説明

加熱調理器

【課題】板金加工品によって蒸気発生装置を製造し、より低コストな加熱調理器を提供する。
【解決手段】加熱調理器1は、被加熱物Oを収容する加熱室2bを仕切る調理庫2と、加熱室2b内に蒸気を供給して被加熱物Oを加熱する蒸気発生装置31と、を備える。蒸気発生装置31は、水を導入する給水口36および給水口36に接続する凹部37を有する鋳造製で箱状の容器38と、容器38に設けられて水を加熱し蒸気を発生させる蒸発ヒータ35と、凹部37内に発生する蒸気を加熱室2bへ導く噴出口39を有して容器38の凹部37を塞ぐ板金製の容器蓋41と、を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明に係る実施形態は加熱調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
蒸気を用いて被加熱物の加熱調理を行う加熱調理器がある。この加熱調理器は、蒸気を発生させる蒸気発生装置を備える。
【0003】
蒸気発生装置は、水を溜める空間を仕切る凹部を有する容器と、凹部を塞ぐ容器蓋と、容器に設けられて水を加熱し蒸気を発生させるヒータと、を備える。容器および容器蓋は、アルミダイカストである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−76124号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の加熱調理器は、蒸気発生装置の容器および容器蓋をアルミダイカストで成型するため、それぞれの成型に使用する金型や、この金型の保守を必要とし相応の費用が掛かる。
【0006】
他方、ダイカストに比べてより安価な板金加工品によって蒸気発生装置を製造できれば、蒸気発生装置の低コスト化、ひいては加熱調理器の低コスト化が実現できる。
【0007】
しかるに、従来ダイカストで成型していた容器および容器蓋を単純に板金加工品に置き換えることは困難である。
【0008】
そこで、本発明は、板金加工品によって蒸気発生装置を製造し、より低コストな加熱調理器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の課題を解決するため本発明の実施形態に係る加熱調理器は、被加熱物を収容する加熱室を仕切る調理庫と、前記加熱室内に蒸気を供給して前記被加熱物を加熱する蒸気発生装置と、を備え、前記蒸気発生装置は、水を導入する給水口および前記給水口に接続する凹部を有する鋳造製で箱状の容器と、前記容器に設けられて前記水を加熱し前記蒸気を発生させるヒータと、前記凹部内に発生する蒸気を前記加熱室へ導く噴出口を有して前記容器の凹部を塞ぐ板金製の容器蓋と、を備えることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態に係る加熱調理器を示す正面図。
【図2】本発明の実施形態に係る加熱調理器を示す縦断面図。
【図3】本発明の実施形態に係る加熱調理器を示す横断面図。
【図4】本発明の実施形態に係る加熱調理器の蒸気発生装置を示す部分的な横断面図。
【図5】本発明の実施形態に係る加熱調理器の蒸気発生装置の他の例を示す部分的な横断面図。
【図6】本発明の実施形態に係る加熱調理器の蒸気発生装置の他の例を示す部分的な横断面図。
【図7】本発明の実施形態に係る加熱調理器の蒸気発生装置の他の例を示す部分的な横断面図。
【図8】本発明の実施形態に係る加熱調理器の蒸気発生装置の他の例を示す部分的な横断面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る加熱調理器の実施の形態について、図1から図8を参照して説明する。
【0012】
図1は、本発明の実施形態に係る加熱調理器を示す正面図である。
【0013】
本実施形態に係る加熱調理器1は、電子レンジとオーブンとの双方の機能を併せ持つ。図1に示すように、加熱調理器1は、前面の開口2aから被加熱物Oを出し入れ可能な加熱室2bを仕切る矩形箱状の調理庫2と、調理庫2の開口2aを開閉可能な扉3を、を備える。
【0014】
調理庫2は、加熱室2bを仕切る矩形箱状の内箱5と、内箱5を囲う外箱7と、を備える。
【0015】
