説明

包装容器

【課題】容器本体の一側面壁中に係止片となる部分とロック片となる部分とがあって、蓋体を最初に開くときにロック片となる部分が前記一側面壁から抜けるようになり、得られた前記ロック片が再封に際して容器本体側の係止片に係合するようにした包装容器において、蓋体の最初の開き操作で係止片が引き起こされるようにし、消費者側での係止片の引き起こし操作を不要にする。
【解決手段】蓋体3の垂れ壁7に容器本体2の側面壁5中にあるロック片形成部9を貼着し、蓋体3の開きによって側面壁5からロック片14を分離させ、それに伴って側面壁5中に形成された係止片8が引き起こされるようにし、両者の境界の切り取り線12での分断によりロック片14と係止片13とが分離してロック片14に係止可能な係止片13が形成されるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はそれぞれ板紙やブラスチック材で成形されていて、上面を開口部とした容器本体とこの容器本体の開口部を開閉可能に覆う蓋体とからなる包装容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、上面を開口部とするブロック状の容器本体と、この容器本体の開口部を開閉可能に覆う蓋体とからなり、それぞれが板紙から成形されている包装容器が多く流通していて、一般消費者が、容器本体に入れられている収納物をいくらか取り出した後に、再び開口部を簡単に閉じることができるようにするために、蓋体を容器本体の四周の内の一側面壁に連接した形態の包装容器がある。
【0003】
特に粉せっけんなどの粉体を収納して、容器を廃棄する時に焼却処分し易くした紙製の製品では、容器本体の開口部を覆う蓋体が、開口部に対応してこの開口部より若干大きい寸法とした天面板とこの天面板の周囲に位置し、容器本体の開口部周辺となる側面壁の上部外面に被さるようにして対応する垂れ壁とを有している。そして、容器本体の背面とされる一側面壁の上部外面に蓋体での背面とする一垂れ壁の下端を貼着などしてヒンジ部を構成し、このヒンジ部を中心として蓋体が開け閉めできるようにしていて、前記垂れ壁は、一旦開いた製品の容器本体から収納物を取り出した後にその蓋体を開口部に被せることで容器本体の開口部周辺を覆うように位置し、その状態で製品を持ち運ぶなどした取り扱いに際して収納物がこぼれ出難くなるようにしている。
【0004】
このような蓋体がヒンジ部を介して開閉可能に連接されて容器本体の開口部を覆うようにした包装容器では、一般消費者側での使用に際して蓋体の開け閉めを繰り返していると、ヒンジ部側の垂れ壁に曲がり癖が付くなどの理由から、開口部に被せた蓋体が若干持ち上がった状態となり易くなる。そのため、特許文献1や特許文献2に示されているように、容器本体の正面となる側面壁の上部に折り部を介してその前面側に折り曲げられた舌片状の係止片を設けるとともに、その係止片の係合相手となる係止部分を蓋体の正面側の壁部内面に折り返した折り返し片で形成したり、また、蓋体の正面側の壁部内面に板片を貼着するなどして係止段部を形成しておき、蓋体の閉時に折り返し片や係止段部に前記係止片が係合して蓋体の閉じ状態が適正になるようにした工夫が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実願昭48−107330号(実開昭50−053322号公報)のマイクロフィルム
【特許文献2】特開2007−119060号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1に示された技術では、容器本体の正面となる側面壁の上端からその正面側に舌片を折り返して起伏可能な係止片として、この係止片に蓋体の折り返し片が係合するものであり、容器が製品として組み起こされた製造段階の時点でこの係合関係が形成されている。また、特許文献2に示された技術でも同様に容器本体の正面となる側面壁の上端からその正面側に係止片となる部分が折り返され、さらにその係止片の下端に切り取りミシン目を介して連接されたロック片が、蓋体の正面の壁部内面に貼着されていて、この状態で容器が製品として製造されるものとなっている。
【0007】
しかし、上述した従来の技術では容器本体の正面の側面壁と蓋体の正面の壁部との間に、単体では起伏自由な構造である係止片が位置していることから、容器の流通段階で不用意な取り扱いをすると、蓋体の正面の壁部と容器本体の正面の側面壁との間が開き易くなるという不都合がある。
