説明

加熱調理用油脂組成物およびその製造方法、ならびに加熱調理用油脂組成物用の酸価上昇抑制剤

【課題】大量の加熱調理における油脂組成物の酸価の上昇を長期間にわたって低減できる加熱調理用油脂組成物およびその製造方法、ならびに加熱調理用油脂組成物用の酸価上昇抑制剤を提供することにある。
【解決手段】油脂に、ポリグリセリン脂肪酸エステルを0.01〜2質量%含み、前記ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成するポリグリセリンの平均重合度が12〜40であり、水酸基価が180以下であることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、優れた加熱調理時の酸価上昇抑制を有する加熱調理用油脂組成物およびその製造方法、ならびに加熱調理用油脂組成物用の酸価上昇抑制剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、食品の品質に対する関心がますます向上しつつあり、揚げ物等の加工食品に活用されている食用油脂についても例外ではない。食用油脂は、一般的に熱と光により劣化する。この時、水分の存在により加水分解劣化が、また、酸素の存在により酸化劣化が起こり、風味や色調も劣化する。主に加水分解は酸価の値に、酸化劣化は過酸化物価の値に影響を与えるため、酸価や過酸化物価は食用油脂の劣化の指標として用いられている。特に、フライ、天ぷら、から揚げ等の油ちょう調理品は水分を多く含むため180℃前後の油で加熱調理を行う場合には、加水分解を抑えることが重要となる。
【0003】
特に、スーパー、飲食店、レストラン等で使用される業務用のフライ油脂は、長時間にわたって大量の油ちょう調理品を加熱調理することが多いため、例えば酸価で使用の可否を判断することが一般的である。加水分解劣化等による酸価の上昇が早いと油の耐久性が悪くなる問題点があった。
【0004】
一方、ポリグリセリン脂肪酸エステルは、フライ油脂等にも使用されており、例えば、特許文献1に記載のように、一定の脂肪酸組成比を有するパーム分別軟質油と組み合わせることにより、油ちょう後の食感を改善することができるなどの機能を有していることが知られているが、油ちょう時の酸価上昇抑制などの検討はなされていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−171987号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、大量の加熱調理における油脂組成物の酸価の上昇を長期間にわたって低減できる加熱調理用油脂組成物およびその製造方法、ならびに加熱調理用油脂組成物用の酸価上昇抑制剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明にかかる加熱調理用油脂組成物は、油脂に対して、ポリグリセリン脂肪酸エステルを0.01〜2質量%含み、前記ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成するポリグリセリンの平均重合度が12〜40であり、水酸基価が180以下であることを特徴とするものである。
ここで、ポリグリセリン脂肪酸エステルとはポリグリセリンと脂肪酸とのエステルである。
【0008】
このような加熱調理用油脂組成物においてより好ましくは、前記ポリグリセリン脂肪酸エステルは、構成脂肪酸中の炭素数16〜18の不飽和脂肪酸の割合を50〜90質量%とする。
【0009】
また好ましくは、前記油脂が、構成脂肪酸中の飽和脂肪酸の割合が15質量%以下の植物油脂であり、好ましくは前記植物油脂がキャノーラ油である。
【0010】
上述の加熱調理用油脂組成物を製造するに当って、油脂に対して、ポリグリセリンの平均重合度が12〜40であり、水酸基価が180以下であるポリグリセリン脂肪酸エステルが0.01〜2質量%になるように添加する工程を含むことが好ましい。
【0011】
本発明にかかる加熱調理用油脂組成物の酸価上昇抑制剤は、ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成するポリグリセリンの平均重合度が12〜40であり、水酸基価が180以下であるポリグリセリン脂肪酸エステルを含むことを特徴とする。
【0012】
このような加熱調理用油脂組成物の酸価上昇抑制剤においてより好ましくは、前記ポリグリセリン脂肪酸エステルは、構成脂肪酸中の炭素数16〜18の不飽和脂肪酸の割合を50〜90質量%とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の加熱調理用油脂組成物は、特定のポリグリセリン脂肪酸エステルを特定量含むことで、特に大量の加熱調理における油脂の酸価の上昇を抑制し、従来よりも長時間加熱調理を行うことができるとともに、酸価の上昇にともなう加熱臭の発生などの油脂の劣化を有効に低減し得る。
