効率の良い精子採取器
【課題】 精子の採取を行う筒状体がその周りにシェル（ケース）を備えているものでは、直接筒状体に指圧力を加えて陰茎を微妙な加減で圧迫すると言うことが出来ないため、これを可能にして効率的に精子を採取することが出来るようにする。
【解決手段】 この発明の効率の良い精子採取器は、柔軟で弾力性を有する素材からなる筒状部とこの周りを覆うケースとを備え、このケースはその長手方向の複数箇所に開口部を有し、この開口部に、フランジ部を備えてこのフランジ部が内側から前記開口部の縁部に掛かるようにした押圧具を、前記筒状部を指圧し得るように且つ筒状部の弾力によって元の位置に戻るように設けて成る精子採取器に於いて、前記押圧具が筒状部方向の位置調節手段を備えることを特徴とする。更に前記筒状部または前記押圧具の周りに、筒状部を締め付ける方向にテンションを掛けるためのリングが設けられているものとした。
【解決手段】 この発明の効率の良い精子採取器は、柔軟で弾力性を有する素材からなる筒状部とこの周りを覆うケースとを備え、このケースはその長手方向の複数箇所に開口部を有し、この開口部に、フランジ部を備えてこのフランジ部が内側から前記開口部の縁部に掛かるようにした押圧具を、前記筒状部を指圧し得るように且つ筒状部の弾力によって元の位置に戻るように設けて成る精子採取器に於いて、前記押圧具が筒状部方向の位置調節手段を備えることを特徴とする。更に前記筒状部または前記押圧具の周りに、筒状部を締め付ける方向にテンションを掛けるためのリングが設けられているものとした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
この発明は陰茎に与える刺激を可変として被験者精子の採取性能を高めた精子採取器に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来の精子採取器はシリコンゴムなどを素材とする柔軟な筒状体の先端部分を閉じて陰茎の挿入部と精子溜とを形成したものが一般的である。このものを陰茎に被せて長手方向に往復運動させることによって陰茎に摩擦刺激を加えて精子を精子溜に採取することが出来る。なお筒状体の先端部分が開放されたものにあっては、この部位に或いは陰茎そのものにコンドームを被せるなどして精子を採取するようにしている。例えば特開２００４−２７５６６１号は、柔軟な医療用のゴムを用いて成型された筒状体８の長手方向の一端部に挿入口８０が開口されており、そこから筒状体８の内部の長手方向に向けて挿入道８１が設けられているものである。更に筒状体８の内部で比較的外側に近い部位に、前記挿入道８１の周壁を内方向へ締め付けるための締付具であるシリコン製のゴム環８２の複数個が挿入道８１に添って埋め込まれている。このような構造の筒状体８の挿入道８１の中に陰茎を前記挿入口８０から挿入する。前記ゴム環８２は弾力性を有し、医療用のゴムから成る筒状体８の前記挿入道８１の周壁を内側へ締め付けるため、これにより陰茎が圧迫される。
【０００３】
また柔軟な医療用のゴムを用いて成型した筒状体の外側に、この筒状体よりも幾分堅目の医療用のゴムを用いて成型したシェルが被せられているものがある。筒状体にはその長手方向の一端部に挿入口が開口されており、そこから筒状体の内部の長手方向に向けて挿入道が設けられており、この筒状体が挿入口を有する空洞のシェル（これは筒状体のケースである）内に挿着されている。このようなシェル（ケース）を有する精子採取器にあっては、筒状体が柔軟な医療用のゴムを用いて成型されているにも係わらず、直接筒状体に指圧力を加えて陰茎を微妙な加減で圧迫すると言うことが出来ない。従って陰茎に与える刺激が平坦なものになり、被験者によって、また精子の採取を急がされているような場面のようにその時々によっては気分がそがれて採取に時間が掛かり効率が悪かったり、採取に失敗するようなことも起こるのである。
【０００４】
先に当発明者は、このようなシェル（ケース）を有する構造の精子採取器の問題点に鑑み、直接筒状体に指圧力を加えて陰茎を微妙な加減で圧迫することが出来るような効率の良い精子採取器を提案した。すなわち実用新案登録第３１５６０９４号の効率の良い精子採取器は、柔軟で弾力性を有する素材からなる筒状部６とこの周りを覆うケース７とを備え、このケース７はその長手方向の複数箇所に開口部７０を有し、この開口部７０に、フランジ部８０を備えてこのフランジ部８０がケース７の内側から前記開口部７０の縁部に掛かるようにした押圧具８を、前記筒状部６を指圧し得るように且つ筒状部６の弾力によって元の位置に戻るように設けて成ることを特徴とするものである（図５）。更にケース７に設けた押圧具８１に付いて、その中央部に装着溝８３を有し、この装着溝８３にゴム製のリング８４を填め込んで、リング８４が押圧具８１のフランジ部８２を一定の力で押すように構成して、押圧具８１による作用とリング８４による作用との両方の作用が共に得られるように構成したものも提案した（図６）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
【特許文献１】特開２００４−２７５６６１号公報
【特許文献２】実用新案登録第３１５６０９４号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
