説明

力センサ、荷重検出装置及び形状測定装置

【課題】 小型化が可能で、高分解能で、安価な力センサを提供する。
【解決手段】 絶縁性のセラミックスからなる可撓性基板11と、可撓性基板の両端を支持する支持部12a、12bを備えた固定部材12と、可撓性基板11の支持部間に設けられたプローブホルダー16とプローブ17とを備え、プローブ17に荷重を付加したときに、可撓性基板11上の歪みが生じる部位に薄膜状に形成され、可撓性基板の歪みにより電気抵抗値が変化する4つの歪みゲージ13a〜13dと、該歪みゲージによりプローブに加わった力を測定するとともに、前記プローブホルダーが移動する範囲を制限するようにプローブホルダーの一部をカバー18で覆った。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は主に半導体製造分野における電気測定、故障解析等におけるプローブの接触検出、及び超精密加工時等における形状測定、及びバイオテクノロジー等におけるマニピュレーション等の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術の一例として三次元測定機の構成を図16に示す。三次元測定機80は、プローブ81がXYZ方向の三次元変位計82を備えたXYZステージ83に取り付けられている。XYZステージ83は制御・駆動部84、PC85及び操作部86によってプローブ81をXYZ方向に移動させることができる。手動或いはモータでXYZステージ83を操作してプローブ81が測定対象物88に押し付けられたときのXYZ方向の変位を三次元変位計82によって測定し表示器87に表示させることによって、測定対象物88の形状を測定する。三次元変位計82としては、通常、ガラススケールが使用されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、超精密加工の加工精度は数十nmレベルに達しているのに対して、図16に示す加工物の形状測定装置の測定精度は、サブμm程度であり、より高精度に測定することへの要求が高まっている。また、ガラススケールを用いた場合は、測定装置も大きくなる。そのため、加工物の大型化による測定範囲の増加、複雑形状化による測定ポイント数の増加によって測定時間が長時間化しており、測定時間の短縮に対する要求も高まっている。
【0004】
また、従来の形状測定装置はプローブを手動或いはモータで測定対象物に押しつける方式のため、プローブが測定対象物に接触するときの荷重を一定にすることが困難である。そのため、プローブや測定器本体の剛性による変形量が測定者や測定毎に異なったり、測定形状の傾斜角が大きい場合には荷重が変動してしまうために測定誤差が大きくなるという問題があった。この問題を解決するために、形状測定時の接触力を高精度、高分解能に測定することができる力センサが求められていた。またプローブや力センサやそれを移動させる手段の構造が複雑化することによって装置の価格が高価になるという問題があった。更に測定時間の短縮についてはプローブを高速に移動する必要があるが、プローブが大型で重量が大きいと高速に移動することが困難であるという問題があった。
【0005】
本発明はこれらの問題点を鑑みてなされたものであり、小型化が可能で、高分解能で、安価な力センサを提供することを第1の目的としている。
【0006】
また半導体などの1つのデバイス単体の電気測定や故障解析を行う場合、プローブを大きな荷重でデバイスの電極に押しつけるとプローブが変形するという問題があった。またプローブを電極に位置制御で接触させた場合振動などの外乱によってプローブが電極と離れてしまうという問題があった。本発明はこれら問題を鑑みてなされたものであり、本発明による荷重検出装置を用いることにより、プローブと電極がより安定した接触状態で測定できる荷重検出装置を提供することを第2の目的としている。
【0007】
また本発明による力センサを用いた荷重検出装置を用いて、高精度で測定できる形状測定装置を提供することを第3の目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記第1の目的を達成するために本発明の力センサは、絶縁性のセラミックスからなる可撓性基板と、該可撓性基板の両端を支持する支持部を備えた固定部材と、前記可撓性基板の前記支持部間に設けられたプローブとを備え、前記プローブに荷重を付加したときに、前記可撓性基板上の歪みが生じる部位に薄膜状に形成され、可撓性基板の歪みにより電気抵抗値が変化する少なくとも1の歪みゲージと、を有し、該歪みゲージによりプローブに加わった力を測定するとともに、前記プローブが移動する範囲を制限するようにプローブの一部を前記固定部材で覆ったことを特徴としている。
【0009】
または、絶縁性のセラミックスからなる可撓性基板と、該可撓性基板上に薄膜状に形成され、可撓性基板の歪みにより電気抵抗値が変化する少なくとも1つの歪みゲージと、前記可撓性基板の一方の端部に取り付けられたプローブホルダーと、該プローブホルダーに支持されたプローブと、前記可撓性基板の他方の端部から前記少なくとも1つの歪みゲージの近傍までを支持し、荷重を検出する方向以外の方向に対して剛性が大きい固定部材と、該固定部材に支持され、前記プローブホルダーの移動範囲を制限するためにプローブホルダーとの間に所定の隙間を有する保護部材と、を有することを特徴としている。
【0010】
