説明

化学蓄熱装置

【課題】化学蓄熱材の再生が完了した反応容器に残存する顕熱を回収して、エネルギの利用率を高める。
【解決手段】反応材16との化学反応により発熱すると共に、加熱されることで反応材16が脱離する化学蓄熱材18を有する第1熱交換部11及び第1反応容器12(複数の反応容器)と、反応材16を貯蔵し、反応容器に対して該反応材16を供給すると共に、化学蓄熱材18から脱離した反応材16を回収する蒸発凝縮器14と、第1熱交換部11及び第1反応容器12(複数の反応容器)の間での熱交換を可能にする第1熱交換部11と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化学蓄熱装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ケミカルヒートポンプ装置として、化学反応物質が密閉された反応容器と、気体及びその液体が貯蔵される貯蔵容器との間を、熱輸送媒体が封入された連通管で接続し、反応容器の水和熱の一部を貯蔵容器に供給して、該貯蔵容器内での液体の蒸発に必要な潜熱を供給する構造が開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−214721号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した従来例では、気体と反応した化学反応物質(化学蓄熱材)から該気体を離脱させて再生する際の顕熱の利用については、特に考慮されていない。
【0005】
本発明は、上記事実を考慮して、化学蓄熱材の再生が完了した反応容器に残存する顕熱を回収して、エネルギの利用率を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、反応材との化学反応により発熱すると共に、加熱されることで前記反応材が脱離する化学蓄熱材を有する複数の反応容器と、前記反応材を貯蔵し、前記反応容器に対して該反応材を供給すると共に、前記化学蓄熱材から脱離した前記反応材を回収する蒸発凝縮器と、前記複数の反応容器同士の間での熱交換を可能にする第1熱交換部と、を備えている。
【0007】
請求項1に記載の化学蓄熱装置では、ある反応容器において化学蓄熱材を加熱することにより該化学蓄熱材から反応材を離脱させること、即ち化学蓄熱材の再生が完了した際に、該反応容器に残存する顕熱を、第1熱交換部を介して他の反応容器に供給することができる。これにより、該他の反応容器で化学蓄熱材の再生を行う際に該反応容器に供給するエネルギを低減できる。
【0008】
またすべての反応容器において化学蓄熱材の再生が完了した際には、主に最後に再生が完了した反応容器の顕熱を、第1熱交換部を介して他の反応容器に供給することができる。これにより、次回各反応容器において化学蓄熱材に反応材を反応させる際に備えた暖気を行うことができる。
【0009】
このように、本発明によれば、エネルギの利用率を高めることができる。
【0010】
請求項2の発明は、反応材との化学反応により発熱すると共に、加熱されることで前記反応材が脱離する化学蓄熱材を有する複数の反応容器と、前記反応材を貯蔵し、前記反応容器に対して該反応材を供給すると共に、前記化学蓄熱材から脱離した前記反応材を回収する蒸発凝縮器と、各々の前記反応容器と前記蒸発凝縮器との間での熱交換を可能にする第2熱交換部と、を備えている。
【0011】
請求項2に記載の化学蓄熱装置では、ある反応容器において化学蓄熱材の再生が完了した際に、該反応容器に残存する顕熱を、第2熱交換部を介して蒸発凝縮器に供給することができる。これにより、次回各反応容器において化学蓄熱材に反応材を反応させる際に、該反応材の供給源となる蒸発凝縮器を加熱するための熱源として、上記顕熱を利用することができる。
【0012】
また。ある反応容器における化学蓄熱材と反応材との化学反応が完了した際に、該反応容器に残存する顕熱を、第2熱交換部を介して蒸発凝縮器に供給することにより、他の反応容器において化学蓄熱材に反応材を反応させる際に蒸発凝縮器を加熱するための熱源として、上記顕熱を利用することができる。
【0013】
従って、反応容器の顕熱を、より一層有効に利用することができる。
【0014】
請求項3の発明は、請求項1に記載の化学蓄熱装置において、各々の前記反応容器と前記蒸発凝縮器との間での熱交換を可能にする第2熱交換部と、前記蒸発凝縮器に設けられた温度測定器と、を備えている。
【0015】
請求項3に記載の化学蓄熱装置では、ある反応容器において化学蓄熱材の再生が完了した際に、該反応容器に残存する顕熱を、第1熱交換部を介して他の反応容器に供給することにより、該他の反応容器で化学蓄熱材の再生を行う際に該反応容器に供給するエネルギを低減できる。
【0016】
またすべての反応容器において化学蓄熱材の再生が完了した際には、主に最後に再生が完了した反応容器の顕熱を、第2熱交換部を介して蒸発凝縮器に供給することができる。これにより、次回各反応容器において化学蓄熱材に反応材を反応させる際に、該反応材の供給源となる蒸発凝縮器を加熱するための熱源として、上記顕熱を利用することができる。
