化学除染用イオン交換樹脂塔
【課題】 化学除染実施時に、樹脂廃棄作業を誰もが使いやすい操作で安全に作業でき、単純でトラブル、故障もなく、再使用可能であり、且つ、樹脂が完全に排出できる構造を持つイオン交換樹脂塔を提供すること。
【解決手段】 樹脂塔本体と、樹脂塔本体下部に設けられた、樹脂排出口を有する仕切スクリーンと、前記樹脂排出口に結合された樹脂排出配管と、樹脂塔本体下部に設けられた下部液配管と、樹脂塔上部に設けられた上部スクリーンと、前記上部スクリーンを通じて液体が流通可能な上部液配管とを有する化学除染用イオン交換樹脂塔並びに、更に、これを樹脂排出配管と下部液配管を挟み込むことのできる底部遮蔽部材および側部遮蔽部材並びに上部液配管に対応した切り欠きを有する上部遮蔽部材により遮蔽した化学除染用イオン交換樹脂塔。
【解決手段】 樹脂塔本体と、樹脂塔本体下部に設けられた、樹脂排出口を有する仕切スクリーンと、前記樹脂排出口に結合された樹脂排出配管と、樹脂塔本体下部に設けられた下部液配管と、樹脂塔上部に設けられた上部スクリーンと、前記上部スクリーンを通じて液体が流通可能な上部液配管とを有する化学除染用イオン交換樹脂塔並びに、更に、これを樹脂排出配管と下部液配管を挟み込むことのできる底部遮蔽部材および側部遮蔽部材並びに上部液配管に対応した切り欠きを有する上部遮蔽部材により遮蔽した化学除染用イオン交換樹脂塔。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、イオン交換樹脂塔に関し、更に詳細には、使用済みイオン交換樹脂の排出が簡単であり、しかも放射線遮蔽が容易に行えるため原子力発電所等での化学除染工事において有利に利用することのできるイオン交換樹脂塔に関する。
【背景技術】
【０００２】
原子力発電所の、放射線々量当量率の高い原子炉一次系配管や機器等の点検・交換の際には、作業員の作業線量当量低減のために化学除染工事が事前に実施される。この化学除染工事においては、配管、機器に付着した、放射能を含んだ金属酸化物を化学除染剤で金属イオンに溶解、除去し、この金属イオンをイオン交換樹脂にて回収することが一般的である。
【０００３】
しかし、化学除染工事で発生する使用済みイオン交換樹脂は、数ｍＳｖ/ｈ〜数十ｍＳｖ/ｈと高線量当量率になるため、イオン交換樹脂塔が作業エリア近傍に設置されていると、作業エリアの雰囲気線量当量率が上昇し、作業従事者の作業線量当量が増加するという問題があった。
【０００４】
当初は、遠隔操作でのイオン交換樹脂の廃棄が不可能であり、また、イオン交換樹脂塔の移動設置も人力により実施していたため、イオン交換樹脂塔の裾付後に遮蔽措置を施し、化学除染終了後、遮蔽を外し、手作業にてドラム缶に移送し、プラスチック固化により廃棄処理を実施していた。
【０００５】
また、遮蔽容器付樹脂塔を遮蔽容器ごと廃棄処分にする方法も実施されていたが、この方法では、発電所毎の事情により寸法、重量、遮蔽厚さ等の異なるイオン交換樹脂塔を製造する必要が有り、コスト高となる問題があった。
【０００６】
更に、従来のイオン交換樹脂塔では、イオン交換樹脂層底部に配管を敷設し、この配管より被処理水を出し入れする集水管方式を採用するものがほとんどであるが、この方式では樹脂層にデッドスペースが発生し、実際の交換容量より早く破過点に到達すため、無駄な樹脂層が存在し、放射性廃棄物が増えるという問題もあった。
【０００７】
従って、従来の化学除染におけるイオン交換作業は、作業従事者の作業線量当量が高く、しかも、１回の化学除染工事における設備量が大掛かりでコスト高となるという問題があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００８】
以上の理由から、化学除染実施時、樹脂廃棄作業を誰もが使いやすい操作で安全に作業でき、単純でトラブル、故障もなく、再使用可能であり、且つ、樹脂が完全に排出できる構造を持つイオン交換樹脂塔の開発が求められていた。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
本発明者らは、上記した原子炉等の施設における化学除染の特質に鑑み、イオン交換樹脂の使用量をできるだけ少なくすることができ、化学除染工事中でも樹脂塔表面線量当量率が上昇しないため、放射線被曝を防ぐことができ、使用済みイオン交換樹脂の廃棄も作業員の被曝なしに容易にできるイオン交換樹脂塔について研究を重ねた。
【００１０】
そしてその結果、イオン交換樹脂塔本体側面の突出物を最小限とし、かつ、本体内を仕切スクリーンで分けることにより、遮蔽や、使用済みイオン交換樹脂の排出が容易となることを見出し、本発明を完成した。
【００１１】
すなわち本発明は、樹脂塔本体と、樹脂塔本体下部に設けられた、樹脂排出口を有する仕切スクリーンと、前記樹脂排出口に結合された樹脂排出配管と、樹脂塔本体下部に設けられた下部液配管と、樹脂塔上部に設けられた上部スクリーンと、前記上部スクリーンを通じて液体が流通可能な上部液配管とを有する化学除染用イオン交換樹脂塔を提供するものである。