前記プローブホルダー及び固定部材が中空の円柱であって、該円柱の側面に設けられた切欠溝に前記可撓性基板が嵌合されている構成としたり、前記歪みゲージが4個設けられ、2個は共に歪みが正又は負で、他の2個は歪みが前記2個と逆符号又は0となるように配置されている構成としたりすることができる。
【0011】
また、別の構成として、絶縁性のセラミックスからなる十字型の可撓性基板と、該可撓性基板の各腕上の歪みが生じる部位に薄膜状に形成され、可撓性基板の歪みにより電気抵抗値が変化する4つの歪みゲージと、前記十字型の可撓性基板の各腕の先端を保持する固定部材と、前記十字型の可撓性基板の中央に設けられたプローブホルダーと、該プローブホルダーに支持されたプローブと、を有し、前記プローブに加わる荷重を前記4つの歪みゲージの和信号及び/または差信号を測定することによって、前記プローブにかかる荷重を互いに垂直な3方向の分力に分解することを特徴としている。
【0012】
前記プローブ及び前記プローブホルダーが導体であって、前記可撓性基板に前記保持部と電気的に接続された導体が形成され、前記プローブからの電気信号を出力するための端子を備えた構成としてもよい。また、前記可撓性基板が、ジルコニアのセラミックからなり、前記可撓性基板に薄膜状に形成された歪みゲージがCr−Nの薄膜である構成とすることができる。また、前記歪みゲージによるブリッジ出力を増幅するためのアンプが設けられている構成としてもよい。
【0013】
上記第2の目的を達成するために本発明の荷重検出装置は、上記のいずれかの力センサが、駆動手段と制御手段を備えた移動手段に搭載され、前記移動手段により前記力センサに装着されたプローブが測定対象物、と対向するように移動し、前記プローブと前記測定対象物、との荷重が所望の値になると前記移動手段が停止する構成を特徴としている。
【0014】
又は、上記いずれかに記載の力センサが、駆動手段と制御手段を備えた移動手段に搭載され、前記移動手段により前記力センサに装着されたプローブが測定対象物、と対向するように移動し、前記移動手段によって前記プローブが前記測定対象物に当接して受ける荷重が所望の値を保持するように制御する構成を特徴としている。
【0015】
又は、上記いずれかに記載の力センサが、駆動手段と制御手段を備えた移動手段に搭載され、前記移動手段により前記力センサに装着されたプローブが測定対象物、と対向するように移動し、前記移動手段が位置検出手段を備えており、検出位置が所望の値になると、その位置を保持するように前記制御手段が前記駆動手段を制御する構成を特徴としている。
【0016】
前記移動手段が積層型圧電アクチュエータと平行ヒンジバネから成る微動ステージである構成とすることができる。
【0017】
又は、可撓性基板と、前記可撓性基板の一方の端部に設けられたプローブホルダーと、該プローブホルダーに装着されたプローブと、前記可撓性基板の他端部に設けられた固定部材と、前記可撓性基板に貼り合わされた圧電素子と、前記可撓性基板に設けられ前記プローブの荷重による可撓性基板の屈曲変位を検知する少なくとも1の歪みゲージと、前記圧電素子に電圧を印加することによって生じる前記可撓性基板の屈曲変位を検知する少なくとも1の歪みゲージとを有することを特徴としている。
【0018】
上記第3の目的を達成するために本発明の形状測定装置は、上記いずれかに記載の力センサと移動手段とを備え、前記プローブが測定対象物から受ける荷重が所望の値を保持するように、前記移動手段を走査し、そのときのプローブの位置を測定することにより前記測定対象物、の形状を測定することを特徴としている。
【0019】
前記移動手段が積層型圧電アクチュエータと平行ヒンジバネから成る微動ステージである構成とすることができる。
【0020】
または、可撓性基板と、前記可撓性基板の一方の端部に設けられたプローブホルダーと、該プローブホルダーに装着されたプローブと、前記可撓性基板の他端部に設けられた固定部材と、前記可撓性基板に貼り合わされた圧電素子と、前記可撓性基板に設けられ前記プローブの荷重による可撓性基板の屈曲変位を検知する少なくとも1の歪みゲージと、前記圧電素子に電圧を印加することによって生じる前記可撓性基板の屈曲変位を検知する少なくとも1の歪みゲージとを有することを特徴としている。
【0021】
前記力センサの剛性及び前記プローブの剛性と前記力センサが前記測定対象物から受ける接触荷重により、前記力センサ及び前記プローブの変形量を補正することにより、前記測定対象物の形状を測定する
【発明の効果】
【0022】
本発明による力センサは、絶縁性のセラミックスからなる可撓性基板と薄膜状に形成された歪みゲージを使用しているので、力センサを小型化にすることができ、かつ、安価に製造できる。また、歪みゲージが可撓性基板にスパッタリング等で形成されたCr−Nの薄膜である構成とすることで、nmオーダーの変位で生じる微小な力を検知可能となり、高分解能を有する力センサを得ることができる。プローブの移動範囲を制限するようにしているので、プローブを交換する際に、可撓性基板を破損することを効果的に防止できる、等の効果を奏する。
【0023】
本発明の荷重検出装置は、また、小型、軽量にできるため高速にプローブを移動させることが可能である。また、プローブが測定対象物を押圧する力が所定の値になったら、その位置を確保したり、一定の押圧力を保持したりすることができるので、測定中に振動などの外乱を受けても、振動に追従して一定の押圧力を保持でき、振動の影響を受けることなく正確な測定ができる。また本発明による荷重検出装置は、一定の荷重での計測が可能なため、測定者や測定毎による測定ばらつきが少ない。
