説明

制振・遮音シート

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、制振・遮音シートに関する。さらに詳しくは、住宅の床等に使用して振動や騒音を防止する制振・遮音シートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の制振・遮音シートとしては、例えば熱可塑性樹脂、ゴム、アスファルト等の粘結材(バインダー)と、砂鉄、スラグ、鉄粉等の骨材とを混練してシート状に加工し、その表面に緩衝層として不織布を積層したものがある(例えば、特公平4−65777)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような従来の制振・遮音シートにおいては、積層された不織布の目付量が小さいと緩衝効果も小さく、目付量が大きいと住宅の床を構成するパーチクルボードやフローリングと接着する際に接着剤が不織布に吸収されて硬化し、緩衝効果が低下するという問題があった。また、目付量の大きい不織布を緩衝層として用いても、500Hz以上の高い周波数領域での減衰効果が小さいという問題点もあった。さらに、従来の制振・遮音シートの構成材料は原料単価が高く、特にゴム等を用いると成形加工費も高価になるという問題があった。
【0004】本発明は、大きな制振・遮音効果が得られ、且つ500Hz以上の高い周波数領域でも減衰効果が低下しない制振・遮音シートを提供することを目的とする。また、本発明は、強度が向上した制振・遮音シートを提供することを目的とする。さらに、本発明は、低コストで且つ環境汚染を生じることなく製造することができる制振・遮音シートを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の制振・遮音シートは、酸化鉄を主成分とする比重4.5〜5.5の酸化鉄系フィラーと軽金属の炭酸塩又は水酸化物からなる比重2.0〜3.0の軽金属系フィラーとの混合物からなるフィラーと、アスファルトからなるバインダーとを含有するシート状の基材の一面に独立気泡発泡体が積層されてなるものである。
【0006】本発明の請求項2記載の制振・遮音シートは、酸化鉄を主成分とする比重4.5〜5.5の酸化鉄系フィラーと軽金属の炭酸塩又は水酸化物からなる比重2.0〜3.0の軽金属系フィラーとの混合物からなるフィラーと、アスファルトからなるバインダーとを含有するシート状の基材の一面に独立気泡発泡体が積層され、更に、基材の他面及び独立気泡発泡体の表層面のうち少なくともいずれかの面に保護層が積層されてなるものである。
【0007】本発明の請求項3記載の制振・遮音シートは、請求項1又は請求項2記載の制振・遮音シートにおいて、基材の独立気泡発泡体が積層された面とは反対側の面にエンボス加工が施されたものである。
【0008】本発明の請求項4記載の制振・遮音シートは、請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の制振・遮音シートにおいて、基材がフィラーを90〜65重量%、アスファルトからなるバインダーを10〜35重量%含有しているものである。
【0009】本発明の請求項5記載の制振・遮音シートは、シート全体の総比重が2.5〜5.5であるものである。
【0010】本発明の請求項6記載の制振・遮音シートは、請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の制振・遮音シートにおいて、独立気泡発泡体が、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリウレタン及びポリスチレンからなる群より選ばれる1種以上からなるものである。
【0011】本発明の請求項7記載の制振・遮音シートは、請求項2乃至請求項6のいずれか1項記載の制振・遮音シートにおいて、保護層が、不織布からなるものである。
【0012】本発明の請求項8記載の制振・遮音シートは、請求項7記載の制振・遮音シートにおいて、不織布が、ポリエステル、ポリエチレン、レーヨン及びガラスからなる群より選ばれる1種以上からなるものである。
【0013】本発明の請求項9記載の制振・遮音シートは、請求項1乃至請求項8のいずれか1項記載の制振・遮音シートにおいて、基材成分として繊維状物質を全基材成分の0.1〜3.0重量%含有しているものである。
【0014】本発明の請求項10記載の制振・遮音シートは、請求項9記載の制振・遮音シートにおいて、繊維状物質が、ポリエステル繊維、ガラス繊維、炭素繊維、ポリプロピレン繊維及びアクリル繊維の中から選ばれる一種単独又は二種以上であるものである。
【0015】本発明の請求項11記載の制振・遮音シートは、請求項9又は請求項10記載の制振・遮音シートにおいて、制振・遮音シートの長尺方向と基材中の繊維状物質の配向方向とが同一方向となるように積層されてなるものである。
【0016】本発明の請求項12記載の制振・遮音シートは、請求項1乃至請求項11のいずれか1項記載の制振・遮音シートにおいて、各層間がホットメルト系接着剤により接着されているものである。
【0017】本発明の請求項13記載の制振・遮音シートは、請求項12記載の制振・遮音シートにおいて、ホットメルト系接着剤の主成分が、合成ゴム、アクリル樹脂及びポリエステル樹脂からなる群より選ばれる1種以上からなるものである。
【0018】本発明の請求項14記載の制振・遮音シートは、請求項12又は請求項13記載の制振・遮音シートにおいて、ホットメルト系接着剤の160℃での溶融粘度が500〜50000cpsであり、且つホットメルト系接着剤のJIS K2207に準拠する軟化点が90℃以上であるものである。