【0014】
このような利点から、本発明の加熱調理用油脂組成物は、食品の油揚げ用、特にテンプラ用、唐揚げ用などの油揚げ用に好適に用いることができる。
【0015】
また、加熱調理用油脂組成物の酸価上昇抑制剤は、特定のポリグリセリン脂肪酸エステルを特定量含むことで、特に大量の加熱調理における油脂の酸価の上昇を抑制し、従来よりも長時間加熱調理を行うことができるとともに、酸価の上昇にともなう加熱臭の発生などの油脂の劣化を有効に低減し得る。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の加熱調理用油脂組成物は、油脂に対してポリグリセリン脂肪酸エステルを0.01〜2質量%含み、前記ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成するポリグリセリンの平均重合度が12〜40であり、水酸基価が180以下であることを特徴とする。
【0017】
本発明の加熱調理用油脂組成物は、ポリグリセリン脂肪酸エステルを含み、このポリグリセリン脂肪酸エステルは乳化剤の一種であり、グリセリンやグリシドール、エピクロロヒドリン等の縮合で得られたポリグリセリンと特定の脂肪酸とを、水酸化ナトリウム等の触媒存在下でエステル化させて製造することができる。
【0018】
また、本発明の加熱調理用油脂組成物の酸価上昇抑制剤は、ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成するポリグリセリンの平均重合度が12〜40であり、水酸基価が180以下であるポリグリセリン脂肪酸エステルを含むことを特徴とする。
【0019】
本発明の加熱調理用油脂組成物の酸価上昇抑制剤は、ポリグリセリン脂肪酸エステルからなることが好ましいが、粘度が高い場合は、油脂で希釈したものを用いることもできる。油脂の希釈倍率は、ポリグリセリン脂肪酸エステルに対して0.3〜4質量倍であることが好ましい。
【0020】
ポリグリセリン脂肪酸エステルは、油脂に対して0.01〜2質量%、好ましくは0.01〜0.8質量%含有する。
【0021】
ポリグリセリン脂肪酸エステル(A)が0.01質量%未満では、酸価上昇を十分に抑制することができず、一方2質量%を超えると、油脂が着色するおそれがある。
【0022】
そして本発明では、ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成するポリグリセリンの平均重合度が12〜40、好ましくは15〜30、より好ましくは16〜25である。
また、ポリグリセリン脂肪酸エステルの水酸基価は180以下、好ましくは30〜170、より好ましくは40〜160である。
【0023】
ここで、水酸基価は基準油脂分析試験法(2,3,6,2−1996ヒドロキシル価(ピリジン−無水酢酸法))を用いて測定することができる。
平均重合度は、原料となるポリグリセリンの平均重合度をn、平均分子量をm、原料のポリグリセリンの水酸基価をOHVとすると、
m=74n+18
OHV=56110(n+2)/m
の関係にあり、原料となるポリグリセリンの水酸基価を上記基準油脂分析法に従い実測し、上記関係式よりポリグリセリンの平均重合度と平均分子量を算出することができる。
【0024】
平均重合度が12未満では、酸価上昇を十分に抑制できず、一方40を超えると、ポリグリセリンの粘度が高く、ポリグリセリン脂肪酸エステルを製造することが難しくなる。
また、水酸基価が180を超えると酸価上昇を十分に抑制できず、油脂へ溶解する上で好ましくない。
【0025】
このような加熱調理用油脂組成物および加熱調理用油脂組成物の酸価上昇抑制剤においてより好ましくは、ポリグリセリン脂肪酸エステルが、エステルを構成する脂肪酸として炭素数16〜18の不飽和脂肪酸を含む。炭素数16〜18の不飽和脂肪酸としては、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸およびこれらのトランス異性化物、およびこれらの混合物等が挙げられる。
【0026】
ポリグリセリン脂肪酸エステルは、上記不飽和脂肪酸の割合が50〜90質量%、好ましくは60〜90質量%、より好ましくは65〜85質量%である。
この量で含有することが、酸価上昇を十分に抑制し、油脂へ溶解する上で好ましい。
【0027】
ポリグリセリン脂肪酸エステルの構成脂肪酸の残部は、他の脂肪酸を含むことができ、例えば炭素数8〜24の飽和脂肪酸、炭素数20〜24の不飽和脂肪酸を含むことができる。
【0028】