【0017】
更に、温度測定器により、蒸発凝縮器内の反応材の温度が凍結点を下回らないように制御することにより、該反応材の凍結を抑制して、該反応材と化学蓄熱材とを持続的に反応させ、熱エネルギを安定的に生じさせることができる。
【0018】
請求項4の発明は、反応材との化学反応により発熱すると共に、加熱されることで前記反応材が脱離する化学蓄熱材を有する複数の反応容器と、前記反応材を貯蔵し、前記反応容器に対して該反応材を供給すると共に、前記化学蓄熱材から脱離した前記反応材を回収する蒸発凝縮器と、該蒸発凝縮器に設けられた温度測定器と、前記蒸発凝縮器に設けられた熱回収器と、を備えている。
【0019】
請求項4に記載の化学蓄熱装置では、ある反応容器において化学蓄熱材と反応材とを化学反応させる際に、蒸発凝縮器内の反応材を蒸発させて反応容器に供給するが、その際の蒸発潜熱に基づく蒸発凝縮器の顕熱(冷熱)を熱回収器により回収して、他の機器の冷却に利用することができる。
【0020】
ある反応容器における化学蓄熱材と反応材との化学反応が完了した後に、直ちに次の反応容器での化学蓄熱材と反応材との化学反応を開始するのではなく、温度測定器により、蒸発凝縮器内の反応材の温度が、他の機器の冷却に適した温度の上限(上限温度)に達するまで、熱回収器による冷熱の回収を行う。そして蒸発凝縮器内の反応材の温度が上下温度に達したところで、次の反応容器での化学蓄熱材と反応材との化学反応を開始する。このため、蒸発凝縮器からの冷熱回収量を増加させることができる。
【0021】
また、上記のように、次の反応容器での化学反応の開始を遅らせることにより、該反応容器における過度の化学反応を抑制することができる。これによって、反応容器での化学蓄熱材の再生時に必要となる熱エネルギを抑制することができる。
【0022】
請求項5の発明は、反応材との化学反応により発熱すると共に、加熱されることで前記反応材が脱離する化学蓄熱材を有する反応容器と、前記反応材を貯蔵し、該反応材を蒸発させて前記反応容器に供給する第1蒸発凝縮器と、前記化学蓄熱材から脱離した前記反応材を凝縮させて回収する第2蒸発凝縮器と、前記第1蒸発凝縮器と前記第2蒸発凝縮器との間での熱交換を可能にする第3熱交換部と、を備えている。
【0023】
請求項5に記載の化学蓄熱装置では、第1蒸発凝縮器にて反応材を蒸発させて反応容器に供給する際に得られる蒸発潜熱を、第3熱交換部を介して第2蒸発凝縮器に供給して蓄熱しておくことにより、該第2蒸発凝縮器において反応材を凝縮させる際の冷熱源として利用することができる。
【0024】
また第2蒸発凝縮器において反応材を凝縮させる際の凝縮潜熱を、第3熱交換部を介して第1蒸発凝縮器に供給して蓄熱しておくことにより、該第1蒸発凝縮器において反応材を蒸発させる際の温熱源として利用することができる。
【0025】
このように、本発明によれば、第1蒸発凝縮器と第2蒸発凝縮器との間で、潜熱を有効利用して、エネルギの利用率を高めることができる。
【発明の効果】
【0026】
以上説明したように、本発明に係る請求項1に記載の化学蓄熱装置によれば、化学蓄熱材の再生が完了した反応容器に残存する顕熱を回収して、エネルギの利用率を高めることができる、という優れた効果が得られる。
【0027】
請求項2に記載の化学蓄熱装置によれば、反応容器の顕熱を、より一層有効に利用することができる、という優れた効果が得られる。
【0028】
請求項3に記載の化学蓄熱装置によれば、反応材と化学蓄熱材とを持続的に反応させ、反応容器において熱エネルギを安定的に生じさせることができる、という優れた効果が得られる。
【0029】
請求項4に記載の化学蓄熱装置によれば、蒸発凝縮器からの冷熱回収量を増加させると共に、化学蓄熱材の再生時に必要となる熱エネルギを抑制することができる、という優れた効果が得られる。
【0030】
請求項5に記載の化学蓄熱装置によれば、第1蒸発凝縮器と第2蒸発凝縮器との間で、潜熱を有効利用して、エネルギの利用率を高めることができる、という優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】図1及び図2は、第1実施形態に係り、図1は化学蓄熱装置を示す模式図である。
【図2】各バルブの開閉タイミングと各再生熱源の使用タイミングを示すタイミングチャート図、並びに第1反応容器及び第2反応容器の温度変化を示す線図である。
【図3】図3及び図4は、第2実施形態に係り、図3は化学蓄熱装置を示す模式図である。
【図4】水和時における、各バルブの開閉タイミングを示すタイミングチャート図、並びに第1反応容器及び第2反応容器の温度変化を示す線図である。
【図5】脱水時における、各バルブの開閉タイミングを示すタイミングチャート図、並びに第1反応容器及び第2反応容器の温度変化を示す線図である。
