説明

化粧品ケース

【課題】片手で操作でき、使い勝手の良い化粧品ケースを得る。
【解決手段】筒体48及び筒体56に装着されたスプリング54は、蓋体16が開放された状態で、自然状態となるように取付けられるため、蓋体16を閉止させるとき、筒体56を介して、スプリング54が圧縮される方向へ捩られ、弾性力が蓄積された状態となる。このため、釦部26を押圧し、爪部76が釦部26から係止解除されると、スプリング38の付勢力(復元力)により、筒体56が回転し、該筒体56を介して、蓋体16が自動的に開放方向へ回動することとなる。このように、釦部26への押圧力によって蓋体16のロック状態を解除させるため、化粧剤の使用時に、釦部26を押圧するだけで、スプリング54によって自動的に蓋体16が開放されるため、操作が簡単であると共に、片手で操作でき、使い勝手が良い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばファンデーション等の化粧剤を収容するコンパクト状の化粧品ケースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ファンデーション等の化粧剤を収容するコンパクト状の化粧品ケースは、ファンデーション等を収容する本体部と、ヒンジ部を中心に本体部に対して開閉可能に設けられた蓋体と、で構成されており、蓋体が閉止された状態で蓋体は本体部に対してロックされた状態となる。そして、ロック状態を解除すると、蓋体が開放可能となり、本体部に収容されたファンデーション等が使用可能となる。
【0003】
例えば、特許文献1では、本体側と蓋側にそれぞれ突起部を設け、蓋体側の突起部が本体側の突起部の下部に位置した状態(係合された状態)で、蓋体が閉止される。この状態から、蓋体を開放させるときは、本体側では下方向への外力を作用させ、蓋体側では上方向の外力を作用させると共に、本体側と蓋体側とで左右方向への捩り力を作用させる。これにより、本体側と蓋側の突起部同士の係合状態が解除される。
【0004】
しかしながら、蓋体を開放させる場合には、一方の手で本体側に下方向への外力を作用させ、他方の手で蓋体側に上方向への外力を作用させなければならず、両手が塞がってしまうこととなる。
【特許文献1】特許2003−289936号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記事実を考慮し、片手で操作でき、使い勝手の良い化粧品ケースを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、化粧品ケースにおいて、化粧剤が収容される収容部が凹設されたパレットと、前記パレットを開閉する蓋体と、前記パレット側に設けられた第1筒体と、前記蓋体側に設けられ、前記第1筒体へ挿入され軸周りに回転して摺動する第2筒体と、一端部が前記第1筒体に装着され、他端部が前記第2筒体に装着されて、前記蓋体を開放させる方向へ第2筒体を付勢するスプリングと、前記蓋体が閉止された状態で前記蓋体をロックし、押圧力によって蓋体のロック状態を解除するロック手段と、前記ロック手段によるロック状態が解除されたとき、前記蓋体を所定位置で停止させるストッパーと、を有することを特徴とする。
【0007】
請求項1に記載の発明では、化粧剤が収容される収容部が凹設されたパレットが、蓋体によって開閉される。パレット側には第1筒体を設けており、蓋体側には第2筒体を設けている。この第2筒体を第1筒体へ挿入し、軸周りに回転して摺動可能としている。そして、第1筒体にはスプリングの一端部を装着し、第2筒体にはスプリングの他端部を装着して、蓋体を開放させる方向へ第2筒体を付勢するようにしている。
【0008】
一方、蓋体が閉止された状態で蓋体をロックし、押圧力によって蓋体のロック状態を解除するロック手段を設けており、ロック手段によるロック状態が解除されると、スプリングによって、第2筒体を介して蓋体が開放されることとなるが、ストッパーによって、蓋体を所定位置で停止させる。
【0009】