【００１２】
また本発明は、樹脂排出配管と下部液配管を挟み込むことのできる底部遮蔽部材および側部遮蔽部材並びに上部液配管に対応した切り欠きを有する上部遮蔽部材により遮蔽された上記の化学除染用イオン交換樹脂塔を提供するものである。
【００１３】
更に本発明は、上記イオン交換塔の使用済みイオン交換樹脂の排出方法であって、次の工程（１）〜（４）
（１）イオン交換樹脂塔の下部液配管を閉じる工程
（２）イオン交換樹脂塔の樹脂排出配管に樹脂排出／水取り合い短管を、上部液配管
にエア／水取り合い用短管をそれぞれ取り付ける工程
（３）上部液配管に取り付けたエア／水取り合い用短管から、加圧空気を送り込んで使
用済みイオン交換樹脂の大部分を使用済み樹脂廃棄槽に排出する工程
（４）残存する使用済みイオン交換樹脂を、上部液配管に取り付けたエア／水取り合い
用短管から水を注入して使用済み樹脂廃棄槽に排出する工程
を含むことを特徴とする使用済みイオン交換樹脂の排出方法を提供するものである。
【発明の効果】
【００１４】
本発明のイオン交換樹脂塔は、化学除染により溶解除去された金属イオンを吸着し含有放射能量が高いイオン交換樹脂を、作業員が直接手を触れることなくエア及び純水により安全に効率的に樹脂廃棄槽に排出することが可能であり、また、樹脂塔内のエア溜りが生成し、排出ラインの閉塞も起こすことが無いものである。
【００１５】
従って、本発明のイオン交換樹脂塔を使用することにより、化学除染作業時における溶解イオンの分離除去、イオン交換樹脂の排出、イオン交換樹脂塔移動作業の一連の作業について安全に効率的に低作業線量当量で実施することができる。
【００１６】
また、作業終了後に発生する廃棄物は、使用済みイオン交換樹脂のみであり、従来のプラスチック固化による固化剤分や、樹脂塔ごと廃棄する場合の樹脂塔及び遮蔽容器の発生が無く、従来法に比べ廃棄物量の低減を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１７】
以下、本発明の一実施態様を示す図面とともに本発明を説明する。
【００１８】
図１はイオン交換樹脂塔の構造を示す透視側面図であり、図２は図１のＡ−Ａ'断面図である。図中、１はイオン交換樹脂塔、２は樹脂塔本体、３は仕切スクリーン、４は上部スクリーン、５は上部液配管、６は下部液配管、７は樹脂排出配管、８は樹脂投入口、９はフランジ、１０は樹脂排出口、１１は液出入口を示す。
【００１９】
図１に示すように、本態様のイオン交換塔１は、樹脂塔本体２の下部に仕切スクリーン３が設けられ、上部に上部スクリーン４が設けられている。そして、仕切スクリーン３は、中央部に向けて傾斜が設けられた逆円錐形であり、そのほぼ中心に樹脂排出口１０を有し、これは更に樹脂排出配管７と結合されている。一方、上部スクリーン４は、上部液配管とつながっている。
【００２０】
また本態様の樹脂塔本体２は、側面の突出物を最小限とした円筒形の形状であり、その側面最下部から、下部液配管６および樹脂排出配管７のみが、ほぼ同じ位置にそれぞれ逆方向に突出している。
【００２１】
一方、仕切スクリーン３および上部スクリーン４は、被イオン処理水を自由に流通させ、樹脂の流出を防ぐものであるから、それぞれの目開きは、イオン交換樹脂の粒径より小さいものであることが必要である。また仕切スクリーン３は、イオン交換樹脂自体の重量と、イオン交換処理時には、被イオン処理水の流れによる力が加わるから、それに対応した強度を持つことが必要であり、例えば、ウエッジワイヤースクリーン等の強度の高い材料で構成することが好ましく、必要に応じて強度の高い部材による支えを設けても良い。更に、上部スクリーン４は、樹脂塔本体２内に均等に被イオン処理液を流入させる必要があるので、水平方向へ液を流出させる形状として設置することが好ましい。
【００２２】
また、下部液配管６は、図２に示すように、樹脂塔本体２内の部分を、２つに分岐させ、それぞれの分岐管に複数の液出入口１１を有するようにすることが、イオン交換処理を効率良くするために好ましい。すなわち、上部スクリーン４を、被イオン処理水が水平方向へ流出させる形状とし、下部液配管６を、分岐させ、それぞれの分岐管に複数の液出入口１１が設けられたものとすることにより、イオン交換樹脂内を流れる被イオン処理水の流れが均一に分散され、樹脂層のデッドスペースの発生を防ぎ、効率の良いイオン交換処理が可能となるのである。
【００２３】
なお、本発明のイオン交換樹脂塔１は、固定設置しても良いが、一般には、化学除染工事が行われる現場に運搬し使用することがほとんどであるから、配管も着脱可能なものとなっており、フランジ９で、各配管を結合し、必要な操作を行うものである。また、後記するように、本発明のイオン交換塔は、遮蔽部材で被覆して使用することが多いので、上部液配管５は、樹脂塔本体上部に、樹脂塔本体の直径内に収納される形状で設けられている。