【図6】第3実施形態に係る化学蓄熱装置を示す模式図である。
【図7】図7及び図8は、第4実施形態に係り、図7は化学蓄熱装置を示す模式図である。
【図8】各バルブの開閉タイミングを示すタイミングチャート図、並びに第1反応容器、第2反応容器及び蒸発凝縮器の温度変化を示す線図である。
【図9】図9及び図10は、第5実施形態に係り、図9は化学蓄熱装置を示す模式図である。
【図10】各バルブの開閉タイミングを示すタイミングチャート図、並びに蒸発凝縮器における蒸発器及び凝縮器の温度変化を示す線図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づき説明する。
【0033】
[第1実施形態]
図1において、本実施形態に係る化学蓄熱装置10は、例えば車両に搭載される蓄熱装置に係り、複数の反応容器の一例たる第1反応容器12及び第2反応容器22と、蒸発凝縮器14と、第1熱交換部11と、を備えている。
【0034】
第1反応容器12及び第2反応容器22は、反応材16との化学反応により発熱すると共に、加熱されることで反応材16が脱離する化学蓄熱材18を有している。反応材16は、例えば水(H0)であり、化学蓄熱材18は、例えばアルカリ土類金属の塩化物である。第1反応容器12には、熱回収器24と、第1再生熱源41と、第1熱交換部11の熱交換器26とが設けられている。
【0035】
熱回収器24は、化学蓄熱材18と反応材16との化学反応により生じる熱エネルギ(顕熱)を回収して、加熱対象となる他の機器(バッテリー等)へ供給可能に構成されている。
【0036】
第1再生熱源41は、第1反応容器12における化学蓄熱材18の再生時に、該化学蓄熱材18を加熱して反応材16を脱離させるためのものである。第1再生熱源41としては、電気ヒータや、外部の熱源と接続された熱交換器等が用いられる。
【0037】
同様に、第2反応容器22は、化学蓄熱材18を有しており、熱回収器24と、第2再生熱源42と、第1熱交換部11の熱交換器28とが設けられている。
【0038】
第2再生熱源42は、第2反応容器22における化学蓄熱材18の再生時に、該化学蓄熱材18を加熱して反応材16を脱離させるためのものである。第2再生熱源42としては、電気ヒータや、外部の熱源と接続された熱交換器等が用いられる。
【0039】
なお、第1再生熱源41及び第2再生熱源42を熱回収器24と統合し、化学蓄熱材18の再生時に、エンジン等の熱源から熱回収器24を介して第1反応容器12や第2反応容器22に熱エネルギを供給するようにしてもよい。
【0040】
蒸発凝縮器14は、反応材16を貯蔵し、第1反応容器12及び第2反応容器22に対して該反応材16を供給すると共に、化学蓄熱材18から脱離した反応材16を回収するように構成されている。この蒸発凝縮器14は、バルブ51を有する連通管32により第1反応容器12と接続され、またバルブ52を有する連通管34により第2反応容器22と接続されている。また蒸発凝縮器14には、該蒸発凝縮器14で生じた潜熱を外部機器との間で輸送するための熱回収器36が設けられている。なお、この熱回収器36を用いない構成としてもよい。
【0041】
第1熱交換部11は、第1反応容器12と第2反応容器22との間での熱交換を可能にする熱交換手段である。この第1熱交換部11は、例えば、熱交換器26,28と、バルブ44と、ポンプ46と、熱媒体54を貯蔵する熱媒体容器48とを、配管38により直列に接続することにより構成されている。熱媒体54は、例えばクーラント液であり、ポンプ46により配管38を通じて、第1反応容器12と第2反応容器22との間を循環可能に構成されている。
【0042】
なお、第1熱交換部11の構成はこれに限られず、第1反応容器12と第2反応容器22との間での熱交換が可能であればよい。
【0043】
(作用)
本実施形態は、上記のように構成されており、以下その作用について説明する。まず、第1反応容器12において化学蓄熱材18と反応材16とを化学反応(水和反応)させる際の作用について説明する。
【0044】
図1において、第1熱交換部11のバルブ44と、第2反応容器22側の連通管34のバルブ52を閉じた状態で、第1反応容器12側の連通管32のバルブ51を開くと、蒸発凝縮器14で発生した反応材16の蒸気(水蒸気)が、該連通管32を通じて第1反応容器12内へ移動する。この反応材16と化学蓄熱材18とが化学反応(水和反応)することにより、熱エネルギ(顕熱)が生じるので、該熱エネルギを熱回収器24により回収して、他の機器(バッテリー等)へ供給し、該機器の暖機等を行うことができる。
【0045】
第2反応容器22において化学蓄熱材18と反応材16とを化学反応(水和反応)させる際の作用も同様である。
【0046】
次に、第1反応容器12において反応材16と結合した化学蓄熱材18から該反応材16を脱離(脱水)させて、化学蓄熱材18を再生する際の作用について説明する。図2の時間と各反応容器の温度との関係を示す線図(以下、単に「線図」という。)において、T,T,T,Tは、夫々次の温度を意味している。