【0008】
このような点から上述した天面板の周囲に垂れ壁を有する蓋体がヒンジ部を介してボックス状の容器本体に取り付けられ、その蓋体で容器本体の上面の開口部を開閉可能に覆う形態の包装容器において、容器本体の正面側の側面壁の上部側の一部分に係止片を切り込みなどによって形成する。さらに、その側面壁の同じく上部側の一部分を蓋体の正面側の垂れ壁に貼着し、その貼着部分を蓋体の開時に側面壁から抜け出るように切り取りミシン目などで囲んでおくようにして、蓋体の最初の開き(開封時)で貼着部分が容器本体から抜け出てロック片とされ、再封時には、正面側の切り込み形成された係止片にこのロック片が係止させることができるようにした工夫が提案されていた。
【0009】
このように容器本体の一側面壁中に係止片となる部分とロック片となる部分とが形成され、そして、ロック片となる部分が蓋体の垂れ壁に貼着されているため、流通の段階で容器本体の前記側面壁と蓋体の垂れ壁との間に隙間が生じ難くなるという利点がある。
【0010】
しかしながら、この場合、一般消費者が再封可能な形態とするためには、係止片の部分を指先などを利用して折り起こす操作が必要となっており、この点について改善が求められていた。
【0011】
そこで、本発明は上記課題を考慮してなされたもので、上記容器本体の一側面壁中に係止片となる部分とロック片となる部分とがあって、蓋体を最初に開くときにロック片となる部分が前記一側面壁から抜けるようになり、得られた前記ロック片が再封に際して容器本体側の係止片に係合するようにした包装容器において、蓋体の最初の開き操作で係止片が引き起こされるようにすることを課題とし、消費者側での係止片の引き起こし操作を不要にすることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は上記課題を考慮してなされたもので、上面を開口部としたブロック状の容器本体と、前記容器本体の一側面壁にヒンジ部を介して連結されて前記開口部を開閉可能に覆う蓋体とからなり、前記蓋体は、周囲に容器本体の側面壁の上部外面に対応する垂れ壁とを有している包装容器において、
前記ヒンジ部が位置する側面壁とは反対側の側面壁における前記蓋体の垂れ壁が対応する領域内に、
折り罫とこの折り罫から容器本体下方に向けて凸とされた切り取り線とで係止片形成領域が囲まれていて、前記切り取り線の分断により折り罫位置を折り元とする係止片が起伏可能に形成される係止片形成部と、
前記係止片形成部の下辺の切り取り線を境界として係止片形成部の下部に並設され、前記境界の切り取り線とこの境界の切り取り線に連続する切り取り線とでロック片形成領域が囲まれていて、ロック片形成領域を囲む切り取り線の分断により側面壁からロック片が分離可能に形成されるロック片形成部とが設けられ、
前記蓋体のヒンジ部とは反対側の垂れ壁に前記ロック片形成部が貼着されており、蓋体の開きによって側面壁から分離する前記ロック片に伴って係止片が引き起こされ、前記境界の切り取り線での分断によりロック片と係止片とが分離して前記ロック片に係止可能な係止片が形成される構成としていることを特徴とする包装容器を提供して、上記課題を解消するものである。
【0013】
そして、本発明は、上記切り取り線は側面壁を厚さ方向に貫いているカットとカット間に位置して切断可能とされたタイとがミシン目状に交互に並んでなり、上記境界の切り取り線におけるタイを介して係止片形成領域とロック片形成領域とが連続しているものとすることが良好である。
【0014】
また、本発明は、側面壁の上端に折り罫を介して連接された裏打ち板が、前記側面壁の内面に折り重ねられていて、前記裏打ち板は、上記係止片形成部とロック片形成部とに対して非貼着にしてこの係止片形成部とロック片形成部との周りで側面壁に貼着されているものとすることが良好である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、蓋体を開くときに容器本体の一側面壁からロック片が分離し、その分離するロック片に伴って係止片形成部での係止片が、該係止片形成部での切り取り線を分断しながら引き起こされ、そして、ロック片と係止片との間にある境界の切り取り線が分断することで起伏可能な係止片が形成され、これによって係止片を手作業で引き起こすことなく側面壁から起きた状態の係止片が得られる。また、ロック片と係止片との間に位置する境界の切り取り線が分断すれば、境界の切り取り線の位置での端部がそれぞれ互いに係止し合う部分となり、蓋体で開口部を再封するときにロック片の上辺であって境界の切り取り線であった辺部に係止片の下辺(境界の切り取り線であった部分)を係止させることで、蓋体による再封が行なえるようになり、蓋体の浮き上がりを確実に防止できる。