【0024】
また、上記力センサや荷重検出装置を用いることで、高分解能で、安定した形状測定ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
図1は、本発明の第1の実施例による力センサ10の斜視図である。力センサ10には可撓性基板11が設けられているが、これは、ジルコニア等の絶縁性のセラミックス製でかつ、適当な可撓性を有するものである。可撓性基板11の両端は固定部材12の支持部12a、12bにより支持されていて、上面にはCr−N薄膜からなる歪みゲージ13a〜13dがスパッタリング等により直接形成されている。歪みゲージ13a〜13dは、細い線を蛇行させた形状で、スパッタリング等による薄膜なので、強度はほぼ0に近く、歪みゲージ自身が可撓性基板11を補強することがないようになっている。また、スパッタリングによる薄膜なので接着剤が介在することがなく接着層による感度の吸収、ばらつき、クリープを抑えることができ安定性の良い歪みゲージを得ることができる。また断面積の小さいため抵抗の高い抵抗線となりブリッジ電圧を大きくすることによって感度のよい歪みゲージを得ることができる。支持部12a、12bはアーム状で、X方向に自由度があるようにX方向の剛性は小さい。また、固定部材12が可撓性基板11の変形と共に変形しないように、固定部材12には補強部12cが設けられている。可撓性基板11の略中央にはプローブホルダー16が接合されており、その先端にはプローブ17が取り付けられている。プローブ17に荷重が加わると可撓性基板11が撓むことにより、可撓性基板11上には歪みが生じる。プローブ17に+Z方向の荷重が加わると可撓性基板11には支持部12a、12bに近い部位に負の歪み(縮み)、プローブホルダー16に近い部位に正の歪み(伸び)が生じる。歪みの大きさは、負の歪みでは支持部12a12bに近いほど大きく、また正の歪みではプローブホルダー16に近いほど大きい。従って歪みゲージ13a〜13dを形成する部位は、なるべく感度を大きくする必要から歪みゲージ13aは支持部12aに近い部位に、歪みゲージ13dは支持部12bに近い部位に、歪みゲージ13b、13cはプローブホルダー16の両側に近い部位に、それぞれ形成することが望ましい。
【0026】
図2は、歪みゲージ13a〜13dをブリッジ接続した図である。歪みゲージ13a〜13dは、可撓性基板11が撓むと、蛇行している線が伸縮し、電気抵抗値が変化するものである。そこで、図2に示すようにブリッジ接続し、歪みゲージ13a〜13dの正負の歪みによる抵抗変化の差動をとることによって出力電圧を大きくなるように接続されている。入力電圧Vinと出力電圧Voutの関係は、歪みゲージ13a〜13dが形成された可撓性基板11上に生じる歪みをε1〜ε4、ゲージ率k、ゲージアンプの増幅率Gとして次の式(1)で示される。ただし、ε1は歪みゲージ13bの歪み、ε2は歪みゲージ13aの歪み、ε3は歪みゲージ13dの歪み、ε4は歪みゲージ13cの歪みを表す。また、ε1、ε4は正の歪みで、ε2、ε3は負の歪みとする。
【0027】
Vout = Vin{k(ε1−ε2−ε3+ε4)}G/4 式(1)
式(1)から分かるように、負の歪みの符号が負なので、Voutは、ε1〜ε4の絶対値を加えた値に比例することになる。すなわち、歪みゲージを正負の歪みを生じるところに2つずつ設けることで、力センサの感度を向上させることができる。
【0028】
このような構成の力センサ10は小型化が容易で、かつ、nmオーダーの変位による接触荷重が10μNと、非常に軽量な力を高分解能で検知することが可能となる。また、接触力が非常に小さいので、測定対象物の表面を傷つけることがない。
【0029】
図3(a)は、図1に示す力センサの全体を斜め下方から見た斜視図で、(b)は力センサの拡大した下面図である。図4は図3のA−A断面の要部を示す拡大断面図である。力センサ10の固定部材12と支持部12a、12bとは、その外側全体をカバー18で覆われている。カバー18は、固定部材12の上面と密着し、支持部12a、12bとは離反しているが、固定部材12と一体のものである。カバー18には、底部に孔18aがあり、この孔18aをプローブホルダー16が貫通している。プローブホルダー16と孔18aとの間には、x方向に片側d1の隙間があり、y方向には片側d2の隙間がある。また、プローブホルダー16には、可撓性基板11より下方に、x方向に延びる板状の凸部16aが、片側2枚ずつ間隔を空けて設けられ、これらの間にカバー18の孔18aの縁部が入るようになっている。したがって、孔18aの縁と上下の凸部16aとの間には、z方向に片側d3の隙間が確保されている。このような構成により、プローブホルダー16は、隙間d1、d2、d3の範囲内で孔18a内をx、y、z方向に移動できるようになっている。d1〜d3を適当に決めることで、プローブ17を交換する場合などプローブホルダー16に大きな荷重が加わった場合でも、プローブホルダー16がXYZ方向に動く範囲を制限して、可撓性基板11などの力センサ10を破損することを防ぐことができる。なお、プローブホルダー16の動く範囲を制限するのに代えて、孔18aなどによって、プローブ17そのものの移動範囲を制限してもよい。
【0030】