【0047】
:化学蓄熱材18から反応材16が脱離し始める温度
:外気温
:第1反応容器12の温度
:第2反応容器22の温度
【0048】
化学蓄熱材18の再生(脱水)は、図2のタイミングチャートに沿って行われる。初めに、バルブ52,44を閉じ、第2再生熱源42を非作動としておき、バルブ51を開くと共に第1再生熱源41を作動させると、該第1再生熱源41により第1反応容器12内が加熱され、図2の線図に示されるように、温度Tが上昇する。この温度Tが温度T以上になると、化学蓄熱材18と結合していた反応材16が、該化学蓄熱材18から脱離し始める。温度Tを温度T以上に維持することにより、反応材16が化学蓄熱材18から完全に脱離するまで、脱水が継続する(図2の線図の区間A)。このとき、化学蓄熱材18から脱離した反応材16は、連通管32を通じて蒸発凝縮器14に戻り、該蒸発凝縮器14において凝縮されて貯蔵される(図1)。
【0049】
化学蓄熱材18の再生(脱水)が完了した際には、第1再生熱源41の作動を停止させ、バルブ51を閉じる。またこれと同時に、バルブ52,44を開く。これによって、第1反応容器12と第2反応容器22との間での熱交換が始まる。具体的には、第1反応容器12に残存する顕熱が、第1熱交換部11を介して他の反応容器、即ち第2反応容器22に供給される。これにより、温度Tが低下し始め、温度T付近にあった温度Tが上昇し始める。この熱交換は、温度T,Tが等しくなるまで継続する(図2の線図の区間B)。
【0050】
温度T,Tが等しくなると、熱交換が行われなくなるので、バルブ44を閉じ、第2再生熱源42を作動させる。すると、第2再生熱源42により第2反応容器22内が加熱されるため、図2の線図に示されるように、温度Tが更に上昇して行く。一方、温度Tは徐々に低下して行く。
【0051】
このように、温度T,Tが等しくなるまで、第2再生熱源42を作動させないことにより、第2反応容器22で化学蓄熱材18の再生を行う際に該第2反応容器22に供給するエネルギを低減できる。
【0052】
温度Tが温度T以上になると、化学蓄熱材18と結合していた反応材16が、該化学蓄熱材18から脱離し始める。温度Tを温度T以上に維持することにより、反応材16が化学蓄熱材18から完全に脱離するまで、脱水が継続する(図2の線図の区間C)。このとき、化学蓄熱材18から脱離した反応材16は、連通管34を通じて蒸発凝縮器14に戻り、該蒸発凝縮器14において凝縮されて貯蔵される(図1)。
【0053】
化学蓄熱材18の再生(脱水)が完了した際には、第2再生熱源42の作動を停止させ、バルブ52を閉じる。またこれと同時にバルブ44を開く。これによって、第1反応容器12と第2反応容器22との間での熱交換が始まる。具体的には、第2反応容器22に残存する顕熱が、第1熱交換部11を介して第1反応容器12に供給される。これにより、温度Tが低下し始め、温度Tが上昇し始める(図2の線図の区間D)。
【0054】
即ち、すべての反応容器において化学蓄熱材18の再生が完了した際には、主に最後に再生が完了した反応容器(第2反応容器22)の顕熱を、第1熱交換部11を介して他の反応容器(第1反応容器12)に供給することができる。これにより、次回各反応容器において化学蓄熱材18に反応材16を反応させる際に備えた暖気を行うことができる。
【0055】
このように、本実施形態によれば、エネルギの利用率を高めることができる。
【0056】
[第2実施形態]
図3において、本実施形態に係る化学蓄熱装置20は、第1実施形態における第1熱交換部11を、第2熱交換部21に置き換えて構成されている。第2熱交換部21は、第1反応容器12と蒸発凝縮器14との間、及び第2反応容器22と蒸発凝縮器14との間での熱交換を夫々可能にする熱交換手段である。
【0057】
この第2熱交換部21は、第1反応容器12側においては、例えば、熱交換器26,56と、バルブ43と、ポンプ46と、熱媒体容器48とを、配管37により直列に接続することにより構成されている。熱媒体54は、ポンプ46により配管37内を循環可能に構成されている。
【0058】
また第2熱交換部21は、第2反応容器22側においては、例えば、熱交換器28,58と、バルブ45と、ポンプ47と、熱媒体容器48とを、配管39により直列に接続することにより構成されている。熱媒体54は、ポンプ47により配管39内を循環可能に構成されている。第2反応容器22側において、熱媒体54は、ポンプ46により配管39内を循環可能に構成されている。
【0059】
第2熱交換部21において、熱交換器56,58は蒸発凝縮器14内に配設されている。
【0060】
なお、第2熱交換部21の構成はこれに限られず、第1反応容器12と第2反応容器22との間での熱交換が可能であればよい。
【0061】
他の部分については、第1実施形態と同様であるので、同一の部分には図面に同一の符号を付し、説明を省略する。
