包装容器
【課題】容器本体に対する蓋体の着脱を容易にし、かつ蓋体を開いた状態で安定して保持できる。
【解決手段】蓋体2のプレート部22を、容器本体1の突状部11、11の間の狭窄部12に嵌合させて、容器本体1への着脱を容易にする。蓋体2にヒンジ部21を設けて、蓋体の開閉を自在にする。蓋体2が回動すると、容器本体1の突起部11に当接し、さらにこの蓋体が後方に倒れ始めると、プレート部22はこの蓋体に引っ張り上げられて狭窄部12の狭巾部分に接触し、この接触点を挟んで上方に撓む。プレート部22が撓む弾性力によって、このプレート部が狭窄部12に接触する衝撃力を緩和して、このプレート部が狭窄部12から外れたり、過度に後方に倒れたりすることを防止できる。このプレート部22の表面には複数の凸部が設けられており、このプレート部の剛性をバランスよく調整している。
【解決手段】蓋体2のプレート部22を、容器本体1の突状部11、11の間の狭窄部12に嵌合させて、容器本体1への着脱を容易にする。蓋体2にヒンジ部21を設けて、蓋体の開閉を自在にする。蓋体2が回動すると、容器本体1の突起部11に当接し、さらにこの蓋体が後方に倒れ始めると、プレート部22はこの蓋体に引っ張り上げられて狭窄部12の狭巾部分に接触し、この接触点を挟んで上方に撓む。プレート部22が撓む弾性力によって、このプレート部が狭窄部12に接触する衝撃力を緩和して、このプレート部が狭窄部12から外れたり、過度に後方に倒れたりすることを防止できる。このプレート部22の表面には複数の凸部が設けられており、このプレート部の剛性をバランスよく調整している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
例えばスーパーマーケットで容器内に収納された惣菜を購入するときに、買物客が自ら蓋を開閉する包装容器に関する。
【背景技術】
【0002】
スーパーマーケットやデパート等の食料品売り場は、焼き鳥や天ぷら等の惣菜を包装容器に並べて販売するコーナーを設け、買物客が自ら手軽に惣菜を取り出して購入できるようにしている。これらの販売コーナーは、パック詰めされた商品の陳列棚とは異なり、女性や老人等の背の低い買物客でも惣菜を無理なく取り出せるように低い位置に設けられている。したがってこのような販売コーナーの周辺は、人の往来によって塵埃が舞い易いばかりでなく、買物客から飛び散る唾液や黴菌等が食品に混入する恐れがある。
【0003】
このためこれらの包装容器に中身が見える透明な蓋を別途設け、塵埃等から惣菜を保護している。しかしこの場合、例えば買物客は籠を持ちながら片手で蓋を取り外し、さえ箸やトングで惣菜を取出して再度蓋を閉じ、別の袋や容器に入れなければならない。ところが再び蓋を閉める作業は、買物客にとって非常に煩わしく、蓋を取り外したまま立ち去ってしまう者も多い。また蓋を取り外すことなく開閉できる蓋付き包装容器であっても、開いた勢いで蓋が容器本体から外れしまうこともあり、買物客は蓋の開閉に注意する必要があった。
【0004】
このような買物客が蓋を開閉して惣菜等の食品を取り易くするために、容器本体と蓋体との端部にそれぞれ設けた凹部と凸部とを嵌合し、この端部を軸として蓋体を開閉する包装容器(特許文献1参照。)が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3093200号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら上述した従来における蓋付きの包装容器には、次の改良すべき課題がある。すなわち特許文献1に記載の容器では、上記凸部の差込みが弱いと、上記蓋体の開閉を繰り返すうちに、この凸部が凹部から抜けてこの蓋体が容器本体から外れてしまう。一方上記凸部の差込みが強すぎると、例えば蓋体を取り外すときに、この凸部を抜き取ろうと容器本体の端部を押さえて蓋体のフランジを引っ張るため、破損してしまうこともある。
【0007】
また蓋体側に設けた凸部を容器本体側に設けた凹部に差し込むと、蓋体の端部と容器本体の端部とが密着した状態となる。この状態において上記蓋体を開くと、この蓋体の側壁が上記容器本体の端部から突設した台に衝突して跳ね返り、その反動でこの蓋体が戻ってきて閉じてしまう。
【0008】
そこで本発明の第1の目的は、蓋体を容器本体に手軽に取り付けたりこの容器本体から取り外したりすることができ、かつ蓋体の開閉を繰り返しても容器本体から外れ難い包装容器を提供することにある。また本発明の第2の目的は、蓋体を容易に開閉でき、かつ開いた状態を保持できる包装容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明による包装容器の特徴は、容器本体側の狭窄部に蓋体側のプレート部を嵌合させることによって、容器本体に蓋体を容易に取り付けたり取り外したりすることができると共に、この容器本体から外れ難くし、さらにこのプレート部の弾性及び剛性を利用してこの蓋体が開いた状態を保持できることにある。
【0010】
すなわち、本発明による包装容器は、熱可塑性樹脂製の容器本体と蓋体とを備えている。上記容器本体の周縁部には容器フランジ部が設けてあって、この容器フランジ部の一辺には、上方に突出する複数の突状部がこの一辺の長手方向に沿って所定の間隔をもって設けられていると共に、相互に隣接するこの突状部の間には狭窄部が形成されている。上記狭窄部には、底面より上方位置において、巾が狭い狭巾部分が形成してある。上記蓋体の周縁部には、上記容器フランジ部に重なる蓋フランジ部が設けてあって、この蓋フランジ部の一辺には、長手方向に沿って設けられたヒンジ部と、この一辺から外方に突設された複数のプレート部とを有する。上記プレート部には、その根元部分に位置する嵌合部と、その先端部分に位置する幅広の張り出し部とが形成してある。上記プレート部の嵌合部は、上記狭窄部の底面と上記狭巾部分との間において、この狭窄部に嵌合される。上記蓋体は、上記ヒンジ部を中心軸として回動し、さらにこの蓋体の側壁が上記突状部に当接する。
【0011】
ここで上記蓋体の動作と上記プレート部の機能とを説明する。すなわち上記蓋体を開けると、この蓋体は上記ヒンジ部を支点として回動し、この蓋体の側壁が上記突状部に当接する。上記蓋体の側壁が上記突状部に当接した後は、この当接した位置を支点として、この蓋体が自重によってさらに後方に倒れようと回動して、複数の上記プレート部を根元部分から上方に引っ張り上げる。複数の上記プレート部の根元部分が上方に引っ張り上げられると、このプレート部の嵌合部が、上記狭窄部の底面と上記狭巾部分との間において嵌合される位置で拘束される。上記プレート部の嵌合部が上記狭窄部の底面と上記狭巾部分との間において拘束された後は、このプレート部が上記狭巾部分と接触する位置を支点として上方に撓み、上記蓋体が自重によって後方に倒れようと回動する力と、このプレート部の撓み反力とが釣り合った点において、この蓋体の回動が停止する。
【0012】
さて上記蓋体が回動すると、上述したように、この蓋体によってプレート部の根元部分が引っ張り上げられて、このプレート部の嵌合部が上記狭窄部の底面と上記狭巾部分との間において嵌合される位置で拘束される。したがって上記プレート部の幅方向の剛性が低いと、このプレート部の嵌合部が上記狭窄部の底面と上記狭巾部分との間において拘束されたときに、この嵌合部が幅方向に反ってしまい、この嵌合部の幅が狭まって上記狭窄部から外れる場合もあり得る。また上記プレート部の長手方向の剛性が低いと、この蓋体の側壁が上記突状部に当接した後も、このプレート部が長手方向に撓み過ぎて、この蓋体が後方に倒れてしまう場合もあり得る。そこで上記プレート部の表面または裏面には、剛性を高める凸部を設けることが望ましい。これによりプレート部を幅方向に反り難く、かつ長手方向に撓み難くすることができる。
