説明

加熱器利用装置

【課題】冷凍サイクル装置および蒸気ボイラーの使用エネルギー削減が求められている。断熱圧縮機を用いないで低圧の気体を高圧に気体に連続的に昇圧する装置が求められている。蒸気ボイラーでは液体の水から水蒸気を生成しており、予め水蒸気を発生させ気化熱を熱交換によって外部から供給すると使用エネルギーが削減できることが知られている。そこで低圧の水蒸気を連続的に高温高圧の水蒸気にする技術を提供する。
【解決手段】低圧気体の吸入口を低部に高圧気体の吐出口を高部に配置した圧力容器7と加熱熱源を有する加熱器11で気体を加熱し、軽くなった気体を上昇させ圧力容器内を負圧にして低圧の気体を連続的に加熱器に吸入させる。この結果低圧気体を連続的に昇圧できる。また熱交換を行う事で加熱効率を向上させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は蒸気ボイラーおよび冷凍サイクル装置に関する
【背景技術】
【0002】
高温蒸気生成装置として蒸気ボイラーがある。
真空蒸気発生装置がある。
冷凍サイクル装置として蒸気圧縮冷凍サイクル装置がある。
蒸気圧縮冷凍サイクルの動力は主に電力である。
冷凍サイクル装置は食品の冷凍、冷蔵に使用されている。
またエアコンとして多数使用されている。
冷凍サイクルの効率向上策としてインバーター制御技術や液ガス熱交換、エジェクター等がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】よくわかる最新冷凍空調の基本と仕組み 高石吉登著
【非特許文献2】ゼロから学ぶ熱力学 小暮陽三著
【非特許文献3】上級 冷凍受験テキスト 社団法人 日本冷凍空調学会
【非特許文献4】やさしいボイラーの教科書 南雲健治著
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
冷凍サイクル装置および蒸気ボイラーの使用エネルギー削減が求められている。
断熱圧縮機を用いないで低圧の気体を高圧に気体に連続的に昇圧する装置が求められている。
蒸気ボイラーでは液体の水から水蒸気を生成しており、予め水蒸気にすると使用エネルギーが削減できることが知られている。
そこで低圧の水蒸気を連続的に高温高圧の水蒸気にする技術が求められている。
蒸気圧縮冷凍サイクル装置には断熱圧縮機が使用され大部分は電力で駆動されている。
冷凍サイクル装置の節電が求められている。
電力供給力が不足し電力以外のエネルギーで運転できる冷凍サイクルがもとめられている。
断熱圧縮機の騒音防止が求められている。
冷凍サイクルの成績係数の向上がもとめられている。
冷凍サイクルの成績係数は熱力学上の低温熱源から高温熱源に熱移動する理想成績係数と理論成績係数が大きく乖離している。
本来の理想成績係数の低温熱源と高温熱源の関係が冷媒の蒸発温度と圧縮機吐出温度の関係になっている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本目的を達成するための加熱器利用装置であって
流体と
圧力容器と流体を加熱する加熱熱源からなる加熱器と、
加熱器の低温流体入り口を高温流体出口より低い位置に配置する事を特徴とするものである。
流体は水、冷媒などである。主に気体であり、水では水蒸気、冷媒では飽和蒸気である。
気体を加熱すると気体のエンタルピーが増加し、比体積が増し気体が軽くなる。
加熱器の出口を入り口より高くし自由端にすると加熱された気体は上昇し加熱器から流出し加熱器の下部は負圧となる。
この現象を利用すると低圧の気体を連続的に昇圧する事ができる。