ポリグリセリン脂肪酸エステルのけん化価は、特に限定するものではないが、好ましくは100〜200、さらに好ましくは120〜180である。なお、けん化価は基準油脂分析試験法(2.3.2.1−1996けん化価(その1))で測定することができる。
【0029】
これらのポリグリセリン脂肪酸エステルは、例えば以下の方法によって製造することができるがこれに限定されるものではない。
グリセリンと水酸化ナトリウムを混合し、水を除去しながら200℃〜270℃で縮合反応させ、ポリグリセリンを得る。このポリグリセリンを、水希釈して活性炭処理やイオン交換樹脂で精製、さらに脱水することで、本発明のポリグリセリン脂肪酸エステルの原料として用いることができる。なお、より平均重合度の高いポリグリセリンを得るために、上記反応後に得られたポリグリセリンを分子蒸留やゲルろ過により低分子部分を除去してもよい。
このポリグリセリンと不飽和脂肪酸および飽和脂肪酸とを適当な比率で反応容器に仕込み、水酸化ナトリウム等の触媒存在下、200℃以上窒素気流下で脱水しながら反応させ、ポリグリセリン脂肪酸エステルとすることができる。
【0030】
本発明の加熱調理用油脂組成物には、上記ポリグリセリン脂肪酸エステルのほか、植物油脂を含むことができる。具体的には、例えば、オリーブ油、ヤシ油、パーム油、菜種油、コーン油、大豆油、米糠油、米油、サフラワー油、綿実油、ひまわり油、小麦胚芽油、落花生油、ごま油、亜麻仁油等の植物油脂の一種、又は2種以上ブレンドしたもの、これらの分別油、硬化油、エステル交換油等が挙げられる。かかる植物油脂としては、20℃で液状の態様のものが好ましい。原料油脂そのものが20℃で固体であっても、他の原料油脂と併用して用いることによって、油脂全体として液状であればよく、好ましくは構成脂肪酸の飽和脂肪酸の割合が15質量%以下、更に好ましくは10質量%以下の植物油脂である。最も好ましくはキャノーラ油である。
本発明の加熱調理用油脂組成物におけるポリグリセリン脂肪酸エステル以外の植物油脂の含量は、加熱調理用油脂組成物の残部を構成するのが好ましい。
【0031】
本発明に係る加熱調理用油脂組成物は、一般の油脂と同様、植物の種子又は果実から搾油された粗油を出発原料として用い、順に、必要に応じて、脱ガム工程、脱酸工程、脱色工程を経て、さらに必要に応じて脱ろう工程を介した後、脱臭工程を経た精製により製造することができる。上記脱ガム工程、脱酸工程、および脱ろう工程は、採油される前の油糧原料に応じて変動し得る粗油の品質に応じて適宜選択される。
【0032】
このような製造方法において、本発明の製造方法では、油脂に、上記範囲の量のポリグリセリン脂肪酸エステルを添加する工程を含む。これらの添加する工程は精製工程後であるのが望ましい。
【0033】
このような製造方法によれば、極めて酸価上昇抑制効果の高く利用価値の高い加熱調理用油脂組成物を容易に得ることができる。
【0034】
加熱調理用油脂組成物中には、本発明の効果を損ねない程度に、その他の成分を加えることができる。これらの成分とは、例えば、一般的な油脂に用いられる成分(食品添加物など)である。これらの成分としては、例えば、酸化防止剤、結晶調整剤、食感改良剤等が挙げられ、脱臭後から充填前に添加されることが好ましい。
【0035】
酸化防止剤としては、例えば、トコフェロール類、アスコルビン酸類、フラボン誘導体、コウジ酸、没食子酸誘導体、カテキンおよびそのエステル、フキ酸、ゴシポール、セサモール、テルペン類等が挙げられる。その他の乳化剤としては、例えば、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリソルベート、ポリグリセリン縮合リシノレート、ジアシルグリセロール、ワックス類、ステロールエステル類等が挙げられる。着色成分としては、例えば、カロテン、アスタキサンチン等が挙げられる。油脂に溶解又は分散するものであれば、上記のポリグリセリン脂肪酸エステルの働きを損なわない範囲で他の成分を添加することができる。
【実施例】
【0036】
以下、本発明について、実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0037】
[ポリグリセリン脂肪酸エステルの調製]
グリセリンと水酸化ナトリウムとを混合し、90℃に加熱して減圧乾燥した。次いで、200〜270℃に加熱し、攪拌して反応させた後に濾過して、ポリグリセリンを得た。ポリグリセリンの重合度は、水酸基価を測定し、ポリグリセリンの理論水酸基価から算出した。かかるポリグリセリンと下記の脂肪酸とを混合し、触媒として水酸化ナトリウムを添加して、窒素ガス気流下、200℃で反応させて、表1に示すように、それぞれの諸元を変化させたサンプル1〜7を得た。なお、表1の脂肪酸量は、構成脂肪酸中の質量%とする。
【0038】
【表1】