本実施例の具体的例として、可撓性基板11の形状は4×30×0.05mmのジルコニア基板で、Cr−N薄膜による蛇行した線をスパッタリング法などの手段によって成膜することで歪みゲージ13a〜13dを形成している。ゲージ率は6、ブリッジ電圧10V、ゲージアンプのゲインを1600倍とすることによって。1g重の荷重に対して10Vの出力が得られている。
【0031】
図5は、本発明の第2の実施例の力センサ20を示す斜視図である。プリアンプ(又はゲージアンプ)21に中空円筒状の固定部材22が取り付けられている。固定部材22の中空部には、切欠溝22aが対向して2本形成されており、ここにジルコニア等のセラミックス製で絶縁性で、かつ、可撓性のある可撓性基板23がはめ込まれている。可撓性基板23は、固定部材22の先端から外側に突出しており、突出した先端に固定部材22と同様の形状をしたプローブホルダー24があり、これに対向して形成された切欠溝24a内に可撓性基板23がはめ込まれている。固定部材22の先端には、円筒形状の保護部材25が取り付けられており、保護部材25は、プローブホルダー24の一部を覆っているが、プローブホルダー24の保護部材25から突出した部分にプローブ17が取り付けられている。プローブホルダー24の外径は保護部材25の内径より小さく、片側dの隙間が設けられている。
【0032】
可撓性基板23は、固定部材22とプローブホルダー24との間にどちらにも覆われていない部分があり、この部分の表面には図6(a)に示すように歪みゲージ13a〜13dが設けられている。これらの歪みゲージ13a〜13dは、第1の実施例と同じで、Cr−N薄膜からなる線をスパッタリングにより形成したものである。歪みゲージ13a〜13dは、保護部材25に覆われている。図6(b)に示すように、可撓性基板23の裏面にはほぼ全面に導体26が形成されているが、この導体26は、スパッタリング等で形成された薄膜などであるから、可撓性基板23を補強することがない。
【0033】
歪みゲージ13a、13bは歪みの感度がX方向に、歪みゲージ13c、13dはY方向にあるように形成され、図7に示すように、互いにブリッジ接続されて、力センサ20に隣接されたプリアンプ21に接続されている。歪みゲージ13a〜13dによる抵抗変化は極めて小さく、歪みゲージセンサ信号ケーブルの引き回しにより、周囲の電気的ノイズの影響を受けやすい。そこでプリアンプ21を歪みゲージ13a〜13dの近傍に設置して、増幅後の信号を引き回すことによって、ノイズの影響を低減することができる。歪みゲージ13c、13dを可撓性基板23の裏面に設ければ、歪みゲージ13a、13bと歪みゲージ13c、13dは正負逆方向の歪みを受けることになるので、感度を上げることができる。
【0034】
プローブ17が測定対象物19と対向するように移動して接触し、荷重が加わり、Z方向に変位すると、この変位は可撓性基板23に伝達される。固定部材22とプローブホルダー24は可撓性基板23に比べて充分に大きな剛性を有しているので、プローブ17に荷重が加わった場合、可撓性基板23の歪みゲージ13a、13bが形成された部位が最も大きく屈曲することになり、歪みゲージの感度を高めることが可能である。プローブ17のZ方向の変位は、可撓性基板23の曲げとなり、X方向の変位となる。したがって、歪みゲージ13a、13bによりこの変位が検知され、歪みゲージ13c、13dは変位を検知しない無感の状態となる。歪みゲージ13a〜13dを図7に示すようにブリッジ接続し、歪みゲージ13a、13bの変位量を検出することで、プローブ17に加わった荷重を測定することができる。
【0035】
なお、図5の実施例では、歪みゲージ13a〜13dを全て可撓性基板23の一方の面に形成したが、歪みゲージ13a、13bを表側に、歪みゲージ13c、13dを裏側に形成し、全ての歪みゲージの感度をX方向に揃えると、一方が伸びで、他方が縮みとなって、さらに感度と分解能を上げることができる。
【0036】
プローブ交換時などに、プローブ17に大きな荷重が加わると、可撓性基板23の変位が大きくなって可撓性基板23を破損するおそれがある。これに対し、本発明では保護部材25を設け、プローブホルダー24の動ける範囲を片側dの隙間の範囲内に制限しているので可撓性基板23を破損することを防ぐことができる。また力センサ20は円筒状の形状をしているため、構造が単純で量産性に富み、小型軽量に構成することが可能である。
【0037】
プローブホルダー24及びプローブ17は金属で構成され、導体26上に接続された端子29によって、プローブ17と電気的に接触した測定対象物19の電気特性を端子29から測定することが可能である。
【0038】
図8は、本発明の第3の実施例による力センサ30の図で、(a)は斜視図で、(b)は可撓性基板31の縮小した平面図である。この力センサ30は、プローブ17に加わったXYZ方向の力を分力して測定することができるものである。
【0039】
力センサ30は、十字型をした可撓性基板31を有し、十字の各腕上に歪みゲージ13a〜13dが形成されている。可撓性基板31と歪みゲージ13a〜13dは、図1に示す可撓性基板11と同じ素材と方法により形成されている。力センサ30には、十字型をした固定部材32があり、この固定部材32の4つの腕の先端から垂下された支持部32a〜32dに十字型の可撓性基板31の4つの腕の先端部を接合している。各支持部32a〜32dは、薄く形成され、可撓性基板31が撓む場合の抵抗とならないように、撓み方向の剛性が小さくなるようにしている。固定部材32の上には、固定部材32の剛性を上げるための補強部32eが固定されている。また十字型の可撓性基板31の中央部にはプローブホルダー16が設けられこのプローブホルダー16には、プローブ17が装着されている。
