説明

刷毛

【課題】両手を用いることなく大型毛束と小型毛束を使い分けることのできる刷毛を提供すること。
【解決手段】柄部16及び小型毛束20を有する小型毛束付部材12と、指通し孔18及び大型毛束22を有する大型毛束付部材14と、大型毛束付部材14の小型毛束付部材12に対する摺動を許容して大型毛束付部材14と小型毛束付部材12を係合する突起挿入部29、突起部47と、係合された状態で大型毛束22が小型毛束20に対して後退している時に、大型毛束22を小型毛束20から突出させる方向に大型毛束付部材14を摺動させる付勢力を与えるバネ43と、大型毛束22と小型毛束20が面一となる大型毛束付部材14の位置で大型毛束付部材14の摺動を制止するねじ孔35及びねじ40と、で刷毛10を構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、刷毛に関し、特に、大型の毛束と小型の毛束を有しており、塗装場所の状態に応じて、それら毛束を切り替えて使用することができる刷毛に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、鉄塔やビルの外壁等の塗装は、昇降機等で塗装が必要な場所まで昇った作業員によって、塗料を毛に染み込ませた刷毛を用いて手作業で行われる。このような鉄塔等の塗装においては、鉄骨の表面のように塗装面積が広い箇所と、ボルトの部分等の塗装面積が狭い箇所が存在する。
【0003】
そのような塗装面積の異なる部分の塗装をスムーズに行うためには、広い面積の部分を塗装するための大型の毛束が取り付けられた刷毛と、大型の毛束では塗りづらい狭い面積の部分の塗装するための小型の毛束が取り付けられた刷毛と、の少なくとも2種類の刷毛を使い分ける必要があった。
【0004】
このように2種類の刷毛を作業時に使い分けることは、作業効率が著しく悪く、また、使用していない刷毛を落下させてしまう等の危険があった。また、1種類の刷毛しか形態できない場合は、刷毛を交換する際に、使用していないもう一方の刷毛を離れた場所まで取りに行き、それに塗料を付け元の作業場所に戻らなければならず、その度、塗装作業が中断されて作業効率が著しく低下してしまうという問題があった。この問題を解決すべく、特許文献1には、図7に示すような刷毛100について記載されている。図示のように、刷毛100においては、柄102にそって摺動するスライダ101に取り付けられた支持棒103の先端に、小型毛束106が設けられている。この支持棒103は、大型毛束104のホルダ105に設けられた孔部に107に摺動可能に挿入されている。
【0005】
この構成により、刷毛100では、スライダ101を大型毛束104の毛先方向に移動させることにより、小型毛束106が突出し、スライダ101を大型毛束104の毛先方向と逆の方向に移動させることにより、小型毛束106は、大型毛束104の内部に収容される。これにより、小型毛束106を突出させることで塗装面積の狭い場所を塗装することができ、一方、小型毛束106を収容することにより大型毛束104で塗装できる状態となり、塗装面積の広い場所を塗装することができる。
【0006】
従って、塗装面積に応じて刷毛自体を取り替える作業を行うことなく、1本の刷毛で塗装面積が広い箇所と塗装面積が狭い箇所の塗り分けを行うことができるので、刷毛の交換作業を省略することができ、作業効率を向上させることができる。
【0007】
【特許文献1】特開平5−49511号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記特許文献1の技術においては、スライダ101と柄102を一方の手で包みこむ状態で作業を行うため、小型毛束106を大型毛束104から突出させる、或いは、突出した小型毛束106を収容させるために柄102を持っている手とは、反対の手を用いてスライダ101を移動させなければならなかった。これにより、大型毛束104と小型毛束106の切り替えの時には、刷毛自体を取り替える必要はないが両手を用いなければならないので、2種類の刷毛を用いる場合ほどではないものの、毛束の切り替えによって塗装作業の効率が低下するという問題があった。
【0009】
また、鉄塔等の塗装は、足場の悪い高所で行われることが多いため、大型毛束104と小型毛束106を取り替える際に両手を使用することは、作業員にとって危険であるという問題もあった。
