説明

動的Webページ作成機能を有するサーバ

【課題】プログラムを開発するスキルや環境のないWebデザイナーであっても、状況や要望に応じて、動的なWebページ作成を可能にする。
【解決手段】動的Webページ作成機能を有するサーバは、Webページ構成要素を変換するための特殊キーワードが埋め込まれた記述言語ファイルを第1装置から受信して、記憶手段に格納する手段と;Webページの閲覧要求が第2装置からあったとき、格納されている記述言語ファイル中の特殊キーワードを構文解析によって検出する手段と;検出された特殊キーワードを予め決められた規則に従って文字列に変換する手段と;第2装置に返信するために、変換された文字列を含む記述言語ファイルを生成する手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動的Web(WWW:World Wide Web)ページ作成機能を有するサーバに関し、更には動的Webページ作成方法、プログラム、及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
静的なHTML(Hyper Text Markup Language)だけで作成されたWebページは、ユーザの誰がいつ見ても同じ状態で同じ情報がクライアント端末に表示される。
【0003】
しかし、クライアント端末からWebサーバにアクセスしてきたユーザに応じて、ユーザ名などの個別の動的要素を表示することが要求される。
【0004】
一般的には、このような動的要素を含むWebページ(動的webページ)は、WebサーバがCGI(Common Gateway Interface)やスクリプトなどのプログラムと連携処理してクライアント端末に提供される。
【0005】
ところで、プログラム化された動的Webページを作成するには、プログラムを開発するためのスキルや環境が必要となるため、Webデザイナーが単独では、Webページを作成することができないだけでなく、広く普及しているWebオーサリングツールやホームページビルダーを利用したページデザインもできない。
【特許文献1】特開2003−132044号公報
【特許文献2】特開2003−186733号公報
【特許文献3】特開2002−32300号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
課題は、プログラムを開発するスキルや環境のないWebデザイナーであっても、状況や要望に応じて、動的なWebページ作成を可能にする技術を提供することにある。
【0007】
他の課題は、オーサリングツール、ブラウザ、Cookie(クッキー)などの既存のソフトウェアと連携して、動的なWebページ作成を可能にする技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、動的Webページ作成機能を有するサーバは、
Webページ構成要素を変換するための特殊キーワードが埋め込まれた記述言語ファイルを第1装置から受信して、記憶手段に格納する手段と;
Webページの閲覧要求が第2装置からあったとき、格納されている前記記述言語ファイル中の前記特殊キーワードを構文解析によって検出する手段と;
検出された前記特殊キーワードを予め決められた規則に従って文字列に変換する手段と;
前記第2装置に返信するために、変換された前記文字列を含む記述言語ファイルを生成する手段とを備える。
【0009】
この構成において、前記特殊キーワードは、キーワード文字列の識別情報、変換対象の種類を示す情報、及び変換時に利用される情報を含んでいる。前記変換時に利用される情報は、前記変換対象の種類を示す情報に変数として付加されている。前記検出する手段は
、前記識別情報に基づいて、前記記述言語ファイル中の前記特殊キーワードを検出する。前記文字列に変換する手段は、前記第2装置からクッキーが送られてきているときは、その内容を変数として変換する。前記特殊キーワードは、Webオーサリングツールを利用して指定される。
【発明の効果】
【0010】
開示したサーバによれば、プログラムを開発するスキル・環境のないWebデザイナーにも、状況や要望に応じた動的なWebページを作成させることができる。その際、HTMLファイルなどのWeb対応の記述言語ファイルの作成には、一般的なオーサリングツールまたはホームページビルダーを使用することができる。
【0011】
また、開示したサーバによれば、Webサーバからクライアント端末(第2装置)に最終的に送信されるデータ、つまり生成されたWebページ対応のコンテンツデータは、通常のWebセッションと同一の記述言語データであるため、現在一般的に利用されているWebブラウザをそのまま使うことができる。
