説明

制御装置内蔵机

【課題】1つのロック解除で1つのパネル及び別のパネルの両方をロック解除することが可能な技術を提供することを目的とする。
【解決手段】ブース側制御装置26を内蔵する制御装置内蔵机25は、枠体27と、制御装置用前面パネル28と、制御装置用側面パネル29と、制御装置用鍵部30とを備える。制御装置用前面パネル28は、枠体27に対して閉じられた状態で制御装置用側面パネル29に当接して枠体27に対する制御装置用側面パネル29の開きを規制する。制御装置用鍵部30は、制御装置用前面パネル28が枠体27と閉じている状態で当該制御装置用前面パネル28をロックする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置が内蔵された制御装置内蔵机に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、貸金庫システムとして、特許文献1に開示のものがある。この貸金庫システムでは、顧客が利用するクーポンブースに隣接して貸金庫室が設けられている。クーポンブースには、保護箱利用口及び操作パネル等を有する机状の操作装置が設けられている。そして、利用者が操作装置を通じて貸金庫室内の保護箱を指示することで、当該保護箱が搬送装置によって保護箱利用口まで搬送されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−23668号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記貸金庫システムにおいて、本システムの諸制御を行うコントローラを操作装置内に設けようとすると、当該コントローラが不正操作を受けないように保護される必要があり、その一方で、メンテ作業者などの特定の者には触れられる必要がある。それを実現する構成として、当該制御装置を複数のパネルで囲い、複数のパネルのそれぞれに錠前などを設けてロックする構成が考えられる。この構成では、メンテ作業者は、パネルをロック解除してから、制御装置に対してメンテ作業を行う。
【0005】
さて、制御装置のメンテ作業の内容によっては、1つのパネルだけでなく、当該パネルと別のパネルもロック解除したい場合がある。しかし、上記の構成では、複数のパネルを1つずつロック解除しなければならず面倒である。
【0006】
そこで、本発明は、上記のような問題点を鑑みてなされたものであり、1つのロック解除で1つのパネル及び別のパネルの両方をロック解除することが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、第1の態様に係る制御装置内蔵机は、制御装置を内蔵する制御装置内蔵机であって、前記制御装置が内部に配設された枠体と、前記制御装置が配設された内部空間と外部とを仕切るように前記枠体に対して開閉可能に取り付けられる第1パネルと、前記制御装置が配設された内部空間と外部とを仕切るように前記第1パネルと非平行に前記枠体に対して開閉可能に取り付けられ、前記枠体に対して閉じられた状態で前記第1パネルに当接して前記枠体に対する前記第1パネルの開きを規制する第2パネルと、前記第2パネルが前記枠体に対して閉じている状態で当該第2パネルをロックする第1鍵部とを備えるものである。
【0008】
第2の態様に係る制御装置内蔵机は、第1の態様に係る制御装置内蔵机であって、前記枠体は、前記第1パネルと前記第2パネルとの当接が解除された場合であっても、前記第1パネルが前記枠体に対して閉じている状態で当該第1パネルの姿勢を固定するものである。
【0009】
第3の態様に係る制御装置内蔵机は、第1または第2の態様に係る制御装置内蔵机であって、前記制御装置が配設された内部空間と異なる、前記枠体の内部空間に配設された、前記制御装置により制御される機器と、前記機器が配設された内部空間と外部とを仕切るように前記枠体に対して開閉可能に取り付けられる第3パネルと、前記機器が配設された内部空間と外部とを仕切るように前記第3パネルと非平行に前記枠体に対して開閉可能に取り付けられ、前記枠体に対して閉じられた状態で前記第3パネルに当接して前記枠体に対する前記第3パネルの開きを規制する第4パネルと、前記第4パネルが前記枠体に対して閉じている状態で当該第4パネルをロックする第2鍵部とをさらに備えるものである。
【0010】
第4の態様に係る制御装置内蔵机は、第3の態様に係る制御装置内蔵机であって、前記枠体は、前記第3パネルと前記第4パネルとの当接が解除された場合であっても、前記第3パネルが前記枠体に対して閉じている状態で当該第3パネルの姿勢を固定するものである。
【0011】
第5の態様に係る制御装置内蔵机は、第3または第4の態様に係る制御装置内蔵机であって、前記制御装置が配設された内部空間と前記機器が配設された内部空間とを連結する、前記枠体の内部空間に配設された、前記制御装置及び前記機器に関する部品と、前記部品が配設された内部空間と外部とを仕切るように前記枠体に対して開閉可能に取り付けられる第5パネルをさらに備え、前記第1パネル及び前記第3パネルが、前記枠体に対して閉じている状態で、前記枠体に対する前記第5パネルの開きを規制する。
【0012】
第6の態様に係る制御装置内蔵机は、第3〜第5のいずれか1つの態様に係る制御装置内蔵机であって、前記枠体上に設けられた天板を備え、前記機器は、外部から搬送された搬送物を、前記天板上に搬送する搬送機器である。
【発明の効果】
【0013】
第1の態様に係る制御装置内蔵机によると、第2パネルをロック解除すれば、第1パネル及び第2パネルの両方を枠体に対して開けることができる。また、第1パネルと第2パネルとを当接させてから、第2パネルをロックすれば、第2パネルだけでなく第1パネルもロックすることができる。したがって、第1パネル及び第2パネルの両方をロックする作業及びロック解除する作業を減らすことができる。また、第2パネルは、第1パネルと非平行に枠体に取り付けられるため、互いに異なる2方向から、制御装置に対してメンテ作業等を行うことができる。
【0014】
第2の態様に係る制御装置内蔵机によると、第1パネルと第2パネルとの当接が解除された場合であっても、枠体は、第1パネルが枠体に対して閉じている状態で当該第1パネルの姿勢を固定する。そのため、作業内容等の都合から、第1パネルを開く必要がない場合等には、第2パネルを枠体に対して開けた後に、第1パネルを枠体に対して再び閉じる作業を行わなくて済む。
【0015】
第3の態様に係る制御装置内蔵机によると、第4パネルをロック解除すれば、第4パネル及び第3パネルの両方を枠体に対して開けることができる。また、第3パネルと第4パネルとを当接させてから、第4パネルをロックすれば、第4パネルだけでなく第3パネルもロックすることができる。したがって、第3パネル及び第4パネルの両方をロックする作業及びロック解除する作業を減らすことができる。また、第4パネルは、第3パネルと非平行に枠体に取り付けられるため、互いに異なる2方向から、機器に対してメンテ作業等を行うことができる。