【0016】
そして、開封前の状態では、容器本体の一側面壁中に係止片が得られる部分(係止片形成部)とロック片が得られる部分(ロック片形成部)とがあって、ロック片形成部に蓋体の垂れ壁が貼着されているため、蓋体の垂れ壁と容器本体の側面壁との間には従来のような折り返された状態の係止片はなく、その厚み分がない状態で蓋体の垂れ壁と容器本体の側面壁とが重なり合うこととなり、よって、隙間が生じていない外観の整った製品形態の包装容器が得られる。
【0017】
そして、境界の切り取り線におけるタイを介して係止片形成領域とロック片形成領域とが連続するようにすれば、前記タイの長さ調整で係止片とロック片とを分離させるに必要な力を調整できるようになる。
【0018】
また、裏打ち板を容器本体の内方側から係止片形成部とロック片形成部との周りで側面壁に貼着することで、ロック片が側面壁から抜け出ることで形成される孔が容器本体の内部に連通することを防止でき、ロック片が抜けた部分から収納物がこぼれ出るのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係る包装容器の一実施例において蓋体垂れ壁の一部を切り欠いた状態で示す説明図である。
【図2】一実施例における開封時のロック片の側面壁からの分離と係止片の引き起こしを示す説明図である。
【図3】一実施例における係止片形成部とロック片形成部とを容器本体のブランクを一部拡大して示す説明図である。
【図4】他の実施例における係止片形成部とロック片形成部とを容器本体のブランクを一部拡大して示す説明図である。
【図5】半切れ線を施した他の実施例における開封時のロック片の側面壁からの分離と係止片の引き起こしを示す説明図である。
【図6】半切れ線を施した他の実施例における係止片形成部とロック片形成部とを容器本体のブランクを一部拡大して示す説明図である。
【図7】裏当て板を断面で示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
つぎに本発明を図1から図7に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図中1は包装容器で、該包装容器1はそれぞれ板紙を組み起こしてなる容器本体2と蓋体3とからなるものであり、前記容器本体2は上面を開口部4としたブロック状に形成され、また、蓋体3にあっては前記容器本体2の背面とする一側面壁5の上部外面にヒンジ部を介して連結されていて、開口部4を開閉可能に覆うことができるようにしたものである。
【0021】
上記蓋体3は容器本体2の開口部4に対応してこの開口部4よりやや大きい形状とされた天面板6と、この天面板6の周囲に、容器本体2の開口部周辺を構成している四方の側面板5の上部外面に対応する垂れ壁7とを有してなるものであり、背面側となる垂れ壁7の下端を容器本体2の背面側となる側面板5の上部外面に貼着することで上記ヒンジ部が形成され、このヒンジ部を中心として蓋体3を開け閉めすることができ、その蓋体3の正面側から開け閉め操作ができるようにしているものである。
【0022】
本包装容器1は未開封の状態では、後述するように、正面側の垂れ壁7が重なって対応する容器本体2の上記ヒンジ部とは反対側、即ち正面側の側面壁5の上部の領域内においてその一部分が前記垂れ壁7の内面に貼着されていて、包装容器1の流通段階では蓋体3の正面側の垂れ壁7と正面側の側面壁5の上部外面とが密に重なり合うものとされている。勿論、他の垂れ壁7にあってもそれぞれに重なって対応する側面壁の上部外面との間には大きな隙間が生じることのないように形成されている。そして、本包装容器1では開封するときに正面側の側面壁5に後述する係止片が形成され、再封に際してこの係止片に係合して蓋体3の閉時の浮き上がりを抑えるロック片もこの正面側の側面壁5から形成されるものである。
【0023】
上述した係止片とロック片の形成について以下に説明する。図示するように容器本体2の正面側の側面壁5における蓋体3の垂れ壁7が対応する領域内での中央部分において、係止片形成部8とその下位にしてロック片形成部9とが設けられている。側面壁5では上端とこの側面壁5の上端に連接されて側面板5の内面側に折り返されている裏打ち板10との間を折り罫11としていて、前記係止片形成部8は、前記折り罫11とこの折り罫11から容器本体下方に向けて凸とされた線形状の切り取り線12とで、この側面壁5の上端に沿った方向に横長の係止片形成領域8aを囲んでなるものであり、前記切り取り線12が分断されれば、折り罫11の位置を折り元として起伏可能となる係止片13が得られるようにしている。
