動物捕獲装置
【課題】 動物捕獲装置を設置する際に地面を掘る必要がなく、容易に設置することができる動物捕獲装置を提供する。
【解決手段】 動物捕獲装置は、装置本体部5と、作動部材100とを有し、装置本体部5におけるコイルバネ80を縮めた状態で、作動部材100における回動片106b−1を筒状部10の開口部16とキャップ部20の開口部26に掛止させてコイルバネ80を縮めた状態で維持させる。動物が踏み板108を踏むと、回動片106b−1の掛止が解除されてコイルバネ80が復元し、ループ状部50が縮小化する。筒状部10を横方向に用いる場合には、作動部材100を用いるが、筒状部10を縦方向に用いるための作動部材を用いることにより、筒状部10を縦方向にも用いることができる。
【解決手段】 動物捕獲装置は、装置本体部5と、作動部材100とを有し、装置本体部5におけるコイルバネ80を縮めた状態で、作動部材100における回動片106b−1を筒状部10の開口部16とキャップ部20の開口部26に掛止させてコイルバネ80を縮めた状態で維持させる。動物が踏み板108を踏むと、回動片106b−1の掛止が解除されてコイルバネ80が復元し、ループ状部50が縮小化する。筒状部10を横方向に用いる場合には、作動部材100を用いるが、筒状部10を縦方向に用いるための作動部材を用いることにより、筒状部10を縦方向にも用いることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動物捕獲装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、動物を捕獲する罠としての動物捕獲装置としては、特許文献1に示す捕獣用罠や、特許文献2に示す動物捕獲装置が存在する。
【特許文献1】特開2001−17059号公報
【特許文献2】特開平11−127760号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記特許文献1に示す捕獣用罠においては、罠を仕掛ける際には、筒形本体を地中に埋めなければならず、地面を掘る作業が必要となる。また、上記特許文献2に示す動物捕獲装置においても、第1筒部や第2筒部を縦置きにして地中に埋めることから、地面を掘る作業が必要になる。
【0004】
従って、上記特許文献1や特許文献2に示す装置においては、罠を仕掛ける際に地面を掘る作業が必要となり、地面が固い場合等地面を掘ることができない場合には、罠を仕掛けることができないという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、動物捕獲装置を設置する際に地面を掘る必要がなく、容易に設置することができる動物捕獲装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記問題点を解決するために創作されたものであって、第1には、動物を捕獲するための動物捕獲装置であって、装置本体部と、該装置本体部を作動させるための作動部材とを有し、該装置本体部が、筒状を呈し、一端側に内部に収納されるコイルバネの一方の端部を受けるための受け部を有する筒状部で、該作動部材の掛止片が掛止するための掛止手段を有する筒状部と、該筒状部に設けられるキャップ部で、該コイルバネの他方の端部を受ける受け部を有し、該作動部材の掛止片が掛止するための第2掛止手段を有するキャップ部と、該筒状部における受け部と該キャップ部における受け部間に設けられたコイルバネと、該コイルバネの内側に挿通されるとともに、少なくとも該キャップ部を貫通して設けられるワイヤを有するワイヤ部で、該ワイヤにおける該キャップ部から外側に突出した部分に、該ワイヤがループ状に形成された部分を有するループ状部を有し、該コイルバネの復元力によりコイルバネが伸びた際に該キャップ部がループ状部に対して相対的に移動することにより該ループ状部が縮小するよう形成されたワイヤ部と、を有し、該作動部材が、踏み板と、該踏み板を支持する支持部と、該支持部に設けられた該掛止片で、該踏み板の面に対して少なくとも略直角方向(「直角方向」としてもよい)を向いた掛止片と、を有し、該コイルバネを縮めて該キャップ部を筒状部の端部に被らせた状態で、該作動部材の掛止片を該掛止手段及び第2掛止手段に掛止させた場合に、コイルバネが縮んだ状態で維持されるとともに、該筒状部の軸線方向と該作動部材の踏み板の面とが略平行(「平行」としてもよい)になるように構成され、該踏み板を踏むことにより該掛止片の掛止手段への掛止が解除された場合に、該コイルバネが復元して該ループ状部が縮小することにより動物の脚を捕捉することを特徴とする。
【0007】
この第1の構成の動物捕獲装置においては、筒状部とキャップ部とを近づけてコイルバネを縮めていき、該キャップ部を筒状部の端部に被らせた状態で、該作動部材の掛止片を該掛止手段及び第2掛止手段に掛止させる。すると、コイルバネが縮んだ状態で維持される。そして、その状態では、該筒状部の軸線方向と該作動部材の踏み板の面とが略平行になるので、踏み板を水平方向に設置する場合には、筒状部も水平方向となり、よって、筒状部を横方向に設置できるので、地面に穴を掘る必要がなく、これにより、地面が固くて掘ることができない場合でも動物捕獲装置を仕掛けることができる。
【0008】
また、第2には、上記動物捕獲装置が、さらに、上記作動部材と取り替えて使用可能な第2作動部材で、踏み板と、該踏み板を支持する支持部と、該支持部に設けられた掛止片で、該踏み板の面に対して少なくとも略平行(「平行」としてもよい)な方向を向いた掛止片と、を有する第2作動部材を有し、該コイルバネを縮めて該キャップ部を筒状部の端部に被らせた状態で、該作動部材の掛止片を該掛止手段及び第2掛止手段に掛止させた場合に、コイルバネが縮んだ状態で維持されるとともに、該筒状部の軸線方向と該作動部材の踏み板の面とが略直角(「直角」としてもよい)になるように構成され、該踏み板を踏むことにより該掛止片の掛止手段への掛止が解除された場合に、該コイルバネが復元して該ループ状部が縮小することにより動物の脚を捕捉することを特徴とする。
【0009】
この第2の構成によれば、上記第1の構成における作動部材に代えて第2作動部材を用いることにより、筒状部を縦方向にして動物捕獲装置を設置することができ、上記第1の構成における作動部材と第2作動部材とを使い分けることにより、筒状部を横方向にも縦方向にも使用することができ、状況に応じて、筒状部の設置方向を選択することができる。また、作動部材を取り替えるのみで他の部材は共用できるので、経済的である。
【0010】
また、第3には、上記第1又は第2の構成において、上記ワイヤが上記筒状部からキャップ部側とは反対側である外側に突出し、該突出したワイヤの端部には、ワイヤをループ状に形成された部分を有する第2ループ状部が設けられていることを特徴とする。この第2ループ状部を樹木等に掛止することにより、動物捕獲装置を固定することができ、脚を捕捉された動物が動物捕獲装置ごと逃走することを防止することができる。
【0011】
なお、上記第1から第3までの構成において、上記ワイヤにおける上記筒状部から第2ループ状部側に露出した部分における第2ループ状部よりも手前側の位置には、該露出した部分が筒状部側に移動するのを規制する規制手段が設けられていることを特徴とするものとしてもよい。また、上記第1から第3までの構成において、上記掛止手段や第2掛止手段は、開口部であるとしてもよい。また、上記第1から第3までの構成において、作動部材における支持部には、筒状部と当接して作動部材の姿勢を安定させるための突出部が設けられているものとしてもよい。
【0012】
また、第4には、動物を捕獲するための動物捕獲装置であって、装置本体部と、該装置本体部を作動させるための作動部材とを有し、該装置本体部が、筒状を呈し、一端側に内部に収納されるコイルバネの一方の端部を受けるための受け部を有する筒状部と、該筒状部に設けられるキャップ部で、該コイルバネの他方の端部を受ける受け部を有するキャップ部と、該筒状部における受け部と該キャップ部における受け部間に設けられたコイルバネと、該コイルバネの内側に挿通されるとともに、少なくとも該筒状部を貫通して設けられるワイヤを有するワイヤ部で、該筒状部における端部から外側に突出した端部に、該ワイヤがループ状に形成された部分を有するループ状部を有し、さらに、ワイヤの所定位置に作動部材における掛止片が掛止するための掛止用部材を有し、該コイルバネの復元力によりコイルバネが伸びた際に該ループ状部が縮小するよう形成されたワイヤ部と、を有し、該作動部材が、踏み板と、該踏み板を支持する支持部と、該支持部に設けられた該掛止片で、該踏み板の面に対して少なくとも略直角方向(「直角方向」としてもよい)を向いた掛止片と、を有し、該コイルバネを縮めて該キャップ部を筒状部の端部に被らせた状態で、該掛止用部材が筒状部のループ状部側の端部から露出して、該掛止用部材と筒状部の端部間に該作動部材の掛止片を掛止させることにより、コイルバネが縮んだ状態で維持されるとともに、該筒状部の軸線方向と該作動部材の踏み板の面とが略平行(「平行」としてもよい)になるように構成され、該踏み板を踏むことにより該掛止片の掛止用部材との掛止が解除された場合に、該コイルバネが復元して該ループ状部が縮小することにより動物の脚を捕捉することを特徴とする。
【0013】
この第4の構成の動物捕獲装置においては、筒状部とキャップ部とを近づけてコイルバネを縮めていき、該キャップ部を筒状部の端部に被らせた状態で、該掛止用部材が筒状部のループ状部側の端部から露出するので、該掛止用部材と筒状部の端部間に該作動部材の掛止片を掛止させる。すると、コイルバネが縮んだ状態で維持される。そして、その状態では、該筒状部の軸線方向と該作動部材の踏み板の面とが略平行になるので、踏み板を水平方向に設置する場合には、筒状部も水平方向となり、よって、筒状部を横方向に設置できるので、地面に穴を掘る必要がなく、これにより、地面が固くて掘ることができない場合でも動物捕獲装置を仕掛けることができる。
【0014】
また、第5には、上記第4の構成において、上記ワイヤが上記キャップ部から筒状部側とは反対側である外側に突出し、該突出したワイヤの端部には、ワイヤをループ状に形成された部分を有する第2ループ状部が設けられていることを特徴とする。この第2ループ状部を樹木等に掛止することにより、動物捕獲装置を固定することができ、脚を捕捉された動物が動物捕獲装置ごと逃走することを防止することができる。
【0015】
なお、上記第5の構成において、上記筒状部には、地面等の被設置箇所に固定するための固定用部材が設けられているものとしてもよい。また、上記第5の構成において、上記ワイヤにおける上記キャップ部から第2ループ側に露出した部分における第2ループ状部よりも手前側の位置には、該露出した部分が筒状部側に移動するのを規制する規制手段が設けられているものとしてもよい。また、上記第5の構成において、筒状部とキャップ部とに仮止め用の開口部が設けられているものとしてもよい。
【0016】
また、第6には、上記第1から第5までのいずれかの構成において、上記コイルバネの内側におけるキャップ部側には、筒状を呈する内部筒状部が設けられ、該内部筒状部には、上記ワイヤが挿通されていることを特徴とする。この内部筒状部が設けられていることにより、この内部筒状部がコイルバネを縮める際の案内パイプとして機能し、コイルバネを縮める作業を容易に行うことができる。
【0017】
また、第7には、上記第1から第6までのいずれかの構成において、上記ループ状部には、ループ状部の縮小を所定の位置で停止するための停止手段が設けられている。これにより、コイルバネの縮んだ状態が解除されてコイルバネが復元された場合に、ループ状部は縮小化するが、この停止手段により所定の時点で縮小を停止させることができ、よって、ループの大きさを所定の大きさよりも小さくするのを防止するので、捕獲対象の動物よりも小さい動物を保護することができる。
【0018】
なお、上記の構成において、作動部材に設けられた掛止片は、回動可能に形成されているものとしてもよい。回動可能に形成する方法としては、例えば、ヒンジ機構により回動可能に構成することが考えられる。
【発明の効果】
【0019】
本発明に基づく動物捕獲装置によれば、該キャップ部を筒状部の端部に被らせた状態として、コイルバネが縮んだ状態で維持された状態では、該筒状部の軸線方向と該作動部材の踏み板の面とが略平行になるので、踏み板を水平方向に設置する場合には、筒状部も水平方向となり、よって、筒状部を横方向に設置できるので、地面に穴を掘る必要がなく、これにより、地面が固くて掘ることができない場合でも動物捕獲装置を仕掛けることができる。
【0020】
また、作動部材と第2作動部材とを使い分けることにより、筒状部を横方向にも縦方向にも設置することができるので、状況に応じて、筒状部の設置方向を選択することができる。また、作動部材を取り替えるのみで他の部材は共用できるので、経済的である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明においては、動物捕獲装置を設置する際に地面を掘る必要がなく、容易に設置することができるという目的を以下のようにして実現した。
【実施例1】
【0022】
本発明の実施例1に基づく動物捕獲装置は、装置本体部5(図1、図4等参照)と、作動部材100(図2参照)と、作動部材120(図3参照)とを有している。
【0023】
ここで、装置本体部5は、図1、図4等に示すように構成され、筒状部10と、キャップ部20と、内部筒状部30と、ワイヤ部40と、コイルバネ80とを有している。なお、図1は、コイルバネが伸びた状態を示しており、一方、図4は、コイルバネが縮められた状態を示している。
【0024】
この筒状部10は、全体に細長の筒状を呈し、筒状部本体12と、該筒状部本体12の内端部に設けられた端部内側筒部14とを有している。この筒状部本体12は、円筒状を呈し、その内部には、ワイヤ本体42やコイルバネ80を収容するための円柱状の空間部が設けられている。この筒状部本体12の周面のキャップ部20側の端部近くには、開口部16(掛止手段)が形成されている。この開口部16は、筒状部本体12の周方向に帯状に形成され、筒状部本体12の表面から内部にまで貫通するように形成されている。なお、この開口部16の筒状部本体12における形成位置は、キャップ部20を筒状部10に装着した際にキャップ部20に設けられた開口部26と対応する位置となっている。
【0025】
また、端部内側筒部14は、円筒状を呈し、その外径は筒状部本体12の内側の径とほぼ同一となっていて、この端部内側筒部14は、筒状部本体12の内部に嵌合するように形成されている。この端部内側筒部14は、所定の長さで短く形成されていて、筒状部本体12の内部に固定されている。この端部内側筒部14の内径は、コイルバネ80の外径よりも少なくとも小さく形成されていて、これにより、コイルバネ80が端部内側筒部14内に挿通できないようになっている。これにより、端部内側筒部14は、コイルバネ80の受け部として機能することになる。また、端部内側筒部14の内径は、ワイヤ本体42の径よりも大きく形成されていて、これにより、ワイヤ本体42は、端部内側筒部14を挿通できるようになっている。なお、上記の説明では、端部内側筒部14が筒状部本体12内に固定されているものとして説明したが、これには限られず、図7に示すように、筒状部本体12の端部に端面部12−1を形成し、この端面部12−1に開口部12−1aを設けた構成としてもよい。この場合、開口部12−1aの大きさは、コイルバネ80が挿通できない大きさとする。この図7に示す場合においては、この端面部12−1がコイルバネ80の受け部となる。
