説明

化学反応抑制方法

【目的】 被覆に必要な揮発性有機化合物の量を低減しつつ種々の被覆材料を輸送しそしてそれらを塗布可能な表面に有効に噴霧する技術を提供する。
【構成】 流動性の、官能性有機反応材料と超臨界条件または近超臨界条件下に維持された超臨界流体二酸化炭素と混合することによって、該有機材料の化学反応を抑制する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、流動性の、官能性有機反応材料と超臨界条件(supercritical condition) または近超臨界条件(near supercritical condition)下に維持された超臨界流体(”SCF”)(supercritical fluid) 二酸化炭素と混合することによって、該有機材料の化学反応を抑制することに関する。本発明は、官能性が適合する有機分子間で別途起こる化学反応を、該分子に超臨界流体CO2 を介在させることによって抑制することができ、それゆえ、該反応を予定の且つ通常のパターンとは異なるパターンで起こすことができる能力を有する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】縮合または付加生成物を生成する官能性有機反応化合物間の有機化学反応が豊富にあり、それらの反応において選択条件が達成されるまで反応速度を抑圧し、反応が起こるのを阻止することさえも望まれる。反応が起こるとき、反応を抑制せずまた阻止せずそして典型的な方法で所望のすなわち予期した反応生成物を製造することが望ましい。これらの有機化学反応には、縮合または付加を介するアミノ基と他の官能基との共反応が含まれる(例えば、ミハエリス付加)。
【0003】アミノ基含有反応体は、しばしば、共反応体のアミノ官能性及び/または官能基と反応する可能性がある他の官能基を含む。これらの場合において、その有機化合物の他の基の利益となるように該アミノ基の反応を阻止することが望まれる。
【0004】相互活性な(典型的には適合性の)官能性を有する有機モノマー、オリゴマーまたはポリマーをブレンドすることによる多くのポリマー反応系があり、典型的には熱硬化性の樹脂型の反応系である。ほとんどの場合、かかる系の反応を抑制または阻止して、反応系が最終製品の製造に適合または施される前に反応を起こすることによる、樹脂成分の消耗をもたらす系の早期の反応を回避することが望ましい。これは、しばしば、反応系のポットライフの延長と呼ばれる。反応がいくらか進展した後に、反応を抑制して完全な硬化を防止する用途がある。熱硬化性の樹脂を糸の繊維状の塊、束またはステープル状の繊維に適用して繊維強化プラスチック(FPR)を製造する場合があり、そしてかかる系をB段階にのみ部分的に硬化させることが望ましい。それらの場合には、系を基体、金型等に施す用意がされるまでに完全な硬化を抑留し、次いでC段階と呼ばれる最終硬化に共するのが望ましい。しばしば、これらの塗布物は早期の成型できない条件にまで硬化し、そして塗布物は廃棄物として処分されなければならない。これはSMC(すなわち、シート成形化合物)及びプレプレグにて生じることになる。
【0005】使用の直前に混合される、複数の成分よりなる樹脂系がある。一のかかる系は反応射出成形(RIM)と呼ばれる。RIM系において、適合性の反応成分は金型に注入される直前に予混合される。早期の反応は、系が金型に有効に注入されることができなくなる状況にまで樹脂成分が相互反応する前に、混合及び金型への注入を完了させることによって回避される。RIMは比較的高速のプロセスであるので、適合性の反応成分は極めて短いポットライフしかもたない。混合工程は金型に入れる直前に連続ミキサーを使用することを伴いそして反応体は早期反応を回避するため別々にミキサーに供給される。それらの反応体を他のタイプの、混合物の保存さえもできる混合手段内で早期反応させずに予備混合でき、それから反応体を金型中に射出することができる能力を有することが望ましい。反応体が金型を適当に満たすまでに、反応を抑制することができるのが望ましい。
【0006】基体に被覆または接着剤の塗布を実行するのに多くのポリマー系が用いられ、そこでは最低の粘度で操作されるのが望ましい。例えば、被覆は低粘度にて一層良好に流れの調整がされる。接着剤は木材のような基体に低粘度で施されるときは一層良好に浸透する。しかしながら、それらの粘度を調節することは樹脂形成成分間の相互反応を抑制する能力次第である。従って、塗布が実行されるまでにかかる反応を抑制または阻止することが望ましい。
【0007】本発明は、超臨界流体、特に超臨界流体(SCF)条件下に維持された二酸化炭素をかかる化学反応系に加えることによって化学反応を選択的に抑制する能力を提供する。反応抑制の利点は本発明によって提供された多くの利点のひとつである。
【0008】近年の環境問題のために、塗装及び仕上げ操作に起因する汚染を低減する方法を見いだすことに関心が集まっている。このため有機溶媒の蒸気放出を減じる新しい被覆技術の開発にかなりの重点が置かれてきた。全てではないが殆どの性能及び使用の要求を満たすために、同時に、蒸気放出に関する要請及び規制を満たすために、多くの技術が出現した。それらは、(a) 粉体被覆、(b) 水を媒体とする分散液、(c) 水を媒体する溶液、(d) 非水性分散液、及び(e) 高固形分組成物である。各々の技術は、所定の用途に用いられ、そして各々は特定の産業において活動範囲が見いだされている。しかしながら、現時点では、初期に期待された性能及び適用特性を提供する技術はない。
【0009】例えば、有機物の蒸気を超低放出する粉体被覆は、乏しい光沢あるいは良好な光沢でも重度のみかん肌を伴うもの、重度のみかん肌を伴う低い解像度、そして乏しいフィルム均一性という特徴がある。顔料の加入は、しばしば、ポリマー顔料複合混合物を練りそして押出し次いで低温粉砕することを要するという問題がある。加えて、被覆ラインの色を変えるには、しばしば、塗布装置及び仕上げ領域のほこり汚染のために完全な洗浄を必要とする。
【0010】水を媒体とする被覆は比較的高い湿度の条件下では深刻な被覆の欠点を伴わずに施すことはできない。これらの欠点は、高湿度の条件下で水は凝集助剤の有機共溶媒よりも遅く蒸発するという事実に原因する。予想されるように、水性分散液の場合には、有機共溶媒/凝集助剤の不足はフィルムの形成を疎外し、乏しい光沢、低い均一性及びピンホールをもたらす。加えて、水を媒体とする被覆は腐食性の環境に対して、一般的な溶媒によって運ばれる被覆よりも抵抗性がない。
【0011】高固形分で有機溶媒から施された被覆は粉末及び水を媒体とする被覆の多くの欠点を回避する。これらの系において、ポリマーの分子量は低く、被覆が施された後にさらなる重合及び架橋を行うには反応性の官能基が必要である。現実には、この技術には商業的な被覆操作の性能要求を満たすのに能力的な限界がある。現時点の高固形分系は、垂直な表面に、被覆の流れ及び垂れ下がりなしに施すことは難しい。それらは、しばしば、亀裂穴及びピンホールを生じる傾向がある。もしそれらが良好な反応性を持っていても、保存性及びポットライフは貧弱であり、もしそれらが保存安定性を持っていると、しばしば、硬化及び/または架橋が遅くあるいは転化に高温度及び高エネルギーを要する。
【0012】反応官能性を有するかかる被覆系の反応性を抑制することが望まれ、それゆえ、それらが基板上に施されたときに十分に素早く反応し且つ早期に反応して被覆品質に悪影響を及ぼさないように、所望量の官能性を有するのが望ましい。