【0062】
(作用)
本実施形態は、上記のように構成されており、以下その作用について説明する。まず、第1反応容器12及び第2反応容器22において、化学蓄熱材18と反応材16とを化学反応(水和反応)させる際の作用について説明する。図4の線図において、温度Tは、他の機器の暖機のための温熱源として使用できる温度の下限を意味している。
【0063】
化学蓄熱材18と反応材16との化学反応(水和反応)は、図4のタイミングチャートに沿って行われる。初めに、バルブ52を閉じると共に、第2熱交換部21のバルブ43,45を閉じておき、連通管32のバルブ51を開くと、蒸発凝縮器14で発生した反応材16の蒸気(水蒸気)が、該連通管32を通じて第1反応容器12内へ移動する。この反応材16と化学蓄熱材18とが化学反応(水和反応)することにより熱エネルギ(顕熱)が生じ、第1反応容器12の温度Tが上昇する。この顕熱を熱回収器24により回収して他の機器(バッテリー等)へ供給し、該機器の暖機等を行うことができる。この水和反応は、化学蓄熱材18に反応材16が結合できなくなるまで持続する(図4の線図の区間E)。
【0064】
水和反応が完了したタイミングでバルブ51を閉じるが、熱回収器24による第1反応容器12の顕熱の回収は続いているため、温度Tは低下し始める。この温度Tが温度Tに近づいたタイミングで、連通管34のバルブ52を開く。すると、蒸発凝縮器14で発生した反応材16の蒸気(水蒸気)が、該連通管34を通じて第2反応容器22内へ移動する。この反応材16と化学蓄熱材18とが化学反応(水和反応)することにより熱エネルギ(顕熱)が生じ、第2反応容器22の温度Tが上昇する。第2反応容器22での水和反応は、化学蓄熱材18に反応材16が結合できなくなるまで持続する(図4の線図の区間G)。
【0065】
区間Gにおいて、第1反応容器12の温度Tが温度Tまで低下したタイミングで、第2熱交換部21の第1反応容器12側のバルブ43を開く。すると、温度Tを下回った第1反応容器12の顕熱が、第2熱交換部21を介して蒸発凝縮器14に供給される。これにより、該蒸発凝縮器14での反応材16の蒸発潜熱を補い、該蒸発を促すことができる。
【0066】
即ち、図4の線図の区間Fにおいては、水和完了後第1反応容器12に残存する温度T以上の顕熱を、熱回収器24により回収して利用することができ、また、図4の線図の区間Gにおいては、更に第1反応容器12に残存する温度T未満の顕熱を、蒸発凝縮器14の熱源として使用することができる。
【0067】
第2反応容器22での水和反応が完了したタイミングでバルブ52,43を閉じるが、熱回収器24による第2反応容器22の顕熱の回収は続いているため、温度Tは低下し始める。この温度Tが温度Tに達するまで、水和反応完了後第2反応容器22に残存する顕熱を熱回収器24により回収することができる(図4の線図の区間J)。
【0068】
次に、水和反応が完了した化学蓄熱材18を再生する際の作用について説明する。再生時の基本的な作用は、第1実施形態と同様であるので、異なる部分について説明する。図5の線図において、Tは、蒸発凝縮器14内の反応材16の温度を示している。
【0069】
化学蓄熱材18の再生(脱水)の際の各バルブの動作は、図5のタイミングチャートに沿って行われる。初めに、バルブ52,43を閉じ、バルブ51を開いて第1反応容器12での化学蓄熱材18の再生(脱水)を行う。反応材16が化学蓄熱材18から完全に脱離するまで、脱水が継続する(図5の線図の区間A)。
【0070】
第1反応容器12での化学蓄熱材18の再生(脱水)が完了した際には、バルブ51を閉じると共に、バルブ52を開く。これにより、第2反応容器22での化学蓄熱材18の再生(脱水)を行う。反応材16が化学蓄熱材18から完全に脱離するまで、脱水が継続する(図5の線図の区間C)。
【0071】
なお、第1反応容器12と第2反応容器22の再生タイミングは、同時であってもよい。
【0072】
すべての反応容器(第1反応容器12及び第2反応容器22)において化学蓄熱材18の再生が完了したタイミングで、バルブ52を閉じ、バルブ43,45を開く。これにより、第1反応容器12及び第2反応容器22に残存する顕熱を、第2熱交換部21を介して蒸発凝縮器14に供給することができる。これにより、図5の線図に示されるように、蒸発凝縮器14内の反応材16の温度Tが、第1反応容器12の温度T及び第2反応容器22の温度Tと一致するまで上昇して行く。即ち、次回各反応容器において化学蓄熱材18に反応材16を反応させる際に、該反応材16の供給源となる蒸発凝縮器14を加熱するための熱源として、再生完了後の第1反応容器12及び第2反応容器22の顕熱を利用することができる。
【0073】
従って、本実施形態では、第1熱交換部11及び第2反応容器22の顕熱を、より一層有効に利用することができる。
【0074】
[第3実施形態]