このように、押圧力によって蓋体のロック状態を解除させるため、化粧剤の使用時に、ロック手段を押圧するだけで、スプリングによって自動的に蓋体が開放されることとなり、操作が簡単であると共に、片手で操作でき、使い勝手が良い。
【0010】
また、蓋体が開放されると、蓋体と一緒に第2筒体が第1筒体に対して回転することとなるが、第2筒体を第1筒体の軸周りに回転して摺動させることで、第2筒体の回転時に第1筒体との摺動抵抗が得られることとなる。このため、スプリングによる付勢力が減衰され、蓋体を静かに開放させることができる。これにより、化粧品ケースに高級感を与えることができる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の化粧品ケースにおいて、前記ロック手段が、前記蓋体の自由端側に設けられた爪部と、前記パレット側に揺動可能に設けられ、前記爪部を係止又は係止解除する釦部と、前記釦部を付勢し、前記爪部を係止した状態に釦部の姿勢を維持させるばね部材と、を含んで構成されたことを特徴とする。
【0012】
請求項2に記載の発明では、蓋体の自由端側には爪部を設けている。一方、パレット側には、該爪部を係止可能とする釦部を揺動可能に設けている。この釦部は、ばね部材によって付勢されており、釦部を押圧して揺動させて爪部と釦部の係止状態を解除させるときに、該ばね部材は圧縮され、釦部の押圧力を解除すると、ばね部材の付勢力によって爪部を係止した状態に釦部の姿勢を維持させる。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の化粧品ケースにおいて、前記ロック手段が、前記蓋体の自由端側に設けられた係止爪と、前記パレット側に設けられ、前記係止爪を係止又は係止解除する被係止爪と、前記パレット側に揺動可能に設けられた釦部と、前記釦部に設けられ、釦部を押圧すると、前記蓋体の自由端部を押し上げ前記係止爪を前記被係止爪から係止解除させ、蓋体を閉じ係止爪が被係止爪に係止されるとき、蓋体の自由端部に当接して押し下げられる当接部と、を含んで構成されたことを特徴とする。
【0014】
請求項3に記載の発明では、蓋体の自由端側に係止爪を設けている。一方、パレット側には、該係止爪を係止又は係止解除する被係止爪を設けている。また、パレット側には、釦部を揺動可能に設けている。この釦部には当接部を設けており、釦部を押圧すると、該当接部には蓋体の自由端側に当接し、蓋体の自由端部を押し上げ、係止爪を被係止爪から係止解除させる。
【0015】
そして、蓋体を閉じ係止爪が被係止爪に係止されるとき、蓋体の自由端部が当接部に当接して該当接部を押し下げ、倒れた状態の釦部を起立させる。つまり、このような構成では、ばね部材を無くすことができる。これにより、部品点数を削減することができ、コストダウンを図ることができる。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の化粧品ケースにおいて、前記当接部には前記係止爪との干渉を回避する凹部が形成されたことを特徴とする。
【0017】
請求項4に記載の発明では、当接部には、係止爪との干渉を回避する凹部を形成し、該凹部内に係止爪が挿通する。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、上記構成としたので、化粧剤の使用時に、ロック手段を押圧するだけで、スプリングによって自動的に蓋体が開放されるため、操作が簡単であると共に、片手で操作でき、使い勝手が良い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
次に、本発明の実施形態に係る化粧品ケースについて説明する。
【0020】
図1〜図3に示すように、化粧品ケース10は、ファンデーション等の化粧剤を収容する収容部12を有する略直方体状のパレット14と、該パレット14を開閉する蓋体16と、に大別される。ここで、蓋体16の内面には、矩形凹部78が凹設されており、この矩形凹部78内には矩形状の鏡80が取付けられている。
【0021】