【0012】
他の課題、特徴及び利点は、図面及び特許請求の範囲とともに取り上げられる際に、以下に記載される明細書(発明を実施するための最良の形態)を読むことにより明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して、さらに詳細に説明する。図面には好ましい実施形態が示されている。しかし、多くの異なる形態で実施されることが可能であり、本明細書に記載される実施形態に限定されると解釈されてはならない。むしろ、これらの実施形態は、本明細書の開示が徹底的かつ完全となり、当業者に本発明の範囲を十分に伝えるように提供される。全体を通じて同様の番号・符号は同様の要素を指す。
【0014】
[システム構成]
一実施の形態におけるシステムの構成を示す図1を参照すると、この動的Webページ作成システムSYSにおいては、標準的なWebサーバ10、Webデザイナー端末20、及びクライアント端末70がインターネットなどのネットワーク30の通信回線40を通して接続されている。
【0015】
Webサーバ(以下、単にサーバと記載することもある)10からWebデザイナーが利用するWebデザイナー端末(以下、単にデザイナー端末と記載することもある)20に提供されるWebページ対応のHTMLドキュメント(ファイル)は、サーバ10に接続された、または内蔵のデータベース(DB)50に保管(格納)されている。また、一般ユーザが利用するクライアント端末70内には、Cookie(クッキー)60が記録可能である。
【0016】
Webサーバ10は、サーバコンピュータであり、中央制御装置、主記憶装置、補助記憶装置としてのハードディスクドライブ装置、及び通信インターフェースなどから構成されるが、ここではこの構成の図示を省略している。
【0017】
Webデザイナー端末20及びクライアント端末70は、Webブラウザを搭載したパーソナルコンピュータなどのコンピュータで実現可能であり、中央制御装置、主記憶装置、補助記憶装置としてのハードディスクドライブ装置、表示装置としてのディスプレイ装置、入力装置としてのキーボード及びマウス、及び通信インターフェースなどから構成されるが、ここではこの構成の図示を省略している。
【0018】
後に詳述する動的Webページ作成機能を論理的に実現するには、図2に示すように、このシステムSYSは、Webサーバ10において、変換部11及びデータベース50を備えるとともに、Webデザイナー端末20において、Webオーサリングツール(またはホームページビルダー)21と連携するキーワード組込部23を備えている。
【0019】
しかし、このキーワード組込部23は、後に詳述するように特殊キーワード(以下、単にキーワードと記載することもある)の入力の仕方によっては、必ずしも設けなくてもよい。データベース50は、特殊キーワード埋め込み済みのHTMLファイル22、キーワードテーブル14、及び動的データテーブル15を含む。
【0020】
また、このシステムSYSは、Webページの閲覧要求がユーザ利用のクライアント端末70からあったとき、Webサーバ10において、Webデザイナー端末20によって作成された特殊キーワード埋め込み済みのHTMLファイル22に基づいて、特殊キーワードを文字列に変換処理した後(キーワード変換処理後)のHTMLファイル12を生成する。
【0021】
さらに、システムSYSにおいては、上述した構成を採るとともに、Webサーバ10の補助記憶装置に制御プログラムをアプリケーションプログラムとしてインストールする。
【0022】
[動的Webページ作成動作]
次に、図1及び図2に示す一実施の形態の動的Webページ作成システムSYSにおける動作例を関連図を併せ参照して説明する。
【0023】
(処理の概要)
プログラムを開発するスキルや環境のないWebデザイナーは、通常提供される静的Webページの変換要求(つまり、Webページ構成要素の変換要求)をWebサーバ10にしたいとき、Webデザイナー端末20において、Webオーサリングツール21を利用して、Webサーバ10が理解できる特殊キーワードを定義(指定)する。
【0024】
そして、Webデザイナーは、Webオーサリングツール21を利用して、本文中にそのキーワードを埋め込んだHTMLファイル22を作成した後、デザイナー端末20からWebサーバ10に送信する。
【0025】
Webサーバ(中央制御装置)10は、デザイナー端末20から送信された特殊キーワード埋め込み状態のHTMLファイル22を通信インターフェースを介して受信した後、データベース50に格納しておく。