【0019】以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【0020】本発明において使用されるシート状の基材は、基本的には酸化鉄を主成分とする比重4.5〜5.5の酸化鉄系フィラーと軽金属の炭酸塩又は水酸化物からなる比重2.0〜3.0の軽金属系フィラーとの混合物からなるフィラーとバインダーとしてのアスファルトとから構成される。
【0021】上記酸化鉄系フィラーとしては、鉄鉱石が微粉状に破砕されたものや、鉄の製鋼、圧延、表面処理工程で発生する転炉スラグ、圧延スケール、酸洗スケール、BF鋳床スケール、砂鉄等が挙げられる。中でも比重が高い鉄鉱石微粉、酸洗スケール、BF鋳床スケールが好適である。これらは、酸化鉄を主成分とする比重4.5〜5.5のものである。その粒径は、5〜100μmが好適である。また、フィラーの形状は何ら限定されるものではなく、繊維状、球状、粒状、フレーク状等様々な形状のものを用いることができる。
【0022】上記酸化鉄系フィラーとともに、比重2.0〜3.0の軽金属の炭酸塩又は水酸化物を併用すると、シートの剛性を向上することができる。併用される比重2.0〜3.0の軽金属の炭酸塩又は水酸化物としては、例えば炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等が挙げられ、中でも炭酸カルシウム、水酸化マグネシウムが好適に用いられる。また、これらの粒径は2〜60μmが好適である。
【0023】本発明におけるバインダーとしてはアスファルトが用いられる。アスファルトとしては、例えば天然アスファルト、ストレートアスファルト、ブローンアスファルト、カットバックアスファルト等の石油アスファルトを使用することができる。中でも、ストレートアスファルト又はブローンアスファルトのいずれか一種単独又はこれら二種の混合物が好適に用いられる。
【0024】上記ストレートアスファルトは、主にアスファルト基原油の常圧蒸留後に得られる残渣のことであり、伸度、粘着力、防水性等が大きく、道路舗装に多く用いられる。また、ブローンアスファルトは、半アスファルト基原油の蒸留残渣に熱い状態で空気を吹き込み、酸化重合させて得られるものであり、軟化点が高く、弾性が大きい等の特徴がある。
【0025】フィラーとバインダーとの配合比は、90〜65重量%対10〜35重量%が好ましい。フィラーが65重量%未満の場合はシートの面密度が小さくなり、制振・遮音性が低下する。一方90重量%を超える場合はバインダー量が少なくなり過ぎ、シートの機械的強度、伸び等が不足すると共に成形加工性も悪くなる。なお、床の制振・遮音に用いる場合は、特に88〜75重量%対12〜25重量%が好適である。
【0026】本発明の制振・遮音シートの独立気泡発泡体を積層する面とは反対側の面に積層する保護層としては、天然繊維、合成繊維あるいは糸状の金属などを織ったり編んだりして作った面状のものや、それらと逆に、同様の材料を織ったり編んだりする工程によらず作られた面状製品である不織布あるいは高分子化合物をシート状やメッシュ状に成形したもの、金属のシート状のものなどが挙げられる。シート状のものは、場合により、スプリット加工やパンチング加工などの後加工を行ってもよい。
【0027】上記不織布の材質としては、ポリエステル、ポリエチレン、レーヨン又はガラスのうちのいずれか一種単独又は二種以上の混合物が使用され、中でもポリエステル、ポリエチレン、レーヨンが好適である。その目付量としては、30〜50g/m2 のものが床材との接着に好適である。
【0028】本発明において、上記シート状の基材の一面には緩衝層として独立気泡発泡体が積層される。独立気泡発泡体の材質は、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリスチレン等を用いることができ、中でも価格と性能面からポリエチレンの20〜30倍発泡体が好適に使用できる。なお、連続気泡の発泡体は耐圧縮性に劣るため、床材と接着した後、ピアノ、冷蔵庫等の大型重量家具が置かれた場合、床のへこみ等の問題が発生するので好ましくない。
【0029】基材の、独立気泡発泡体が積層された面とは反対側の面にエンボス加工が施された場合には、以下のような効果がある。すなわち、制振・遮音シートの保管、輸送時にはシート同士を数十枚重ねて取扱われ、その際にシート同士がブロッキング(合着)し易いが、基材表面にエンボス加工が施された場合には、このようなブロッキングが防止される。また、エンボス加工が施されると、制振・遮音シートの風合いや、接着剤を用いての接着加工の作業性(接着剤の塗布時の延展性)が改善される。
【0030】エンボス加工の方法としては、シートを1対のエンボスロールの間に通してエンボスを付与する方法、シート成型する際に金型のスリット構造を利用してエンボスを付与する方法、ブラスト材の吹き付けによる表面研磨によりエンボスを付与する方法等が挙げられるが、特に限定されない。
【0031】エンボスの形状は、ランダムな凹凸、規則的な幾何学模様の凹凸、ある一定の方向に断面形状が連続している線状の凹凸等が挙げられる。また、規則的な幾何学模様の大きな凹凸と小さいランダムな凹凸との組み合わせや線状の大きな凹凸と小さいランダムな凹凸との組み合わせなども用いられる。なお、幾何学模様の凹凸のユニットの形状としては、四角錐、三角錐、円錐、四角錐台、三角錐台、円錐台、半球状等が挙げられ、これらのユニットが規則的に並んだ模様となる。
【0032】凹凸の表面粗さは特に限定されないが、一般にISO R468に準拠して測定された10点平均粗さで30〜1000μmとされる。また、凹凸の平面でのピッチ(間隔)は、特に限定されないが、一般に50〜2000μmとされる。