【0040】
プローブ17にX方向の荷重が加わると歪みゲージ13b及び13dの歪みは零、歪みゲージ13aは正の歪み、歪みゲージ13cは負の歪みが生じる。またプローブ17にY方向の荷重が加わると歪みゲージ13dは負の歪み、歪みゲージ13bは正の歪み、歪みゲージ13a及び13cの歪みは零となる。またプローブ17にZ方向の荷重が加わった場合、歪みゲージ13a〜13dには正の歪みが生じる。従って歪みゲージ13a〜13dの歪みの和信号及び差信号を出力することによって、プローブ17に加わったXYZ方向の力を分力して測定することが可能となり3軸の力センサを実現することができる。
【0041】
図9は、本発明の第4実施例で、移動手段としての微動ステージ41を備えた力センサ40を示す斜視図である。この微動ステージ付き力センサ40は、力センサ10を図10に示す微動ステージ41に搭載したものである。微動ステージ41は、図10に示すようにアルミニウムなどの直方体の金属ブロックにワイヤーカットなどで表裏を貫通したスリット41aを図のように形成し、四隅に複数のスリット41aが近接した状態の平行ヒンジバネ42を形成したものである。微動ステージ41のスリット41aの外側に形成された固定部43と、スリット41aの内側に形成された移動部44とは、これら4つの平行ヒンジバネ42により互いに連結されており、バックラッシュのないガイド機構の働きをしている。固定部43と移動部44の間には積層型圧電アクチュエータ45が組み込まれている。積層型圧電アクチュエータ45は、圧電セラミックスと内部電極とが交互に積層され、隣り合う圧電セラミックスには互いに逆向きとなる電界が内部電極によって印加されるように、内部電極が一層おきに外部電極に接続された構造を有する。
【0042】
積層型圧電アクチュエータ45に電圧を印加することによって積層型圧電アクチュエータ45が伸縮し、平行ヒンジバネ42の弾性力に抗して移動部44を固定部43に対してnmレベルの分解能で変位させることができる。また、積層型圧電アクチュエータ45に印加される電圧により、伸縮量が決まるので、移動部44を所望の量だけ移動することも可能となる。
【0043】
力センサ10は、微動ステージ41の移動部44に、カバー18乃至固定部材12を固定している。したがって、微動ステージ41は力センサ10を移動させる移動手段ということになる。また、積層型圧電アクチュエータ45と平行ヒンジバネ42とで移動手段の駆動手段を構成している。
【0044】
積層型圧電アクチュエータ45は図11に示すようにドライバ46、D/Aコンバータ47を介してPC48に接続されている。力センサ10のブリッジ出力はプリアンプ(ゲージアンプ)21、A/Dコンバータ49を介してPC48に接続されている。PC48からの指令により微動ステージ41の積層型圧電アクチュエータ45に電圧を印加して、プローブ17を下降させることにより、プローブ17を測定対象物19に接触させることができる。そして、接触したときの荷重を力センサ10によって検出し、検出された荷重をA/Dコンバータ49を介してPC48に取り込む。PC48は、力センサ10で検出した荷重が設定された値になったら、その位置で微動ステージ41を停止させる。積層型圧電アクチュエータ45に印加する電圧を保持することで、微動ステージ41はその位置を保持することができる。或いは、逆に、検出荷重が設定された荷重を維持するように積層型圧電アクチュエータ45にサーボ電圧を印加することによって、プローブ17と測定対象物19が常に所望の接触圧を保持するように制御することが可能となる。以上の構成から、ゲージアンプ21、A/Dコンバータ49、ドライバ46、D/Aコンバータ47、及びPC48で、移動手段の制御手段を構成している。
【0045】
すなわち、この微動ステージ付き力センサ40は、力センサとして使用できるだけでなく、一定の接触圧(荷重)を保持する荷重検出装置として使用することができる。
【0046】
なお搭載される力センサ10は第2の実施例で述べた力センサ20や第3の実施例で述べた力センサ30であってよい。
【0047】
本発明による微動ステージ付き力センサ40を用いることによって、例えばプローブ17を測定対象物19上に押し当てて電気特性を測定する場合、一定荷重で接触することができるので、確実な接触状態を維持して安定した測定が可能となる。また本発明による微動ステージ付き力センサ40を用いることによって、例えば非常に柔らかい測定対象物をクランプする場合においても、測定対象物を最適な荷重でクランプすることが可能であるので、測定対象物を破損させることなくクランプさせることが可能である。
【0048】
図12(a)は、本発明の第5実施例の微動ステージ付き力センサ50を示す斜視図で(b)は力センサ10を取り外した状態を示す斜視図である。移動手段としての微動ステージ51は、図9、図10に示す微動ステージ41に、変位センサプローブ52を内蔵させたものである。微動ステージ41と共通する構成には微動ステージ41と同じ番号を付して、説明は省略する。力センサ10は、微動ステージ51の移動部44に固定される。変位センサプローブ52の一端は固定部43に固定され、他端は移動部44に接触している。また、変位センサプローブ52は、原理的には図1に示す力センサ10と同じ構造で、図示しないが弾性変形する部材と、これに設けられた4つの歪みゲージを有し、これら4つの歪みゲージをブリッジ接続している。固定部43に対して移動部44が移動すると、移動部44の位置を変位センサプローブ52が検出するので、変位センサプローブ52は、移動部44の位置検出手段となる。
