説明

動物生活環境管理システム

【課題】
愛玩動物、畜産動物の生活環境の管理は、管理者が任意の固定位置に取り付けた検針パネルなどの数値を確認することで行われており、行動している個々の動物の生活環境が管理、把握されているとはいいがたい状況となっている。また把握するためいは、多大なコストが発生してしまい、現実的ではなかった。
【解決手段】
該動物の負担にならない形状に設置した生活環境情報記録装置を個々の動物の首輪、鼻輪などと共につけることにより、該動物の生活環境情報を把握し迅速な診断、判断対応が可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、愛玩動物、畜産動物の温度、湿度などに代表される生活環境情報に対して、該生活環境情報を測定・記録できる装置を該動物に取付けておくことにより、該動物の生活環境情報を連続的に測定・記録することを可能とし、該動物の生活環境変化などの把握を該動物の目線での実測データを用いて、該動物の健康維持、育成、繁殖、生産などに対する判断基準の質を向上させることを目的とする。
【背景技術】
【0002】
現在、愛玩動物、畜産動物の生活環境としての温度・湿度などの管理は、主に空調設備などの管理業務担当者が管理しやすい任意の固定場所に設置された検針パネルなどの数値の確認・点検をチェックリストに従い行なっている。
【0003】
しかしながら、ここで確認される情報は管理すべき該動物の実際の生活環境情報と必ずしも一致するものではなく、管理基準として決めた任意の場所の設定された測定器の情報であり、該動物自体の生活環境情報とは云い難い状況となっている現実がある。
【0004】
さらに、任意の時間間隔で管理者が確認する場合には、その任意の時間間隔におけるその間の情報の欠落が発生することになる。
【0005】
また、従来の方法で正確に該動物の生活環境情報を測定管理しようとすると、該動物が生活している任意の場所の環境情報を測定するため膨大な数の測定機器を設置しなければならず、導入にあたり多大なコストが発生するものであった。

【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなされたものであり、該動物の負担にならない形状および質量を持った生活環境情報記録装置を個々の動物の首輪、胴輪、鼻輪などの施錠道具を用いて取付け、実際に該動物が生活している環境を確認することが可能となり、それに応じた個々の対応が可能となる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、記録装置として半導体メモリを使用することにより、該動物に生活環境情報記録装置を取付けることにより多大なインフラ設備コストを投入しなくても該動物の生活環境情報を把握し迅速な診断、判断対応できることを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、該動物が、何らかの疾病にかかった場合、原因判断の基準情報のひとつとして情報を入手可能となり、生活環境管理面においても個々の動物の生活環境情報を入手し管理業務に活かすことが可能となる。
【0009】
また、該生活環境情報記録装置にGPSなどの位置検知機能を付加することで、さらに位置情報を交えた形での利用が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
該生活環境情報記録装置に固有のID番号を付与することにより、読み取ったデータを点検箇所または点検項目のデータベースと比較することで操作者の点検箇所のもれを減らすことができ、またログとして記録が残るため保守に関する安全を保証することにも繋がる。
【0011】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0012】
本発明の一実施例について、図1を参照して説明する。図1は、本発明を利用したシステム概要図であり、1は生活環境情報記録装置であり、2は生活環境情報対象動物であり、3は、測定器情報を読み取る装置である。また4は、情報を管理する上位コンピューターである。
【0013】
図1に示すように、生活環境情報記録装置を対象動物に取り付け、管理業務担当者が数値を確認するとともに読取装置にて生活環境情報記録装置の値を読み込む。
【0014】
またこのとき、あらかじめ登録されている上位コンピュータのデータを確認することでデータ収集対象の生活環境情報記録装置もれなどの確認も同時に行なうことができる。
【0015】
操作者が読み取ったデータと空調設備および設定環境などの設定値を比較することにより、該動物の生活環境の向上にも役立だてることが可能である。
【0016】
以上のように、個々の該動物に生活環境情報記録装置を、取付けておくことで愛玩動物、畜産動物などに問題が発生した場合の原因判断、診断の1つの指標として用いることが可能な生活環境情報を、簡単にかつ確実に入手するという課題を解決することができる。
【産業上の利用可能性】
【0017】
本発明の活用例としては、愛玩動物、畜産動物など動物の飼育環境管理や獣医などの診察を助ける補助的装置確認できる手段として活用できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の愛玩動物、畜産動物の生活環境情報管理システムのシステム機器構成概要図である
【符号の説明】
【0019】
1:生活環境情報記録装置
2:対象動物
3:読取装置
4:上位コンピューター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
愛玩動物、畜産動物の生活環境情報を監視・管理する場合において、該情報を測定・記録する装置を該動物に取付けておくことを特徴とする愛玩動物、畜産動物の生活環境情報を監視・管理するシステム
【請求項2】
前記愛玩動物、畜産動物の生活環境情報測定・記録装置を該動物に取付けておくことで、該動物の体調管理、及び該動物の体調不良原因・診断の基準として、該愛玩動物、畜産動物の生活環境情報測定・記録データを利用するシステム
【請求項3】
前記愛玩動物、畜産動物の生活環境情報測定・記録装置にGPSなど位置検知機能を付加することにより、該愛玩動物、畜産動物の生活環境情報測定・記録データと該動物の行動特性の相関を解析するシステム
【請求項4】
前記愛玩動物、畜産動物の生活環境情報測定・記録装置に個体認識用のID番号を付加することにより、該動物の行動特性管理を行なう上で個体認識を確実にするシステム


【図1】
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【公開番号】特開2008−125418(P2008−125418A)
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−313167(P2006−313167)
【出願日】平成18年11月20日(2006.11.20)
【出願人】(301032621)株式会社藤田電機製作所 (10)