説明

動物排泄物廃棄処理システム

排泄物廃棄処理システムは、底部及び少なくとも1つの側部を有する開放容器を備えている。保持器が、開放容器内に配置されている。複数の可撓性を有するネットが、開放容器内に配置されている。固定枠が、開放容器の少なくとも1つの側部の縁の上を覆って接した状態にある。複数のネットは、固定枠と開放容器との間に配置される少なくとも1つの縁部を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して動物排泄物廃棄処理システムに関し、より具体的には、清掃及び廃棄が容易な動物排泄物廃棄処理システムに関する。
【発明の概要】
【0002】
本発明の一態様において、排泄物廃棄処理システムは、底部及び少なくとも1つの側部を有する開放容器(basin)を備える。保持器が開放容器内に配置される。複数の可撓性を有するネットが開放容器内に配置される。固定枠(securing rim)が開放容器の少なくとも1つの側部の縁の上を覆って接した状態にある。複数のネットが、固定枠と開放容器との間に配置される少なくとも1つの縁部を有する。
【0003】
本発明の別の態様において、排泄物廃棄処理システムは、複数の側部を有する開放容器を備える。複数の可撓性を有するネットが開放容器内に配置される。着脱自在な枠が、開放容器の側部に隣接し且つ下方に向かって延びる複数の壁部を有する。複数のネットの少なくとも1つの縁部が、着脱自在な枠の少なくとも1つの下方に向かって延びる壁部と開放容器の少なくとも1つの側部との間に配置される。
【0004】
本発明の別の態様において、排泄物廃棄処理システムの作製方法は、複数の側部を有する開放容器を形成することを含む。複数の可撓性を有するネットが開放容器の中に入れられる。開放容器の一部が、下方に向かって延びる複数の壁部を有する着脱自在な枠で覆われる。可撓性を有するネットの側縁部が、開放容器の側部と着脱自在な枠の下方に向かって延びる壁部との間に位置決めされる。
【0005】
本発明のさらに別の態様において、動物排泄物の廃棄方法は、開放容器を設けることを含む。複数の可撓性を有するネットが開放容器内に入れられる。複数のネットの少なくとも一部分が、着脱自在な枠で覆われる。吸収性を有するトイレ砂材(litter material)が、開放容器内に複数のネットを覆うように入れられる。着脱自在な枠が開放容器から取り除かれ、複数のネットのうち最も上にあるネットを開放容器から引き寄せて、吸収性を有するトイレ砂材がネットを通って漏れ出ることを可能にする。次いでネット及び全ての排泄物が廃棄される。
【0006】
当業者は、以下の明細書、特許請求の範囲及び添付の図面を検討すると、本発明のこれらの特徴、利点及び目的、並びに他の特徴、利点及び目的をさらに理解し認識することができるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の排泄物廃棄処理システムの一実施形態の上方からみた斜視図である。
【図2】図1の排泄物廃棄処理システムの上方からみた分解斜視図である。
【図3】固定枠を取り除いた図1の排泄物廃棄処理システムの上部平面図である。
【図4】固定枠の底部平面図である。
【図5】図1のV−V線に沿った断面側面図である。
【図6】排泄物廃棄処理システム内にトイレ砂材が入った状態の図1の排泄物廃棄処理システムである。
【図7】1つの可撓性を有するネットが排泄物廃棄処理システムから取り除かれた状態にある排泄物廃棄処理システムの一実施形態の上方からみた斜視図である。
【図8】排泄物が可撓性を有するネットに入れられて排泄物廃棄処理システムから取り除かれているところの上方からみた斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書における説明上、用語「上」、「下」、「右」、「左」、「後ろ」、「前」、「鉛直」、「水平」、及びそれらの派生語は、図1の向きにあるときの本発明に関するものとする。しかしながら、本発明は、そうでないと明確に記述される場合を除き、様々な別の向き及び各処置の順序をとり得ることが理解されるべきである。また、添付の図面に図示され、そして以下の明細書で説明される特定の装置及び方法は、単に、添付の特許請求の範囲で定義される本発明の概念の例示的な実施形態にすぎないことも理解されるべきである。従って、特許請求の範囲に特別の定めが明確になされなければ、本明細書に開示される実施形態に関する特定の寸法及び他の物理的特徴は、限定するものとしてみなされてはならないものである。