【0026】
Webサーバ10の変換部11は、Webページの閲覧要求が一般ユーザ利用のクライアント端末70からあったとき、要求されたWebページ対応の特殊キーワード埋め込み済みHTMLファイル22をデータベース50から取得し、このHTMLファイル22中の特殊キーワードを構文解析によって検出する。
【0027】
変換部11は、HTMLファイル22中の特殊キーワードを検出したとき、キーワードテーブル14及び必要に応じて動的データテーブル15を参照して、予め決められた規則(ルール)に従ってキーワードを文字列に変換(キーワード変換)する。
【0028】
変換部11は、キーワード変換処理を施したHTMLファイル12を生成し、所望されたWebページとしてクライアント端末70に通信インターフェースを介して送信(返信)する。なお、キーワード変換の際、クライアント端末70からCookie60が送ら
れてきている場合は、その内容によって変換処理を変更することが可能である。
【0029】
これにより、プログラムを開発するスキルや環境のないWebデザイナーが、デザイナー端末20において、動的なWebページを作成することを可能にする。
【0030】
(処理の詳細:Webデザイナー端末)
Webデザイナーは、あるWebページの構成要素を変換したいとき、Webデザイナー端末20において、Webオーサリングツール21を利用して、Webサーバ10が理解できる特殊キーワードを指定する。
【0031】
このために、Webデザイナーは、キーボード及びマウスによる所定の選択(指定)操作を通して、Webデザイナー端末20のディスプレイ装置にオーサリングツール21のエディタ画面を表示させる。図3Aに例示するように、このエディタ画面のツールバーには、キーワード指定用のプルダウンメニュ24が追加されている。
【0032】
Webデザイナーがプルダウンメニュ24のキーワードのいずれかを選択すると、指定されたキーワード(ここでは、ユーザ情報)がエディタ画面上に表示される。
【0033】
図3Bは、キーワードとしてユーザ情報が指定された場合のエディタ画面上の表示例を示している。Webデザイナーは、表示されたキーワード(厳密には、変換対象のキーワードの種類を示す情報)251のパラメタ252をマウスまたはキーボード操作により、必要に応じて書き替えることが可能である。ここでは、Webデザイナーは、キーワード「USERDATA」252のパラメタ(method,ID,item)252をパラメタ(1,1234,2)に書き替えている。
【0034】
このパラメタ書き換えのためには、オーサリングツール21のエディタ画面におけるプルダウンメニュ24及び表示パラメタ(method,ID,item)252をマウスクリックして表示されるデータから選択可能である。また、キーボードから各パラメタ252の値を入力し、キーワード組込部23を介してオーサリングツール21と連携してもよい。
【0035】
特殊キーワード25のフォーマットは、一般的には、「<$KEY_type(param1,param2,...paramN)>」で表すことができる。ここで、「KEY」250はキーワード文字列の識別情報を示し、「type」251は変換するキーワードの種類を示し、「param#」252は変換時に利用するパラメタ(変数)であり、キーワードの種類によって必要パラメタ数が異なる。
【0036】
Webデザイナー端末20は、オーサリングツール21及び必要によりキーワード組込部23の連携処理によって、本文中に特殊キーワード25を埋め込み済みのHTMLファイル22を作成した後、Webサーバ10に送信する。
【0037】
(処理の詳細:Webサーバ)
Webサーバ10の変換部11は、データベース50の各種テーブル14,15を参照して、次の処理を実施する。
【0038】
Webサーバ10の変換部11は、Webページの閲覧要求がユーザ利用のクライアント端末70からあったとき、要求されたWebページ対応の特殊キーワード埋め込み済みHTMLファイル22をデータベース50から取得し、このHTMLファイル22の構文解析を行う(S401,S402)。
【0039】
この構文解析の結果、Webページ構成要素の変換用に予約されたHTMLファイル22中の特殊キーワード25、ここではキーワード文字列の識別情報250を検出したとき、変換対象のキーワードの種類を示す情報251からキーワードの種類を識別する(S403,S404)。更に、変換対象のキーワードの種類を示す情報251に添付(付加)されているパラメタ(変換時に利用される情報/変数)252の値を取得する(S405)。なお、Cookie60の情報は、パラメタの一種として処理される。