【0013】表面被覆製造用の移動媒体として超臨界流体を使用することがよく知られている。独国特許出願2853066号は、超臨界状態のガスを、固形または液体被覆物質を溶解した状態で含む流体媒体して使用することを記載している。特に、この出願は、多孔体を、超臨界流体中に浸漬することによって多孔体に保護性または反応性もしくは非反応性の装飾仕上げを塗布することを扱う。超臨界流体は被覆を施すのに圧力が降下される。もっとも重要な多孔体は多孔性の触媒である。出願人は多孔体として織物を記載している。
【0014】1986年4月15日に特許されたスミス(Smith) の米国特許第4582731号及び1988年3月29日に特許された米国特許第4734451号は、超臨界流体溶媒及び固形物質の溶解した溶質を含む超臨界溶液を形成しそして該溶液を噴霧して「分子噴霧」を生成することを記載している。「分子噴霧」は「独立した分子(原子)またはきわめて小さい溶質の塊」の噴霧として定義される。スミスの特許は微細なフィルム及び粉末を製造することに関する。該フィルムは表面被覆として用いられる。
【0015】リー(Lee) らの米国特許出願第133068号、米国特許第4923720号は、基板に被覆を液体噴霧する方法及び装置を開示しており、環境的に望ましくない有機希釈剤の使用を最小にしている。この出願の方法は次の工程を含む:(1) 閉じた系中で液体混合物を形成し、該液体混合物が、(a) 基板上に被覆を形成することができる少なくとも一種のポリマー化合物及び、(b) 少なくとも一種の超臨界流体であって、(a) に添加した時に(a) 及び(b)の混合物の粘度を少なくとも噴霧適用に好適な粘度値にするのに十分な量の超臨界流体を含み、(2) 上記液体混合物を基板上に噴霧してそこに液体被覆を形成する。
【0016】それらの特許出願及び特許は、上記(a) 及び(b) 混合物を基板に液体噴霧する前に、少なくとも一種の活性有機溶媒(c) と混合する液体噴霧方法にも関する。好ましい超臨界流体は超臨界二酸化炭素である。この方法は、液体噴霧混合物の成分混合物をブレンドしそして適当な基板上に噴霧することができる装置を用いている。該装置は、(1) 連続、付着性被覆を形成することができる少なくとも一種のポリマー化合物を提供することができる手段と、(2) 少なくとも一種の活性有機溶媒を提供する手段と、(3) 超臨界二酸化炭素流体を提供する手段と、(4) (1) 〜(3) より提供された成分の液体混合物を形成する手段と、(5)上記混合物を基板上に噴霧する手段とを有する。
【0017】該装置は上記成分のいずれか及び/または上記成分の液体混合物を加熱する手段(6) をも備え得る。米国特許出願第1330368号及びその特許は超臨界二酸化炭素流体のような超臨界流体を高粘度有機溶媒及び/または高粘度非水性分散体の被覆組成物中で希釈剤として用いて該組成物を液体噴霧技術に必要な使用粘度に希釈することを例示している。それらはさらにこの方法が一般にすべての有機溶媒拡散被覆系に適用可能であることを説明している。
【0018】同時継続している米国特許出願第218910号は、超臨界二酸化炭素流体のような超臨界流体を用いて粘性被覆組成物の使用粘調度を液体噴霧としてのそれらの用途を可能にするまで低下する液体被覆使用方法及び装置に関する。被覆組成物は、加圧してオリフィスを通すことによって基板周囲に噴霧される。
【0019】特に、被覆を基板に液体噴霧適用するための米国特許出願第218910号の方法は、(1) 閉じた系中で液体混合物を形成し、ここに、該液体混合物が、(a) 基板上に被覆を形成することができる少なくとも一種のポリマー化合物と、(b) 少なくとも一種の超臨界流体を含む溶媒成分であって、(a) に添加した時に混合物の粘度を少なくとも噴霧適用に好適な粘度値にするのに十分な量の超臨界流体を含む上記溶媒成分とから構成され、(2) 上記液体混合物を加圧してオリフィスを通じて基板周囲に送ることによって上記液体混合物を基板上に噴霧してそこに液体被覆を形成することを含む。
【0020】米国特許出願第218895号は、液体噴霧によって基板を被覆する方法及び装置に関し、1)超臨界二酸化炭素流体のような超臨界流体を被覆配合物用の粘度低減希釈剤として用い、2)超臨界流体及び被覆配合物の混合物を加圧してオリフィスを通して基板周囲に送って液体噴霧を形成し、そして3)液体噴霧を、基板に対する高電圧により荷電することを含む。
【0021】特に、基板に被覆を静電的液体噴霧適用する米国特許出願第218995号の方法は、(1) 閉じた系中で液体混合物を形成し、ここに、該液体混合物が、(a) 基板上に被覆を形成することができる少なくとも一種のポリマー化合物と、(b) 少なくとも一種の超臨界流体を含有する溶媒成分であって、(a) に添加した時に混合物の粘度が少なくとも噴霧適用に好適な値になるのに十分な量の超臨界流体を含有する上記溶媒成分とを含み、(2) 上記液体混合物を加圧してオリフィスを通して基板周囲に送ることによって上記液体混合物を基板上に噴霧してそこに液体被覆を形成し、そして(3) 液体噴霧を、基板に対する高電圧及び電流により荷電することを含む。
【0022】上記技術は、被覆に必要な揮発性有機化合物(VOC)の量を低減しつつ、種々の被覆材料を輸送しそしてそれらを塗布可能な表面に有効に噴霧するための媒体及び粘度低減剤としての超臨界流体の適用性を示している。
【0023】本発明本発明は、流動性の官能性有機反応材料と超臨界流体(”SCF”)特に超臨界流体または近超臨界流体状態に維持された二酸化炭素とを混合することによって、該有機材料の化学反応を抑制することに関する。本発明は、官能的に適合する有機分子間で別途起こる化学反応を、超臨界流体、特に超臨界CO2 を該分子に介在させることによって抑制することができ、それによって、該反応を予定された且つ通常とは異なるパターンに従って起こすことができる能力を含む。
【0024】本発明は、一以上のモノマー、一以上のモノマー及びオリゴマー若しくはポリマー、一以上のオリゴマー及びポリマー、並びに一以上のポリマーの間の反応を抑制することを包含する。該反応は、それらの官能基間で実行され、官能基はそれらが反応するときにモノマー、オリゴマーまたは場合によってポリマーが官能基を介して結合して巨大分子を形成する程度に適合性がある。抑制は、超臨界流体、特に超臨界CO2 がモノマー、オリゴマーまたは場合によってポリマーの混合物に加えられることによって実行される。SCF(例えば、二酸化炭素)が超臨界流体条件下に維持されような加圧下に混合物を維持しそして加熱している間に、反応は抑制される。温度及び圧力条件がSCF(CO2 )の超臨界流体条件を下回ると、抑制効果は除去されそして反応は正常に進行する。所定の反応系において、SCF条件が撤回されるまで抑制は完全である。他の反応系において、抑制は一時的であり、そしてSCF条件が一旦取り去られると、反応は終局的に進行するが、加速された速度でのみ進行する。
【0025】本発明は広範囲の用途を与え、そして本発明の使用は上記の種々の用途に適用可能である。本発明はFRP、RIM及び被覆における反応の調節に有用であり、射出前に、硬化が望ましいときは金型中または被覆可能な表面上で硬化させる前に、反応体の通常のポット混合を使用する能力を与える。これは特に金型に製品強化用に繊維が充填される成型用途において特に望ましい。本発明は、特に、アンジェルの1987年9月8日に特許された米国特許第4692291号に記載されたような、金型中に加圧注入する前に保持タンク中に維持される樹脂成型成分の反応を調節するのに有用である。
【0026】本発明は、以下の表に挙げたような適合性の官能基を含む分子間における反応を抑制することに関する。
【表1】