【0033】独立気泡発泡体の表面にさらに保護層を設けた場合には、以下のような効果がある。すなわち、独立気泡発泡体は、表面の耐擦傷性や独立気泡発泡体自身の機械的強度が乏しいため、運搬輸送時や施工時に独立気泡発泡体層の傷付きや破れが容易に発生し、緩衝効果が低下し易い。独立気泡発泡体の表面に保護層を設けることにより、このような独立気泡発泡体層の傷付きや破れ等を防止することができる。また、独立気泡発泡体と床用フローリング仕上げ材などの床材との接着の際に、独立気泡発泡体の材質によっては使用できる接着剤が限定されてしまうが、独立気泡発泡体表面に保護層を設けて保護層を介して接着することにより、使用できる接着剤の選択幅が広がる。
【0034】独立気泡発泡体の表面に設ける保護層としては、制振・遮音シートの独立気泡発泡体を積層する面とは反対側の面に積層する保護層と同様のものを用いることができる。
【0035】本発明の制振・遮音シートの基材に繊維状物質を含有させた場合には、制振・遮音シートの強度を向上させることができる。すなわち、制振・遮音シートの運搬、取り扱い時の破損、折れ、形崩れ等を防止することができる。
【0036】上記繊維状物質の含有量は、全基材成分の0.1〜3.0重量%が好ましい。0.1重量%未満では、上述の制振・遮音シートの強度の向上効果が発現しないことがある。3.0重量%を超えると、制振・遮音シートを切削加工する際に切削性が悪化することがある。すなわち、制振・遮音シートは一定の大きさを有するため、建築施工現場のような所で順に端から敷きつめ、端の部分をカッター状のもので切り、部屋の形状、大きさに合わせて部屋全体に敷きつめる。この際、カッター等での切断、柱等の出っ張りの形状に合わせた凹切り等の切断、切削加工が必要となるが、基材中の繊維状物質が多過ぎると抵抗が大きくなり、切りにくくなったり切れなくなったりする。
【0037】上記繊維状物質としては、天然繊維と人造繊維とがあり、人造繊維の中でも多くの種類があるのは合成繊維である。さらに、合成繊維の中には、重縮合系としてポリアミド系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリ尿素系、高重合系として、アクリル系、ポリオレフィン系、ポリスチレン系、ポリ塩化ビニル系、ポリ塩化ビニリデン系、ポリフッ化エチレン系、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール系、ポリシアン化ビニリデン系、ポリプロピレン系等がある。また更に、ポリアクリロニトリルやレーヨンなどの有機繊維や精製した石油ピッチを紡糸して造った繊維を不活性気体中で熱処理し炭化して造った炭化繊維、溶融ガラスを高速で引き伸ばして繊維状に加工したガラス繊維等も挙げられる。
【0038】繊維状物質の形状として特に制約はないが、径は0.01〜0.50mm、長さは1〜50mmで好ましくは3〜15mmのものが用いられる。
【0039】繊維状物質の基材中での配向方向は、制振・遮音シートを積層したときの該シートの長尺方向と同一方向であるのが好ましい。これは、以下の理由による。制振・遮音シートを積層した場合、該シートの基材に繊維状物質を添加した時、繊維状物質の配向の仕方は3通り考えられる。すなわち、繊維状物質の配向方向が、該シートの長手方向と同方向、長手方向と直交配向、方向性を持たないランダム配向の3通りである。一般に、シート状のものは、図29に示すようにシート10の中央を支持すると、長辺11の方向(長手方向)に弓状に反るように変形するので、繊維状物質の配向方向をシートの長手方向と同一方向にすれば、シートの変形に抵抗するように繊維状物質が配向して、シートの変形を抑えることができる。従って、シートの取り扱い時に余分な変形が生じず、シートの破損、折れ、形崩れを防ぐことができる。
【0040】繊維状物質の添加方法としては、例えば基材シートの押出しの際に前工程で供給し、混練後に金型により成形される。この金型の口から出る時、シートの流れ方向に繊維状物質が配向する。シートの長手方向と繊維状物質の配向方向を同一にするには、シートの裁断の際、シートの流れ方向と裁断後のシートの長手方向が平行になるように行う。
【0041】本発明の制振・遮音シートの各層間を積層する際に用いられるホットメルト系接着剤は、ベースポリマーが、合成ゴム、アクリル樹脂及びポリエステル樹脂からなる群より選ばれる一種以上からなることを特徴としている。
【0042】本発明で用いられるホットメルト系接着剤は、160℃での溶融粘度が500〜50000cpsであることが好ましい。50000cpsを超えると、粘度が高すぎるため、塗布性が著しく低下することがある。また、500cps未満の場合、十分な接着強度が得られないことがある。
【0043】上記ホットメルト系接着剤は、JIS K2207に準拠する軟化点が90℃以上であることが好ましい。本発明は、特に住宅の床などに使用して振動や騒音を防止するための制振・遮音シートであるので、軟化点が90℃未満の場合は、本シートの使用時にホットメルト系接着剤が溶融し、接着力が低下するという問題が生じることがある。
【0044】上記ホットメルト系接着剤を塗布する方法としては、何ら制限されるものではない。好ましくは、ノズル式アプリケーター、ロールコーター及びカーテンコーターが使用される。
【0045】
【作用】本発明の制振・遮音シートは、独立気泡発泡体を緩衝層として用いて基材と一体化することで、これを住宅の床に適用した場合、積層した不織布への接着剤の染み込みによる緩衝効果の低下を防ぐことができ、500Hz以上の高い周波数領域での振動や音の減衰効果も低下しない。
【0046】また、基材に繊維状物質を添加した場合には、制振・遮音シートの運搬、取扱時のシートの変形を抑えることができ、強度の向上が図れる。さらに、シートの長手方向と繊維状物質の配向方向を同一にした場合には、シートの変形し易い方向の変形抵抗力を強化することができ、シートの破損防止を図れる。
