説明

包装用容器

【課題】蓋体を僅かな力で容体に簡単に係止することができる包装用容器を提供する。
【解決手段】包装用容器10は、開口部20aが形成された容体20と、容体20の前記開口部20aを覆う蓋体とを備えている。容体20と蓋体30との外周縁22,32にはフランジ23,33が形成されている。容体20および蓋体30のうち一方のフランジ23には、他方のフランジ33に向って枢動する枢動部24が形成されている。他方のフランジ33には、枢動部24を受け入れるための凹部34が形成され、凹部34には、枢動部24の両端部24a,24bに係止するように突出した一対の係止凸部34a,34bが対向して形成されている。枢動部24は、両端部24a,24bのうち少なくとも一方側の端部24aが、枢動部24の中央24cに比べて、枢動部24の基端24cから先端24dに向って突出した突出部27を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開口部が形成された容体と、容体の開口部を覆う蓋体とを備えた包装用容器に係り、特に、容体の開口部から蓋体を容易に着脱することができる包装用容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、収容物(製品)を収容するための包装用容器は、収容物を開口部を介して収容する容体と、該容体の開口部を覆う蓋体とを備えている。包装用容器から収容物を出し入れする際には、容体の開口部から蓋体を取り外し、再度、容体の開口部を覆うように、蓋体を取り付ける。
【0003】
このような包装用容器は、容体に蓋体を係止し、さらにこの係止を解除することを、繰り返し行うための係止構造が設けられている(例えば、特許文献1参照)。具体的には、図7(a)に示すように、包装用容器の容体71と蓋体72とのそれぞれの外周縁73,74には、フランジ75,76が形成されている。容体71のフランジ75には、係止構造の一部として、蓋体72のフランジ76に向って枢動するフィン状の枢動部77が形成されている。一方、蓋体72のフランジ76には、枢動部77を受け入れるための凹部78が形成されている。さらに、凹部78には、枢動部77を係止する係止機構として、枢動部77の両端部77a,77aに係止するように突出した係止凸部78a,78aが形成されている。
【0004】
このような容体71と蓋体72を用いて、図7(b)に示すように、蓋体72を容体71に係止する。具体的には、容体71の開口部71aを覆うように、蓋体72を配置し、容体71の枢動部77を、蓋体72の凹部78に向って枢動する。この際に、枢動部77の両端部77a,77aが、係止凸部78a,78aを乗り越えることにより、両端部77a,77aが係止凸部78a,78aに係止する。これにより、蓋体72を容体71に係止することができる。また、上述した一連の動作と逆の動作を行うことにより、容体71と蓋体72との係止状態を解除することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−298454号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、図7に示すような包装用容器を用いた場合、蓋体72を容体71に係止する際には、構造上、枢動部77の両端部77a,77aが、係止凸部78a,78aを同時に乗り越える動作となるため、枢動部77および係止凸部78aを共に大きく変形させねばならず、両端部77a,77aを係止凸部78a,78aに係止させるには、過大な力を要する。また、このような係止構造は、容体71と蓋体72の周りに複数設けられていることが一般的であるので、係止を行う際には、多大な時間を要することがある。
【0007】
本発明は、このような課題を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、蓋体を僅かな力で容体に簡単に係止することができる包装用容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、枢動部の両端部に2つ係止凸部を係止する際に、枢動部が同時に2つの係止凸部を乗り越えようとするのではなく、枢動部が2つの係止凸部を順次乗り越えるようにすれば、係止に過大な力を要することがないとの新たな知見を得た。
【0009】