【0027】本発明は、特に、ポリウレタン形成反応体、複数包装されたアクリル及びエポキシ樹脂系をSCF二酸化炭素と混合することによってそれらのポットライフを延長することに関する。これらの極めて有用な商業的な系において、SCF二酸化炭素の使用を通じて反応を抑制することによって2以上のパッケージ系の使用を最小にすることができる。
【0028】いくつかの場合に、抑制は疑似カーボネートを反応体のひとつに加えることによって反応を化学的に阻止することを含む。他の場合において、反応の抑制は反応系の希釈によって実行される。後者の場合、希釈は系の最終的な反応性に悪影響を及ぼさず、最終的な反応生成物中に残留希釈成分を残さない。
【0029】最初に、超臨界流体を本発明の実施において関連する官能性組成物用の溶媒として呼ぶことは該組成物を超臨界流体によって溶解すること意味することが認められよう。本発明は、超臨界流体によって一以上の相互反応性組成物を溶解することに限定されず;本発明は超臨界流体による組成物の分散若しくは懸濁または官能性組成物における超臨界流体の溶解を包含する。従って、本文中で超臨界流体の独特の作用として溶解作用をひとまとめに言う傾向がある場合には、溶解作用は組成物が超臨界流体によって一層希薄な流動性の状況に至り、それゆえ、溶解作用は超臨界流体による官能性組成物の溶解、懸濁または分散を意味し、従って、組み合わせた後の流動性は反応が抑制される一層低い粘度及び一層流動性の組成物によって特徴づけることができる。
【0030】超臨界流体現象は、文献に十分に記載されており、フロリダ州、ボカレイトン所在のCRCプレス・インコーポレーテッドによって出版された「CRCハンドブック・オブ・ケミストリー・アンド・フィジックス」、67年度版(1986〜1987年)の頁F−62〜F−64を参照のこと。臨界点を超える高圧において、得られる超臨界流体または「濃密ガス」は、液体の密度に近い密度を達成しそして液体のいくつかの性質を持つであろう。これらの特性は流体の組成物、温度及び圧力に依存する。
【0031】超臨界流体の圧縮性は臨界温度をわずかに超えると大きく、そこでは圧力の小さな変化は超臨界流体の密度に大きな変化をもたらす。超臨界流体の高圧での液体のようなふるまいは「臨界未満の」化合物の溶解能力に比べて極めて向上した溶解能力をもたらし、液体に比べて一層高い分散係数及び広範囲の有用な温度範囲を有する。高分子量の化合物はしばしば比較的低温度で超臨界流体に溶解することができる。超臨界流体に関する興味深い現象は、高分子量の溶質の溶解度に関して「圧力しきい値」が現れることである。圧力が上昇すると、しばしば、溶質の溶解度はわずかにすぎない圧力上昇により大きな次数で増大する。
【0032】近超臨界流体はまた超臨界流体に類似した溶解度特性及び他の付属の特性を示す。溶質は、それがより低い温度で固体であっても超臨界温度で液体になり得る。さらに、流動性の「改質剤」はしばしば超臨界流体の特性を比較的低濃度でさえも大きく変化し、幾種かの溶質の溶解度を極めて増大する。これらの態様は本発明の明細書中で用いられているような超臨界流体の概念の範囲内とみなされる。従って、本文中で用いたように、用語「超臨界流体」は当該化合物の臨界温度及び圧力にある、またはそれを超え、またはそれをわずかに下回る化合物を示す。
【0033】超臨界流体としての有用性を有するとして知られる化合物の例を表Bに与える。
【表2】


【0034】多くの他の超臨界化合物は前記のCRCハンドブックに掲載されている。
【0035】二酸化炭素の低コスト、低毒性及び低臨界温度によりそしてアミン、アンモニウム等のような多くの官能基と付加または錯化する能力のために、超臨界二酸化炭素流体が本発明の実施において用いるのが好ましい。多くの同じ理由により、窒素酸化物(NO2 )が本発明の実施において望ましい超臨界流体である。しかしながら、上記の超臨界流体及びそれらの混合物のいずれかを使用することも本発明の範囲内であるとみなされる。
【0036】超臨界二酸化炭素の溶解性は低級脂肪族炭化水素の溶解性と類似しており、結局、超臨界二酸化炭素を炭化水素溶媒の代替品としてみなすことができる。炭化水素溶媒を超臨界二酸化炭素で代替する環境的な利点に加えて、二酸化炭素は非燃焼性且つ非毒性であるために安全な利点もある。
【0037】本発明は、上記のようにモノマーからポリマーに渡る広範囲の反応系に適用可能である。本発明は、特に、ウレタン、エポキシ及び反応性アクリル誘導系のような高反応性の樹脂系の反応の制御に特に有用である。
【0038】関心のあるウレタン系は、ポリイソシアネート、ポリオールの単独の反応または、他の活性な水素化合物と一緒に、典型的にはアミン触媒のような触媒の存在下での反応を含む。ポリイソシアネートは、有機ポリイソシアネートであり、すなわち少なくとも二つのイソシアナト基を含む有機化合物であり、炭化水素ジイソシアネート(例えば、アルキレンジイソシアネート及びアリーレンジイソシアネート)並びに、知られたトリイソシアネート及びポリメチレンポリ(フェニレンイソシアネート)を含む。ポリイソシアネートの例は以下の通りある。
【0039】2,4’−ジイソシアナトトルエン、2,6−ジイソシアナトトルエン、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、1,2−ジイソシアナトエタン、1,3−ジイソシアナトプロパン、1,2−ジイソシアナトプロパン、1,4−ジイソシアナトブタン、1,5−ジイソシアナトペンタン、1,6−ジイソシアナトヘキサン、ビス(3−イソシアナトプロピル)エーテル、ビス(3−イソシアナトプロピル)スルフィド、1,7−ジイソシアナトヘプタン、1,5−ジイソシアナト−2,2−ジメチルペンタン、1,6−ジイソシアナト−3−メトキシヘキサン、1,8−ジイソシアナトオクタン、1,5−ジイソシアナト−2,2,4−トリメチルペンタン、1,9−ジイソシアナトノナン、1,4−ブチレングリコールの1,10−ジイソシアナトプロピルエーテル、1,11−ジイソシアナトウンデカン、1,12−ジイソシアナトドデカンビス(イソシアナトヘキシル)スルフィド、1,4−ジイソシアナトベンゼン、2,4−ジイソシアナトトリレン、2,6−ジイソシアナトトリレン、1,3−ジイソシアナト−0−キシレン、1,3−ジイソシアナト−m−キシレン、1,3−ジイソシアナト−p−キシレン、2,4−ジイソシアナト−1−クロロベンゼン、2,4−ジイソシアナト−1−ニトロベンゼン、2,5−ジイソシアナト−1−ニトロベンゼン、4,4−ジフェニルメチレンジイソシアネート、3,3−ジフェニル−メチレンジイソシアネート、ポリメチレンポリ(フェニレンイソシアネート)、イソホロンジイソシアネート、及びこれらの混合物。
【0040】好ましいポリイソシアネートは、80%の2,4−トリレンジイソシアネート及び20%の2,6−トリレンジイソシアネート及びポリマーイソシアネートの混合物である。
【0041】ポリウレタンを形成するのに用いられるポリオールは有機ジオール、トリオール、テトラオール、ペンタオール等にし得る。例えば、次の化合物である:エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、ジ−1,2−プロピレングリコール、トリ−1,2−プロピレングリコール、テトラ−1,2−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−プロパンジオール等;または記載したポリオールの群のような出発体ポリオールのアルコキシレーションによって形成されたもの;上記ジオール、トリオール等とカプロラクトンとの反応から形成されたもの。得られるエステルポリオール(”Tone’s”)はイソシアネートとの反応において広く用いられている。望ましいアルコキシル化したポリオールは下記式のヒドロキシル化したアルコールのアルキレン酸化物の付加物である:
【化1】


そして好ましくは下記式の出発体ジオール、トリオール、テトラオール及び高級のヒドロキシル化したアルコールである:
【化2】


(式中、Aは多価の有機部位でありその遊離価は2〜6もしくはそれ以上または場合によっては平均値がそれらに等しい。
【0042】出発体A(OH)2-6 アルコールに包含される好適な化合物の例は、以下の通りである:エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリトリトール、ソルビトール、ソルビトールのジエーテル、マニトール、アラビトール、ジエーテルまたはアラビトール、スクロース、それらの混合物等。
【0043】出発体;
【化3】


は最初に、そのヒドロキシル基をヒドロキシアルキル基に転化するのに十分な量及び条件下で1,2−アルキレンオキシドと反応させる。反応した1,2−アルキレンオキシドの量はアルコキシル化したポリオール付加物の極限分子量を達成するのに十分である。アルコキシル化したポリオール付加物の分子量は比較的高くすべきであり、好ましくは約4000(数平均)を超えそして、一層好ましくは約5000を超える。アルコキシル化したポリオール付加物の最小分子量は約3000になり得る。好ましい1,2−アルキレンオキシドは低級の1,2−アルキレンオキシド、例えばエチレンオキシド、1,2−プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド等である。本発明の好ましい実施において、出発体アルコールは所望分子量のポリオールを生成するのに十分な量の1,2−プロピレンオキシドと反応させる。次いで得られるポリオールは、特にもしアルコキシル化したポリオール付加物が次いで有機ポリイソシアネートと重合せずに結合するならば1,2−エチレンオキシドとの反応によってヒドロキシエチルキャップされてポリオール中に第1ヒドロキシル基含有量を保証にする。かかる付加物を形成をもたらすアルコキシレーション反応はこの分野で良く知られており、本発明の一部を構成するものではない。付加反応は塩基または酸を触媒とし得、塩基触媒が好ましい。
【0044】有機ポリオールは、ジカルボン酸、酸ハロゲン化物または無水物のポリエステルと上記のようなポリオールとのポリエステルポリオールのようなポリオールにし得る。この場合、該ポリマーをヒドロキシル基末端にするのが望ましく、この目的にはこの分野の慣用手段が有用である。ポリールはまたポリエステルを製造するのに用いられる。かかるポリオールは、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセロール及び1,1,1−トリメチロールプロパンを含む。
【0045】ポリエステル樹脂は、典型的には、ジカルボン酸、酸ハロゲン化物または無水物とポリアルコールとの反応生成物である。ポリエステルを単独でまたは組み合わせて生成するのに用いられるジカルボン酸または酸無水物は、オレフィン系不飽和、好ましくはカルボン酸基の少なくともひとつに対してα位またはβ位であるオレフィン系不飽和を含むジカルボン酸または酸無水物、飽和脂肪族、複素脂肪族及び芳香族ポリカルボン酸等を含む。かかる酸は、マレイン酸または酸無水物、フマル酸、メチルマレイン酸及びイタコン酸(マレイン酸または酸無水物、フマル酸が商業的に最も広く用いられる)、飽和及び/または芳香族ジカルボン酸または酸無水物、例えば、フタル酸または酸無水物、テレフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸または酸無水物、アジピン酸、イソフタル酸並びに二量体酸(すなわち二量体化した脂肪酸)である。
【0046】エポキシ樹脂は、しばしば、とりわけ、ビスフェノールA(2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン)またはsym-トリス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンのジグリシジルエーテルまたはトリス(4−ヒドロキシフェニル)メタンのジグリシジルエーテル、それらのポリエポキシド縮合生成物、脂環式エポキシド、エポキシ改質ノボラック(フェノール−ホルムアルデヒド樹脂)並びにエピクロロヒドリンとアニリン、o−、m−またはp−アミノフェノール及びメチレンジアニリンとの反応から誘導されたエポキシドの少なくとも一種である。樹脂の例は、350F(177℃)及び250F(121℃)で硬化するエポキシである。本発明により有効な他の反応性樹脂系は種々の熱硬化性または熱硬化可能な樹脂を含み、ビスマレイミド(BMI)、フェノール、ポリエステル(特に、SMC製造において典型的に用いられる未飽和のポリエステル樹脂)、PMR−15ポリイミド及びアセチレン末端樹脂が好適であることがわかった。
【0047】本発明の実施に好適なエポキシ樹脂は、プレプレグ、特に、炭素及びグラファイト繊維で強化されたプレプレグの製造に通常用いられる種々の既存の熱硬化性エポキシ樹脂を含む。エポキシ樹脂はプレプレグの形成を促進すべく低粘度の型であることが望ましい。好適なエポキシ樹脂の例は、例えば、ビスフェノールA(2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン)またはsym-トリス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンまたはトリス(4−ヒドロキシフェニル)メタンのジグリシジルエーテル、それらのポリエポキシド縮合生成物、脂環式エポキシド、下記式のエポキシ改質ノボラック(フェノール−ホルムアルデヒド樹脂):
【化4】


(式中、nは0.2〜1.8、好ましくは0.2である)
及びエピクロロヒドリンとアニリン、o−、m−またはp−アミノフェノール及びメチレンジアニリンとの反応から誘導されたエポキシドの少なくとも一種である。特に好適なエポキシ樹脂の例は、ビス(N,N−ジグリシジル−4−アミノフェニル)メタン、ビス−2,2−(4−グリシジロキシフェニル)プロパン及びそれらの縮合生成物、sym-トリス(4−グリシジロキシフェニル)プロパン及び4−グリシジロキシ−N,N−ジグリシジル−フェニルアミン等である。他のエポキシ樹脂も上記エポキシ樹脂と組み合わせることができまたは単独で用いることができる。それらは、例えば、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビニルシクロヘキセンジオキシド、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタ−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート等である。
【0048】本発明のエポキシ樹脂は該樹脂を熱硬化性の条件で硬化する硬化剤と組み合わされる。好ましい硬化剤はジシアンアミドから一層望ましい芳香族アミンに渡るアミン化合物である。非芳香族アミンは一層良好な触媒である。硬化剤の特に好ましい群は、下記式に包含される芳香族アミンである:
【化5】