【0049】
図13は、第5の実施例のブロック図である。図11の第4実施例のブロック図と共通する構成には同じ符号を付し、説明を省略する。変位センサプローブ52は、変位センサアンプ53と接続され、測定変位をA/Dコンバータ54を介してPC48に取り込むことによって微動ステージ51の移動部44の変位量を測定することができる。その他は、図11で説明したのと同様である。またPC48からの指令により積層型圧電アクチュエータ45に電圧を印加して、プローブ17を下降させることにより、プローブ17が測定対象物19に接触したときの荷重を力センサ10によって検出し、検出された荷重をゲージアンプ21とA/Dコンバータ49を介してPC48に取り込むことによって、検出荷重が設定された任意の値になった位置で微動ステージ付き力センサ50を停止させることができることも第2の実施例で述べたと同様である。微動ステージ付き力センサ50が停止した位置を図13に示す変位センサプローブ52及び変位センサアンプ53によって測定し、微動ステージ51の変位が一定になるようにドライバ46にサーボ電圧を印加することによって、プローブ17は測定対象物19を一定の距離を押し込んだ状態で保持することが可能である。また、移動手段としての微動ステージ41を測定対象物19に対して走査し、そのときのプローブ17の位置を変位センサプローブ52で測定することで、形状測定装置として使用することが可能である。
【0050】
以上の構成から明らかなように、ゲージアンプ21、A/Dコンバータ49、ドライバ46、D/Aコンバータ47、PC48、変位センサアンプ53及びA/Dコンバータ54で、移動手段の制御手段を構成している。
【0051】
なお搭載される力センサは第2の実施例で述べた力センサ20や第3の実施例で述べた力センサ30であってももちろん構わない。
【0052】
図14は、本発明の第6の実施例の微動ステージ付き力センサ60の斜視図である。ここでは、3つの微動ステージ41をXYZ軸方向に組合せ、これに力センサ10を取り付けた構成にしている。X軸用微動ステージが41X、Y軸用微動ステージが41Y、Z軸用微動ステージが41Zである。
【0053】
力センサ10がZ軸用微動ステージ41Zの移動部44に固定され、Z軸用微動ステージ41Zの固定部43は、X軸用微動ステージ41Xの移動部44に固定され、X軸用微動ステージ41Xの固定部43は、Y軸用微動ステージ41の移動部44に固定されている。このような構成により、力センサ10を、X、Y、Z軸方向にそれぞれnmの分解能で微小な量だけ移動することができる。その他は、第5の実施例で述べたと同様である。
【0054】
また、プローブ17と測定対象物19との間にかかる荷重が設定された所望の値になるように、Z軸微動ステージ41Zの積層型圧電アクチュエータ45にサーボ電圧を印加して、プローブ17と測定対象物19にかかる荷重を一定に維持し、X軸用微動ステージ41X、Y軸用微動ステージ41Yによって測定対象物19を走査させることによって、プローブ17を所望の接触荷重で測定対象物19の表面をなぞることができる。このときのZ軸用微動ステージ41Zの変位を変位センサプローブ52によって測定することによって、測定対象物19の表面形状を測定することができる。接触荷重が大きい場合には表面形状測定の誤差が大きくなるが、本発明による力センサは接触荷重を10μNと非常に微小に設定できるため、精度良く表面形状を測定することができ、また測定対象物19の表面を傷つけることなく測定することが可能である。また更に高精度に表面形状を測定するためには、力センサ10の可撓性基板11自身の剛性による変形が無視できなくなるが、本発明による力センサ10は弾性体のみで構成されているため、本発明による荷重一定制御を行うことにより力センサ10の荷重と変形量は線形関係で且つ略一定になるので、容易に補正することが可能である。
【0055】
図14において、搭載される力センサ10に代えて第3の実施例で述べた力センサ30を用いることによって、XYZ方向に対して所望の荷重でなぞることができるため、XYZ軸用微動ステージ41X、41Y、41ZのXYZ方向の変位を測定することによって任意の三次元形状を測定することが可能となる。
【0056】
図15は、本発明の第7実施例を示す図である。この第7実施例による微動ステージ付き力センサ70は図1に示す可撓性基板11と同様の絶縁性の可撓性基板71を有し、基端を固定部材72に固定され、先端にプローブホルダー16とプローブ17が装着されている。可撓性基板71の表面には、圧電素子73が形成され、圧電素子73の裏面側には、変位検出用の歪みゲージ74a、74b、74c、74dが形成されている。また、可撓性基板71のプローブホルダー16近くには、表側に歪みゲージ13a、13bが、裏側に歪みゲージ13c、13dがそれぞれ形成されて、これらはブリッジ接続されている。
【0057】
プローブ17が測定対象物19に圧接して力を受け、Z方向に変位すると、可撓性基板71は、先端がZ方向に変位するが、歪みゲージ13a、13bと、歪みゲージ13c、13dとは、可撓性基板71の表裏にあるので、一方が伸びの歪みを検知したとき、他方は縮みの歪みを検知することになり、これらを図7に示すようにブリッジ接続することで、プローブ17に加わった力を高精度に検出することができる。