【００２４】
本発明のイオン交換樹脂塔１は、処理後のイオン交換樹脂の放射線量が少ない場合は、遮蔽なしでも使用可能であるが、処理後のイオン交換樹脂の放射線量が多くなると予想される場合は、図３に示すように予め遮蔽部材で被覆しておくことが必要である。図３中、２ないし７は図１と同じものを示し、２０は底部遮蔽部材、２１は側部遮蔽部材、２２は上部遮蔽部材をそれぞれ示す。
【００２５】
底部遮蔽部材２０は、イオン交換塔１０を収納できる大きさの、ペトリ皿状の形状のものであり、その上端の２ヶ所には、イオン交換塔１０の樹脂排出配管７と下部液配管６に対応する位置に、下に凹の半円状の切り欠きを有するものである（最終的な形状は、灰皿状となる）。また、側部遮蔽部材２１は、イオン交換塔１０を収納できる大きさの、円筒状物であり、その下部には、イオン交換塔１０の樹脂排出配管７と下部液配管６に対応する位置に、上に凹の半円状の切り欠きを有する。
【００２６】
そして、底部遮蔽部材２０と側部遮蔽部材２１に、上記した切り欠きを有することにより、簡単にイオン交換塔１の遮蔽を行なうことができるのである。
【００２７】
すなわち、まず、底部遮蔽部材２０を設置後、この中に、下に凹の半円状の切り欠きと樹脂排出配管および下部液配管を合わせるようイオン交換樹脂塔１を収納し、更に、上に凹の半円状の切り欠きと樹脂排出配管および下部液配管を合わせるように側部遮蔽部材２１を被せる。その後、上部遮蔽部材２２で覆うことにより、イオン交換塔１の遮蔽が行なわれる。
【００２８】
そして、その後、フランジ９を介して必要な配管と結合することにより、放射性物質による被曝を防ぎながら化学除染工事を行うことが可能となるのである。
【００２９】
なお、上記底部遮蔽部材２０、側部遮蔽部材２１および上部遮蔽部材２２は、鉛で形成されているものが好ましく、その厚さは、処理後のイオン交換樹脂の予想される放射線量に応じて、５０〜１００ｍｍ程度の範囲とすることが好ましい。
【００３０】
本発明のイオン交換樹脂塔１の好ましい使用態様は、図４に示すように、遮蔽を施した後、移動台車に乗せ、運搬可能とした使用態様である。図４中、３０は台車ベース、３１はチルローラ、３２はハンドル、３３は吊耳、３４は固定金具、３５は固定用ワイヤを示す。
【００３１】
前記のように遮蔽が施されたイオン交換樹脂塔１を、台車ベース３０上に載せ、側部遮蔽部材２１に設けられた吊耳３３と台車ベース３０に設けられた固定金具３４の間を固定用環ワイヤ３５で結ぶことにより、イオン交換樹脂塔１は固定され、容易に運搬できるようになるのである。
【００３２】
次に、本発明イオン交換樹脂塔からの使用済みイオン交換樹脂の排出方法に関し、イオン交換樹脂排出時のシステム構成を模式的に示す図５に基づき説明する。図５中、４０は使用済みイオン交換樹脂、４１はエア／水取り合い用短管、４２は樹脂排出／水取り合い短管、４３エアーホース、４４、４５は水ホース、４６は排出用ホース、４７は樹脂廃棄槽である。
【００３３】
使用済みイオン交換樹脂（以下、「樹脂」という）の排出にあたっては、まずイオン交換樹脂塔１の下部液排出配管６に取り付けられた弁４８ａを閉じることが必要である。これにより、樹脂や上から流下する水の出口が、樹脂排出配管７のみとなる。
【００３４】
次いで、イオン交換樹脂塔１の樹脂排出配管７に樹脂排出／水取り合い短管４２を、上部液配管５にエア／水取り合い用短管をそれぞれ取り付け、エア／水取り合い用短管から、加圧空気を送り込む。この加圧空気の力により、大部分の樹脂は、仕切スクリーン３の中央に設けられた樹脂排出口１０から、樹脂排出用配管７、排出用ホース４６を通り、樹脂廃棄槽４７に排出される。
【００３５】
排出されなかった一部の樹脂については、上部液配管５に取り付けたエア／水取り合い用短管４１から水を注入し、樹脂排出口１０から、樹脂排出用配管７、排出用ホース４６を通り、樹脂廃棄槽４７に排出される。このように、加圧空気と水を樹脂塔本体内に送り込むことにより、簡単に樹脂の排出が可能となるのである。
【００３６】
なお、排出用ホース４６が細いなどの理由により、樹脂がうまく排出できない場合は、水を、水ホース４５から、弁４８ｆ、樹脂排出／水取り合い短管４２、弁４８ｇ、排出用ホース４６を通して樹脂廃棄槽４７に流しながら、弁４８ｃを開いて樹脂塔本体２からの樹脂を送り込めば流動性が向上し、簡単に排出させることができる。
【００３７】
本発明のイオン交換樹脂塔は、カチオン樹脂単独で使用する場合であっても、混床樹脂を使用する場合であっても利用することができる。混床樹脂を使用する場合は、樹脂層中にエア溜まりが生じ、樹脂の流動性が低下する場合があるが、その場合には、弁４８ｇを閉じ、下から水を逆流させて樹脂層中のエア溜まりを破壊し、流動性を回復させることも可能である。上部スクリーン４は、このような場合に、樹脂が上部液配管５から外部へ排出されることを防ぐ作用も有している。