【0047】さらに、各層間の接着にホットメルト系接着剤を用いた場合には、各種塗布装置を用いることにより、少ない塗布量で十分な層間接着力が得られる。また、溶剤又は水分の除去が不要となり、乾燥工程も不要となる。そのため、溶剤回収や乾燥の設備が不要となり、製品コストを抑えることができる。さらに、溶剤による公害及び衛生上の問題が生じないので、環境汚染防止の観点からも好ましい。加えて、乾燥工程が不要なため、塗布速度が速くなり、生産性も向上する。
【0048】
【実施例】以下、本発明を実施例について詳述する。なお、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
【0049】(実施例1)
本実施例の制振・遮音シート1は、図1に示すように、粒径30μmの酸洗スケール(比重5.1)からなる酸化鉄系フィラーを65重量%、粒径10μmの炭酸カルシウム(比重2.7)からなる軽金属系フィラーを20重量%及びバインダーとしてブローンアスファルト15重量%を加熱混練して製膜した厚さ4mmのシート状の基材1aの片面に、保護層として目付量50g/m2 のポリエステルの不織布1bを溶剤ゴム系接着剤で接着し、他面には、緩衝層として、スキン層を両面に有する厚み2mmのポリエチレンの20倍発泡の独立気泡発泡体1cを溶剤ゴム系接着剤で接着したものである。この制振・遮音シートの厚みは6mm、総面密度は12kg/m2 であった。
【0050】このように構成された厚み6mmの制振・遮音シートを、ユニット式2バイ4住宅(セキスイツーユーホーム)の二階床に適用した場合の構成を図3に示す。すなわち、制振・遮音シート1を独立気泡発泡体1cが上面となるように配置し、その上面に厚さ6mmの乱尺フローリング材2を、下面(不織布1b側)に厚さ20mmのパーチクルボード3を敷いて相互に接着した。それぞれの接着には酢酸ビニルペースト系接着剤(商品名「エスダイン床タイル用」(積水化学工業社製))を用いた。この三層構造の床材を床根太4上に固定した。なお、床根太4と床根太4の間には吸音材5を配置した。
【0051】上述のように構成した住宅において、タッピングマシンを使用してJIS A1418に準拠した測定方法により軽量床衝撃音レベルを測定した。その結果を図4に示す。なお、遮音等級(L−50〜L−75)を表す曲線も併記した。
【0052】(実施例2)
酸化鉄系フィラーとしてBF鋳床スケールを用いた以外は実施例1と同様にして制振・遮音シートを作製した。得られたシートの厚みは6mmで、面密度は12kg/m2 であった。このシートを用いて実施例1と同様に住宅の二階床構造を造り、同様の測定方法により軽量床衝撃音レベルを測定した。その結果を図5に示す。
【0053】(参考例1)
BF鋳床スケールからなる酸化鉄系フィラーを80重量%及びバインダーとしてのブローンアスファルト20重量%を加熱混練し、厚み4mmのシート状の基材を製膜した。以後、実施例1と同様にして制振・遮音シートを作製した。得られたシートの厚みは6mm、面密度は13kg/m2 であった。このシートを用いて実施例1と同様に住宅の二階床構造を造り、同様の測定方法により軽量床衝撃音レベルを測定した。その結果を図6に示す。
【0054】(比較例1)
緩衝層として独立気泡発泡体の代わりに目付量150g/m2 の不織布を使用した以外は実施例1と同様にして制振・遮音シートを作製した。得られたシートの厚みは6mm、面密度は12kg/m2 であった。このシートを用いて実施例1と同様に住宅の二階床構造を造り、同様の測定方法により軽量床衝撃音レベルを測定した。その結果を図7に示す。
【0055】(比較例2)
実施例1と同じ基材を用い、緩衝層を設けない制振・遮音シートを作製した。得られたシートの厚みは4mm、面密度は12kg/m2 であった。このシートを用いて実施例1と同様に住宅の二階床構造を造り、同様の測定方法により軽量床衝撃音レベルを測定した。その結果を図8に示す。
【0056】(比較例3)
制振・遮音シートを使用しないで住宅の二階床構造を造り、実施例1と同様の測定方法により軽量床衝撃音レベルを測定した。その結果を図9に示す。
【0057】以上を比較して分かるように、実施例1、2は遮音等級L−65のレベルを達成し、且つ500Hz以上の周波数域での特性が比較例1より優れている。なお、比較例2はL−65のレベルに達しておらず、制振・遮音シートを使用しない比較例3は、500Hzにおける軽量床衝撃音レベルが74dBであり、L−75のレベルに留まっている。
【0058】(実施例4)
粒径30μmの酸洗スケール(比重5.1)からなる酸化鉄系フィラーを65重量%、粒径10μmの炭酸カルシウム(比重2.7)からなる軽金属系フィラーを20重量%及びバインダーとしてブローンアスファルト15重量%を加熱混練して製膜し、さらに1対の鉄ロール(上ロール面は鏡面、下ロール面は150μmの表面粗さを持つ。)の間に通した。このようにして、厚さが4mmで、一面がほぼ平滑、他面は半球状のエンボスを有し且つ表面粗さが約120μmである基材シートを得た。この基材シートのエンボスが付与されていない平滑面側に、緩衝層として、スキン層を両面に有する厚み2mmのポリエチレンの20倍発泡の独立気泡発泡体を溶剤ゴム系接着剤で接着して制振・遮音シートを得た。この制振・遮音シートの厚みは6mm、シート密度は2.6、総面密度は12kg/m2 であった。
【0059】このシートを用いて実施例1と同様に住宅の二階床構造を造り、同様の測定方法により軽量床衝撃音レベルを測定した。その結果を図10に示す。
【0060】また、このシートの保管時のブロッキング評価を次のようにして行った。シートを10cm角に裁断し、2枚のシート片を一のシート片の表面と他のシート片の裏面とが接するように重ね、その上に24kgの荷重を掛け、50℃又は70℃の温度下で1週間放置し、2枚のシート間のブロッキング(合着)の有無を調べた。この結果を表1に示す。