加熱熱源は外気熱源、水道水熱、河川水熱、燃焼熱熱源、太陽熱集熱、エンジン排熱、ボイラードレインなどである。
熱交換器も加熱器である。
【0006】
また、更に
流体を供給する流体供給手段と、
流体を高圧で送出する流体高圧送出手段と、
流体を低温低圧化する流体絞り膨張手段と、
気化した流体に気化熱を供給する気化熱供給熱交換加熱器と、
流体を所定の温度に最終加熱する最終加熱熱源を有する最終加熱器
を備えることを特徴とするものである。
いわゆる冷凍サイクル装置、蒸気ボイラーである。
流体を冷媒として、
流体高圧送出手段を凝縮器とし、
流体絞り膨張手段を膨張弁又はキャピラリーチューブとし、
気化熱供給熱交換加熱器を蒸発器とし、
最終加熱器を断熱圧縮機の代替とすると加熱冷凍サイクル装置となる。
また、流体を水とし、
流体高圧送出手段を高圧給水ポンプとし、絞り膨張手段を膨張弁またはキャピラリーチューブまたはキャピラーチューブ機能を有する細管とし、
気化熱供給熱交換加熱器の熱源を外気また地下水または水道水とし、
最終加熱熱源を電気抵抗発熱熱源、燃焼熱熱源とすると蒸気ボイラーである。
【0007】
また、更に前記流体を水とし、
前記流体供給手段を給水装置とし、
前記流体高圧送出手段を高圧給水ポンプとし、
前記流体絞り膨張手段を膨張弁又はキャピラリーチューブ又はキャピラリーチューブ機能を有する細管とし、
前記気化熱供給熱交換加熱器の熱源を外気また地下水または水道水とし、
前記最終加熱熱源を電気抵抗発熱熱源または燃焼熱熱源とする事を特徴とするものである。
8気圧〜20気圧の高圧ポンプで水を圧送する。膨張弁またはキャピラリーチューブまたはキャピラリーチューブ機能を有する細管で水を低圧化する。液体の水は膨張弁またはキャピラリーチューブまたは細管により圧力損失が発生し低圧化する。
熱交換器は水が気化するに充分な容積と気化熱を供給する伝熱面積を確保する。
冷凍サイクルでは蒸発器である。
蒸気ボイラーでは液体の水と水蒸気の二重管式熱交換器とすると良い。
水不足の土地では水蒸気と空気との熱交換でも良い。
高温熱源は電気抵抗発熱、燃焼熱熱源、太陽熱集熱熱源などである。
加熱器で加熱して圧力容器の出口を自由端にすることで蒸気は高温高圧かされる。
いわゆる煙突効果である。
容器内を負圧にするために、水を送出する前に加熱器を加熱する。
すると容器内の空気が排出されて、高圧ポンプ給水管、キャピラリーチューブ、熱交換器、加熱器内が負圧になり蒸発が促進される。
熱交換器は室内に配置すると冷房の室内機として利用できる。
【0008】
また、更に前記流体を冷媒とし、
前記流体高圧送出手段を凝縮器とし、
前記気化熱供給熱交換加熱器を蒸発器とし
前記絞り膨張手段を膨張弁又はキャピラリーチューブとし、
前記最終加熱熱源を電気抵抗発熱熱源または燃焼熱熱源とする事を特徴とするとするものである。
凝縮温度以上の高温熱源とは電気抵抗熱源いわゆるニクロム線ヒーター、石油、天然ガス等の燃焼熱熱源、太陽熱集熱熱源、エンジン排熱、ボイラードレイン等である。
圧力容器内の冷媒を加熱すると加熱された冷媒は体積比が大きくなり、軽くなり圧力容器内を上昇し圧力容器下部は負圧になる。いわゆる煙突効果である。
この下部の圧力が蒸発器圧力より低くなると加熱器内に蒸発器内の低圧冷媒が加熱器内に導入される。
この結果、蒸発器内の低圧冷媒が連続的に高圧冷媒に昇圧され凝縮器に送られる。
【0009】
また、更に液噴射回路を備える事を特徴とするとするものである。
冷媒を加熱して温度が高くなりすぎた時に液を噴射して温度をさげる。
【0010】
また、更に蒸発器と加熱器の間に設置された逆止弁を備える事を特徴とするとするものである。