【0009】
図1及び図2に示される参照符号10は、本発明を具現化する排泄物廃棄処理システムを全体にわたって指す。排泄物廃棄処理システム10は、底部13及び少なくとも1つの側部14をもつ開放容器12を有している。複数の可撓性を有するネット16が開放容器12内に配置されている。固定枠17が、開放容器12における少なくとも1つの側部14の縁の上を覆って配置されている。複数のネット16は、固定枠17と開放容器12との間に配置される少なくとも1つの縁部18を有している。
【0010】
再び図1及び図2を参照すると、図で示される実施形態の開放容器12は、第一側部20、第二側部22、第三側部24及び第四側部26を有し、これらの側部20、22、24及び26の各々は開放容器12から外方に向かって傾けられている。保持器27が、開放容器12内に配置され、開放容器12と相補的な形状を有している。図2に示される実施形態では、複数のネット16は保持器27の内側に載せられている。しかしながら、複数のネット16が開放容器12内に直接載って支持されることができるということも考えられる。固定枠17は、第一壁部28、第二壁部30、第三壁部32及び第四壁部34を有し、これらの壁部28、30、32及び34は、開放容器12の側部20,22,24,26とほぼ同じ角度で下方に向かって延びる。支持棒40が、固定枠17における下方に向かって延びる第二壁部30及び第四壁部34から延びており、可撓性を有する複数のネット16よりも上の所定位置に固定枠17を支持する。可撓性を有する複数のネット16及び固定枠17は、開放容器12内に直接固定されてもよく、又は開放容器12内に配置された保持器27内に載って支持されてもよい。保持器27は、第一取っ手44及び第二取っ手46を有し、これらの取っ手44及び46は、利用者が保持器27及び複数のネット16のほかにもトイレ砂材48(図5)及び動物排泄物49(図8)も全て、開放容器12から取り除くことをできるようにする。固定枠17、保持器27及び開放容器12は全て、ポリマー材、ワックス材若しくは同様の材料がコーティング又は染みこまされた厚紙素材(cardboard material)から作製されている。
【0011】
図3を参照すると、各ネット16は、ネット16の各角部52に配置されたつまみ部50を有している。つまみ部50は、利用者が開放容器12から1つのネット16を一度で取り除くのを補助する。各つまみ部50は、利用者がつまみ部50をつまむ手助けとなる開口部54を有している。保持器27又は開放容器12から動物排泄物49及びトイレ砂材48を取り除くには、以下でさらに詳細に説明するように、4つの角部52の各々は、つまみ部50を用いて保持器27又は開放容器12の中心に引き寄せられ、1つの可撓性を有するネット16が上方に持ち上げられる。固定枠17は、固定枠17の周囲を囲んで延在する上縁部56(図2)を有している。第一壁部28、第二壁部30、第三壁部32及び第四壁部34の各々は、上縁部56と連結している。複数ある支持棒40は、固定枠17に連結され、固定枠17を保持器27又は開放容器12よりも上に支持する。図4では、固定枠17の第二壁部30及び第四壁部34から延びる支持棒40が示されているが、支持棒40が、固定枠17の第一壁部28及び第三壁部32上に配置され得ること、又は固定枠17における下方に向かって延びる壁部28,30,32,34の各々の上に配置され得ることも考えられる。
【0012】
再び図3を参照すると、保持器27の内側で複数のネット16を固定するために、複数のタブ57を保持器27内に配置することができる。タブ57は、保持器27から上方に向かって延びる第一脚部58及び第二脚部59を含んでいる。第一脚部58は、タブ57を適所に保ち、複数のネット16よりも下に配置されている。第二脚部59は、複数のネット16を越えて上に延び、保持器27に対して複数のネット16を保持する補助をする。また、両方の脚部58,59が複数のネット16を越えて上に位置すること、又は一つの脚部59のみがタブ57に取り付けられ複数のネット16を越えて上に延びることも考えられる。当業者は、いかなる数のタブ57が存在してもよいことを理解するであろう。
【0013】