図6において、本実施形態に係る化学蓄熱装置30は、第1実施形態と第2実施形態とを組み合わせると共に、蒸発凝縮器14に設けられた温度測定器62を有して構成されている。
【0075】
温度測定器62は、蒸発凝縮器14に貯蔵された反応材16の温度を検知可能に構成されており、反応材16の温度が凍結点を下回らないようにするために用いられる。
【0076】
配管37,39には、第1反応容器12と第2反応容器22との間で熱媒体54を循環させるためのバイパス管64が設けられている。このバイパス管64は、熱交換器26とバルブ43との間の部分と、熱交換器28とバルブ45との間とに接続されている。バルブ43,45を閉じ、バルブ44を開くことにより、第1実施形態の第1熱交換部11のように、熱媒体54を、第1反応容器12と第2反応容器22との間で熱交換を行うことが可能となっている。またバルブ44を閉じることにより、第2実施形態の第2熱交換部21のように、第1反応容器12及び第2反応容器22と蒸発凝縮器14との間で熱交換を行うことが可能となっている。
【0077】
他の部分については、第1実施形態又は第2実施形態と同様であるので、同一の部分には図面に同一の符号を付し、説明を省略する。
【0078】
(作用)
本実施形態は、上記のように構成されており、以下その作用について説明する。図6において、本実施形態に係る化学蓄熱装置30では、第1反応容器12において化学蓄熱材18の再生が完了した際に、バルブ43,45を閉じ、バルブ44を開くことにより、熱媒体54を、第1反応容器12と第2反応容器22との間で循環させることができる。これにより、第1反応容器12に残存する顕熱を、第1熱交換部11を介して第2反応容器22に供給して、該第2反応容器22で化学蓄熱材18の再生を行う際に該第2反応容器22に供給するエネルギを低減できる。
【0079】
またすべての反応容器(第1反応容器12及び第2反応容器22)において化学蓄熱材18の再生が完了した際には、バルブ44を閉じ、バルブ43,45を開くことにより、最後に再生が完了した反応容器、例えば主に第2反応容器22の顕熱を、第2熱交換部21を介して蒸発凝縮器14に供給することができる。これにより、次回各反応容器において化学蓄熱材18に反応材16を反応させる際に、該反応材16の供給源となる蒸発凝縮器14を加熱するための熱源として、上記顕熱を利用することができる。従って、高温から低温まですべての顕熱を利用可能となる。
【0080】
更に、温度測定器62により、蒸発凝縮器14内の反応材16の温度が凍結点を下回らないように制御する。具体的には、反応材16の温度が凍結点付近になった場合、バルブ51,52の一方又は双方を閉じて、第1反応容器12や第2反応容器22での水和反応を停止させると共に、バルブ43,45を開いて、第1反応容器12や第2反応容器22の顕熱で蒸発凝縮器14を加熱する。これにより、反応材16の凍結を抑制して、該反応材16と化学蓄熱材18とを持続的に反応させ、熱エネルギを安定的に生じさせることができる。
【0081】
なお、蒸発凝縮器14を加熱する手段は第2熱交換部21には限られず、熱回収器36に接続される熱源(図示せず)や電気ヒータ等の熱源(図示せず)を用いてもよい。
【0082】
[第4実施形態]
図7において、本実施形態に係る化学蓄熱装置40は、第1反応容器12及び第2反応容器22と、蒸発凝縮器14と、温度測定器62と、熱回収器36とを有して構成されている。
【0083】
他の部分については、第1実施形態、第2実施形態又は第3実施形態と同様であるので、同一の部分には図面に同一の符号を付し、説明を省略する。
【0084】
(作用)
本実施形態は、上記のように構成されており、以下その作用について説明する。図7において、本実施形態に係る化学蓄熱装置40では、第1反応容器12において化学蓄熱材18と反応材16とを化学反応(水和反応)させる際に、蒸発凝縮器14内の反応材16を蒸発させて該第1反応容器12に供給するが、その際の蒸発潜熱に基づく蒸発凝縮器14の顕熱(冷熱)を熱回収器36により回収して、他の機器の冷却に利用することができる。
【0085】
化学蓄熱材18と反応材16との化学反応(水和反応)は、図8のタイミングチャートに沿って行われる。バルブ51,52の開閉タイミングと、第1反応容器12の温度Tと第2反応容器22の温度Tの変化の関係は、第2実施形態(図4)と概ね同様である。図8の線図において、温度Tは、他の機器の冷却のための冷熱源として使用できる温度の上限を意味している。
【0086】
本実施形態では、第1反応容器12において化学蓄熱材18と反応材16とを化学反応(水和反応)させている間、及び水和反応が完了してバルブ51を閉じた後、蒸発凝縮器14内の反応材16の温度Tが温度T未満であるときは、熱回収器36により、蒸発凝縮器14の顕熱(反応材16の蒸発潜熱)を回収して、他の機器の冷却に利用することができる。
【0087】