逆止弁の取り付け高さは蒸発圧力と位置エネルギーの平衡点に設置し蒸発圧力を調整する。
また運転停止時に蒸発器内の冷媒と加熱器内の冷媒の混合を防ぎ運転開始性能を向上させる。
【0011】
また、更に前記加熱器と凝縮器の間に逆止弁を備える事を特徴とするとするものである。
加熱を停止したときに加熱器内の冷媒と凝縮器内の冷媒の混合を防止し始動性能を向上させる。
【0012】
また、更に蒸発器戻りの低温冷媒と前記加熱器で加熱された高温冷媒を熱交換するガスガス熱交換器を備える事を特徴とするとするものである。
低温蒸気と高温気体冷媒を熱交換すること冷凍効果を増加させる。また低温蒸気を熱交換で加熱する事で加熱効率を上げる。
蒸発器出口に逆止弁があるので加熱された冷媒は蒸発器に悪影響を与えない。
【0013】
また、更に蒸発器戻りの低温冷媒と凝縮器で凝縮された高温液冷媒とを熱交換する液ガス熱交換器を備えることを特徴とするとするものである。
低温冷媒蒸気と高温液冷媒を熱交換することで液の冷凍効果を増加させる。また低温蒸気を熱交換で加熱する事で加熱効率を上げる。
【0014】
また、冷媒と、
凝縮器と、
蒸発器と、
膨張弁またはキャピラリーチューブと、
断熱圧縮機と、
蒸発器戻りの低温冷媒と断熱圧縮機で加熱された高温冷媒を熱交換するガスガス熱交換器と、
断熱圧縮機の吸入管路に凝縮器で凝縮された高温液冷媒を噴射する液ガス噴射装置を備えることを特徴とするとするものである。
断熱圧縮機使用の冷凍サイクルの効率を向上させるために蒸発器戻りの低温冷媒と断熱圧縮機の吐出冷媒を熱交換する。
熱交換器では蒸発戻り冷媒入り口を出口より高い位置に配置する。熱交換により加熱された蒸発器戻り冷媒は比体積が増し軽くなるが、熱交換器は蒸発器とつながっており、蒸発器圧力と比体積増大分の浮力増加との平衡点で蒸発圧力と同一圧力になる。
この場合同一圧力での比体積増加割合はエンタルピー増加割合より小さくなり、冷媒循環量はあまり減少しない。
加熱による等比エントロピー線と等圧の過熱蒸気の比体積増加率の差が大きくエンタルピーの増加ほど冷媒循環量が減らない。また、熱交換器により過熱蒸気になった蒸発器戻り冷媒はそのまま断熱圧縮器に吸入されると循環量低下及び吐出温度の上昇を招く。
そこで断熱圧縮機の吸入蒸気の過熱度を抑える為に凝縮器で凝縮された高温液冷媒を噴射する。
液冷媒と蒸気冷媒のエンタルピーの差は大きいので冷媒循環量の10%〜20%を液噴射すると吸入蒸気の過熱度は制御できる。
液噴射は熱交換器出口の吸入圧力が所定の蒸発圧力より高くなった時に始動する。
具体的には熱交換器出口の蒸発器戻り蒸気圧力が設計蒸発圧力より高圧の時に液を噴射する。
断熱圧縮機の吐出冷媒を熱交換器で冷却する事で凝縮能力が増し過冷却度がます。
結果冷凍能力が増加する。
熱交換効果は冷凍サイクルの成績係数に反比例するので冷凍機で大きく空調機で小さい。
【0015】
また、更に蒸発器とガスガス熱交換器の間に設置された逆止弁とを備える事を特徴とするとするものである。
【0016】
また、低圧蒸気発生蒸気ボイラーであって
水を給水する給水装置と、
高圧給水ポンプと、
膨張弁またはキャピラリーチューブまたはキャピラリーチューブ機能を有する細管と、
水の気化に必要な空間と気化に必要な気化熱を供給する熱交換器と、
圧力容器と高温熱源からなる加熱器を備えることを特徴とするとするものである。
8気圧〜20気圧の高圧ポンプで水を圧送する。膨張弁またはキャピラリーチューブまたはキャピラリーチューブ機能を有する細管で水を低圧化する。液体の水は膨張弁またはキャピラリーチューブまたは細管で圧力損失を発生させ低圧化する。