内箱5は、複数の小さな開口が上下二条に分かれて幅方向へ並ぶ上熱風吐出口8および下熱風吐出口9と、上熱風吐出口8および下熱風吐出口9の中央部に挟まれて複数の小さな開口が円状に並ぶ吸入口11と、を背面5aに有する。また、内箱5は、複数の小さな開口が矩形に並ぶ励振口12を左側面5bに有する。さらに内箱5は、複数の小さな開口が水平に並ぶ蒸気噴出口13を右側面5cに有する。
【0016】
また、内箱5は、右側面5cに固定されて加熱室2b内の温度を測定する庫内温度センサ15を備える。庫内温度センサ15は例えばサーミスタである。
【0017】
扉3は、調理庫2の前面下端部に位置する水平な回転軸を中心に回転可能であり、この回転軸の周りに回転して調理庫2の前面に接すると加熱室2bを閉鎖し、この回転軸の周りに回転して略水平に倒れると開口2aを全開する。
【0018】
図2は、本発明の実施形態に係る加熱調理器を示す縦断面図である。
【0019】
図2に示すように、本実施形態に係る加熱調理器1の調理庫2は、内箱5と外箱7とを隔てる隙間17を有する。加熱調理器1は、内箱5の背面5aと外箱7の背面7aとの隙間17aに位置して加熱室2b内の被加熱物Oを熱風で加熱可能なオーブン調理機構20を備える。
【0020】
オーブン調理機構20は、吸入口11の後方に位置するファン装置21と、上熱風吐出口8および下熱風吐出口9を臨む複数のヒータ22、23と、ケーシング24と、を備える。
【0021】
ファン装置21は、ケーシング24の背面に固定されるファンモータ25と、ケーシング24の内部に位置して吸入口11を臨みファンモータ25の回転軸に固定される遠心ファン26と、を備える。
【0022】
ヒータ22、23は、上熱風吐出口8の後方に位置する上辺部22a、23aと、下熱風吐出口9の後方に位置する下辺部22b、23bと、を備え、ファン装置21の周囲を環状に囲む。
【0023】
ケーシング24は、ファン装置21の遠心ファン26およびヒータ22、23を収容しつつ内箱5の背面5aにある上熱風吐出口8、下熱風吐出口9および吸入口11の後方に熱風の加熱流路を仕切る。
【0024】
オーブン調理機構20は、ファン装置21を駆動して加熱室2b内の空気を吸入口11からケーシング24内に吸入し、遠心ファン26が周囲へ吐出する空気をヒータ22、23で加熱した空気を上熱風吐出口8および下熱風吐出口9から加熱室2b内へ吐出して加熱室2b内の被加熱物Oを熱風で加熱する。
【0025】
図3は、本発明の実施形態に係る加熱調理器を示す横断面図である。
【0026】
図3に示すように、本実施形態に係る加熱調理器1は、内箱5の底面5dと外箱7の底面7dとの隙間17dに位置して加熱室2b内の被加熱物Oにマイクロ波を照射可能なマグネトロン27を備える。マグネトロン27が照射するマイクロ波は、内箱5の左側面5bと外箱7の左側面7bとの隙間17bに延びる導波管28によって内箱5の左側面5bにある励振口12へ導かれ、励振口12から加熱室2b内に広がり被加熱物Oを加熱する。
【0027】
また、本実施形態に係る加熱調理器1は、加熱室2b内の被加熱物Oを蒸気で加熱可能な蒸気調理機構29を備える。
【0028】
蒸気調理機構29は、内箱5の底面5dと外箱7の底面7dとの隙間17dおよびその下方に延びて水を貯留するタンク30と、内箱5の右側面5cと外箱7の右側面7cとの隙間17cに位置し、加熱室2b内に蒸気を供給して被加熱物を加熱する蒸気発生装置31と、タンク30から蒸気発生装置31へ水を汲み上げる電動ポンプ32と、電動ポンプ32と蒸気発生装置31とを流体的に接続するホース33と、を備える。
【0029】
蒸気発生装置31は、蒸気噴出口13から加熱室2b内に蒸気を供給して被加熱物を加熱する。蒸気発生装置31は、水を加熱し蒸気を発生させる蒸発ヒータ35を備える。
【0030】
図4は、本発明の実施形態に係る加熱調理器の蒸気発生装置を示す部分的な横断面図である。
【0031】
図4に示すように、本実施形態に係る蒸気発生装置31は、水を導入する給水口36および給水口36に接続する凹部37を有する鋳造製で箱状の容器38と、容器38に設けられて水を加熱し蒸気を発生させる蒸発ヒータ35と、凹部37内に発生する蒸気を加熱室2bへ導く噴出口39を有して容器38の凹部37を塞ぐ板金製の容器蓋41と、を備える。
【0032】
容器38および容器蓋41は、異種金属接触腐食を防止するため、いずれも同種の金属、具体的にはアルミニウム合金を素材とする。
【0033】