【産業上の利用可能性】
【００３８】
本発明のイオン交換樹脂塔は、遮蔽を施すことが簡単であり、かつ、放射性金属イオンを吸着した使用済みイオン交換樹脂の排出も、極めて簡単な操作で安全に作業できるものである。しかも、構造が単純なため、トラブル、故障も起こりにくく、イオン交換樹脂塔を再使用することが可能となるため、二次廃棄物発生量を低減し、ランニングコストを下げることができる。
【００３９】
従って、原子炉をはじめ、多くの放射性物質を取り扱う施設での化学除染作業等で有利に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【００４０】
【図１】本発明イオン交換樹脂塔の構造を示す透視側面図
【図２】図１のＡ−Ａ'断面図
【図３】遮蔽を施した本発明イオン交換樹脂塔の構造を示す透視側面図
【図４】運搬可能とした状態の、遮蔽を施した本発明イオン交換樹脂塔を示す図面
【図５】イオン交換樹脂排出時のシステム構成を模式的に示した図面
【符号の説明】
【００４１】
１ … … イオン交換樹脂塔
２ … … 樹脂塔本体
３ … … 仕切スクリーン
４ … … 上部スクリーン
５ … … 上部液配管
６ … … 下部液配管
７ … … 樹脂排出配管
８ … … 樹脂投入口
９ … … フランジ
１０ … … 樹脂排出口
１１ … … 液出入口
２０ … … 底部遮蔽部材
２１ … … 側部遮蔽部材
２２ … … 上部遮蔽部材
３０ … … 台車ベース
３１ … … チルローラ
３２ … … ハンドル
３３ … … 吊耳
３４ … … 固定金具
３５ … … 固定用ワイヤ
４０ … … 使用済みイオン交換樹脂
４１ … … エア／水取り合い短管
４２ … … 樹脂排出／水取り合い短管
４３ … … エアーホース
４４、４５ … … 水ホース
４６ … … 排出用ホース
４７ … … 樹脂廃棄槽
以 上
【技術分野】
【０００１】
本発明は、イオン交換樹脂塔に関し、更に詳細には、使用済みイオン交換樹脂の排出が簡単であり、しかも放射線遮蔽が容易に行えるため原子力発電所等での化学除染工事において有利に利用することのできるイオン交換樹脂塔に関する。
【背景技術】
【０００２】
原子力発電所の、放射線々量当量率の高い原子炉一次系配管や機器等の点検・交換の際には、作業員の作業線量当量低減のために化学除染工事が事前に実施される。この化学除染工事においては、配管、機器に付着した、放射能を含んだ金属酸化物を化学除染剤で金属イオンに溶解、除去し、この金属イオンをイオン交換樹脂にて回収することが一般的である。
【０００３】
しかし、化学除染工事で発生する使用済みイオン交換樹脂は、数ｍＳｖ/ｈ〜数十ｍＳｖ/ｈと高線量当量率になるため、イオン交換樹脂塔が作業エリア近傍に設置されていると、作業エリアの雰囲気線量当量率が上昇し、作業従事者の作業線量当量が増加するという問題があった。
【０００４】
当初は、遠隔操作でのイオン交換樹脂の廃棄が不可能であり、また、イオン交換樹脂塔の移動設置も人力により実施していたため、イオン交換樹脂塔の裾付後に遮蔽措置を施し、化学除染終了後、遮蔽を外し、手作業にてドラム缶に移送し、プラスチック固化により廃棄処理を実施していた。
【０００５】
また、遮蔽容器付樹脂塔を遮蔽容器ごと廃棄処分にする方法も実施されていたが、この方法では、発電所毎の事情により寸法、重量、遮蔽厚さ等の異なるイオン交換樹脂塔を製造する必要が有り、コスト高となる問題があった。
【０００６】
更に、従来のイオン交換樹脂塔では、イオン交換樹脂層底部に配管を敷設し、この配管より被処理水を出し入れする集水管方式を採用するものがほとんどであるが、この方式では樹脂層にデッドスペースが発生し、実際の交換容量より早く破過点に到達すため、無駄な樹脂層が存在し、放射性廃棄物が増えるという問題もあった。
【０００７】
従って、従来の化学除染におけるイオン交換作業は、作業従事者の作業線量当量が高く、しかも、１回の化学除染工事における設備量が大掛かりでコスト高となるという問題があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００８】
以上の理由から、化学除染実施時、樹脂廃棄作業を誰もが使いやすい操作で安全に作業でき、単純でトラブル、故障もなく、再使用可能であり、且つ、樹脂が完全に排出できる構造を持つイオン交換樹脂塔の開発が求められていた。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
本発明者らは、上記した原子炉等の施設における化学除染の特質に鑑み、イオン交換樹脂の使用量をできるだけ少なくすることができ、化学除染工事中でも樹脂塔表面線量当量率が上昇しないため、放射線被曝を防ぐことができ、使用済みイオン交換樹脂の廃棄も作業員の被曝なしに容易にできるイオン交換樹脂塔について研究を重ねた。
【００１０】
