説明

包装用ブランクシート

【課題】一枚のブランクシートから成り、内容物を左右前後から覆うことのできるブランクシートであって、その前後の蓋片が同一の大きさであり、材料の無駄を最小限に抑えた包装用ブランクシートを提供すること。
【解決手段】長方形状の底板の短辺に折線nを介して連接されたつなぎ片と、このつなぎ片と折線oを介して連接された横長の中底片と、この中底片の左右に、それぞれ、折線q、rを介して連接された前蓋片及び後蓋片とを有し、前記つなぎ片が長方形の部位と三角形状の部位とから構成されており、長方形部位の頂点Aを始点として底板の短辺と45度をなす方向に伸びる折線oのみを介して中底片とつなぎ片とが連接されており、頂点Aから底板までの長さg及び頂点Aから中底片の側端部までの長さe1を、底板の長辺の長さfと短辺の長さaの差の1/2とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、板状の食品、平袋状の食品あるいは書籍等の内容物を包装する包装用ブランクシートに関する。特に、1枚のブランクシートであって、これを折り畳むことにより、内容物を前後左右から覆って包装することのできる包装用ブランクシートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
このようなブランクシートとしては、例えば、底板の左右に蓋片を連接し、この底板の前方向に折線を介して中底片を連接し、この中底辺の左右に蓋片を連接したものが知られている。底板と中底片とは、その境界線の一部を折線として、この折線を介して連接されており、この折線に対して45度の角度で折り曲げ線が設けられている。そして、この折り曲げ線から折り曲げることにより、前記中底片を90度回転させることができ、このため、中底片の左右に連接された蓋片は底板の前後に位置することになる。そして、このため、中底片の左右に連接された蓋片によって前後から内容物を覆い、また、底板の左右に連接された蓋板によって左右から覆うことが可能になる(特許文献1及び2参照)。このブランクシートは、その展開形状をほぼ長方形状とすることができ、このため、材料のシートに無駄が生じることがない。
【特許文献1】実開平5−13916号公報
【特許文献2】実開平9−48423号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記先行技術によれば、中底片の左右に連接した蓋片を、その左右で同一の大きさとすることができず、仮に中底片の左右に同じ大きさの蓋片を設けるとすると、そのブランクシートの形状を長方形とすることができず、このため、無駄が生じるという問題があった。
【0004】
そこで、本発明は、一枚のブランクシートから成り、内容物を左右前後から覆うことのできるブランクシートであって、その前後の蓋片が同一の大きさであり、しかも、材料の無駄を最小限に抑えることのできる包装用ブランクシートを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
すなわち、請求項1に記載の発明は、長方形状の底板と、この底板の左右の長辺に、それぞれ、折線l,mを介して連接された左蓋片及び右蓋辺と、底板の短辺に折線nを介して連接されたつなぎ片と、このつなぎ片と折線oを介して連接された横長の中底片と、この中底片の左右に、それぞれ、折線q、rを介して連接された前蓋片及び後蓋片とからなり、
中底片の幅hが底板の短辺の長さaと同一、長さcが底板の長辺の長さfと同一であり、
前記つなぎ片が、底板の短辺に連接された長方形の部位と、この長方形の部位に連接された三角形状の部位とから構成されており、かつ、長方形部位の頂点Aを始点として前記底板の短辺と45度をなす方向に伸びる折線oのみを介して、前記中底片とつなぎ片とが連接されており、
頂点Aから底板までの長さg及び頂点Aから中底板の側端部までの長さe1が、いずれも、底板の長辺の長さfと短辺の長さaの差の1/2であることを特徴とする包装用ブランクシートである。
【0006】
また、請求項2に記載の発明は、底板の短辺の長さaをその長辺の長さfの2/3倍に限定すると共に、頂点Aから底板までの長さg及び頂点Aから中底板の側端部までの長さe1が、いずれも、底板の長辺の長さfの1/6に限定したものである。
【0007】
すなわち、請求項2に記載の発明は、長方形状の底板と、この底板の左右の長辺に、それぞれ、折線l,mを介して連接された左蓋片及び右蓋辺と、底板の短辺に折線nを介して連接されたつなぎ片と、このつなぎ片と折線oを介して連接された横長の中底片と、この中底片の左右に、それぞれ、折線q、rを介して連接された前蓋片及び後蓋片とからなり、