【0016】
第4の態様に係る制御装置内蔵机によると、第3パネルと第4パネルとの当接が解除された場合であっても、枠体は、第3パネルが枠体に対して閉じている状態で当該第3パネルの姿勢を固定する。そのため、作業内容等の都合から、第3パネルを開く必要がない場合等には、第4パネルを枠体に対して開けた後に、第3パネルを枠体に対して再び閉じる作業を行わなくて済む。
【0017】
第5の態様に係る制御装置内蔵机によると、第2パネル及び第4パネルのそれぞれをロック解除してから、第2及び第4パネル、さらには、第1及び第3パネルを枠体に対して開いた状態にすれば、第5パネルも枠体に対して開けられる状態にすることができる。また、上記と逆にして、第2及び第4パネルを枠体に対して閉じた状態にしてから、それぞれをロックすれば、第5パネルもロックすることができる。したがって、第5パネルをロックする作業及びロック解除する作業を減らすことができる。
【0018】
第6の態様に係る制御装置内蔵机によると、搬送機器を囲う第3パネル及び第4パネルのそれぞれを開けるためのロック作業及びロック解除する作業を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】実施の形態に係る自動貸金庫装置を示す概略斜視図である。
【図2】制御装置内蔵机を示す概略斜視図である。
【図3】パネルが取り付けられた制御装置内蔵机の断面を示す概略平面図である。
【図4】パネルが取り外された制御装置内蔵机の断面を示す概略平面図である。
【図5】前面パネルが取り外される際の制御装置内蔵机を示す概略斜視図である。
【図6】前面パネルが取り外された制御装置内蔵机を示す概略正面図である。
【図7】側面パネルが取り外される際の制御装置内蔵机を示す概略斜視図である。
【図8】側面パネルを示す概略斜視図である。
【図9】側面パネルの係止部が中央パネルと係止している様子を示す概略平面図である。
【図10】側面パネルが取り外された制御装置内蔵机を示す概略正面図である。
【図11】中央パネルを示す概略正面図である。
【図12】中央パネルを示す概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、実施の形態に係る制御装置内蔵机を備える自動貸金庫装置について説明する。
【0021】
<全体構成>
まず、自動貸金庫装置の全体構成について説明する。図1は、自動貸金庫装置1を示す概略斜視図である。この自動貸金庫装置1は、一対の格納棚10と、ブース側搬送機器20を内蔵する制御装置内蔵机25と、移載ユニット55と、棚側搬送機器60とを備えている。
【0022】
格納棚10、及び、棚側搬送機器60は、通常、立入りが禁止されるように管理された管理エリア、より具体的には、周囲が金庫壁によって取り囲まれた金庫室6内に設置される。
【0023】
金庫室6の近傍、ここでは、金庫室6に隣接して利用ブース7が設けられており、この利用ブース7内に制御装置内蔵机25が設けられている。ここで、利用ブース7は、通常、正規の利用者の立入りのみが許可されるように管理された管理エリアであり、より具体的には、周囲がブース壁によって囲まれるとともに施錠可能な扉8を通じて、正規の利用者のみが入退室可能なエリアである。この利用ブース7と金庫室6との間は、仕切壁9によって仕切られている。
【0024】
自動貸金庫装置1では、上記一対の格納棚10に格納された複数の金庫ボックス11の1つが、移載ユニット55、棚側搬送機器60及びブース側搬送機器20の動作により、制御装置内蔵机25上に搬送される。これにより、利用者は、正規の利用者の入退室可能な利用ブース7に設けられた制御装置内蔵机25において、金庫ボックス11に対する物品(通常は、貴重品)等の出し入れを行う。また、正規の利用者による金庫ボックス11の利用終了後、制御装置内蔵机25上に位置する金庫ボックス11が、ブース側搬送機器20及び移載ユニット55を介して一対の格納棚10に格納される。これにより、貴重品が格納された金庫ボックス11は、通常立入りが禁止されている金庫室6において保管される。
【0025】
格納棚10には、アレイ状に設けられた複数の格納空間が設けられており、その複数の格納空間に、複数の金庫ボックス11がそれぞれ格納されている。一対の格納棚10は、その長手方向を一方向にそろえた姿勢で、間隔を有して対向配置されている。一対の格納棚10間には、棚側搬送機器60を配設可能な幅の隙間が形成されている。
【0026】
移載ユニット55は、一対の格納棚10の双方に対して金庫ボックス11を移載可能に構成されている。また、移載ユニット55は、一対の格納棚10の双方から金庫ボックス11を移載可能に構成されている。具体的には、移載ユニット55は、各格納棚10のいずれかに格納された金庫ボックス11と対向する位置に配設された状態で、当該対向する金庫ボックス11を自己に取り込むようにして移載し、或いは、自己に移載されている金庫ボックス11を格納棚10に格納する。
【0027】
棚側搬送機器60は、上記移載ユニット55を、一対の格納棚10の任意の金庫ボックス11に対向させる位置と、ブース側搬送機器20に対向させる位置との間で移動させるように構成されている。
【0028】
棚側制御装置80は、金庫室6内に設けられており、制御装置内蔵机25に内蔵されているブース側制御装置26からの指令に従って、移載ユニット55及び棚側搬送機器60を制御する。
【0029】
利用ブース7内に設けられた制御装置内蔵机25は、上部に天板48を備える。この天板48には、略方形状の天板開口穴49が形成されている。ブース側搬送機器20の主要部分(例えば、制御系統)は、制御装置内蔵机25の内部空間に設けられている。ブース側搬送機器20の主要部分以外は、仕切壁9を貫通して金庫室6内に設けられている。したがって、ブース側搬送機器20は、金庫室6及び利用ブース7にまたがって設けられている。
【0030】
ブース側搬送機器20は、金庫室6内の自身と対向する位置で、移載ユニット55に移載されている金庫ボックス11を、天板開口穴49を通じて天板48に突出するように搬送する。つまり、ブース側搬送機器20は、金庫ボックス11を金庫室6から利用ブース7に搬送する。また、ブース側搬送機器20は、その反対の動作として、天板開口穴49の内部に配設された金庫ボックス11を、自身と対向する位置に配設されている移載ユニット55に搬送する。つまり、ブース側搬送機器20は、金庫ボックス11を利用ブース7から金庫室6に搬送する。
【0031】
図2は、制御装置内蔵机25の周辺を示す概略斜視図である。制御装置内蔵机25上側には、ユーザからの通常入力操作を受け付ける通常入力操作部70が設けられている。ここでは、通常入力操作部70の一例として、外部に対して入力操作の案内を表示する表示部としての機能も有するタッチパネルが示されている。通常入力操作部70で受け付けた入力操作は、制御装置内蔵机25が内蔵しているブース側制御装置26に出力される。
【0032】