そしてその結果、イオン交換樹脂塔本体側面の突出物を最小限とし、かつ、本体内を仕切スクリーンで分けることにより、遮蔽や、使用済みイオン交換樹脂の排出が容易となることを見出し、本発明を完成した。
【００１１】
すなわち本発明は、樹脂塔本体と、樹脂塔本体下部に設けられた、樹脂排出口を有する仕切スクリーンと、前記樹脂排出口に結合された樹脂排出配管と、樹脂塔本体下部に設けられた下部液配管と、樹脂塔上部に設けられた上部スクリーンと、前記上部スクリーンを通じて液体が流通可能な上部液配管とを有する化学除染用イオン交換樹脂塔を提供するものである。
【００１２】
また本発明は、樹脂排出配管と下部液配管を挟み込むことのできる底部遮蔽部材および側部遮蔽部材並びに上部液配管に対応した切り欠きを有する上部遮蔽部材により遮蔽された上記の化学除染用イオン交換樹脂塔を提供するものである。
【００１３】
更に本発明は、上記イオン交換塔の使用済みイオン交換樹脂の排出方法であって、次の工程（１）〜（４）
（１）イオン交換樹脂塔の下部液配管を閉じる工程
（２）イオン交換樹脂塔の樹脂排出配管に樹脂排出／水取り合い短管を、上部液配管
にエア／水取り合い用短管をそれぞれ取り付ける工程
（３）上部液配管に取り付けたエア／水取り合い用短管から、加圧空気を送り込んで使
用済みイオン交換樹脂の大部分を使用済み樹脂廃棄槽に排出する工程
（４）残存する使用済みイオン交換樹脂を、上部液配管に取り付けたエア／水取り合い
用短管から水を注入して使用済み樹脂廃棄槽に排出する工程
を含むことを特徴とする使用済みイオン交換樹脂の排出方法を提供するものである。
【発明の効果】
【００１４】
本発明のイオン交換樹脂塔は、化学除染により溶解除去された金属イオンを吸着し含有放射能量が高いイオン交換樹脂を、作業員が直接手を触れることなくエア及び純水により安全に効率的に樹脂廃棄槽に排出することが可能であり、また、樹脂塔内のエア溜りが生成し、排出ラインの閉塞も起こすことが無いものである。
【００１５】
従って、本発明のイオン交換樹脂塔を使用することにより、化学除染作業時における溶解イオンの分離除去、イオン交換樹脂の排出、イオン交換樹脂塔移動作業の一連の作業について安全に効率的に低作業線量当量で実施することができる。
【００１６】
また、作業終了後に発生する廃棄物は、使用済みイオン交換樹脂のみであり、従来のプラスチック固化による固化剤分や、樹脂塔ごと廃棄する場合の樹脂塔及び遮蔽容器の発生が無く、従来法に比べ廃棄物量の低減を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１７】
以下、本発明の一実施態様を示す図面とともに本発明を説明する。
【００１８】
図１はイオン交換樹脂塔の構造を示す透視側面図であり、図２は図１のＡ−Ａ'断面図である。図中、１はイオン交換樹脂塔、２は樹脂塔本体、３は仕切スクリーン、４は上部スクリーン、５は上部液配管、６は下部液配管、７は樹脂排出配管、８は樹脂投入口、９はフランジ、１０は樹脂排出口、１１は液出入口を示す。
【００１９】
図１に示すように、本態様のイオン交換塔１は、樹脂塔本体２の下部に仕切スクリーン３が設けられ、上部に上部スクリーン４が設けられている。そして、仕切スクリーン３は、中央部に向けて傾斜が設けられた逆円錐形であり、そのほぼ中心に樹脂排出口１０を有し、これは更に樹脂排出配管７と結合されている。一方、上部スクリーン４は、上部液配管とつながっている。
【００２０】
また本態様の樹脂塔本体２は、側面の突出物を最小限とした円筒形の形状であり、その側面最下部から、下部液配管６および樹脂排出配管７のみが、ほぼ同じ位置にそれぞれ逆方向に突出している。
【００２１】
一方、仕切スクリーン３および上部スクリーン４は、被イオン処理水を自由に流通させ、樹脂の流出を防ぐものであるから、それぞれの目開きは、イオン交換樹脂の粒径より小さいものであることが必要である。また仕切スクリーン３は、イオン交換樹脂自体の重量と、イオン交換処理時には、被イオン処理水の流れによる力が加わるから、それに対応した強度を持つことが必要であり、例えば、ウエッジワイヤースクリーン等の強度の高い材料で構成することが好ましく、必要に応じて強度の高い部材による支えを設けても良い。更に、上部スクリーン４は、樹脂塔本体２内に均等に被イオン処理液を流入させる必要があるので、水平方向へ液を流出させる形状として設置することが好ましい。
【００２２】
また、下部液配管６は、図２に示すように、樹脂塔本体２内の部分を、２つに分岐させ、それぞれの分岐管に複数の液出入口１１を有するようにすることが、イオン交換処理を効率良くするために好ましい。すなわち、上部スクリーン４を、被イオン処理水が水平方向へ流出させる形状とし、下部液配管６を、分岐させ、それぞれの分岐管に複数の液出入口１１が設けられたものとすることにより、イオン交換樹脂内を流れる被イオン処理水の流れが均一に分散され、樹脂層のデッドスペースの発生を防ぎ、効率の良いイオン交換処理が可能となるのである。