中底片の幅hが底板の短辺の長さaと同一、長さcが底板の長辺の長さfと同一であり、
前記つなぎ片が、底板の短辺に連接された長方形の部位と、この長方形の部位に連接された三角形状の部位とから構成されており、かつ、長方形部位の頂点Aを始点として前記底板の短辺と45度をなす方向に伸びる折線oのみを介して、前記中底片とつなぎ片とが連接されており、
頂点Aから底板までの長さg及び頂点Aから中底板の側端部までの長さe1が、いずれも、底板の長辺の長さfの1/6であることを特徴とする包装用ブランクシートである。
【発明の効果】
【0008】
請求項1〜2に記載の発明においては、つなぎ片が底板の短辺に連接された長方形の部位と、この長方形の部位に連接された三角形状の部位とから構成されているから、折線nからつなぎ片を折り返したときに、長方形部位の頂点Aが底板の長辺上に位置する。そして、折線oから中底片を折り返すと、長方形部位の頂点Aを始点として前記底板の短辺と45度をなす方向に伸びる折線oのみを介して前記中底片とつなぎ片とが連接されており、しかも中底片の幅hが底板の短辺の長さaと同一であるから、中底片の長辺は底板の長辺に重なることとなる。
【0009】
また、この際、頂点Aから底板までの長さgと頂点Aから中底板の側端部までの長さe1が同一であるから、中底片の側端辺qは底板の短辺nに重なり、後蓋片は底板の短辺nからうしろ方向に突出する。また、中底片の長さcが底板の長辺の長さfと同一であるから、反対側の底板の短辺n’に重なり、前蓋片は底板の短辺n’から前方向に突出する。すなわち、中底片は底板に重なって、前蓋片と後蓋片とはその前後に突出するのである。
【0010】
そして、この中底片上に書籍等の内容物を載置し、前蓋片、後蓋片、右蓋片及び左蓋片を、順次、内容物を覆うように折り重ねることにより、包装することができる。
【0011】
なお、前蓋片の長さd2と後蓋片の長さd1は任意であってよいが、これらは中底片の左右に、それぞれ、折線q、rを介して連接されているから、その両者d1、d2を同一の長さとし、かつ適切な長さとすることによって、ブランクシート全体をほぼ長方形状として、シート材料の無駄を軽減することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明に係るブランクシートは、紙、プラスチックシート等を打ち抜いて製造することができる。また、各折線は罫押しによって形成することができる。また、紙に折り癖をつけることで各折線を設けることもできる。
【0013】
本発明に係るブランクシートは、例えば、図1の平面図に示す形状をしたものである。このブランクシートは、まず、長方形状の底板を有している。この底板を構成する4本の外形線のうち3本は折線l,m,nである。残りの1本は打ち抜きの際に設けられた打ち
抜き線n’である。
【0014】
これら3本の折線のうち、2本の折線l、mは長辺に設けられている。そして、この折線l、mを介して、それぞれ、左蓋片と右蓋片が連接されている。
【0015】
他方、短辺に設けられた折線nを介して、つなぎ片が連接されている。このつなぎ片は、長方形の部位と三角形状の部位とから構成された五角形状をしており、長方形部位の外形線のうち長辺の1本が前記折線nである。そして、長方形部位の外形線のうち短辺の1本sが底板の長辺lに連続して設けれており、また、もう一方の短辺s’は底板の長辺mに連続して設けれている。この長方形部位の頂点Aを始点として、底板の短辺nに45度の角度をなす方向に、前記三角形状部位の外形線oが延びている。この外形線oは折線から構成されており、この折線oを介して中底辺が連接されている。また、長方形部位の頂点Cを始点として、前記折線oに直交する方向に前記三角形状部位のもう一方の外形線pが延びている。この外形線pは打ち抜きの際に設けられた打ち抜き線である。そして、このため、つなぎ片と中底片とは、折線oのみを介して連接されている。
【0016】
中底片は横長に構成されており、その左右に、それぞれ、折線q,rを介して、後蓋片及び前蓋片が連接されている。中底片の長さcは底板の長辺の長さfに等しく、また、幅hは底板の短辺の長さaに等しい。
【0017】
また、前記つなぎ片の短辺の長さ、すなわち、頂点Aから底板までの長さgは、底板の長辺の長さfと短辺の長さaの差の1/2に構成されている。また、頂点Aから、折線qすなわち中底片の側端部までの長さe1は、この頂点Aから底板までの長さgに等しく、すなわち、底板の長辺の長さfと短辺の長さaの差の1/2である。また、頂点Cから、折線rすなわち中底板の側端部までの長さe2も同じ長さである。