熱交換器は水が気化するに充分な容積と気化熱を供給する伝熱面積を確保する。
冷凍サイクルでは蒸発器である。
蒸気ボイラーでは液体の水と水蒸気の二重管式熱交換器とすると良い。
気化熱を燃料以外の外部熱源である地下水または外気で供給することで気化熱分の燃料エネルギーが削減される。
1gの摂氏20度の液体の水を摂氏120度の水蒸気にする場合で気化熱分2200jが削減される。約燃料消費が六分の1となる。
液体の水 1gあたり 2200+4.2×100=2620j
蒸気から 1gあたり 4.2×100=420j
削減率 2200/2620=84%で
水不足の土地では水蒸気と空気との熱交換でも良い。
高温熱源は電気抵抗発熱、燃焼熱熱源、太陽熱集熱熱源などである。
加熱器で加熱して圧力容器の出口を自由端にすることで蒸気は高温高圧かされる。
いわゆる煙突効果である。
容器内を負圧にするために、水を送出する前に加熱器を加熱する。
熱交換器は室内に配置すると冷房の室内機として利用できる。
【0017】
また、更に断熱圧縮機の吸入口の前に設置された断面積を拡大する事により冷媒を断熱膨張させる断熱膨張器を備える事を特徴とするものである。
熱交換された低温から高温になった蒸発器戻りの冷媒はエネルギーを受け取り過熱蒸気になっており、そのまま断熱圧縮機に吸入されると、比体積が増加しており冷媒循環量が減少する。
そこで、断熱膨張器で断熱膨張させると温度が低下する。蒸発温度まで断熱膨張器で温度を下げれば冷媒循環量が変わらないので熱交換の結果増加した冷凍効果がそのまま増大する。
また断熱膨張は等エントロピー変化であるので外部に対して仕事をする。
この仕事により断熱圧縮機の仕事量が減少する。
断熱圧縮機の原動機が電動機であれば電流が減少する。
また熱交換により凝縮圧力も下がるので断熱圧縮機の仕事量が減少する。
なぜなら断熱圧縮機の仕事量は凝縮圧力―蒸発圧力であるからである。
【0018】
また、更に前記断熱膨張器に受液器の液を噴射する液噴射回路を備える事を特徴とするものである。
熱交換して過熱蒸気になった蒸発器戻りの冷媒に液冷媒を噴射して過熱度を抑える
【0019】
また、更に凝縮器と受液器との間の高温冷媒ガスを前記断熱膨張器に噴出する凝縮ホットガス噴射回路を備えることを特徴とするものである。
この回路で凝縮圧力をさげる。凝縮圧力を下げると断熱圧縮機の仕事量が減少する。
【0020】
また、更に断熱圧縮機の吐出高温ガス冷媒を前記断熱膨張器に噴射する吐出ホットガス噴射回路を備えることを特徴とするものである。
断熱膨張器に吐出ガスを噴射すると冷媒のエンタルピーが増大し断熱膨張時の外力が増大し、断熱圧縮機の仕事量が減少する。また冷凍効果が増大する。
【0021】
また、更に前記熱交換器の高温冷媒を凝縮器と受液器間の高温気体冷媒とし
前記熱交換器の低温冷媒を蒸発器を出た低温冷媒とすることを特徴とするものである。
この熱交換で凝縮圧力が減少し、コンプレッサーの仕事量が減少し冷凍効果が増大する。
【0022】
また、更に冷媒の絞り膨張させるキャピラリーチューブと、
蒸発圧力を調整する蒸発圧力調整弁を備えることを特徴とするものである。
凝縮圧力を下げると蒸発圧力との圧力差が減少し膨張弁が機能しなくなる。
そこで凝縮圧力に応じるキャピラリーチューブを使用する。
キャピラリーチューブは蒸発負荷の変動の追従性が悪いのでこの欠点を補う為に蒸発圧力調整弁を使用する。
また、変動対応のため、受液器を備える。


【発明の効果】
【0023】
気体の連続的な昇温昇圧過程を断熱圧縮過程ではなく加熱過程で実現し、熱交換と併用することで大幅なエネルギー削減が実現できる。