実用新案登録第３１５６０９４号によれば、前記押圧具８，８１を指で押すと、この押圧具８，８１が筒状部６を押して筒状部６が潰れ、陰茎に圧力を加えることが出来る。この時押圧具８，８１を押す力を加減することによって陰茎に与える刺激を変化させることが出来る。また押圧具８，８１は個別に複数箇所に設けられているため、刺激を加える陰茎の部位を自由に変えることが可能である。これは例えば従来品のシェル（ケース）の全体を押した場合に陰茎の全体に圧力が加わるのとは全く異なる作用なのである。次に押圧具８，８１を押す力を緩めると、筒状部６が柔軟で弾力性を有する素材からなるものであるため、押圧具８，８１には筒状部６の反発力によってケース７の外方向に力が加わるが、前記フランジ部８０，８２が開口部７０の縁部に掛かかるためにこの定位置に戻って止まる。このようにして、陰茎に加える力の部位や大きさを自由に制御出来、陰茎に加えられる刺激が良好なものとなって、比較的に短時間で効率の良い精子採取を行うことが可能となるのである。
【０００７】
確かに実用新案登録第３１５６０９４号によれば陰茎に与える刺激を変化させ得ることに加えて、刺激を加える陰茎の部位を自由に変えることが可能である。しかしながら実用新案登録第３１５６０９４号では、前記押圧具８，８１を指で押せる所まで押した場合の陰茎に加わる刺激に付いてこの力の強弱を調整することが出来ないでいる。すなわち押圧具８，８１を押す力を加減することによって陰茎に与える刺激を変化させることは出来るもののこの刺激の大小はいつも決まっているのである。また複数箇所の押圧具８，８１の相互の関係に付いても同様である。
【０００８】
そこでこの発明は、前記押圧具が前記筒状部を押す力を事前に調節可能にすることによって、個々の押圧具に付いて使用者の好みの圧力に調節し得るようにして、更に効率の良い精子採取を行うことが出来るような、改良された精子採取器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
上述した課題は、柔軟で弾力性を有する素材からなる筒状部とこの周りを覆うケースとを備え、このケースはその長手方向の複数箇所に開口部を有し、この開口部に、フランジ部を備えてこのフランジ部が内側から前記開口部の縁部に掛かるようにした押圧具を、前記筒状部を指圧し得るように且つ筒状部の弾力によって元の位置に戻るように設けて成る精子採取器に於いて、前記押圧具が筒状部方向の位置調節手段を備えることにより解決される。この位置調節手段を設けたことによって、押圧具が筒状部を押す位置を筒状部方向へ近づけたり遠ざけたりする、と言うような調節が可能になる。すなわち位置調節手段を用いて押圧具を筒状部方向へ近づけておけば押圧具を押し始めて直ぐに筒状部に圧力を加えることが出来るし、逆に押圧具を筒状部から遠ざけておけば押圧具を押しても暫くしないと筒状部に圧力を加えることは出来ない。あるいはまた押圧具を指で押す以前から筒状部にテンションを与えておくことが出来るように、押圧具を筒状部方向へ近づける程度を大きく設計することも可能である。
【００１０】
次に、前記筒状部が２以上に分割可能に設けられているものとすることが出来る。この構成によれば、筒状部によって異なる固さ（柔らかさ）のものを用意したり、被験者陰茎に触れる部位の形状を変えたりここに凹凸を設けたものやそうでないものを用意したり、と言うような設計が自由に行える効果を奏する。なお更に前記筒状部の分割箇所に合わせて前記ケースが分割可能に設けられているものとしても良い。するとケースごと組み合わせを変えたり、ケース同士を分割して個々に使用することが出来るようになる（各々ケースと筒状部とは一体で使用される）。
【００１１】
次に、前記筒状部が前記ケースに対して着脱自在に設けられているものとすることが出来る。この構成によれば、ケースから筒状部を取り出して別の筒状部と交換することが可能になる。すなわち性質や形状の異なる筒状部を幾つも用意しておけば、これを交換して使用することが可能になる。
【００１２】
次に、前記筒状部または前記押圧具の周りに、筒状部を締め付ける方向にテンションを掛けるためのリングが設けられているものとすることが出来る。リングにはゴム製のものや金属性のものなど任意の素材より成るものを使用して良い。リングが筒状部に設けられているものでは、リングが掛けられている部位に対応する筒状部にバイアスを与えることが出来る。またリングが押圧具に設けられているものでは、押圧具を介して押圧具の前記フランジ部が接触する部位の筒状部にバイアスを与えることが出来る。すなわちこれ等の構成によれば押圧具を指で押す以前から筒状部に掛かるテンションの調節をしておくことが可能となる。
【００１３】
次に、前記筒状部の最先端部を閉じて精子溜としたものを提供することが出来る。射精時の精子はこの精子溜に集められるため別途上述したような精子採取用の容器や袋といったものを用意しなくとも間に合う。採取し終えたならば、筒状部をその口の方へ傾斜させるようにして別の容器などに精子を移し、その後に筒状部内を洗浄するようにする。或いは使い捨てるようにしても良い。なお請求項３の発明ではケースの分割によって先端部に位置する筒状部のみ独立させることが出来るため、精子の取り出しが容易である。
【発明の効果】
【００１４】