【0039】
<フライ試験>
電気フライヤーにそれぞれ油量4kgを入れ、180℃に加温し、表2の順序でフライ試験を行った。なお、いも天、コロッケ、唐揚げのフライ内容は、表3に従って、1日8時間行った。なお毎日フライ後に油量が4kgとなるように油を足した。
【0040】
【表2】

【0041】
【表3】

【0042】
フライ試験1
日清キャノーラ油(日清オイリオグループ(株)製/構成脂肪酸中の飽和脂肪酸量7.5質量%)に、表4に示すようなポリグリセリン脂肪酸エステルを添加して、均一になるまで攪拌して実施例1〜5および比較例1〜3を作製し、上記フライ試験を64時間(8時間×8日間)行い、その後酸価および酸価抑制率を測定し、その結果を表4に示す。
なお、酸価は、基準油脂分析試験法(2.3.1−1996 酸価)に従って測定し、数値が小さいほど、加水分解などによる酸価上昇が進んでおらず優れていることを示す。酸価抑制率は比較例1の酸価の値(対照油脂酸価)からそれぞれの酸価の値(サンプル配合油脂酸価)を引き、それを比較例1の値(対照油脂酸価)で割ったものに100をかけた値(%)とし({(対照油脂酸価−サンプル配合油脂酸価)/対照油脂酸価)}×100・・・算定式(I))、数値が大きいほど優れていることを示す。
【0043】
【表4】

【0044】
表4の結果より、実施例1〜5は、比較例1〜3に対して、酸価抑制率が優れており、長時間フライ油として使用できることが確認できた。
【0045】
フライ試験2
次に、パーム分別油(IV68:日清オイリオグループ株式会社製):日清キャノーラ油=50:50のブレンド油(構成脂肪酸中の飽和脂肪酸量22.1質量%)に表5に示すようなポリグリセリン脂肪酸エステルを添加して、均一になるまで攪拌して実施例6および比較例4を作製し、フライ試験1と同様の条件でフライ試験を行い、その後酸価および酸価抑制率を測定し、その結果を表5に示す。
なお、酸価はフライ試験1と同様の方法で測定し、酸価抑制率は比較例4の酸価の値を対象油脂酸価として算定式(I)より算出した。
【0046】
【表5】