パレット14には、略直方体状の収容部12A、12Bが凹設されており、収容部12Aにはファンデーション等の化粧剤が収容可能となっている。化粧剤は予め箱体内へ収容され着脱可能となっており、収容部12Aに形成された矩形穴18内へピンなどを入れて該箱体を押圧することで取り外しできるようになっている。
【0022】
一方、収容部12Bは化粧剤を付けるスポンジ材を収容可能としており、収容部12Bの底面には、複数の孔部20が碁盤目状に形成されている。これにより、収容部12B内が外気と連通することとなり、スポンジ材の湿気を防止することができる。
【0023】
また、収容部12Bの角部(蓋体16を閉止させた状態で蓋体16の自由端部と対応する側)には、パレット14の内壁を切り欠いて台座22が凹設されている。この台座22の入口側には一対の軸板24が立設しており、この軸板24には略楕円状の釦部26(ロック手段)が軸支可能となっている。
【0024】
釦部26は長手方向の両端部に頂部26Aが設けられるように2つの円弧26B、26Cを繋げた形状を成しており、上面には、複数の突起部28が凸設され、上面を触れただけで釦部26であることが分かるようにしている。
【0025】
図4(A)、(B)に示すように、この釦部26の円弧26B側の裏面からは、一対のアーム部30が垂下しており、アーム部30の先端部の外面には、軸部30Aがそれぞれ形成されている。この軸部30Aを軸板24に形成された軸穴24Aに係合させることで、釦部26が軸部30Aを中心に揺動可能となる。
【0026】
釦部26を矢印A方向へ揺動させると、釦部26の裏面がパレット14の台座22の内壁面22Aに当接し、釦部26が移動規制される。また、釦部26の円弧26C側の裏面からは、円弧26Cに沿って係止片32が垂下し、係止片32の中央先端部には、係止部32Aを設けている。
【0027】
一方、パレット14の台座22の内壁面22Aの先端部には、突起部34が形成されており、係止部32Aが係止可能となっている。これにより、釦部26の矢印B方向への揺動が規制され、矢印B方向へ釦部26が揺動しないようにしている。
【0028】
また、台座22の奥方には、アーム部30とアーム部30の間に位置するように、装着ピン36が立設している。この装着ピン36には、ばね部材としてのスプリング38の一端部が挿通可能となっている。スプリング38の他端部は、釦部26の裏面から垂下した装着ピン40に挿通可能となっており、釦部26を上方へ向かって付勢している。
【0029】
このため、釦部26を押圧すると、スプリング38が圧縮し、釦部26は軸部30Aを中心に揺動する。そして、釦部26の押圧力を解除すると、スプリング38が復元し、係止部32Aが突起部34に係止された状態となり、釦部26は元の位置に戻る。
【0030】
ところで、図3に示すように、パレット14には、釦部26の反対側(蓋体16を閉止させた状態で蓋体16の回転中心と対応する側)の周壁にコ字状の切欠き部42(ストッパー)が形成されている。この切欠き部42の対面する面のうち、一方の面42Aには軸支穴44が凹設され、他方の面42Bには矩形穴46が凹設されている。
【0031】
矩形穴46には、図5(A)、(B)に示すように、第1筒体としての筒体48(後述する)の底部裏面に凸設して形成された矩形リブ50が嵌合可能となっており、矩形穴46に矩形リブ50を嵌合させた状態で、筒体48はパレット14に対して回り止めされる。この筒体48の底部には、略弓形状の一対の装着リブ52が凸設されており、スプリング54の一端部を装着リブ52と装着リブ52の間に挿入し装着可能としている。
【0032】
また、筒体48には、第2筒体としての筒体56が外挿可能となっており、周方向に沿って互いに摺動可能な大きさとしている。この筒体56の底部裏面にも矩形リブ58が凸設され、また、底部には、略弓形状の一対の装着リブ60が凸設されており、スプリング54の他端部を装着リブ60と装着リブ60の間に挿入し装着可能としている。
【0033】
ここで、装着リブ52及び装着リブ60にスプリング54が装着された状態で、筒体48は筒体56に内挿された状態となっている。そして、筒体56は筒体48よりも軸方向の長さを長くしており、スプリング54を圧縮して、筒体48を筒体56内へ収納することが可能となっている。