【0013】
またプレート部の剛性を高めすぎると、このプレート部の嵌合部が幅方向に反らないため上記狭窄部に取り付けたり取り外したりし難いばかりでなく、このプレート部が長手方向に撓み難いため、上記蓋体に上記プレート部の根元部分が引っ張り上げられたときに、上記狭巾部分と接触するときの衝撃力が吸収されないので、このプレート部が上記狭窄部から外れてしまったり、あるいはこのプレート部が元の平らな形状に戻ろうとする復元力により上記蓋体が閉じてしまったりすることもあり得る。そこで上記プレート部の表面または裏面には、分割した複数個の凸部を設けられていることが望ましい。これによりプレート部の表面または裏面に凸部がある部分とない部分とを設け、このプレート部の剛性を調整することができる。
【0014】
ところで上記蓋体が自重によってさらに後方に倒れようとして回動すると、上述したように、このプレート部の根元部分が上方向に引っ張り上げられるため、このプレート部が斜めに傾き、上記先端部分が上記容器フランジ部の一辺に接触する。したがって上記狭巾部分と接触する位置を支点にして、上記根元部分が上方に撓むと共に、上記先端部分も上記容器フランジ部の一辺から反力を受けて上方に撓む。そこで上記凸部は、上記根元部分から先端部分にわたって設けられていることが望ましい。これにより上記プレート部の根元部分の側及び先端部分の側の双方の剛性を高め、このプレート部が撓み過ぎないようにすることができる。
【0015】
一方プレート部は、その長手方向の剛性が高すぎると、上方に撓み難くなる。このため上記蓋体を開ける力が強すぎると、上記プレート部がこの上記狭巾部分と接触するときの衝撃力を吸収できず、このプレート部が上記狭窄部から外れてしまう場合が生じる。また上記プレート部が撓んだとしても、このプレート部の復元力が強く、上記蓋体が閉じてしまう場合も生じる。そこで上記複数個の凸部は、上記プレート部が上記狭巾部分と接触する位置を挟んで上記根元部分の側と上記先端部分の側との両方にそれぞれ別々に設けられていることが望ましい。これにより上記プレート部は、それぞれ別々に設けられた凸部の間が撓み易くなるため、このプレート部が上記狭巾部分と接触するときの衝撃力を吸収して、このプレート部が上記狭窄部から外れてしまうことを防止することができると共に、このプレート部の復元力を弱くして上記蓋体が閉じることを防止することができる。
【0016】
また上記プレート部に設けた複数個の凸部は、それぞれ形状や寸法が不揃いであったり、この凸部同士の間隔がそれぞれ相違したりしていてもよい。しかしかかる場合には、上記プレート部の剛性が場所によって不均一になって無用な捻りや撓みが生じ、このプレート部が狭窄部から外れ易くなる。そこで上記複数個の凸部は、それぞれ実質的に同一形状及び同一寸法であることが望ましい。さらに上記複数個の凸部は、それぞれ等間隔に配列されていることがより望ましい。これにより上記プレート部は、このプレート部の幅方向及び長手方向の剛性を、均一に高めることができる。
【0017】
ところで上記蓋体を回動して開けると、この蓋体の側壁が上記突状部に当接する。かかる場合において、上記突状部を設けた容器フランジ部の回動方向の剛性が低いと、この容器フランジ部も下方に撓む。すなわち上記蓋体は、上述したように、この蓋体の側壁が上記突状部に当接する点を支点として、この蓋体が自重によって後方に倒れようと回動する力と、上記プレート部の撓み反力とが釣り合った点において、この蓋体の回動が停止する。したがって上記突状部を設けた容器フランジ部の回動方向の剛性が低いと、この容器フランジ部が下方に撓み易くなって、過度に蓋体が後方に倒れてしまい、この蓋体が閉じ難くなる。そこで上記狭窄部の底面には、上記容器フランジ部の一辺の長手方向と直交する方向に凹凸部が設けられていることが望ましい。これにより過度に蓋体が後方に倒れてしまい、この蓋体が閉じ難くなることを防止できる。
【0018】
ここで「熱可塑性樹脂」とは、例えばポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、あるいはポリ乳酸樹脂等の生分解性樹脂等が該当する。
【0019】
「複数の突状部」とは、3個以上あればよく、好ましくは4〜6個がよい。「所定の間隔をもって設けられ」には、上記複数の突状部を、相互に同一の間隔で設ける場合に限らず、異なる間隔で設ける場合も含む。「狭窄部」とは、上記容器フランジ部の一辺をこの狭窄部の底面とし、この底面と、相互に隣接する上記突状部の相対する面と面と、これらの面の一部分において面同士の巾が狭くなっている部分とで形成されたものを意味する。上記狭窄部の「狭巾部分」とは、この狭窄部の底面より上方位置において上記相対する面と面との一部分からそれぞれ並行に突出した突起によって形成されたものに限らず、この狭窄部の底面からこの底面の上方位置にかけて内側に傾斜しているものも該当する。
【0020】
「ヒンジ部」とは、蓋フランジ部の一辺に長手方向に沿って裂け目を入れてスリット状にしているものや、ミシン目を入れて自由に折れ曲がる状態にしているものを意味する。「プレート部」には、その根元部分に位置する嵌合部と、その先端部分に位置する幅広の張り出し部とが形成されているものに限らず、その中間部分に幅が細い括れ部が形成されているものも含まれる。この場合、このプレート部の括れ部が、上記狭窄部の底面と上記狭巾部分との間において、この狭窄部に嵌合され拘束される。
【0021】
「凸部」とは、1個でも複数個でもよい。複数個の場合は、プレート部の幅方向に複数個配置する場合、プレート部の長手方向に複数個配置する場合、あるいはプレート部の幅方向と長手方向との双方に複数個配置する場合を含む。「凸部」の上面形状は、正方形等の矩形に限らず、菱型等の多角形、円形や楕円形、又は十字型や星型等の形状も含む。また「凸部」の断面形状は、上面が底面よりも狭い台形、または矩形に限らず、三角形、若しくは半円形、半楕円形、またはドーム型も含む。「凸部」の断面形状が、上面が底面よりも狭い台形の場合、側面の内角は10°〜45°が望ましく、上面と底面との辺長の比は1:2(側面の内角は45°)がより望ましい。
【0022】
「それぞれ実質的に同一形状及び同一寸法」とは、上記凸部の上面形状及び断面形状が同一であることを意味し、射出法や真空法等による成形上の誤差を有する凸部も該当する。
【発明の効果】
【0023】
本発明による包装容器は、容器フランジ部の一辺に設けられた相互に隣接する突状部の間の狭窄部に、蓋フランジ部の一辺から外方に突設された複数のプレート部を上から指で押し込むだけで容易に嵌合でき、かつこのプレート部を捩じれば片手でもこの狭窄部から取り外しできるため、蓋体を付け外しして食品を容器本体に入れる作業員の負担を軽減できる。また上記蓋体が回動して上記プレート部が引っ張り上げられても、上記狭窄部の狭巾部分及びこのプレート部の張り出し部が係止手段となるため、このプレート部が上記狭窄部から抜けることを防止し、買物客はこの蓋体のヒンジ部を中心軸として繰り返し容易にこの蓋体を開閉することができる。したがって買物客は、蓋体のことを気にせず容器本体から安心して食品を取り出すことができる。
【0024】
さらに上記プレート部の表面または裏面に凸部が設けられることにより、このプレート部の剛性が高まり、このプレート部が捩じられても上記狭窄部から外れ難くなるばかりでなく、上記蓋体が回動して後方に傾いても撓み難く、上記蓋体が開いた状態を安定して保持することができる。したがって上記蓋体を薄型に成形して上記プレート部が薄肉になっても、このプレート部は上記蓋体の荷重を受けて撓み過ぎずにこの荷重を吸収することができる。