【0010】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、両手を用いることなく大型毛束と小型毛束を使い分けることのできる刷毛を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するための請求項1に記載の刷毛は、先端に小型毛束が設けられその基端に手で把持する小型毛束側把持部を有する小型毛束付部材と、先端に大型毛束が設けられその基端に手で把持する大型毛束側把持部を有する大型毛束付部材と、前記小型毛束付部材と前記大型毛束付部材との相対的な摺動を許容して該小型毛束付部材と前記大型毛束付部材を係合する係合手段と、該係合手段によって係合した状態で前記小型毛束と前記大型毛束が面一となる位置又は、前記小型毛束が前記大型毛束よりも突出する位置となるように前記小型毛束付部材又は前記大型毛束付部材を付勢する付勢手段と、前記小型毛束と前記大型毛束が面一となる位置又は、前記小型毛束が前記大型毛束より突出する位置で前記小型毛束付部材と前記大型毛束付部材の相対的な摺動を制止する制止手段と、を有し、前記小型毛束側把持部と前記大型毛束側把持部の両方を同じ手で把持し動かすことにより前記小型毛束付部材と前記大型毛束付部材を相対的に摺動させることが可能であることを特徴とする。
【0012】
これによれば、小型毛束付部材と大型毛束付部材の相対的な摺動によって、小型毛束が大型毛束に対して突出する状態と小型毛束が大型毛束と面一となる状態との切り替え、或いは、大型毛束が小型毛束と面一になる状態と大型毛束が小型毛束に対して後退する状態との切り替えが行われる。従って、本発明の刷毛によれば、両手を用いることなく片手による操作で、塗装に用いる毛束の切り替えを行うことができる。また、本発明においては、小型毛束付部材と大型毛束付部材の相対的な摺動に、付勢手段による付勢力を利用することができる。
【0013】
請求項2に記載の刷毛は、請求項1に記載の発明において、前記小型毛束側把持部は、手の平で支持する部分である柄部として構成され、前記大型毛束側把持部は、前記柄部を把持した手で指を掛ける指掛け部として構成され、前記係合手段により前記小型毛束付部材と大型毛束付部材とが係合した状態で前記柄部を手の平で支持した状態で前記指掛け部にその手の指を掛け動かすことにより前記大型毛束付部材を前記小型毛束付部材に対して摺動させることが可能であり、前記大型毛束が前記小型毛束に対して後退している状態の時、前記付勢手段により前記大型毛束と小型毛束が面一となるように前記大型毛束付部材が付勢され、前記制止手段により前記大型毛束と前記小型毛束が面一となる前記大型毛束付部材の位置で該大型毛束付部材の摺動が制止されることを特徴とする。
【0014】
これにより、大型毛束と小型毛束とが面一となる状態と大型毛束の後退する状態の切り替え、すなわち、塗装に用いる毛束の切り替えを行うことができる。また、本発明においては、大型毛束が小型毛束に対して後退する状態から、大型毛束と小型毛束が面一となる状態への切り替えは、付勢手段による付勢を利用して行うことができる。
【0015】
請求項3に記載の刷毛は、請求項2に記載の発明において、前記係合手段は、前記大型毛束付部材が摺動する方向に沿って該大型毛束付部材に延在する突起部と、前記小型毛束付部材に設けられ前記突起部の摺動を許容し該突起部が挿入される突起挿入部と、を有することを特徴とする。これにより、大型毛束付部材の小型毛束付部材に対する摺動を許容しつつ当該両部材を係合する構成が容易に実現される。
【0016】
請求項4に記載の刷毛は、請求項3に記載の発明において、前記制止手段は、前記突起挿入部に設けられ、前記突起部に当接して該突起部の離脱を防止する離脱防止部材であることを特徴とする。これにより、大型毛束付部材と小型毛束付部材との係合状態が確実に保たれ、それらが分離することを防止することができる。
【0017】
請求項5に記載の刷毛は、請求項2〜4の何れか1項に記載の発明において、前記指掛部は、前記大型毛束付部材に基端に設けられた指通し孔として構成されたことを特徴とする。これにより、指通し孔に指を通して容易に大型毛束付部材に指を掛けることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明にかかる刷毛によれば、小型毛束付部材と大型毛束付部材の相対的な摺動によって、小型毛束が大型毛束に対して突出する状態と小型毛束が大型毛束と面一となる状態との切り替え、或いは、大型毛束が小型毛束と面一になる状態と大型毛束が小型毛束に対して後退する状態との切り替えが行われる。
【0019】
従って、本発明の刷毛によれば、両手を用いることなく片手による操作で、塗装に用いる毛束の切り替えを行うことができる。また、本発明においては、小型毛束付部材と大型毛束付部材の相対的な摺動に、付勢手段による付勢力を利用することができる。