【0058】
また、可撓性基板71の上面には、圧電素子73が設けられおり、圧電素子73に電圧を印加すると可撓性基板71の長手方向に伸縮するため、可撓性基板71は屈曲し、プローブ17をZ方向に移動させる。歪みゲージ74a、74bは、可撓性基板71の長さ方向(図15の左右方向)の伸縮を検知し、歪みゲージ74c、74d、可撓性基板71の幅方向の伸縮を検知するが、長さ方向の伸縮は無感となる。そこで、これら4つの歪みゲージを図7に示すようにブリッジ接続することによって、プローブ17がZ方向に移動したときの移動量を検出することができる。また、圧電素子73に電圧を印加することによりプローブ17がZ方向に変位するが、この変位量を変位検出用歪みゲージ74a、74b、74c、74dによって測定することが可能である。従って圧電素子73に印加する電圧を調整することで、プローブ17を所望の位置に移動することができる。
【0059】
この図15に示す構成は、図9に示す実施例に比べて更に単純な構成となり、Z方向に移動可能な移動手段を一体で併せ持った力センサを実現することが可能であるため、小型、軽量、低コストに実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の第1の実施例による力センサの要部を示す斜視図である。
【図2】図1の4つの歪みゲージをブリッジ接続した状態を示す図である。
【図3】(a)は、図1に示す力センサの全体を斜め下方から見た斜視図で、(b)は(a)のBから見た図で、力センサの拡大した下面図である。
【図4】図3のA−A断面の要部を示す拡大断面図である。
【図5】本発明の第2の実施例の力センサを示す斜視図である。
【図6】(a)は第2の実施例の可撓性基板に形成された歪みゲージの図で、(b)は可撓性基板の裏面に形成された導体を示す図である。
【図7】図6の4つの歪みゲージのブリッジ接続を示す図である。
【図8】(a)本発明による第3の実施例の力センサの構成を示す斜視図で、(b)が可撓性基板と歪みゲージの配置を示す図である。
【図9】本発明の第4実施例で、移動手段としての微動ステージを備えた力センサを示す斜視図である。
【図10】微動ステージの構造を示す斜視図である。
【図11】第4の実施例のブロック図である。
【図12】(a)は本発明の第5実施例の微動ステージ付き力センサを示す斜視図で(b)は力センサを取り外した状態を示す斜視図である。
【図13】本発明の第5の実施例のブロック図である。
【図14】本発明による第6の実施例の微動ステージ付き力センサを示す斜視図である。
【図15】本発明による第7の実施例を示す図である。
【図16】従来の三次元測定機を示す図である。
【符号の説明】
【0061】
d、d1〜d3 隙間
10、20、30 力センサ
11、23 可撓性基板
12 固定部材
12a、12b 支持部
12c 補強部
13a〜13d 歪みゲージ
16a 凸部
16、24 プローブホルダー
17 プローブ
18 カバー(固定部材)
18a 孔
19 測定対象物
21 プリアンプ(またはゲージアンプ)
22 固定部材
23 可撓性基板
22a、24a 切欠溝
25 保護部材
26 導体
29 端子
31 十字型の可撓性基板
32 固定部材
32a〜32d 支持部
32e 補強部
40、50、60、70 微動ステージ付き力センサ
41、41X、41Y、41Z 微動ステージ
41a スリット
42 平行ヒンジバネ
43 固定部
44 移動部
45 積層型圧電アクチュエータ
46 ドライバ
47 D/Aコンバータ
48 PC
49、54 A/Dコンバータ
51 微動ステージ
52 変位センサプローブ
53 変位センサアンプ
71 可撓性基板
72 固定部材
73 圧電素子
74a〜74d 変位検出用歪みゲージ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁性のセラミックスからなる可撓性基板と、該可撓性基板の両端を支持する支持部を備えた固定部材と、前記可撓性基板の前記支持部間に設けられたプローブとを備え、前記プローブに荷重を付加したときに、前記可撓性基板上の歪みが生じる部位に薄膜状に形成され、可撓性基板の歪みにより電気抵抗値が変化する少なくとも1の歪みゲージと、を有し、該歪みゲージによりプローブに加わった力を測定するとともに、前記プローブが移動する範囲を制限するようにプローブの一部を前記固定部材で覆ったことを特徴とする力センサ。
【請求項2】
絶縁性のセラミックスからなる可撓性基板と、該可撓性基板上に薄膜状に形成され、可撓性基板の歪みにより電気抵抗値が変化する少なくとも1つの歪みゲージと、前記可撓性基板の一方の端部に取り付けられたプローブホルダーと、該プローブホルダーに支持されたプローブと、前記可撓性基板の他方の端部から前記少なくとも1つの歪みゲージの近傍までを支持し、荷重を検出する方向以外の方向に対して剛性が大きい固定部材と、該固定部材に支持され、前記プローブホルダーの移動範囲を制限するためにプローブホルダーとの間に所定の隙間を有する保護部材と、を有することを特徴とする力センサ。
【請求項3】
前記プローブホルダー及び固定部材が中空の円柱であって、該円柱の側面に設けられた切欠溝に前記可撓性基板が嵌合されていることを特徴とする請求項2に記載の力センサ。
【請求項4】