図5を参照すると、固定枠17は第一ラッチ部(latch)60及び第二ラッチ部62を有し、これらのラッチ部60及び62は、開放容器12の第一側部20及び第三側部24から外方に向かって延びるこぶ状部64に係合する。複数ある支持棒40は、保持器27内において、複数のネット16の上に直接載っていてもよく、又は複数のネット16よりも上方でトイレ砂材48の中に部分的に入って延びていてもよい。複数のネット16は、トイレ砂材48よりも下に配置されており、つまみ部50によって最も上にあるネット16における4つの角部52の各々が上方に向かって引き寄せられると、トイレ砂材48の中を通過して引き上げられる。複数ある支持棒40は、つまみ部50を枠17と保持器27との間で固定された状態に保つのを補助し、且つ排泄物廃棄処理システム10を使用する動物がネット16の角部に触れるのを防ぐ。
【0014】
ここで図6〜図8を参照すると、汚れていないトイレ砂材48が、固定枠17における下方に向かって延びる壁部28,30,32,34の各々の底部に至るまで、開放容器12内に注ぎ込まれる。排泄物廃棄処理システム10からトイレ砂材48及び動物排泄物49を取り除く必要がある場合、固定枠17が取り外され、最も上にある可撓性を有するネット16におけるつまみ部50が上方に向かって引っ張られる。余剰のトイレ砂材48はいかなるものも、ネット16を通り抜けて保持器27又は開放容器12の中にこぼれ落ちる。それと同時に、動物排泄物49及びネット16は、ごみとして廃棄することができる。或いは、ネット16を生分解性材料で作製し、トイレに流してもよい。次いで、保持器27及び開放容器12は、図8に示されるように、開放容器12内に残っているトイレ砂材48よりも下にまだ配置されている残りのネット16を用いて引き続き使用することが可能となり、引き続きの使用の準備が整う。動物排泄物49及びトイレ砂材48が取り除かれてしまった後、開放容器12の上に固定枠17が再び据え付けられる。図7に図示される実施形態に示されるように、複数のネット16は、各つまみ部50の開口部54を通って延びる引き紐66を有していてもよい。また、引き紐66が複数のネット16の穴を通って延びること、又は複数のネット16に取り付けられたスリーブを通って延びることができることも考えられる。
【0015】
排泄物廃棄処理システム10を作製する一実施形態は、側部20,22,24,26を有する開放容器12を形成することを含む。複数の可撓性を有するネット16が開放容器12の中に入れられる。開放容器12の一部が、着脱自在な枠17で覆われる。複数の可撓性を有するネット16の側縁部が、開放容器12の側部20,22,24,26と着脱自在な枠17における下方に向かって延びる壁部28,30,32,34との間に位置決めされる。
【0016】
動物排泄物49の廃棄方法の一実施形態は、開放容器12を設けることを含む。複数の可撓性を有するネット16が開放容器12内に入れられる。複数のネット16の少なくとも一部分が、着脱自在な枠17で覆われる。吸収性のあるトイレ砂材48が複数のネット16を覆うように開放容器12内に入れられる。着脱自在な枠17が開放容器12から取り除かれ、複数のネット16のうち最も上にあるネットが開放容器12から引き寄せられ、吸収性のあるトイレ砂材48にネット16を通って漏れ出ることを可能にする。次いでネット16及び全ての動物排泄物49が処分される。
【0017】
上述の説明は、好ましい実施形態の説明に過ぎないと考えられる。当業者及び本発明をなす又は使用する者には、本発明の変形例が思い浮かぶであろう。従って、図面に示され且つ上述で説明された実施形態は、単に例示を目的としているに過ぎず、本発明の範囲を限定するよう意図するものではないことが理解される。なお、この本発明の範囲は、均等論を含めた特許法の原則に従って解釈される特許請求の範囲によって定義される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
排泄物廃棄処理システムであって、
底部及び少なくとも1つの側部を有する開放容器と、
前記開放容器内に配置された保持器と、
前記開放容器内に配置された複数の可撓性を有するネットと、
前記開放容器の前記少なくとも1つの側部の縁の上を覆って接した状態にある固定枠とを備え、
前記複数のネットが、前記固定枠と前記開放容器との間に配置される少なくとも1つの縁部を有する排泄物廃棄処理システム。
【請求項2】
前記固定枠を前記開放容器に固定するように構成されたラッチ機構をさらに備える請求項1に記載の排泄物廃棄処理システム。
【請求項3】
前記複数のネットが、少なくとも1つの角部に配置されたつまみ部を有し、前記つまみ部が、利用者が前記複数のネットの1つを取り除くのを補助するように構成される請求項1に記載の排泄物廃棄処理システム。
【請求項4】