ブース側制御装置26は、CPU、ROM及びRAM等を備える一般的なマイクロコンピュータによって構成されており、上記ブース側搬送機器20及び、棚側制御装置80のそれぞれに対して指令を付与可能に接続されている。このブース側制御装置26は、自身に予め記憶されたソフトウェプログラム及び通常入力操作部70を通じて入力された入力操作に従って、本自動貸金庫装置1の全体動作を制御する。
【0033】
具体的には、ブース側制御装置26に、金庫ボックス11を特定する入力操作が通常入力操作部70から入力された場合、ブース側制御装置26は、棚側制御装置80に対して、当該金庫ボックス11をブース側搬送機器20まで移送するように指令する。その指令に従って、棚側制御装置80は、棚側搬送機器60に、当該金庫ボックス11を格納棚10からブース側搬送機器20まで搬送させる。それから、金庫ボックス11がブース側搬送機器20と対向する位置に搬送されると、ブース側制御装置26の制御により、ブース側搬送機器20は、天板開口穴49を通じて、当該金庫ボックス11を天板48に突出するように配設する。一方、ブース側制御装置26に、通常入力操作部70からの金庫ボックス11を格納する入力操作が行われた場合、棚側搬送機器60及びブース側搬送機器20は、ブース側制御装置26及び棚側制御装置80の制御により、上記の動作とは逆の動作を行う。
【0034】
<制御装置内蔵机25について>
図3は、制御装置内蔵机25において、ブース側搬送機器20及びブース側制御装置26を通る断面の概略平面図である。制御装置内蔵机25は、上記ブース側搬送機器20、ブース側制御装置26及び天板48以外に、枠体27と、制御装置用前面パネル28と、制御装置用側面パネル29と、制御装置用鍵部30と、搬送機器用前面パネル31と、搬送機器用側面パネル32と、搬送機器用鍵部33と、中央パネル34とを備える。
【0035】
以下、便宜上、使用者が通常入力操作部70に対して通常入力操作を行う際に、当該使用者と対向する制御装置内蔵机25の面を前面、当該前面と反対面を背面などと呼ぶことにする。制御装置内蔵机25には、前方側に開口する開口穴43が設けられている。この開口穴43は、例えば、車椅子に乗った使用者が足を入れることができる程度に、十分大きく設けられている。
【0036】
図3において斜線のハッチングで示される枠体27は、制御装置内蔵机25の外形を規定するフレーム形状の構造物であり、内部には空間が設けられている。より具体的には、枠体27は、上記開口穴43を挟んで両側に略直方体状の内部空間を2つ規定するフレーム部分と、開口穴43の奥側で当該2つの内部空間を空間的に連結する略直方体状の内部空間を規定するフレーム部分とを組合わせたフレームとされている。枠体27の表面には、内部空間と外部とを連結する略方形状の貫通穴38〜42が設けられている。より具体的には、上記開口穴43の一方側(正面から見て右側)にある内部空間を前方及び開口穴43側に開口させる略方形状の貫通穴38,39が形成され、開口穴43の他方側(正面側から見て左側)にある内部空間を前方及び開口穴43側に開口させる略方形状の貫通穴40,41が形成され、開口穴43の奥側の内部空間を開口穴43側に開口させる略方形状の貫通穴42が形成されている。
【0037】
枠体27の内部空間には上記したブース側搬送機器20の主要部分が配設されている。より具体的には、上記開口穴43の一方側(正面から見て左側)にある内部空間にはブース側搬送機器20の主要部分が配設されている。そして、作業者は、貫通穴40,41を通じて枠体27内にあるブース側搬送機器20に対する各種メンテナンス作業を実施できるようになっている。
【0038】
また、枠体27の他の内部空間にはブース側制御装置26が配設されている。より具体的には、上記開口穴43の他方側(正面から見て右側)にある内部空間にはブース側制御装置26が配設されている。また、このブース側制御装置26が配設された内部空間には、キーボード36及びI/Oポート37が配設されている。キーボード36及びI/Oポート37は、メンテ作業時の入力など、通常と異なる入力を受け付ける特別入力部として用いられる。ブース側制御装置26は、キーボード36及びI/Oポート37がユーザからの入力を受けた場合に、ブース側搬送機器20及び、棚側制御装置80のそれぞれに対して、メンテ用の指令などの特別の指令を付与する。そして、作業者は、貫通穴38,39を通じて枠体27内にあるブース側制御装置26に対する各種メンテナンス作業、キーボード36及びI/Oポート37を用いた各種メンテナンス作業等を実施できるようになっている。
【0039】
制御装置内蔵机25は、上記したブース側搬送機器20及びブース側制御装置26以外に、配線35を備える。配線35は、ブース側制御装置26及びブース側搬送機器20に関する部品であり、ブース側制御装置26とブース側搬送機器20とを接続するように、開口穴43の奥側の内部空間に配設されている。作業者は、貫通穴42を通じて枠体27内にある配線35に対する各種メンテナンス作業等を実施できるようになっている。
【0040】
なお、上記メンテナンス作業は、例えば、ブース側搬送機器20、ブース側制御装置26及び配線35に対してテスターなどをチェックしたり、キーボード36に入力操作を行ったり、または、I/Oポートに信号を入力したりするなど、周知のメンテナンス作業である。
【0041】
制御装置用前面パネル28、制御装置用側面パネル29、搬送機器用前面パネル31、搬送機器用側面パネル32及び中央パネル34(以下、これらパネルを総称して、「複数のパネル」と呼ぶこともある)のパネルのそれぞれは、枠体27に対して開閉可能に取り付けられる。枠体27の、パネルが取り付けられる面を、以下、「取り付け面」と呼ぶ。
【0042】
ここで、パネルが枠体27に対して閉じているとは、パネルが、枠体27の内部空間と外部との間を仕切っている状態を意味するものとする。一方、パネルが枠体27に対して開いているとは、パネルが、枠体27の内部空間と外部との間を仕切らず、枠体27の内部空間を外部に対して開放している状態を意味するものとする。本実施の形態では、制御装置用前面パネル28、制御装置用側面パネル29、搬送機器用前面パネル31、搬送機器用側面パネル32、中央パネル34が枠体27に対して閉じている場合には、各パネルが貫通穴38,39,40,41,42の周縁部で枠体27の外面に接し、当該貫通穴38,39,40,41,42を塞いで閉じている。
【0043】
制御装置用前面パネル28は、制御装置用側面パネル29と非平行に枠体27と開閉可能に取り付けられる。つまり、制御装置用前面パネル28は、制御装置用側面パネル29と交差する姿勢で枠体27に取り付けられ、本実施の形態では、制御装置用側面パネル29に対して略90°の角度で枠体27に取り付けられる。制御装置用前面パネル28及び制御装置用側面パネル29が、枠体27に対して閉じて取り付けられると、ブース側制御装置26は、枠体27、制御装置用前面パネル28、制御装置用側面パネル29及び天板48により囲われる。換言すれば、枠体27、制御装置用前面パネル28、制御装置用側面パネル29及び天板48は、ブース側制御装置26が配設された内部空間と外部とを仕切る。キーボード36及びI/Oポート37は、ブース側制御装置26と同様に、枠体27、制御装置用前面パネル28、制御装置用側面パネル29及び天板48により囲われる。これにより、外部からの衝撃による誤動作及び故障等を抑制することができる。
