
更に、ファームウェア管理装置3は、外部との通信を行うための通信I/F33と、ビデオメモリやディスプレイ等からなる表示機構34と、キーボードやマウス等の入力デバイス35とを備える。
【0020】
ところで、上記画像形成装置1におけるファームウェアの更新は、不具合の修正、外部機器接続時のバージョン組み合わせの不整合の回避等のために行われる場合がある。このような場合、例えば、ユーザ又はエンジニアが、画像形成装置1に設けられたボタンを押下することにより、ファームウェア管理装置3からファームウェアをダウンロードし、このダウンロードしたファームウェアによってファームウェアの更新を行う方法が考えられる。しかしながら、この方法では、ユーザ又はエンジニアはファームウェアの更新を意識しなければならず、ユーザのメンテナンス時間やエンジニアのメンテナンスコストがかかってしまう。
そこで、本実施の形態では、画像形成装置1で不具合が発生した場合や、画像形成装置1に外部機器を接続したり、画像形成装置1に接続されていた外部機器のバージョンを変更したりした場合に、ユーザ又はエンジニアに意識させずにファームウェアを更新する。
【0021】
図4は、このような動作を行うコントローラ10の機能構成例を示したブロック図である。
図示するように、このコントローラ10は、検知部20と、構成情報取得部21と、送信部22と、受信部23と、UI制御部24と、ファームウェア記憶部25と、更新部26とを備える。
【0022】
検知部20は、画像形成装置1における異常の発生、及び、画像形成装置1に対する外部機器の接続や画像形成装置1に接続された外部機器のバージョンの変更を検知する。本実施の形態では、画像処理装置の不具合の発生又は構成の変更を検知する検知手段の一例として、検知部20を設けている。
【0023】
構成情報取得部21は、コントローラ10のROMを参照して、画像形成装置1の構成情報を取得する。ここで、構成情報には、画像形成装置1の機種を示すプロダクトIDと、個々の画像形成装置1をコントローラボードの構成によって区別するコントローラボード識別子と、画像形成装置1の各サブシステムのバージョンを示すバージョン情報とが含まれる。尚、コントローラボード識別子の代わりにシリアル番号を用いてもよいが、以下では、コントローラボード識別子を用いるものとする。また、この構成情報の取得は、記憶装置11に記憶されたポリシー情報を参照して、検知部20による検知内容が、更新用ファームウェアに関する問い合わせを行うべき旨を示していると判断した場合にのみ、行うようにしてもよい。
【0024】
送信部22は、検知部20が画像形成装置1における異常の発生を検知した場合には、その異常を示す異常情報と、構成情報取得部21が取得した構成情報とを含む問い合わせを、ファームウェア管理装置3に送信する。検知部20が画像形成装置1に対する外部機器の接続や画像形成装置1に接続された外部機器のバージョンの変更を検知した場合には、その外部機器及びバージョンを示す外部機器情報と、構成情報取得部21が取得した構成情報とを含む問い合わせを、ファームウェア管理装置3に送信する。また、UI部12でファームウェアの更新が指示された場合には、更新用ファームウェアの取得要求をファームウェア格納装置5に送信する。本実施の形態では、画像形成装置1を制御する制御情報の一例として、ファームウェアを用いており、制御情報の更新に用いられる更新情報の一例として、更新用ファームウェアを用いており、更新情報の特定を管理装置に要求する要求手段の一例として、送信部22を設けている。
【0025】
受信部23は、送信部22がファームウェア管理装置3に問い合わせを送信した場合には、その問い合わせに対する応答(問い合わせ応答)をファームウェア管理装置3から受信する。また、送信部22が更新用ファームウェアの取得要求を送信した場合には、要求された更新用ファームウェアをファームウェア格納装置5から受信する。本実施の形態では、更新情報を取得する取得手段の一例として、受信部23を設けている。
【0026】
UI制御部24は、受信部23が受信した問い合わせ応答が、更新用ファームウェアがあることを示している場合には、ファームウェアを更新するか、更新する場合はどの更新用ファームウェアを用いるか等を確認する更新確認画面のUI部12への表示を制御する。そして、UI部12からファームウェアを更新する旨の入力があった場合、その旨の情報を送信部22に出力する。また、受信部23が受信した問い合わせ応答が、更新用ファームウェアがないことを示している場合には、異常が発生していれば、その旨の情報のUI部12への表示を制御する。