【0061】(実施例5)
酸化鉄系フィラーとしてBF鋳床スケールを用いた以外は実施例4と同様にして制振・遮音シートを作製した。得られたシートの厚みは6mmで、面密度は12kg/m2 であった。このシートを用いて実施例1と同様に住宅の二階床構造を造り、同様の測定方法により軽量床衝撃音レベルを測定した。その結果を図11に示す。また、保管時のブロッキング評価を実施例4と同様にして行い、その結果を表1に示す。
【0062】(参考例2)
BF鋳床スケールからなる酸化鉄系フィラーを80重量%及びバインダーとしてのブローンアスファルト20重量%を加熱混練し、厚み4mmのシート状の基材を製膜した。以後、実施例4と同様にして制振・遮音シートを作製した。得られたシートの厚みは6mm、面密度は13kg/m2 であった。このシートを用いて実施例1と同様に住宅の二階床構造を造り、同様の測定方法により軽量床衝撃音レベルを測定した。その結果を図12に示す。また、保管時のブロッキング評価を実施例4と同様にして行い、その結果を表1に示す。
【0063】(比較例4)
緩衝層として独立気泡発泡体の代わりに目付量150g/m2 の不織布を使用した以外は実施例4と同様にしてシート制振・遮音シートを作製した。得られたシートの厚みは6mm、面密度は12kg/m2 であった。このシートを用いて実施例1と同様に住宅の二階床構造を造り、同様の測定方法により軽量床衝撃音レベルを測定した。その結果を図13に示す。また、保管時のブロッキング評価を実施例4と同様にして行い、その結果を表1に示す。
【0064】(比較例5)
実施例4と同じ基材を用い、緩衝層を設けない制振・遮音シートを作製した。得られたシートの厚みは4mm、面密度は12kg/m2 であった。このシートを用いて実施例1と同様に住宅の二階床構造を造り、同様の測定方法により軽量床衝撃音レベルを測定した。その結果を図14に示す。また、保管時のブロッキング評価を実施例4と同様にして行い、その結果を表1に示す。
【0065】(比較例6)
エンボスを付与しないこと以外は実施例4と同様にして制振・遮音シートを作製した。このシートについて、保管時のブロッキング評価を実施例4と同様にして行い、その結果を表1に示す。
【0066】以上を比較して分かるように、実施例4、5は各比較例より制振・遮音性が優れ、実施例1、2と同等の性能を有している。また、エンボス付与により、長期、高温保管時にシート間でのブロッキング(合着)防止効果を有している。
【0067】
【表1】


【0068】(実施例7)
粒径30μmの酸洗スケール(比重5.1)からなる酸化鉄系フィラーを65重量%、粒径10μmの炭酸カルシウム(比重2.7)からなる軽金属系フィラーを20重量%及びバインダーとしてブローンアスファルト15重量%を加熱混練して製膜し、厚さが4mmの基材シートを得た。この基材シートの片面に、緩衝層として、目付量50g/m2 のポリエステル不織布を熱ラミした厚み2mmのポリエチレンの20倍発泡の独立気泡発泡体を溶剤ゴム系接着剤で接着して制振・遮音シートを得た。この制振・遮音シートの厚みは6mm、総面密度は12kg/m2 であった。
【0069】このシートを用いて実施例1と同様に住宅の二階床構造を造り、同様の測定方法により軽量床衝撃音レベルを測定した。その結果を表2及び図15に示す。
【0070】(実施例8)
酸化鉄系フィラーとしてBF鋳床スケールを用いた以外は実施例7と同様にして制振・遮音シートを作製した。得られたシートの厚みは6mmで、面密度は12kg/m2 であった。このシートを用いて実施例1と同様に住宅の二階床構造を造り、同様の測定方法により軽量床衝撃音レベルを測定した。その結果を表2及び図16に示す。
【0071】(参考例3)
BF鋳床スケールからなる酸化鉄系フィラーを80重量%及びバインダーとしてのブローンアスファルト20重量%を加熱混練してシート状の基材を製膜した。以後、実施例7と同様にして制振・遮音シートを作製した。さらに、基材の緩衝層の無い面に目付量50g/m2 のポリエステル不織布を溶剤ゴム系接着剤で接着して制振・遮音シートを得た。この制振・遮音シートの厚みは6mm、総面密度は13kg/m2 であった。
【0072】このシートを用いて実施例1と同様に住宅の二階床構造を造り、同様の測定方法により軽量床衝撃音レベルを測定した。その結果を表2及び図17に示す。
【0073】(比較例7)
緩衝層として独立気泡発泡体の代わりに目付量150g/m2 の不織布を使用した以外は実施例7と同様にしてシート制振・遮音シートを作製した。得られたシートの厚みは6mm、面密度は12kg/m2 であった。このシートを用いて実施例1と同様に住宅の二階床構造を造り、同様の測定方法により軽量床衝撃音レベルを測定した。その結果を表2及び図18に示す。
【0074】(比較例8)
実施例7と同じ基材を用い、緩衝層を設けない制振・遮音シートを作製した。得られたシートの厚みは4mm、面密度は12kg/m2 であった。このシートを用いて実施例1と同様に住宅の二階床構造を造り、同様の測定方法により軽量床衝撃音レベルを測定した。その結果を表2及び図19に示す。
【0075】以上を比較して分かるように、実施例7、8は各比較例より制振・遮音性が優れ、実施例1〜5と同等の性能を有している。
【0076】
【表2】


【0077】(実施例10)