【0026】
また、キャップ部20は、筒状部10の端部に装着されるキャップ状を呈し、円筒状の筒状部22と、該筒状部22の端部に設けられた端面部24とを有していて、この筒状部22と端面部24とが一体に形成されている。ここで、筒状部22は円筒状を呈するが、その内径は筒状部本体12の外径とほぼ同一となっていて、このキャップ部20を筒状部10に対して軸線方向に摺動させることにより、キャップ部20が筒状部10の端部に装着されるようになっている。この筒状部22の周面には、開口部(第2掛止手段)26が形成されている。この開口部26は、筒状部22の周方向に帯状に形成されていて、筒状部22の表面から内部にまで貫通するように形成されている。また、端面部24は、筒状部22の端部に形成されていて板状を呈している。この端面部24には、開口部24aが形成されていて、この開口部24aは、ワイヤ本体42の径よりも大きく形成され、ワイヤ本体42が挿通できるようになっている。
【0027】
なお、筒状部10に設けられた開口部16と、キャップ部20に設けられた開口部26は、ともに、作動部材100の回動片106b−1や、作動部材120の回動片126b−1が挿入できる大きさに形成されていて、開口部26の軸線方向の幅α2は、開口部16の軸線方向の幅α1よりも大きく形成されている。ただし、開口部16の軸線方向の幅と開口部26の軸線方向の幅とは同じに形成してもよいし、開口部26の軸線方向の幅が、開口部16の軸線方向の幅よりも小さく形成されていてもよい。
【0028】
また、内部筒状部30は、コイルバネ80の内側におけるキャップ部20側の端部に設けられていて、細長円筒状の円筒状部32と、該円筒状部32の端部に一体に形成された突出部34とを有している。この円筒状部32は、その外径は、コイルバネ80の内径よりも小さく形成されているとともに、円筒状部32の内径は、ワイヤ本体42の径よりも大きく形成されていて、これにより、コイルバネ80は、内部筒状部30の領域においても自由に伸縮し、また、ワイヤ本体42は、内部筒状部30内を容易に移動できるようになっている。また、突出部34は、円筒状部32よりも周方向に突出した形状となっていて、この突出部34は、コイルバネ80の端部とキャップ部20の端面部24間に設けられているので、これにより、内部筒状部30は、コイルバネ80の端部位置に固定され、コイルバネ80内を移動してしまうことがない。
【0029】
また、ワイヤ部40は、ワイヤ本体(ワイヤ)42と、ストッパ(停止手段)54と、固定具62と、ストッパ(規制手段)70等を有している。ここで、ワイヤ本体42は、複数の金属線を撚り合わせた可撓性のある金属ワイヤである。
【0030】
このワイヤ本体42のキャップ部20側の端部においては、ループ状に形成した上でワイヤ本体42の先端をワイヤ本体42に縛って結び目52が形成され、この結び目52には、ワイヤ本体42を挿通する挿通穴が形成されていて、ループの大きさが調整可能となっている。また、ワイヤ本体42における結び目52よりも先端側においては、ストッパ54が取り付けられている。このストッパ54は、筒状部54aと、ネジ部54bとを有していて、該筒状部54aの周面には、内部まで貫通するネジ穴が形成されていて、ネジ部54bが螺着されるようになっている。該筒状部54aにはワイヤ本体42が挿通されている。そして、このネジ部54bを締結することにより、ストッパ54がワイヤ本体42に固定されるようになっている。このストッパ54は、動物捕獲装置が作動した際に、ワイヤ本体42の先端のループの大きさが必要以上に小さくならないように設けられたものである。
【0031】
このワイヤ部40において、ワイヤ本体42における結び目52よりも端部側の部分、すなわち、ワイヤ本体42においてループ状に形成されている部分と、該結び目52と、ストッパ54とで、ループ状部50が形成される。
【0032】
また、ワイヤ本体42の上記ループ状部50とは反対側の端部においては、ワイヤ本体42の端部がループ状に形成され、ワイヤ本体42の端部が固定具62により固定されている。このようにワイヤ本体42の端部をループ状に形成することにより、ループ状部(第2ループ状部)60が形成される。このループ状部60は、動物捕獲装置を仕掛ける場合に、樹木等に掛止するためのものである。
【0033】
また、固定具62のループ状部50側には、上記ストッパ54と同様の構成のストッパ70が設けられている。つまり、このストッパ70は、筒状部70aと、ネジ部70bとを有していて、該筒状部70aの周面には、内部まで貫通するネジ穴が形成されていて、ネジ部70bが螺着されるようになっている。該筒状部70aにはワイヤ本体42が挿通されている。そして、このネジ部70bを締結することにより、ストッパ70がワイヤ本体42に固定されるようになっている。このストッパ70は、ワイヤ部40における筒状部10の位置を調整するために設けられているものである。
【0034】
上記ワイヤ本体42は、コイルバネ80内に挿通されているとともに、内部筒状部30内に挿通されている。
【0035】
次に、コイルバネ80は、コイルバネ80が伸びた状態、つまり、コイルバネ80の復元力を解放した状態では、筒状部10の長さの数倍(具体的には、3倍〜5倍程度)の長さを有し、一方は、筒状部10内に収納されており(図4等参照)、他方は、キャップ部20内に収納されている。そして、このコイルバネ80の内部には、内部筒状部30とワイヤ本体42が挿通されている。なお、このコイルバネ80の一方の端部は、筒状部10内において端部内側筒部14に当接し、他方の端部は、キャップ部20の内奧部(つまり、端面部24の内側又は内部筒状部30の突出部34)に当接している。
【0036】
なお、コイルバネ80が伸びた状態では、ループ状部50のループの大きさが最小となるように、結び目52がワイヤ本体42の端部側に移動した状態となっている。
【0037】
次に、作動部材100は、動物捕獲装置を作動させるための部材であり、装置本体部5を横方向に使用する場合に用いられるものである。つまり、作動部材100は、図2に示すように、アーム部(支持部)102と、突出部104と、ヒンジ部106と、踏み板108とを有している。
【0038】
このアーム部102は、帯状の板状部材(例えば、金属製の板状部材)を折曲してなる形状を有し、横部材102aと、縦部材102bと、傾斜部材102cと、横部材102dとを有している。すなわち、横部材102aは、アーム部102の端部にあり、その上面には、上方に突出する棒状の突出部104が設けられている。また、縦部材102bは、横部材102aの端部から下方(つまり、縦方向(Z1−Z2方向))に連設され、この縦部材102bと横部材102aとで略L字状を呈している。また、傾斜部材102cは、縦部材102bの下端から連設され、横部材102aが設けられている側とは反対側に向けて斜め下方に傾斜して設けられている。また、横部材102dは、傾斜部材102cの端部からX2方向に連設されている。なお、横部材102aと横部材102dとは、平行に設けられているといえる。アーム部102を構成する横部材102aと縦部材102bと傾斜部材102cと横部材102dはともに平板状を呈し、また、幅方向(つまり、Y1−Y2方向)には、同じ幅に形成されている。
【0039】
また、ヒンジ部106は、固定部106aと回動部106bとを有し、固定部106aと回動部106bとはヒンジ機構により回動可能に構成されている。そして、固定部106aが縦部材102bに固定されているので、回動部106bが固定部106aに対して回動するように構成されている。また、回動部106bは回動片(掛止片)106b−1を有している。この回動片106b−1は、平板状を呈し、キャップ部20に設けられた開口部26や、筒状部10に設けられた開口部16に挿通可能に形成されている。
【0040】
また、踏み板108は、平板状(具体的には、円形の平板状)を呈し、横部材102dに固定されている。この踏み板108は、円形の板状に形成されているとしたが、内側に開口部を設けて全体にリング状としてもよい。このようにリング状にすることにより、踏み板108の軽量化を図ることができる。
【0041】
なお、作動部材100を構成する各部材、特に、踏み板108は、アルミニウム又はステンレス等無臭に近い素材により形成されており、これにより、動物に気づかれにくくすることができる。なお、踏み板108を合成樹脂により形成してもよい。
【0042】
次に、作動部材(第2作動部材)120は、動物捕獲装置を作動させるための部材であり、装置本体部5を縦方向に使用する場合に用いられるものである。つまり、作動部材120は、図3に示すように、アーム部(支持部)122と、突出部124と、ヒンジ部126と、踏み板128とを有している。
【0043】
このアーム部122は、帯状の板状部材(例えば、金属製の板状部材)を折曲してなる形状を有し、縦部材122aと、傾斜部材122bと、横部材122cと、ガイド部材123とを有している。すなわち、縦部材122aは、アーム部122の端部にあり、縦方向(Z1−Z2方向)に形成されている。この縦部材122aの背面側の面(つまり、X1側の面)には、背面側に突出する棒状の突出部124が設けられている。また、傾斜部材122bは、縦部材122aの下端から連設され、X2側に斜め下方に傾斜して設けられている。また、横部材122cは、傾斜部材122bの端部からX2方向に連設されている。ここで、縦部材122aと横部材122cとは直角の方向を向いているといえる。また、ガイド部材123は、板状部材をコ字状に折曲した形状を有し、互いに並行な板状部123a、123cと、板状部123aと板状部123c間に形成された板状部123bとを有している。そして、板状部123bは、傾斜部材122bと当接して固定され、これにより、板状部123aと板状部123cは、傾斜部材122bに対して直角に設けられている。なお、板状部123aと板状部123c間の距離は、筒状部10の外径以上の大きさとなっている。これにより、動物捕獲装置を設置する際に、板状部123a、123cと傾斜部材122bとにより筒状部10を囲むようにでき、これにより、作動部材120の姿勢を安定させることができる。なお、アーム部122を構成する縦部材122aと傾斜部材122bと横部材122cはともに平板状を呈し、また、幅方向(つまり、Y1−Y2方向)には、同じ幅に形成されている。また、ガイド部材123と構成する各板状部123a、123b、123cも平板状を呈している。
【0044】
また、ヒンジ部126は、固定部126aと回動部126bとを有し、固定部126aと回動部126bとはヒンジ機構により回動可能に構成されている。そして、固定部126aが縦部材122aに固定されているので、回動部126bが固定部126aに対して回動するように構成されている。また、回動部126bは回動片(掛止片)126b−1を有している。この回動片126b−1は、平板状を呈し、キャップ部20に設けられた開口部26や、筒状部10に設けられた開口部16に挿通可能に形成されている。
【0045】
また、踏み板128は、板状(具体的には、円形の板状)を呈し、横部材122cに固定されている。この踏み板128は、円形の板状に形成されているとしたが、内側に開口部を設けて全体にリング状としてもよい。このようにリング状にすることにより、踏み板128の軽量化を図ることができる。
【0046】
なお、作動部材120を構成する各部材、特に、踏み板128は、アルミニウム又はステンレス等無臭に近い素材により形成されており、これにより、動物に気づかれにくくすることができる。なお、踏み板128を合成樹脂により形成してもよい。
【0047】
上記構成の動物捕獲装置の使用状態について説明する。本実施例の動物捕獲装置においては、上記作動部材100を用いることにより装置本体部5を横方向に設置することができるが、さらに、作動部材120を用いることによって、装置本体部5を縦方向にも設置することができる。
【0048】
第1に、作動部材100を用いる場合について説明する。まず、作動部材100を仕掛ける場所を確保する。つまり、作動部材100を設置できるだけの深さに地面を掘って、穴Nを形成する(図5参照)。
【0049】
そして、作動部材100を装置本体部5にセットする。すなわち、まず、コイルバネ80の付勢に抗してコイルバネ80を縮めるように筒状部10とキャップ部20とが互いに近接するように移動させ、キャップ部20が筒状部10の先端に被覆するようにする。例えば、キャップ部20を筒状部10側に移動させて、キャップ部20が筒状部10の先端に被覆するようにする。つまり、筒状部10内の空間にコイルバネ80が収納された状態とする。なお、コイルバネ80を縮めるように上記の作業を行うに際して、内部筒状部30が案内パイプとして機能するので、容易に作業を行うことができる。そして、筒状部10の開口部16とキャップ部20の開口部26とが重なるようにした上で、作動部材100の回動片106b−1を差し込んで、図4に示すように、該回動片106b−1が開口部26及び開口部16内に入り込み、回動片106b−1が筒状部10とキャップ部20に掛止されるようにする。この状態では、コイルバネ80は、筒状部10とキャップ部20により構成されるケース部7内に縮んだ状態で保持されることになる。
【0050】
上記のように、回動片106b−1の掛止が完了したら、図5に示すように、筒状部10とキャップ部20からなるケース部7を横方向に設け、突出部104の先端が筒状部10の外表面に当接した状態で上記穴Nに作動部材100を配置させて動物捕獲装置をセットする。この場合、作動部材100における踏み板108ができる限り水平になるようにしてセットするのが好ましい。その際、装置本体部5は、地面の上に置いた状態でもよいが、図示しない固定部材により装置本体部5、特に、筒状部10を地面に固定するのが好ましい。なお、回動片106b−1を上記のように掛止させ、突出部104を筒状部10に当接させて、横部材102aと筒状部材10とがほぼ平行になるようにすることにより、筒状部10を水平方向にセットすれば、踏み板108も水平方向にセットされることになる。また、ワイヤ部40におけるループ状部50は、捕獲対象の動物の脚が十分入る大きさに広げて、穴Nの上端付近にセットする。また、ストッパ54の位置は、所望の位置に調整しておく。つまり、コイルバネ80が伸びてループ状部50が小径化した場合に捕獲対象の動物の脚に十分巻き付き、さらに、ループ状部50が必要以上に小径化して他の小動物の脚には巻き付かない位置にする。なお、ループ状部50がセットしやすいように、穴Nの中に草等を入れておいてもよい。また、反対側にあるループ状部60は、近くの樹木等に掛止させて、動物捕獲装置を固定しておく。つまり、例えば、この動物捕獲装置に掛かった動物が動物捕獲装置ごと移動してしまうのを防止する。なお、ループ状部60を樹木等に掛止できる場合には、上記の筒状部10の地面への固定は特には必要ない。ただし、装置本体部5を固定する意味では、ループ状部60を掛止するとともに、筒状部10を地面に固定するのが好ましい。以上のようにして、動物捕獲装置をセットしておく。