即ち、第1反応容器12における化学蓄熱材18と反応材16との化学反応(水和反応)が完了した後に、直ちに第2反応容器22での化学蓄熱材18と反応材16との化学反応を開始するのではなく、温度測定器62により、蒸発凝縮器14内の反応材16の温度が、他の機器の冷却に適した温度の上限(上限温度T)に達するまで、熱回収器36による冷熱の回収を行う。
【0088】
そして、蒸発凝縮器14内の反応材16の温度Tが温度Tに達したときに、バルブ52を開いて、第2反応容器22における化学蓄熱材18と反応材16とを化学反応(水和反応)を開始する。これにより、再び蒸発凝縮器14内の反応材16の温度Tが低下するので、再び熱回収器36により蒸発凝縮器14の顕熱(反応材16の蒸発潜熱)を回収して、他の機器の冷却に利用することができる。このため、蒸発凝縮器14からの冷熱回収量を増加させることができる。
【0089】
また、上記のように、第2反応容器22での化学反応の開始を遅らせることにより、該第2反応容器22における過度の化学反応を抑制することができる。またこれによって、第2反応容器22での化学蓄熱材18の再生時に必要となる熱エネルギを抑制することができる。
【0090】
[第5実施形態]
図9において、本実施形態に係る化学蓄熱装置50は、1つの反応容器70と、第1蒸発凝縮器71と、第2蒸発凝縮器72と、第3熱交換部31とを備えている。
【0091】
反応容器70は、反応材16との化学反応により発熱すると共に、加熱されることで反応材16が脱離する化学蓄熱材18を有している。この反応容器70には、熱回収器24と、第1再生熱源41が設けられている。
【0092】
第1蒸発凝縮器71は、反応材16を貯蔵し、該反応材16を蒸発させて反応容器70に供給する蒸発器である。第2蒸発凝縮器72は、化学蓄熱材18から脱離した反応材16を凝縮させて回収する凝縮器である。反応容器70と、第1蒸発凝縮器71及び第2蒸発凝縮器72は、二股状の連通管84を介して接続されている。連通管84の第1蒸発凝縮器71側にはバルブ81が設けられ、第2蒸発凝縮器72側にはバルブ82が設けられている。なお、バルブ81,82の代わりに、連通管84の二股部分に三方弁を設けてもよい。
【0093】
第3熱交換部31は、第1蒸発凝縮器71と第2蒸発凝縮器72との間での熱交換を可能にする熱交換手段である。この第3熱交換部31は、例えば、熱交換器76,78と、バルブ74と、ポンプ80とを、配管86により直列に接続することにより構成されている。そして、熱媒体(図示せず)が、ポンプ80により、配管86を通じて第1蒸発凝縮器71と第2蒸発凝縮器72との間を循環するようになっている。
【0094】
他の部分については、第1実施形態と同様であるので、同一の部分には図面に同一の符号を付し、説明を省略する。
【0095】
(作用)
本実施形態は、上記のように構成されており、以下その作用について説明する。図10の線図において、T,T,Tは、夫々次の温度を意味している。
【0096】
:外気温
:第1蒸発凝縮器71の温度
:第2蒸発凝縮器72の温度
【0097】
図9,図10において、本実施形態に係る化学蓄熱装置50では、反応容器70において化学蓄熱材18と反応材16とを化学反応(水和反応)させる際に、連通管84のバルブ82を閉じた状態で、連通管84のバルブ81と、第3熱交換部31のバルブ74を開く。これによって、第1蒸発凝縮器71にて反応材16を蒸発させて反応容器70に供給することができる。
【0098】
このとき、第1蒸発凝縮器71では、反応材16の蒸発により蒸発潜熱が生じる。この蒸発潜熱は、第3熱交換部31を介して第2蒸発凝縮器72に供給して蓄熱される。換言すれば、図10の線図に示されるように、蒸発潜熱により第1蒸発凝縮器71内の反応材16の温度が低下すると、第3熱交換部31を介して第2蒸発凝縮器72の熱が奪われ、該第2蒸発凝縮器72内の反応材16の温度も低下する。これにより、第1蒸発凝縮器71で生じた蒸発潜熱を第2蒸発凝縮器72に蓄熱することができる。
【0099】
反応容器70での水和反応は、化学蓄熱材18に反応材16が結合できなくなるまで持続する(図10の線図の区間K)。水和反応が完了したタイミングでバルブ81を閉じるが、第3熱交換部31による熱交換は継続しているため、第1蒸発凝縮器71内の反応材16と、第2蒸発凝縮器72内の反応材16の温度が、点p1において等しくなる。ここで第3熱交換部31のバルブ74を閉じ、熱交換を一時停止する。
【0100】
次に、水和反応が完了した化学蓄熱材18を再生する際には、再び第3熱交換部31のバルブ74を開くと共に、連通管84のバルブ82を開く。すると、反応容器70内の化学蓄熱材18から脱離した反応材16が、連通管84を通じて第2蒸発凝縮器72に戻り、該第2蒸発凝縮器72において凝縮されて貯蔵される。この際、第2蒸発凝縮器72には凝縮潜熱が生じるが、その冷熱源として、上記した水和反応時に第2蒸発凝縮器72に蓄熱された蒸発潜熱を利用することができる。
【0101】