【0027】
ファームウェア記憶部25は、画像形成装置1を現在制御しているファームウェアを記憶する。本実施の形態では、制御情報を記憶する記憶手段の一例として、ファームウェア記憶部25を設けている。
更新部26は、受信部23がファームウェア格納装置5から受信した更新用ファームウェアを用いて、ファームウェア記憶部25に記憶されたファームウェアを更新する。本実施の形態では、制御情報を更新する更新手段の一例として、更新部26を設けている。
【0028】
尚、このようなコントローラ10の機能は、ソフトウェアとハードウェア資源とが協働することにより実現される。検知部20、構成情報取得部21、送信部22、受信部23、UI制御部24、更新部26は、コントローラ10のCPUが、これらの機能を実現するプログラムを、例えばハードディスク等の外部記憶装置からメインメモリに読み込むことにより実現される。また、ファームウェア記憶部25は、コントローラ10のROMによって実現される。
【0029】
ここで、構成情報取得部21が取得する構成情報のうちバージョン情報について具体的に説明する。
図5は、バージョン情報の一例を示した図である。
図示するように、バージョン情報は、各サブシステムのROMと、ROMのバージョンとを対応付けたものとなっている。
【0030】
また、本実施の形態では、このような構成を有する画像形成装置1からの問い合わせを受けたファームウェア管理装置3が、更新用ファームウェアに関する情報を問い合わせ応答として画像形成装置1に返信する。
【0031】
図6は、このような動作を行うファームウェア管理装置3の機能構成例を示したブロック図である。
図示するように、このファームウェア管理装置3は、受信部41と、テーブル記憶部42と、FWファイル情報取得部43と、送信部44とを備える。
【0032】
受信部41は、異常情報又は外部機器情報と、構成情報とを含む問い合わせを、画像形成装置1から受信する。本実施の形態では、画像処理装置の不具合の発生又は構成の変更を示す情報を受信する受信手段の一例として、受信部41を設けている。
テーブル記憶部42は、各サブシステムの動作を制御するファームウェアをパッケージ化したファームウェアファイル(FWファイル)に関する情報(以下、「FWファイル情報」という)を取得するための各種テーブルを記憶する。この各種テーブルの詳しい内容については後述する。
【0033】
FWファイル情報取得部43は、テーブル記憶部42に記憶された各種テーブルを参照し、受信部41が受信した問い合わせに含まれる異常情報又は外部機器情報と、構成情報とに基づいて、更新用のFWファイルに関するFWファイル情報を取得する。本実施の形態では、更新情報の一例として、更新用のFWファイルを用いており、更新情報を特定する特定手段の一例として、FWファイル情報取得部43を設けている。
送信部44は、FWファイル情報取得部43が取得したFWファイル情報を画像形成装置1に送信する。本実施の形態では、更新情報の取得を指示する指示手段の一例として、送信部44を設けている。
【0034】
尚、このようなファームウェア管理装置3の機能は、ソフトウェアとハードウェア資源とが協働することにより実現される。受信部41、FWファイル情報取得部43、送信部44は、CPU30(図3参照)が、これらの機能を実現するプログラムを、例えば磁気ディスク装置32(図3参照)からメインメモリ31(図3参照)に読み込むことにより実現される。また、テーブル記憶部42は、例えば磁気ディスク装置32(図3参照)によって実現される。
【0035】
ここで、テーブル記憶部42に記憶された各種テーブルについて具体的に説明する。
図7は、セットバージョンテーブルの一例を示した図である。尚、このセットバージョンテーブルは、画像形成装置1の機種によって異なるので、機種に対応するプロダクトIDごとに用意される。
図示するように、セットバージョンテーブルは、セットバージョン、ROM、ROMバージョンを項目として有する。
【0036】
セットバージョンは、ROMバージョンの組み合わせに対して付与されたバージョンを示す項目である。
ROMは、各サブシステムを制御するファームウェアが記憶されたROMを示す項目である。
ROMバージョンは、対応するROMのバージョンを示す項目である。