【0051】
そして、動物が動物捕獲装置の位置に移動してきて、動物の脚が穴Nの中に入り、踏み板108を踏むと、突出部104を支点として、アーム部102が斜め下方(つまり、図5では、左下方向)に向けて回動し、これにより、回動片106b−1が下方に移動して、筒状部10との掛止が解除される。なお、実際には、回動片106b−1が下方に移動することにより、回動片106b−1は筒状部10及びキャップ部20との掛止が解除される。
【0052】
すると、コイルバネ80が勢いよく復元して伸びるため、キャップ部20がループ状部50における結び目52を前方に押し出し、これにより、ループ状部50の径が即座に小径化する。すると、ループ状部50は動物の脚に巻き付き、ループ状部50が動物の脚を捕獲する。なお、ループ状部50により脚を縛られた動物は、この捕獲装置本体5ごと逃走しようとしても、ループ状部60が樹木等に固定されているので、逃げることができない。
【0053】
次に、第2に、作動部材120を用いる場合について説明する。まず、作動部材100を用いる場合と同様に、作動部材120を仕掛ける場所を確保するとともに、装置本体部5を埋めるための穴を掘る。つまり、作動部材120を設置できるだけの深さに地面を掘って、穴Nを形成するとともに、装置本体部5の下側部分を埋めるための穴Mを形成する(図6参照)。
【0054】
そして、作動部材120を装置本体部5にセットする。すなわち、まず、コイルバネ80の付勢に抗してコイルバネ80を縮めるように筒状部10とキャップ部20とが互いに近接するように移動させ、キャップ部20が筒状部10の先端に被覆するようにする。例えば、キャップ部20を筒状部10側に移動させて、キャップ部20が筒状部10の先端に被覆するようにする。つまり、筒状部10内の空間にコイルバネ80が収納された状態とする。なお、コイルバネ80を縮めるように上記の作業を行うに際して、内部筒状部30が案内パイプとして機能するので、容易に作業を行うことができる。そして、筒状部10の開口部16とキャップ部20の開口部26とが重なるようにした上で、作動部材120の回動片126b−1を差し込んで、図4に示すように、該回動片126b−1が開口部26及び開口部16内に入り込み、回動片126b−1が筒状部10とキャップ部20に掛止されるようにする。この状態では、コイルバネ80は、筒状部10とキャップ部20により構成されるケース部7内に縮んだ状態で保持されることになる。
【0055】
上記のように、回動片126b−1の掛止が完了したら、図6に示すように、筒状部10の下側を穴Mに埋めるとともに、突出部124の先端が筒状部10の外表面に当接した状態で、上記穴Nに作動部材120を配置させて動物捕獲装置をセットする。この場合、作動部材120における踏み板128ができる限り水平になるようにしてセットするのが好ましい。なお、回動片126b−1を上記のように掛止させ、突出部124を筒状部10に当接させて、縦部材122aと筒状部材10とがほぼ平行になるようにすることにより、筒状部10を鉛直方向(つまり、水平方向に直角な方向)にセットすれば、踏み板128も水平方向にセットされることになる。また、ワイヤ部40におけるループ状部50は、捕獲対象の動物の脚が十分入る大きさに広げて、穴Nの上端付近にセットする。また、ストッパ54の位置は、所望の位置に調整しておく。つまり、コイルバネ80が伸びてループ状部50が小径化した場合に捕獲対象の動物の脚に十分巻き付き、さらに、ループ状部50が必要以上に小径化して他の小動物の脚には巻き付かない位置にする。なお、ループ状部50がセットしやすいように、穴Nの中に草等を入れておいてもよい。また、反対側にあるループ状部60については、筒状部10の下側部分が地中に埋められて固定されているので、特に、このループ状部60を樹木等に掛止する必要はないが、筒状部10の下側部分を埋めた状態でループ状部60を外部に露出させることができる場合には、ループ状部60を樹木等に掛止するようにするのが好ましい。以上のようにして、動物捕獲装置をセットしておく。
【0056】
そして、動物が動物捕獲装置の位置に移動してきて、動物の脚が穴Nの中に入り、踏み板128を踏むと、突出部124を支点として、アーム部122の突出部124よりも下側の部分が斜め下方(つまり、図6では、左下方向)に向けて回動し、これにより、回動片126b−1が横方向に移動して、筒状部10との掛止が解除される。なお、実際には、回動片126b−1が横方向に移動することにより、回動片126b−1は筒状部10及びキャップ部20との掛止が解除される。
【0057】
すると、コイルバネ80が勢いよく復元して伸びるため、ループ状部50における結び目52を前方に押し出し、これにより、ループ状部50の径が即座に小径化する。すると、ループ状部50は動物の脚に巻き付き、ループ状部50が動物の脚を捕獲する。なお、ループ状部50により脚を縛られた動物は、この装置本体部5ごと逃走しようとしても、ループ状部60が樹木等に固定されているので、逃げることができない。
【0058】
なお、上記作動部材100を用いる場合としては、筒状部10を横方向にして用いるので、筒状部10を地中に埋めることができない場合や、ループ状部60を掛止する樹木等が近くにある場合等が適しているといえる。また、上記作動部材120を用いる場合としては、筒状部10を地中に埋めることができる場合や、ループ状部60を掛止する樹木等がない場合が適しているといえる。
【0059】
以上のように、本実施例の動物捕獲装置においては、筒状部10とキャップ部20とからなるケース部7を横方向にして配置することができるので、地面が固い等により該ケース部7を縦方向にセットすることができない場合においても、動物捕獲装置を仕掛けることができる。
【0060】
また、作動部材100と作動部材120とを使い分けることにより、筒状部10とキャップ部20とからなるケース部7を縦方向にも横方向にも配置することができるので、動物捕獲装置を配置する場所の状況に応じて使い分けることができる。
【実施例2】
【0061】
次に、実施例2に基づく動物捕獲装置について説明する。本実施例に基づく動物捕獲装置は、横方向に使用するものであり、装置本体部205(図8、図10参照)と、作動部材300(図9参照)とを有している。
【0062】
ここで、装置本体部205は、図8、図10等に示すように構成され、筒状部210と、キャップ部220と、内部筒状部230と、ワイヤ部240と、コイルバネ280とを有している。なお、図8は、コイルバネが伸びた状態を示しており、一方、図10は、コイルバネが縮められた状態を示している。
【0063】
この筒状部210は、全体に細長の筒状を呈し、筒状部本体212と、該筒状部本体212の内端部に設けられた端部内側筒部214と、筒状部本体212の外周に設けられた固定部材(固定用部材)218とを有している。この筒状部本体212は、円筒状を呈し、その内部には、ワイヤ本体242やコイルバネ280を収容するための円柱状の空間部が設けられている。この筒状部本体212の周面のキャップ部220側の端部近くには、開口部216が形成されている。この開口部216は、円形状に形成され、筒状部本体212の表面から内部にまで貫通するように形成されている。なお、この開口部216の筒状部本体212における形成位置は、キャップ部220を筒状部210に装着した際にキャップ部220に設けられた開口部226と対応する位置となっている。
【0064】
また、端部内側筒部214は、円筒状を呈し、その外径は筒状部本体212の内側の径とほぼ同一となっていて、この端部内側筒部214は、筒状部本体212の内部に嵌合するように形成されている。この端部内側筒部214は、所定の長さで短く形成されていて、筒状部本体212の内部に固定されている。この端部内側筒部214の内径は、コイルバネ280の外径よりも少なくとも小さく形成されていて、これにより、コイルバネ280が端部内側筒部214内に挿通できないようになっている。これにより、端部内側筒部214は、コイルバネ280の受け部として機能することになる。また、端部内側筒部214の内径は、ワイヤ本体242の径や、掛止用部材244の径よりも大きく形成されていて、これにより、ワイヤ本体242は、端部内側筒部214を挿通でき、また、掛止用部材244は、端部内側筒部214内を通過できるようになっている。なお、上記の説明では、端部内側筒部214が筒状部本体212内に固定されているものとして説明したが、これには限られず、図12に示すように、筒状部本体212の端部に端面部212−1を形成し、この端面部212−1に開口部212−1aを設けた構成としてもよい。この場合、開口部212−1aの大きさは、コイルバネ80が挿通できないが、上記掛止用部材244は通過できる大きさとする。この図12に示す場合においては、この端面部212−1がコイルバネ280の受け部となる。
【0065】
また、固定部材218は、筒状部210を地面等に固定するための部材であり、略リング状を呈するリング状部218aと、該リング状部218aの両側に突出した突出片部218bとを有している。この突出片部218bは、板状を呈し、釘等を挿通するための穴部が設けられている。
【0066】
また、キャップ部220は、筒状部210の端部に装着されるキャップ状を呈し、円筒状の筒状部222と、該筒状部222の端部に設けられた端面部224とを有していて、この筒状部222と端面部224とが一体に形成されている。ここで、筒状部222は円筒状を呈するが、その内径は筒状部本体212の外径とほぼ同一となっていて、このキャップ部220を筒状部210に対して軸線方向に摺動させることにより、キャップ部220が筒状部210の端部に装着されるようになっている。この筒状部222の周面には、開口部226が形成されている。この開口部226は、円形に形成されていて、筒状部222の表面から内部にまで貫通するように形成されている。また、端面部224は、筒状部222の端部に形成されていて板状を呈している。この端面部224には、開口部224aが形成されていて、この開口部224aは、ワイヤ本体242の径よりも大きく形成され、ワイヤ本体242が挿通できるようになっている。
【0067】
上記開口部216や開口部226は、キャップ部220を筒状部210に対して仮に止めておくためのものである。詳しくは後述する。
【0068】
また、内部筒状部230は、コイルバネ280の内側におけるキャップ部220側の端部に設けられていて、細長円筒状の円筒状部232と、該円筒状部232の端部に一体に形成された突出部234とを有している。この円筒状部232は、その外径は、コイルバネ280の内径よりも小さく形成されているとともに、円筒状部232の内径は、ワイヤ本体242の径よりも大きく形成されていて、これにより、コイルバネ280は、内部筒状部230の領域においても自由に伸縮し、また、ワイヤ本体242は、内部筒状部230内を容易に移動できるようになっている。また、突出部234は、円筒状部232よりも周方向に突出した形状となっていて、この突出部234は、コイルバネ280の端部とキャップ部220の端面部224間に設けられているので、これにより、内部筒状部230は、コイルバネ280の端部位置に固定され、コイルバネ280内を移動してしまうことがない。
【0069】
また、ワイヤ部240は、ワイヤ本体242と、ストッパ(停止手段)254と、固定具262と、ストッパ(規制手段)270等を有している。ここで、ワイヤ本体242は、複数の金属線を撚り合わせた可撓性のある金属ワイヤである。
【0070】
このワイヤ本体242の筒状部210側の端部においては、ループ状に形成した上でワイヤ本体242の先端をワイヤ本体242に縛って結び目252が形成され、この結び目252には、ワイヤ本体242を挿通する挿通穴が形成されていて、ループの大きさが調整可能となっている。また、ワイヤ本体242における結び目252よりも先端側においては、ストッパ254が取り付けられている。このストッパ254は、筒状部254aと、ネジ部254bとを有していて、該筒状部254aの周面には、内部まで貫通するネジ穴が形成されていて、ネジ部254bが螺着されるようになっている。該筒状部254aにはワイヤ本体242が挿通されている。そして、このネジ部254bを締結することにより、ストッパ254がワイヤ本体242に固定されるようになっている。このストッパ254は、動物捕獲装置が作動した際に、ワイヤ本体242の先端のループの大きさが必要以上に小さくならないように設けられたものである。
【0071】
このワイヤ部240において、ワイヤ本体242における結び目252よりも端部側の部分、すなわち、ワイヤ本体242においてループ状に形成されている部分と、該結び目252と、ストッパ254とで、ループ状部250が形成される。
【0072】
また、ワイヤ本体242の上記ループ状部250とは反対側の端部、つまり、キャップ部220側の端部においては、ワイヤ本体242の端部がループ状に形成され、ワイヤ本体242の端部が固定具262により固定されている。このようにワイヤ本体242の端部をループ状に形成することにより、ループ状部(第2ループ状部)260が形成される。このループ状部260は、動物捕獲装置を仕掛ける場合に、樹木等に掛止するためのものである。
【0073】
また、固定具262のループ状部250側には、上記ストッパ254と同様の構成のストッパ270が設けられている。つまり、このストッパ270は、筒状部270aと、ネジ部270bとを有していて、該筒状部270aの周面には、内部まで貫通するネジ穴が形成されていて、ネジ部270bが螺着されるようになっている。該筒状部270aにはワイヤ本体242が挿通されている。そして、このネジ部270bを締結することにより、ストッパ270がワイヤ本体242に固定されるようになっている。このストッパ270は、ワイヤ部240におけるキャップ部220の位置を調整するために設けられているものである。
【0074】
上記ワイヤ本体242は、コイルバネ280内に挿通されているとともに、内部筒状部230内に挿通されている。
【0075】
また、ワイヤ本体242の中途位置には、掛止用部材244が取り付けられている。この掛止用部材244は、円筒状を呈し、ワイヤ本体242の外周に固定されている。なお、この掛止用部材244の取付け位置は、キャップ部220を筒状部210に被覆した状態では、図10に示すように、この掛止用部材244が筒状部210のループ状部250側の端部から露出するような位置とする。
【0076】
次に、コイルバネ280は、コイルバネ280が伸びた状態、つまり、コイルバネ280の復元力を解放した状態では、筒状部210の長さの数倍(具体的には、3倍〜5倍程度)の長さを有し、一方は、筒状部210内に収納されており(図12参照)、他方は、キャップ部220内に収納されている。そして、このコイルバネ280の内部には、内部筒状部230とワイヤ本体242が挿通されている。なお、このコイルバネ280の一方の端部は、筒状部210内において端部内側筒部214に当接し、他方の端部は、キャップ部220の内奧部(つまり、端面部224の内側又は内部筒状部230の突出部234)に当接している。