【0040】
変換部11は、キーワードテーブル14及び必要に応じて動的データテーブル15を参照して、予め決められた規則、つまりキーワードの種類毎のロジックに従って、キーワードを文字列に変換(キーワード変換)する(S406)。なお、キーワード変換の際、クライアント端末70からCookie60が送られてきている場合は、その内容によって(Cookie連動によって)変換処理を変更することが可能である。
【0041】
変換部11は、キーワード変換処理を施したHTMLファイル12を生成した後、所望されたWebページとしてクライアント端末70に通信インターフェースを介して送信(返信)する(S407,S408)。
【0042】
Webサーバ10が変換対象とするキーワードの種類を例示すると、次のような項目がある。
A:Cookie連動を必要としないパターン
(A−1)予め決められた文言に置き換える。例えば、サイト(ページ)の名称など。
(A−2)特定のロジックで導き出せる文言に置き換える。例えば、現在の日付、時刻など。
(A−3)セッション情報で置き換える。例えば、アクセスしてきたユーザのブラウザ情報など。
(A−4)データベースを参照して情報を引き出す。例えば、商品の価格など。
B:Cookieと連動するパターン
(B−1)Cookieのデータそのものと置き換える。例えば、セッションIDなど。(B−2)Cookieのデータを決められたテーブルに照らし合わせて変換する。例えば、Cookieに記録した商品番号から商品一覧テーブルを参照し、商品名に変換する。
(B−3)Cookieのデータをデータベース参照のキーを使って変換する。例えば、Cookieに記録したユーザ情報からユーザ情報テーブルを参照し、ユーザの氏名に変換する。
【0043】
(第1の具体例:現在の日時に変換するキーワード)
次に、第1の具体例として、Webサーバ10の変換部11において、現在の日時に変換するキーワードを処理する場合について説明する。
【0044】
現在の日付に変換するための特殊キーワード25のフォーマットは、具体的には、「<$KEY_DATE(form)>」で表すことができる。ここで、「(form)」は日付表示の書式を示すパラメタ(変数)である。Webデザイナーは、Webサーバ10が一般ユーザに提供するあるWebページの構成要素を変換するとき、Webデザイナー端末20における上記エディタ画面を通して、下記の書式からいずれかの番号で指定する。
【0045】
1:YYYY年MM月DD日
2:YYYY/MM/DD
3:MM/DD/YY
また、現在の時刻に変換するための特殊キーワード25のフォーマットは、具体的には
、「<$KEY_TIME(form)>」で表すことができる。ここで、「(form)」は時刻表示の書式を示すパラメタである。Webデザイナーは、同様に下記の書式からいずれかの番号で指定する。
【0046】
1:HH時MM分
2:HH時MM分SS秒
3:HH:MM
4:HH:MM:SS
Webサーバ10の変換部11は、上述した一連の処理S401〜S408に加え、一層具体的には、構文解析の結果、Webページ構成要素の変換用に予約されたHTMLファイル22中の特殊キーワード(パラメタを含む文字列)25をキーワード文字列の識別情報250に基づいて検出したとき、キーワードの種類を識別し、更にその後に、変換対象のキーワードの種類を示す情報251に付加されているパラメタ252の正常性をチェックする(図5A中のS501)。
【0047】
例えば、キーワードの種類として、「DATE」を識別したとき、このキーワードに付加されているパラメタ(form)が「1〜3」のいずれかの値であるかをチェックする。
【0048】
変換部11は、パラメタが正常である場合は、Webサーバ10から保有するシステム日付及び時刻を取得し、指定された書式で出力する(S502,S503)。このとき、取得したデータに、キーワードテーブル14を参照して、HTML表記に必要な文字「現在の日時は」などを付加して出力する。
【0049】
変換部11は、上述した一連の処理S401〜S408と同様に、キーワード変換処理を施したHTMLファイル12を生成した後、一般ユーザによって所望されたWebページとしてクライアント端末70に送信する。
【0050】
このときのHTMLファイル12での表記は、図5Bに示すように、「<p>現在の日時は、<$KEY_DATE(1)><$KEY_TIME(3)>です。</p>」となる。また、クライアント端末70におけるブラウザでの表示(キーワード変換後)は、「現在の日時は、2007年11月14日 09:12です。」となる。