【0025】
また上記プレート部の表面または裏面に複数個の凸部が設けられることにより、プレート部の剛性を調整して、このプレート部は上記狭窄部に嵌合しやすく、かつ上記蓋体の回動に伴ってこのプレート部の長手方向に撓み易くすることができる。したがって小型の包装容器であっても、プレート部の根元部分が破損せずに容器本体に対して付け外しを行うことができるばかりでなく、この包装容器の軽量な蓋体がプレート部の復元力によって閉じてしまうことを防止することができる。
【0026】
上記凸部は、上記根元部分から先端部分にわたって設けられていることにより、上記プレート部の根元部分の側及び先端部分の側の両方で剛性を高くすることができ、このプレート部が撓み過ぎることを防止することができる。したがって買物客が上記蓋体を勢いよく開けたとしても、プレート部が狭窄部から外れることを防止でき、さらにはこの蓋体が過度に後方に倒れることを防止できる。
【0027】
また上記複数の凸部を、上記プレート部が上記狭窄部と嵌合する位置を挟んで上記根元部分の側と上記先端部分の側との両方にそれぞれ別々に設けることにより、凸部の間が撓み易くなるため、このプレート部の長手方向の剛性が、過度に高くなることを回避できる。したがって上記狭窄部の狭巾部分と接触するときの衝撃力を吸収し易くして、このプレート部が狭窄部から外れてしまうことを防止することができると共に、このプレート部の復元力を弱くして上記蓋体が閉じることを防止することができる。したがって買物客が上記蓋体を勢いよく開けたとしても、上記プレート部が上記狭窄部から外れず、この蓋体を開いた状態に保持することできる。
【0028】
上記複数の凸部は、それぞれ実質的に同一形状及び同一寸法であり、さらに等間隔に配列されていることにより、上記プレート部の幅方向及び長手方向の剛性をバランスよく高めることができる。したがって、上記プレート部が上記狭窄部から容易に外れないばかりでなく、上記蓋体が倒れすぎず、かつ蓋体を勢いよく開けたとしてもこのプレート部が狭窄部から外れてしまったりこの蓋体の側壁部が上記突状部に衝突して跳ね返って蓋体が閉じたりすることなく、この蓋体が開いた状態をさらに安定して保持することができる。
【0029】
上記狭窄部の底面には、上記容器フランジ部の一辺の長手方向と直交する方向に凹凸部が設けられていることにより、この容器フランジ部の回動方向の剛性を高めて過度に蓋体が後方に倒れず、蓋体を閉じ難くなることを防止することができる。したがって上記容器本体を薄型に成形して上記容器フランジ部が薄肉になっても、この容器フランジ部は上記蓋体の荷重を受けて下方に撓り過ぎないばかりでなく、上記蓋体の付け外しによってこの容器フランジ部の変形や破損を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】容器本体の上面図である。
【図2】蓋体の上面図である。
【図3】包装容器の上面図及び側面図である。
【図4】包装容器の一部拡大上面図である。
【図5】包装容器の一部拡大断面図である。
【図6】包装容器の側面の一部拡大断面図である。
【図7】プレート部に加わる力を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下図1〜5を参照しつつ、本発明による包装容器の構成とこの包装容器の各部分の構造を説明する。
【0032】
図1〜3に示すように、この包装容器は、それぞれポリスチレン系樹脂製のシートからなり矩形の底が深めの容器本体1と、この容器本体の周縁部の一辺を軸として把持部から開く透明な蓋体2とを備えている。なおこの包装容器においては、R5〜R10程度の丸みが各角に設けられている。蓋体2の蓋フランジ部の周縁には、指を切らないようにカット防止手段が設けられている。
【0033】
容器本体1の周縁部には、この周縁部に連なる水平な容器フランジ部が設けてある。上記容器フランジ部の一辺で奥行きのある平坦な後部容器フランジ部F1には、上方に突出する4個の突状部11が、この後部容器フランジ部の長手方向に沿ってプレート部22の嵌合部22aの幅と同等の間隔をもって設けられている。さらに、相互に隣接する突状部11、11の間には狭窄部12が形成されている。また狭窄部12の底面には、後部容器フランジ部F1の長手方向と直交する方向に、この後部容器フランジ部の外側の端部から内側の端部に至って凹凸部13が設けられている。なお突状部11には、側面の断面形状において段差を持たせ、これによりこの突状部の強度が高められている。
【0034】
蓋体2の周縁部には、この周縁部に連なり上記容器フランジ部に重なる水平な蓋フランジ部が設けてある。上記蓋フランジ部で、後部容器フランジ部F1と同じ側の後部蓋フランジ部F2には、長手方向に沿って裂け目を入れてスリット状にしたヒンジ部21と、さらにこの後部蓋フランジ部から外方に突設された3個のプレート部22とを有する。なお蓋体2の周縁部からやや内側に傾斜した蓋体2の側壁で、後部蓋フランジ部F2に連なる後部蓋体側壁23には、表面から突出する後部蓋体側壁突出部23aが設けられ、これによりこの側壁の強度が高められている。
【0035】
したがって容器本体1の収容部を蓋体2で閉じるときは、上記容器フランジ部と上記蓋フランジ部とを重ね、かつこの蓋体のプレート部22の嵌合部22aを狭窄部12に嵌合する。容器本体1の収容部から食品を取り出すために蓋体2を開けるときは、この蓋体の把持部を持ち上げると、この蓋体がヒンジ部21を中心軸として回動する。そして蓋体2は回動して後方に傾き、後部蓋体側壁突出部23aが突状部11に当接して開いた状態を保持する。すなわち、蓋体2が自重によって後方に倒れようと回動する力と、プレート部22の撓み反力とが釣り合った状態となっている。狭窄部12の底面に設けられた凹凸部13により、後部容器フランジ部F1の回動方向の剛性が高められているため、過度に蓋体2が後方に倒れることもなく、蓋体2を容易に閉じることができる。また狭窄部12に対してプレート部22を付け外ししても、後部容器フランジ部F1が変形したり破損したりすることもない。
【0036】
なお後部容器フランジ部F1以外の容器フランジ部分と後部蓋フランジ部F2以外の蓋フランジ部分には、それぞれ凸状部又は凹状部のいずれかが設けられ、この凸状部と凹状部とが嵌合して重なりあって、容器本体1の収容部を蓋体2で閉じる構造になっている。容器本体1の周縁部からやや内側に傾斜した容器本体の側壁で、後部容器フランジ部F1に連なる後部容器本体側壁には、この後部容器本体側壁の傾斜より、内側から外側に緩やかに傾斜して突出した膨らみ部が設けられ、これによりこの側壁の強度が高められている。容器本体1の収容部の底面には、複数の凸状構造が設けられ、これにより食品が滑ったり転がったりするのを防止するばかりでなく、食品から出る油や汁をこの凸状構造の溝部分に溜めてこの食品の品質を保持することができる。
【0037】
図4に、図3の点線部Xの拡大図を示す。また図5に、図4に示す拡大図の断面A−Aを示す。狭窄部12には、底面12aより上方位置において、プレート部22の嵌合部22aより巾が狭い狭巾部分12bが形成されている。プレート部22には、このプレート部の根元部分22cに位置する嵌合部22aと、その先端部分22dに位置する湾曲状に幅広の張り出し部22bとが形成されている。
【0038】