粒径30μmの酸洗スケール(比重5.1)からなる酸化鉄系フィラーを65重量%、粒径10μmの炭酸カルシウム(比重2.7)からなる軽金属系フィラーを20重量%、バインダーとしてブローンアスファルト15重量%、さらに繊維状物質としてポリエステル繊維(ユニチカ社製、4〜9デニール、長さ約6mm)を基材に対し0.5重量%を添加した混合物を加熱混練して製膜した厚さ4mmのシート状の基材の片面に、保護層として目付量50g/m2 のポリエステルの不織布を溶剤ゴム系接着剤で接着し、他面には、緩衝層として、スキン層を両面に有する厚み2mmのポリエチレンの20倍発泡の独立気泡発泡体を溶剤ゴム系接着剤で接着した。この制振・遮音シートの厚みは6mm、総面密度は12kg/m2 であった。このシートを、押出しの流れ方向と裁断後のシートの長手方向が平行になるように裁断した。
【0078】この制振・遮音シートを用いて実施例1と同様に住宅の二階床構造を造り、同様の測定方法により軽量床衝撃音レベルを測定した。その結果を図20に示す。
【0079】この制振・遮音シートの強度評価を次のようにして行った。図30に示すように、シート20の片側の短尺辺全長を含む、シート面積の10分の1に相当する長方形の領域が平坦な作業机21に載り、残りのシート部分が作業机21よりはみ出し、宙に浮いた状態を作る。シート20の作業机21上の部分が浮かないように重り22を載せ、シート20の宙に浮いた部分の変形を観察した。10秒後のシート20の折れがないものを合格とした。本実施例のシートの強度評価は合格であった。
【0080】(実施例11)
酸化鉄系フィラーとしてBF鋳床スケールを用いた以外は実施例10と同様にして制振・遮音シートを作製した。得られたシートの厚みは6mmで、面密度は12kg/m2 であった。このシートを用いて実施例1と同様に住宅の二階床構造を造り、同様の測定方法により軽量床衝撃音レベルを測定した。その結果を図21に示す。また、実施例10と同様にして強度評価を行った結果、本実施例のシートの強度評価は合格であった。
【0081】(参考例4)
BF鋳床スケールからなる酸化鉄系フィラーを80重量%及びバインダーとしてのブローンアスファルト20重量%を加熱混練してシート状の基材を製膜した。以後、実施例10と同様にして制振・遮音シートを作製した。得られたシートの厚みは6mmで、面密度は13kg/m2 であった。このシートを用いて実施例1と同様に住宅の二階床構造を造り、同様の測定方法により軽量床衝撃音レベルを測定した。その結果を図22に示す。また、実施例10と同様にして強度評価を行った結果、本実施例のシートの強度評価は合格であった。
【0082】(比較例9)
緩衝層として独立気泡発泡体の代わりに目付量150g/m2 の不織布を使用した以外は実施例10と同様にしてシート制振・遮音シートを作製した。得られたシートの厚みは6mm、面密度は12kg/m2 であった。このシートを用いて実施例1と同様に住宅の二階床構造を造り、同様の測定方法により軽量床衝撃音レベルを測定した。その結果を図23に示す。
【0083】(比較例10)
実施例10と同じ基材を用い、緩衝層を設けない制振・遮音シートを作製した。得られたシートの厚みは4mm、面密度は12kg/m2 であった。このシートを用いて実施例1と同様に住宅の二階床構造を造り、同様の測定方法により軽量床衝撃音レベルを測定した。その結果を図24に示す。
【0084】(比較例11)
実施例10と同様にしてシート制振・遮音シートを作製した。得られたシートを、押出しの流れ方向と裁断後のシートの長手方向が直交するように且つ小さく裁断し、910mm×455mm枚葉のシートを得た。このシートを用いて実施例10と同様にして強度評価を行った結果、シートの折れが生じ、不合格であった。
【0085】以上を比較して分かるように、実施例10、11は各比較例より制振・遮音性が優れ、実施例1〜8と同等の性能を有している。また、シート強度も充分であった。
【0086】(実施例13)
本実施例の制振・遮音シート1’は、図2に示すように、図1に示した実施例1の制振・遮音シート1の独立気泡発泡体1c側にも保護層1bを接着したものである。具体的には、実施例1と同様にして製膜した厚さ4mmのシート状基材1aと、緩衝層として、スキン層を両面に有する厚さ2mmのポリエチレンの20倍発泡の独立気泡発泡体1cを溶剤ゴム系接着剤で接着した。この制振・遮音シートの厚みは6mm、総面密度は12kg/m2 であった。このシートを用いて実施例1と同様に住宅の二階床構造を造り、同様の測定方法により軽量床衝撃音レベルを測定した。その結果を図25に示す。
【0087】(実施例14)
本実施例の制振・遮音シート1は、図1に示すように、粒径30μmの酸洗スケール(比重5.1)からなる酸化鉄系フィラーを65重量%、粒径10μmの炭酸カルシウム(比重2.7)からなる軽金属系フィラーを20重量%及びバインダーとしてブローンアスファルト15重量%を加熱混練して製膜した厚さ4mmのシート状の基材1aの片面に、保護層として目付量50g/m2 のポリエステルの不織布1bを合成ゴム系ホットメルト接着剤で接着し、他面には、緩衝層として、スキン層を両面に有する厚み2mmのポリエチレンの20倍発泡の独立気泡発泡体1cを合成ゴム系ホットメルト接着剤で接着したものである。なお、用いたホットメルト系接着剤の軟化点は94℃、160℃での溶融粘度は3000cpsである。この制振・遮音シートの厚みは6mm、総面密度は12kg/m2 であった。
【0088】この制振・遮音シートを用いて実施例1と同様に住宅の二階床構造を造り、同様の測定方法により軽量床衝撃音レベルを測定した。その結果を図26に示す。
【0089】(実施例15)
酸化鉄系フィラーとしてBF鋳床スケールを用いた以外は実施例14と同様にして制振・遮音シートを作製した。得られたシートの厚みは6mmで、面密度は12kg/m2 であった。このシートを用いて実施例1と同様に住宅の二階床構造を造り、同様の測定方法により軽量床衝撃音レベル測定した。その結果を図27に示す。
【0090】(参考例5)