【0077】
なお、コイルバネ280が伸びた状態では、ループ状部250のループの大きさが最小となるように、結び目252がワイヤ本体242の端部側に移動した状態となっている。
【0078】
次に、作動部材300は、動物捕獲装置を作動させるための部材である。つまり、作動部材300は、図9に示すように、アーム部302と、ヒンジ部306と、踏み板308とを有している。
【0079】
このアーム部(支持部)302は、帯状の板状部材(例えば、金属製の板状部材)を折曲してなる形状を有し、横部材302aと、縦部材302bと、傾斜部材302cと、横部材302dとを有している。すなわち、横部材302aは、アーム部302の端部にある。また、縦部材302bは、横部材302aの端部から下方(つまり、縦方向(Z1−Z2方向))に連設され、この縦部材302bと横部材302aとで略L字状を呈している。また、傾斜部材302cは、縦部材302bの下端から連設され、横部材302aが設けられている側とは反対側に向けて斜め下方に傾斜して設けられている。また、横部材302dは、傾斜部材302cの端部からX2方向に連設されている。なお、横部材302aと横部材302dとは、平行に設けられているといえる。アーム部302を構成する横部材302aと縦部材302bと傾斜部材302cと横部材302dはともに平板状を呈し、また、幅方向(つまり、Y1−Y2方向)には、同じ幅に形成されている。
【0080】
また、ヒンジ部306は、固定部306aと回動部306bとを有し、固定部306aと回動部306bとはヒンジ機構により回動可能に構成されている。そして、固定部306aが縦部材302bに固定されているので、回動部306bが固定部306aに対して回動するように構成されている。また、回動部306bは回動片(掛止片)306b−1を有している。この回動片306b−1は、平板状を呈し、その上側には、切欠部Kが設けられている。この切欠部KはU字状、すなわち、半円形状と方形状とを合わせた形状を呈していて、該半円形状における直径の大きさは、ワイヤ本体242の直径以上の大きさを有し、また、該半円形状における直径の大きさは、掛止用部材244の直径よりも小さくなっている。これにより、図10に示すように、この回動片306b−1と掛止用部材244によってコイルバネ280が縮んだ状態で固定させておくことができる。
【0081】
また、踏み板308は、平板状(具体的には、円形の平板状)を呈し、横部材302dに固定されている。この踏み板308は、円形の板状に形成されているとしたが、内側に開口部を設けて全体にリング状としてもよい。このようにリング状にすることにより、踏み板308の軽量化を図ることができる。
【0082】
なお、作動部材300を構成する各部材、特に、踏み板308は、アルミニウム又はステンレス等無臭に近い素材により形成されており、これにより、動物に気づかれにくくすることができる。なお、踏み板308を合成樹脂により形成してもよい。
【0083】
上記構成の動物捕獲装置の使用状態について説明する。まず、作動部材300を仕掛ける場所を確保する。つまり、作動部材300を設置できるだけの深さに地面を掘って、穴Nを形成する(図11参照)。
【0084】
そして、作動部材300を装置本体部205にセットする。すなわち、まず、コイルバネ280の付勢に抗してコイルバネ280を縮めるように筒状部210とキャップ部220とが互いに近接するように移動させ、キャップ部220が筒状部210の先端に被覆するようにする。例えば、筒状部210をキャップ部220側に移動させて、キャップ部220が筒状部210の先端に被覆するようにする。つまり、筒状部210内の空間にコイルバネ280が収納された状態とする。なお、コイルバネ280を縮めるように上記の作業を行うに際して、内部筒状部230が案内パイプとして機能するので、容易に作業を行うことができる。そして、キャップ部220が筒状部210の先端に被覆する状態では、掛止用部材244は、図10に示すように、筒状部210から露出するので、掛止用部材244と筒状部210の間に作動部材300の回動片306b−1を入れて、切欠部K内にワイヤ本体242があるようにする。以上のようにして、回動片306b−1を掛止用部材244に掛止させてセットする。すると、掛止用部材244がこの回動片306b−1に止められて、コイルバネ280が縮んだ状態で保持される。
【0085】
なお、上記のコイルバネ280を縮める作業は所定の力が必要となることから、キャップ部220が筒状部210に被覆した状態としたら、開口部226と開口部216が重なった状態として、この開口部216、226に棒状部材を差し込み、一旦コイルバネ280が縮んだ状態を保持して、その上で、回動片306b−1をセットするようにすれば、安全に作業を行うことができる。
【0086】
上記のように、回動片306b−1のセットが完了したら、図11に示すように、筒状部210とキャップ部220からなるケース部207を横方向に設け、横板部302aが筒状部210の外表面に当接した状態で上記穴Nに作動部材300を配置させて動物捕獲装置をセットする。この場合、作動部材300における踏み板308ができる限り水平になるようにしてセットするのが好ましい。その際、筒状部210を固定する。つまり、筒状部210を固定部材218を介して地面に固定する。つまり、固定部材218の突出片部218bに釘等を打ち込むことにより筒状部210を地面に固定させる。なお、筒状部210を地面の上に置いた状態としてもよい。なお、回動片306b−1を上記のように掛止させ、横部材302aを筒状部210に当接させて、横部材302aと筒状部材210とがほぼ平行になるようにすることにより、筒状部210を水平方向にセットすれば、踏み板308も水平方向にセットされることになる。また、ワイヤ部240におけるループ状部250は、捕獲対象の動物の脚が十分入る大きさに広げて、穴Nの上端付近にセットする。また、ストッパ254の位置は、所望の位置に調整しておく。つまり、コイルバネ280が伸びてループ状部250が小径化した場合に捕獲対象の動物の脚に十分巻き付き、さらに、ループ状部250が必要以上に小径化して他の小動物の脚には巻き付かない位置にする。なお、ループ状部250がセットしやすいように、穴Nの中に草等を入れておいてもよい。また、反対側にあるループ状部260は、近くの樹木等に掛止させて、動物捕獲装置を固定しておく。つまり、例えば、この動物捕獲装置に掛かった動物が動物捕獲装置ごと移動してしまうのを防止する。なお、ループ状部260を樹木等に掛止できる場合には、上記の筒状部210の地面への固定は特には必要ない。ただし、装置本体部205を固定する意味では、ループ状部260を掛止するとともに、筒状部210を地面に固定するのが好ましい。以上のようにして、動物捕獲装置をセットしておく。
【0087】
そして、動物が動物捕獲装置の位置に移動してきて、動物の脚が穴Nの中に入り、踏み板308を踏むと、アーム部302が下方に移動し、これにより、回動片306b−1が下方に移動して、掛止用部材244との掛止が解除される。
【0088】
すると、コイルバネ280が勢いよく復元して伸びるため、これにより、筒状部210とループ状部250とが相対的に接近し、筒状部210がループ状部250における結び目252が筒状部210によりワイヤ部240の端部側に押された状態となり、これにより、ループ状部250の径が即座に小径化する。すると、ループ状部250は動物の脚に巻き付き、ループ状部250が動物の脚を捕獲する。なお、ループ状部250により脚を縛られた動物は、この捕獲装置本体205ごと逃走しようとしても、ループ状部260が樹木等に固定されているので、逃げることができない。
【0089】
以上のように、本実施例の動物捕獲装置においては、筒状部210とキャップ部220とからなるケース部207を横方向にして配置することができるので、地面が固い等により該ケース部207を縦方向にセットすることができない場合においても、動物捕獲装置を仕掛けることができる。
【0090】
なお、上記実施例1における結び目52や、実施例2における結び目252については、結び目の代わりに、ワイヤ本体42、242の先端がワイヤ本体42、242に沿ってスライドできる構成であれば、他の構成でもよい。例えば、筒状の部材にワイヤ本体42、242に通し、該筒状の部材にワイヤ本体42、242の先端を固定した構成であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本発明の実施例1における動物捕獲装置を示す斜視図である。
【図2】作動部材の構成を示す斜視図である。
【図3】他の作動部材の構成を示す斜視図である。
【図4】本発明の実施例1における動物捕獲装置の使用状態における要部断面図である。
【図5】本発明の実施例1における動物捕獲装置を横方向に設置して使用する場合の使用状態を示す説明図である。
【図6】本発明の実施例1における動物捕獲装置を縦方向に設置して使用する場合の使用状態を示す説明図である。
【図7】筒状部における他の例を示す要部断面図である。
【図8】本発明の実施例2における動物捕獲装置を示す斜視図である。
【図9】作動部材の構成を示す斜視図である。
【図10】本発明の実施例2における動物捕獲装置の使用状態における要部断面図である。
【図11】本発明の実施例2における動物捕獲装置の使用状態を示す説明図である。
【図12】筒状部における他の例を示す要部断面図である。
【符号の説明】
【0092】
5、205 装置本体部
10、210 筒状部
16、26 216、226 開口部
20、220 キャップ部
30、230 内部筒状部
40、240 ワイヤ部
42、242 ワイヤ本体
50、60、250、260 ループ状部
52、252 結び目
54、70、254、270 ストッパ
100、120、300 作動部材
102、122、302 アーム部
106、126、306 ヒンジ部
106b−1、126b−1、306b−1 回動片
108、128、308 踏み板
【技術分野】
【0001】
本発明は、動物捕獲装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、動物を捕獲する罠としての動物捕獲装置としては、特許文献1に示す捕獣用罠や、特許文献2に示す動物捕獲装置が存在する。
【特許文献1】特開2001−17059号公報
【特許文献2】特開平11−127760号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記特許文献1に示す捕獣用罠においては、罠を仕掛ける際には、筒形本体を地中に埋めなければならず、地面を掘る作業が必要となる。また、上記特許文献2に示す動物捕獲装置においても、第1筒部や第2筒部を縦置きにして地中に埋めることから、地面を掘る作業が必要になる。
【0004】
従って、上記特許文献1や特許文献2に示す装置においては、罠を仕掛ける際に地面を掘る作業が必要となり、地面が固い場合等地面を掘ることができない場合には、罠を仕掛けることができないという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、動物捕獲装置を設置する際に地面を掘る必要がなく、容易に設置することができる動物捕獲装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記問題点を解決するために創作されたものであって、第1には、動物を捕獲するための動物捕獲装置であって、装置本体部と、該装置本体部を作動させるための作動部材とを有し、該装置本体部が、筒状を呈し、一端側に内部に収納されるコイルバネの一方の端部を受けるための受け部を有する筒状部で、該作動部材の掛止片が掛止するための掛止手段を有する筒状部と、該筒状部に設けられるキャップ部で、該コイルバネの他方の端部を受ける受け部を有し、該作動部材の掛止片が掛止するための第2掛止手段を有するキャップ部と、該筒状部における受け部と該キャップ部における受け部間に設けられたコイルバネと、該コイルバネの内側に挿通されるとともに、少なくとも該キャップ部を貫通して設けられるワイヤを有するワイヤ部で、該ワイヤにおける該キャップ部から外側に突出した部分に、該ワイヤがループ状に形成された部分を有するループ状部を有し、該コイルバネの復元力によりコイルバネが伸びた際に該キャップ部がループ状部に対して相対的に移動することにより該ループ状部が縮小するよう形成されたワイヤ部と、を有し、該作動部材が、踏み板と、該踏み板を支持する支持部と、該支持部に設けられた該掛止片で、該踏み板の面に対して少なくとも略直角方向(「直角方向」としてもよい)を向いた掛止片と、を有し、該コイルバネを縮めて該キャップ部を筒状部の端部に被らせた状態で、該作動部材の掛止片を該掛止手段及び第2掛止手段に掛止させた場合に、コイルバネが縮んだ状態で維持されるとともに、該筒状部の軸線方向と該作動部材の踏み板の面とが略平行(「平行」としてもよい)になるように構成され、該踏み板を踏むことにより該掛止片の掛止手段への掛止が解除された場合に、該コイルバネが復元して該ループ状部が縮小することにより動物の脚を捕捉することを特徴とする。
【0007】
この第1の構成の動物捕獲装置においては、筒状部とキャップ部とを近づけてコイルバネを縮めていき、該キャップ部を筒状部の端部に被らせた状態で、該作動部材の掛止片を該掛止手段及び第2掛止手段に掛止させる。すると、コイルバネが縮んだ状態で維持される。そして、その状態では、該筒状部の軸線方向と該作動部材の踏み板の面とが略平行になるので、踏み板を水平方向に設置する場合には、筒状部も水平方向となり、よって、筒状部を横方向に設置できるので、地面に穴を掘る必要がなく、これにより、地面が固くて掘ることができない場合でも動物捕獲装置を仕掛けることができる。
【0008】
また、第2には、上記動物捕獲装置が、さらに、上記作動部材と取り替えて使用可能な第2作動部材で、踏み板と、該踏み板を支持する支持部と、該支持部に設けられた掛止片で、該踏み板の面に対して少なくとも略平行(「平行」としてもよい)な方向を向いた掛止片と、を有する第2作動部材を有し、該コイルバネを縮めて該キャップ部を筒状部の端部に被らせた状態で、該作動部材の掛止片を該掛止手段及び第2掛止手段に掛止させた場合に、コイルバネが縮んだ状態で維持されるとともに、該筒状部の軸線方向と該作動部材の踏み板の面とが略直角(「直角」としてもよい)になるように構成され、該踏み板を踏むことにより該掛止片の掛止手段への掛止が解除された場合に、該コイルバネが復元して該ループ状部が縮小することにより動物の脚を捕捉することを特徴とする。
【0009】
この第2の構成によれば、上記第1の構成における作動部材に代えて第2作動部材を用いることにより、筒状部を縦方向にして動物捕獲装置を設置することができ、上記第1の構成における作動部材と第2作動部材とを使い分けることにより、筒状部を横方向にも縦方向にも使用することができ、状況に応じて、筒状部の設置方向を選択することができる。また、作動部材を取り替えるのみで他の部材は共用できるので、経済的である。