【0051】
なお、パラメタが異常である場合は(S501)、エラーメッセージが出力される(S504)。このエラーメッセージは、必要に応じてWebサーバ10からWebデザイナー端末20などに送信されて、ブラウザにより表示されるので、Webデザイナーは正常なパラメタを再入力することが可能である。
【0052】
(第2の具体例:ユーザ情報に変換するキーワード)
また、第2の具体例として、Webサーバ10の変換部11において、Cookie60を利用するパターンでのユーザ情報に変換する特殊キーワードを処理する場合について説明する。
【0053】
ユーザ情報に変換するための特殊キーワード25のフォーマットは、具体的には、「<$KEY_USERDATA(method,ID,item)>」で表すことができる。ここで、「(method,ID,item)」はパラメタ252である。Webデザイナーは、Webサーバ10が一般ユーザに提供するあるWebページの構成要素を変換するとき、Webデザイナー端末20における上記エディタ画面を通して、下記の各パラメタからいずれかの番号で指定する。
【0054】
method:ユーザIDの指定方法
1:IDパラメタで直接指定
2:Cookieを参照
ID:ユーザID特定用のパラメタ
method=1の場合:ユーザIDを直接表記
method=2の場合:Cookieから読み取る際の項目名
item:ユーザDBから取得する項目の番号
1:氏名
2:住所
3:電話番号
Webサーバ10の変換部11は、上述した一連の処理S401〜S408に加え、一層具体的には、構文解析の結果、Webページ構成要素の変換用に予約されたHTMLファイル22中の特殊キーワード(パラメタを含む文字列)25をキーワード文字列の識別情報250に基づいて検出したとき、キーワードの種類を識別し、更にその後に、変換対象のキーワードの種類を示す情報251に付加されているパラメタ252の正常性をチェックする(図6A中のS601)。
【0055】
変換部11は、パラメタ252が正常である場合は、キーワード「USERDATA」に付加されている、ユーザIDの指定方法を示す第1パラメタ「method」が「1」(IDパラメタ(第2パラメタ)で直接指定)及び「2」(Cookie参照)のいずれの値かを判定する(S602)。
【0056】
変換部11は、第1パラメタ「method」が「2」(Cookie参照)の値である場合、Cookie60から記録されているユーザID「1234」(図6B参照)を取得する(S603)。
【0057】
そして、変換部11は、取得したユーザID「1234」に基づいて、図6Cに示すユーザ情報テーブル151にアクセスした後、第3パラメタ「item」の値「1」によって指定された項目のデータを取得する(S604,S605)。また、取得した各項目データに、キーワードテーブル14を参照して、HTML表記に必要な文字「ようこそ」などを付加して出力する(S606)。ここでは、第3パラメタ「item」の値「1」は氏名に対応する番号であるので、テーブル151からは氏名「○山×夫」が検索される。
【0058】
一方、第1パラメタ「method」が「1」(IDパラメタ(第2パラメタ)で直接指定)の値である場合、第2パラメタ「ID」によって直接指定されているユーザIDに基づいて、テーブル151にアクセスした後、第3パラメタ「item」の値「1」によって指定された項目のデータを取得して出力する(S604,S605,S606)。
【0059】
変換部11は、上述した一連の処理S401〜S408と同様に、キーワード変換処理を施したHTMLファイル12を生成した後、一般ユーザによって所望されたWebページとしてクライアント端末70に送信する。
【0060】
このときのHTMLファイル12での表記は、図6Bに示すように、「<p>ようこそ、<b><$KEY_USERDATA(2,user_id,1)></b>さん。</p>」となる。また、クライアント端末70におけるブラウザでの表示(キーワード変換後)は、「ようこそ、○山×夫さん。」となる。
【0061】
なお、パラメタ252が異常である場合は(S601)、エラーメッセージが出力される(S607)。このエラーメッセージは、必要に応じてWebサーバ10からWebデザイナー端末20などに送信されて、ブラウザにより表示されるので、Webデザイナー
は正常なパラメタを再入力することが可能である。
【0062】
(第3の具体例:商品情報に変換するキーワード)
次に、第3の具体例として、Webサーバ10の変換部11において、商品情報に変換するキーワードを処理する場合について説明する。