図7は、3つのセットバージョン、つまり、ROMバージョンの3つの組み合わせについて示している。これら3つの組み合わせではコントローラROMのバージョンが異なるだけであるが、これによりセットバージョンは異なっている。
【0037】
また、図8は、バージョンマップテーブルの一例を示した図である。尚、このバージョンマップテーブルも、画像形成装置1の機種によって異なるので、機種に対応するプロダクトIDごとに用意される。
図示するように、バージョンマップテーブルは、更新前セットバージョン、異常情報、外部機器情報、更新後セットバージョンを項目として有する。
【0038】
更新前セットバージョンは、更新前のファームウェアの組み合わせのバージョンを示す項目である。
異常情報は、検知部20が検知した異常の異常コードを示す項目である。異常コード「100−200」、「123−456」、「111−222」は、それぞれが1つの異常を表している。
外部機器情報は、検知部20が検知した外部機器の商品コード及びバージョンを示す項目である。「IC_CardReader−111555」、「SmartCard_Reader−123456」が各外部機器の商品コードを表しており、「1.1.0」、「1.0.0」が各外部機器のバージョンを表している。
更新後セットバージョンは、更新後のファームウェアの組み合わせのバージョンを示す項目である。
【0039】
図8では、例えば、セットバージョン「AAAA_080601」のファームウェアが動作していたときに、異常コード「100−200」の異常が発生すると、セットバージョン「AAAA_090301」のファームウェアに更新すべきことが定義されている。尚、異常コード「123−456」、「111−222」の行を参照すると、異なる異常情報に対して、異なるセットバージョンのファームウェアに更新すべきことが定義されているが、異なる異常情報に対して、同じセットバージョンのファームウェアに更新すべきことが定義されていてもよい。
【0040】
また、セットバージョン「AAAA_080701」のファームウェアが動作していたときに、商品コード「IC_CardReader−111555」、バージョン「1.1.0」の外部機器が接続されたり、商品コード「IC_CardReader−111555」の外部機器がバージョン「1.1.0」に変更されたりすると、セットバージョン「AAAA_090301」のファームウェアに更新すべきことも定義されている。尚、外部機器情報は、1つの更新前セットバージョンに対して1つしか定義されていないが、2つ以上定義されていてもよい。その場合も、異なる外部機器情報に対して、異なるセットバージョンのファームウェアに更新すべきことが定義されていてよいし、同じセットバージョンのファームウェアに更新すべきことが定義されていてもよい。
【0041】
更に、図9は、FWファイルテーブルの一例を示した図である。尚、このFWファイルテーブルは、画像形成装置1の機種に共通に用意される。
図示するように、FWファイルテーブルは、FWファイル名、FWファイル格納先情報、セットバージョン、コントローラボード識別子を項目として有する。
【0042】
FWファイル名は、FWファイルの名称を示す項目である。
FWファイル格納先情報は、FWファイルの格納先の情報を示す項目である。格納先の情報としては、例えば、ファームウェア格納装置5におけるFWファイルの格納位置を示す位置情報の一例であるURL(Uniform Resource Locator)を登録しておけばよい。
セットバージョンは、対応するFWファイルに含まれるファームウェアの組み合わせのバージョンを示す項目である。
コントローラボード識別子は、コントローラボード(フォント用ROM種別を含む)を区別するための情報を示す項目である。
【0043】
次に、本実施の形態におけるコンピュータシステムの動作について説明する。
まず、このコンピュータシステムにおける画像形成装置1の動作について説明する。
図10は、画像形成装置1のコントローラ10の動作例を示したフローチャートである。
図示するように、コントローラ10では、まず、検知部20が、異常の発生、又は、外部機器の変更(外部機器の新たな接続、既に接続されている外部機器のバージョンの変更等)を検知する(ステップ201)。尚、ここで検知された異常を示す異常情報、又は、外部機器及びそのバージョンを示す外部機器情報は、構成情報取得部21へ渡される。
【0044】
次に、構成情報取得部21は、記憶装置11に記憶されたポリシー情報を参照して、更新用のFWファイルについて問い合わせを行うべきかどうか判定する(ステップ202)。