本発明は、発明者らのこの新たな知見に基づくものであり、本発明に係る包装用容器は、開口部が形成された容体と、該容体の前記開口部を覆う蓋体とを備えた包装用容器であって、前記容体と前記蓋体との外周縁にはフランジが形成されており、前記容体および前記蓋体のうち一方のフランジには、他方のフランジに向って枢動する枢動部が形成され、前記他方のフランジには、前記枢動部を受け入れるための凹部が形成され、該凹部には、前記枢動部の両端部に係止するように突出した一対の係止凸部が対向して形成され、前記枢動部は、前記両端部のうち少なくとも一方側が、前記枢動部の中央に比べて、前記枢動部の基端から先端に向って突出した突出部を備えることを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、以下に示すようにして、蓋体を容体に係止することができる。具体的には、まず、容体の開口部を覆いかつフランジ同士が重なるように、容体に蓋体を配置する。次に、一方のフランジに形成された枢動部を、他方にフランジに形成された凹部に向って枢動する。このときに、枢動部の突出部に指を掛けて(または枢動部を把持して)、枢動部を枢動することができる。
【0011】
この枢動により、突出部側に位置する枢動部の一方の端部(両端部のうちの一方の端部)には、他方側の端部に比べて大きなモーメントが作用し、これにより、一方の端部および係止凸部が、他方の端部および係止凸部に比べて大きく変形する。この結果、まず、一方の端部が係止凸部を乗り越えて、一方側の端部と係止凸部が係止される。次に、さらなる枢動部の枢動により、他方側の端部と、これに接触している係止凸部とが変形しながら、他方の端部が係止凸部に乗り越えて、他方の端部と係止凸部が係止される。
【0012】
このようにして、枢動部の両端部の各端部が、対向する2つの係止凸部を順次乗り越えるので、これまでに比べて、係止に過大な力を要することがなく、蓋体を容体に簡単に係止することができる。また、枢動部が2つの係止凸部を同時に乗り越えることがないので、凹部が形成されたフランジに作用する力はこれまでに比べて小さく、その変形量も小さいので、フランジを部分的に補強しなくてもよい。
【0013】
また、容体と蓋体とが係止できるのであれば、枢動部はいずれのフランジに設けてもよいが、より好ましい態様としては、前記枢動部は、前記容体のフランジに形成され、前記凹部は、前記蓋体のフランジに形成されている。
【0014】
この態様によれば、枢動部を容体のフランジに設けることにより、上側に向って枢動部を枢動させて、枢動部を係止凸部に係止することができる。この場合、容体自体は蓋体に比べて剛性があり、さらには、収容物が収容されていることもあるので、係止時に、枢動部と共に容体そのものは変形し難い。これにより、より安定して容体に蓋体を係止することができる。
【0015】
また、凹部に対向して形成された係止凸部は、枢動部を係止することができる形状であれば特に限定されるものではないが、より好ましい態様としては、前記一対の係止凸部のうち、前記突出部側の端部と係止する前記係止凸部は、他方側の端部と係止する前記係止凸部よりも突出長さが短い。この態様によれば、突出部が形成されている側の係止凸部の突出長さを短くすることにより、この係止凸部が、他方側の端部と係止する係止凸部に比べて、先に枢動部に係止し易くすることができる。
【0016】
また、突出部が枢動部の基端から先端に向って突出しているのであれば、枢動部の形状は特に限定されるものではないが、より好ましい態様としては、前記突出部は、前記枢動部の形状がL字状となるように突出している。この態様によれば、L字状の枢動部の窪みに、作業者が指を引っ掛けて、凹部に向って突出部を容易に枢動することができる。
【0017】
また、容体に係止された蓋体を、容体から取り外す場合、枢動部を枢動させて、枢動部と係止凸部との係止を解除すればよい。しかしながら、より好ましい態様としては、前記蓋体には、該蓋体を前記容体から取り外すための貫通孔が形成されている。この態様によれば、貫通孔に作業者の手を挿入して、容体から蓋体を引き離す方向に、蓋体を相対的に移動させる(蓋体を引っ張る)ことにより、枢動部と係止凸部との係止状態を解除することができる。特に、枢動部を複数有する場合には、1つ1つの枢動部を枢動させるとなく、同時にこれらの状態を解除することができる。
【0018】
また、蓋体を容体から取り外すことができるのであれば、このような貫通孔の位置は、特に限定されるものではないが、より好ましい態様としては、前記貫通孔は、前記蓋体の中央からオフセットして形成されている。この態様によれば、枢動部が複数形成されている場合に、この貫通孔から近い枢動部と係止凸部との係止が順次解除されるので、より軽い力で、すべての枢動部と係止凸部の係止を解除することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の包装用容器によれば、枢動部を枢動させることにより、蓋体を僅かな力で容体に簡単に係止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1実施形態に係る包装用容器の模式的斜視図。