【0063】
商品情報に変換するための特殊キーワード25のフォーマットは、具体的には、「<$KEY_ITEMDATA(model,item)>」で表すことができる。ここで、「(model,item)」はパラメタ252である。Webデザイナーは、Webサーバ10が一般ユーザに提供するあるWebページの構成要素を変換するとき、Webデザイナー端末20における上記エディタ画面を通して、下記の各パラメタからいずれかの番号で指定する。
【0064】
model:商品番号を指定
item:商品DBから取得する項目の番号
1:商品名
2:価格
3:在庫数
Webサーバ10の変換部11は、上述した一連の処理S401〜S408に加え、一層具体的には、構文解析の結果、Webページ構成要素の変換用に予約されたHTMLファイル22中の特殊キーワード(パラメタを含む文字列)25をキーワード文字列の識別情報250に基づいて検出したとき、キーワードの種類を識別し、更にその後に、変換対象のキーワードの種類を示す情報251に付加されているパラメタ252の正常性をチェックする(図7A中のS701)。
【0065】
変換部11は、パラメタ252が正常である場合は、キーワード「ITEMDATA」に付加されている、第1パラメタ「model」が示す商品番号「A01」,「A02」に基づいて、図7Cに示す商品一覧テーブル152にアクセスした後、第2パラメタ「item」の値「1」,「2」,「3」によって指定された項目のデータを取得する(S702,S703)。また、取得した各項目データに、キーワードテーブル14を参照して、HTML表記に必要な文字「価格」などを付加して出力する(S704)。
【0066】
ここでは、第2パラメタ「item」の値は「1」,「2」,「3」であるので、商品一覧テーブル152からは商品番号「A01」,「A02」に対応する商品名、価格、在庫数が検索される。
【0067】
変換部11は、上述した一連の処理S401〜S408と同様に、キーワード変換処理を施したHTMLファイル12を生成した後、一般ユーザによって所望されたWebページとしてクライアント端末70に送信する。
【0068】
このときのHTMLファイル12での表記は、図7Bに示すように、次のとおりである。
「<ul>
<li><$KEY_ITEMDATA(A01,1)>…価格:<$KEY_ITEMDATA(A01,2)>円(残り<$KEY_ITEMDATA(A01,3)>台
<li><$KEY_ITEMDATA(A02,1)>…価格:<$KEY_ITEMDATA(A02,2)>円(残り<$KEY_ITEMDATA(A02,3)>台
</ul>」
また、クライアント端末70におけるブラウザでの表示(キーワード変換後)は、図7Bに示すように、次のとおりである。
【0069】
「デスクトップパソコンA…価格:150,000円(残り100台)
ノートブックパソコンB…価格:200,000円(残り50台)」
なお、パラメタ252が異常である場合は(S701)、エラーメッセージが出力される(S705)。このエラーメッセージは、必要に応じてWebサーバ10からWebデザイナー端末20に送信されて、ブラウザにより表示されるので、Webデザイナーは正常なパラメタを再入力することが可能である。
【0070】
[変形例]
上述した一実施の形態における処理はコンピュータで実行可能なプログラムとして提供され、CD−ROMやフレキシブルディスクなどの記録媒体、さらには通信回線を経て提供可能である。
【0071】
また、上述した一実施の形態における各処理はその任意の複数または全てを選択し組合せて実施することもできる。
【0072】
上述した一実施の形態におけるHTMLファイルは、HTTP(Hyper Text Transfer Protocol)などの所定プロトコルに則って送受信されるWeb対応の他の記述言語ファイルであるXML(Extensible Markup Language)ファイルまたはSGML(Standard Generalized Markup Language)ファイルなどで代替することが可能である。
【0073】
[その他]
上述した一実施の形態及び変形例に関し、更に以下の付記を開示する。
【0074】
(付記1)Webページ構成要素を変換するための特殊キーワードが埋め込まれた記述言語ファイルを第1装置から受信して、記憶手段に格納する手段と;
Webページの閲覧要求が第2装置からあったとき、格納されている前記記述言語ファイル中の前記特殊キーワードを構文解析によって検出する手段と;