また冷凍サイクル装置を加熱過程で実現でき燃焼熱の利用が可能となりエネルギー源の多様化が実現する。
逆カルノーサイクルとされている冷凍サイクルの断熱圧縮過程を加熱過程に置き換えることで逆カルノーサイクルではない加熱冷凍サイクルになる。
また高温の冷媒と低温の冷媒を熱交換することで冷凍効果が増加し加熱効率も向上する。
断熱圧縮機ではなく加熱器を用いることで潤滑油が不要になり、騒音も低下する。
また加熱の熱源を燃焼熱源とすることが可能となり電力使用量が大幅に削減できる。

【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】加熱器利用の冷凍サイクルである。断熱圧縮機の代わりに加熱器5を使用している。加熱器の蒸発器戻り冷媒吸入口は吐出口より低く配置する。加熱された気体は比体積が大きくなり軽くなる。加熱器で高温になった気体は軽くなり気体が加熱器から吐出し加熱器内は負圧になり蒸発圧力より低くなった時点で蒸発器の低温低圧の冷媒が加熱器内に吸入される。これにより連続的に冷媒を高温高圧にできる。また1の凝縮器の凝縮温度は吐出温度より低いので冷媒が循環する。
【図2】6は逆止弁である。8の熱交換器前の逆止弁は熱交換器内の加熱された冷媒が蒸発器内の冷媒に逆流するのを防ぐ。また始動性能をあげる。蒸発圧力を所定の圧力にする。5の加熱器の後の逆止弁は凝縮器内の冷媒の逆流を防ぎ始動性能をあげる。熱交換器は加熱器の吐出高温冷媒を蒸発器戻り冷媒で冷却し、冷凍能力を増し、蒸発器戻り冷媒を加熱することで加熱効率をあげる。熱交換器は蒸発器戻りの吸入口を吐出口より低く配置する。なぜなら加熱された冷媒は軽くなるから出口を高くする。
【図3】図2と基本構成は同じであるが蒸発器戻り冷媒と凝縮器で液化された高温冷媒と熱交換している。
【図4】加熱器の詳細図である。7は圧力容器で11は加熱熱源である。9の加熱器入り口は10の加熱器出口より低く配置する。
【図5】熱交換器の詳細図である。二重管式熱交換器である。12は内管で13は外管である。加熱器と併用する時は蒸発器戻り低温冷媒は熱交換器の低部14から吸入され加熱されて上部15から吐出される。断熱圧縮機と併用の場合は加熱器併用の場合と逆になり低温冷媒は上部から吸入される。
【図6】断熱圧縮機と熱交換器併用の冷凍サイクルである。18は断熱圧縮機で8は熱交換器である。8の熱交換器は蒸発器戻りの低温冷媒と断熱圧縮機と出の高温冷媒を熱交換している。蒸発器戻りの低温冷媒は熱交換器の上部から吸入される。熱交換の結果蒸発器戻りの冷媒は加熱され蒸発圧力と等圧の加熱蒸気となる。低温冷媒の重力と加熱蒸気の浮力と蒸発圧力の均衡点で安定する。このとき加熱による等比エントロピー変化より等圧のエンタルピー増加による比体積増加率が低いため断熱圧縮機の吸い込み比体積増加に伴う冷媒循環量の減少が少なくなる。熱交換による冷凍効果増加の方が大きくなり冷凍能力がふえる。なぜなら冷凍能力は冷凍効果に冷媒循環量を乗じたものであるからである。19は液噴射回路である。
【図7】図6とほぼ同様であるが熱交換の高温側冷媒が凝縮後の液冷媒である。
【図8】蒸気ボイラーである。21の高圧ポンプで10〜20気圧で水送出する。通常25mm位の配管サイズで流速は数メートルである。22はキャピラリーチューブである。キャピラリーチューブは内径が2mm程度であり流速は100倍程度になり速度エネルギーが増加し圧力が低下する水は蒸発し始める。24の蒸気だまりで膨張し気化する。25の気化熱供給用の水管を通し28の伝熱性能向上のために伝熱プレートを取り付ける。30は加熱器であり加熱熱源として29の電気ヒーターが設置されている。給水ポンプで給水するまえに、加熱器の加熱を行い給水管内、キャピラリーチューブ内、熱交換器内、加熱器内の空気を放出して管内を負圧にした後に高圧ポンプで水を高圧で送出する。気化された蒸気は煙突効果で連続的に昇温昇圧され26の蒸気放出管から放出される。