したがってプレート部22を狭窄部12に嵌合するときは、このプレート部22の嵌合部22aを、狭窄部12の狭巾部分12bに上から指で押付ける。そうするとプレート部22の弾性により、このプレート部の幅方向に上方に反り、嵌合部22aの幅が狭まるため、この嵌合部が狭窄部12に嵌合される。これにより蓋体2が回動してプレート部22が引っ張り上げられても、狭巾部分12bと張り出し部22bとが係止手段となってこのプレート部が狭窄部12から抜けることを防止することができる。すなわち嵌合部22aが、狭窄部12の底面と狭巾部分12bとの間において嵌合される位置で拘束される。またプレート部22を狭窄部12から取り外すときは、このプレート部の嵌合部22aを捩じったり張り出し部22bを摘んだりしてこの嵌合部の幅を狭くすれば、片手でも容易に取り外すことができる。
【0039】
プレート部22の表面には、プレート部22の根元部分22cから先端部分22dにわたって、上面形状が正方形、かつ断面形状が上面と底面との辺長の比が1:2(側面の内角は45°)の台形からなる複数の凸部24が、縦横3個ずつ等間隔に配列されている。また複数の凸部24は、蓋体2が回動してプレート部22が引っ張り上げられたときに、このプレート部が狭巾部分12bと接触する接触位置T、Tを挟んで、プレート部22の根元部分22cの側に3個、先端部分22dの側に6個、それぞれ別々に設けられている。
【0040】
したがって上述したような複数の凸部24により、プレート部22の幅方向及び長手方向の剛性をバランスよく高めることができる。すなわち蓋体2が回動してプレート部22の嵌合部22aが狭窄部12の底面12aと狭巾部分12bとの間に嵌合される位置で拘束されても、この嵌合部が幅方向に反らずにこのプレート部がこの狭窄部から容易に外れない。また蓋体2が回動して自重によってさらに後方に倒れようとしも、プレート部22は長手方向に撓み過ぎないため、この蓋体は後方に倒れすぎない。さらに蓋体2を力強く勢いをつけて開けたとしても、プレート部22が狭窄部12から外れてしまったり、この蓋体の後部蓋体側壁突出部23aが突状部11に衝突して跳ね返って閉じたりすることなく、この蓋体が開いた状態をさらに安定して保持することができる。なお作業員にとっては、複数の凸部24が滑り止めになってプレート部22を付け外しし易いという効果も発揮する。
【0041】
次に、図6及び7を参照しつつ、この包装容器の蓋体2が開閉されるときの蓋体2の動作とプレート部22の機能を説明する。ここで図6は、蓋体2が開閉される前後における包装容器の断面形状を示している。図7は、蓋体2が開いた状態を保持している時にプレート部22に加わる力をそれぞれ示している。
【0042】
図6に示すとおり、蓋体2が閉じているときは、プレート部22は後部容器フランジ部F1に近接している。蓋体2が開き始めると、この蓋体はヒンジ部21を支点として回動し、この蓋体の後部蓋体側壁突出部23aが突状部11の外側の縁に当接する。この後、蓋体2は突状部11と当接した外側の縁を支点として、この蓋体の自重によりさらに後方に倒れようと回動する。このとき蓋体2は、プレート部22の根元部分22cからこのプレート部を上方に引っ張り上げる。そうするとプレート部22が、狭窄部の底面と狭巾部分12bとの間において嵌合される位置で拘束されると共に、このプレート部が斜めに傾いて先端部分22dが後部容器フランジ部F1に接触する。
【0043】
図7に示すとおり、プレート部22は、接触位置Tにおいて狭巾部分12bと接触する。このときプレート部22には、狭巾部分12bから反力を受けて下向きの力Xがかかっている。上述したように、複数の凸部24は、接触位置Tを挟んで、プレート部22の根元部分22cの側と先端部分22dの側とにそれぞれ別々に設けられている。このため接触位置Tにおけるプレート部22の剛性は高すぎず、このプレート部が狭巾部分12bと接触するときの衝撃力を吸収し、このプレート部が狭窄部から外れてしまうことを防止する。さらに接触位置Tにおいては、プレート部の復元力が弱いため、蓋体2が不意に閉じてしまうことも防止している。
【0044】
また上述したように、蓋体2が自重によりさらに後方に傾くと、プレート部22と狭巾部分12bとが接触する接触位置Tを支点にして、このプレート部の根元部分22cがこの蓋体に引っ張り上げられる。このときヒンジ部21とプレート部22とが連接するところに上向きの力Yがかかっている。このためプレート部22の根元部分22cが上方に撓むが、この根元部分の側には3個の凸部24が設けられているため剛性が高く、この根元部分の側のプレート部が撓み過ぎないようにしている。一方先端部分22dには、後部容器フランジ部F1から反力を受けて上向きの力Zがかかっている。このためプレート部22で、接触位置Tを挟んで先端部分22dの側は、この接触位置を支点にして上方に撓むが、この先端部分の側には6個の凸部24が設けられているため剛性が高く、この先端部分の側のプレート部が撓み過ぎないようにしている。
【0045】
したがって蓋体2は、プレート部22が狭巾部分12bと接触する位置を支点として撓み、この蓋体が自重により後方に倒れようと回動する力と、このプレート部の撓み反力とが釣り合った点において、この蓋体の回動が停止する。
【0046】
なお本実施形態における包装容器の寸法に限定はなく、例えば焼き鳥を数十本陳列できる普通サイズのもの、大きなデコレーションケーキを収納できる大型サイズのもの、及び試食品を入れておく小さなサイズのもののいずれも該当する。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明における包装容器は、食品を衛星的に管理するため、荷物を持っている買物客が蓋体を容易に開閉できると共に、容器本体に対して蓋体を容易に付け外しできるため作業員の負担を軽減できるので、食品販売に関する産業に広く利用可能である。
【符号の説明】
【0048】
1 容器本体
11 突状部
12 狭窄部
12a 底面
12b 狭巾部分
2 蓋体
21 ヒンジ部
22 プレート部
22a 嵌合部
22b 張り出し部
22c 根元部分
22d 先端部分
23 後部蓋体側壁
24 凸部
F1 後部容器フランジ部
F2 後部蓋フランジ部
【技術分野】
【0001】
例えばスーパーマーケットで容器内に収納された惣菜を購入するときに、買物客が自ら蓋を開閉する包装容器に関する。
【背景技術】
【0002】
スーパーマーケットやデパート等の食料品売り場は、焼き鳥や天ぷら等の惣菜を包装容器に並べて販売するコーナーを設け、買物客が自ら手軽に惣菜を取り出して購入できるようにしている。これらの販売コーナーは、パック詰めされた商品の陳列棚とは異なり、女性や老人等の背の低い買物客でも惣菜を無理なく取り出せるように低い位置に設けられている。したがってこのような販売コーナーの周辺は、人の往来によって塵埃が舞い易いばかりでなく、買物客から飛び散る唾液や黴菌等が食品に混入する恐れがある。
【0003】
このためこれらの包装容器に中身が見える透明な蓋を別途設け、塵埃等から惣菜を保護している。しかしこの場合、例えば買物客は籠を持ちながら片手で蓋を取り外し、さえ箸やトングで惣菜を取出して再度蓋を閉じ、別の袋や容器に入れなければならない。ところが再び蓋を閉める作業は、買物客にとって非常に煩わしく、蓋を取り外したまま立ち去ってしまう者も多い。また蓋を取り外すことなく開閉できる蓋付き包装容器であっても、開いた勢いで蓋が容器本体から外れしまうこともあり、買物客は蓋の開閉に注意する必要があった。
【0004】
このような買物客が蓋を開閉して惣菜等の食品を取り易くするために、容器本体と蓋体との端部にそれぞれ設けた凹部と凸部とを嵌合し、この端部を軸として蓋体を開閉する包装容器(特許文献1参照。)が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3093200号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら上述した従来における蓋付きの包装容器には、次の改良すべき課題がある。すなわち特許文献1に記載の容器では、上記凸部の差込みが弱いと、上記蓋体の開閉を繰り返すうちに、この凸部が凹部から抜けてこの蓋体が容器本体から外れてしまう。一方上記凸部の差込みが強すぎると、例えば蓋体を取り外すときに、この凸部を抜き取ろうと容器本体の端部を押さえて蓋体のフランジを引っ張るため、破損してしまうこともある。