この発明によれば、独立した複数の押圧具を備えると共に、その各々の押圧具が筒状部方向の位置調節手段を備えていることによって、押圧具を個別に操って陰茎に加える力の部位を調節したり微妙な加減で圧迫することが出来ると共に、各々の押圧具に付いて使用者の好みの圧力に調節することが出来るようになり、この結果陰茎に加わる刺激が更に良好で、更に効率の良い精子採取が行い得ると言う効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【００１５】
【図１】 実施形態１を縦断面で表した説明図である。
【図２】 同実施形態の押圧具３周りの動作状態説明図である。
【図３】 実施形態２を縦断面で表した説明図である。
【図４】 同実施形態の押圧具３４周りの動作状態説明図である。
【図５】 従来例による押圧具８周りの動作状態説明図である。
【図６】 従来例による押圧具８１周りの動作状態説明図である。
【発明を実施するための形態】
【実施形態１】
【００１６】
図１及び図２はこの実施形態の精子採取器を表す。このものはシリコンゴム製になる筒状部１の一端が挿入口１２であり、他端が精子溜１１であり、この精子溜１１内に精子を採取するものである。なお筒状部１の挿入口１２と精子溜１１との間が陰茎の挿入道１０になるが、この挿入道１０の内壁にはその長手方向に向けて４回対称の位置に、筒状部１内の空気を抜くための通路である溝部１３が形成されており、この溝部１３は前記挿入口１２を至端としている。
【００１７】
このように構成された筒状部１はその外側に合成樹脂製のケース２を備えている。このケース２にはその長手方向に３個、またこの方向に延びる中心線回りの２回対称の位置に３個、計６個の開口部２０が設けられており、この開口部２０に次のような押圧具３が設けられている。すなわちこの押圧具３は、内部を円筒状のネジ孔３２とすると共にフランジ部３１を備えた押圧筒３０と、前記ネジ孔３２に螺合する調節摘み３３とから成り、前記フランジ部３１がケース２の内側から前記開口部２０の縁部に掛かるように、またシリコンゴム製の前記筒状部１の側壁部分を指圧し得るように且つ筒状部１の弾力によって元の位置に復するように取り付けられている。この調節摘み３３は筒状部１にテンションを掛けるための、押圧具３の筒状部１方向への長さ調節手段である。なおこの実施形態ではケース２の先端部以外の形状を円筒形としたが、特にこれに限定されず楕円形の筒や方形の筒とするなど自由に設計することが可能である。なお図中符号２１は前記ケース２に設けられた挿入口を指す。
【００１８】
前記調節摘み３３を指で回すと、この調節摘み３３が押圧筒３０のネジ孔３２を回転しながら進んだり退いたりする。すなわち調節摘み３３が筒状部１を押す力を矢線にて示したように加減して適度な所で固定しておくことが出来る。また複数個の調節摘み３３は独立して設けられているため、各々個別に調節することが可能である。なお長さ調節手段にはネジ込み式以外にもラチェット式のものとするなど自由に設計することが可能である。そしてこのような調節を次のような使用中に行う。
【００１９】
前記挿入口２１と挿入口１２とは同じ位置にあり、ここから陰茎を挿入道１０に通して精子溜１１に精子を採取する。挿入道１０に陰茎を挿入するに当っては前記溝部１３が筒状部１内の空気を挿入口１２から外部へ逃がすので、この実施形態の精子採取器の陰茎への装着がより楽なものとなっている。さて前記押圧具３の用い方とその作用を図２を用いて説明する。この精子採取器は手で握るようにして使用されるものであるが、この状態でケース２の開口部２０から外へ突出する押圧具３の全体（押圧筒３０とこれに上述したようにして固定した調節摘み３３との一体物）を指で押すと、矢線で示すように前記フランジ部３１の広くなっている部位で筒状部１の広い範囲に圧力を加えることが出来る。この圧力は前記挿入道１０を広く圧迫するものとなるが、筒状部１の反発力が逆方向に働いて押圧具３を元の位置に戻そうとする。しかしながら押圧具３を押す力を緩めてもフランジ部３１が開口部２０の縁部に掛かるために、押圧具３が開口部２０から外れるようなことは起らない。従って被験者は押圧具３を加減しながら押すことに専念することが出来て射精が促進され、効率的に精子を採取することが出来るのである。
【実施形態２】
【００２０】
図３はこの実施形態の精子採取器を表わし、その特徴は上述した実施形態とは異なり精子溜を備えておらず、また３分割されたケース５０，５２，５３に付いて、ケース５０には筒状部４０が、ケース５２には筒状部４３が、ケース５３には筒状部４５が納められていると言うように、３分割されたケースと３つの筒状部とから構成されている点にある。従って精液はコンドームを使用してこれに溜めるのであり、またケースを分割した場合にはケース５０，５２，５３の何れも単独で使用し得るようになっている。なおケース５０はケース５２に接続される端部が螺子を切られて螺合部５６が形成されている。またケース５２はその両端部に、またケース５３はケース５２に接続される端部に、螺合部５６が形成されている。
【００２１】
筒状部４０はケース５０内に納められており、挿入道４１と開口部４２とを備えている。この開口部４２はケース５０，５２，５３を螺合部５６で接続した場合にその先端部の開口部５１に一致して精液の採取口となる。筒状部４３は中間のケース５２内に納められており挿入道４４を備えている。筒状部４５はケース５３内に納められており、挿入道４６と挿入口４７とを備えている。この挿入口４７は装着口５４に一致しており陰茎を受け入れる口である。なお図中符合５５は押圧具３４をケース５０，５２，５３に取り付けるための開口部である。