容器38は、鋳造、特にダイカストで成形される。容器38の凹部37は加熱室2b側へ開放する。給水口36は、外箱7を臨む容器38の側面に突出する円筒形状の継手部分にあり、加熱調理器1の上下方向に見て容器蓋41の噴出口39よりも下方に位置する。
【0034】
また、容器38は凹部37内に迷路状の蒸気流路を形成する複数のリブ42を備える。複数のリブ42は、少なくとも噴出口39より下方に位置する。複数のリブ42が形成する迷路状の蒸気通路は、凹部37内で発生する蒸気をさらに加熱する。
【0035】
さらに、容器38は、容器蓋41を固定する耳板43を備える。耳板43は、断続的かつ環状に凹部37の周囲を囲むように容器38から突出し、容器蓋41の外周縁を抱えるようにかしめられて容器蓋41を容器38に強固に固定する。
【0036】
蒸発ヒータ35は、直管状のシーズヒータであり、凹部37の下方に位置する。蒸発ヒータ35は、容器38の成形に使用する鋳型内に予め配置した後、溶融金属(具体的には溶融したアルミニウム合金)を注入して容器38を成形することによって容器38と一体化する。蒸発ヒータ35の外周面はケース45に密着する。蒸発ヒータ35は、給水口36から凹部37内に流入する水を加熱して蒸気を生成する。蒸発ヒータ35の両端部の電極は、容器38外に突出する位置にあり、給電用のリード線(図示省略)に電気的に接続する。
【0037】
容器蓋41は、打ち抜き加工や絞り加工などのプレス加工によって板金を成形したものである。
【0038】
また、容器蓋41は、容器38のリブ42より上方かつ噴出口39より下方に位置する庇部46を備える。庇部46は、容器蓋41に施す絞り加工などのプレス加工によって形成される。庇部46は、噴出口39の直下に位置して凹部37側へ没入し、凹部37内のリブ42と協働して凹部37内に溜まる水が噴出口39へ流出することを防ぐ。
【0039】
容器蓋41の噴出口39は、内箱5の蒸気噴出口13に対応して位置する。噴出口39は容器蓋41に施す絞り加工によって形成され、容器蓋41から加熱室2bへ向けて突出する円筒形状を有する。
【0040】
蒸気発生装置31は、蒸発ヒータ35を通電、加熱して所要の温度(例えば、凹部37の底部部分が約120℃)に達すると電動ポンプ32が吐出する水を給水口36から凹部37へ導き、蒸気を発生する。この蒸気は、凹部37内を上昇して噴出口39に達し、内箱5の蒸気噴出口13を経て加熱室2b内へ噴出する。すなわち、蒸気発生装置31は、途中に中継流路を介することなく、噴出口39から内箱5の蒸気噴出口13へ直接的に蒸気を供給して蒸気の熱損失を低減する。
【0041】
次に、実施形態に係る加熱調理器1の蒸気発生装置31の他の例を説明する。なお、各例で説明する蒸気発生装置31A、31B、31Cおよび31Dにおいて蒸気発生装置31と同じ構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0042】
図5は、本発明の実施形態に係る加熱調理器の蒸気発生装置の他の例を示す部分的な横断面図である。
【0043】
図5に示すように、本実施形態に係る蒸気発生装置31Aは、容器38と容器蓋41との継ぎ目を埋めるシール部48を備える。シール部48は、耐熱性のシリコーン接着剤を塗布、硬化したものであり、凹部37内から容器38と容器蓋41との継ぎ目を経路とする漏水を防ぐとともに容器38と容器蓋41との接合を補強する。
【0044】
なお、シール部48が容器38と容器蓋41との固定に十分な接着強度を有する場合、耳板43によるかしめ接合を採用せずに容器38と容器蓋41とを接着して固定しても良い。また、シール部48は、容器38と容器蓋41との接触面の広範囲に渡って塗布し、硬化させても良い。
【0045】
図6は、本発明の実施形態に係る加熱調理器の蒸気発生装置の他の例を示す部分的な横断面図である。
【0046】
図6に示すように、本実施形態に係る蒸気発生装置31Bは、耳板43に代えて、凹部51と凸部52とを嵌合して容器38と容器蓋41とを接合し、固定する嵌合固定構造53を備える。
【0047】
凹部51は、容器38側にあり、凹部37の周囲を環状に囲む溝である。凹部51は、適宜の鋳型を使用して容器38の鋳造時に一括して形成しても良く、容器38の鋳造後に切削加工などの追加的な加工によって形成しても良い。
【0048】
凸部52は、容器蓋41側にあり、凹部51に対応して環状に延びる。凸部52は、容器蓋41のプレス加工にともない絞り加工によって形成される。