その結果、問い合わせを行うべきと判定されなかった場合、処理は終了する。
一方、問い合わせを行うべきと判定された場合、構成情報取得部21は、コントローラ10のROMに記憶された情報を参照して、画像形成装置1の構成情報を取得する(ステップ203)。具体的には、プロダクトID、コントローラボード識別子、各サブシステムのバージョン情報を取得する。そして、これらの情報は、検知部20から渡された異常情報又は外部機器情報と共に送信部22に渡される。
【0045】
すると、送信部22は、構成情報取得部21から渡された情報を含む問い合わせをファームウェア管理装置3に送信する(ステップ204)。尚、ここでは、ファームウェア管理装置3が推奨する1つのFWファイルについて問い合わせを行う態様と、更新で用いられるFWファイルの候補である複数のFWファイルについて問い合わせを行う態様とが考えられるが、以下では、後者の態様を前提として説明する。
【0046】
これにより、ファームウェア管理装置3は、更新用のFWファイルの有無、及び、更新用のFWファイルがある場合にはFWファイル名とFWファイル格納先情報とを含む問い合わせ応答を送ってくるので、受信部23は、問い合わせ応答を受信する(ステップ205)。
そして、UI制御部24は、受信部23から問い合わせ応答を受け取り、FWファイルがあることを問い合わせ応答が示しているかどうかを判定する(ステップ206)。
その結果、FWファイルがあることを示していると判定された場合、UI制御部24は、ファームウェアを更新するか、更新する場合にどのFWファイルで更新するかを確認するための更新確認画面をUI部12に表示する(ステップ207)。尚、ステップ204で1つのFWファイルについて問い合わせを行う態様を前提とすると、更新確認画面には高々1つのFWファイルの情報しか表示されないので、どのFWファイルで更新するかを確認することは不要となる。
【0047】
このように更新確認画面がUI部12に表示されると、ユーザはUI部12から、ファームウェアを更新するか、更新する場合にはどのFWファイルで更新するかを入力する。そして、UI制御部24は、ユーザから更新する旨の入力があったかどうかを判定する(ステップ208)。
その結果、更新する旨の入力があったと判定された場合、UI制御部24は、その旨と、更新用のFWファイルとして選択されたFWファイルとを送信部22に伝え、送信部22は、そのFWファイルの要求を、ファームウェア格納装置5に送信する(ステップ209)。
【0048】
これにより、ファームウェア格納装置5は、要求されたFWファイルを画像形成装置1に送ってくるので、受信部23が、FWファイルを受信する(ステップ210)。
そして、更新部26は、受信部23からFWファイルを受け取り、ファームウェア記憶部25に記憶されたファームウェアをFWファイルで更新する(ステップ211)。
【0049】
一方、ステップ206でFWファイルがないことを示していると判定された場合、又は、ステップ208で更新する旨の入力がなかったと判定された場合、UI制御部24は、異常の発生によるファームウェアの更新であるか、外部機器の変更によるファームウェアの更新であるかを判定する(ステップ212)。尚、この判定は、例えば、検知部20から情報を取得することによって行えばよい。そして、異常の発生によるファームウェアの更新であると判定されれば、UI制御部24は、異常が発生したことを示すエラー画面をUI部12に表示して(ステップ213)、処理を終了する。また、外部機器の変更によるファームウェアの更新であると判定されれば、UI部12にエラー画面を表示することなく、処理を終了する。
【0050】
次に、ステップ204で問い合わせが送信されたときのファームウェア管理装置3の動作について説明する。
図11は、このときのファームウェア管理装置3の動作例を示したフローチャートである。
図示するように、ファームウェア管理装置3では、まず、受信部41が、画像形成装置1から問い合わせを受信する(ステップ401)。ここで、上述したように、問い合わせには、異常情報又は外部機器情報と、構成情報(プロダクトID、コントローラボード識別子、バージョン情報)とが含まれる。そして、これらの情報は、受信部41からFWファイル情報取得部43へと渡される。
【0051】
すると、FWファイル情報取得部43は、まず、テーブル記憶部42に記憶されたセットバージョンテーブル及びバージョンマップテーブルのうち、受信部41から渡されたプロダクトIDに対応するテーブルを読み込む(ステップ402)。尚、FWファイルテーブルは、プロダクトIDごとに用意されたものではないので、以下では、共通に用意されたものが用いられる。