【００２２】
更にこの実施形態に特徴的な点は、述した実施形態１の押圧具３（図２を参照のこと）にリング３０１を取り付けている点にある（図４を参照のこと）。すなわちケース５０，５２，５３の長手方向に延びる中心線回りの４回対称の位置に設けた押圧具３４に付いて、その中央部に装着溝３８を有し、この装着溝３８にゴム製のリング３０１を填め込んで、リング３０１が４つの押圧具３４を同時に一定の力で押すことによって、シリコンゴム製の筒状部１を均一に押すように設けられている。なお図中で符号３５は押圧筒を、符号３６はフランジ部を、符号３７はネジ孔を、符号３９は調節摘みを、また符号３００は掛止溝を指す。この掛止溝３００はここにマイナスドライバーやコインを入れて調節摘み３９を回すために設けられたものである。
【００２３】
この実施形態は、押圧具３４の調節摘み３９による作用とリング３０１による作用とが、共に得られるように構成したものとしている点に特徴を有する。この構成により、指で個々の押圧具３４を押すと各々の押圧具３４はフランジ部３６の広くなっている部位で筒状部１の広い範囲に圧力を加えて挿入道を広く圧迫することが出来るのであるが、指で押圧具３４に押圧力を加えない場合でも、指で押した場合よりは小さな力ではあるがリング３０１が押圧具３４の全体を押しており、従って筒状部１にはこの力が自然に加えられるのである。すなわちリング３０１が押圧具３４を押し、この力がリング３０１回りの筒状部１に均等に加えられると共に、更に調節摘み３９の調節によって筒状部１を押す力を個別に加減することが出来るようになっているのである。
【００２４】
なお図示しないが、前記押圧具３４にではなく、前記筒状部４０，４３，４５の周りに筒状部４０，４３，４５を締め付ける方向にテンションを掛けるためのリングが設けられているものを提供することが出来る。この構成によっても押圧具の調節摘みによる作用とリングによる作用とを共に得ることが可能である。
【その他の実施形態】
【００２５】
なおこの発明は上述した実施形態に限定されるものではない。例えばケースの強度や柔らかさは任意ではあるが、筒状部よりも幾分固い程度より以上の固さのものが好ましい。開口部すなわち押圧具を設ける位置や個数は任意である。位置に関しては必ずしも回転対称の位置に設けなくとも良い。押圧具の形状や素材も自由に選択して良い。なおこの発明では押圧具が筒状部の弾力によって元の位置に戻るように設けているが、押圧具に指の力が加えられていない状態では押圧具が筒状部の表面から離れているようにしたいと言うのであれば、例えばケースと押圧具との間にバネを取り付けてバネの力で押圧具が元の位置に戻るように構成することが可能である。従って「柔軟で弾力性を有する素材からなる筒状部とこの周りを覆うケースとを備え、このケースはその長手方向の複数箇所に開口部を有し、この開口部に、フランジ部を備えてこのフランジ部が内側から前記開口部の縁部に掛かるようにした押圧具を、前記筒状部を指圧し得るように且つ筒状部の弾力によって元の位置に戻るように設けて成る精子採取器に於いて、前記押圧具が筒状部方向の位置調節手段を備えていることを特徴とする効率の良い精子採取器」もこの発明の権利範囲内のものである。この他、ケースを縦方向（ケースの長手方向）の分割線で分割し得るように構成すれば、内部の筒状部を取り出して精液を取り出したり、洗浄したりする作業がやり易くなる。なお筒状部と言う名称はこの内部を陰茎を挿入する挿入道が通っていることによる。なおこの発明の精子採取器と潤滑剤とをセット販売することが出来る。
【産業上の利用可能性】
【００２６】
なおこの発明はヒト用に限定されることなく、家畜用等の精子採取器の分野に広く適用することが出来る。
【符号の説明】
【００２７】
１： 筒状部 １０： 挿入道 １１： 精子溜
１２： 挿入口 １３： 溝部 ２： ケース
２０： 開口部 ３： 押圧具 ３０： 押圧筒
３１： フランジ部 ３２： ネジ孔 ３３： 調節摘み
３４： 押圧具 ３５： 押圧筒 ３６： フランジ部
３７： ネジ孔 ３８： 装着溝 ３９： 調節摘み
３００：掛止溝 ３０１：リング ４０： 筒状部
４１： 挿入道 ４２： 開口部 ４３： 筒状部
４４： 挿入道 ４５： 筒状部 ４６： 挿入道
４７： 挿入口 ５０： ケース ５１： 開口部
５２： ケース ５３： ケース ５４： 挿着口
５５： 開口部 ５６： 螺合部
【技術分野】
【０００１】
この発明は陰茎に与える刺激を可変として被験者精子の採取性能を高めた精子採取器に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来の精子採取器はシリコンゴムなどを素材とする柔軟な筒状体の先端部分を閉じて陰茎の挿入部と精子溜とを形成したものが一般的である。このものを陰茎に被せて長手方向に往復運動させることによって陰茎に摩擦刺激を加えて精子を精子溜に採取することが出来る。なお筒状体の先端部分が開放されたものにあっては、この部位に或いは陰茎そのものにコンドームを被せるなどして精子を採取するようにしている。例えば特開２００４−２７５６６１号は、柔軟な医療用のゴムを用いて成型された筒状体８の長手方向の一端部に挿入口８０が開口されており、そこから筒状体８の内部の長手方向に向けて挿入道８１が設けられているものである。更に筒状体８の内部で比較的外側に近い部位に、前記挿入道８１の周壁を内方向へ締め付けるための締付具であるシリコン製のゴム環８２の複数個が挿入道８１に添って埋め込まれている。このような構造の筒状体８の挿入道８１の中に陰茎を前記挿入口８０から挿入する。前記ゴム環８２は弾力性を有し、医療用のゴムから成る筒状体８の前記挿入道８１の周壁を内側へ締め付けるため、これにより陰茎が圧迫される。