【0010】
また、第3には、上記第1又は第2の構成において、上記ワイヤが上記筒状部からキャップ部側とは反対側である外側に突出し、該突出したワイヤの端部には、ワイヤをループ状に形成された部分を有する第2ループ状部が設けられていることを特徴とする。この第2ループ状部を樹木等に掛止することにより、動物捕獲装置を固定することができ、脚を捕捉された動物が動物捕獲装置ごと逃走することを防止することができる。
【0011】
なお、上記第1から第3までの構成において、上記ワイヤにおける上記筒状部から第2ループ状部側に露出した部分における第2ループ状部よりも手前側の位置には、該露出した部分が筒状部側に移動するのを規制する規制手段が設けられていることを特徴とするものとしてもよい。また、上記第1から第3までの構成において、上記掛止手段や第2掛止手段は、開口部であるとしてもよい。また、上記第1から第3までの構成において、作動部材における支持部には、筒状部と当接して作動部材の姿勢を安定させるための突出部が設けられているものとしてもよい。
【0012】
また、第4には、動物を捕獲するための動物捕獲装置であって、装置本体部と、該装置本体部を作動させるための作動部材とを有し、該装置本体部が、筒状を呈し、一端側に内部に収納されるコイルバネの一方の端部を受けるための受け部を有する筒状部と、該筒状部に設けられるキャップ部で、該コイルバネの他方の端部を受ける受け部を有するキャップ部と、該筒状部における受け部と該キャップ部における受け部間に設けられたコイルバネと、該コイルバネの内側に挿通されるとともに、少なくとも該筒状部を貫通して設けられるワイヤを有するワイヤ部で、該筒状部における端部から外側に突出した端部に、該ワイヤがループ状に形成された部分を有するループ状部を有し、さらに、ワイヤの所定位置に作動部材における掛止片が掛止するための掛止用部材を有し、該コイルバネの復元力によりコイルバネが伸びた際に該ループ状部が縮小するよう形成されたワイヤ部と、を有し、該作動部材が、踏み板と、該踏み板を支持する支持部と、該支持部に設けられた該掛止片で、該踏み板の面に対して少なくとも略直角方向(「直角方向」としてもよい)を向いた掛止片と、を有し、該コイルバネを縮めて該キャップ部を筒状部の端部に被らせた状態で、該掛止用部材が筒状部のループ状部側の端部から露出して、該掛止用部材と筒状部の端部間に該作動部材の掛止片を掛止させることにより、コイルバネが縮んだ状態で維持されるとともに、該筒状部の軸線方向と該作動部材の踏み板の面とが略平行(「平行」としてもよい)になるように構成され、該踏み板を踏むことにより該掛止片の掛止用部材との掛止が解除された場合に、該コイルバネが復元して該ループ状部が縮小することにより動物の脚を捕捉することを特徴とする。
【0013】
この第4の構成の動物捕獲装置においては、筒状部とキャップ部とを近づけてコイルバネを縮めていき、該キャップ部を筒状部の端部に被らせた状態で、該掛止用部材が筒状部のループ状部側の端部から露出するので、該掛止用部材と筒状部の端部間に該作動部材の掛止片を掛止させる。すると、コイルバネが縮んだ状態で維持される。そして、その状態では、該筒状部の軸線方向と該作動部材の踏み板の面とが略平行になるので、踏み板を水平方向に設置する場合には、筒状部も水平方向となり、よって、筒状部を横方向に設置できるので、地面に穴を掘る必要がなく、これにより、地面が固くて掘ることができない場合でも動物捕獲装置を仕掛けることができる。
【0014】
また、第5には、上記第4の構成において、上記ワイヤが上記キャップ部から筒状部側とは反対側である外側に突出し、該突出したワイヤの端部には、ワイヤをループ状に形成された部分を有する第2ループ状部が設けられていることを特徴とする。この第2ループ状部を樹木等に掛止することにより、動物捕獲装置を固定することができ、脚を捕捉された動物が動物捕獲装置ごと逃走することを防止することができる。
【0015】
なお、上記第5の構成において、上記筒状部には、地面等の被設置箇所に固定するための固定用部材が設けられているものとしてもよい。また、上記第5の構成において、上記ワイヤにおける上記キャップ部から第2ループ側に露出した部分における第2ループ状部よりも手前側の位置には、該露出した部分が筒状部側に移動するのを規制する規制手段が設けられているものとしてもよい。また、上記第5の構成において、筒状部とキャップ部とに仮止め用の開口部が設けられているものとしてもよい。
【0016】
また、第6には、上記第1から第5までのいずれかの構成において、上記コイルバネの内側におけるキャップ部側には、筒状を呈する内部筒状部が設けられ、該内部筒状部には、上記ワイヤが挿通されていることを特徴とする。この内部筒状部が設けられていることにより、この内部筒状部がコイルバネを縮める際の案内パイプとして機能し、コイルバネを縮める作業を容易に行うことができる。
【0017】
また、第7には、上記第1から第6までのいずれかの構成において、上記ループ状部には、ループ状部の縮小を所定の位置で停止するための停止手段が設けられている。これにより、コイルバネの縮んだ状態が解除されてコイルバネが復元された場合に、ループ状部は縮小化するが、この停止手段により所定の時点で縮小を停止させることができ、よって、ループの大きさを所定の大きさよりも小さくするのを防止するので、捕獲対象の動物よりも小さい動物を保護することができる。
【0018】
なお、上記の構成において、作動部材に設けられた掛止片は、回動可能に形成されているものとしてもよい。回動可能に形成する方法としては、例えば、ヒンジ機構により回動可能に構成することが考えられる。
【発明の効果】
【0019】
本発明に基づく動物捕獲装置によれば、該キャップ部を筒状部の端部に被らせた状態として、コイルバネが縮んだ状態で維持された状態では、該筒状部の軸線方向と該作動部材の踏み板の面とが略平行になるので、踏み板を水平方向に設置する場合には、筒状部も水平方向となり、よって、筒状部を横方向に設置できるので、地面に穴を掘る必要がなく、これにより、地面が固くて掘ることができない場合でも動物捕獲装置を仕掛けることができる。
【0020】
また、作動部材と第2作動部材とを使い分けることにより、筒状部を横方向にも縦方向にも設置することができるので、状況に応じて、筒状部の設置方向を選択することができる。また、作動部材を取り替えるのみで他の部材は共用できるので、経済的である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明においては、動物捕獲装置を設置する際に地面を掘る必要がなく、容易に設置することができるという目的を以下のようにして実現した。
【実施例1】
【0022】
本発明の実施例1に基づく動物捕獲装置は、装置本体部5(図1、図4等参照)と、作動部材100(図2参照)と、作動部材120(図3参照)とを有している。
【0023】
ここで、装置本体部5は、図1、図4等に示すように構成され、筒状部10と、キャップ部20と、内部筒状部30と、ワイヤ部40と、コイルバネ80とを有している。なお、図1は、コイルバネが伸びた状態を示しており、一方、図4は、コイルバネが縮められた状態を示している。
【0024】
この筒状部10は、全体に細長の筒状を呈し、筒状部本体12と、該筒状部本体12の内端部に設けられた端部内側筒部14とを有している。この筒状部本体12は、円筒状を呈し、その内部には、ワイヤ本体42やコイルバネ80を収容するための円柱状の空間部が設けられている。この筒状部本体12の周面のキャップ部20側の端部近くには、開口部16(掛止手段)が形成されている。この開口部16は、筒状部本体12の周方向に帯状に形成され、筒状部本体12の表面から内部にまで貫通するように形成されている。なお、この開口部16の筒状部本体12における形成位置は、キャップ部20を筒状部10に装着した際にキャップ部20に設けられた開口部26と対応する位置となっている。
【0025】
また、端部内側筒部14は、円筒状を呈し、その外径は筒状部本体12の内側の径とほぼ同一となっていて、この端部内側筒部14は、筒状部本体12の内部に嵌合するように形成されている。この端部内側筒部14は、所定の長さで短く形成されていて、筒状部本体12の内部に固定されている。この端部内側筒部14の内径は、コイルバネ80の外径よりも少なくとも小さく形成されていて、これにより、コイルバネ80が端部内側筒部14内に挿通できないようになっている。これにより、端部内側筒部14は、コイルバネ80の受け部として機能することになる。また、端部内側筒部14の内径は、ワイヤ本体42の径よりも大きく形成されていて、これにより、ワイヤ本体42は、端部内側筒部14を挿通できるようになっている。なお、上記の説明では、端部内側筒部14が筒状部本体12内に固定されているものとして説明したが、これには限られず、図7に示すように、筒状部本体12の端部に端面部12−1を形成し、この端面部12−1に開口部12−1aを設けた構成としてもよい。この場合、開口部12−1aの大きさは、コイルバネ80が挿通できない大きさとする。この図7に示す場合においては、この端面部12−1がコイルバネ80の受け部となる。
【0026】
また、キャップ部20は、筒状部10の端部に装着されるキャップ状を呈し、円筒状の筒状部22と、該筒状部22の端部に設けられた端面部24とを有していて、この筒状部22と端面部24とが一体に形成されている。ここで、筒状部22は円筒状を呈するが、その内径は筒状部本体12の外径とほぼ同一となっていて、このキャップ部20を筒状部10に対して軸線方向に摺動させることにより、キャップ部20が筒状部10の端部に装着されるようになっている。この筒状部22の周面には、開口部(第2掛止手段)26が形成されている。この開口部26は、筒状部22の周方向に帯状に形成されていて、筒状部22の表面から内部にまで貫通するように形成されている。また、端面部24は、筒状部22の端部に形成されていて板状を呈している。この端面部24には、開口部24aが形成されていて、この開口部24aは、ワイヤ本体42の径よりも大きく形成され、ワイヤ本体42が挿通できるようになっている。
【0027】
なお、筒状部10に設けられた開口部16と、キャップ部20に設けられた開口部26は、ともに、作動部材100の回動片106b−1や、作動部材120の回動片126b−1が挿入できる大きさに形成されていて、開口部26の軸線方向の幅α2は、開口部16の軸線方向の幅α1よりも大きく形成されている。ただし、開口部16の軸線方向の幅と開口部26の軸線方向の幅とは同じに形成してもよいし、開口部26の軸線方向の幅が、開口部16の軸線方向の幅よりも小さく形成されていてもよい。
【0028】
また、内部筒状部30は、コイルバネ80の内側におけるキャップ部20側の端部に設けられていて、細長円筒状の円筒状部32と、該円筒状部32の端部に一体に形成された突出部34とを有している。この円筒状部32は、その外径は、コイルバネ80の内径よりも小さく形成されているとともに、円筒状部32の内径は、ワイヤ本体42の径よりも大きく形成されていて、これにより、コイルバネ80は、内部筒状部30の領域においても自由に伸縮し、また、ワイヤ本体42は、内部筒状部30内を容易に移動できるようになっている。また、突出部34は、円筒状部32よりも周方向に突出した形状となっていて、この突出部34は、コイルバネ80の端部とキャップ部20の端面部24間に設けられているので、これにより、内部筒状部30は、コイルバネ80の端部位置に固定され、コイルバネ80内を移動してしまうことがない。
【0029】
また、ワイヤ部40は、ワイヤ本体(ワイヤ)42と、ストッパ(停止手段)54と、固定具62と、ストッパ(規制手段)70等を有している。ここで、ワイヤ本体42は、複数の金属線を撚り合わせた可撓性のある金属ワイヤである。
【0030】
このワイヤ本体42のキャップ部20側の端部においては、ループ状に形成した上でワイヤ本体42の先端をワイヤ本体42に縛って結び目52が形成され、この結び目52には、ワイヤ本体42を挿通する挿通穴が形成されていて、ループの大きさが調整可能となっている。また、ワイヤ本体42における結び目52よりも先端側においては、ストッパ54が取り付けられている。このストッパ54は、筒状部54aと、ネジ部54bとを有していて、該筒状部54aの周面には、内部まで貫通するネジ穴が形成されていて、ネジ部54bが螺着されるようになっている。該筒状部54aにはワイヤ本体42が挿通されている。そして、このネジ部54bを締結することにより、ストッパ54がワイヤ本体42に固定されるようになっている。このストッパ54は、動物捕獲装置が作動した際に、ワイヤ本体42の先端のループの大きさが必要以上に小さくならないように設けられたものである。
【0031】
このワイヤ部40において、ワイヤ本体42における結び目52よりも端部側の部分、すなわち、ワイヤ本体42においてループ状に形成されている部分と、該結び目52と、ストッパ54とで、ループ状部50が形成される。
【0032】
また、ワイヤ本体42の上記ループ状部50とは反対側の端部においては、ワイヤ本体42の端部がループ状に形成され、ワイヤ本体42の端部が固定具62により固定されている。このようにワイヤ本体42の端部をループ状に形成することにより、ループ状部(第2ループ状部)60が形成される。このループ状部60は、動物捕獲装置を仕掛ける場合に、樹木等に掛止するためのものである。
【0033】
また、固定具62のループ状部50側には、上記ストッパ54と同様の構成のストッパ70が設けられている。つまり、このストッパ70は、筒状部70aと、ネジ部70bとを有していて、該筒状部70aの周面には、内部まで貫通するネジ穴が形成されていて、ネジ部70bが螺着されるようになっている。該筒状部70aにはワイヤ本体42が挿通されている。そして、このネジ部70bを締結することにより、ストッパ70がワイヤ本体42に固定されるようになっている。このストッパ70は、ワイヤ部40における筒状部10の位置を調整するために設けられているものである。
【0034】
上記ワイヤ本体42は、コイルバネ80内に挿通されているとともに、内部筒状部30内に挿通されている。
【0035】
次に、コイルバネ80は、コイルバネ80が伸びた状態、つまり、コイルバネ80の復元力を解放した状態では、筒状部10の長さの数倍(具体的には、3倍〜5倍程度)の長さを有し、一方は、筒状部10内に収納されており(図4等参照)、他方は、キャップ部20内に収納されている。そして、このコイルバネ80の内部には、内部筒状部30とワイヤ本体42が挿通されている。なお、このコイルバネ80の一方の端部は、筒状部10内において端部内側筒部14に当接し、他方の端部は、キャップ部20の内奧部(つまり、端面部24の内側又は内部筒状部30の突出部34)に当接している。
【0036】
なお、コイルバネ80が伸びた状態では、ループ状部50のループの大きさが最小となるように、結び目52がワイヤ本体42の端部側に移動した状態となっている。
【0037】