【００２３】
なお、本発明のイオン交換樹脂塔１は、固定設置しても良いが、一般には、化学除染工事が行われる現場に運搬し使用することがほとんどであるから、配管も着脱可能なものとなっており、フランジ９で、各配管を結合し、必要な操作を行うものである。また、後記するように、本発明のイオン交換塔は、遮蔽部材で被覆して使用することが多いので、上部液配管５は、樹脂塔本体上部に、樹脂塔本体の直径内に収納される形状で設けられている。
【００２４】
本発明のイオン交換樹脂塔１は、処理後のイオン交換樹脂の放射線量が少ない場合は、遮蔽なしでも使用可能であるが、処理後のイオン交換樹脂の放射線量が多くなると予想される場合は、図３に示すように予め遮蔽部材で被覆しておくことが必要である。図３中、２ないし７は図１と同じものを示し、２０は底部遮蔽部材、２１は側部遮蔽部材、２２は上部遮蔽部材をそれぞれ示す。
【００２５】
底部遮蔽部材２０は、イオン交換塔１０を収納できる大きさの、ペトリ皿状の形状のものであり、その上端の２ヶ所には、イオン交換塔１０の樹脂排出配管７と下部液配管６に対応する位置に、下に凹の半円状の切り欠きを有するものである（最終的な形状は、灰皿状となる）。また、側部遮蔽部材２１は、イオン交換塔１０を収納できる大きさの、円筒状物であり、その下部には、イオン交換塔１０の樹脂排出配管７と下部液配管６に対応する位置に、上に凹の半円状の切り欠きを有する。
【００２６】
そして、底部遮蔽部材２０と側部遮蔽部材２１に、上記した切り欠きを有することにより、簡単にイオン交換塔１の遮蔽を行なうことができるのである。
【００２７】
すなわち、まず、底部遮蔽部材２０を設置後、この中に、下に凹の半円状の切り欠きと樹脂排出配管および下部液配管を合わせるようイオン交換樹脂塔１を収納し、更に、上に凹の半円状の切り欠きと樹脂排出配管および下部液配管を合わせるように側部遮蔽部材２１を被せる。その後、上部遮蔽部材２２で覆うことにより、イオン交換塔１の遮蔽が行なわれる。
【００２８】
そして、その後、フランジ９を介して必要な配管と結合することにより、放射性物質による被曝を防ぎながら化学除染工事を行うことが可能となるのである。
【００２９】
なお、上記底部遮蔽部材２０、側部遮蔽部材２１および上部遮蔽部材２２は、鉛で形成されているものが好ましく、その厚さは、処理後のイオン交換樹脂の予想される放射線量に応じて、５０〜１００ｍｍ程度の範囲とすることが好ましい。
【００３０】
本発明のイオン交換樹脂塔１の好ましい使用態様は、図４に示すように、遮蔽を施した後、移動台車に乗せ、運搬可能とした使用態様である。図４中、３０は台車ベース、３１はチルローラ、３２はハンドル、３３は吊耳、３４は固定金具、３５は固定用ワイヤを示す。
【００３１】
前記のように遮蔽が施されたイオン交換樹脂塔１を、台車ベース３０上に載せ、側部遮蔽部材２１に設けられた吊耳３３と台車ベース３０に設けられた固定金具３４の間を固定用環ワイヤ３５で結ぶことにより、イオン交換樹脂塔１は固定され、容易に運搬できるようになるのである。
【００３２】
次に、本発明イオン交換樹脂塔からの使用済みイオン交換樹脂の排出方法に関し、イオン交換樹脂排出時のシステム構成を模式的に示す図５に基づき説明する。図５中、４０は使用済みイオン交換樹脂、４１はエア／水取り合い用短管、４２は樹脂排出／水取り合い短管、４３エアーホース、４４、４５は水ホース、４６は排出用ホース、４７は樹脂廃棄槽である。
【００３３】
使用済みイオン交換樹脂（以下、「樹脂」という）の排出にあたっては、まずイオン交換樹脂塔１の下部液排出配管６に取り付けられた弁４８ａを閉じることが必要である。これにより、樹脂や上から流下する水の出口が、樹脂排出配管７のみとなる。
【００３４】
次いで、イオン交換樹脂塔１の樹脂排出配管７に樹脂排出／水取り合い短管４２を、上部液配管５にエア／水取り合い用短管をそれぞれ取り付け、エア／水取り合い用短管から、加圧空気を送り込む。この加圧空気の力により、大部分の樹脂は、仕切スクリーン３の中央に設けられた樹脂排出口１０から、樹脂排出用配管７、排出用ホース４６を通り、樹脂廃棄槽４７に排出される。
【００３５】
排出されなかった一部の樹脂については、上部液配管５に取り付けたエア／水取り合い用短管４１から水を注入し、樹脂排出口１０から、樹脂排出用配管７、排出用ホース４６を通り、樹脂廃棄槽４７に排出される。このように、加圧空気と水を樹脂塔本体内に送り込むことにより、簡単に樹脂の排出が可能となるのである。
【００３６】
なお、排出用ホース４６が細いなどの理由により、樹脂がうまく排出できない場合は、水を、水ホース４５から、弁４８ｆ、樹脂排出／水取り合い短管４２、弁４８ｇ、排出用ホース４６を通して樹脂廃棄槽４７に流しながら、弁４８ｃを開いて樹脂塔本体２からの樹脂を送り込めば流動性が向上し、簡単に排出させることができる。
【００３７】