【０００３】
また柔軟な医療用のゴムを用いて成型した筒状体の外側に、この筒状体よりも幾分堅目の医療用のゴムを用いて成型したシェルが被せられているものがある。筒状体にはその長手方向の一端部に挿入口が開口されており、そこから筒状体の内部の長手方向に向けて挿入道が設けられており、この筒状体が挿入口を有する空洞のシェル（これは筒状体のケースである）内に挿着されている。このようなシェル（ケース）を有する精子採取器にあっては、筒状体が柔軟な医療用のゴムを用いて成型されているにも係わらず、直接筒状体に指圧力を加えて陰茎を微妙な加減で圧迫すると言うことが出来ない。従って陰茎に与える刺激が平坦なものになり、被験者によって、また精子の採取を急がされているような場面のようにその時々によっては気分がそがれて採取に時間が掛かり効率が悪かったり、採取に失敗するようなことも起こるのである。
【０００４】
先に当発明者は、このようなシェル（ケース）を有する構造の精子採取器の問題点に鑑み、直接筒状体に指圧力を加えて陰茎を微妙な加減で圧迫することが出来るような効率の良い精子採取器を提案した。すなわち実用新案登録第３１５６０９４号の効率の良い精子採取器は、柔軟で弾力性を有する素材からなる筒状部６とこの周りを覆うケース７とを備え、このケース７はその長手方向の複数箇所に開口部７０を有し、この開口部７０に、フランジ部８０を備えてこのフランジ部８０がケース７の内側から前記開口部７０の縁部に掛かるようにした押圧具８を、前記筒状部６を指圧し得るように且つ筒状部６の弾力によって元の位置に戻るように設けて成ることを特徴とするものである（図５）。更にケース７に設けた押圧具８１に付いて、その中央部に装着溝８３を有し、この装着溝８３にゴム製のリング８４を填め込んで、リング８４が押圧具８１のフランジ部８２を一定の力で押すように構成して、押圧具８１による作用とリング８４による作用との両方の作用が共に得られるように構成したものも提案した（図６）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
【特許文献１】特開２００４−２７５６６１号公報
【特許文献２】実用新案登録第３１５６０９４号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
実用新案登録第３１５６０９４号によれば、前記押圧具８，８１を指で押すと、この押圧具８，８１が筒状部６を押して筒状部６が潰れ、陰茎に圧力を加えることが出来る。この時押圧具８，８１を押す力を加減することによって陰茎に与える刺激を変化させることが出来る。また押圧具８，８１は個別に複数箇所に設けられているため、刺激を加える陰茎の部位を自由に変えることが可能である。これは例えば従来品のシェル（ケース）の全体を押した場合に陰茎の全体に圧力が加わるのとは全く異なる作用なのである。次に押圧具８，８１を押す力を緩めると、筒状部６が柔軟で弾力性を有する素材からなるものであるため、押圧具８，８１には筒状部６の反発力によってケース７の外方向に力が加わるが、前記フランジ部８０，８２が開口部７０の縁部に掛かかるためにこの定位置に戻って止まる。このようにして、陰茎に加える力の部位や大きさを自由に制御出来、陰茎に加えられる刺激が良好なものとなって、比較的に短時間で効率の良い精子採取を行うことが可能となるのである。
【０００７】
確かに実用新案登録第３１５６０９４号によれば陰茎に与える刺激を変化させ得ることに加えて、刺激を加える陰茎の部位を自由に変えることが可能である。しかしながら実用新案登録第３１５６０９４号では、前記押圧具８，８１を指で押せる所まで押した場合の陰茎に加わる刺激に付いてこの力の強弱を調整することが出来ないでいる。すなわち押圧具８，８１を押す力を加減することによって陰茎に与える刺激を変化させることは出来るもののこの刺激の大小はいつも決まっているのである。また複数箇所の押圧具８，８１の相互の関係に付いても同様である。
【０００８】
そこでこの発明は、前記押圧具が前記筒状部を押す力を事前に調節可能にすることによって、個々の押圧具に付いて使用者の好みの圧力に調節し得るようにして、更に効率の良い精子採取を行うことが出来るような、改良された精子採取器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
上述した課題は、柔軟で弾力性を有する素材からなる筒状部とこの周りを覆うケースとを備え、このケースはその長手方向の複数箇所に開口部を有し、この開口部に、フランジ部を備えてこのフランジ部が内側から前記開口部の縁部に掛かるようにした押圧具を、前記筒状部を指圧し得るように且つ筒状部の弾力によって元の位置に戻るように設けて成る精子採取器に於いて、前記押圧具が筒状部方向の位置調節手段を備えることにより解決される。この位置調節手段を設けたことによって、押圧具が筒状部を押す位置を筒状部方向へ近づけたり遠ざけたりする、と言うような調節が可能になる。すなわち位置調節手段を用いて押圧具を筒状部方向へ近づけておけば押圧具を押し始めて直ぐに筒状部に圧力を加えることが出来るし、逆に押圧具を筒状部から遠ざけておけば押圧具を押しても暫くしないと筒状部に圧力を加えることは出来ない。あるいはまた押圧具を指で押す以前から筒状部にテンションを与えておくことが出来るように、押圧具を筒状部方向へ近づける程度を大きく設計することも可能である。