(式中、Ph”はオルト、メタまたはパラフェニレンであり、Qは−SO2 −、−O−、−RR’C−、−NH−、−CO−、−CONH−、−OCONH−等のような2価基の少なくともひとつであり、R及びR’は、独立して、水素、フェニル、1〜約4個の炭素原子のアルキル、2〜約4個の炭素原子のアルケニル、フッ素、3〜約8個の炭素原子のシクロアルキル等であり、xは0または1になり得、yは0または1になり得そしてxが1のときは1であり、そしてzは0または正の整数になり得、典型的には約5以下である)
【0049】特に好ましい硬化剤は下記式のジアミンである;
【化6】


(式中、Phは上で定義した通りであり、上のPhの各々はオルトまたはメタフェニレンに代わり得る)
【0050】他の群の硬化剤はアルキレンアミンのような脂肪族アミンである。好適なアルキレンアミンの例は以下の通りである:モノエタノールアミン、エチレンジアミン、N−(2−アミノエチル)エタノールアミン、ジエチレントリアミン、N−(2−アミノエチル)ピペラジン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ジアミノエチルピペラジン、ピペラジノエチルエチレンジアミン、4−アミノエチルトリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、アミノエチルピペラジノエチルエチレンジアミン、ピペラジノエチルジエチレントリアミン
【0051】硬化剤はアニリン、パラアミノフェノール及びそれらのアルキル化した形のようなモノアミンにし得る。
【0052】用いる硬化剤の量は、通常、樹脂中でエポキシ基当たり1のアミン基を基準とする化学量論的等量である。もし、エポキシドがトリエポキシドでありそして硬化剤がジアミンであるならば、エポキシドに対する硬化剤のモル数は典型的には2.5/3または0.83である。典型的な配合は、エポキシ樹脂対硬化剤比約3/2〜4/1を有する。
【0053】ポリウレタン並びに二液型のアクリル樹脂及びポリエポキシドがSCF−CO2 中で触媒を伴ってまたは触媒を伴わないで反応するときに、反応ポットライフのかなりの延長が観測された。この結果は、SCF−CO2 がアミンの官能基を疑似阻止(pseudo-block)且つ/または抑制することを示唆する。ポットライフは反応中のSCF−CO2 を高濃度にすることによって更に延長される。この発見は、反応が、反応溶媒としてのSCF/CO2 とともに、またはSMC及びRIM成型用途において実行されるときに、VOCレベルを減じるだけでなく、2液被覆のプロセス/配合の用途におけるポットライフを延長するのにも用いることができる。噴霧または離型の間、SCF/CO2 が放出されたときに、ポリウレタンとエポキシドの反応が開始する。
【0054】超臨界流体CO2 (SCF−CO2 )をポリウレタン及びエポキシ系で使用することは活性な官能基−NCO及び/または−OH及び/またはエポキシ基及び/または触媒を疑似阻止してウレタン及びエポキシ反応を抑制することがわかる。反応条件がSCF条件未満(一層低い圧力及び温度)に変わるところでは、反応は瞬時に(1〜2分未満)加速する。この発見は、2液被覆及び成型プロセス/配合の用途に用いることができ、そしてウレタン及びエポキシ化学、例えば、ウレタンフォームの分野、ウレタンRIM成型、ウレタンゴム成型、エポキシ被覆、エポキシ射出成型、エポキシRIM成型等を処理するのに用いることができる。
【0055】ウレタン被覆は以下のタイプに分類されてきた;ウレタンアルキド(オイル改質ウレタン)、1液型の湿分硬化ウレタン被覆、1液型のブロックトアダクトウレタン被覆、2液型の触媒ウレタン被覆、2液型のポリオールウレタン被覆、ウレタンラテックス
【0056】さらに、2液型のカルボキシル/第3アミン官能性アクリル樹脂及びポリエポキシドがSCF−CO2 中で反応したときに、反応ポットライフのかなりの延長が観測される。ポットライフは、反応中のSCF−CO2 を高濃度にすることによって更に延長される。この発見は、反応が、反応溶媒としてのSCF/CO2とともに実行されたときに、VOCレベルを減じるのに用いることができるだけでなく、カルボキシル/第3アミン官能性アクリル樹脂及びポリエポキシドの2液被覆プロセス/配合の用途における反応のポットライフを延長することができる。
【0057】ヒドロキシル、カルボキシル、イソシアナト等のような反応性官能基をポリマー構造に加入することは硬化したポリマーの性能の改善に寄与する。比較的低分子量のアクリルポリマーから受け入れられる物理的特性を有するフィルムを形成するには、ポリマーは一般的に通常の熱硬化性組成物用に用いられるアクリルポリマーよりも約2〜3倍高いヒドロキシル含有量を有する。一層高いヒドロキシ含有量は追加の架橋部分を提供しそして通常の熱硬化性アクリル組成物から得られるフィルムと同等かまたはしばしばそれより一層優れた物理的特性を有するフィルムを形成する。被覆の特性はまたポリマーの分子量の増大により改善することもできる。本発明はこれらの官能基と架橋組成物との反応を調節する機構を提供し、それによってこれらのタイプのアクリル樹脂の有用性を向上する。
【0058】本発明は、官能性アクリルポリマーに関する特定の有用性を見いだしたけれども、本発明はそれに限定されない。エチレン性不飽和の重合性ポリマー群のいずれもが反応してその種の予定された官能性ポリマーを提供することができる。かかる官能性ポリマーのほとんどはコポリマーであり、一般には少なくとも一種のアクリルモノマーによるポリマーである。かかる場合において、その主なモノマーは種々の他のエチレン性の不飽和モノマーと重合して好適に架橋反応に加わることができる付加ポリマーを生じる。用いることができる典型的なエチレン性の不飽和モノマーは、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、ブチルメタクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、イソデシルアクリレート、イソボルニルアクリレート、ヘキシルメタクリレート、ステアリルアクリレート、スチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド等のようなN−アルキル及びN,N−ジアルキル置換したアクリルアミド及びメタクリルアミド、N−ビニルピロリドン;並びにアルキル置換したN−ビニルピロリドン、例えば、メチル置換N−ビニルピロリドン、アリルアミン、塩化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ビニル2−エチルヘキサノエート、ビニルネオノナノエート等である。アクリル系誘導体(メタクリル系誘導体を含む)は好ましい主モノマーである。
【0059】官能性モノマーはまた上記エチレン性不飽和モノマーと共重合して熱硬化性コーティング用の付加ポリマーを製造することができる。かかるモノマーとして、例えば、アクリル酸またはメタクリル酸とモノまたはポリアルキレングリコールのような少なくとも一種の追加のヒドロキシ基を有するアルコールとのモノエステルを含む。これらの例として、エチレングリコールモノメタクリレート、エチレングリコールモノアクリレート、ジエチレングリコールモノメタクリレート、ジエチレングリコールモノアクリレート、プロピレングリコールモノメタクリレート、プロピレングリコールモノアクリレート、ジプロピレングリコールモノアクリレート等である。使用することができる他の官能性モノマーは、アクリル酸、メタクリル酸、3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、N−(イソブトキシメチル)アクリルアミド、グリシジルメタクリレート及びアクリレート等である。