【0034】
一方、図3に示すように、蓋体16の回転中心側には、切欠き部42内に収容可能な軸体62が設けられている。切欠き部42の矩形穴46と対面する軸体62の軸部64側には、円柱状の凹部66が凹設されており、凹部66の奥部には、矩形穴68が凹設されている。この矩形穴68に筒体56の矩形リブ58が嵌合可能となっており、矩形穴68に矩形リブ58を嵌合させた状態で、筒体56は軸部64に対して回り止めされ、蓋体16と一体に回転する。
【0035】
また、切欠き部42の軸支穴44と対面する軸体62の軸部70側には、円柱状のピン72が凸設しており、軸支穴44に係合可能となっている。筒体56に筒体48を内挿し、筒体56の矩形リブ58を軸部64の矩形穴68に嵌合させた状態で、ピン72を軸支穴44に係合させ、軸部64側を切欠き部42の矩形穴46に軸支させる。そして、スプリング54を圧縮して筒体48を筒体56内へ収容させ、筒体48の矩形リブ50を切欠き部42の矩形穴46へ嵌合させる。
【0036】
これにより、スプリング54が復元し、筒体48が筒体56から抜け出す方向へ移動する。このため、筒体48及び筒体56の全長は長くなり、筒体48及び筒体56によって、軸部64側も軸支されることとなる。
【0037】
ここで、スプリング54は、図5(B)に示すように、蓋体16が開放された状態で、自然状態となるように取付けられており、蓋体16を閉止させるとき、蓋体16と一緒に筒体56が回転するが、これにより、図5(A)に示すように、スプリング54が圧縮される方向へ捩られ、弾性力が蓄積された状態となるようにしている。
【0038】
一方、蓋体16の自由端側の角部には、釦部26の外形に合わせて円弧状の切欠き部74が形成されている。この切欠き部74の端面には、爪部76(ロック手段)が凸設されており、図4(A)に示すように、釦部26に係止可能となっている。
【0039】
図4(C)に示すように、爪部76には上面から基部に架けて徐々に薄肉となるように傾斜面76Aが形成されており、爪部76が釦部26の円弧26Bに当接し、爪部76の基部から上面へ行くに従って、図4(B)に示すように、釦部26は徐々に爪部76から離間する方向へ押圧される。
【0040】
これにより、釦部26は軸部30Aを中心に矢印A方向へ揺動する。そして、図4(A)に示すように、爪部76の上面が釦部26を裏面に到達すると、スプリング38の復元力によって釦部26は元の位置に戻り、爪部76を係止した状態に釦部26の姿勢が維持される。
【0041】
つまり、爪部76の上面と釦部26の下面とが面接触し(爪部76が釦部26に係止され)、蓋体16が閉止された状態となる(図1参照)。なお、この状態で、釦部26の上面と蓋体16の上面とが略面一となる。
【0042】
ところで、パレット14の切欠き部42の中央部には、図示しない略T字状の装着穴が形成されており、該装着穴内には略T字状の弾性体82が装着されるようになっている。この弾性体82には、蓋体16の軸体62の中央部に凸設された状態で形成された摺動部84(ストッパー)が摺動可能となっている。
【0043】
この摺動部84が弾性体82を摺動することで、蓋体16が開閉するときに、異音が生じないようにしている。そして、この摺動部84がパレット14の切欠き部42の縁部に当接すると、蓋体16は移動規制され、所定角度開放された状態が維持される。
【0044】
次に、本発明の実施形態に係る化粧品ケースの作用について説明する。
【0045】
本形態では、図5(B)に示すように、筒体48及び筒体56に装着されたスプリング54は、蓋体16が開放された状態で、自然状態となるように取付けられるため、蓋体16を閉止させるとき、筒体56を介して、図5(A)に示すように、スプリング54が圧縮される方向へ捩られ、弾性力が蓄積された状態となる。
【0046】
そして、蓋体16を開放するとき、釦部26を押圧するが、釦部26は押圧されると、図4(B)に示すように、軸部30Aを中心に揺動し、これにより、爪部76が釦部26から係止解除される。爪部76が釦部26から係止解除されると、スプリング38の付勢力(復元力)により、筒体56が軸周りに回転し、該筒体56を介して、蓋体16が自動的に開放方向へ回動することとなる。