次に、FWファイル情報取得部43は、受信部41から渡されたバージョン情報と、セットバージョンテーブルにおけるROMバージョンの組み合わせとを比較し、両者が一致する場合のセットバージョンを取得する(ステップ403)。例えば、図5のバージョン情報が画像形成装置1からファームウェア管理装置3へ送られてきたとすると、図7のセットバージョンテーブルのセットバージョン「AAAA_080601」が取得される。
【0052】
次いで、FWファイル情報取得部43は、テーブル記憶部42に記憶されたバージョンマップテーブルにおいて、更新前セットバージョンがステップ403で取得したセットバージョンであり、異常情報又は外部機器情報が受信部41から渡された情報である場合の更新後セットバージョンを検索する(ステップ404)。そして、検索が成功したかどうかを判定する(ステップ405)。
その結果、検索が成功したと判定された場合、FWファイル情報取得部43は、テーブル記憶部42に記憶されたFWファイルテーブルにおいて、セットバージョンが検索で得られた更新後セットバージョンであり、コントローラボード識別子が受信部41から渡されたコントローラボード識別子である場合のFWファイル名及びFWファイル格納先情報を検索する(ステップ406)。そして、検索が成功したかどうかを判定する(ステップ407)。
【0053】
その結果、検索が成功したと判定された場合、FWファイル情報取得部43は、検索で得られたFWファイル名及びFWファイル格納先情報をセットした問い合わせ応答を生成する(ステップ408)。
一方、ステップ405又はステップ407で検索が成功しなかったと判定された場合、FWファイル情報取得部43は、更新用のFWファイルがない旨をセットした問い合わせ応答を生成する(ステップ409)。
その後、ステップ408又はステップ409で生成された問い合わせ応答は送信部44に渡され、送信部44が、問い合わせ応答を画像形成装置1へ送信する(ステップ410)。
【0054】
尚、上記では述べなかったが、図10において、ステップ211でファームウェアを更新した場合は、その後、ファームウェア管理装置3に対し、更新後のファームウェアのバージョンの通知(コンフィグ通知)を行うようにしてもよい。具体的には、画像形成装置1の識別情報と、画像形成装置1におけるファームウェアのバージョンの最新状態とをファームウェア管理装置3に送信し、ファームウェア管理装置3でこれらの対応情報を管理する構成としてもよい。この場合は、図10のステップ204で、バージョン情報の代わりに画像形成装置1の識別情報を含む問い合わせをファームウェア管理装置3に送信し、図11のステップ403で、上記対応情報を参照して画像形成装置1の識別情報に対応するバージョン情報を特定した後、そのバージョン情報に対応するセットバージョンを特定するような構成とすることが考えられる。
【0055】
また、上記では、記憶装置11に記憶されたポリシー情報について詳しく述べなかったが、このようなポリシー情報としては、例えば、次のようなものが考えられる。
第一に、処理継続不可能な異常の発生時には必ず問い合わせを行う、といったポリシー情報である。記憶装置11にこのようなポリシー情報が記憶されている場合は、図10のステップ202で、検知部20から渡された異常情報を参照し、異常情報が処理継続不可能な異常を示していれば、問い合わせを行うべきと判定すればよい。
【0056】
第二に、用紙ジャムや原稿ジャムの発生時には多発時のみ問い合わせを行う、といったポリシー情報である。記憶装置11にこのようなポリシー情報が記憶されている場合は、図10のステップ202で、今回検知部20から渡された異常情報に加えて、これまでに検知部20から渡された異常情報の履歴も参照し、異常情報が用紙ジャムや原稿ジャムを示しており、その発生頻度が閾値を超えていれば、問い合わせを行うべきと判定すればよい。
【0057】
第三に、消耗品切れ等の発生時には問い合わせを行わない、といったポリシー情報である。記憶装置11にこのようなポリシー情報が記憶されている場合は、図10のステップ202で、検知部20から渡された異常情報を参照し、異常情報が消耗品切れを示していれば、問い合わせを行うべきでないと判定すればよい。
【0058】