【0007】
また蓋体側に設けた凸部を容器本体側に設けた凹部に差し込むと、蓋体の端部と容器本体の端部とが密着した状態となる。この状態において上記蓋体を開くと、この蓋体の側壁が上記容器本体の端部から突設した台に衝突して跳ね返り、その反動でこの蓋体が戻ってきて閉じてしまう。
【0008】
そこで本発明の第1の目的は、蓋体を容器本体に手軽に取り付けたりこの容器本体から取り外したりすることができ、かつ蓋体の開閉を繰り返しても容器本体から外れ難い包装容器を提供することにある。また本発明の第2の目的は、蓋体を容易に開閉でき、かつ開いた状態を保持できる包装容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明による包装容器の特徴は、容器本体側の狭窄部に蓋体側のプレート部を嵌合させることによって、容器本体に蓋体を容易に取り付けたり取り外したりすることができると共に、この容器本体から外れ難くし、さらにこのプレート部の弾性及び剛性を利用してこの蓋体が開いた状態を保持できることにある。
【0010】
すなわち、本発明による包装容器は、熱可塑性樹脂製の容器本体と蓋体とを備えている。上記容器本体の周縁部には容器フランジ部が設けてあって、この容器フランジ部の一辺には、上方に突出する複数の突状部がこの一辺の長手方向に沿って所定の間隔をもって設けられていると共に、相互に隣接するこの突状部の間には狭窄部が形成されている。上記狭窄部には、底面より上方位置において、巾が狭い狭巾部分が形成してある。上記蓋体の周縁部には、上記容器フランジ部に重なる蓋フランジ部が設けてあって、この蓋フランジ部の一辺には、長手方向に沿って設けられたヒンジ部と、この一辺から外方に突設された複数のプレート部とを有する。上記プレート部には、その根元部分に位置する嵌合部と、その先端部分に位置する幅広の張り出し部とが形成してある。上記プレート部の嵌合部は、上記狭窄部の底面と上記狭巾部分との間において、この狭窄部に嵌合される。上記蓋体は、上記ヒンジ部を中心軸として回動し、さらにこの蓋体の側壁が上記突状部に当接する。
【0011】
ここで上記蓋体の動作と上記プレート部の機能とを説明する。すなわち上記蓋体を開けると、この蓋体は上記ヒンジ部を支点として回動し、この蓋体の側壁が上記突状部に当接する。上記蓋体の側壁が上記突状部に当接した後は、この当接した位置を支点として、この蓋体が自重によってさらに後方に倒れようと回動して、複数の上記プレート部を根元部分から上方に引っ張り上げる。複数の上記プレート部の根元部分が上方に引っ張り上げられると、このプレート部の嵌合部が、上記狭窄部の底面と上記狭巾部分との間において嵌合される位置で拘束される。上記プレート部の嵌合部が上記狭窄部の底面と上記狭巾部分との間において拘束された後は、このプレート部が上記狭巾部分と接触する位置を支点として上方に撓み、上記蓋体が自重によって後方に倒れようと回動する力と、このプレート部の撓み反力とが釣り合った点において、この蓋体の回動が停止する。
【0012】
さて上記蓋体が回動すると、上述したように、この蓋体によってプレート部の根元部分が引っ張り上げられて、このプレート部の嵌合部が上記狭窄部の底面と上記狭巾部分との間において嵌合される位置で拘束される。したがって上記プレート部の幅方向の剛性が低いと、このプレート部の嵌合部が上記狭窄部の底面と上記狭巾部分との間において拘束されたときに、この嵌合部が幅方向に反ってしまい、この嵌合部の幅が狭まって上記狭窄部から外れる場合もあり得る。また上記プレート部の長手方向の剛性が低いと、この蓋体の側壁が上記突状部に当接した後も、このプレート部が長手方向に撓み過ぎて、この蓋体が後方に倒れてしまう場合もあり得る。そこで上記プレート部の表面または裏面には、剛性を高める凸部を設けることが望ましい。これによりプレート部を幅方向に反り難く、かつ長手方向に撓み難くすることができる。
【0013】
またプレート部の剛性を高めすぎると、このプレート部の嵌合部が幅方向に反らないため上記狭窄部に取り付けたり取り外したりし難いばかりでなく、このプレート部が長手方向に撓み難いため、上記蓋体に上記プレート部の根元部分が引っ張り上げられたときに、上記狭巾部分と接触するときの衝撃力が吸収されないので、このプレート部が上記狭窄部から外れてしまったり、あるいはこのプレート部が元の平らな形状に戻ろうとする復元力により上記蓋体が閉じてしまったりすることもあり得る。そこで上記プレート部の表面または裏面には、分割した複数個の凸部を設けられていることが望ましい。これによりプレート部の表面または裏面に凸部がある部分とない部分とを設け、このプレート部の剛性を調整することができる。
【0014】
ところで上記蓋体が自重によってさらに後方に倒れようとして回動すると、上述したように、このプレート部の根元部分が上方向に引っ張り上げられるため、このプレート部が斜めに傾き、上記先端部分が上記容器フランジ部の一辺に接触する。したがって上記狭巾部分と接触する位置を支点にして、上記根元部分が上方に撓むと共に、上記先端部分も上記容器フランジ部の一辺から反力を受けて上方に撓む。そこで上記凸部は、上記根元部分から先端部分にわたって設けられていることが望ましい。これにより上記プレート部の根元部分の側及び先端部分の側の双方の剛性を高め、このプレート部が撓み過ぎないようにすることができる。
【0015】
一方プレート部は、その長手方向の剛性が高すぎると、上方に撓み難くなる。このため上記蓋体を開ける力が強すぎると、上記プレート部がこの上記狭巾部分と接触するときの衝撃力を吸収できず、このプレート部が上記狭窄部から外れてしまう場合が生じる。また上記プレート部が撓んだとしても、このプレート部の復元力が強く、上記蓋体が閉じてしまう場合も生じる。そこで上記複数個の凸部は、上記プレート部が上記狭巾部分と接触する位置を挟んで上記根元部分の側と上記先端部分の側との両方にそれぞれ別々に設けられていることが望ましい。これにより上記プレート部は、それぞれ別々に設けられた凸部の間が撓み易くなるため、このプレート部が上記狭巾部分と接触するときの衝撃力を吸収して、このプレート部が上記狭窄部から外れてしまうことを防止することができると共に、このプレート部の復元力を弱くして上記蓋体が閉じることを防止することができる。
【0016】
また上記プレート部に設けた複数個の凸部は、それぞれ形状や寸法が不揃いであったり、この凸部同士の間隔がそれぞれ相違したりしていてもよい。しかしかかる場合には、上記プレート部の剛性が場所によって不均一になって無用な捻りや撓みが生じ、このプレート部が狭窄部から外れ易くなる。そこで上記複数個の凸部は、それぞれ実質的に同一形状及び同一寸法であることが望ましい。さらに上記複数個の凸部は、それぞれ等間隔に配列されていることがより望ましい。これにより上記プレート部は、このプレート部の幅方向及び長手方向の剛性を、均一に高めることができる。
【0017】
ところで上記蓋体を回動して開けると、この蓋体の側壁が上記突状部に当接する。かかる場合において、上記突状部を設けた容器フランジ部の回動方向の剛性が低いと、この容器フランジ部も下方に撓む。すなわち上記蓋体は、上述したように、この蓋体の側壁が上記突状部に当接する点を支点として、この蓋体が自重によって後方に倒れようと回動する力と、上記プレート部の撓み反力とが釣り合った点において、この蓋体の回動が停止する。したがって上記突状部を設けた容器フランジ部の回動方向の剛性が低いと、この容器フランジ部が下方に撓み易くなって、過度に蓋体が後方に倒れてしまい、この蓋体が閉じ難くなる。そこで上記狭窄部の底面には、上記容器フランジ部の一辺の長手方向と直交する方向に凹凸部が設けられていることが望ましい。これにより過度に蓋体が後方に倒れてしまい、この蓋体が閉じ難くなることを防止できる。