本発明のイオン交換樹脂塔は、カチオン樹脂単独で使用する場合であっても、混床樹脂を使用する場合であっても利用することができる。混床樹脂を使用する場合は、樹脂層中にエア溜まりが生じ、樹脂の流動性が低下する場合があるが、その場合には、弁４８ｇを閉じ、下から水を逆流させて樹脂層中のエア溜まりを破壊し、流動性を回復させることも可能である。上部スクリーン４は、このような場合に、樹脂が上部液配管５から外部へ排出されることを防ぐ作用も有している。
【産業上の利用可能性】
【００３８】
本発明のイオン交換樹脂塔は、遮蔽を施すことが簡単であり、かつ、放射性金属イオンを吸着した使用済みイオン交換樹脂の排出も、極めて簡単な操作で安全に作業できるものである。しかも、構造が単純なため、トラブル、故障も起こりにくく、イオン交換樹脂塔を再使用することが可能となるため、二次廃棄物発生量を低減し、ランニングコストを下げることができる。
【００３９】
従って、原子炉をはじめ、多くの放射性物質を取り扱う施設での化学除染作業等で有利に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【００４０】
【図１】本発明イオン交換樹脂塔の構造を示す透視側面図
【図２】図１のＡ−Ａ'断面図
【図３】遮蔽を施した本発明イオン交換樹脂塔の構造を示す透視側面図
【図４】運搬可能とした状態の、遮蔽を施した本発明イオン交換樹脂塔を示す図面
【図５】イオン交換樹脂排出時のシステム構成を模式的に示した図面
【符号の説明】
【００４１】
１ … … イオン交換樹脂塔
２ … … 樹脂塔本体
３ … … 仕切スクリーン
４ … … 上部スクリーン
５ … … 上部液配管
６ … … 下部液配管
７ … … 樹脂排出配管
８ … … 樹脂投入口
９ … … フランジ
１０ … … 樹脂排出口
１１ … … 液出入口
２０ … … 底部遮蔽部材
２１ … … 側部遮蔽部材
２２ … … 上部遮蔽部材
３０ … … 台車ベース
３１ … … チルローラ
３２ … … ハンドル
３３ … … 吊耳
３４ … … 固定金具
３５ … … 固定用ワイヤ
４０ … … 使用済みイオン交換樹脂
４１ … … エア／水取り合い短管
４２ … … 樹脂排出／水取り合い短管
４３ … … エアーホース
４４、４５ … … 水ホース
４６ … … 排出用ホース
４７ … … 樹脂廃棄槽
以 上
【特許請求の範囲】
【請求項１】
樹脂塔本体と、樹脂塔本体下部に設けられた、樹脂排出口を有する仕切スクリーンと、前記樹脂排出口に結合された樹脂排出配管と、樹脂塔本体下部に設けられた下部液配管と、樹脂塔上部に設けられた上部スクリーンと、前記上部スクリーンを通じて液体が流通可能な上部液配管とを有する化学除染用イオン交換樹脂塔。
【請求項２】
前記仕切スクリーンおよび前記上部スクリーンの目開きが、イオン交換樹脂の粒径より小さいものである請求項１記載の化学除染用イオン交換樹脂塔。
【請求項３】
前記仕切スクリーンが、中央に樹脂排出口を有する逆円錐型のものである請求項第１項または第２項記載の化学除染用イオン交換樹脂塔。
【請求項４】
前記イオン交換樹脂塔本体が、円筒型であり、その最下部側面に樹脂排出配管と、下部液配管とを対向させて設けた請求項第１項ないし第３項の何れかの項記載の化学除染用イオン交換樹脂塔。
【請求項５】
前記上部液配管が、樹脂塔本体上部に、樹脂塔本体の直径内に収納される形状で設けられたものである請求項第１項ないし第４項の何れかの項記載の化学除染用イオン交換樹脂塔。
【請求項６】
前記上部スクリーンが、水平方向へ液を流出させる形状で設けられたものである請求項第１項ないし第５項の何れかの項記載の化学除染用イオン交換樹脂塔。
【請求項７】
前記下部液配管の樹脂塔内部分が、２つに分岐し、それぞれに複数の液出入口を有するものである請求項第１項ないし第６項の何れかの項記載の化学除染用イオン交換樹脂塔。
【請求項８】
更に、樹脂排出配管と下部液配管を挟み込むことのできる底部遮蔽部材および側部遮蔽部材並びに上部液配管に対応した切り欠きを有する上部遮蔽部材により遮蔽された請求項第１項ないし第７項記載の化学除染用イオン交換樹脂塔。
【請求項９】
底部遮蔽部材の形状が、ペトリ皿状で、側部遮蔽部材の形状が、円筒状であり、それぞれは、樹脂排出配管と下部液配管を挟み込むための切り欠き部分を有する請求項第８項記載の化学除染用イオン交換樹脂塔。
【請求項１０】
遮蔽部材が鉛で形成されたものである請求項第８項または第９項記載の化学除染用イオン交換樹脂塔。
【請求項１１】
更に、移動台車と、吊具が取り付けられた請求項第１項ないし第１０項の何れかの項記載の化学除染用イオン交換樹脂塔。
【請求項１２】
請求項第１項ないし第１２項の何れかの項記載のイオン交換塔の使用済みイオン交換樹脂の排出方法であって、次の工程（１）〜（４）
（１）イオン交換樹脂塔の下部液配管を閉じる工程
（２）イオン交換樹脂塔の樹脂排出配管に樹脂排出／水取り合い短管を、上部液配管