【0044】
制御装置用前面パネル28には、制御装置用鍵部30が設けられている。ここで、ロックとは、鍵の固有の装置或は暗証番号や生体情報などの固有情報により施錠装置の施錠状態を解錠状態に切り替え可能な状態で、枠体27に対するパネルの開きを規制することを意味する。一方、ロック解除とは、鍵の固有の装置或は暗証番号や生体情報などの固有情報により施錠装置の解錠状態を施錠状態に切り替え可能な状態で、枠体27に対するパネルの開きの規制を解除することを意味する。制御装置用鍵部30は、制御装置用前面パネル28を枠体27に対して閉じている状態でロックする。これにより、制御装置用鍵部30は、枠体27に対して閉じている制御装置用前面パネル28が、枠体27に対して開くのを規制する。
【0045】
後述するように、この制御装置用鍵部30は、枠体27に対して閉じている状態で制御装置用前面パネル28をロックするだけでなく、枠体27に対して閉じている状態で制御装置用側面パネル29もロックする。この状態で、外部からの不正操作からブース側制御装置26を保護することができる。
【0046】
同様に、搬送機器用前面パネル31は、搬送機器用側面パネル32と非平行に枠体27と開閉可能に取り付けられる。つまり、搬送機器用前面パネル31は、搬送機器用側面パネル32と交差する姿勢で枠体27に取り付けられ、本実施の形態では、搬送機器用側面パネル32に対して略90°の角度で枠体と開閉可能に取り付けられる。搬送機器用前面パネル31及び搬送機器用側面パネル32が、枠体27に対して閉じて取り付けられると、ブース側搬送機器20の主要部分は、枠体27、搬送機器用前面パネル31、搬送機器用側面パネル32及び天板48により囲われる。換言すれば、枠体27、搬送機器用前面パネル31、搬送機器用側面パネル32及び天板48は、ブース側搬送機器20の主要部分が配設された内部空間と外部とを仕切る。これにより、外部からの衝撃による誤動作及び故障等を抑制することができる。
【0047】
搬送機器用前面パネル31には、搬送機器用鍵部33が設けられている。この搬送機器用鍵部33は、搬送機器用前面パネル31を枠体27に対して閉じている状態でロックする。これにより、搬送機器用鍵部33は、枠体27に対して閉じている搬送機器用前面パネル31が、枠体27に対して開くのを規制する。後述するように、この搬送機器用鍵部33は、枠体27に対して閉じている状態で搬送機器用前面パネル31をロックするだけでなく、枠体27に対して閉じている状態で搬送機器用側面パネル32もロックする。この状態で、外部からの不正操作からブース側搬送装置20を保護することができる。
【0048】
また、中央パネル34が、枠体27に対して閉じて取り付けられると、配線35は、枠体27、中央パネル34及び天板48により囲われる。換言すれば、枠体27、中央パネル34及び天板48は、配線35が配設された内部空間と外部とを仕切る。
【0049】
後述するように、上記制御装置用鍵部30は、枠体27に対して閉じている状態で制御装置用前面パネル28及び制御装置用側面パネル29をロックするだけでなく、枠体27に対して閉じている状態で中央パネル34もロックする。同様に、上記搬送機器用鍵部33は、枠体27に対して閉じている状態で搬送機器用前面パネル31及び搬送機器用側面パネル32をロックするだけでなく、枠体27に対して閉じている状態で中央パネル34もロックする。
【0050】
したがって、配線35を介して、ブース側制御装置26及びブース側搬送機器20に不正な入力操作が行われるのを防ぐことができ、その結果として、ブース側制御装置26及びブース側搬送機器20を間接的に保護することができる。
【0051】
なお、上記複数のパネルは、ブース側制御装置26及びブース側搬送機器20を保護するものであるため、外力に対して変形しにくい部材が用いられることが望ましい。もし、複数のパネルが外力に対して十分な強度を有するのであれば、複数のパネルのそれぞれに複数の小さな貫通穴からなるメッシュを設けてもよい。これにより、ブース側制御装置26及びブース側搬送機器20で生じた熱を外部に放熱しやすくすることができる。
【0052】
図4は、図3に示される、制御装置内蔵机25に複数のパネルが閉じて取り付けられた状態から、複数のパネルが取り外される状態を示す図である。本実施の形態では、図4に示す矢印のように枠体27と脱着可能である。
【0053】
ここで、複数のパネルの全てが、枠体27に対して閉じて取り付けられている状態(図3)から、枠体27から取り外される状態(図4)に至るまでの手順の概略について説明する。
【0054】
まず、制御装置用前面パネル28がロック解除され、枠体27に対して開けられるようにして枠体27から取り外される。それから、制御装置用側面パネル29が枠体27に対して開けられるようにして枠体27から取り外される。以上の取外し作業と前後して、搬送機器用前面パネル31がロック解除され、枠体27に対して開けられるようにして枠体27から取り外される。それから、搬送機器用側面パネル32が枠体27に対して開けられるようにして枠体27から取り外される。以上の取外し作業により、制御装置用側面パネル29及び搬送機器用側面パネル32が取り外された後、中央パネル34が枠体27に対して開けられるようにして枠体27から取り外される。一方、複数のパネルの全てが、枠体27から取り外されている状態(図4)から、枠体27に対して閉じて取り付けられる状態(図3)までの手順は、上記手順と逆である。
【0055】
さて、本制御装置内蔵机25では、制御装置用前面パネル28をロックすれば、それとともに制御装置用側面パネル29も実質的にロックされ、制御装置用前面パネル28をロック解除すれば、それとともに制御装置用側面パネル29も実質的にロック解除される。そのため、制御装置用前面パネル28及び制御装置用側面パネル29の両方をロックする作業及びロック解除する作業を減らすことができる。同様に、搬送機器用前面パネル31及び搬送機器用側面パネル32も同様のロック及びロック解除が行われるため、搬送機器用前面パネル31及び搬送機器用側面パネル32の両方をロックする作業及びロック解除する作業を減らすことができる。
【0056】
以下、このような複数のパネルの取付、ロック及びロック解除に係る構成についてより詳細に説明する。なお、搬送機器用前面パネル31及び搬送機器用側面パネル32の取付、ロック及びロック解除に係る構成、手順は、制御装置用前面パネル28及び制御装置用側面パネル29の取付、ロック及びロック解除に係る構成、手順と同じである。そのため、制御装置用前面パネル28及び制御装置用側面パネル29について詳細に説明し、搬送機器用前面パネル31及び搬送機器用側面パネル32については適宜説明する。