【0018】
ここで「熱可塑性樹脂」とは、例えばポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、あるいはポリ乳酸樹脂等の生分解性樹脂等が該当する。
【0019】
「複数の突状部」とは、3個以上あればよく、好ましくは4〜6個がよい。「所定の間隔をもって設けられ」には、上記複数の突状部を、相互に同一の間隔で設ける場合に限らず、異なる間隔で設ける場合も含む。「狭窄部」とは、上記容器フランジ部の一辺をこの狭窄部の底面とし、この底面と、相互に隣接する上記突状部の相対する面と面と、これらの面の一部分において面同士の巾が狭くなっている部分とで形成されたものを意味する。上記狭窄部の「狭巾部分」とは、この狭窄部の底面より上方位置において上記相対する面と面との一部分からそれぞれ並行に突出した突起によって形成されたものに限らず、この狭窄部の底面からこの底面の上方位置にかけて内側に傾斜しているものも該当する。
【0020】
「ヒンジ部」とは、蓋フランジ部の一辺に長手方向に沿って裂け目を入れてスリット状にしているものや、ミシン目を入れて自由に折れ曲がる状態にしているものを意味する。「プレート部」には、その根元部分に位置する嵌合部と、その先端部分に位置する幅広の張り出し部とが形成されているものに限らず、その中間部分に幅が細い括れ部が形成されているものも含まれる。この場合、このプレート部の括れ部が、上記狭窄部の底面と上記狭巾部分との間において、この狭窄部に嵌合され拘束される。
【0021】
「凸部」とは、1個でも複数個でもよい。複数個の場合は、プレート部の幅方向に複数個配置する場合、プレート部の長手方向に複数個配置する場合、あるいはプレート部の幅方向と長手方向との双方に複数個配置する場合を含む。「凸部」の上面形状は、正方形等の矩形に限らず、菱型等の多角形、円形や楕円形、又は十字型や星型等の形状も含む。また「凸部」の断面形状は、上面が底面よりも狭い台形、または矩形に限らず、三角形、若しくは半円形、半楕円形、またはドーム型も含む。「凸部」の断面形状が、上面が底面よりも狭い台形の場合、側面の内角は10°〜45°が望ましく、上面と底面との辺長の比は1:2(側面の内角は45°)がより望ましい。
【0022】
「それぞれ実質的に同一形状及び同一寸法」とは、上記凸部の上面形状及び断面形状が同一であることを意味し、射出法や真空法等による成形上の誤差を有する凸部も該当する。
【発明の効果】
【0023】
本発明による包装容器は、容器フランジ部の一辺に設けられた相互に隣接する突状部の間の狭窄部に、蓋フランジ部の一辺から外方に突設された複数のプレート部を上から指で押し込むだけで容易に嵌合でき、かつこのプレート部を捩じれば片手でもこの狭窄部から取り外しできるため、蓋体を付け外しして食品を容器本体に入れる作業員の負担を軽減できる。また上記蓋体が回動して上記プレート部が引っ張り上げられても、上記狭窄部の狭巾部分及びこのプレート部の張り出し部が係止手段となるため、このプレート部が上記狭窄部から抜けることを防止し、買物客はこの蓋体のヒンジ部を中心軸として繰り返し容易にこの蓋体を開閉することができる。したがって買物客は、蓋体のことを気にせず容器本体から安心して食品を取り出すことができる。
【0024】
さらに上記プレート部の表面または裏面に凸部が設けられることにより、このプレート部の剛性が高まり、このプレート部が捩じられても上記狭窄部から外れ難くなるばかりでなく、上記蓋体が回動して後方に傾いても撓み難く、上記蓋体が開いた状態を安定して保持することができる。したがって上記蓋体を薄型に成形して上記プレート部が薄肉になっても、このプレート部は上記蓋体の荷重を受けて撓み過ぎずにこの荷重を吸収することができる。
【0025】
また上記プレート部の表面または裏面に複数個の凸部が設けられることにより、プレート部の剛性を調整して、このプレート部は上記狭窄部に嵌合しやすく、かつ上記蓋体の回動に伴ってこのプレート部の長手方向に撓み易くすることができる。したがって小型の包装容器であっても、プレート部の根元部分が破損せずに容器本体に対して付け外しを行うことができるばかりでなく、この包装容器の軽量な蓋体がプレート部の復元力によって閉じてしまうことを防止することができる。
【0026】
上記凸部は、上記根元部分から先端部分にわたって設けられていることにより、上記プレート部の根元部分の側及び先端部分の側の両方で剛性を高くすることができ、このプレート部が撓み過ぎることを防止することができる。したがって買物客が上記蓋体を勢いよく開けたとしても、プレート部が狭窄部から外れることを防止でき、さらにはこの蓋体が過度に後方に倒れることを防止できる。
【0027】
また上記複数の凸部を、上記プレート部が上記狭窄部と嵌合する位置を挟んで上記根元部分の側と上記先端部分の側との両方にそれぞれ別々に設けることにより、凸部の間が撓み易くなるため、このプレート部の長手方向の剛性が、過度に高くなることを回避できる。したがって上記狭窄部の狭巾部分と接触するときの衝撃力を吸収し易くして、このプレート部が狭窄部から外れてしまうことを防止することができると共に、このプレート部の復元力を弱くして上記蓋体が閉じることを防止することができる。したがって買物客が上記蓋体を勢いよく開けたとしても、上記プレート部が上記狭窄部から外れず、この蓋体を開いた状態に保持することできる。
【0028】
上記複数の凸部は、それぞれ実質的に同一形状及び同一寸法であり、さらに等間隔に配列されていることにより、上記プレート部の幅方向及び長手方向の剛性をバランスよく高めることができる。したがって、上記プレート部が上記狭窄部から容易に外れないばかりでなく、上記蓋体が倒れすぎず、かつ蓋体を勢いよく開けたとしてもこのプレート部が狭窄部から外れてしまったりこの蓋体の側壁部が上記突状部に衝突して跳ね返って蓋体が閉じたりすることなく、この蓋体が開いた状態をさらに安定して保持することができる。
【0029】
上記狭窄部の底面には、上記容器フランジ部の一辺の長手方向と直交する方向に凹凸部が設けられていることにより、この容器フランジ部の回動方向の剛性を高めて過度に蓋体が後方に倒れず、蓋体を閉じ難くなることを防止することができる。したがって上記容器本体を薄型に成形して上記容器フランジ部が薄肉になっても、この容器フランジ部は上記蓋体の荷重を受けて下方に撓り過ぎないばかりでなく、上記蓋体の付け外しによってこの容器フランジ部の変形や破損を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】容器本体の上面図である。
【図2】蓋体の上面図である。
【図3】包装容器の上面図及び側面図である。
【図4】包装容器の一部拡大上面図である。
【図5】包装容器の一部拡大断面図である。
【図6】包装容器の側面の一部拡大断面図である。
【図7】プレート部に加わる力を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下図1〜5を参照しつつ、本発明による包装容器の構成とこの包装容器の各部分の構造を説明する。
【0032】
図1〜3に示すように、この包装容器は、それぞれポリスチレン系樹脂製のシートからなり矩形の底が深めの容器本体1と、この容器本体の周縁部の一辺を軸として把持部から開く透明な蓋体2とを備えている。なおこの包装容器においては、R5〜R10程度の丸みが各角に設けられている。蓋体2の蓋フランジ部の周縁には、指を切らないようにカット防止手段が設けられている。