【0020】
従って、短時間かつ容易に毛束の切り替えを行うことができるので、塗装作業の効率の低下を最小限に抑えることができる。また、刷毛を持たない方の手は自由な状態であるので、高所かつ足場が悪い場所での作業における危険も軽減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明にかかる実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、本実施の形態にかかる刷毛10の概略斜視図である。図示のように、刷毛10は、小型毛束付部材12と大型毛束付部材14が一体化された状態で構成されており、小型毛付部材12の柄部16を把持した状態で、大型毛束付部材14の指通し孔18に柄部16を把持している手の指を掛けて使用する。
【0022】
後に詳細に説明するが、本実施の形態の刷毛10では、指通し孔18に掛けた指を手前側に引くことにより、大型毛束付部材14が小型毛束付部材12に対して摺動し大型毛束22が後退する。すなわち、大型毛束22が塗装面に対して小型毛束20よりも後退した状態となる。なお、図1は、丁度、大型毛束22が小型毛束20より後退した状態を示している。また、上述の引いた指を戻すと大型毛束付部材14が元の位置に戻り、大型毛束22と小型毛束20が面一となる。
【0023】
以下、小型毛束付部材12の構成、大型毛束付部材14の構成及び大型毛束付部材14が小型毛束付部材12に対して摺動するための機構について詳細に説明する。
【0024】
図2は、小型毛束付部材12の構成を示す説明図である。図示のように、小型毛束付部材12は、いわゆるピストル型の形状であり、基端が手で把持する部分である柄部16として構成され、この柄部16の上端から屈曲し延在する本体部24を有している。なお、本実施の形態では、小型毛束付部材12は、ポリアミド、ポリエチレン、エポキシ樹脂等の樹脂性で形成されている。
【0025】
柄部16は、略中空に構成されるとともに、手で把持した際に手の平が当接する部分であり所定の厚み(例えば5mm程度)を有した柄壁部16aと、この柄壁部16aが下方で屈曲して連続形成された底面部16bと、この底面部16bの前方側端部が更に屈曲され形成された薬指と小指を当接させる部分である指当接部16cを有している。
【0026】
柄部16の上部において、柄壁部16aの内側面に、一端が開口した固定筒17が柄壁部16aと一体に形成されており、この固定筒17は、平坦な底面17aを有している。また、指当接部16cの上方は、後述する大型毛束付部材14の挿入を許容する開口19が設けられている。
【0027】
本体部24は、柄部16と同様に略中空に形成されており、柄壁部16aの上部から連続して形成される本体壁部24aを有している。図3には、小型毛束付部材12を正面側から視た図を示す。なお、図3には、簡略化のため固定筒17を図示しない。
【0028】
図2、図3に示されるように、この本体壁部24aは、本体部24の先端位置において前面壁部24bを形成している。そして、この前面壁部24bの表面側には、山羊の毛や牛革等で作成された毛を複数束ねて形成された小型毛束20が設けられている。
【0029】
前面壁部24bの下部にはその裏面側から本体部24の延在方向に延在した一対の突状ガイド28及び、この突状ガイド28の下方で同様に平行に延在した突状ガイド30がそれぞれ設けられており、その突状ガイド28、30の間に後述する大型毛束付部材14の突起部47を挿入する突起挿入部29が形成されている。また、突起挿入部29の先端部29aの近傍で突起挿入部29を囲む両壁部上には、ねじ40を挿入するねじ孔35が設けられている。このねじ40は、大型毛束付部材14の突起部47の離脱を防止する離脱防止手段として作用する。
【0030】
図4は、大型毛束付部材14の構成を示す説明図であり、図5は、大型毛束付部材14を大型毛束22側から見た状態を示している。大型毛束付部材14は、全体として樹脂製で壁部14aを有し略中空に構成されている。また、大型毛束付部材14の基端37には、円形の孔として形成される指通し孔18が設けられている。
【0031】
なお、本実施の形態では、小型毛束付部材12の柄部16を把持した状態で、その手の指を掛けやすいようにこの指通し孔18を設けているが、この指通し孔18を設けることなく、基端37に指を掛けるようにしても良い。
【0032】
基端37の後端には、円筒形の支持筒41に収納された付勢手段としてのバネ43が取り付けられている。このバネ43は、大型毛束22の延在方向と略同方向に伸縮するように設置されており、支持筒41によって、支持されている。