【0018】
なお、左蓋片と右蓋片とは同一の形状であり、すなわち、左蓋片の幅b2と右蓋片の幅b1は等しく、その長さは底板の長辺の長さfに等しい。
【0019】
また、前蓋片と後蓋片も同一の形状であり、前蓋片の幅d2と後蓋片の幅d1は等しく、その長さは中底片の幅hに等しい。そして、底板の短辺の長さa、左蓋片の幅b2及び右蓋片の幅b1の三者を合計した長さは、中底片の長さc、前蓋片の幅d2及び後蓋片の幅d1の三者を合計した長さに等しいように構成されている。
【0020】
典型的には、a=2/3f、かつ、g=e1=e2=1/6fである。数値の具体例を挙げると、単位長さをxとして、a=h=12x、b1=b2=8x、c=f=18x、g=e1=e2=3x、d1=d2=5xとすればよい。
【0021】
次に、このブランクシートの使用方法について説明する。すなわち、まず、折線nから折り返して、つなぎ片を底板に重ねる(図2参照)。このとき、頂点Aは底板の長辺l上に位置する。
【0022】
次に、折線oから折り返す(図3参照)。この結果、中底片は90度反転して、底板に重なる。すなわち、中底片の長辺は底板の長辺に重なり、中底片の短辺は底板の短辺に重なる。そして、この結果、底板の四方に、それぞれ、前蓋片、後蓋片、左蓋片と右蓋片が突出した状態が形成される。
【0023】
そして、次に、この底板の上に、平袋や板状の食品、あるいは書籍等の内容物を載置して、この内容物を覆うように前記各蓋片を折り重ねることにより、包装することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明のブランクシートの平面図。
【図2】本発明ののブランクシートの使用状態を示す平面図。
【図3】本発明ののブランクシートの使用状態を示す平面図。
【符号の説明】
【0025】
a‥底板の短辺の長さ
b1‥左蓋板の長さ
b2‥右蓋板の長さ
c‥中蓋片の長さ
e1‥頂点Aから中底片の側端部までの長さ
f‥底板の長辺の長さ
g‥頂点Aから底板までの長さ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長方形状の底板と、この底板の左右の長辺に、それぞれ、折線l,mを介して連接された左蓋片及び右蓋辺と、底板の短辺に折線nを介して連接されたつなぎ片と、このつなぎ片と折線oを介して連接された横長の中底片と、この中底片の左右に、それぞれ、折線q、rを介して連接された前蓋片及び後蓋片とからなり、
中底片の幅hが底板の短辺の長さaと同一、長さcが底板の長辺の長さfと同一であり、
前記つなぎ片が、底板の短辺に連接された長方形の部位と、この長方形の部位に連接された三角形状の部位とから構成されており、かつ、長方形部位の頂点Aを始点として前記底板の短辺と45度をなす方向に伸びる折線oのみを介して、前記中底片とつなぎ片とが連接されており、
頂点Aから底板までの長さg及び頂点Aから中底板の側端部までの長さe1が、いずれも、底板の長辺の長さfと短辺の長さaの差の1/2であることを特徴とする包装用ブランクシート。
【請求項2】
長方形状の底板と、この底板の左右の長辺に、それぞれ、折線l,mを介して連接された左蓋片及び右蓋辺と、底板の短辺に折線nを介して連接されたつなぎ片と、このつなぎ片と折線oを介して連接された横長の中底片と、この中底片の左右に、それぞれ、折線q、rを介して連接された前蓋片及び後蓋片とからなり、
中底片の幅hが底板の短辺の長さaと同一、長さcが底板の長辺の長さfと同一であり、
前記つなぎ片が、底板の短辺に連接された長方形の部位と、この長方形の部位に連接された三角形状の部位とから構成されており、かつ、長方形部位の頂点Aを始点として前記底板の短辺と45度をなす方向に伸びる折線oのみを介して、前記中底片とつなぎ片とが連接されており、
頂点Aから底板までの長さg及び頂点Aから中底板の側端部までの長さe1が、いずれも、底板の長辺の長さfの1/6であることを特徴とする包装用ブランクシート。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2007−126182(P2007−126182A)
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−320545(P2005−320545)
【出願日】平成17年11月4日(2005.11.4)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】