前記歪みゲージが4個設けられ、2個は共に歪みが正又は負で、他の2個は歪みが前記2個と逆符号又は0となるように配置されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の力センサ。
【請求項5】
絶縁性のセラミックスからなる十字型の可撓性基板と、該可撓性基板の各腕上の歪みが生じる部位に薄膜状に形成され、可撓性基板の歪みにより電気抵抗値が変化する4つの歪みゲージと、前記十字型の可撓性基板の各腕の先端を保持する固定部材と、前記十字型の可撓性基板の中央に設けられたプローブホルダーと、該プローブホルダーに支持されたプローブと、を有し、前記プローブに加わる荷重を前記4つの歪みゲージの和信号及び/または差信号を測定することによって、前記プローブにかかる荷重を互いに垂直な3方向の分力に分解することを特徴とする力センサ。
【請求項6】
前記プローブ及び前記プローブホルダーが導体であって、前記可撓性基板に前記保持部と電気的に接続された導体が形成され、前記プローブからの電気信号を出力するための端子を備えたことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の力センサ。
【請求項7】
前記可撓性基板が、ジルコニアのセラミックスからなり、前記可撓性基板に薄膜状に形成された歪みゲージがCr−Nの薄膜であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の力センサ。
【請求項8】
前記歪みゲージによるブリッジ出力を増幅するためのアンプが設けられていることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかの力センサ。
【請求項9】
請求項1から8のいずれかに記載の力センサが、駆動手段と制御手段を備えた移動手段に搭載され、前記移動手段により前記力センサに装着されたプローブが測定対象物、と対向するように移動し、前記プローブと前記測定対象物、との荷重が所望の値になると前記移動手段が停止することを特徴とする荷重検出装置。
【請求項10】
請求項1から8のいずれかに記載の力センサが、駆動手段と制御手段を備えた移動手段に搭載され、前記移動手段により前記力センサに装着されたプローブが測定対象物、と対向するように移動し、前記移動手段によって前記プローブが前記測定対象物に当接して受ける荷重が所望の値を保持するように制御することを特徴とする荷重検出装置。
【請求項11】
請求項1から8のいずれかに記載の力センサが、駆動手段と制御手段を備えた移動手段に搭載され、前記移動手段により前記力センサに装着されたプローブが測定対象物、と対向するように移動し、前記移動手段が位置検出手段を備えており、検出位置が所望の値になると、その位置を保持するように前記制御手段が前記駆動手段を制御することを特徴とする荷重検出装置。
【請求項12】
前記移動手段が積層型圧電アクチュエータと平行ヒンジバネから成る微動ステージであることを特徴とする請求項9から11のいずれかに記載の荷重検出装置。
【請求項13】
可撓性基板と、前記可撓性基板の一方の端部に設けられたプローブホルダーと、該プローブホルダーに装着されたプローブと、前記可撓性基板の他端部に設けられた固定部材と、前記可撓性基板に貼り合わされた圧電素子と、前記可撓性基板に設けられ前記プローブの荷重による可撓性基板の屈曲変位を検知する少なくとも1の歪みゲージと、前記圧電素子に電圧を印加することによって生じる前記可撓性基板の屈曲変位を検知する少なくとも1の歪みゲージとを有することを特徴とする荷重検出装置
【請求項14】
請求項1から8のいずれかに記載の力センサと移動手段とを備え、前記プローブが測定対象物から受ける荷重が所望の値を保持するように、前記移動手段を走査し、そのときのプローブの位置を測定することにより前記測定対象物、の形状を測定することを特徴とする形状測定装置。
【請求項15】
前記移動手段が積層型圧電アクチュエータと平行ヒンジバネから成る微動ステージであることを特徴とする請求項14に記載の形状測定装置。
【請求項16】
可撓性基板と、前記可撓性基板の一方の端部に設けられたプローブホルダーと、該プローブホルダーに装着されたプローブと、前記可撓性基板の他端部に設けられた固定部材と、前記可撓性基板に貼り合わされた圧電素子と、前記可撓性基板に設けられ前記プローブの荷重による可撓性基板の屈曲変位を検知する少なくとも1の歪みゲージと、前記圧電素子に電圧を印加することによって生じる前記可撓性基板の屈曲変位を検知する少なくとも1の歪みゲージとを有することを特徴とする形状測定装置。
【請求項17】
前記力センサの剛性及び前記プローブの剛性と前記力センサが前記測定対象物から受ける接触荷重により、前記力センサ及び前記プローブの変形量を補正することにより、前記測定対象物の形状を測定することを特徴とする請求項14から16のいずれかに記載の形状測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2008−215934(P2008−215934A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−51481(P2007−51481)
【出願日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【出願人】(502121111)株式会社ナノコントロール (10)
【Fターム(参考)】