【0060】本発明のポリマーは、以下の少量の二または多官能性の種を含み得る:ジビニルベンゼン、エチレングリコールジアクリレートまたはジメタクリレート、プロピレングリコールジアクリレートまたはジメタクリレート、並びに以下のポリオールのアクリレートまたはメタクリレートエステルである;ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、グリセロール、ペンタエリトリトール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、マニトール、ソルビトール等。他の架橋モノマー、例えば、N,N−メチレン−ビス−アクリルアミドまたはメタクリルアミド、スルホン化したジビニルベンゼン及びジビニルスルホンを用いることができる。
【0061】モノマーまたはプレポリマー材料の重合は、例えば、照射(紫外線、X線、マイクロ波、または他の良く知られた照射形態)を、良く知られた開始剤及び/または触媒の存在または不在下で用いて実行することもできる。
【0062】重合プロセスにおいて触媒として照射を用いるときは、モノマー組成物をガス先駆体と一緒に、超臨界または近超臨界流体条件下に重合塔に供給された超臨界流体または近超臨界流体並びにその混合物と混合してもよい。重合塔は、典型的には、塔の重合領域への照射光の伝達を妨げない材料から製造される。触媒として長波長側の紫外線を用いるときは、重合塔用の材料としてパイレックスのようなガラスが好適であろう。上記と異なるタイプの触媒を用いるときは、重合塔は種々のタイプの金属、例えば、鉄鋼、ニッケル、青銅、種々の合金等から製造することができる。重合をその場で実行して本発明のポリマー及び組成物を提供することができる。
【0063】架橋材は、イソシアネート、カルボキシル、ヒドロキシル、アミノ、エチレン性不飽和等のような適合する官能基を含む組成物である。架橋材はかかる基を含む任意の組成物であり、モノマー、オリゴマーまたはポリマーになり得る。
【0064】図1は2液型の挙動を研究してSCF−CO2 条件における反応を観測するのに好適な実験室用実験装置を示す。該装置は、イソシアネート、触媒、及び液体CO2 供給用のポンプ、温度及び回転数(RPM)調節機を有する1リットルの高圧反応器を備える。−NCO/−OH比はポリマー分子の大きさを決定するので、−NCOレベルは正確に調節されるべきである。それゆえ、ギルソン(Gilson)ピストンポンプをイソシアネートの供給に用いた。図1に記載した特定の品目は以下の通りである:
【0065】
品目 解説3 500mlのフラスコ、エルレンメイヤーコック栓、4 500mlのフラスコ、エルレンメイヤーコック栓、5 空気汚染を阻止する窒素パージ系、7 ニュー・メトラーPE3000秤量計(0〜3000g)、8 触媒供給ライン、1/8インチのテフロン管、9 ギリソン・モデル302ピストンポンプ、10 イソシアネート供給ライン、1/8インチのテフロン管、11 5psi インライン型逆止弁、12 5psi インライン型逆止弁、13 1/4インチ絞り弁、14 触媒供給ライン、1/8インチステンレス鋼管、15 1/4インチ、触媒用テフロンコック栓、16 1/4インチ、触媒用テフロンコック栓、17 イソシアネート供給ライン、1/8インチテフロン管、20−27 1000ml、T316ステンレス鋼のモデル4521M、PARR圧力反応器(20);可変速度モーター(22)、115vの、加熱及び冷却4842PID温度調節器(25)、そしてタコメーター及び攪拌器(27)及び加熱マントル(23)を備える、21 二酸化炭素供給ライン用の1/8インチのステンレス鋼管、24 1/8インチのステンレス鋼の絞り弁、29 平台型の記録器、#L−08376−10シングルチャンネル100m/分記録器、30 速度/トルク読出し機付き混合器、#L−04407−00ギヤモーター、最大トルク336インチ−オンス、速度範囲2〜250rpm 、31 サルトリアス(Sartorious)高容量目盛り、#N−011024−74、最大容量31000g、32 電熱テープ、33 バリアック(Variac)自動変換器、34 1000mlホーク(Hoke)シリンダー、35 圧力計、0〜3000psi 、36 二酸化炭素移動ライン用の1/4インチステンレス鋼管、37 1/4インチステンレス鋼絞り弁、38 二酸化炭素パージ用の1/4インチのステンレス鋼管、39 二酸化炭素シリンダー調節弁、40 1/4インチステンレス鋼絞り弁、41 二酸化炭素シリンダー減圧弁、42 二酸化炭素浸管付シリンダー、
【0066】図2は、窓観察及び/または粘度変化観測によって重合を追跡することができる重合反応器を含む。それは、反応研究用に設計された1 1/2インチのねじ込み式検流器を備える。この系は、熱電対、上部及び底部供給口、撹拌機及び二つ封止したガラス窓を含む。また、2つのピストン型アキュムレータを該反応器に連結した。反応容器の上部に積載されたアキュムレータは反応容量を変化させることによって一定の反応圧力を維持するのに用いた。もう一方のアキュムレータはプレポリマー供給溜として用いた。マグネチックスターラーを反応器に装着する。反応系全体を加熱媒体によって覆って反応温度を一定に維持する。これは系中の熱スポットを最小にする。重合の程度は攪拌機のトルクを測定することによって決定する。トルクレベルを記録して連続測定を行なう。図2に記載した特定の品目は以下の通りである。
【0067】
品目 解説43 モデル#S100、1.5インチのねじ込み式のステンレス鋼検流器、最大圧300psi44 約200mlのステンレス鋼のねじ込み式のアキュムレーター;浮遊ピストンと、二酸化炭素供給物及び反応物用並びに熱電対用の二つの3/16インチの入口とを備える45 100mlのピストン型のステンレス鋼のアキュームレーター46 モデルDSS−650デジタル温度計タイプJ47 安全弁、1600psi にセット48 圧力計、0〜3000psi49 モデルA1120HC、1/16馬力モーター付PARRマグネチックスターラー部品50 速度/トルク読み出し機付き混合器、#L−04406−10、直動式、最大トルク1600g−cm、速度範囲20〜2500rpm51 ハスケル(Haskel)液体二酸化炭素ポンプモデル#29723−2152 二酸化炭素供給タンク用の2000mlのホークシリンダー53 サルトリアス高容量目盛り、#N−01024−74、最大容量31000g54 圧力安全弁、1600psi にセット55 窒素シリンダー56 圧力安全弁、2300psi にセット57 窒素圧力減圧弁58 圧力発生器59 圧力計0〜3000psi60 約100mlの作動液蓄積タンク
【0068】−NCO及び−OHの反応速度を直接測定するような重合速度の測定は困難である。−NCO及び−OHの反応速度が十分低いときは、未反応−NCO濃度または溶液の粘度に関するオフラインの測定を用いて反応速度を決定した。触媒の存在下、−NCO及び−OHの反応が100〜1000倍早いので、そのような場合例えば、RUSKAの高圧落下ボール粘度計またはイン−プロセス粘度センサーのようなオンライン測定装置を用いる必要がある。これらの装置は粘度制限(50000cp未満)及び一層長いデータ保持時間(高粘度にて数分間以上)有するので、かかる反応速度をモニターする別の方法を開発する必要があった。
【0069】流体の粘度は、スターラーによって伝えられたトルクにいくらか関係する。ニュートン流体に関して、粘度(∩)の基本式は以下の通りである:
【数1】


(式中、Rは試料の半径方向距離であり、Gはスターラーの形に依存する定数であり、Mはwラジアン/秒の角周波数で回転するのに必要なトルクである)