前記固定枠の底縁部に配置された支持棒をさらに備える請求項1に記載の排泄物廃棄処理システム。
【請求項5】
少なくとも1つのつまみ部が前記保持器と前記支持棒との間に配置される請求項4に記載の排泄物廃棄処理システム。
【請求項6】
前記開放容器の内側部分を被覆する積層物をさらに備える請求項1に記載の排泄物廃棄処理システム。
【請求項7】
前記開放容器及び前記枠がワックスを染みこませた厚紙を材料として作製される請求項1に記載の排泄物廃棄処理システム。
【請求項8】
排泄物廃棄処理システムであって、
複数の側部を有する開放容器と、
前記開放容器内に配置される複数の可撓性を有するネットと、
前記開放容器の前記側部に隣接し且つ下方に向かって延びる複数の壁部を有する着脱自在な枠とを備え、
前記複数のネットの少なくとも1つの縁部が、前記着脱自在な枠の少なくとも1つの下方に向かって延びる壁部と前記開放容器の少なくとも1つの側部との間に配置される排泄物廃棄処理システム。
【請求項9】
前記開放容器内で前記複数の可撓性を有するネットと前記開放容器との間に配置される保持器をさらに備え、前記保持器が、前記複数のネットを前記保持器内で着脱自在に固定するネットタブを有する請求項8に記載の排泄物廃棄処理システム。
【請求項10】
前記複数のネットが、少なくとも1つの角部に配置されたつまみ部を有し、前記つまみ部が、利用者が前記複数のネットの1つを取り除くのを補助するように構成される請求項8に記載の排泄物廃棄処理システム。
【請求項11】
前記複数の可撓性を有するネットが、周縁の引き紐を有する請求項8に記載の排泄物廃棄処理システム。
【請求項12】
少なくとも1つのつまみ部が前記開放容器と前記支持棒との間に配置される請求項11に記載の排泄物廃棄処理システム。
【請求項13】
排泄物廃棄処理システムの作製方法であって、
複数の側部を有する開放容器を形成するステップと、
前記開放容器の中に複数の可撓性を有するネットを入れるステップと、
下方に向かって延びる複数の壁部を有する着脱自在な枠で前記開放容器の一部を覆うステップと、
前記可撓性を有するネットの側縁部を、前記開放容器の前記側部と前記着脱自在な枠の前記下方に向かって延びる壁部との間に位置させるステップと
を含む方法。
【請求項14】
動物排泄物の廃棄方法であって、
開放容器を設けるステップと、
前記開放容器内に複数の可撓性を有するネットを入れるステップと、
着脱自在な枠で前記複数のネットの少なくとも一部分を覆うステップと、
前記開放容器内に前記複数のネットを覆うように吸収性を有するトイレ砂材を入れるステップと、
前記開放容器から前記着脱自在な枠を取り除き、前記複数のネットのうち最も上にあるネットを前記開放容器から引き寄せて、前記吸収性を有するトイレ砂材が前記ネットを通って漏れ出ることを可能にするステップと、
前記ネット及び前記ネットの中に入っている全ての排泄物を廃棄するステップと
を含む方法。
【請求項15】
前記下方に向かって延びる壁部の少なくとも1つから支持棒を延在させるステップをさらに含む請求項13または14に記載の方法。
【請求項16】
前記複数の可撓性を有するネットの少なくとも1つにつまみ部を接続するステップをさらに含む請求項13または14に記載の方法。
【請求項17】
前記着脱自在な枠を前記開放容器と着脱自在に連結するラッチ機構をさらに含む請求項13または14に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2012−533301(P2012−533301A)
【公表日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−520701(P2012−520701)
【出願日】平成22年7月12日(2010.7.12)
【国際出願番号】PCT/US2010/041702
【国際公開番号】WO2011/008693
【国際公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【出願人】(512012469)ミレニアム・リサーチ・グループ・リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】MILLENNIUM RESEARCH GROUP, LTD.
【住所又は居所原語表記】1625 Seminole Road, S.E., Grand Rapids, Michigan 49506, United States of America
【Fターム(参考)】