BF鋳床スケールからなる酸化鉄系フィラーを80重量%及びバインダーとしてのブローンアスファルト20重量%を加熱混練し、厚み4mmのシート状の基材を製膜した。以後、実施例1と同様にして制振・遮音シートを作製した。得られたシートの厚みは6mm、面密度は13kg/m2 であった。このシートを用いて実施例1と同様に住宅の二階床構造を造り、同様の測定方法により軽量床衝撃音レベルを測定した。その結果を図28に示す。
【0091】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明の制振・遮音シートは緩衝層として独立気泡発泡体を用いたことにより大きな制振・遮音効果が得られ、且つ500Hz以上の高い周波数領域でも減衰効果が低下しない。また、基材の原料として、鉄の製鋼、圧延、表面処理等の処理工程で発生する非常に安価なスケール類を用いたことにより、製造原価を大幅に低減することができる。さらに、基材に繊維状物質を添加したことにより、シートの強度を向上することができる。また、本発明の制振・遮音シートを製造する際にホットメルト系接着剤により各構成体を接着する場合には、溶剤又は水分の蒸発除去が不要となり、乾燥工程が不要となるので、環境汚染の問題すなわち溶剤による公害あるいは衛生上の問題も生じない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の制振・遮音シートの一実施例を示す断面図である。
【図2】本発明の制振・遮音シートの他の実施例を示す断面図である。
【図3】実施例1の制振・遮音シートをユニット式2バイ4住宅の床に適応した状態図である。
【図4】実施例1の制振・遮音シートをユニット式2バイ4住宅の床に適応した場合における軽量床衝撃音レベルのオクターブ帯域中心周波数に対する特性を示す線図である。
【図5】実施例2の制振・遮音シートをユニット式2バイ4住宅の床に適応した場合における軽量床衝撃音レベルのオクターブ帯域中心周波数に対する特性を示す線図である。
【図6】参考例1の制振・遮音シートをユニット式2バイ4住宅の床に適応した場合における軽量床衝撃音レベルのオクターブ帯域中心周波数に対する特性を示す線図である。
【図7】比較例1の制振・遮音シートをユニット式2バイ4住宅の床に適応した場合における軽量床衝撃音レベルのオクターブ帯域中心周波数に対する特性を示す線図である。
【図8】比較例2の制振・遮音シートをユニット式2バイ4住宅の床に適応した場合における軽量床衝撃音レベルのオクターブ帯域中心周波数に対する特性を示す線図である。
【図9】比較例3の制振・遮音シートをユニット式2バイ4住宅の床に適応した場合における軽量床衝撃音レベルのオクターブ帯域中心周波数に対する特性を示す線図である。
【図10】実施例4の制振・遮音シートをユニット式2バイ4住宅の床に適応した場合における軽量床衝撃音レベルのオクターブ帯域中心周波数に対する特性を示す線図である。
【図11】実施例5の制振・遮音シートをユニット式2バイ4住宅の床に適応した場合における軽量床衝撃音レベルのオクターブ帯域中心周波数に対する特性を示す線図である。
【図12】参考例2の制振・遮音シートをユニット式2バイ4住宅の床に適応した場合における軽量床衝撃音レベルのオクターブ帯域中心周波数に対する特性を示す線図である。
【図13】比較例4の制振・遮音シートをユニット式2バイ4住宅の床に適応した場合における軽量床衝撃音レベルのオクターブ帯域中心周波数に対する特性を示す線図である。
【図14】比較例5の制振・遮音シートをユニット式2バイ4住宅の床に適応した場合における軽量床衝撃音レベルのオクターブ帯域中心周波数に対する特性を示す線図である。
【図15】実施例7の制振・遮音シートをユニット式2バイ4住宅の床に適応した場合における軽量床衝撃音レベルのオクターブ帯域中心周波数に対する特性を示す線図である。
【図16】実施例8の制振・遮音シートをユニット式2バイ4住宅の床に適応した場合における軽量床衝撃音レベルのオクターブ帯域中心周波数に対する特性を示す線図である。
【図17】参考例3の制振・遮音シートをユニット式2バイ4住宅の床に適応した場合における軽量床衝撃音レベルのオクターブ帯域中心周波数に対する特性を示す線図である。
【図18】比較例7の制振・遮音シートをユニット式2バイ4住宅の床に適応した場合における軽量床衝撃音レベルのオクターブ帯域中心周波数に対する特性を示す線図である。
【図19】比較例8の制振・遮音シートをユニット式2バイ4住宅の床に適応した場合における軽量床衝撃音レベルのオクターブ帯域中心周波数に対する特性を示す線図である。
【図20】実施例10の制振・遮音シートをユニット式2バイ4住宅の床に適応した場合における軽量床衝撃音レベルのオクターブ帯域中心周波数に対する特性を示す線図である。
【図21】実施例11の制振・遮音シートをユニット式2バイ4住宅の床に適応した場合における軽量床衝撃音レベルのオクターブ帯域中心周波数に対する特性を示す線図である。
【図22】参考例4の制振・遮音シートをユニット式2バイ4住宅の床に適応した場合における軽量床衝撃音レベルのオクターブ帯域中心周波数に対する特性を示す線図である。
【図23】比較例9の制振・遮音シートをユニット式2バイ4住宅の床に適応した場合における軽量床衝撃音レベルのオクターブ帯域中心周波数に対する特性を示す線図である。
【図24】比較例10の制振・遮音シートをユニット式2バイ4住宅の床に適応した場合における軽量床衝撃音レベルのオクターブ帯域中心周波数に対する特性を示す線図である。
【図25】比較例13の制振・遮音シートをユニット式2バイ4住宅の床に適応した場合における軽量床衝撃音レベルのオクターブ帯域中心周波数に対する特性を示す線図である。