検出された前記特殊キーワードを予め決められた規則に従って文字列に変換する手段と;
前記第2装置に返信するために、変換された前記文字列を含む記述言語ファイルを生成する手段と;
を備えるサーバ。(1)
(付記2)前記特殊キーワードは、キーワード文字列の識別情報、変換対象の種類を示す情報、及び変換時に利用される情報を含んでいる付記1記載のサーバ。(2)
(付記3)前記変換時に利用される情報は、前記変換対象の種類を示す情報に変数として付加されている付記2記載のサーバ。(3)
(付記4)前記検出する手段は、前記識別情報に基づいて、前記記述言語ファイル中の前記特殊キーワードを検出する付記2記載のサーバ。(4)
(付記5)前記文字列に変換する手段は、前記第2装置からクッキーが送られてきているときは、その内容を変数として変換する付記1記載のサーバ。(5)
(付記6)前記特殊キーワードは、Webオーサリングツールを利用して指定される付記1記載のサーバ。(6)
(付記7)サーバが、
Webページ構成要素を変換するための特殊キーワードが埋め込まれた記述言語ファイルを第1装置から受信して、記憶手段に格納するステップと;
Webページの閲覧要求が第2装置からあったとき、格納されている前記記述言語ファイル中の前記特殊キーワードを構文解析によって検出するステップと;
検出された前記特殊キーワードを予め決められた規則に従って文字列に変換するステップと;
前記第2装置に返信するために、変換された前記文字列を含む記述言語ファイルを生成するステップと;
を備える動的Webページ作成方法。(7)
(付記8)前記特殊キーワードは、キーワード文字列の識別情報、変換対象の種類を示す情報、及び変換時に利用される情報を含んでいる付記7記載の動的Webページ作成方法。
【0075】
(付記9)前記変換時に利用される情報は、前記変換対象の種類を示す情報に変数として付加されている付記8記載の動的Webページ作成方法。
【0076】
(付記10)前記検出する手段は、前記識別情報に基づいて、前記記述言語ファイル中の前記特殊キーワードを検出する付記8記載の動的Webページ作成方法。
【0077】
(付記11)前記文字列に変換する手段は、前記第2装置からクッキーが送られてきているときは、その内容を変数として変換する付記7記載の動的Webページ作成方法。
【0078】
(付記12)前記特殊キーワードは、Webオーサリングツールを利用して指定される付記7記載の動的Webページ作成方法。
【0079】
(付記13)Webページ構成要素を変換するための特殊キーワードが埋め込まれた記述言語ファイルを第1装置から受信して、記憶手段に格納するステップと;
Webページの閲覧要求が第2装置からあったとき、格納されている前記記述言語ファイル中の前記特殊キーワードを構文解析によって検出するステップと;
検出された前記特殊キーワードを予め決められた規則に従って文字列に変換するステップと;
前記第2装置に返信するために、変換された前記文字列を含む記述言語ファイルを生成するステップと;
をサーバによって実行されるプログラム。(8)
(付記14)Webページ構成要素を変換するための特殊キーワードが埋め込まれた記述言語ファイルを第1装置から受信して、記憶手段に格納するステップと;
Webページの閲覧要求が第2装置からあったとき、格納されている前記記述言語ファイル中の前記特殊キーワードを構文解析によって検出するステップと;
検出された前記特殊キーワードを予め決められた規則に従って文字列に変換するステップと;
前記第2装置に返信するために、変換された前記文字列を含む記述言語ファイルを生成するステップと;
をサーバによって実行させるためのプログラムを記録した可読媒体。(9)
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】一実施の形態のシステムの概要構成を示すブロック図。
【図2】一実施の形態のシステムの詳細構成を示すブロック図。
【図3A】Webデザイナー端末におけるオーサリングツールのエディタ画面(アドオン画面)例を示す図。
【図3B】Webデザイナー端末におけるエディタ画面への特殊キーワードの表示例を示す図。
【図4】Webサーバにおけるキーワード変換処理を説明するためのフローチャート。
【図5A】Webサーバにおけるキーワード変換処理の第1の具体例を説明するためのフローチャート。
【図5B】キーワード変換処理の第1の具体例におけるHTMLファイルでの表記例及びブラウザでの表示例を示す図。
【図6A】Webサーバにおけるキーワード変換処理の第2の具体例を説明するためのフローチャート。
【図6B】キーワード変換処理の第2の具体例におけるHTMLファイルでの表記例及びブラウザでの表示例を示す図。