【0024】
上記ロック片形成部9は、上記係止片形成部8の下辺の切り取り線12を境界として上述のように下位に並設されている。そして、前記境界の切り取り線12とこの境界の切り取り線12に連続して側面壁5の上端の長手方向に沿って(即ち、側面壁5の幅方向に)横長の長円状の形状とした切り取り線12とでロック片形成領域9aを囲んでなるものであり、このロック片形成領域9aを囲む前記境界の切り取り線12とこれに連続する切り取り線12とが分断されれば、側面壁5から横長のロック片14が分離できるようになる。
【0025】
上記切り取り線12は、側面壁5の板材を厚さ方向に貫いているカット15とこのカット15の間に位置して切断可能とされたタイ16とがミシン目状に交互に並んでいるものである。係止片13の側面壁5から引き起こしとロック片14の側面壁5からの分離とが容易になるようにするため、切り取りミシン目のごとくカットの長さが短いものではなく、カット15の長さが長く形成されている。さらに、図示されているように係止片形成部8とロック片形成部9との間の境界の切り取り線12にあっては、タイ16が必ず位置しており、このタイ16を介して係止片形成領域8aとロック片形成領域9aとが連続している。
【0026】
境界の切り取り線12における上記タイ16は係止片形成領域8aとロック片形成領域9aとをつないでいるものであり、タイ16でつながれた内のロック片形成部9が蓋体3の正面側の垂れ壁7の内面に貼着されている。そのため、開封に際して蓋体3の正面側の垂れ壁7側から上方に引き上げるようにすることでロック片形成領域9からロック片14が抜け出て、また、後述するように係止片13も側面壁5から引き起こされるようになる。
【0027】
包装容器1の開封に際して蓋体3の正面側の垂れ壁7を上方に引き上げるようにすれば(図示矢印方向)、ロック片形成部9のロック片形成領域9aに引っ張りの力が加わって、まず、境界の切り取り線12以外の周りの切り取り線12が分断し始め、係止片形成領域8aに連続した状態でロック片14が側面壁5から分離し始める。そして、上述したように係止片形成領域8aとロック片形成領域9aとがタイ16を介してつながっていることから、ロック片14の分離に伴って係止片形成領域8aの境界の切り取り線12以外の切り取り線12が分断し始め、係止片13が引き起こされながら境界の切り取り線12でのタイ16が切断して、この係止片13とロック片14とが分離するように設けられている。
【0028】
このようにロック片14の側面壁5からの分離が起き、それに伴って係止片13が引き起こされ、その後に境界の切り取り線12での分断が生じるようにするために、境界の切り取り線12におけるタイ16の長さが、他の部分の切り取り線12でのタイ16の長さより長くしたり、或いは境界の切り取り線12でのタイ16の数を多くするなどしており、この境界の切り取り線12の分断に要する力が他の切り取り線12での分断力より大きく、かつ、係止片13が引き起こされた時には係止片13とロック片14との間が蓋体3の開封操作に支障をきたさない範囲で分断できるように設定されている。
【0029】
以上のようにして係止片13が引き起こされ、また、蓋体3の正面側の垂れ壁7の内面にロック片14が貼着された状態となれば、蓋体3を閉じることで前記ロック片14の上端が係止片13に係合するようになり、蓋体3の閉時の浮き上がりが防止される。再び蓋体3を開く場合には同様の操作で正面側の垂れ壁7を上方に引き上げるようにすればよく、係止片13が上方に向けて回動するなどしてロック片14との係合が切れれば、簡単に蓋体3を開くことができる。
【0030】
この包装容器1において容器本体2の四方の側面壁5それぞれはその上端に裏打ち板10が連接されて容器内方に折り返されて側面壁5の内面に貼着されている。なお、正面側の側面壁5の内面に折り返される裏打ち板10は、上述した係止片13の引き起こしとロック片14の分離が行なえるようにするため、係止片形成部8とロック片形成部9とに対して非貼着にし、この係止片形成部8とロック片形成部9との周りで側面壁5の内面に貼着されており、係止片13が引き起こされることで形成される開口や、ロック片14が抜けたことにより形成される開口を閉じて、容器本体の収納物がこれらの開口からこぼれ出ないようにしている。