次に、作動部材100は、動物捕獲装置を作動させるための部材であり、装置本体部5を横方向に使用する場合に用いられるものである。つまり、作動部材100は、図2に示すように、アーム部(支持部)102と、突出部104と、ヒンジ部106と、踏み板108とを有している。
【0038】
このアーム部102は、帯状の板状部材(例えば、金属製の板状部材)を折曲してなる形状を有し、横部材102aと、縦部材102bと、傾斜部材102cと、横部材102dとを有している。すなわち、横部材102aは、アーム部102の端部にあり、その上面には、上方に突出する棒状の突出部104が設けられている。また、縦部材102bは、横部材102aの端部から下方(つまり、縦方向(Z1−Z2方向))に連設され、この縦部材102bと横部材102aとで略L字状を呈している。また、傾斜部材102cは、縦部材102bの下端から連設され、横部材102aが設けられている側とは反対側に向けて斜め下方に傾斜して設けられている。また、横部材102dは、傾斜部材102cの端部からX2方向に連設されている。なお、横部材102aと横部材102dとは、平行に設けられているといえる。アーム部102を構成する横部材102aと縦部材102bと傾斜部材102cと横部材102dはともに平板状を呈し、また、幅方向(つまり、Y1−Y2方向)には、同じ幅に形成されている。
【0039】
また、ヒンジ部106は、固定部106aと回動部106bとを有し、固定部106aと回動部106bとはヒンジ機構により回動可能に構成されている。そして、固定部106aが縦部材102bに固定されているので、回動部106bが固定部106aに対して回動するように構成されている。また、回動部106bは回動片(掛止片)106b−1を有している。この回動片106b−1は、平板状を呈し、キャップ部20に設けられた開口部26や、筒状部10に設けられた開口部16に挿通可能に形成されている。
【0040】
また、踏み板108は、平板状(具体的には、円形の平板状)を呈し、横部材102dに固定されている。この踏み板108は、円形の板状に形成されているとしたが、内側に開口部を設けて全体にリング状としてもよい。このようにリング状にすることにより、踏み板108の軽量化を図ることができる。
【0041】
なお、作動部材100を構成する各部材、特に、踏み板108は、アルミニウム又はステンレス等無臭に近い素材により形成されており、これにより、動物に気づかれにくくすることができる。なお、踏み板108を合成樹脂により形成してもよい。
【0042】
次に、作動部材(第2作動部材)120は、動物捕獲装置を作動させるための部材であり、装置本体部5を縦方向に使用する場合に用いられるものである。つまり、作動部材120は、図3に示すように、アーム部(支持部)122と、突出部124と、ヒンジ部126と、踏み板128とを有している。
【0043】
このアーム部122は、帯状の板状部材(例えば、金属製の板状部材)を折曲してなる形状を有し、縦部材122aと、傾斜部材122bと、横部材122cと、ガイド部材123とを有している。すなわち、縦部材122aは、アーム部122の端部にあり、縦方向(Z1−Z2方向)に形成されている。この縦部材122aの背面側の面(つまり、X1側の面)には、背面側に突出する棒状の突出部124が設けられている。また、傾斜部材122bは、縦部材122aの下端から連設され、X2側に斜め下方に傾斜して設けられている。また、横部材122cは、傾斜部材122bの端部からX2方向に連設されている。ここで、縦部材122aと横部材122cとは直角の方向を向いているといえる。また、ガイド部材123は、板状部材をコ字状に折曲した形状を有し、互いに並行な板状部123a、123cと、板状部123aと板状部123c間に形成された板状部123bとを有している。そして、板状部123bは、傾斜部材122bと当接して固定され、これにより、板状部123aと板状部123cは、傾斜部材122bに対して直角に設けられている。なお、板状部123aと板状部123c間の距離は、筒状部10の外径以上の大きさとなっている。これにより、動物捕獲装置を設置する際に、板状部123a、123cと傾斜部材122bとにより筒状部10を囲むようにでき、これにより、作動部材120の姿勢を安定させることができる。なお、アーム部122を構成する縦部材122aと傾斜部材122bと横部材122cはともに平板状を呈し、また、幅方向(つまり、Y1−Y2方向)には、同じ幅に形成されている。また、ガイド部材123と構成する各板状部123a、123b、123cも平板状を呈している。
【0044】
また、ヒンジ部126は、固定部126aと回動部126bとを有し、固定部126aと回動部126bとはヒンジ機構により回動可能に構成されている。そして、固定部126aが縦部材122aに固定されているので、回動部126bが固定部126aに対して回動するように構成されている。また、回動部126bは回動片(掛止片)126b−1を有している。この回動片126b−1は、平板状を呈し、キャップ部20に設けられた開口部26や、筒状部10に設けられた開口部16に挿通可能に形成されている。
【0045】
また、踏み板128は、板状(具体的には、円形の板状)を呈し、横部材122cに固定されている。この踏み板128は、円形の板状に形成されているとしたが、内側に開口部を設けて全体にリング状としてもよい。このようにリング状にすることにより、踏み板128の軽量化を図ることができる。
【0046】
なお、作動部材120を構成する各部材、特に、踏み板128は、アルミニウム又はステンレス等無臭に近い素材により形成されており、これにより、動物に気づかれにくくすることができる。なお、踏み板128を合成樹脂により形成してもよい。
【0047】
上記構成の動物捕獲装置の使用状態について説明する。本実施例の動物捕獲装置においては、上記作動部材100を用いることにより装置本体部5を横方向に設置することができるが、さらに、作動部材120を用いることによって、装置本体部5を縦方向にも設置することができる。
【0048】
第1に、作動部材100を用いる場合について説明する。まず、作動部材100を仕掛ける場所を確保する。つまり、作動部材100を設置できるだけの深さに地面を掘って、穴Nを形成する(図5参照)。
【0049】
そして、作動部材100を装置本体部5にセットする。すなわち、まず、コイルバネ80の付勢に抗してコイルバネ80を縮めるように筒状部10とキャップ部20とが互いに近接するように移動させ、キャップ部20が筒状部10の先端に被覆するようにする。例えば、キャップ部20を筒状部10側に移動させて、キャップ部20が筒状部10の先端に被覆するようにする。つまり、筒状部10内の空間にコイルバネ80が収納された状態とする。なお、コイルバネ80を縮めるように上記の作業を行うに際して、内部筒状部30が案内パイプとして機能するので、容易に作業を行うことができる。そして、筒状部10の開口部16とキャップ部20の開口部26とが重なるようにした上で、作動部材100の回動片106b−1を差し込んで、図4に示すように、該回動片106b−1が開口部26及び開口部16内に入り込み、回動片106b−1が筒状部10とキャップ部20に掛止されるようにする。この状態では、コイルバネ80は、筒状部10とキャップ部20により構成されるケース部7内に縮んだ状態で保持されることになる。
【0050】
上記のように、回動片106b−1の掛止が完了したら、図5に示すように、筒状部10とキャップ部20からなるケース部7を横方向に設け、突出部104の先端が筒状部10の外表面に当接した状態で上記穴Nに作動部材100を配置させて動物捕獲装置をセットする。この場合、作動部材100における踏み板108ができる限り水平になるようにしてセットするのが好ましい。その際、装置本体部5は、地面の上に置いた状態でもよいが、図示しない固定部材により装置本体部5、特に、筒状部10を地面に固定するのが好ましい。なお、回動片106b−1を上記のように掛止させ、突出部104を筒状部10に当接させて、横部材102aと筒状部材10とがほぼ平行になるようにすることにより、筒状部10を水平方向にセットすれば、踏み板108も水平方向にセットされることになる。また、ワイヤ部40におけるループ状部50は、捕獲対象の動物の脚が十分入る大きさに広げて、穴Nの上端付近にセットする。また、ストッパ54の位置は、所望の位置に調整しておく。つまり、コイルバネ80が伸びてループ状部50が小径化した場合に捕獲対象の動物の脚に十分巻き付き、さらに、ループ状部50が必要以上に小径化して他の小動物の脚には巻き付かない位置にする。なお、ループ状部50がセットしやすいように、穴Nの中に草等を入れておいてもよい。また、反対側にあるループ状部60は、近くの樹木等に掛止させて、動物捕獲装置を固定しておく。つまり、例えば、この動物捕獲装置に掛かった動物が動物捕獲装置ごと移動してしまうのを防止する。なお、ループ状部60を樹木等に掛止できる場合には、上記の筒状部10の地面への固定は特には必要ない。ただし、装置本体部5を固定する意味では、ループ状部60を掛止するとともに、筒状部10を地面に固定するのが好ましい。以上のようにして、動物捕獲装置をセットしておく。
【0051】
そして、動物が動物捕獲装置の位置に移動してきて、動物の脚が穴Nの中に入り、踏み板108を踏むと、突出部104を支点として、アーム部102が斜め下方(つまり、図5では、左下方向)に向けて回動し、これにより、回動片106b−1が下方に移動して、筒状部10との掛止が解除される。なお、実際には、回動片106b−1が下方に移動することにより、回動片106b−1は筒状部10及びキャップ部20との掛止が解除される。
【0052】
すると、コイルバネ80が勢いよく復元して伸びるため、キャップ部20がループ状部50における結び目52を前方に押し出し、これにより、ループ状部50の径が即座に小径化する。すると、ループ状部50は動物の脚に巻き付き、ループ状部50が動物の脚を捕獲する。なお、ループ状部50により脚を縛られた動物は、この捕獲装置本体5ごと逃走しようとしても、ループ状部60が樹木等に固定されているので、逃げることができない。
【0053】
次に、第2に、作動部材120を用いる場合について説明する。まず、作動部材100を用いる場合と同様に、作動部材120を仕掛ける場所を確保するとともに、装置本体部5を埋めるための穴を掘る。つまり、作動部材120を設置できるだけの深さに地面を掘って、穴Nを形成するとともに、装置本体部5の下側部分を埋めるための穴Mを形成する(図6参照)。
【0054】
そして、作動部材120を装置本体部5にセットする。すなわち、まず、コイルバネ80の付勢に抗してコイルバネ80を縮めるように筒状部10とキャップ部20とが互いに近接するように移動させ、キャップ部20が筒状部10の先端に被覆するようにする。例えば、キャップ部20を筒状部10側に移動させて、キャップ部20が筒状部10の先端に被覆するようにする。つまり、筒状部10内の空間にコイルバネ80が収納された状態とする。なお、コイルバネ80を縮めるように上記の作業を行うに際して、内部筒状部30が案内パイプとして機能するので、容易に作業を行うことができる。そして、筒状部10の開口部16とキャップ部20の開口部26とが重なるようにした上で、作動部材120の回動片126b−1を差し込んで、図4に示すように、該回動片126b−1が開口部26及び開口部16内に入り込み、回動片126b−1が筒状部10とキャップ部20に掛止されるようにする。この状態では、コイルバネ80は、筒状部10とキャップ部20により構成されるケース部7内に縮んだ状態で保持されることになる。
【0055】
上記のように、回動片126b−1の掛止が完了したら、図6に示すように、筒状部10の下側を穴Mに埋めるとともに、突出部124の先端が筒状部10の外表面に当接した状態で、上記穴Nに作動部材120を配置させて動物捕獲装置をセットする。この場合、作動部材120における踏み板128ができる限り水平になるようにしてセットするのが好ましい。なお、回動片126b−1を上記のように掛止させ、突出部124を筒状部10に当接させて、縦部材122aと筒状部材10とがほぼ平行になるようにすることにより、筒状部10を鉛直方向(つまり、水平方向に直角な方向)にセットすれば、踏み板128も水平方向にセットされることになる。また、ワイヤ部40におけるループ状部50は、捕獲対象の動物の脚が十分入る大きさに広げて、穴Nの上端付近にセットする。また、ストッパ54の位置は、所望の位置に調整しておく。つまり、コイルバネ80が伸びてループ状部50が小径化した場合に捕獲対象の動物の脚に十分巻き付き、さらに、ループ状部50が必要以上に小径化して他の小動物の脚には巻き付かない位置にする。なお、ループ状部50がセットしやすいように、穴Nの中に草等を入れておいてもよい。また、反対側にあるループ状部60については、筒状部10の下側部分が地中に埋められて固定されているので、特に、このループ状部60を樹木等に掛止する必要はないが、筒状部10の下側部分を埋めた状態でループ状部60を外部に露出させることができる場合には、ループ状部60を樹木等に掛止するようにするのが好ましい。以上のようにして、動物捕獲装置をセットしておく。
【0056】
そして、動物が動物捕獲装置の位置に移動してきて、動物の脚が穴Nの中に入り、踏み板128を踏むと、突出部124を支点として、アーム部122の突出部124よりも下側の部分が斜め下方(つまり、図6では、左下方向)に向けて回動し、これにより、回動片126b−1が横方向に移動して、筒状部10との掛止が解除される。なお、実際には、回動片126b−1が横方向に移動することにより、回動片126b−1は筒状部10及びキャップ部20との掛止が解除される。
【0057】
すると、コイルバネ80が勢いよく復元して伸びるため、ループ状部50における結び目52を前方に押し出し、これにより、ループ状部50の径が即座に小径化する。すると、ループ状部50は動物の脚に巻き付き、ループ状部50が動物の脚を捕獲する。なお、ループ状部50により脚を縛られた動物は、この装置本体部5ごと逃走しようとしても、ループ状部60が樹木等に固定されているので、逃げることができない。
【0058】
なお、上記作動部材100を用いる場合としては、筒状部10を横方向にして用いるので、筒状部10を地中に埋めることができない場合や、ループ状部60を掛止する樹木等が近くにある場合等が適しているといえる。また、上記作動部材120を用いる場合としては、筒状部10を地中に埋めることができる場合や、ループ状部60を掛止する樹木等がない場合が適しているといえる。
【0059】
以上のように、本実施例の動物捕獲装置においては、筒状部10とキャップ部20とからなるケース部7を横方向にして配置することができるので、地面が固い等により該ケース部7を縦方向にセットすることができない場合においても、動物捕獲装置を仕掛けることができる。
【0060】
また、作動部材100と作動部材120とを使い分けることにより、筒状部10とキャップ部20とからなるケース部7を縦方向にも横方向にも配置することができるので、動物捕獲装置を配置する場所の状況に応じて使い分けることができる。
【実施例2】
【0061】