更に、上記では、ファームウェア管理装置3が、図11のステップ408、410で、FWファイル名及びFWファイル格納先情報を画像形成装置1に送信し、画像形成装置1は、図10のステップ209、210で、FWファイル名及びFWファイル格納先情報に基づいてFWファイルをファームウェア格納装置5から取得するようにした。しかしながら、ファームウェア管理装置3が、FWファイルを格納しておき、図11のステップ408、410で、FWファイルを画像形成装置1に送信し、画像形成装置1は、図10のステップ209、210を実行せず、ステップ211で、ファームウェア管理装置3から受信したFWファイルによってファームウェアを更新するようにしてもよい。
【0059】
更にまた、本実施の形態では、画像形成装置1内のコントローラ10が、異常の発生又は外部機器の変更を検知し、ファームウェアに対してこの検知内容に応じた更新を行うファームウェア更新装置として機能した。しかしながら、このファームウェア更新装置は、画像形成装置1の外部から、異常の発生又は外部機器の変更を検知し、画像形成装置1内のファームウェアに対してこの検知内容に応じた更新を行う装置であってもよい。
【0060】
尚、本実施の形態を実現するプログラムは、通信手段により提供することはもちろん、USBメモリ又はCD−ROM等の記録媒体に格納して提供することも可能である。
【符号の説明】
【0061】
1…画像形成装置、10…コントローラ、20…検知部、21…構成情報取得部、22…送信部、23…受信部、24…UI制御部、25…ファームウェア記憶部、26…更新部、3…ファームウェア管理装置、41…受信部、42…テーブル記憶部、43…FWファイル情報取得部、44…送信部、5…ファームウェア格納装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像処理装置を制御する制御情報を記憶する記憶手段と、
前記画像処理装置の不具合の発生又は構成の変更を検知する検知手段と、
前記検知手段による前記不具合の発生又は前記構成の変更の検知に応じて、前記記憶手段に記憶された前記制御情報の更新に用いられる情報であって、前記検知手段による検知内容に応じた情報である更新情報の特定を、当該更新情報を管理する管理装置に要求する要求手段と、
前記要求手段による要求に応答して前記管理装置で特定された前記更新情報を取得する取得手段と、
前記記憶手段に記憶された前記制御情報を、前記取得手段により取得された前記更新情報を用いて更新する更新手段と
を備えたことを特徴とする制御情報更新装置。
【請求項2】
前記要求手段は、前記記憶手段に記憶された前記制御情報の前記画像処理装置の機能に対応する部分ごとの版数の組み合わせに更に応じた情報である前記更新情報の特定を前記管理装置に要求することを特徴とする請求項1に記載の制御情報更新装置。
【請求項3】
前記取得手段は、前記更新情報を格納する格納装置における当該更新情報の格納位置を示す位置情報を前記管理装置から受信し、当該格納装置における当該位置情報が示す格納位置から当該更新情報を受信することにより、当該更新情報を取得することを特徴とする請求項1又は2に記載の制御情報更新装置。
【請求項4】
前記要求手段は、前記検知手段により検知された前記不具合の発生又は前記構成の変更に関して予め定められた条件が満たされている場合に、前記更新情報の特定を前記管理装置に要求することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の制御情報更新装置。
【請求項5】
前記要求手段は、一の更新情報の特定を前記管理装置に要求し、
前記取得手段は、前記管理装置で特定された前記一の更新情報を取得することを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の制御情報更新装置。
【請求項6】
前記要求手段は、複数の更新情報の特定を前記管理装置に要求し、
前記取得手段は、前記管理装置で特定された前記複数の更新情報から選択された一の更新情報を取得することを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の制御情報更新装置。
【請求項7】
入力された画像データに基づいて画像処理を行う画像処理手段と、
前記画像処理手段を制御する制御手段と
を備え、
前記制御手段は、
自装置を制御する制御情報を記憶する記憶手段と、
自装置の不具合の発生又は構成の変更を検知する検知手段と、