【0047】
このように、釦部26への押圧力によって蓋体16のロック状態を解除させるため、化粧剤の使用時に、釦部26を押圧するだけで、スプリング54によって自動的に蓋体16が開放されるため、操作が簡単であると共に、片手で操作でき、使い勝手が良い。
【0048】
ところで、本形態では、図3及び図5(A)、(B)に示すように、パレット14の切欠き部42に形成された矩形穴46には、筒体48が嵌合されており、筒体56は筒体48に対して回転することとなるが、筒体56と筒体48は、周方向に沿って互いに摺動可能な大きさとなっている。このため、筒体56が軸周りを回転するとき、筒体56の内周面は、筒体48の外周面を摺動しながら回転することとなる。
【0049】
このように、蓋体16を回動させるときに、筒体56と筒体48との間で摺動抵抗を得るようにすることで、スプリング54による付勢力が減衰され、蓋体16を静かに開放させることができる。これにより、化粧品ケース10に高級感を与えることができる。
【0050】
なお、本形態はあくまでも一実施例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において適宜変更可能であることは言うまでもない。
【0051】
例えば、本形態では、釦部26の裏面側にスプリング38を配設し、釦部26を押圧した後、スプリング38の復元力によって、釦部26を元の位置に戻すようにしたが、このスプリング38は必ずしも必要ではない。なお、図4と同じ符号の部材は、同一の機能を有する部材であることを表わす。
【0052】
具体的には、図6(A)〜(C)に示すように、釦部26の円弧26B側下端部に、当接片86を水平に張り出させ、当接片86の先端中央部には矩形状の挿通部(凹部)86Aを切り欠く。ここで、当接片86を設けることで、釦部26の円弧26B側は円弧26C側と比較して肉厚となるが、円弧26B側の中央部には、肉盗み部88を設け、釦部26の上面がヒケないようにする。
【0053】
また、収容部12Bと台座22の境界には、被係止片90を立設させ、先端部に被係止爪90Aを形成する。一方、蓋体16の切欠き部74の先端面74Aからは係止片92を垂下させ、係止片92の先端部には、被係止爪90Aに係止可能な係止爪92Aを形成する。この係止片92は挿通部86Aを挿通可能な幅としており、係止片92を挿通部86Aへ挿通させた状態で、切欠き部74の先端面74Aを当接片86に当接させるようにする。
【0054】
以上のような構成により、図6(A)に示すように、係止片92を挿通部86Aへ挿通し、切欠き部74の先端面74Aを当接片86に当接させた状態で、被係止片90の被係止爪90Aには係止片92の係止爪92Aが係止され、蓋体16が閉止される。
【0055】
この状態から、釦部26を押圧すると、図6(B)に示すように、釦部26は軸部30Aを中心に回動し、当接片86によって切欠き部74の先端面74Aが上方へ向かって押圧される。これにより、蓋体16の自由端部が押し上げられ、係止爪92Aが被係止爪90Aに係止された状態が解除され、スプリング54の付勢力によって蓋体16は開放方向へ回動するが、釦部26は倒れた状態のまま保持される。
【0056】
そして、蓋体16を閉止させるとき、係止片92を挿通部86Aへ挿通し、切欠き部74の先端面74Aが当接片86に当接し、当接片86が押し下げられると、釦部26が元の状態に戻され、被係止爪90Aに係止爪92Aが係止されて、蓋体16が閉止される。
【0057】
このような構成では、スプリング38を使用しないため、部品点数を削減することができ、コストダウンを図ることができる。
【0058】