【0033】
一方、この基端37から先端に向かって毛付部45が延在しており、この毛付部45の上部には、凹部46が形成されている。この凹部46は、毛付部45の長手部分の全体に亘って設けられており、この凹部が設けられたことにより毛付部45の上端に一対の突起部47が形成される。後に詳細に説明するが、この突起部47は、大型毛束付部材14が小型毛束付部材12と一体化される際に、小型毛束付部材12の突起挿入部29に挿入されるものである。
【0034】
また、毛付部45の先端の部分では、壁部14aが屈曲することで前面壁部14bが形成されており、この前面壁部14bの表面側には、山羊の毛や牛革等で作成された毛を複数束ねて形成された大型毛束22が設けられている。
【0035】
次に、小型毛束付部材12と大型毛束付部材14が一体化され刷毛10として作動する状態について説明する。図6には、小型毛束付部材12と大型毛束付部材14が一体化され、大型毛束付部材14が小型毛束付部材12に対して摺動する状態を示している。図示のように、本実施の形態の刷毛10は、小型毛束付部材12の突起挿入部29の先端部29aを大型毛束付部材14の突起部47の後端部47aから挿入して一体化することにより構成される。
【0036】
この挿入によって、バネ43が収容された支持筒41が固定筒17に挿入され、バネ43の先端が底面17aに当接する。そして、ねじ40をねじ孔35に挿通させることで、このねじ40により前面壁部14bが支持される。これによって、大型毛束付部材14がねじ40の位置で係止され、大型毛束付部材14の小型毛束付部材12からの離脱を防止することができる。なお、前面壁部14bがねじ40に当接して係止される位置では、大型毛束22と小型毛束20が面一となっている。このように大型毛束22と小型毛束20が面一の状態では、小型毛束20と大型毛束22の両方の毛束を合わせて塗装面に塗装を行う状態となるので、鉄骨の表面等の塗装面積の大きい場所における塗装を良好に行うことができる。
【0037】
そして、柄16を手で把持し、その手の人差し指と中指を指掛け部18に掛けて、その指を手前側に引くことにより、図の二点鎖線で示したように大型毛束付部材14が小型毛束付部材12に対して摺動し手前側に移動する。従って、小型毛束20と面一であった大型毛束22は、大型毛束付部材14の手前側への移動に伴って、小型毛束20に対して後退する状態となる。
【0038】
従って、上述のように指を引いた状態において、塗装面に対して小型毛束20のみが突出するので、鉄塔のボルト等の小型の毛で塗装する必要がある場所においての塗装を行うことができる。
【0039】
一方、上述の手前側に引く力を解放すると、バネ43の付勢力により、大型毛束付部材14が摺動し、上記移動の前の元の位置に戻る。すなわち、大型毛束22と小型毛束20が再び面一となる。従って、大型毛束22が小型毛束20に対して後退する状態から大型毛束22と小型毛束20が面一となる状態への切り替えは、バネ43による付勢力を利用して行うことができるので、毛束の切り替えをより容易に行うことができる。
【0040】
なお、このバネ43は、固定筒17及び支持筒41によりガイドされているので、変位すべき方向からずれることなく大型毛束付部材14に付勢力を与えることができる。従って、大型毛束22と小型毛束20が面一となるように大型毛束部材14を適正に移動させることができる。
【0041】
以上のことにより、本実施の形態にかかる刷毛10においては、両手を用いることなく片手による操作で、大型毛束22が小型毛束20と塗装面に対して並ぶ状態と後退する状態の切り替え、すなわち、塗装に用いる毛束の切り替えを行うことができる。従って、短時間かつ容易に毛束の切り替えを行うことができるので、塗装作業の効率の低下を最小限に抑えることができる。また、刷毛を持たない方の手は自由な状態であるので、高所かつ足場が悪い場所での作業における危険も軽減することができる。
【0042】
また、本発明の本質的な部分ではないが、上述の刷毛10は、高所で使用されるので、この刷毛10が作業員の手から落下することを防止するために、小型毛束付部材12に紐をかける紐掛け部を設け、その紐掛け部に掛けた紐を腕に付けて塗装作業を行うようにしても良い。
【0043】
なお、本発明は、上記実施の形態に限られるものではなく、発明の要旨の範囲内で種々の変更が可能である。例えば、本実施の形態の刷毛10においては、大型毛束付部材14の指通し孔18に指を掛け手前側に引いた状態を保つ、すなわち、指で指通し孔18を押さえることで大型毛束22を突出させることができたが、大型毛束付部材14を手前に引いた状態の位置で、指で押さえることなく固定できる機構を設けても良い。