前記検知手段による前記不具合の発生又は前記構成の変更の検知に応じて、前記記憶手段に記憶された前記制御情報の更新に用いられる情報であって、前記検知手段による検知内容と、前記記憶手段に記憶された前記制御情報の前記画像処理手段及び前記制御手段に対応する部分ごとの版数の組み合わせとに応じた情報である更新情報の特定を、当該更新情報を管理する管理装置に要求する要求手段と、
前記要求手段による要求に応答して前記管理装置で特定された前記更新情報を取得する取得手段と、
前記記憶手段に記憶された前記制御情報を、前記取得手段により取得された前記更新情報を用いて更新する更新手段と
を備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項8】
画像処理装置を制御する制御情報を保持する当該画像処理装置から、当該画像処理装置の不具合の発生又は構成の変更を示す情報を受信する受信手段と、
前記受信手段による前記不具合の発生又は前記構成の変更を示す情報の受信に応じて、前記画像処理装置が保持する前記制御情報の更新に用いられる情報であって、前記受信手段による受信内容に応じた情報である更新情報を特定する特定手段と、
前記画像処理装置が保持する前記制御情報を、前記特定手段により特定された前記更新情報を用いて更新できるように、当該画像処理装置に対して、当該更新情報の取得を指示する指示手段と
を備えたことを特徴とする管理装置。
【請求項9】
前記特定手段は、前記画像処理装置が保持する前記制御情報の当該画像処理装置の機能に対応する部分ごとの版数の組み合わせに更に応じた情報である前記更新情報を特定することを特徴とする請求項8に記載の管理装置。
【請求項10】
コンピュータに、
画像処理装置の不具合の発生又は構成の変更を検知する機能と、
前記不具合の発生又は前記構成の変更の検知に応じて、前記画像処理装置を制御する制御情報の更新に用いられる情報であって、前記検知する機能による検知内容に応じた情報である更新情報の特定を、当該更新情報を管理する管理装置に要求する機能と、
前記要求する機能による要求に応答して前記管理装置で特定された前記更新情報を取得する機能と、
前記画像処理装置を制御する前記制御情報を、取得された前記更新情報を用いて更新する機能と
を実現させるためのプログラム。
【請求項11】
コンピュータに、
画像処理装置を制御する制御情報を保持する当該画像処理装置から、当該画像処理装置の不具合の発生又は構成の変更を示す情報を受信する機能と、
前記不具合の発生又は前記構成の変更を示す情報の受信に応じて、前記画像処理装置が保持する前記制御情報の更新に用いられる情報であって、前記受信する機能による受信内容に応じた情報である更新情報を特定する機能と、
前記画像処理装置が保持する前記制御情報を、特定された前記更新情報を用いて更新できるように、当該画像処理装置に対して、当該更新情報の取得を指示する機能と
を実現させるためのプログラム。
【請求項1】
画像処理装置を制御する制御情報を記憶する記憶手段と、
前記画像処理装置の不具合の発生又は構成の変更を検知する検知手段と、
前記検知手段による前記不具合の発生又は前記構成の変更の検知に応じて、前記記憶手段に記憶された前記制御情報の更新に用いられる情報であって、前記検知手段による検知内容に応じた情報である更新情報の特定を、当該更新情報を管理する管理装置に要求する要求手段と、
前記要求手段による要求に応答して前記管理装置で特定された前記更新情報を取得する取得手段と、
前記記憶手段に記憶された前記制御情報を、前記取得手段により取得された前記更新情報を用いて更新する更新手段と
を備えたことを特徴とする制御情報更新装置。
【請求項2】
前記要求手段は、前記記憶手段に記憶された前記制御情報の前記画像処理装置の機能に対応する部分ごとの版数の組み合わせに更に応じた情報である前記更新情報の特定を前記管理装置に要求することを特徴とする請求項1に記載の制御情報更新装置。
【請求項3】
前記取得手段は、前記更新情報を格納する格納装置における当該更新情報の格納位置を示す位置情報を前記管理装置から受信し、当該格納装置における当該位置情報が示す格納位置から当該更新情報を受信することにより、当該更新情報を取得することを特徴とする請求項1又は2に記載の制御情報更新装置。
【請求項4】
前記要求手段は、前記検知手段により検知された前記不具合の発生又は前記構成の変更に関して予め定められた条件が満たされている場合に、前記更新情報の特定を前記管理装置に要求することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の制御情報更新装置。