【００１０】
次に、前記筒状部が２以上に分割可能に設けられているものとすることが出来る。この構成によれば、筒状部によって異なる固さ（柔らかさ）のものを用意したり、被験者陰茎に触れる部位の形状を変えたりここに凹凸を設けたものやそうでないものを用意したり、と言うような設計が自由に行える効果を奏する。なお更に前記筒状部の分割箇所に合わせて前記ケースが分割可能に設けられているものとしても良い。するとケースごと組み合わせを変えたり、ケース同士を分割して個々に使用することが出来るようになる（各々ケースと筒状部とは一体で使用される）。
【００１１】
次に、前記筒状部が前記ケースに対して着脱自在に設けられているものとすることが出来る。この構成によれば、ケースから筒状部を取り出して別の筒状部と交換することが可能になる。すなわち性質や形状の異なる筒状部を幾つも用意しておけば、これを交換して使用することが可能になる。
【００１２】
次に、前記筒状部または前記押圧具の周りに、筒状部を締め付ける方向にテンションを掛けるためのリングが設けられているものとすることが出来る。リングにはゴム製のものや金属性のものなど任意の素材より成るものを使用して良い。リングが筒状部に設けられているものでは、リングが掛けられている部位に対応する筒状部にバイアスを与えることが出来る。またリングが押圧具に設けられているものでは、押圧具を介して押圧具の前記フランジ部が接触する部位の筒状部にバイアスを与えることが出来る。すなわちこれ等の構成によれば押圧具を指で押す以前から筒状部に掛かるテンションの調節をしておくことが可能となる。
【００１３】
次に、前記筒状部の最先端部を閉じて精子溜としたものを提供することが出来る。射精時の精子はこの精子溜に集められるため別途上述したような精子採取用の容器や袋といったものを用意しなくとも間に合う。採取し終えたならば、筒状部をその口の方へ傾斜させるようにして別の容器などに精子を移し、その後に筒状部内を洗浄するようにする。或いは使い捨てるようにしても良い。なお請求項３の発明ではケースの分割によって先端部に位置する筒状部のみ独立させることが出来るため、精子の取り出しが容易である。
【発明の効果】
【００１４】
この発明によれば、独立した複数の押圧具を備えると共に、その各々の押圧具が筒状部方向の位置調節手段を備えていることによって、押圧具を個別に操って陰茎に加える力の部位を調節したり微妙な加減で圧迫することが出来ると共に、各々の押圧具に付いて使用者の好みの圧力に調節することが出来るようになり、この結果陰茎に加わる刺激が更に良好で、更に効率の良い精子採取が行い得ると言う効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【００１５】
【図１】 実施形態１を縦断面で表した説明図である。
【図２】 同実施形態の押圧具３周りの動作状態説明図である。
【図３】 実施形態２を縦断面で表した説明図である。
【図４】 同実施形態の押圧具３４周りの動作状態説明図である。
【図５】 従来例による押圧具８周りの動作状態説明図である。
【図６】 従来例による押圧具８１周りの動作状態説明図である。
【発明を実施するための形態】
【実施形態１】
【００１６】
図１及び図２はこの実施形態の精子採取器を表す。このものはシリコンゴム製になる筒状部１の一端が挿入口１２であり、他端が精子溜１１であり、この精子溜１１内に精子を採取するものである。なお筒状部１の挿入口１２と精子溜１１との間が陰茎の挿入道１０になるが、この挿入道１０の内壁にはその長手方向に向けて４回対称の位置に、筒状部１内の空気を抜くための通路である溝部１３が形成されており、この溝部１３は前記挿入口１２を至端としている。
【００１７】
このように構成された筒状部１はその外側に合成樹脂製のケース２を備えている。このケース２にはその長手方向に３個、またこの方向に延びる中心線回りの２回対称の位置に３個、計６個の開口部２０が設けられており、この開口部２０に次のような押圧具３が設けられている。すなわちこの押圧具３は、内部を円筒状のネジ孔３２とすると共にフランジ部３１を備えた押圧筒３０と、前記ネジ孔３２に螺合する調節摘み３３とから成り、前記フランジ部３１がケース２の内側から前記開口部２０の縁部に掛かるように、またシリコンゴム製の前記筒状部１の側壁部分を指圧し得るように且つ筒状部１の弾力によって元の位置に復するように取り付けられている。この調節摘み３３は筒状部１にテンションを掛けるための、押圧具３の筒状部１方向への長さ調節手段である。なおこの実施形態ではケース２の先端部以外の形状を円筒形としたが、特にこれに限定されず楕円形の筒や方形の筒とするなど自由に設計することが可能である。なお図中符号２１は前記ケース２に設けられた挿入口を指す。
【００１８】