【図2】図1に示す容体および蓋体のフランジ部の模式的斜視図であり、(a)は、蓋体のフランジ部に形成された凹部の斜視図であり、(b)は、容体のフランジ部に形成された枢動部の斜視図。
【図3】図1に示す容体と蓋体との係止動作を説明するための模式的斜視図であり、(a)は、係止前の斜視図、(b)係止途中の斜視図、(c)は、係止後の斜視図。
【図4】図1に示す包装用容器の変形例を示した模式的平面図であり、(a)は、係止凸部の変形例を示した平面図、(b)は、枢動部の変形例を示した平面図、(c)は、枢動部の別の変形例を示した平面図。
【図5】本発明の第2実施形態に係る包装用容器の模式的斜視図。
【図6】本発明の第2実施形態に係る包装用容器を説明するための図であり、(a)本発明の第3実施形態に係る包装用容器の模式的斜視図であり、(b)は、(a)に示す包装用容器の変形例を示した模式的斜視図。
【図7】従来の包装用容器を説明するための図であり、(a)は、包装用容器の部分的拡大斜視図であり、(b)は、係止状態を説明するための模式的斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して、本発明をいくつかの実施形態に基づき説明する。
【0022】
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係る包装用容器の模式的斜視図であり、図2は、図1に示す容体および蓋体のフランジ部の模式的斜視図であり、(a)は、蓋体のフランジ部に形成された凹部の斜視図であり、(b)は、容体のフランジ部に形成された枢動部の斜視図である。
【0023】
図3は、図1に示す容体と蓋体との係止動作を説明するための模式的斜視図であり、(a)は、係止前の斜視図、(b)係止途中の斜視図、(c)は、係止後の斜視図である。
【0024】
図1に示すように、第1実施形態に係る包装用容器10は、収容物(製品)を収納するための容器であり、容体20と、蓋体30とを備えている。容体20および蓋体30は、それぞれ、シート状の例えば熱可塑性樹脂を素材として、これを真空成形等の熱成形手段により一体成形してなる。素材としては、例えば、ポリプロピレン(PP)やポリエチレン(PE)等のポリオレフィン系樹脂、耐衝撃性ポリスチレン(HiPS)等のポリスチレン(PS)系樹脂、若しくは、ポリエチレンテレフタラート(PET)等のポリエステル系樹脂からなる発泡材、又は非発泡材からなるシート状の樹脂を挙げることができ、熱成形が可能な樹脂であれば、素材は特に限定されない。
【0025】
図1に示すように、容体20は、開口部20aから所望の形状および大きさの収容物を収容する部材であって、収容物を収容する収容部21が形成されており、収容部21の外周縁22には、収容部を囲繞するようにフランジ23が形成されている。また、一対の対向するフランジ23のそれぞれには、フィン状の3つの枢動部24,24,24(合計6つの枢動部24,24,…)が形成されている。
【0026】
より具体的には、図2(b)に示すように、各枢動部24は、ヒンジ構造となっており、枢動部24の基端24cに位置する折曲部25において折り曲げることにより、後述する蓋体30のフランジ33に向って枢動可能となっている。また、この折曲部25には、折り曲げ性を高めるために、ミシン目等が設けられていてもよい。
【0027】
さらに、枢動部24の両端部24a,24bの縁部24f,24gは、内側に向って狭まるように傾斜しており、これにより、両端部24a,24bが、係止時に、後述する係止凸部34a,34bの縁部に対してスライドし易くなるとともに、係止凸部34a,34bに対する係止をより強固なものにすることができる。
【0028】
一方、図1および図2(a)に示すように、蓋体30は、容体20の開口部20aを覆う部材であり、蓋体30の外周縁32には、容体のフランジ23と当接することにより、収容部21の内部空間を閉空間とするためのフランジ33が形成されている。さらに、フランジ33には、容体20の各枢動部24を受け入れるための凹部34が形成されている。凹部34は、フランジ33の一部が内側に向って凹んだ湾状部分であり、凹部34には、枢動部24の両端部24a,24bに係止するように突出した一対の係止凸部34a,34bが形成されている。また、各係止凸部34a,34bの突出長さは、略同じである。
【0029】