【0044】
これにより、刷毛10を大型毛束22が後退する状態、すなわち、小型毛束20が突出した状態に固定することができるので、塗装面積の小さい場所での塗装を長い時間行う場合等においても指通し孔18に指を掛け手前に引いた状態を保つ必要がない。従って、塗装面積の小さい場所における塗装作業が容易なものとなる。
【0045】
更に、本実施の形態では、大型毛束付部材14の小型毛束付部材12に対する摺動によって、小型毛束20と大型毛束22が面一となる状態と大型毛束22が小型毛束20に対して後退する状態との切り替えが、行われているが、小型毛束付部材12が大型毛束付部材14に対して摺動することによって、小型毛束20が大型毛束22に対して突出する状態と、それらが面一になる状態とを切り替えるようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本実施の形態にかかる刷毛の使用状態を示す説明図である。
【図2】小型毛束付部材の構成を示す説明図である。
【図3】小型毛束付部材を正面から視た状態を示す説明図である。
【図4】大型毛束付部材の構成を示す説明図である。
【図5】大型毛束付部材を正面から視た状態を示す説明図である。
【図6】大型毛束付部材と小型毛束付部材が一体化された状態を示す図である。
【図7】従来の技術を示す図である。
【符号の説明】
【0047】
10 刷毛
12 小型毛束付部材
14 大型毛束付部材
16 柄部
17 固定筒
18 指通し孔
20 小型毛束
22 大型毛束
29 突起挿入部
41 支持筒
43 バネ(付勢手段)
47 突起部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端に小型毛束が設けられその基端に手で把持する小型毛束側把持部を有する小型毛束付部材と、
先端に大型毛束が設けられその基端に手で把持する大型毛束側把持部を有する大型毛束付部材と、
前記小型毛束付部材と前記大型毛束付部材との相対的な摺動を許容して該小型毛束付部材と前記大型毛束付部材を係合する係合手段と、
該係合手段によって係合した状態で前記小型毛束と前記大型毛束が面一となる位置又は、前記小型毛束が前記大型毛束よりも突出する位置となるように前記小型毛束付部材又は前記大型毛束付部材を付勢する付勢手段と、
前記小型毛束と前記大型毛束が面一となる位置又は、前記小型毛束が前記大型毛束より突出する位置で前記小型毛束付部材と前記大型毛束付部材の相対的な摺動を制止する制止手段と、を有し、
前記小型毛束側把持部と前記大型毛束側把持部の両方を同じ手で把持し動かすことにより前記小型毛束付部材と前記大型毛束付部材を相対的に摺動させることが可能であることを特徴とする刷毛。
【請求項2】
前記小型毛束側把持部は、
手の平で支持する部分である柄部として構成され、
前記大型毛束側把持部は、
前記柄部を把持した手で指を掛ける指掛け部として構成され、
前記係合手段により前記小型毛束付部材と大型毛束付部材とが係合した状態で前記柄部を手の平で支持した状態で前記指掛け部にその手の指を掛け動かすことにより前記大型毛束付部材を前記小型毛束付部材に対して摺動させることが可能であり、
前記大型毛束が前記小型毛束に対して後退している状態の時、前記付勢手段により前記大型毛束と小型毛束が面一となるように前記大型毛束付部材が付勢され、
前記制止手段により前記大型毛束と前記小型毛束が面一となる前記大型毛束付部材の位置で該大型毛束付部材の摺動が制止されることを特徴とする請求項1に記載の刷毛。
【請求項3】
前記係合手段は、
前記大型毛束付部材が前記小型毛束付部材に対して摺動する方向に沿って該大型毛束付部材に延在する突起部と、
前記小型毛束付部材に設けられ前記突起部の摺動を許容し該突起部が挿入される突起挿入部と、を有することを特徴とする請求項2に記載の刷毛。
【請求項4】
前記制止手段は、
前記突起挿入部に設けられ、前記突起部に当接して該突起部の離脱を防止する離脱防止部材であることを特徴とする請求項3に記載の刷毛。
【請求項5】
前記指掛部は、
前記大型毛束付部材に基端に設けられた指通し孔として構成されたことを特徴とする請求項2〜4の何れか1項に記載の刷毛。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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