【請求項5】
前記要求手段は、一の更新情報の特定を前記管理装置に要求し、
前記取得手段は、前記管理装置で特定された前記一の更新情報を取得することを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の制御情報更新装置。
【請求項6】
前記要求手段は、複数の更新情報の特定を前記管理装置に要求し、
前記取得手段は、前記管理装置で特定された前記複数の更新情報から選択された一の更新情報を取得することを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の制御情報更新装置。
【請求項7】
入力された画像データに基づいて画像処理を行う画像処理手段と、
前記画像処理手段を制御する制御手段と
を備え、
前記制御手段は、
自装置を制御する制御情報を記憶する記憶手段と、
自装置の不具合の発生又は構成の変更を検知する検知手段と、
前記検知手段による前記不具合の発生又は前記構成の変更の検知に応じて、前記記憶手段に記憶された前記制御情報の更新に用いられる情報であって、前記検知手段による検知内容と、前記記憶手段に記憶された前記制御情報の前記画像処理手段及び前記制御手段に対応する部分ごとの版数の組み合わせとに応じた情報である更新情報の特定を、当該更新情報を管理する管理装置に要求する要求手段と、
前記要求手段による要求に応答して前記管理装置で特定された前記更新情報を取得する取得手段と、
前記記憶手段に記憶された前記制御情報を、前記取得手段により取得された前記更新情報を用いて更新する更新手段と
を備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項8】
画像処理装置を制御する制御情報を保持する当該画像処理装置から、当該画像処理装置の不具合の発生又は構成の変更を示す情報を受信する受信手段と、
前記受信手段による前記不具合の発生又は前記構成の変更を示す情報の受信に応じて、前記画像処理装置が保持する前記制御情報の更新に用いられる情報であって、前記受信手段による受信内容に応じた情報である更新情報を特定する特定手段と、
前記画像処理装置が保持する前記制御情報を、前記特定手段により特定された前記更新情報を用いて更新できるように、当該画像処理装置に対して、当該更新情報の取得を指示する指示手段と
を備えたことを特徴とする管理装置。
【請求項9】
前記特定手段は、前記画像処理装置が保持する前記制御情報の当該画像処理装置の機能に対応する部分ごとの版数の組み合わせに更に応じた情報である前記更新情報を特定することを特徴とする請求項8に記載の管理装置。
【請求項10】
コンピュータに、
画像処理装置の不具合の発生又は構成の変更を検知する機能と、
前記不具合の発生又は前記構成の変更の検知に応じて、前記画像処理装置を制御する制御情報の更新に用いられる情報であって、前記検知する機能による検知内容に応じた情報である更新情報の特定を、当該更新情報を管理する管理装置に要求する機能と、
前記要求する機能による要求に応答して前記管理装置で特定された前記更新情報を取得する機能と、
前記画像処理装置を制御する前記制御情報を、取得された前記更新情報を用いて更新する機能と
を実現させるためのプログラム。
【請求項11】
コンピュータに、
画像処理装置を制御する制御情報を保持する当該画像処理装置から、当該画像処理装置の不具合の発生又は構成の変更を示す情報を受信する機能と、
前記不具合の発生又は前記構成の変更を示す情報の受信に応じて、前記画像処理装置が保持する前記制御情報の更新に用いられる情報であって、前記受信する機能による受信内容に応じた情報である更新情報を特定する機能と、
前記画像処理装置が保持する前記制御情報を、特定された前記更新情報を用いて更新できるように、当該画像処理装置に対して、当該更新情報の取得を指示する機能と
を実現させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−68957(P2012−68957A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−213968(P2010−213968)
【出願日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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