【図9】加熱器利用冷凍サイクルp−h線図である。31〜32は等圧放熱変化(凝縮)32〜33は等エンタルピー変化(絞り膨張)33〜34は等圧吸熱変化(蒸発)34〜31は等比エントロピー変化(加熱変化)である。
【図10】熱交換器併用加熱器利用冷凍サイクルp−h線図である。32−aは熱交換の結果、冷凍効果増加。34−aは熱交換の結果エンタルピー増加。結果、仕事量が31−31aになる。
【図11】通常断熱圧縮機利用冷凍サイクルのp‐h線図である。
【図12】断熱圧縮機、熱交換器併用冷凍サイクルp‐h線図である。31は熱交換の結果冷凍効果がましている。34aは熱交換の結果エンタルピーが増加する。理論上の仕事量が減るが断熱圧縮機では比体積が増え冷媒循環量が減少する。しかし熱交換器では下部から蒸発器戻り冷媒を吸入する事で蒸発圧力と同じ圧力となる。熱交換器と蒸発器はつながっているので。同圧力の加熱蒸気ではエンタルピーの増加ほど比体積が増加しない。34aは蒸発圧力と同じで過熱蒸気になっている。35は熱交換後エンタルピー上昇点である。
【図13】エンタルピー増加と比体積関係図である。36は等比エンタルピー線37は等エンタルピー線38は等比体積線である。等比エントロピー変化より比体積の増加が少ない。この結果冷媒循環量の減少がエンタルピーの増加ほど減少しない。
【図14】断熱膨張器である。
【図15】吸入圧力制御回路である。
【符号の説明】
【0025】
1 凝縮器
2 受液器
3 膨張弁
4 蒸発器
5 加熱器
6 逆止弁
7 圧力容器
8 熱交換器
9 圧力容器入口
10 圧力容器出口
11 高温熱源
12 内管
13 外管
14 低温冷媒入口
15 低温冷媒出口
16 高温冷媒入口
17 高温冷媒出口
18 断熱圧縮機
19 液噴射回路
20 給水配管
21 高圧ポンプ
22 キャピラリーチューブ
23 蒸気
24 蒸気溜り
25 気化熱供給用水管
26 蒸気放出管
27 圧力容器
28 伝熱プレート
29 電気ヒーター
30 最終加熱器
31−32 等圧放熱変化(凝縮)
32−33 等エンタルピー変化(絞り膨張)
33−34 等圧吸熱変化(蒸発)
34−31 等比エントロピー変化(加熱変化)
35 熱交換器エンタルピー上昇点
36 等比エンタルピー線
37 等エンタルピー線
38 等比体積線
39 拡大管
40 入口管
41 断熱膨張器
42 凝縮ホットガスバイパス回路
43 吐出ホットガスバイパス回路
44 液噴射回路
45 吐出ホットガスバイパス回路用電磁弁
46 吐出ホットガスバイパス回路用圧力スウィッチ
47 凝縮ホットガスバイパス回路用電磁弁
48 凝縮ホットガスバイパス回路用圧力スウィッチ
49 液噴射回路用電磁弁
50 液噴射回路用サーモスタット
51 蒸発圧力調整弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱器利用装置であって
流体と
圧力容器と流体を加熱する加熱熱源からなる加熱器と、
加熱器の低温流体入り口を高温流体出口より低い位置に配置する事を特徴とする
加熱器利用装置
【請求項2】
更に流体を供給する流体供給手段と、
流体を高圧で送出する流体高圧送出手段と、
流体を低温低圧化する流体絞り膨張手段と、
気化した流体に気化熱を供給する気化熱供給熱交換加熱器と、
流体を所定の温度に最終加熱する最終加熱熱源を有する最終加熱器
を備えることを特徴とする請求項1の加熱器利用装置