【0033】
容器本体1の周縁部には、この周縁部に連なる水平な容器フランジ部が設けてある。上記容器フランジ部の一辺で奥行きのある平坦な後部容器フランジ部F1には、上方に突出する4個の突状部11が、この後部容器フランジ部の長手方向に沿ってプレート部22の嵌合部22aの幅と同等の間隔をもって設けられている。さらに、相互に隣接する突状部11、11の間には狭窄部12が形成されている。また狭窄部12の底面には、後部容器フランジ部F1の長手方向と直交する方向に、この後部容器フランジ部の外側の端部から内側の端部に至って凹凸部13が設けられている。なお突状部11には、側面の断面形状において段差を持たせ、これによりこの突状部の強度が高められている。
【0034】
蓋体2の周縁部には、この周縁部に連なり上記容器フランジ部に重なる水平な蓋フランジ部が設けてある。上記蓋フランジ部で、後部容器フランジ部F1と同じ側の後部蓋フランジ部F2には、長手方向に沿って裂け目を入れてスリット状にしたヒンジ部21と、さらにこの後部蓋フランジ部から外方に突設された3個のプレート部22とを有する。なお蓋体2の周縁部からやや内側に傾斜した蓋体2の側壁で、後部蓋フランジ部F2に連なる後部蓋体側壁23には、表面から突出する後部蓋体側壁突出部23aが設けられ、これによりこの側壁の強度が高められている。
【0035】
したがって容器本体1の収容部を蓋体2で閉じるときは、上記容器フランジ部と上記蓋フランジ部とを重ね、かつこの蓋体のプレート部22の嵌合部22aを狭窄部12に嵌合する。容器本体1の収容部から食品を取り出すために蓋体2を開けるときは、この蓋体の把持部を持ち上げると、この蓋体がヒンジ部21を中心軸として回動する。そして蓋体2は回動して後方に傾き、後部蓋体側壁突出部23aが突状部11に当接して開いた状態を保持する。すなわち、蓋体2が自重によって後方に倒れようと回動する力と、プレート部22の撓み反力とが釣り合った状態となっている。狭窄部12の底面に設けられた凹凸部13により、後部容器フランジ部F1の回動方向の剛性が高められているため、過度に蓋体2が後方に倒れることもなく、蓋体2を容易に閉じることができる。また狭窄部12に対してプレート部22を付け外ししても、後部容器フランジ部F1が変形したり破損したりすることもない。
【0036】
なお後部容器フランジ部F1以外の容器フランジ部分と後部蓋フランジ部F2以外の蓋フランジ部分には、それぞれ凸状部又は凹状部のいずれかが設けられ、この凸状部と凹状部とが嵌合して重なりあって、容器本体1の収容部を蓋体2で閉じる構造になっている。容器本体1の周縁部からやや内側に傾斜した容器本体の側壁で、後部容器フランジ部F1に連なる後部容器本体側壁には、この後部容器本体側壁の傾斜より、内側から外側に緩やかに傾斜して突出した膨らみ部が設けられ、これによりこの側壁の強度が高められている。容器本体1の収容部の底面には、複数の凸状構造が設けられ、これにより食品が滑ったり転がったりするのを防止するばかりでなく、食品から出る油や汁をこの凸状構造の溝部分に溜めてこの食品の品質を保持することができる。
【0037】
図4に、図3の点線部Xの拡大図を示す。また図5に、図4に示す拡大図の断面A−Aを示す。狭窄部12には、底面12aより上方位置において、プレート部22の嵌合部22aより巾が狭い狭巾部分12bが形成されている。プレート部22には、このプレート部の根元部分22cに位置する嵌合部22aと、その先端部分22dに位置する湾曲状に幅広の張り出し部22bとが形成されている。
【0038】
したがってプレート部22を狭窄部12に嵌合するときは、このプレート部22の嵌合部22aを、狭窄部12の狭巾部分12bに上から指で押付ける。そうするとプレート部22の弾性により、このプレート部の幅方向に上方に反り、嵌合部22aの幅が狭まるため、この嵌合部が狭窄部12に嵌合される。これにより蓋体2が回動してプレート部22が引っ張り上げられても、狭巾部分12bと張り出し部22bとが係止手段となってこのプレート部が狭窄部12から抜けることを防止することができる。すなわち嵌合部22aが、狭窄部12の底面と狭巾部分12bとの間において嵌合される位置で拘束される。またプレート部22を狭窄部12から取り外すときは、このプレート部の嵌合部22aを捩じったり張り出し部22bを摘んだりしてこの嵌合部の幅を狭くすれば、片手でも容易に取り外すことができる。
【0039】
プレート部22の表面には、プレート部22の根元部分22cから先端部分22dにわたって、上面形状が正方形、かつ断面形状が上面と底面との辺長の比が1:2(側面の内角は45°)の台形からなる複数の凸部24が、縦横3個ずつ等間隔に配列されている。また複数の凸部24は、蓋体2が回動してプレート部22が引っ張り上げられたときに、このプレート部が狭巾部分12bと接触する接触位置T、Tを挟んで、プレート部22の根元部分22cの側に3個、先端部分22dの側に6個、それぞれ別々に設けられている。
【0040】
したがって上述したような複数の凸部24により、プレート部22の幅方向及び長手方向の剛性をバランスよく高めることができる。すなわち蓋体2が回動してプレート部22の嵌合部22aが狭窄部12の底面12aと狭巾部分12bとの間に嵌合される位置で拘束されても、この嵌合部が幅方向に反らずにこのプレート部がこの狭窄部から容易に外れない。また蓋体2が回動して自重によってさらに後方に倒れようとしも、プレート部22は長手方向に撓み過ぎないため、この蓋体は後方に倒れすぎない。さらに蓋体2を力強く勢いをつけて開けたとしても、プレート部22が狭窄部12から外れてしまったり、この蓋体の後部蓋体側壁突出部23aが突状部11に衝突して跳ね返って閉じたりすることなく、この蓋体が開いた状態をさらに安定して保持することができる。なお作業員にとっては、複数の凸部24が滑り止めになってプレート部22を付け外しし易いという効果も発揮する。
【0041】
次に、図6及び7を参照しつつ、この包装容器の蓋体2が開閉されるときの蓋体2の動作とプレート部22の機能を説明する。ここで図6は、蓋体2が開閉される前後における包装容器の断面形状を示している。図7は、蓋体2が開いた状態を保持している時にプレート部22に加わる力をそれぞれ示している。
【0042】
図6に示すとおり、蓋体2が閉じているときは、プレート部22は後部容器フランジ部F1に近接している。蓋体2が開き始めると、この蓋体はヒンジ部21を支点として回動し、この蓋体の後部蓋体側壁突出部23aが突状部11の外側の縁に当接する。この後、蓋体2は突状部11と当接した外側の縁を支点として、この蓋体の自重によりさらに後方に倒れようと回動する。このとき蓋体2は、プレート部22の根元部分22cからこのプレート部を上方に引っ張り上げる。そうするとプレート部22が、狭窄部の底面と狭巾部分12bとの間において嵌合される位置で拘束されると共に、このプレート部が斜めに傾いて先端部分22dが後部容器フランジ部F1に接触する。
【0043】
図7に示すとおり、プレート部22は、接触位置Tにおいて狭巾部分12bと接触する。このときプレート部22には、狭巾部分12bから反力を受けて下向きの力Xがかかっている。上述したように、複数の凸部24は、接触位置Tを挟んで、プレート部22の根元部分22cの側と先端部分22dの側とにそれぞれ別々に設けられている。このため接触位置Tにおけるプレート部22の剛性は高すぎず、このプレート部が狭巾部分12bと接触するときの衝撃力を吸収し、このプレート部が狭窄部から外れてしまうことを防止する。さらに接触位置Tにおいては、プレート部の復元力が弱いため、蓋体2が不意に閉じてしまうことも防止している。