このような構造の容体20において、さらに、枢動部24には、突出部27が形成されている。突出部27は、枢動部24の両端部24a,24bのうち、一方側の端部24aが、枢動部24の中央24eに比べて、枢動部24の基端24cから先端24dに向って突出している。より具体的には、突出部27は、枢動部24の形状がL字状となるように突出している。
【0030】
このような実施形態において、以下に示すようにして、蓋体30を容体20に係止する。具体的には、まず、図3(a)に示すように、容体20の開口部20aを覆い、かつ、フランジ23,33同士が重なり合うように、容体20の上方に蓋体30を配置する。
【0031】
次に、図3(b)に示すように、容体20のフランジ23に形成された枢動部24を、蓋体30のフランジ33に形成された凹部34に向って枢動する。このときに、枢動部24の突出部27に指を掛けて(または枢動部24を把持して)、枢動部24を枢動することができる。より具体的には、L字状の枢動部24の窪み24hに、作業者が指を引っ掛けることにより、凹部34に向って突出部27を容易に枢動することができる。
【0032】
この枢動により、突出部27側に位置する枢動部24の一方の端部24aが、他方側の端部24bに比べて大きなモーメントが作用し、これにより、一方の端部24aおよび係止凸部34aが、他方の端部24bおよび係止凸部34bに比べて大きく変形する。この結果、まず、一方の端部24aが係止凸部34aを乗り越えて、図3(b)に示すように、一方の端部24aと係止凸部34aが係止される。
【0033】
次に、図3(c)に示すように、さらなる枢動部24の枢動により、他方の端部24bとこれに接触している係止凸部34bとを変形させながら、他方の端部24bが係止凸部34bを乗り越えて、他方の端部24bと係止凸部34bが係止される。
【0034】
このようにして、枢動部24の各端部24a,24bが、対向する2つの係止凸部34a,34bを順次乗り越えるので、これまでに比べて、係止に過大な力を要することがなく、蓋体30を容体20に簡単に係止することができる。また、枢動部24が2つの係止凸部34a,34bを同時に乗り越えることがないので、凹部34が形成されたフランジ33に作用する力はこれまでに比べて小さく、その変形量も小さいので、フランジ33を部分的に補強しなくてもよい。
【0035】
図4は、図1に示す包装用容器の変形例を示した模式的平面図であり、(a)は、係止凸部の変形例を示した平面図、(b)は、枢動部の変形例を示した平面図、(c)は、枢動部の別の変形例を示した平面図である。
【0036】
図4(a)に示す枢動部24は、縁部が傾斜していない点を除き、図1のものと略同じ形状でありが、凹部34の係止凸部の形状が相違する。具体的には、一対の係止凸部34c,34dのうち、枢動部24の突出部27側の端部24aと係止する係止凸部34cは、他方側の端部24bと係止する係止凸部34dよりも突出長さが短い。突出部27が形成されている側の係止凸部34cの突出長さを短くすることにより、枢動時には、係止凸部34cは、他方側の端部24bと係止する係止凸部34dに比べて、先に枢動部24に係止し易くすることができる。
【0037】
また、図4(b)に示すように、枢動部24Aが、他方側の端部24bから一方側の端部24aに向って先端24dが傾斜するように突出部27Aを形成してもよく、図4(c)に示すように、突出部27Aは、枢動部24の形状がU字状となるように、両端部24a,24bの双方が、枢動部24Bの中央24eに比べて、枢動部24Bの基端24cから先端24dに向って突出していてもよい。
【0038】
〔第2実施形態〕
図5は、本発明の第2実施形態に係る包装用容器の模式的斜視図である。第2実施形態に係る包装用容器10Aが、第1の実施形態の包装用容器10と異なる点は、枢動部と凹部の位置である。したがって、第1実施形態と同じ機能を有する部材および部分は、同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0039】
図5に示すように、枢動部34Aは、蓋体30のフランジ33に形成され、枢動部34Aを収容する凹部24Cは、容体20のフランジ23に形成されている。この態様によれば、枢動部34Aを蓋体30のフランジ33に設けることにより、下側に向って枢動部34Aを枢動させて、枢動部34Aを凹部24Cに係止し、蓋体30を容体20に係止することができる。この場合、蓋体30に剛性があれば、係止時に、蓋体30そのものは枢動部34Aとフランジ33と共に変形し難いので、安定して容体20に蓋体30を係止することができる。
【0040】
〔第3実施形態〕
図6は、本発明の第3実施形態に係る包装用容器を説明するための図であり、(a)本発明の第3実施形態に係る包装用容器の模式的斜視図であり、(b)は、(a)に示す包装用容器の変形例を示した模式的斜視図である。