前記調節摘み３３を指で回すと、この調節摘み３３が押圧筒３０のネジ孔３２を回転しながら進んだり退いたりする。すなわち調節摘み３３が筒状部１を押す力を矢線にて示したように加減して適度な所で固定しておくことが出来る。また複数個の調節摘み３３は独立して設けられているため、各々個別に調節することが可能である。なお長さ調節手段にはネジ込み式以外にもラチェット式のものとするなど自由に設計することが可能である。そしてこのような調節を次のような使用中に行う。
【００１９】
前記挿入口２１と挿入口１２とは同じ位置にあり、ここから陰茎を挿入道１０に通して精子溜１１に精子を採取する。挿入道１０に陰茎を挿入するに当っては前記溝部１３が筒状部１内の空気を挿入口１２から外部へ逃がすので、この実施形態の精子採取器の陰茎への装着がより楽なものとなっている。さて前記押圧具３の用い方とその作用を図２を用いて説明する。この精子採取器は手で握るようにして使用されるものであるが、この状態でケース２の開口部２０から外へ突出する押圧具３の全体（押圧筒３０とこれに上述したようにして固定した調節摘み３３との一体物）を指で押すと、矢線で示すように前記フランジ部３１の広くなっている部位で筒状部１の広い範囲に圧力を加えることが出来る。この圧力は前記挿入道１０を広く圧迫するものとなるが、筒状部１の反発力が逆方向に働いて押圧具３を元の位置に戻そうとする。しかしながら押圧具３を押す力を緩めてもフランジ部３１が開口部２０の縁部に掛かるために、押圧具３が開口部２０から外れるようなことは起らない。従って被験者は押圧具３を加減しながら押すことに専念することが出来て射精が促進され、効率的に精子を採取することが出来るのである。
【実施形態２】
【００２０】
図３はこの実施形態の精子採取器を表わし、その特徴は上述した実施形態とは異なり精子溜を備えておらず、また３分割されたケース５０，５２，５３に付いて、ケース５０には筒状部４０が、ケース５２には筒状部４３が、ケース５３には筒状部４５が納められていると言うように、３分割されたケースと３つの筒状部とから構成されている点にある。従って精液はコンドームを使用してこれに溜めるのであり、またケースを分割した場合にはケース５０，５２，５３の何れも単独で使用し得るようになっている。なおケース５０はケース５２に接続される端部が螺子を切られて螺合部５６が形成されている。またケース５２はその両端部に、またケース５３はケース５２に接続される端部に、螺合部５６が形成されている。
【００２１】
筒状部４０はケース５０内に納められており、挿入道４１と開口部４２とを備えている。この開口部４２はケース５０，５２，５３を螺合部５６で接続した場合にその先端部の開口部５１に一致して精液の採取口となる。筒状部４３は中間のケース５２内に納められており挿入道４４を備えている。筒状部４５はケース５３内に納められており、挿入道４６と挿入口４７とを備えている。この挿入口４７は装着口５４に一致しており陰茎を受け入れる口である。なお図中符合５５は押圧具３４をケース５０，５２，５３に取り付けるための開口部である。
【００２２】
更にこの実施形態に特徴的な点は、述した実施形態１の押圧具３（図２を参照のこと）にリング３０１を取り付けている点にある（図４を参照のこと）。すなわちケース５０，５２，５３の長手方向に延びる中心線回りの４回対称の位置に設けた押圧具３４に付いて、その中央部に装着溝３８を有し、この装着溝３８にゴム製のリング３０１を填め込んで、リング３０１が４つの押圧具３４を同時に一定の力で押すことによって、シリコンゴム製の筒状部１を均一に押すように設けられている。なお図中で符号３５は押圧筒を、符号３６はフランジ部を、符号３７はネジ孔を、符号３９は調節摘みを、また符号３００は掛止溝を指す。この掛止溝３００はここにマイナスドライバーやコインを入れて調節摘み３９を回すために設けられたものである。
【００２３】
この実施形態は、押圧具３４の調節摘み３９による作用とリング３０１による作用とが、共に得られるように構成したものとしている点に特徴を有する。この構成により、指で個々の押圧具３４を押すと各々の押圧具３４はフランジ部３６の広くなっている部位で筒状部１の広い範囲に圧力を加えて挿入道を広く圧迫することが出来るのであるが、指で押圧具３４に押圧力を加えない場合でも、指で押した場合よりは小さな力ではあるがリング３０１が押圧具３４の全体を押しており、従って筒状部１にはこの力が自然に加えられるのである。すなわちリング３０１が押圧具３４を押し、この力がリング３０１回りの筒状部１に均等に加えられると共に、更に調節摘み３９の調節によって筒状部１を押す力を個別に加減することが出来るようになっているのである。
【００２４】
なお図示しないが、前記押圧具３４にではなく、前記筒状部４０，４３，４５の周りに筒状部４０，４３，４５を締め付ける方向にテンションを掛けるためのリングが設けられているものを提供することが出来る。この構成によっても押圧具の調節摘みによる作用とリングによる作用とを共に得ることが可能である。
【その他の実施形態】
【００２５】