【0049】
嵌合固定構造53は、凸部52の厚みが凹部51の溝幅よりも若干大きく、凸部52を凹部51に圧入して接合し、容器38と容器蓋41とを強固に接合して凹部37から水や蒸気が漏れることを防ぐ。
【0050】
図7は、本発明の実施形態に係る加熱調理器の蒸気発生装置の他の例を示す部分的な横断面図である。
【0051】
図7に示すように、本実施形態に係る蒸気発生装置31Cは、容器蓋41の外周縁に施す絞り加工によって形成されるリブ55と、容器蓋41を貫通し容器38に締まり付いて容器蓋41を容器38に固定する締結部材57と、容器38と容器蓋41との間に挟み込まれる環状のシールリング58と、を備える。
【0052】
リブ55は、凹部37内の蒸気圧によって容器38と容器蓋41との間に隙間が開かないよう容器蓋41の剛性を高める。リブ55は、内箱5との干渉を避けるため、容器蓋41の外周縁から外箱7の方向へ延びる。リブ55は、容器蓋41の外周縁全周を囲むことが望ましいが、部分的に欠けていても良い。
【0053】
シールリング58は凹部37の周囲を環状に囲む。シールリング58は容器38に形成されたシール溝59に嵌まり、容器蓋41に接して、容器38と容器蓋41とに押し潰されてシール性を高める。
【0054】
締結部材57は、所謂ネジまたはボルトであり、蒸気発生装置31Cの組立および分解の容易性に寄与する。締結部材57は、容器蓋41の開口61を通過し、容器38のネジ穴62に締まり込んで容器38に容器蓋41を固定する。締結部材57は、凹部37を囲むシールリング58よりも容器38の外縁側に位置し、容器蓋41の開口61から凹部37内の水や蒸気が漏れることを防ぐ。
【0055】
図8は、本発明の実施形態に係る加熱調理器の蒸気発生装置の他の例を示す部分的な横断面図である。
【0056】
図8に示すように、本実施形態に係る蒸気発生装置31Dは、容器蓋41を折り曲げて板厚を重ねた厚肉部56と、厚肉部56を貫通し容器38に締まり付いて容器蓋41を容器38に固定する締結部材57と、容器38と容器蓋41との間に挟み込まれる環状のシールリング58と、を備える。
【0057】
厚肉部56は、例えば容器蓋41の外周縁全周を折り曲げて板厚が倍増した部分である。厚肉部56は、凹部37内の蒸気圧によって容器38と容器蓋41との間に隙間が開かないよう容器蓋41の剛性を高めるとともに、締結部材57の締結の影響をより広範囲に及ぼし、シールリング58をより均等に押し潰してシール性を向上する。厚肉部56は、容器蓋41の外周縁全周を囲むことが望ましいが、部分的に欠けていても良い。
【0058】
本実施形態に係る加熱調理器1は、ダイカスト製の容器38に板金加工品の容器蓋41を組み合わせることによって、容器と容器蓋との双方をダイカストで形成していた従来の蒸気発生装置に比べて蒸気発生装置31、31A、31B、31Cおよび31Dの低コスト化を可能にし、ひいてはより加熱調理器1全体の低コスト化を図ることができる。
【0059】
また、本実施形態に係る加熱調理器1は、絞り加工によって噴出口39を容易に形成し、この筒状の噴出口39によって蒸気発生装置31が発生する蒸気を加熱室2b内へ効率的に供給できるとともに、内箱5の蒸気噴出口13を通じて加熱室2b内から電波が漏洩することを防ぐことができる。
【0060】
さらに、本実施形態に係る加熱調理器1は、容器蓋41に庇部46を備えるので、凹部37から噴出口39へ水の吹きこぼれを防ぐ。この庇部46は、容器蓋41に絞り加工などのプレス加工を施して形成することが可能であり、容易に形成することができる。
【0061】
さらにまた、本実施形態に係る加熱調理器1は、容器蓋41の外縁部にリブ55を形成することによって、容器蓋41の剛性を高め、凹部37内に発生する蒸気圧によって容器38と容器蓋41との間に隙間を生じ難く、しかもシールリング58を確実に押し潰して凹部37内から水や蒸気が漏れることを防ぐことができる。このリブ55は、容器蓋41に絞り加工などのプレス加工を施して形成することが可能であり、容易に形成することができる。
【0062】
また、本実施形態に係る加熱調理器1は、容器蓋41を折り曲げて板厚を重ねた厚肉部56を形成することによって、容器蓋41の剛性を高め、凹部37内に発生する蒸気圧によって容器38と容器蓋41との間に隙間を生じ難く、しかもシールリング58をより均等かつ確実に押し潰して凹部37内から水や蒸気が漏れることを防ぐことができる。この厚肉部56は、容器蓋41を折り曲げて形成することが可能であり、容易に形成することができる。