次に、実施例2に基づく動物捕獲装置について説明する。本実施例に基づく動物捕獲装置は、横方向に使用するものであり、装置本体部205(図8、図10参照)と、作動部材300(図9参照)とを有している。
【0062】
ここで、装置本体部205は、図8、図10等に示すように構成され、筒状部210と、キャップ部220と、内部筒状部230と、ワイヤ部240と、コイルバネ280とを有している。なお、図8は、コイルバネが伸びた状態を示しており、一方、図10は、コイルバネが縮められた状態を示している。
【0063】
この筒状部210は、全体に細長の筒状を呈し、筒状部本体212と、該筒状部本体212の内端部に設けられた端部内側筒部214と、筒状部本体212の外周に設けられた固定部材(固定用部材)218とを有している。この筒状部本体212は、円筒状を呈し、その内部には、ワイヤ本体242やコイルバネ280を収容するための円柱状の空間部が設けられている。この筒状部本体212の周面のキャップ部220側の端部近くには、開口部216が形成されている。この開口部216は、円形状に形成され、筒状部本体212の表面から内部にまで貫通するように形成されている。なお、この開口部216の筒状部本体212における形成位置は、キャップ部220を筒状部210に装着した際にキャップ部220に設けられた開口部226と対応する位置となっている。
【0064】
また、端部内側筒部214は、円筒状を呈し、その外径は筒状部本体212の内側の径とほぼ同一となっていて、この端部内側筒部214は、筒状部本体212の内部に嵌合するように形成されている。この端部内側筒部214は、所定の長さで短く形成されていて、筒状部本体212の内部に固定されている。この端部内側筒部214の内径は、コイルバネ280の外径よりも少なくとも小さく形成されていて、これにより、コイルバネ280が端部内側筒部214内に挿通できないようになっている。これにより、端部内側筒部214は、コイルバネ280の受け部として機能することになる。また、端部内側筒部214の内径は、ワイヤ本体242の径や、掛止用部材244の径よりも大きく形成されていて、これにより、ワイヤ本体242は、端部内側筒部214を挿通でき、また、掛止用部材244は、端部内側筒部214内を通過できるようになっている。なお、上記の説明では、端部内側筒部214が筒状部本体212内に固定されているものとして説明したが、これには限られず、図12に示すように、筒状部本体212の端部に端面部212−1を形成し、この端面部212−1に開口部212−1aを設けた構成としてもよい。この場合、開口部212−1aの大きさは、コイルバネ80が挿通できないが、上記掛止用部材244は通過できる大きさとする。この図12に示す場合においては、この端面部212−1がコイルバネ280の受け部となる。
【0065】
また、固定部材218は、筒状部210を地面等に固定するための部材であり、略リング状を呈するリング状部218aと、該リング状部218aの両側に突出した突出片部218bとを有している。この突出片部218bは、板状を呈し、釘等を挿通するための穴部が設けられている。
【0066】
また、キャップ部220は、筒状部210の端部に装着されるキャップ状を呈し、円筒状の筒状部222と、該筒状部222の端部に設けられた端面部224とを有していて、この筒状部222と端面部224とが一体に形成されている。ここで、筒状部222は円筒状を呈するが、その内径は筒状部本体212の外径とほぼ同一となっていて、このキャップ部220を筒状部210に対して軸線方向に摺動させることにより、キャップ部220が筒状部210の端部に装着されるようになっている。この筒状部222の周面には、開口部226が形成されている。この開口部226は、円形に形成されていて、筒状部222の表面から内部にまで貫通するように形成されている。また、端面部224は、筒状部222の端部に形成されていて板状を呈している。この端面部224には、開口部224aが形成されていて、この開口部224aは、ワイヤ本体242の径よりも大きく形成され、ワイヤ本体242が挿通できるようになっている。
【0067】
上記開口部216や開口部226は、キャップ部220を筒状部210に対して仮に止めておくためのものである。詳しくは後述する。
【0068】
また、内部筒状部230は、コイルバネ280の内側におけるキャップ部220側の端部に設けられていて、細長円筒状の円筒状部232と、該円筒状部232の端部に一体に形成された突出部234とを有している。この円筒状部232は、その外径は、コイルバネ280の内径よりも小さく形成されているとともに、円筒状部232の内径は、ワイヤ本体242の径よりも大きく形成されていて、これにより、コイルバネ280は、内部筒状部230の領域においても自由に伸縮し、また、ワイヤ本体242は、内部筒状部230内を容易に移動できるようになっている。また、突出部234は、円筒状部232よりも周方向に突出した形状となっていて、この突出部234は、コイルバネ280の端部とキャップ部220の端面部224間に設けられているので、これにより、内部筒状部230は、コイルバネ280の端部位置に固定され、コイルバネ280内を移動してしまうことがない。
【0069】
また、ワイヤ部240は、ワイヤ本体242と、ストッパ(停止手段)254と、固定具262と、ストッパ(規制手段)270等を有している。ここで、ワイヤ本体242は、複数の金属線を撚り合わせた可撓性のある金属ワイヤである。
【0070】
このワイヤ本体242の筒状部210側の端部においては、ループ状に形成した上でワイヤ本体242の先端をワイヤ本体242に縛って結び目252が形成され、この結び目252には、ワイヤ本体242を挿通する挿通穴が形成されていて、ループの大きさが調整可能となっている。また、ワイヤ本体242における結び目252よりも先端側においては、ストッパ254が取り付けられている。このストッパ254は、筒状部254aと、ネジ部254bとを有していて、該筒状部254aの周面には、内部まで貫通するネジ穴が形成されていて、ネジ部254bが螺着されるようになっている。該筒状部254aにはワイヤ本体242が挿通されている。そして、このネジ部254bを締結することにより、ストッパ254がワイヤ本体242に固定されるようになっている。このストッパ254は、動物捕獲装置が作動した際に、ワイヤ本体242の先端のループの大きさが必要以上に小さくならないように設けられたものである。
【0071】
このワイヤ部240において、ワイヤ本体242における結び目252よりも端部側の部分、すなわち、ワイヤ本体242においてループ状に形成されている部分と、該結び目252と、ストッパ254とで、ループ状部250が形成される。
【0072】
また、ワイヤ本体242の上記ループ状部250とは反対側の端部、つまり、キャップ部220側の端部においては、ワイヤ本体242の端部がループ状に形成され、ワイヤ本体242の端部が固定具262により固定されている。このようにワイヤ本体242の端部をループ状に形成することにより、ループ状部(第2ループ状部)260が形成される。このループ状部260は、動物捕獲装置を仕掛ける場合に、樹木等に掛止するためのものである。
【0073】
また、固定具262のループ状部250側には、上記ストッパ254と同様の構成のストッパ270が設けられている。つまり、このストッパ270は、筒状部270aと、ネジ部270bとを有していて、該筒状部270aの周面には、内部まで貫通するネジ穴が形成されていて、ネジ部270bが螺着されるようになっている。該筒状部270aにはワイヤ本体242が挿通されている。そして、このネジ部270bを締結することにより、ストッパ270がワイヤ本体242に固定されるようになっている。このストッパ270は、ワイヤ部240におけるキャップ部220の位置を調整するために設けられているものである。
【0074】
上記ワイヤ本体242は、コイルバネ280内に挿通されているとともに、内部筒状部230内に挿通されている。
【0075】
また、ワイヤ本体242の中途位置には、掛止用部材244が取り付けられている。この掛止用部材244は、円筒状を呈し、ワイヤ本体242の外周に固定されている。なお、この掛止用部材244の取付け位置は、キャップ部220を筒状部210に被覆した状態では、図10に示すように、この掛止用部材244が筒状部210のループ状部250側の端部から露出するような位置とする。
【0076】
次に、コイルバネ280は、コイルバネ280が伸びた状態、つまり、コイルバネ280の復元力を解放した状態では、筒状部210の長さの数倍(具体的には、3倍〜5倍程度)の長さを有し、一方は、筒状部210内に収納されており(図12参照)、他方は、キャップ部220内に収納されている。そして、このコイルバネ280の内部には、内部筒状部230とワイヤ本体242が挿通されている。なお、このコイルバネ280の一方の端部は、筒状部210内において端部内側筒部214に当接し、他方の端部は、キャップ部220の内奧部(つまり、端面部224の内側又は内部筒状部230の突出部234)に当接している。
【0077】
なお、コイルバネ280が伸びた状態では、ループ状部250のループの大きさが最小となるように、結び目252がワイヤ本体242の端部側に移動した状態となっている。
【0078】
次に、作動部材300は、動物捕獲装置を作動させるための部材である。つまり、作動部材300は、図9に示すように、アーム部302と、ヒンジ部306と、踏み板308とを有している。
【0079】
このアーム部(支持部)302は、帯状の板状部材(例えば、金属製の板状部材)を折曲してなる形状を有し、横部材302aと、縦部材302bと、傾斜部材302cと、横部材302dとを有している。すなわち、横部材302aは、アーム部302の端部にある。また、縦部材302bは、横部材302aの端部から下方(つまり、縦方向(Z1−Z2方向))に連設され、この縦部材302bと横部材302aとで略L字状を呈している。また、傾斜部材302cは、縦部材302bの下端から連設され、横部材302aが設けられている側とは反対側に向けて斜め下方に傾斜して設けられている。また、横部材302dは、傾斜部材302cの端部からX2方向に連設されている。なお、横部材302aと横部材302dとは、平行に設けられているといえる。アーム部302を構成する横部材302aと縦部材302bと傾斜部材302cと横部材302dはともに平板状を呈し、また、幅方向(つまり、Y1−Y2方向)には、同じ幅に形成されている。
【0080】
また、ヒンジ部306は、固定部306aと回動部306bとを有し、固定部306aと回動部306bとはヒンジ機構により回動可能に構成されている。そして、固定部306aが縦部材302bに固定されているので、回動部306bが固定部306aに対して回動するように構成されている。また、回動部306bは回動片(掛止片)306b−1を有している。この回動片306b−1は、平板状を呈し、その上側には、切欠部Kが設けられている。この切欠部KはU字状、すなわち、半円形状と方形状とを合わせた形状を呈していて、該半円形状における直径の大きさは、ワイヤ本体242の直径以上の大きさを有し、また、該半円形状における直径の大きさは、掛止用部材244の直径よりも小さくなっている。これにより、図10に示すように、この回動片306b−1と掛止用部材244によってコイルバネ280が縮んだ状態で固定させておくことができる。
【0081】
また、踏み板308は、平板状(具体的には、円形の平板状)を呈し、横部材302dに固定されている。この踏み板308は、円形の板状に形成されているとしたが、内側に開口部を設けて全体にリング状としてもよい。このようにリング状にすることにより、踏み板308の軽量化を図ることができる。
【0082】
なお、作動部材300を構成する各部材、特に、踏み板308は、アルミニウム又はステンレス等無臭に近い素材により形成されており、これにより、動物に気づかれにくくすることができる。なお、踏み板308を合成樹脂により形成してもよい。
【0083】
上記構成の動物捕獲装置の使用状態について説明する。まず、作動部材300を仕掛ける場所を確保する。つまり、作動部材300を設置できるだけの深さに地面を掘って、穴Nを形成する(図11参照)。
【0084】
そして、作動部材300を装置本体部205にセットする。すなわち、まず、コイルバネ280の付勢に抗してコイルバネ280を縮めるように筒状部210とキャップ部220とが互いに近接するように移動させ、キャップ部220が筒状部210の先端に被覆するようにする。例えば、筒状部210をキャップ部220側に移動させて、キャップ部220が筒状部210の先端に被覆するようにする。つまり、筒状部210内の空間にコイルバネ280が収納された状態とする。なお、コイルバネ280を縮めるように上記の作業を行うに際して、内部筒状部230が案内パイプとして機能するので、容易に作業を行うことができる。そして、キャップ部220が筒状部210の先端に被覆する状態では、掛止用部材244は、図10に示すように、筒状部210から露出するので、掛止用部材244と筒状部210の間に作動部材300の回動片306b−1を入れて、切欠部K内にワイヤ本体242があるようにする。以上のようにして、回動片306b−1を掛止用部材244に掛止させてセットする。すると、掛止用部材244がこの回動片306b−1に止められて、コイルバネ280が縮んだ状態で保持される。
【0085】
なお、上記のコイルバネ280を縮める作業は所定の力が必要となることから、キャップ部220が筒状部210に被覆した状態としたら、開口部226と開口部216が重なった状態として、この開口部216、226に棒状部材を差し込み、一旦コイルバネ280が縮んだ状態を保持して、その上で、回動片306b−1をセットするようにすれば、安全に作業を行うことができる。
【0086】
上記のように、回動片306b−1のセットが完了したら、図11に示すように、筒状部210とキャップ部220からなるケース部207を横方向に設け、横板部302aが筒状部210の外表面に当接した状態で上記穴Nに作動部材300を配置させて動物捕獲装置をセットする。この場合、作動部材300における踏み板308ができる限り水平になるようにしてセットするのが好ましい。その際、筒状部210を固定する。つまり、筒状部210を固定部材218を介して地面に固定する。つまり、固定部材218の突出片部218bに釘等を打ち込むことにより筒状部210を地面に固定させる。なお、筒状部210を地面の上に置いた状態としてもよい。なお、回動片306b−1を上記のように掛止させ、横部材302aを筒状部210に当接させて、横部材302aと筒状部材210とがほぼ平行になるようにすることにより、筒状部210を水平方向にセットすれば、踏み板308も水平方向にセットされることになる。また、ワイヤ部240におけるループ状部250は、捕獲対象の動物の脚が十分入る大きさに広げて、穴Nの上端付近にセットする。また、ストッパ254の位置は、所望の位置に調整しておく。つまり、コイルバネ280が伸びてループ状部250が小径化した場合に捕獲対象の動物の脚に十分巻き付き、さらに、ループ状部250が必要以上に小径化して他の小動物の脚には巻き付かない位置にする。なお、ループ状部250がセットしやすいように、穴Nの中に草等を入れておいてもよい。また、反対側にあるループ状部260は、近くの樹木等に掛止させて、動物捕獲装置を固定しておく。つまり、例えば、この動物捕獲装置に掛かった動物が動物捕獲装置ごと移動してしまうのを防止する。なお、ループ状部260を樹木等に掛止できる場合には、上記の筒状部210の地面への固定は特には必要ない。ただし、装置本体部205を固定する意味では、ループ状部260を掛止するとともに、筒状部210を地面に固定するのが好ましい。以上のようにして、動物捕獲装置をセットしておく。