【請求項3】
更に前記流体を水とし、
前記流体供給手段を給水装置とし、
前記流体高圧送出手段を高圧給水ポンプとし、
前記流体絞り膨張手段を膨張弁又はキャピラリーチューブ又はキャピラリーチューブ機能を有する細管とし、
前記気化熱供給熱交換加熱器の熱源を外気また地下水または水道水とし、
前記最終加熱熱源を電気抵抗発熱熱源または燃焼熱熱源とする事を特徴とする請求項1または2の加熱器利用装置
【請求項4】
更に前記流体を冷媒とし、
前記流体高圧送出手段を凝縮器とし、
前記気化熱供給熱交換加熱器を蒸発器とし
前記絞り膨張手段を膨張弁又はキャピラリーチューブとし、
前記最終加熱熱源を電気抵抗発熱熱源または燃焼熱熱源とする事を特徴とする請求項1〜3いずれかの加熱器利用装置
【請求項5】
更に液噴射回路を備える事を特徴とする請求項1〜4いずれかの加熱器利用装置
【請求項6】
更に蒸発器と加熱器の間に設置された逆止弁を備える事を特徴とする請求項1〜5の加熱器利用装置
【請求項7】
更に前記加熱器と凝縮器の間に逆止弁を備える事を特徴とする請求項1〜6いずれかの加熱器利用装置
【請求項8】
更に蒸発器戻りの低温冷媒と前記加熱器で加熱された高温冷媒を熱交換するガスガス熱交換器を備える事を特徴とする請求項1〜7いずれかの加熱器利用装置
【請求項9】
更に蒸発器戻りの低温冷媒と凝縮器で凝縮された高温液冷媒とを熱交換する液ガス熱交換器を備えることを特徴とする請求項1〜8いずれかの加熱器利用装置
【請求項10】
冷媒と、
凝縮器と、
蒸発器と、
膨張弁またはキャピラリーチューブと、
断熱圧縮機と、
蒸発器戻りの低温冷媒と断熱圧縮機で加熱された高温冷媒を熱交換するガスガス熱交換器と、
断熱圧縮機の吸入管路に凝縮器で凝縮された高温液冷媒を噴射する液ガス噴射装置を備えることを特徴とする加熱器利用装置
【請求項11】
更に蒸発器とガスガス熱交換器の間に設置された逆止弁とを備える事を特徴とする請求項10の加熱器利用装置
【請求項12】
低圧蒸気発生蒸気ボイラーであって
水を給水する給水装置と、
高圧給水ポンプと、
膨張弁またはキャピラリーチューブまたはキャピラリーチューブ機能を有する細管と、
水の気化に必要な空間と気化に必要な気化熱を供給する熱交換器と、
圧力容器と高温熱源からなる加熱器を備えることを特徴とする低圧蒸気発生蒸気ボイラー
【請求項13】
更に断熱圧縮機の吸入口の前に設置された断面積を拡大する事により冷媒を断熱膨張させる断熱膨張器を備える事を特徴とする請求項1〜12の加熱器利用装置
【請求項14】
更に前記断熱膨張器に受液器の液を噴射する液噴射回路を備える事を特徴とする請求項1〜13の加熱器利用装置
【請求項15】
更に凝縮器と受液器との間の高温冷媒ガスを前記断熱膨張器に噴出する凝縮ホットガス噴射回路を備えることを特徴とする請求項1〜14の加熱器利用装置
【請求項16】
更に断熱圧縮機の吐出高温ガス冷媒を前記断熱膨張器に噴射する吐出ホットガス噴射回路を備えることを特徴とする請求項1〜15の加熱器利用装置。
【請求項17】
更に前記熱交換器の高温冷媒を凝縮器と受液器間の高温気体冷媒とし
前記熱交換器の低温冷媒を蒸発器を出た低温冷媒とする請求項1〜16の加熱器利用装置
【請求項18】
更に冷媒の絞り膨張させるキャピラリーチューブと、
蒸発圧力を調整する蒸発圧力調整弁を備えることを特徴とする請求項1〜17の加熱器利用装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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