また、本形態では、釦部26をパレット14の角部に配置したが、パレット14の中央部に配置しても良いのは勿論のことである。また、ここでは、筒体48と筒体56を互いに摺動させるようにしたが、筒体48或いは筒体56の外周面の表面粗さを、筒体48或いは筒体56の周方向で変えて、蓋体16の回動角度に応じて、摺動抵抗を変えるようにしても良い。これにより、蓋体16の開放スピードを回動に応じて変えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の実施の形態に係る化粧品ケースの蓋体が閉止された状態を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る化粧品ケースの蓋体が開放された状態を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る化粧品ケースの分解斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る化粧品ケースのパレットの係止状態を示す断面図であり、(A)はパレットが閉止された状態を示し、(B)は釦部が揺動した状態を示している。(C)はパレットの係止状態が解除された状態を示している。
【図5】本発明の実施の形態に係る化粧品ケースの蓋体の軸部の状態を示す断面図であり、(A)はパレットが閉止された状態を示し、(B)はパレットが開放された状態を示している。
【図6】本発明の実施の形態に係る化粧品ケースの変形例を示す断面図であり、(A)はパレットが閉止された状態を示し、(B)は釦部が揺動した状態を示している。(C)はパレットの係止状態が解除された状態を示している。
【符号の説明】
【0060】
10 化粧品ケース
12 収容部
14 パレット
16 蓋体
26 釦部(ロック手段)
38 スプリング(ばね部材)
42 切欠き部(ストッパー)
48 筒体(第1筒体)
54 スプリング
56 筒体(第2筒体)
76 爪部(ロック手段)
84 摺動部(ストッパー)
86 当接片(当接部)
86A 挿通部(凹部)
90A 被係止爪(ロック手段)
92A 係止爪(ロック手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧剤が収容される収容部が凹設されたパレットと、
前記パレットを開閉する蓋体と、
前記パレット側に設けられた第1筒体と、
前記蓋体側に設けられ、前記第1筒体へ挿入され軸周りに回転して摺動する第2筒体と、
一端部が前記第1筒体に装着され、他端部が前記第2筒体に装着されて、前記蓋体を開放させる方向へ第2筒体を付勢するスプリングと、
前記蓋体が閉止された状態で前記蓋体をロックし、押圧力によって蓋体のロック状態を解除するロック手段と、
前記ロック手段によるロック状態が解除されたとき、前記蓋体を所定位置で停止させるストッパーと、
を有することを特徴とする化粧品ケース。
【請求項2】
前記ロック手段が、
前記蓋体の自由端側に設けられた爪部と、
前記パレット側に揺動可能に設けられ、前記爪部を係止又は係止解除する釦部と、
前記釦部を付勢し、前記爪部を係止した状態に釦部の姿勢を維持させるばね部材と、
を含んで構成されたことを特徴とする請求項1に記載の化粧品ケース。
【請求項3】
前記ロック手段が、
前記蓋体の自由端側に設けられた係止爪と、
前記パレット側に設けられ、前記係止爪を係止又は係止解除する被係止爪と、
前記パレット側に揺動可能に設けられた釦部と、
前記釦部に設けられ、釦部を押圧すると、前記蓋体の自由端部を押し上げ前記係止爪を前記被係止爪から係止解除させ、蓋体を閉じ係止爪が被係止爪に係止されるとき、蓋体の自由端部に当接して押し下げられる当接部と、
を含んで構成されたことを特徴とする請求項1に記載の化粧品ケース。
【請求項4】
前記当接部には前記係止爪との干渉を回避する凹部が形成されたことを特徴とする請求項3に記載の化粧品ケース。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−195899(P2007−195899A)
【公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−36381(P2006−36381)
【出願日】平成18年2月14日(2006.2.14)
【出願人】(500470840)アサヌマ コーポレーション株式会社 (18)