【0087】
そして、動物が動物捕獲装置の位置に移動してきて、動物の脚が穴Nの中に入り、踏み板308を踏むと、アーム部302が下方に移動し、これにより、回動片306b−1が下方に移動して、掛止用部材244との掛止が解除される。
【0088】
すると、コイルバネ280が勢いよく復元して伸びるため、これにより、筒状部210とループ状部250とが相対的に接近し、筒状部210がループ状部250における結び目252が筒状部210によりワイヤ部240の端部側に押された状態となり、これにより、ループ状部250の径が即座に小径化する。すると、ループ状部250は動物の脚に巻き付き、ループ状部250が動物の脚を捕獲する。なお、ループ状部250により脚を縛られた動物は、この捕獲装置本体205ごと逃走しようとしても、ループ状部260が樹木等に固定されているので、逃げることができない。
【0089】
以上のように、本実施例の動物捕獲装置においては、筒状部210とキャップ部220とからなるケース部207を横方向にして配置することができるので、地面が固い等により該ケース部207を縦方向にセットすることができない場合においても、動物捕獲装置を仕掛けることができる。
【0090】
なお、上記実施例1における結び目52や、実施例2における結び目252については、結び目の代わりに、ワイヤ本体42、242の先端がワイヤ本体42、242に沿ってスライドできる構成であれば、他の構成でもよい。例えば、筒状の部材にワイヤ本体42、242に通し、該筒状の部材にワイヤ本体42、242の先端を固定した構成であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本発明の実施例1における動物捕獲装置を示す斜視図である。
【図2】作動部材の構成を示す斜視図である。
【図3】他の作動部材の構成を示す斜視図である。
【図4】本発明の実施例1における動物捕獲装置の使用状態における要部断面図である。
【図5】本発明の実施例1における動物捕獲装置を横方向に設置して使用する場合の使用状態を示す説明図である。
【図6】本発明の実施例1における動物捕獲装置を縦方向に設置して使用する場合の使用状態を示す説明図である。
【図7】筒状部における他の例を示す要部断面図である。
【図8】本発明の実施例2における動物捕獲装置を示す斜視図である。
【図9】作動部材の構成を示す斜視図である。
【図10】本発明の実施例2における動物捕獲装置の使用状態における要部断面図である。
【図11】本発明の実施例2における動物捕獲装置の使用状態を示す説明図である。
【図12】筒状部における他の例を示す要部断面図である。
【符号の説明】
【0092】
5、205 装置本体部
10、210 筒状部
16、26 216、226 開口部
20、220 キャップ部
30、230 内部筒状部
40、240 ワイヤ部
42、242 ワイヤ本体
50、60、250、260 ループ状部
52、252 結び目
54、70、254、270 ストッパ
100、120、300 作動部材
102、122、302 アーム部
106、126、306 ヒンジ部
106b−1、126b−1、306b−1 回動片
108、128、308 踏み板
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動物を捕獲するための動物捕獲装置であって、
装置本体部と、該装置本体部を作動させるための作動部材とを有し、
該装置本体部が、
筒状を呈し、一端側に内部に収納されるコイルバネの一方の端部を受けるための受け部を有する筒状部で、該作動部材の掛止片が掛止するための掛止手段を有する筒状部と、
該筒状部に設けられるキャップ部で、該コイルバネの他方の端部を受ける受け部を有し、該作動部材の掛止片が掛止するための第2掛止手段を有するキャップ部と、
該筒状部における受け部と該キャップ部における受け部間に設けられたコイルバネと、
該コイルバネの内側に挿通されるとともに、少なくとも該キャップ部を貫通して設けられるワイヤを有するワイヤ部で、該ワイヤにおける該キャップ部から外側に突出した部分に、該ワイヤがループ状に形成された部分を有するループ状部を有し、該コイルバネの復元力によりコイルバネが伸びた際に該キャップ部がループ状部に対して相対的に移動することにより該ループ状部が縮小するよう形成されたワイヤ部と、
を有し、
該作動部材が、
踏み板と、
該踏み板を支持する支持部と、
該支持部に設けられた該掛止片で、該踏み板の面に対して少なくとも略直角方向を向いた掛止片と、
を有し、
該コイルバネを縮めて該キャップ部を筒状部の端部に被らせた状態で、該作動部材の掛止片を該掛止手段及び第2掛止手段に掛止させた場合に、コイルバネが縮んだ状態で維持されるとともに、該筒状部の軸線方向と該作動部材の踏み板の面とが略平行になるように構成され、該踏み板を踏むことにより該掛止片の掛止手段への掛止が解除された場合に、該コイルバネが復元して該ループ状部が縮小することにより動物の脚を捕捉することを特徴とする動物捕獲装置。
【請求項2】
上記動物捕獲装置が、さらに、
上記作動部材と取り替えて使用可能な第2作動部材で、
踏み板と、
該踏み板を支持する支持部と、
該支持部に設けられた掛止片で、該踏み板の面に対して少なくとも略平行な方向を向いた掛止片と、
を有する第2作動部材を有し、
該コイルバネを縮めて該キャップ部を筒状部の端部に被らせた状態で、該作動部材の掛止片を該掛止手段及び第2掛止手段に掛止させた場合に、コイルバネが縮んだ状態で維持されるとともに、該筒状部の軸線方向と該作動部材の踏み板の面とが略直角になるように構成され、該踏み板を踏むことにより該掛止片の掛止手段への掛止が解除された場合に、該コイルバネが復元して該ループ状部が縮小することにより動物の脚を捕捉することを特徴とする請求項1に記載の動物捕獲装置。
【請求項3】
上記ワイヤが上記筒状部からキャップ部側とは反対側である外側に突出し、該突出したワイヤの端部には、ワイヤをループ状に形成された部分を有する第2ループ状部が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の動物捕獲装置。
【請求項4】
動物を捕獲するための動物捕獲装置であって、
装置本体部と、該装置本体部を作動させるための作動部材とを有し、
該装置本体部が、
筒状を呈し、一端側に内部に収納されるコイルバネの一方の端部を受けるための受け部を有する筒状部と、
該筒状部に設けられるキャップ部で、該コイルバネの他方の端部を受ける受け部を有するキャップ部と、
該筒状部における受け部と該キャップ部における受け部間に設けられたコイルバネと、
該コイルバネの内側に挿通されるとともに、少なくとも該筒状部を貫通して設けられるワイヤを有するワイヤ部で、該筒状部における端部から外側に突出した端部に、該ワイヤがループ状に形成された部分を有するループ状部を有し、さらに、ワイヤの所定位置に作動部材における掛止片が掛止するための掛止用部材を有し、該コイルバネの復元力によりコイルバネが伸びた際に該ループ状部が縮小するよう形成されたワイヤ部と、
を有し、
該作動部材が、
踏み板と、
該踏み板を支持する支持部と、
該支持部に設けられた該掛止片で、該踏み板の面に対して少なくとも略直角方向を向いた掛止片と、
を有し、
該コイルバネを縮めて該キャップ部を筒状部の端部に被らせた状態で、該掛止用部材が筒状部のループ状部側の端部から露出して、該掛止用部材と筒状部の端部間に該作動部材の掛止片を掛止させることにより、コイルバネが縮んだ状態で維持されるとともに、該筒状部の軸線方向と該作動部材の踏み板の面とが略平行になるように構成され、該踏み板を踏むことにより該掛止片の掛止用部材との掛止が解除された場合に、該コイルバネが復元して該ループ状部が縮小することにより動物の脚を捕捉することを特徴とする動物捕獲装置。
【請求項5】
上記ワイヤが上記キャップ部から筒状部側とは反対側である外側に突出し、該突出したワイヤの端部には、ワイヤをループ状に形成された部分を有する第2ループ状部が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の動物捕獲装置。
【請求項6】
上記コイルバネの内側におけるキャップ部側には、筒状を呈する内部筒状部が設けられ、該内部筒状部には、上記ワイヤが挿通されていることを特徴とする請求項1又は2又は3又は4又は5に記載の動物捕獲装置。
【請求項7】
上記ループ状部には、ループ状部の縮小を所定の位置で停止するための停止手段が設けられている請求項1又は2又は3又は4又は5又は6に記載の動物捕獲装置。
【請求項1】
動物を捕獲するための動物捕獲装置であって、
装置本体部と、該装置本体部を作動させるための作動部材とを有し、
該装置本体部が、
筒状を呈し、一端側に内部に収納されるコイルバネの一方の端部を受けるための受け部を有する筒状部で、該作動部材の掛止片が掛止するための掛止手段を有する筒状部と、
該筒状部に設けられるキャップ部で、該コイルバネの他方の端部を受ける受け部を有し、該作動部材の掛止片が掛止するための第2掛止手段を有するキャップ部と、
該筒状部における受け部と該キャップ部における受け部間に設けられたコイルバネと、
該コイルバネの内側に挿通されるとともに、少なくとも該キャップ部を貫通して設けられるワイヤを有するワイヤ部で、該ワイヤにおける該キャップ部から外側に突出した部分に、該ワイヤがループ状に形成された部分を有するループ状部を有し、該コイルバネの復元力によりコイルバネが伸びた際に該キャップ部がループ状部に対して相対的に移動することにより該ループ状部が縮小するよう形成されたワイヤ部と、
を有し、
該作動部材が、
踏み板と、
該踏み板を支持する支持部と、
該支持部に設けられた該掛止片で、該踏み板の面に対して少なくとも略直角方向を向いた掛止片と、
を有し、
該コイルバネを縮めて該キャップ部を筒状部の端部に被らせた状態で、該作動部材の掛止片を該掛止手段及び第2掛止手段に掛止させた場合に、コイルバネが縮んだ状態で維持されるとともに、該筒状部の軸線方向と該作動部材の踏み板の面とが略平行になるように構成され、該踏み板を踏むことにより該掛止片の掛止手段への掛止が解除された場合に、該コイルバネが復元して該ループ状部が縮小することにより動物の脚を捕捉することを特徴とする動物捕獲装置。
【請求項2】
上記動物捕獲装置が、さらに、
上記作動部材と取り替えて使用可能な第2作動部材で、
踏み板と、
該踏み板を支持する支持部と、
該支持部に設けられた掛止片で、該踏み板の面に対して少なくとも略平行な方向を向いた掛止片と、
を有する第2作動部材を有し、
該コイルバネを縮めて該キャップ部を筒状部の端部に被らせた状態で、該作動部材の掛止片を該掛止手段及び第2掛止手段に掛止させた場合に、コイルバネが縮んだ状態で維持されるとともに、該筒状部の軸線方向と該作動部材の踏み板の面とが略直角になるように構成され、該踏み板を踏むことにより該掛止片の掛止手段への掛止が解除された場合に、該コイルバネが復元して該ループ状部が縮小することにより動物の脚を捕捉することを特徴とする請求項1に記載の動物捕獲装置。
【請求項3】
上記ワイヤが上記筒状部からキャップ部側とは反対側である外側に突出し、該突出したワイヤの端部には、ワイヤをループ状に形成された部分を有する第2ループ状部が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の動物捕獲装置。
【請求項4】
動物を捕獲するための動物捕獲装置であって、
装置本体部と、該装置本体部を作動させるための作動部材とを有し、
該装置本体部が、
筒状を呈し、一端側に内部に収納されるコイルバネの一方の端部を受けるための受け部を有する筒状部と、
該筒状部に設けられるキャップ部で、該コイルバネの他方の端部を受ける受け部を有するキャップ部と、
該筒状部における受け部と該キャップ部における受け部間に設けられたコイルバネと、
該コイルバネの内側に挿通されるとともに、少なくとも該筒状部を貫通して設けられるワイヤを有するワイヤ部で、該筒状部における端部から外側に突出した端部に、該ワイヤがループ状に形成された部分を有するループ状部を有し、さらに、ワイヤの所定位置に作動部材における掛止片が掛止するための掛止用部材を有し、該コイルバネの復元力によりコイルバネが伸びた際に該ループ状部が縮小するよう形成されたワイヤ部と、
を有し、
該作動部材が、
踏み板と、
該踏み板を支持する支持部と、
該支持部に設けられた該掛止片で、該踏み板の面に対して少なくとも略直角方向を向いた掛止片と、
を有し、
該コイルバネを縮めて該キャップ部を筒状部の端部に被らせた状態で、該掛止用部材が筒状部のループ状部側の端部から露出して、該掛止用部材と筒状部の端部間に該作動部材の掛止片を掛止させることにより、コイルバネが縮んだ状態で維持されるとともに、該筒状部の軸線方向と該作動部材の踏み板の面とが略平行になるように構成され、該踏み板を踏むことにより該掛止片の掛止用部材との掛止が解除された場合に、該コイルバネが復元して該ループ状部が縮小することにより動物の脚を捕捉することを特徴とする動物捕獲装置。
【請求項5】
上記ワイヤが上記キャップ部から筒状部側とは反対側である外側に突出し、該突出したワイヤの端部には、ワイヤをループ状に形成された部分を有する第2ループ状部が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の動物捕獲装置。
【請求項6】
上記コイルバネの内側におけるキャップ部側には、筒状を呈する内部筒状部が設けられ、該内部筒状部には、上記ワイヤが挿通されていることを特徴とする請求項1又は2又は3又は4又は5に記載の動物捕獲装置。
【請求項7】
上記ループ状部には、ループ状部の縮小を所定の位置で停止するための停止手段が設けられている請求項1又は2又は3又は4又は5又は6に記載の動物捕獲装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−6234(P2006−6234A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−189514(P2004−189514)
【出願日】平成16年6月28日(2004.6.28)
【出願人】(504249178)
【出願人】(390036733)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年6月28日(2004.6.28)
【出願人】(504249178)
【出願人】(390036733)
【Fターム(参考)】
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