【0057】
<制御装置用前面パネル28での取付・ロック・ロック解除>
図5は、制御装置用前面パネル28が取り外される際の制御装置内蔵机25を示す概略斜視図である。以下、制御装置用前面パネル28でのロック及びロック解除に関する構成について説明した後、そのパネルをロック及びロック解除する手順について説明する。
【0058】
枠体27の貫通穴38は、略方形状に形成されている。制御装置用前面パネル28には、貫通穴38の横辺の幅38Wと同じ幅28Wを有するL字型の係止部28aが設けられている。
【0059】
制御装置用鍵部30には、貫通穴38の縦辺の幅と同じだけ係止部28aと離れた位置に、矩形板30bを有する係止部30aが設けられている。制御装置用鍵部30に、係止部30aと反対側から鍵(図示しない)が挿入され、その状態で鍵が回動された場合、鍵の回動とともに矩形板30bも回動する。
【0060】
係止部28a及び係止部30aの回動軸部が貫通穴38内に挿入されると、係止部28aの両側部が枠体27と貫通穴38内部で当接することにより、制御装置用前面パネル28の、貫通穴38の横辺方向の移動が規制される。それとともに、係止部28aと係止部30aの回動軸部とが枠体27と貫通穴38内部で当接することにより、制御装置用前面パネル28の、貫通穴38の縦辺方向の移動が規制される。つまり、係止部28a及び係止部30aの回動軸部が貫通穴38内に挿入されると、制御装置用前面パネル28の、枠体27の取り付け面に沿った移動が規制される。
【0061】
また、この状態では、係止部28aが枠体27の内面と当接している。この状態で、矩形板30bを回動させて、矩形板30bも枠体27の内面と当接させると、係止部28a及び矩形板30bが枠体27の内面と当接する。これにより、制御装置用前面パネル28の、枠体27の取り付け面から離れる方向への移動が規制される。
【0062】
次に、取付作業者が、制御装置用前面パネル28が枠体27から離脱されている状態から、制御装置用前面パネル28をロックするまでの手順について説明する。
【0063】
まず、取付作業者は、係止部28aを枠体27の貫通穴38に挿入し、枠体27の下辺縁部に係止させる。これにより、制御装置用前面パネル28は、係止部28aが枠体27の下辺縁部に係止する部分を中心にして、その上側部分を枠体27に対して接近離隔移動させるように揺動可能となる。この状態で、取付作業者は、制御装置用前面パネル28の上側部分を枠体27に向けて押して、係止部30aを枠体27の貫通穴38内に配設するように、制御装置用前面パネル28を枠体27に対して閉じるように回動させる。
【0064】
それから、取付作業者は、制御装置用鍵部30に鍵を挿入し、その鍵を回動することにより、矩形板30bを枠体27の内面と当接させる。係止部30aが枠体27と係止されると、制御装置用前面パネル28の、枠体27の取り付け面に沿った方向への移動、及び、当該取り付け面から離れる方向への移動が規制される。こうして、取付作業者は、制御装置用鍵部30により、枠体27に対して閉じている状態で制御装置用前面パネル28をロックすることができる。ロック解除は、以上の手順と逆の順番に行う。搬送機器用前面パネル31も、制御装置用前面パネル28のロック及びロック解除と同様にして、ロック及びロック解除が行われる。
【0065】
後述するように、制御装置用側面パネル29の端部には、折曲部29aが設けられている。図5に示すように、この折曲部29aは、制御装置用側面パネル29が枠体27に対して閉じている場合に、枠体27の、制御装置用前面パネル28との取り付け面に沿うように形成されている。また、後述するように、枠体27と天板48との境界付近には、ガイド溝27aが形成されており、中央パネル34には、そのガイド溝27aに挿入される挿入部34bが設けられている。
【0066】
図6は、制御装置用前面パネル28及び搬送機器用前面パネル31が取り外されたときの制御装置内蔵机25を示す概略正面図である。図に示すように、枠体27から制御装置用前面パネル28、搬送機器用前面パネル31が取り外された場合には、制御装置内蔵机25の前面に貫通穴38,40がそれぞれ現れる。作業者は、制御装置内蔵机25の前面から貫通穴38を介して、ブース側制御装置26のメンテ作業を行うことができる。具体的には、作業者は、貫通穴38から、枠体27の内部空間に配設されたキーボード36を取り出して、メンテ作業に必要な入力操作をキーボード36に対して行うことができる。或いは、作業者は、メンテ作業に必要な信号をI/Oポート37に入力することができる。なお、メンテ作業が容易となるように、キーボード36及びI/Oポート37は、貫通穴38側に配設されていることが望ましい。また、I/Oポート37の差込口は、貫通穴38側に向けられていることが望ましい。以上、ブース側制御装置26のメンテ作業について説明したが、作業者は、制御装置内蔵机25の前面から貫通穴40を介して、ブース側搬送機器20のメンテ作業を行うことができる。
【0067】
<制御装置用側面パネル29での取付・ロック・ロック解除>
図7は、制御装置用側面パネル29が取り外される際の制御装置内蔵机25を示す概略斜視図であり、図8は、制御装置用側面パネル29を示す概略斜視図である。以下、制御装置用側面パネル29でのロック及びロック解除に関する構成について説明した後、そのパネルをロック及びロック解除する手順について説明する。
【0068】
制御装置用側面パネル29には、折曲部29aと反対側の端部に、複数の係止部29bが設けられている。係止部29bは、外方に向けて延出すると共にその先端部が下方に向けて延出する略L字状部材に形成されている。中央パネル34には、後述する折曲板34cが設けられている。中央パネル34の折曲板34cには、複数の貫通穴34aが設けられている。係止部29bは、その先端部の下方延出部分を貫通穴34aに内側から抜止め状に係止させた状態で貫通穴34aに挿入及び係止される。制御装置用側面パネル29は、係止部29bが中央パネル34と係止している場合には、その係止部分を軸にして、折曲部29aが枠体27に近づく方向またはその逆方向に回動する。なお、制御装置用側面パネル29を持上げて複数の係止部29bの先端部の下方延出部分と貫通穴34aとの抜止め係止を解除しつつ、複数の係止部29bを複数の貫通穴34aから引抜くことで、上記係止部29bと貫通穴34aとの係止が解除される。
【0069】
図9は、制御装置用側面パネル29の係止部29bが中央パネル34と係止している様子を示す概略平面図である。図に示すように、枠体27の、制御装置用側面パネル29との取り付け面27bと、中央パネル34の折曲板34cとは、互いに平行に配設されている。ここで、制御装置用側面パネル29の複数の係止部29bは、制御装置用側面パネル29のパネル面から枠体27側に折り曲げられている。そのため、係止部29bが、取り付け面27bと略同一面に設けられた貫通穴34a内に挿入されていても、制御装置用側面パネル29は取り付け面27bに対して閉じることができる。