【0031】
上記実施の例においては係止片形成部8での側面壁幅方向での長さがロック片形成部9の側面壁幅方向での長さより短く形成されているが、図4に示すように、係止片形成部8の同方向での長さをロック片形成部9より長く形成することも可能である。
【0032】
また、ロック片形成領域9aに側面壁幅方向に沿って半切れ線17を外方から入れてその半切れ線17から下方のロック片形成領域9aを蓋体3の垂れ壁7に貼着してもよく、この場合には、図示するように開封に際してロック片14が中折れしながら係止片13を引き起こすようになり、境界の切り取り線12の分断力に要する力を大きなものとしなくとも係止片部分の引き起こしが可能となることから、境界の切り取り線12のタイ16に対する分断力の調整代が大きく得られる利点がある。
【0033】
図において、裏打ち板10にはロック片形成部9に対応する部分に、このロック片形成部9より広い領域にして容器内方に向けて凸となるようにエンボス加工を施してなる凹陥部18が設けられている。図示するように前記凹陥部18の上縁は、係止片形成部8の下辺に対応する位置、或いはその係止片形成部8の下辺の位置よりやや上方側の近傍に対応する位置としていて、蓋体3を閉じて正面側の垂れ壁7のロック片14を、このロック片14が抜け出たロック片形成部9に形成された孔部分から凹陥部18側へ押し込みでき、裏打ち板10に重なる前記係止片13の下縁の微細な潰れやロック片14が貼着された垂れ壁7側の変形が可能となり、ロック片14が入り込み易くなって係止片13に対する係止が簡単にして確実に係止させることができる(図7)。
【符号の説明】
【0034】
1…包装容器
2…容器本体
3…蓋体
4…開口部
5…側面壁
7…垂れ壁
8…係止片形成部
9…ロック片形成部
10…裏打ち板
11…折り罫
12…切り取り線
13…係止片
14…ロック片
15…カット
16…タイ
17…半切れ線
18…凹陥部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面を開口部としたブロック状の容器本体と、前記容器本体の一側面壁にヒンジ部を介して連結されて前記開口部を開閉可能に覆う蓋体とからなり、前記蓋体は、周囲に容器本体の側面壁の上部外面に対応する垂れ壁とを有している包装容器において、
前記ヒンジ部が位置する側面壁とは反対側の側面壁における前記蓋体の垂れ壁が対応する領域内に、
折り罫とこの折り罫から容器本体下方に向けて凸とされた切り取り線とで係止片形成領域が囲まれていて、前記切り取り線の分断により折り罫位置を折り元とする係止片が起伏可能に形成される係止片形成部と、
前記係止片形成部の下辺の切り取り線を境界として係止片形成部の下部に並設され、前記境界の切り取り線とこの境界の切り取り線に連続する切り取り線とでロック片形成領域が囲まれていて、ロック片形成領域を囲む切り取り線の分断により側面壁からロック片が分離可能に形成されるロック片形成部とが設けられ、
前記蓋体のヒンジ部とは反対側の垂れ壁に前記ロック片形成部が貼着されており、蓋体の開きによって側面壁から分離する前記ロック片に伴って係止片が引き起こされ、前記境界の切り取り線での分断によりロック片と係止片とが分離して前記ロック片に係止可能な係止片が形成される構成としていることを特徴とする包装容器。
【請求項2】
上記切り取り線は側面壁を厚さ方向に貫いているカットとカット間に位置して切断可能とされたタイとがミシン目状に交互に並んでなり、上記境界の切り取り線におけるタイを介して係止片形成領域とロック片形成領域とが連続している請求項1に記載の包装容器。
【請求項3】
側面壁の上端に折り罫を介して連接された裏打ち板が、前記側面壁の内面に折り重ねられていて、前記裏打ち板は、上記係止片形成部とロック片形成部とに対して非貼着にしてこの係止片形成部とロック片形成部との周りで側面壁に貼着されている請求項1または2に記載の包装容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−197090(P2012−197090A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−61145(P2011−61145)
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】