【図26】実施例14の制振・遮音シートをユニット式2バイ4住宅の床に適応した場合における軽量床衝撃音レベルのオクターブ帯域中心周波数に対する特性を示す線図である。
【図27】実施例15の制振・遮音シートをユニット式2バイ4住宅の床に適応した場合における軽量床衝撃音レベルのオクターブ帯域中心周波数に対する特性を示す線図である。
【図28】参考例5の制振・遮音シートをユニット式2バイ4住宅の床に適応した場合における軽量床衝撃音レベルのオクターブ帯域中心周波数に対する特性を示す線図である。

【図29】
シートを中央支持した場合の反りの様子を示す説明図である。
【図30】制振・遮音シートの強度の評価方法を示す説明図である。
【符号の説明】
1 制振・遮音シート
1a 基材
1b 保護層(不織布)
1c 独立気泡発泡体
2 乱尺フローリング材
3 パーチクルボード
4 床根太
5 吸音材
10 シート
11 長辺
20 シート
21 作業机
22 重り

【特許請求の範囲】
【請求項1】 酸化鉄を主成分とする比重4.5〜5.5の酸化鉄系フィラーと軽金属の炭酸塩又は水酸化物からなる比重2.0〜3.0の軽金属系フィラーとの混合物からなるフィラーと、アスファルトからなるバインダーとを含有するシート状の基材の一面に独立気泡発泡体が積層されてなることを特徴とする制振・遮音シート。
【請求項2】 酸化鉄を主成分とする比重4.5〜5.5の酸化鉄系フィラーと軽金属の炭酸塩又は水酸化物からなる比重2.0〜3.0の軽金属系フィラーとの混合物からなるフィラーと、アスファルトからなるバインダーとを含有するシート状の基材の一面に独立気泡発泡体が積層され、更に、基材の他面及び独立気泡発泡体の表層面のうち少なくともいずれかの面に保護層が積層されてなることを特徴とする制振・遮音シート。
【請求項3】 基材の独立気泡発泡体が積層された面とは反対側の面にエンボス加工が施されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の制振・遮音シート。
【請求項4】 基材がフィラーを90〜65重量%、アスファルトからなるバインダーを10〜35重量%含有していることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の制振・遮音シート。
【請求項5】 シート全体の総比重が2.5〜5.5であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の制振・遮音シート。
【請求項6】 独立気泡発泡体が、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリウレタン及びポリスチレンからなる群より選ばれる1種以上からなることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の制振・遮音シート。
【請求項7】 保護層が、不織布からなることを特徴とする請求項2乃至請求項6のいずれか1項記載の制振・遮音シート。
【請求項8】 不織布が、ポリエステル、ポリエチレン、レーヨン及びガラスからなる群より選ばれる1種以上からなることを特徴とする請求項7記載の制振・遮音シート。
【請求項9】 基材成分として繊維状物質を全基材成分の0.1〜3.0重量%含有していることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項記載の制振・遮音シート。
【請求項10】 繊維状物質が、ポリエステル繊維、ガラス繊維、炭素繊維、ポリプロピレン繊維及びアクリル繊維の中から選ばれる一種単独又は二種以上であることを特徴とする請求項9記載の制振・遮音シート。
【請求項11】 制振・遮音シートの長尺方向と基材中の繊維状物質の配向方向とが同一方向となるように積層されてなることを特徴とする請求項9又は請求項10記載の制振・遮音シート。
【請求項12】 各層間がホットメルト系接着剤により接着されていることを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれか1項記載の制振・遮音シート。
【請求項13】 ホットメルト系接着剤の主成分が、合成ゴム、アクリル樹脂及びポリエステル樹脂からなる群より選ばれる1種以上からなることを特徴とする請求項12記載の制振・遮音シート。
【請求項14】 ホットメルト系接着剤の160℃での溶融粘度が500〜50000cpsであり、且つホットメルト系接着剤のJIS K2207に準拠する軟化点が90℃以上であることを特徴とする請求項12又は請求項13記載の制振・遮音シート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図29】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図30】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【特許番号】第2735812号
【登録日】平成10年(1998)1月9日
【発行日】平成10年(1998)4月2日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平7−139416
【出願日】平成7年(1995)6月6日
【公開番号】特開平8−150682
【公開日】平成8年(1996)6月11日
【審査請求日】平成8年(1996)9月4日
【早期審査対象出願】早期審査対象出願
【前置審査】 前置審査
【出願人】(000002174)積水化学工業株式会社 (5,781)
【参考文献】
【文献】特開 平1−90360(JP,A)
【文献】実開 平4−56084(JP,U)
【文献】実開 昭56−102035(JP,U)
【文献】実公 平5−34922(JP,Y2)