【0070】
なお、中央パネル34が枠体27に取り付けられている場合には、後述するように、制御装置内蔵机25の前方への移動以外は規制される。つまり、中央パネル34は、枠体27により、制御装置内蔵机25の側方への移動が規制される。そのため、制御装置用側面パネル29の係止部29bが中央パネル34に係止されている場合には、係止部29bの、制御装置内蔵机25の側方への移動が、中央パネル34により規制される。したがって、この場合には、制御装置用側面パネル29の、取り付け面27bから垂直に離れる方向への移動は、枠体27により間接的に規制される。
【0071】
図7、図8に示すように、枠体27の貫通穴38は、方形状に形成されている。制御装置用側面パネル29が枠体27に対して閉じられた場合に、取り付け面27bと対向する、制御装置用側面パネル29の面上には、一対の固定板29cが設けられている。制御装置用側面パネル29が枠体27に対して閉じられた場合には、この一対の固定板29cは、枠体27に設けられた貫通穴39の方形の上下一対の対向する辺と当接するように、当該貫通穴39に挿入され、枠体27と嵌合する。この状態では、一対の固定板29cが貫通穴39の内周縁部に当接することで、制御装置用側面パネル29の、取り付け面27bに沿った移動は規制される。
【0072】
したがって、制御装置用側面パネル29の係止部29bが中央パネル34と係止している状態で、制御装置用側面パネル29が枠体27に対して閉じられた場合には、制御装置用側面パネル29の可能な動作は、係止部29bと中央パネル34との係止部分を軸にした、折曲部29aが枠体27から離れる方向への回動のみとなる。
【0073】
次に、取付作業者が、制御装置用側面パネル29が枠体27から離脱されている状態から、制御装置用側面パネル29をロックするまでの手順について説明する。
【0074】
まず、取付作業者は、制御装置用側面パネル29の係止部29bを貫通穴34aに挿入する。それから、係止部29bと中央パネル34との係止部分を軸にして、制御装置用側面パネル29を、折曲部29aが枠体27に近づく方向に回動する。これにより、制御装置用側面パネル29は枠体27に対して閉じられるとともに、枠体27と嵌合する。
【0075】
制御装置用側面パネル29が枠体27に対して閉じている場合、上述したように、枠体27に対して閉じている制御装置用側面パネル29の可能な動作は、係止部29bと中央パネル34との係止部分を軸にした、折曲部29aが枠体27から離れる方向への回動のみとなる。なお、枠体27に対して閉じている制御装置用側面パネル29の、同方向への回動初期において、折曲部29aの先端部は、図5に示す矢印Aのように、枠体27の前面よりも前方を経由するように弧状経路を描きつつ回動する。従って、次述するように、折曲部29aを前方から押付けることで、制御装置用側面パネル29の上記回動が規制される。
【0076】
取付作業者が、制御装置用側面パネル29が枠体27に対して閉じている場合に、上記のように、制御装置用前面パネル28を、制御装置用側面パネル29の折曲部29aと当接させるように、枠体27に対して閉じるように取り付けると、折曲部29aの、矢印Aに示される回動は、制御装置用前面パネル28により規制される。つまり、制御装置用前面パネル28は、枠体27に対して閉じている状態で制御装置用側面パネル29に当接して枠体27に対する制御装置用側面パネル29の開きを規制する。そのため、取付作業者は、制御装置用鍵部30により、枠体27に対して閉じている状態で、制御装置用側面パネル29の折曲部29aに当接させながら制御装置用前面パネル28をロックすれば、枠体27に対して閉じている状態で制御装置用側面パネル29もロックすることができる。つまり、制御装置用鍵部30は、枠体27に対して閉じている制御装置用前面パネル28だけでなく、枠体27に対して閉じている制御装置用側面パネルもロックすることができる。ロック解除は、以上の手順と逆の順番に行う。搬送機器用側面パネル32も、制御装置用側面パネル29のロック及びロック解除と同様にして、ロック及びロック解除が行われる。
【0077】
枠体27から制御装置用側面パネル29、搬送機器用側面パネル32が取り外された場合には、制御装置内蔵机25の、図2に示した開口穴43に接する側面に貫通穴39,41がそれぞれ現れる。作業者は、貫通穴39を介して、制御装置内蔵机25の側面からブース側制御装置26のメンテ作業を行うことができる。これにより、作業者は、制御装置内蔵机25の前面に位置する貫通穴38からは届かなかった、ブース側制御装置26の部分に対してメンテ作業を行うことができる。同様に、作業者は、貫通穴41を介して、制御装置内蔵机25の側面からブース側搬送機器20のメンテ作業を行うことができる。これにより、作業者は、制御装置内蔵机25の前面に位置する貫通穴40からは届かなかった、ブース側搬送機器20の部分に対してメンテ作業を行うことができる。
【0078】
なお、上記したように、制御装置用側面パネル29の上記一対の固定板29cは、制御装置用側面パネル29が枠体27に対して閉じている場合には、枠体27と嵌合する。したがって、枠体27は、制御装置用側面パネル29と制御装置用前面パネル28との当接が解除された場合であっても、制御装置用側面パネル29が枠体27に対して閉じている状態で当該制御装置用側面パネル29の姿勢を固定する。つまり、制御装置用側面パネル29を枠体27に対して閉じたままで、制御装置用前面パネル28のみを枠体27に対して開けることができる。同様に、枠体27は、搬送機器用側面パネル32と搬送機器用前面パネル31との当接が解除された場合であっても、搬送機器用側面パネル32が枠体27に対して閉じている状態で当該搬送機器用側面パネル32の姿勢を固定する。
【0079】
<中央パネル34での取付・ロック・ロック解除>
図10は、上述の取外し作業が全て行われ、複数のパネルのうち中央パネル34のみ取り付けられているときの制御装置内蔵机25を示す概略正面図である。図11は、中央パネル34を示す概略正面図であり、図12は、中央パネル34示す概略側面図である。図11、図12には、中央パネル34がロックされている際の、他の構成が二点鎖線で示されている。以下、中央パネル34でのロック及びロック解除に関する構成について説明した後、そのパネルをロック及びロック解除する手順について説明する。
【0080】
中央パネル34は、概ね、前面板34dと、上面板34eとを有している。前面板34dは、図3及び図4において、中央パネル34として示された部分であり、中央パネル34が取り付けられた制御装置内蔵机25を前方から見た場合に、図2に示した開口穴43の奥に見られる部分である。上面板34eは、中央パネル34が取り付けられた制御装置内蔵机25を、開口穴43内から上側を見た場合に見られる部分である。図12に示すように、上面板34eの端部と、前面板34dの端部とは互いに接続しており、上面板34eと前面板34dとは略90°の角度を形成している。
【0081】