【0041】
第3実施形態に係る包装用容器10Bが、第1の実施形態の包装用容器10と異なる点は、蓋体の構造である。したがって、第1実施形態と同じ機能を有する部材および部分は、同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0042】
図6(a)に示すように、蓋体30Aの中央には、蓋体30Aを容体20から取り外すための貫通孔38が形成されている。すなわち、上述した第1実施形態では、容体20に係止された蓋体30を、容体20から取り外す場合、6つの枢動部24,24,…を1つずつ枢動させて、枢動部24と係止凸部34a,34bとの係止を解除することになるが、本実施形態によれば、貫通孔38に作業者の手を挿入して、容体20から蓋体30Aを引き離す方向に、蓋体30Aを相対的に移動させる(蓋体30を引っ張る)ことにより、枢動部24と係止凸部34a,34bとの係止状態を同時に解除することができる。
【0043】
また、図6(b)に示すように、貫通孔38Aが、蓋体30Bの中央からオフセットして形成されていてもよい。これにより、この貫通孔38Aから近い枢動部24と係止凸部34a,34bとの係止が順次解除されるので、より軽い力で、すべての枢動部24と係止凸部34a,34bの係止を解除することができる。
【0044】
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更があっても、それらは本発明に含まれるものである。
【0045】
第1〜第3の実施形態では、枢動部を複数設けたが、蓋体と容体との係止状態を維持することができるのであれば、枢動部の位置、数、および大きさ等は特に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0046】
10,10A,10B:包装用容器、20:容体、20a:開口部、21:収容部、22:外周縁、23:フランジ、24,24A,24B:枢動部、24a,24b:端部、24c:基端、24d:先端、24f,24g:縁部、24h:窪み、24C:凹部、25:折曲部、27,27A:突出部、30,30A,30B:蓋体、32:外周縁、33:フランジ、34:凹部、34a,34b,34c,34d:係止凸部、34A:枢動部、38,38A:貫通孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部が形成された容体と、該容体の前記開口部を覆う蓋体とを備えた包装用容器であって、
前記容体と前記蓋体との外周縁にはフランジが形成されており、前記容体および前記蓋体のうち一方のフランジには、他方のフランジに向って枢動する枢動部が形成され、
前記他方のフランジには、前記枢動部を受け入れるための凹部が形成され、該凹部には、前記枢動部の両端部に係止するように突出した一対の係止凸部が対向して形成され、
前記枢動部は、前記両端部のうち少なくとも一方側が、前記枢動部の中央に比べて、前記枢動部の基端から先端に向って突出した突出部を備えることを特徴とする包装用容器。
【請求項2】
前記枢動部は、前記容体のフランジに形成され、前記凹部は、前記蓋体のフランジに形成されていることを特徴とする請求項1に記載の包装用容器。
【請求項3】
前記一対の係止凸部のうち、前記突出部側の端部と係止する前記係止凸部は、他方側の端部と係止する前記係止凸部よりも突出長さが短いことを特徴とする請求項1または2に記載の包装用容器。
【請求項4】
前記突出部は、前記枢動部の形状がL字状となるように突出していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の包装用容器。
【請求項5】
前記蓋体には、該蓋体を前記容体から取り外すための貫通孔が形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の包装用容器。
【請求項6】
前記枢動部は複数形成されており、前記貫通孔は、前記蓋体の中央からオフセットして形成されていることを特徴とする請求項5に記載の包装用容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−158385(P2012−158385A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−21023(P2011−21023)
【出願日】平成23年2月2日(2011.2.2)
【出願人】(000002440)積水化成品工業株式会社 (1,335)
【Fターム(参考)】