にエア／水取り合い用短管をそれぞれ取り付ける工程
（３）上部液配管に取り付けたエア／水取り合い用短管から、加圧空気を送り込んで使
用済みイオン交換樹脂の大部分を使用済み樹脂廃棄槽に排出する工程
（４）残存する使用済みイオン交換樹脂を、上部液配管に取り付けたエア／水取り合い
用短管から水を注入して使用済み樹脂廃棄槽に排出する工程
を含むことを特徴とする使用済みイオン交換樹脂の排出方法。
【請求項１３】
更に、上記工程（３）および（４）において、樹脂排出／水取り合い短管から使用済み樹脂廃棄槽に、水を連続的に流す請求項第１２項記載の使用済みイオン交換樹脂の排出方法。
【請求項１】
樹脂塔本体と、樹脂塔本体下部に設けられた、樹脂排出口を有する仕切スクリーンと、前記樹脂排出口に結合された樹脂排出配管と、樹脂塔本体下部に設けられた下部液配管と、樹脂塔上部に設けられた上部スクリーンと、前記上部スクリーンを通じて液体が流通可能な上部液配管とを有する化学除染用イオン交換樹脂塔。
【請求項２】
前記仕切スクリーンおよび前記上部スクリーンの目開きが、イオン交換樹脂の粒径より小さいものである請求項１記載の化学除染用イオン交換樹脂塔。
【請求項３】
前記仕切スクリーンが、中央に樹脂排出口を有する逆円錐型のものである請求項第１項または第２項記載の化学除染用イオン交換樹脂塔。
【請求項４】
前記イオン交換樹脂塔本体が、円筒型であり、その最下部側面に樹脂排出配管と、下部液配管とを対向させて設けた請求項第１項ないし第３項の何れかの項記載の化学除染用イオン交換樹脂塔。
【請求項５】
前記上部液配管が、樹脂塔本体上部に、樹脂塔本体の直径内に収納される形状で設けられたものである請求項第１項ないし第４項の何れかの項記載の化学除染用イオン交換樹脂塔。
【請求項６】
前記上部スクリーンが、水平方向へ液を流出させる形状で設けられたものである請求項第１項ないし第５項の何れかの項記載の化学除染用イオン交換樹脂塔。
【請求項７】
前記下部液配管の樹脂塔内部分が、２つに分岐し、それぞれに複数の液出入口を有するものである請求項第１項ないし第６項の何れかの項記載の化学除染用イオン交換樹脂塔。
【請求項８】
更に、樹脂排出配管と下部液配管を挟み込むことのできる底部遮蔽部材および側部遮蔽部材並びに上部液配管に対応した切り欠きを有する上部遮蔽部材により遮蔽された請求項第１項ないし第７項記載の化学除染用イオン交換樹脂塔。
【請求項９】
底部遮蔽部材の形状が、ペトリ皿状で、側部遮蔽部材の形状が、円筒状であり、それぞれは、樹脂排出配管と下部液配管を挟み込むための切り欠き部分を有する請求項第８項記載の化学除染用イオン交換樹脂塔。
【請求項１０】
遮蔽部材が鉛で形成されたものである請求項第８項または第９項記載の化学除染用イオン交換樹脂塔。
【請求項１１】
更に、移動台車と、吊具が取り付けられた請求項第１項ないし第１０項の何れかの項記載の化学除染用イオン交換樹脂塔。
【請求項１２】
請求項第１項ないし第１２項の何れかの項記載のイオン交換塔の使用済みイオン交換樹脂の排出方法であって、次の工程（１）〜（４）
（１）イオン交換樹脂塔の下部液配管を閉じる工程
（２）イオン交換樹脂塔の樹脂排出配管に樹脂排出／水取り合い短管を、上部液配管
にエア／水取り合い用短管をそれぞれ取り付ける工程
（３）上部液配管に取り付けたエア／水取り合い用短管から、加圧空気を送り込んで使
用済みイオン交換樹脂の大部分を使用済み樹脂廃棄槽に排出する工程
（４）残存する使用済みイオン交換樹脂を、上部液配管に取り付けたエア／水取り合い
用短管から水を注入して使用済み樹脂廃棄槽に排出する工程
を含むことを特徴とする使用済みイオン交換樹脂の排出方法。
【請求項１３】
更に、上記工程（３）および（４）において、樹脂排出／水取り合い短管から使用済み樹脂廃棄槽に、水を連続的に流す請求項第１２項記載の使用済みイオン交換樹脂の排出方法。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【公開番号】特開２００６−１８４０４５（Ｐ２００６−１８４０４５Ａ）
【公開日】平成１８年７月１３日（２００６．７．１３）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００４−３７５５３７（Ｐ２００４−３７５５３７）
【出願日】平成１６年１２月２７日（２００４．１２．２７）
【出願人】（５９１１７２６６３）荏原工業洗浄株式会社 (17)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１８年７月１３日（２００６．７．１３）
【国際特許分類】
【出願日】平成１６年１２月２７日（２００４．１２．２７）
【出願人】（５９１１７２６６３）荏原工業洗浄株式会社 (17)
【Ｆターム（参考）】
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