図11に示すように、前面板34dの両端には、上記折曲板34cが制御装置内蔵机25の前面側に向かうように折り曲げて形成されている。この折曲板34cは、前面板34dの縁に沿って延設されている。各折曲板34cには、制御装置用側面パネル29の係止部29bが挿入される上記貫通穴34aが複数設けられている。
【0082】
上面板34eの両端には、上記挿入部34bが外側に突出させて形成されている。この各挿入部34bは、上面板34eの縁に沿って延設されている。この1組の挿入部34bは、1組の上記ガイド溝27aにそれぞれ挿入される。挿入部34bがガイド溝27a内をスライドすると、そのスライド方向に応じて、中央パネル34は枠体27に対して開いている状態になったり、枠体27に対して閉じている状態になったりする。ガイド溝27aが、挿入部34bの、スライド方向以外の移動を規制するため、中央パネル34の、制御装置内蔵机25の前後方向以外の移動が規制される。
【0083】
図12に示すように、上面板34eの、前面板34dが接続された端部と反対側の端部には、折曲部34fが形成されている。この折曲部34fは、上面板34eを上側にして前面板34dを正面視した場合、上側に折り曲げられた形状を有している。中央パネル34が、枠体27に取り付けられた場合には、上面板34eと天板48との間の隙間を、折曲部34fが、制御装置内蔵机25の前面において塞ぐように配設される。
【0084】
次に、取付作業者が、中央パネル34が枠体27から離脱されている状態から、中央パネル34をロックするまでの手順について説明する。
【0085】
まず、取付作業者は、1組の挿入部34bを、1組のガイド溝27aに挿入する。それから、取付作業者は、当該ガイド溝27a内で、挿入部34bをスライドさせながら、中央パネル34を、制御装置内蔵机25の前面側から背面側に移動させる。この移動は、中央パネル34の前面板34dが、制御装置用側面パネル29が枠体27に取り付けられる領域よりも、制御装置内蔵机25の背面側に到達するまで続けられ、その後、枠体27により規制される。取付作業者は、枠体27により、制御装置内蔵机25の背面側への中央パネル34の移動が規制されるまで、中央パネル34を背面側に移動させる。中央パネル34のその向きの移動が、枠体27により規制されると、中央パネル34は枠体27に対して閉じている状態になる。中央パネル34が枠体27に対して閉じている場合には、中央パネル34は、制御装置内蔵机25の前面側への移動以外の動作が、枠体27及び天板48により規制される。
【0086】
その後、取付作業者は、中央パネル34が枠体27に対して閉じて取り付けられている場合に、上記のように、制御装置用側面パネル29を、枠体27に対して閉じて取り付ける。上記のように、制御装置用側面パネル29が枠体27に対して閉じて取り付けられる場合には、その制御装置用側面パネル29の、取り付け面27bに沿った移動は規制される。つまり、枠体27に対して閉じている制御装置用側面パネル29の、制御装置内蔵机25の前面側への移動は規制される。このような制御装置用側面パネル29が、枠体27に対して閉じている中央パネル34の前面板34dよりも、制御装置内蔵机25の前面側において、枠体27に対して閉じて取り付けられる。
【0087】
そのため、枠体27に対して閉じている制御装置用側面パネル29は、前面板34dが、制御装置内蔵机25の前面側に移動するのを規制する。つまり、枠体27に対して閉じている制御装置用側面パネル29は、枠体27に対する中央パネル34の開きを規制する。そのため、取付作業者は、制御装置用鍵部30により、枠体27に対して閉じている状態で制御装置用側面パネル29をロックすれば、枠体27に対して閉じている状態で中央パネル34もロックすることができる。つまり、制御装置用鍵部30は、枠体27に対して閉じている制御装置用前面パネル28及び制御装置用側面パネル29だけでなく、枠体27に対して閉じている中央パネル34もロックすることができる。
【0088】
なお、ここでは、制御装置用側面パネル29が、中央パネル34が枠体27に対して開くのを規制する場合について説明したが、搬送機器用側面パネル32も、同様に、中央パネル34が枠体27に対して開くのを規制する。つまり、枠体27に対して閉じている搬送機器用側面パネル32は、枠体27に対する中央パネル34の開きを規制する。そのため、取付作業者は、搬送機器用鍵部33により、枠体27に対して閉じている状態で搬送機器用側面パネル32をロックすれば、枠体27に対して閉じている状態で中央パネル34もロックすることができる。つまり、搬送機器用鍵部33は、枠体27に対して閉じている搬送機器用前面パネル31及び搬送機器用側面パネル32だけでなく、枠体27に対して閉じている中央パネル34もロックすることができる。
【0089】
ロック解除は、以上の手順と逆の順番に行う。具体的には、制御装置用側面パネル29及び搬送機器用側面パネル32の両方をロック解除し、それらパネルを枠体27に対して開いた状態にすれば、中央パネル34もロック解除することができる。
【0090】
なお、本実施の形態では、図5に示すように、制御装置用前面パネル28が枠体27に対して閉じている場合、当該制御装置用前面パネル28は、挿入部34bよりも、制御装置内蔵机25の前面側において、当該挿入部34bを覆う。そのため、枠体27に対して閉じている制御装置用前面パネル28は、挿入部34bが、制御装置内蔵机25の背面側から前面側に移動するのを規制する。したがって、中央パネル34及び制御装置用前面パネル28を枠体27に対して閉じている状態で制御装置用前面パネル28をロックすれば、制御装置用側面パネル29を介さずに、中央パネル34をロックすることができる。同様に、中央パネル34及び搬送機器用前面パネル31を枠体27に対して閉じている状態で搬送機器用前面パネル31をロックすれば、搬送機器用側面パネル32を介さずに、中央パネル34をロックすることができる。
【0091】
以上のような制御装置内蔵机25によれば、制御装置用前面パネル28をロック解除すれば、制御装置用前面パネル28及び制御装置用側面パネル29の両方を枠体27に対して開けることができる。また、制御装置用側面パネル29と制御装置用前面パネル28とを当接させてから、制御装置用前面パネル28をロックすれば、制御装置用前面パネル28だけでなく制御装置用側面パネル29もロックすることができる。したがって、制御装置用側面パネル29及び制御装置用前面パネル28の両方をロックする作業及びロック解除する作業を減らすことができる。また、制御装置用前面パネル28は、制御装置用側面パネル29と非平行に枠体27に取り付けられるため、互いに異なる2方向から、ブース側制御装置26に対してメンテ作業等を行うことができる。
【0092】
また、制御装置用側面パネル29と制御装置用前面パネル28との当接が解除された場合であっても、枠体27は、制御装置用側面パネル29が枠体27に対して閉じている状態で当該制御装置用側面パネル29の姿勢を固定する。そのため、作業内容等の都合から、制御装置用側面パネル29を開く必要がない場合等には、制御装置用前面パネル28を枠体27に対して開けた後に、制御装置用側面パネル29を枠体27に対して再び閉じる作業を行わなくて済む。