【0070】上式は、重合に直接関係する溶液の粘度を一定温度及び速度でのトルクのレベルを測定することによって測定することができることを示唆する。スターラーによって提供された攪拌は−OH、−NCO、触媒、溶媒及びCO2 の均質混合を確実にすること助長する。しかしながら、もし攪拌速度が極めて高いと、ポリマー中の2次流れが発生しまたポリマーが解体する傾向がある。混合及びトルク測定を達成する最大速度として100rpm 未満が選択される。選択した速度範囲が適当かどうかを決定するために一組の実験を行った。
【0071】図3は、40℃にて種々の回転数での粘度及びトルク測定を示す。標準ポリマー溶液を粘度測定に用いた。データは溶液の粘度が10000cpを超えそして速度範囲が50〜75rpm の範囲にあるときはトルクがうまく定められることを示す。また、データは、溶液の粘度が1000cp未満であり且つ一層低い速度の25rpm であるときに敏感ではないとこを示す。丈夫な1/8馬力の攪拌モーターは駆動減速比10:1及び最大トルク336インチ−オンス有していた。低粘度測定に関して、最大トルク20インチ−オンスを有する1/18馬力の直動型のモーターを用いた。
【0072】
【実施例】
例1本発明でない系500gのNIAXポリオールE−518(出発体ポリオールとして1,2,3−プロパントリオールにより製造したポリエチレンオキシドポリオール)及び315gのDMF(ジメチルホルムアミド)を二酸化炭素なしで反応器に充填して1時間混合した。反応温度及び回転数をそれぞれ40℃及び50rpm に維持した。次いで、38.9gのMDI(4,4−ジフェニルメチレンジイソシアネート)を1時間かけて供給した。NIAX触媒A−33(アミン/グリコール混合物)7〜8gを添加すると、スターラーのトルクは2分未満にて0〜120インチ−オンスに増大した。
【0073】観測の結果、−NCO及び−OHの反応は38%より多いDMF溶媒とともに起こりそして反応速度は予想したよりも速かったことには驚かされた。製品ポリウレタンを単離した。それは完全に架橋したゲル型のポリマーであることを示した。
【0074】本発明に従う系この実験において、500gのNIAXポリオールE−518、307gの二酸化炭素及び10gのNIAX触媒を反応器に充填しそして10時間混合した。反応温度及び回転数をそれぞれ40℃及び50rpm に維持した。次いで、41gのMDI(4,4−ジメチルメタン−ジイソシアネート)を5時間かけて供給した。計算した−NCO/−OHの比は0.841であった。混合物を同じ温度及び圧力にて16時間維持した。この期間にトルクの有意の変化は観測されなかった。トルク値は本質的に0インチ−オンスであった。
【0075】反応器中のトルクのレベルは反応器への12.8gのMDIの追加の供給によっては変化しなかった。総合的な−NCO/−OHの比は1.104であった。しかしながら、系の圧力が0psi に低下したときにトルク値は瞬時に最大値100インチ−オンスに達した。すなわち、反応条件がSCF条件未満に変化したときに反応が瞬時に加速された。
【0076】例2本発明に従う系この実験において、120gのNIAXポリオールE−518と、66.8gの二酸化炭素と2.4gのトリエチレンジアミン触媒とを反応器に充填しそして1時間混合した。反応温度及び圧力をそれぞれ40℃及び1350psiaに維持した。次いで、11.5gのMDIを52分間かけて供給した。計算した−NCO/−OHの比は0.98であった。混合物を同じ温度及び圧力にて1時間維持した。この期間に二つのガラス窓を通じて以下の変化を観測した。
(1) E−518とSCF−CO2 を混合すると、混合物は単一相の、明黄色の透明の溶液を示した。
(2) MDIを加えると、混合物の色は褐色に変化した。
(3) −NCO/−OH比が0.98に近付くと混合物は濃厚になったが、トルク値に有意の変化は観測されなかった。
(4) 反応圧力の条件が変化してSCF未満になると反応は瞬時に加速した。
【0077】本発明でない系この実験において、DMF(N,N−ジメチルホルムアミド)をSCF−CO2 で置き換えた以外は上で用いたのと同じ条件を用いた。120gのNIAXポリオールE−518と、74.5gのDMFと2.4gのトリエチレンジアミン触媒とを反応器に充填しそして1時間混合した。反応温度を大気圧にて40℃に維持した。次いで、6.8gのMDI(4,4−ジメチルメタン−ジイソシアネート)を25分間かけて供給した。−NCO/−OH比が0.58に近付くと混合物は濃厚になり完全にゲルを形成した。トルク値は瞬時に。2000+g−cmの最大値に増加した。
【0078】例3本発明でない系この実験において、60gのNIAXポリオールE−518と、1.0gのジブチルスズジラウレート触媒(0.02%のスズ/1gのポリオール)とを反応器に充填しそして1時間混合した。反応温度を大気圧にて40℃に維持した。次いで、6gのMDIを瞬時に供給した。計算した−NCO/−OHの比は1.05であった。混合物をこの一定温度に維持した。実験の間に二つの封止ガラス窓を通じて以下の変化を観測した。
(1) E−518とスズ触媒とMDIの混合物は、明黄色の透明の溶液であった。
(2) MDIを加えると、混合物の色は褐色に変化した。
(3) それから混合物は濃厚になり、溶液は5分以内にゲルに変化し、トルクはすぐに最大値に変化した。
【0079】本発明に従う系この実験において、500gのNIAXポリオールE−518と、309gの二酸化炭素と0.5gのジブチルスズジラウレート触媒(0.1%のスズ/1gのポリオール)とを反応器に充填し、1時間混合した。反応温度及び圧力をそれぞれ40℃及び1220psiaに維持した。次いで、24.7gのMDIを1時間50分間かけて供給した。計算した−NCO/−OHの比は0.506であった。混合物を同じ温度及び圧力にて1時間維持した。この実験の間に二つの封止ガラス窓を通じて以下の変化を観測した。
(1) E−518とSCF−CO2 を混合すると、混合物は単一相の、明黄色の透明の溶液を示した。
(2) MDIを加えると、混合物の色は褐色に変化した。
(3) 1時間の滞留後、−NCO/−OH比が0.506に近付くと混合物は終局的に濃厚になりゲルを形成し、トルク値は瞬時に最大値に増加した。
【0080】SCF二酸化炭素をスズ触媒と一緒に使用することは、反応系をポット中で維持し且つ金型に1時間以内で供給することができる程十分に反応を遅延した。
【0081】例4この実験において、スズ触媒をより低いレベルで用いた以外は、上記と同様の条件を用いた。400gのNIAXポリオールE−518と、217gの二酸化炭素と0.2gのジブチルスズジラウレート触媒(0.005%のスズ/1gのポリオール)とを反応器に充填し、1時間混合した。反応温度及び圧力をそれぞれ40℃及び1220psiaに維持した。次いで、31.7gのMDIを2時間5分間かけて供給した。−NCO/−OHの計算比は0.815であった。混合物を同じ温度及び圧力にて維持した。この実験の間に二つの封止ガラス窓を通じて以下の変化を観測した。
(1) E−518とSCF−CO2 を混合すると、混合物は単一相の、明黄色の透明の溶液を示した。
(2) MDIを加えると、混合物の色は褐色に変化した。
(3) 混合物は次第に濃厚になった。
(4) 溶液の−NCO/−OH比が0.815であるとき、完全なゲルが形成された。
(5) この時点でトルクは瞬時に最大値に増大した。