換言すれば、図10の線図において、化学蓄熱材18の再生開始時である点p2において、第2蒸発凝縮器72の温度Tは、外気温Tよりも低くなっているので、その分凝縮潜熱による第2蒸発凝縮器72の温度上昇を抑制することができる。
【0102】
化学蓄熱材18からの脱水は、反応材16が該化学蓄熱材18から完全に脱離するまで、継続する(図10の線図の区間L)。化学蓄熱材18の再生が完了した際にバルブ82を閉じるが、第3熱交換部31による熱交換は継続しているため、第1蒸発凝縮器71内の反応材16と、第2蒸発凝縮器72内の反応材16の温度が、点p3において等しくなる。換言すれば、第2蒸発凝縮器72で生じた凝縮潜熱が、第3熱交換部31を介して第1蒸発凝縮器71に蓄熱される。ここで第3熱交換部31のバルブ74を閉じ、熱交換を一時停止する。
【0103】
熱需要が生じた際には、再度連通管84のバルブ81を開き、反応容器70において化学蓄熱材18と反応材16とを再度化学反応(水和反応)させる(区間M)。このとき、第1蒸発凝縮器71には、反応材16の蒸発潜熱が生じるが、その温熱源として、上記した脱水時に第1蒸発凝縮器71に蓄熱された凝縮潜熱を利用することができる。
【0104】
換言すれば、図10の線図において、化学蓄熱材18の水和開始時である点p4において、第1蒸発凝縮器71の温度Tは、外気温Tよりも高くなっているので、その分蒸発潜熱による第1蒸発凝縮器71の温度低下を抑制することができる。
【0105】
このように、本実施形態によれば、第1蒸発凝縮器71と第2蒸発凝縮器72との間で、潜熱を有効利用して、エネルギの利用率を高めることができる。
【0106】
なお、第3熱交換部31の構成はこれに限られず、第1蒸発凝縮器71と第2蒸発凝縮器72との間での熱交換が可能であればよい。
【0107】
[他の実施形態]
複数の反応容器として、第1反応容器12及び第2反応容器22を挙げたが、反応容器は3個以上であってもよい。
【0108】
また上記実施形態は、適宜組み合わせて用いることが可能である。
【符号の説明】
【0109】
10 化学蓄熱装置
11 第1熱交換部
12 第1反応容器
14 蒸発凝縮器
16 反応材
18 化学蓄熱材
20 化学蓄熱装置
21 第2熱交換部
22 第2反応容器
30 化学蓄熱装置
31 第3熱交換部
36 熱回収器
40 化学蓄熱装置
50 化学蓄熱装置
62 温度測定器
70 反応容器
71 第1蒸発凝縮器
72 第2蒸発凝縮器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
反応材との化学反応により発熱すると共に、加熱されることで前記反応材が脱離する化学蓄熱材を有する複数の反応容器と、
前記反応材を貯蔵し、前記反応容器に対して該反応材を供給すると共に、前記化学蓄熱材から脱離した前記反応材を回収する蒸発凝縮器と、
前記複数の反応容器同士の間での熱交換を可能にする第1熱交換部と、
を備えた化学蓄熱装置。
【請求項2】
反応材との化学反応により発熱すると共に、加熱されることで前記反応材が脱離する化学蓄熱材を有する複数の反応容器と、
前記反応材を貯蔵し、前記反応容器に対して該反応材を供給すると共に、前記化学蓄熱材から脱離した前記反応材を回収する蒸発凝縮器と、
各々の前記反応容器と前記蒸発凝縮器との間での熱交換を可能にする第2熱交換部と、
を備えた化学蓄熱装置。
【請求項3】
各々の前記反応容器と前記蒸発凝縮器との間での熱交換を可能にする第2熱交換部と、
前記蒸発凝縮器に設けられた温度測定器と、
を備えた請求項1に記載の化学蓄熱装置。
【請求項4】
反応材との化学反応により発熱すると共に、加熱されることで前記反応材が脱離する化学蓄熱材を有する複数の反応容器と、
前記反応材を貯蔵し、前記反応容器に対して該反応材を供給すると共に、前記化学蓄熱材から脱離した前記反応材を回収する蒸発凝縮器と、
該蒸発凝縮器に設けられた温度測定器と、
前記蒸発凝縮器に設けられた熱回収器と、
を備えた化学蓄熱装置。
【請求項5】
反応材との化学反応により発熱すると共に、加熱されることで前記反応材が脱離する化学蓄熱材を有する反応容器と、
前記反応材を貯蔵し、該反応材を蒸発させて前記反応容器に供給する第1蒸発凝縮器と、
前記化学蓄熱材から脱離した前記反応材を凝縮させて回収する第2蒸発凝縮器と、
前記第1蒸発凝縮器と前記第2蒸発凝縮器との間での熱交換を可能にする第3熱交換部と、
を備えた化学蓄熱装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−113552(P2013−113552A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−262350(P2011−262350)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000003609)株式会社豊田中央研究所 (4,200)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】