【0044】
また上述したように、蓋体2が自重によりさらに後方に傾くと、プレート部22と狭巾部分12bとが接触する接触位置Tを支点にして、このプレート部の根元部分22cがこの蓋体に引っ張り上げられる。このときヒンジ部21とプレート部22とが連接するところに上向きの力Yがかかっている。このためプレート部22の根元部分22cが上方に撓むが、この根元部分の側には3個の凸部24が設けられているため剛性が高く、この根元部分の側のプレート部が撓み過ぎないようにしている。一方先端部分22dには、後部容器フランジ部F1から反力を受けて上向きの力Zがかかっている。このためプレート部22で、接触位置Tを挟んで先端部分22dの側は、この接触位置を支点にして上方に撓むが、この先端部分の側には6個の凸部24が設けられているため剛性が高く、この先端部分の側のプレート部が撓み過ぎないようにしている。
【0045】
したがって蓋体2は、プレート部22が狭巾部分12bと接触する位置を支点として撓み、この蓋体が自重により後方に倒れようと回動する力と、このプレート部の撓み反力とが釣り合った点において、この蓋体の回動が停止する。
【0046】
なお本実施形態における包装容器の寸法に限定はなく、例えば焼き鳥を数十本陳列できる普通サイズのもの、大きなデコレーションケーキを収納できる大型サイズのもの、及び試食品を入れておく小さなサイズのもののいずれも該当する。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明における包装容器は、食品を衛星的に管理するため、荷物を持っている買物客が蓋体を容易に開閉できると共に、容器本体に対して蓋体を容易に付け外しできるため作業員の負担を軽減できるので、食品販売に関する産業に広く利用可能である。
【符号の説明】
【0048】
1 容器本体
11 突状部
12 狭窄部
12a 底面
12b 狭巾部分
2 蓋体
21 ヒンジ部
22 プレート部
22a 嵌合部
22b 張り出し部
22c 根元部分
22d 先端部分
23 後部蓋体側壁
24 凸部
F1 後部容器フランジ部
F2 後部蓋フランジ部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性樹脂製の容器本体と蓋体とを備え、
上記容器本体の周縁部には容器フランジ部が設けてあって、この容器フランジ部の一辺には、上方に突出する複数の突状部がこの一辺の長手方向に沿って所定の間隔をもって設けられていると共に、相互に隣接するこの突状部の間には狭窄部が形成され、
上記狭窄部には、底面より上方位置において、巾が狭い狭巾部分が形成してあり、
上記蓋体の周縁部には、上記容器フランジ部に重なる蓋フランジ部が設けてあって、この蓋フランジ部の一辺には、長手方向に沿って設けられたヒンジ部と、この一辺から外方に突設された複数のプレート部とを有し、
上記プレート部には、その根元部分に位置する嵌合部と、その先端部分に位置する幅広の張り出し部とが形成してあり、
上記プレート部の嵌合部は、上記狭窄部の底面と上記狭巾部分との間において、この狭窄部に嵌合され、
上記蓋体は、上記ヒンジ部を中心軸として回動し、さらにこの蓋体の側壁が上記突状部に当接する
ことを特徴とする包装容器。
【請求項2】
上記プレート部の表面または裏面には、凸部が設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の包装容器。
【請求項3】
上記プレート部の表面または裏面には、複数個の凸部が設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の包装容器。
【請求項4】
上記凸部は、上記根元部分から先端部分にわたって設けられている
ことを特徴とする請求項2または3に記載の包装容器。
【請求項5】
上記複数個の凸部は、上記プレート部が上記狭巾部分と接触する位置を挟んで上記根元部分の側と上記先端部の側との両方にそれぞれ設けられている
ことを特徴とする請求項3または4に記載の包装容器。
【請求項6】
上記複数個の凸部は、それぞれ実質的に同一形状及び同一寸法である
ことを特徴とする請求項3乃至5に記載の包装容器。
【請求項7】
上記複数個の凸部は、それぞれ等間隔に配列されている
ことを特徴とする請求項6に記載の包装容器。
【請求項8】
上記狭窄部の底面には、上記容器フランジ部の一辺の長手方向と直交する方向に凹凸部が設けられている
ことを特徴とする請求項1乃至6に記載の包装容器。
【請求項1】
熱可塑性樹脂製の容器本体と蓋体とを備え、
上記容器本体の周縁部には容器フランジ部が設けてあって、この容器フランジ部の一辺には、上方に突出する複数の突状部がこの一辺の長手方向に沿って所定の間隔をもって設けられていると共に、相互に隣接するこの突状部の間には狭窄部が形成され、
上記狭窄部には、底面より上方位置において、巾が狭い狭巾部分が形成してあり、
上記蓋体の周縁部には、上記容器フランジ部に重なる蓋フランジ部が設けてあって、この蓋フランジ部の一辺には、長手方向に沿って設けられたヒンジ部と、この一辺から外方に突設された複数のプレート部とを有し、
上記プレート部には、その根元部分に位置する嵌合部と、その先端部分に位置する幅広の張り出し部とが形成してあり、
上記プレート部の嵌合部は、上記狭窄部の底面と上記狭巾部分との間において、この狭窄部に嵌合され、
上記蓋体は、上記ヒンジ部を中心軸として回動し、さらにこの蓋体の側壁が上記突状部に当接する
ことを特徴とする包装容器。
【請求項2】
上記プレート部の表面または裏面には、凸部が設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の包装容器。
【請求項3】
上記プレート部の表面または裏面には、複数個の凸部が設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の包装容器。
【請求項4】
上記凸部は、上記根元部分から先端部分にわたって設けられている
ことを特徴とする請求項2または3に記載の包装容器。
【請求項5】
上記複数個の凸部は、上記プレート部が上記狭巾部分と接触する位置を挟んで上記根元部分の側と上記先端部の側との両方にそれぞれ設けられている
ことを特徴とする請求項3または4に記載の包装容器。
【請求項6】
上記複数個の凸部は、それぞれ実質的に同一形状及び同一寸法である
ことを特徴とする請求項3乃至5に記載の包装容器。
【請求項7】
上記複数個の凸部は、それぞれ等間隔に配列されている
ことを特徴とする請求項6に記載の包装容器。
【請求項8】
上記狭窄部の底面には、上記容器フランジ部の一辺の長手方向と直交する方向に凹凸部が設けられている
ことを特徴とする請求項1乃至6に記載の包装容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【公開番号】特開2012−81970(P2012−81970A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−227830(P2010−227830)
【出願日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【出願人】(391011825)中央化学株式会社 (32)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【出願人】(391011825)中央化学株式会社 (32)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]