【0082】例8〜10これらの実験において、以下の表に示したような設定量のプレポリマーA、プレポリマーB及び有機溶媒または二酸化炭素を反応器に充填して混合した。プレポリマーAはRohm&Haasによって販売されているAcryloid AT-954 アクリル樹脂であり、プレポリマーBはMobay 社から販売されているDesmodure N-3390である。圧力及び温度を実験の間に与えられた条件にて一定に維持した。スターラーのトルクを測定して記録した。トルクが2000インチ−オンスの最大値に増加したときに反応のポットライフを決定した。”DMF”はN,N−ジメチルホルムアミドである。
【0083】
【表3】
例8 例9 例10ポリマーA(g) 140 140 140 ポリマーB(g) 74.9 74.9 74.9 DMF(g) なし 86 なし 二酸化炭素(g) なし なし 86 圧力(psi) 14.7 14.7 1200温度℃ 55 55 55ポットライフ 50分 2時間 1時間32分
【0084】例11〜17これらの実験において、以下の表に示したような設定量のプレポリマーA、プレポリマーB及び有機溶媒または二酸化炭素を反応器に充填して混合した。プレポリマーAはデュポン社によって販売されているImron500-S ポリウレタンエナメルより種々の溶媒と交換して製造した。プレポリマーBはまたデュポン社によって販売されているImron 192Sポリウレタンエナメル活性剤である。圧力及び温度を実験の間に与えられた条件にて一定に維持した。スターラーのトルクを測定して記録した。トルクが2000インチ−オンスの最大値に増加したときに反応のポットライフを決定した。”DMI”はN,N−2イミダゾリジノンを示す。”PMA”は溶媒n−プロピルメチルアセテートである。
【0085】
【表4】
例11 例12 例13 例14 例15 例16 例17120gポリマA DMI/ DMI/ PMA/ PMA/ DMI/ DMI/ トルエン溶媒/固体 48% 48% 48% 48% 48% 48% 23% ポリマーB(g) 79 79 79 79 79 79 79 二酸化炭素(g) なし 120 なし 120 なし 120 なし 圧力(psi) 14.7 1200 14.7 1200 14.7 1200 14.7温度℃ 55 55 55 55 55 55 55 ポットライフ 75 115 80 115 80 95 >400
【0086】例18〜21これらの実験において、以下の表に示したような設定量のプレポリマーA、プレポリマーB及び有機溶媒または二酸化炭素を反応器に充填して混合した。プレポリマーA及びプレポリマーBは、ポーター・ペイント社から販売されている、それぞれ、Universal Red エポキシ FPL-274及びUniversal エポキシ活性剤FPA-327 である。圧力及び温度を実験の間に与えられた条件にて一定に維持した。スターラーのトルクを測定して記録した。トルクが2000インチ−オンスの最大値に増加したときに反応のポットライフを決定した。”MAK”はメチルn−アミルケトン溶媒である。
【0087】
【表5】
例18 例19 例20 例21ポリマーA(g) 176 176 176 176ポリマーB(g) 44 44 44 44有機溶媒 なし MAK DMF なし二酸化炭素(g) なし なし なし 59 圧力(psi) 14.7 14.7 14.7 1200 温度℃ 55 55 55 55 ポットライフ 25分 >2時間 >2時間 >2時間
【0088】例22〜24これらの実験において、以下の表に示したような設定量のプレポリマーA、プレポリマーB及び有機溶媒または二酸化炭素を反応器に充填して混合した。プレポリマーA及びプレポリマーBは、ユニオン・カーバイト社から販売されている、それぞれ、UCAR官能性アクリル884 及びUCARLINK888 である。圧力及び温度を実験の間に与えられた条件にて一定に維持した。スターラーのトルクを測定して記録した。トルクが2000インチ−オンスの最大値に増加したときに反応のポットライフを決定した。”MIKB”はメチルイソブチルケトン溶媒でありそしてMPはメチルプロパゾル溶媒である。
【0089】
【表6】
例22 例23 例24ポリマーA(g) 125 125 125 ポリマーB(g) 11.0 11.0 11.0有機溶媒 なし MIBK/18 MP/18 なし二酸化炭素(g) なし なし 37圧力(psi) 14.7 14.7 1200温度℃ 55 55 55ポットライフ 35分 3-4 時間 2時間30分
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は2液系の挙動を研究してSCF−CO2 条件における反応を観測するための実験室用の実験装置を概念的に示す。
【図2】図2は粘度変化によって重合反応の測定を可能にする反応器組み立て部品を概念的に示す図である。
【図3】図3は反応過程の間の、40℃、種々の回転数における粘度とトルクとの相関関係を示すグラフである。
【符号の説明】
3 フラスコ
4 フラスコ
5 窒素パージ系、
7 秤量計
8 触媒供給ライン
9 ピストンポンプ
10 イソシアネート供給ライン
11 インライン型逆止弁
13 1/4インチ絞り弁
14 触媒供給ライン
17 イソシアネート供給ライン
20 PARR圧力反応器
29 平台型の記録器
30 速度/トルク読出し機付き混合器
32 電熱テープ
33 自動変換器
34 シリンダー
35 圧力計
41 二酸化炭素シリンダー減圧弁
42 二酸化炭素浸管付シリンダー

【特許請求の範囲】
【請求項1】 流動性の、官能性有機反応材料を超臨界流体条件または近超臨界流体条件下に維持された超臨界流体と混合することによって、該有機材料の化学反応を抑制する方法。
【請求項2】 官能基が適合する有機分子間で別途生じる化学反応を、超臨界流体または近超臨界流体を反応環境に含めることによって抑制し、それゆえ該反応を予定の且つ通常のパターンと異なるパターンに従って起こさせる化学反応抑制方法。
【請求項3】 超臨界流体または近超臨界流体が二酸化炭素である請求項1の方法。
【請求項4】 超臨界流体または近超臨界流体が二酸化炭素である請求項2の方法。
【請求項5】 流動性の、官能性有機反応材料が、一以上のモノマー、一以上のモノマー及びオリゴマー若しくはポリマー、一以上のオリゴマー及びポリマー、並びに一以上のポリマーであり、モノマー、オリゴマーまたはポリマーの混合物に超臨界流体CO2 を含めることによって適合性であるそれらの官能基間の反応を抑制する請求項1の方法。
【請求項6】 混合物を、SCF−CO2 が超臨界流体条件下に維持され且つ反応が抑制されるような圧力及び温度に維持し、そして温度及び圧力条件がSCF−CO2 の超臨界流体条件を下回るときに、抑制効果が除去されて反応が正常に進行する請求項5の方法。
【請求項7】 反応が反応射出成形組成物を含む請求項1の方法。
【請求項8】 官能性の有機材料の一つがアミンを含む請求項1の方法。
【請求項9】 射出成形の前に、有機ポリイソシアネート及びポリオールが予混合される請求項7の方法。
【請求項10】 予混合物が、超臨界流体または近超臨界流体を使用せずに混合した混合物に比べて延長されたポットライフを有する請求項9の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開平5−125362
【公開日】平成5年(1993)5月21日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平4−98598
【出願日】平成4年(1992)3月26日
【出願人】(591123001)ユニオン・カーバイド・ケミカルズ・アンド・プラステイツクス・テクノロジー・コーポレイシヨン (85)