【図6C】ユーザ情報テーブルの構成例を示す図。
【図7A】Webサーバにおけるキーワード変換処理の第3の具体例を説明するためのフローチャート。
【図7B】キーワード変換処理の第3の具体例におけるHTMLファイルでの表記例及びブラウザでの表示例を示す図。
【図7C】商品一覧テーブルの構成例を示す図。
【符号の説明】
【0081】
SYS 動的Webページ作成システム
10 Webサーバ
20 Webデザイナー端末
30 ネットワーク
40 通信回線
50 データベース
60 Cookie
70 クライアント端末
11 変換部
12 HTMLファイル(キーワード変換処理後)
14 キーワードテーブル
15 動的データテーブル
21 Webオーサリングツール(ホームページビルダー)
22 HTMLファイル(特殊キーワード組み込み済み)
23 キーワード組込部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
Webページ構成要素を変換するための特殊キーワードが埋め込まれた記述言語ファイルを第1装置から受信して、記憶手段に格納する手段と;
Webページの閲覧要求が第2装置からあったとき、格納されている前記記述言語ファイル中の前記特殊キーワードを構文解析によって検出する手段と;
検出された前記特殊キーワードを予め決められた規則に従って文字列に変換する手段と;
前記第2装置に返信するために、変換された前記文字列を含む記述言語ファイルを生成する手段と;
を備えるサーバ。
【請求項2】
前記特殊キーワードは、キーワード文字列の識別情報、変換対象の種類を示す情報、及び変換時に利用される情報を含んでいる請求項1記載のサーバ。
【請求項3】
前記変換時に利用される情報は、前記変換対象の種類を示す情報に変数として付加されている請求項2記載のサーバ。
【請求項4】
前記検出する手段は、前記識別情報に基づいて、前記記述言語ファイル中の前記特殊キーワードを検出する請求項2記載のサーバ。
【請求項5】
前記文字列に変換する手段は、前記第2装置からクッキーが送られてきているときは、その内容を変数として変換する請求項1記載のサーバ。
【請求項6】
前記特殊キーワードは、Webオーサリングツールを利用して指定される請求項1記載のサーバ。
【請求項7】
サーバが、
Webページ構成要素を変換するための特殊キーワードが埋め込まれた記述言語ファイルを第1装置から受信して、記憶手段に格納するステップと;
Webページの閲覧要求が第2装置からあったとき、格納されている前記記述言語ファイル中の前記特殊キーワードを構文解析によって検出するステップと;
検出された前記特殊キーワードを予め決められた規則に従って文字列に変換するステップと;
前記第2装置に返信するために、変換された前記文字列を含む記述言語ファイルを生成するステップと;
を備える動的Webページ作成方法。
【請求項8】
Webページ構成要素を変換するための特殊キーワードが埋め込まれた記述言語ファイルを第1装置から受信して、記憶手段に格納するステップと;
Webページの閲覧要求が第2装置からあったとき、格納されている前記記述言語ファイル中の前記特殊キーワードを構文解析によって検出するステップと;
検出された前記特殊キーワードを予め決められた規則に従って文字列に変換するステップと;
前記第2装置に返信するために、変換された前記文字列を含む記述言語ファイルを生成するステップと;
をサーバによって実行されるプログラム。
【請求項9】
Webページ構成要素を変換するための特殊キーワードが埋め込まれた記述言語ファイルを第1装置から受信して、記憶手段に格納するステップと;
Webページの閲覧要求が第2装置からあったとき、格納されている前記記述言語ファイル中の前記特殊キーワードを構文解析によって検出するステップと;
検出された前記特殊キーワードを予め決められた規則に従って文字列に変換するステップと;
前記第2装置に返信するために、変換された前記文字列を含む記述言語ファイルを生成するステップと;
をサーバによって実行させるためのプログラムを記録した可読媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【公開番号】特開2009−140219(P2009−140219A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−315711(P2007−315711)
【出願日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】