【0047】
表5の結果より、実施例6は、比較例4に対して、酸価抑制率が向上したことより長時間フライ油として使用できることが確認できた。
【0048】
フライ試験3
パーム分別油(IV68:日清オイリオグループ株式会社製/構成脂肪酸中の飽和脂肪酸量36.7質量%)にポリグリセリン脂肪酸エステルを表6に示すようなポリグリセリン脂肪酸エステルを添加して、均一になるまで攪拌して実施例7および比較例5を作製し、フライ試験1と同様にフライ試験を行い、その後酸価および酸価抑制率を測定し、その結果を表6に示す。
なお、酸価はフライ試験1と同様の方法で測定し、酸価抑制率は比較例5の酸価の値を対象油脂酸価として算定式(I)より算出した。
【0049】
【表6】

【0050】
表6の結果より、実施例7は、比較例5に対して、酸価抑制率が向上したことより長時間フライ油として使用できることが確認できた。
【0051】
フライ試験4
日清キャノーラ油:パーム分別油(IV67:日清オイリオグループ株式会社製)=70:30のブレンド油(構成脂肪酸中の飽和脂肪酸量16.4質量%)に表7に示すようなポリグリセリン脂肪酸エステルを添加して、均一になるまで攪拌して実施例8,9および比較例6〜9を作製し、フライ試験1と同様の条件でフライ試験を行い、その後酸価および酸価抑制率を測定し、その結果を表7に示す。
なお、酸価はフライ試験1と同様の方法で測定し、酸価抑制率は比較例6の酸価の値を対象油脂酸価として算定式(I)より算出した。
【0052】
【表7】

【0053】
表7の結果より、実施例8,9は、比較例6〜9に対して、酸価抑制率が向上したことより長時間フライ油として使用できることが確認できた。
【0054】
表4〜7の結果より、所定のポリグリセリン脂肪酸エステルを含有する実施例1〜9は酸価抑制率を向上させることができ、特にキャノーラ油を含有する実施例は、パーム分別油を含有する実施例6〜8より酸価抑制率を向上させることができた。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
油脂に対して、ポリグリセリン脂肪酸エステルを0.01〜2質量%含み、前記ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成するポリグリセリンの平均重合度が12〜40であり、水酸基価が180以下であることを特徴とする加熱調理用油脂組成物。
【請求項2】
前記ポリグリセリン脂肪酸エステルは、構成脂肪酸中の炭素数16〜18の不飽和脂肪酸の割合が50〜90質量%である請求項1に記載の加熱調理用油脂組成物。
【請求項3】
前記油脂が、構成脂肪酸中の飽和脂肪酸の割合が15質量%以下の植物油脂である請求項1または2記載の加熱調理用油脂組成物。
【請求項4】
前記植物油脂がキャノーラ油である請求項3に記載の加熱調理用油脂組成物。
【請求項5】
ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成するポリグリセリンの平均重合度が12〜40であり、水酸基価が180以下であるポリグリセリン脂肪酸エステルを含むことを特徴とする加熱調理用油脂組成物用の酸価上昇抑制剤。
【請求項6】
前記ポリグリセリン脂肪酸エステルは、構成脂肪酸中の炭素数16〜18の不飽和脂肪酸の割合が50〜90質量%である請求項5に記載の酸価上昇抑制剤。
【請求項7】
請求項1〜4のいずれかに記載の加熱調理用油脂組成物の製造方法であって、
油脂に対して、ポリグリセリンの平均重合度が12〜40であり、水酸基価が180以下であるポリグリセリン脂肪酸エステルが0.01〜2質量%になるように添加する工程を含む加熱調理用油脂組成物の製造方法。


【公開番号】特開2012−157287(P2012−157287A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−19186(P2011−19186)
【出願日】平成23年1月31日(2011.1.31)
【出願人】(000227009)日清オイリオグループ株式会社 (251)
【Fターム(参考)】