なおこの発明は上述した実施形態に限定されるものではない。例えばケースの強度や柔らかさは任意ではあるが、筒状部よりも幾分固い程度より以上の固さのものが好ましい。開口部すなわち押圧具を設ける位置や個数は任意である。位置に関しては必ずしも回転対称の位置に設けなくとも良い。押圧具の形状や素材も自由に選択して良い。なおこの発明では押圧具が筒状部の弾力によって元の位置に戻るように設けているが、押圧具に指の力が加えられていない状態では押圧具が筒状部の表面から離れているようにしたいと言うのであれば、例えばケースと押圧具との間にバネを取り付けてバネの力で押圧具が元の位置に戻るように構成することが可能である。従って「柔軟で弾力性を有する素材からなる筒状部とこの周りを覆うケースとを備え、このケースはその長手方向の複数箇所に開口部を有し、この開口部に、フランジ部を備えてこのフランジ部が内側から前記開口部の縁部に掛かるようにした押圧具を、前記筒状部を指圧し得るように且つ筒状部の弾力によって元の位置に戻るように設けて成る精子採取器に於いて、前記押圧具が筒状部方向の位置調節手段を備えていることを特徴とする効率の良い精子採取器」もこの発明の権利範囲内のものである。この他、ケースを縦方向（ケースの長手方向）の分割線で分割し得るように構成すれば、内部の筒状部を取り出して精液を取り出したり、洗浄したりする作業がやり易くなる。なお筒状部と言う名称はこの内部を陰茎を挿入する挿入道が通っていることによる。なおこの発明の精子採取器と潤滑剤とをセット販売することが出来る。
【産業上の利用可能性】
【００２６】
なおこの発明はヒト用に限定されることなく、家畜用等の精子採取器の分野に広く適用することが出来る。
【符号の説明】
【００２７】
１： 筒状部 １０： 挿入道 １１： 精子溜
１２： 挿入口 １３： 溝部 ２： ケース
２０： 開口部 ３： 押圧具 ３０： 押圧筒
３１： フランジ部 ３２： ネジ孔 ３３： 調節摘み
３４： 押圧具 ３５： 押圧筒 ３６： フランジ部
３７： ネジ孔 ３８： 装着溝 ３９： 調節摘み
３００：掛止溝 ３０１：リング ４０： 筒状部
４１： 挿入道 ４２： 開口部 ４３： 筒状部
４４： 挿入道 ４５： 筒状部 ４６： 挿入道
４７： 挿入口 ５０： ケース ５１： 開口部
５２： ケース ５３： ケース ５４： 挿着口
５５： 開口部 ５６： 螺合部
【特許請求の範囲】
【請求項１】
柔軟で弾力性を有する素材からなる筒状部とこの周りを覆うケースとを備え、このケースはその長手方向の複数箇所に開口部を有し、この開口部に、フランジ部を備えてこのフランジ部が内側から前記開口部の縁部に掛かるようにした押圧具を、前記筒状部を指圧し得るように且つ筒状部の弾力によって元の位置に戻るように設けて成る精子採取器に於いて、前記押圧具が筒状部方向の位置調節手段を備えていることを特徴とする効率の良い精子採取器。
【請求項２】
前記筒状部が２以上に分割可能に設けられている、請求項１に記載の効率の良い精子採取器。
【請求項３】
前記筒状部の分割箇所に合わせて前記ケースが分割可能に設けられている、請求項２に記載の効率の良い精子採取器。
【請求項４】
前記筒状部が前記ケースに対して着脱自在に設けられている、請求項１乃至請求項３の何れか１に記載の効率の良い精子採取器。
【請求項５】
前記筒状部または前記押圧具の周りに、筒状部を締め付ける方向にテンションを掛けるためのリングが設けられている、請求項１に記載の効率の良い精子採取器。
【請求項６】
前記筒状部の最先端部を閉じて精子溜とした、請求項１に記載の効率の良い精子採取器。
【請求項１】
柔軟で弾力性を有する素材からなる筒状部とこの周りを覆うケースとを備え、このケースはその長手方向の複数箇所に開口部を有し、この開口部に、フランジ部を備えてこのフランジ部が内側から前記開口部の縁部に掛かるようにした押圧具を、前記筒状部を指圧し得るように且つ筒状部の弾力によって元の位置に戻るように設けて成る精子採取器に於いて、前記押圧具が筒状部方向の位置調節手段を備えていることを特徴とする効率の良い精子採取器。
【請求項２】
前記筒状部が２以上に分割可能に設けられている、請求項１に記載の効率の良い精子採取器。
【請求項３】
前記筒状部の分割箇所に合わせて前記ケースが分割可能に設けられている、請求項２に記載の効率の良い精子採取器。
【請求項４】
前記筒状部が前記ケースに対して着脱自在に設けられている、請求項１乃至請求項３の何れか１に記載の効率の良い精子採取器。
【請求項５】
前記筒状部または前記押圧具の周りに、筒状部を締め付ける方向にテンションを掛けるためのリングが設けられている、請求項１に記載の効率の良い精子採取器。
【請求項６】
前記筒状部の最先端部を閉じて精子溜とした、請求項１に記載の効率の良い精子採取器。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【公開番号】特開２０１１−２３５０４４（Ｐ２０１１−２３５０４４Ａ）
【公開日】平成２３年１１月２４日（２０１１．１１．２４）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１０−１１７７７０（Ｐ２０１０−１１７７７０）
【出願日】平成２２年４月３０日（２０１０．４．３０）
【出願人】（５０１４８０４５１）ジーボックス有限会社 (5)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２３年１１月２４日（２０１１．１１．２４）
【国際特許分類】
【出願日】平成２２年４月３０日（２０１０．４．３０）
【出願人】（５０１４８０４５１）ジーボックス有限会社 (5)
【Ｆターム（参考）】
[ Back to top ]