【0063】
さらに、本実施形態に係る加熱調理器1は、耳板43をかしめて容器蓋41を容器38に強固に固定するため、凹部37内に発生する蒸気圧によって容器38と容器蓋41との間に隙間を生じ難く、凹部37内から水や蒸気が漏れることを防ぐことができる。この耳板43は、容器38の鋳造とともに形成することが可能であり、容易に形成することができる。
【0064】
したがって、本実施形態に係る加熱調理器1によれば、板金加工品によって蒸気発生装置31、31A、31B、31Cおよび31Dを製造し、より低コスト化できる。
【0065】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0066】
1 加熱調理器
2a 開口
2b 加熱室
2 調理庫
3 扉
5 内箱
5a 背面
5b 左側面
5c 右側面
5d 底面
7 外箱
7a 背面
7c 右側面
7d 底面
8 上熱風吐出口
9 下熱風吐出口
11 吸入口
12 励振口
13 蒸気噴出口
15 庫内温度センサ
17、17a、17c、17d 隙間
20 オーブン調理機構
21 ファン装置
22、23 ヒータ
22a、23a 上辺部
22b、23b 下辺部
24 ケーシング
25 ファンモータ
26 遠心ファン
27 マグネトロン
28 導波管
29 蒸気調理機構
30 タンク
31、31A、31B、31C、31D 蒸気発生装置
32 電動ポンプ
33 ホース
35 蒸発ヒータ
36 給水口
37 凹部
38 容器
39 噴出口
41 容器蓋
42 リブ
43 耳板
45 ケース
46 庇部
48 シール部
51 凹部
52 凸部
53 嵌合固定構造
55 リブ
56 厚肉部
57 締結部材
58 シールリング
59 シール溝
61 開口
62 ネジ穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加熱物を収容する加熱室を仕切る調理庫と、
前記加熱室内に蒸気を供給して前記被加熱物を加熱する蒸気発生装置と、を備え、
前記蒸気発生装置は、
水を導入する給水口および前記給水口に接続する凹部を有する鋳造製で箱状の容器と、
前記容器に設けられて前記水を加熱し前記蒸気を発生させるヒータと、
前記凹部内に発生する蒸気を前記加熱室へ導く噴出口を有して前記容器の凹部を塞ぐ板金製の容器蓋と、を備えることを特徴とする加熱調理器。
【請求項2】
前記噴出口は前記容器蓋に施す絞り加工によって形成されて前記容器蓋から前記加熱室へ向けて突出することを特徴とする請求項1に記載の加熱調理器。
【請求項3】
前記噴出口の下方に位置し前記容器蓋に施す絞り加工によって形成されて前記凹部側へ没入し前記凹部内に溜まる前記水が前記噴出口へ流出することを防ぐ庇部を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の加熱調理器。
【請求項4】
前記容器蓋の外周縁に施す絞り加工によって形成されるリブと、
前記容器蓋を折り曲げて板厚を重ねた厚肉部と、
前記厚肉部を貫通し前記容器に締まり付いて前記容器蓋を前記容器に固定する締結部材と、を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の加熱調理器。
【請求項5】
前記凹部の周囲を囲むように前記容器から突出して前記容器蓋の外周縁を抱えるようにかしめられて前記容器蓋を前記容器に固定する耳板を備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の加熱調理器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−64576(P2013−64576A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−204827(P2011−204827)
【出願日】平成23年9月20日(2011.9.20)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(502285664)東芝コンシューマエレクトロニクス・ホールディングス株式会社 (2,480)
【出願人】(503376518)東芝ホームアプライアンス株式会社 (2,436)