【0093】
また、搬送機器用前面パネル31をロック解除すれば、搬送機器用前面パネル31及び搬送機器用側面パネル32の両方を枠体27に対して開けることができる。また、搬送機器用側面パネル32と搬送機器用前面パネル31とを当接させてから、搬送機器用前面パネル31をロックすれば、搬送機器用前面パネル31だけでなく搬送機器用側面パネル32もロックすることができる。したがって、搬送機器用側面パネル32及び搬送機器用前面パネル31の両方をロックする作業及びロック解除する作業を減らすことができる。また、搬送機器用前面パネル31は、搬送機器用側面パネル32と非平行に枠体に取り付けられるため、互いに異なる2方向から、ブース側搬送機器20に対してメンテ作業等を行うことができる。
【0094】
また、搬送機器用側面パネル32と搬送機器用前面パネル31との当接が解除された場合であっても、枠体27は、搬送機器用側面パネル32が枠体27に対して閉じている状態で当該搬送機器用側面パネル32の姿勢を固定する。そのため、作業内容等の都合から、搬送機器用側面パネル32を開く必要がない場合等には、搬送機器用前面パネル31を枠体27に対して開けた後に、搬送機器用側面パネル32を枠体27に対して再び閉じる作業を行わなくて済む。
【0095】
また、制御装置用前面パネル28及び搬送機器用前面パネル31のそれぞれをロック解除してから、制御装置用前面パネル28及び搬送機器用前面パネル31、さらには、制御装置用側面パネル29及び搬送機器用側面パネル32を枠体27に対して開いた状態にすれば、中央パネル34も枠体27に対して開けられる状態にすることができる。また、上記と逆にして、制御装置用前面パネル28または搬送機器用前面パネル31を枠体27に対して閉じた状態にしてから、それぞれをロックすれば、中央パネル34もロックすることができる。したがって、中央パネル34をロックする作業及びロック解除する作業を減らすことができる。
【0096】
なお、本実施の形態では、制御装置用前面パネル28が、枠体27に対する制御装置用側面パネル29の開きを規制するものであった。しかしこれに限ったものではなく、パネル同士の規制関係を反対にして、制御装置用側面パネル29が、枠体27に対する制御装置用前面パネル28の開きを規制するものであってもよい。同様に、搬送機器用前面パネル31と、搬送機器用側面パネル32との規制関係を反対にしたものであってもよい。
【0097】
また、本実施の形態では、制御装置用前面パネル28は、枠体27と脱着可能であった。しかし、これに限ったものではなく、制御装置用前面パネル28が制御装置用側面パネル29の折曲部29aとの当接及びその解除ができるのであれば、枠体27と脱着不能であってもよい。例えば、制御装置用前面パネル28の一端が、制御装置用側面パネル29の折曲部29aと当接するように、他端を軸に回動し、その他端が枠体27と脱着不能な構成であってよい。また、同様に、搬送機器用前面パネル31の一端が、搬送機器用側面パネル32の折曲部32aと当接するように、他端を軸に回動し、その他端が枠体27と脱着不能な構成であってよい。
【符号の説明】
【0098】
1 自動貸金庫装置
20 ブース側搬送機器
25 制御装置内蔵机
26 制御装置
27 枠体
28 制御装置用前面パネル
29 制御装置用側面パネル
30 制御装置用鍵部
31 搬送機器用前面パネル
32 搬送機器用側面パネル
33 搬送機器用鍵部
34 中央パネル
35 配線
48 天板
49 天板開口穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御装置を内蔵する制御装置内蔵机であって、
前記制御装置が内部に配設された枠体と、
前記制御装置が配設された内部空間と外部とを仕切るように前記枠体に対して開閉可能に取り付けられる第1パネルと、
前記制御装置が配設された内部空間と外部とを仕切るように前記第1パネルと非平行に前記枠体に対して開閉可能に取り付けられ、前記枠体に対して閉じられた状態で前記第1パネルに当接して前記枠体に対する前記第1パネルの開きを規制する第2パネルと、
前記第2パネルが前記枠体に対して閉じている状態で当該第2パネルをロックする第1鍵部と、
を備える制御装置内蔵机。
【請求項2】
請求項1に記載の制御装置内蔵机であって、
前記枠体は、前記第1パネルと前記第2パネルとの当接が解除された場合であっても、前記第1パネルが前記枠体に対して閉じている状態で当該第1パネルの姿勢を固定する、制御装置内蔵机。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の制御装置内蔵机であって、
前記制御装置が配設された内部空間と異なる、前記枠体の内部空間に配設された、前記制御装置により制御される機器と、
前記機器が配設された内部空間と外部とを仕切るように前記枠体に対して開閉可能に取り付けられる第3パネルと、
前記機器が配設された内部空間と外部とを仕切るように前記第3パネルと非平行に前記枠体に対して開閉可能に取り付けられ、前記枠体に対して閉じられた状態で前記第3パネルに当接して前記枠体に対する前記第3パネルの開きを規制する第4パネルと、
前記第4パネルが前記枠体に対して閉じている状態で当該第4パネルをロックする第2鍵部と、
をさらに備える制御装置内蔵机。
【請求項4】
請求項3に記載の制御装置内蔵机であって、
前記枠体は、前記第3パネルと前記第4パネルとの当接が解除された場合であっても、前記第3パネルが前記枠体に対して閉じている状態で当該第3パネルの姿勢を固定する、制御装置内蔵机。
【請求項5】
請求項3または請求項4に記載の制御装置内蔵机であって、
前記制御装置が配設された内部空間と前記機器が配設された内部空間とを連結する、前記枠体の内部空間に配設された、前記制御装置及び前記機器に関する部品と、
前記部品が配設された内部空間と外部とを仕切るように前記枠体に対して開閉可能に取り付けられる第5パネルをさらに備え、
前記第1パネル及び前記第3パネルが、前記枠体に対して閉じている状態で、前記枠体に対する前記第5パネルの開きを規制する、制御装置内蔵机。
【請求項6】
請求項3乃至請求項5のいずれか1つに記載の制御装置内蔵机であって、
前記枠体上に設けられた天板を備え、
前記機器は、外部から搬送された搬送物を、前記天板上に搬送する搬送機器である、制御装置内蔵机。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−285818(P2010−285818A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−141179(P2009−141179)
【出願日】平成21年6月12日(2009.6.12)
【出願人】(000139780)株式会社イトーキ (833)