説明

化粧品容器及び化粧品容器の製造方法

【課題】 合成樹脂層の肉厚を厚くすることや、塗膜の厚みを厚くすることなく、薄肉でありながら視認上は肉厚の成形品に近似させ、従来にない立体的な深み感を備えた化粧品容器を提供する。
【解決手段】 透光性を有する合成樹脂で形成され、可視面2の裏側の面である反可視面3にフレネルレンズ状の凹凸面4が形成されており、凹凸面4に光反射層5が積層されている化粧品容器とする。可視面2から入射した光は光反射層5、すなわち、フレネルレンズ面で反射する。この反射光は、可視面2から見た場合、レンズミラーで反射されたように視認されるため、実際よりも肉厚に感じられ、深み感のある装飾効果が得られる。また、外形デザインにおける寸法上の制約や、内部構成による寸法上の制約を受けにくく、デザイン的に自由度が高い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンパクト容器等の化粧品容器及び化粧品容器の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンパクト容器等の化粧品容器には、外観の綺麗さや、高級感が求められており、外観の綺麗さや、高級感の要因として、クリスタル感、深み感、メタリック感等がある。このうち、深み感については、外装体の合成樹脂層の肉厚を厚く設定し、肉厚感によって深み感を出したり、塗装の塗膜の厚みを厚くしたりすることが行われている。特に近年は、肉厚感による深み感が好まれる傾向にあり、外装体の合成樹脂層の肉厚を厚く設定したものが好まれる傾向がある。また、透明な合成樹脂からなる蓋体の内面に加飾シートを設けることにより、深み感のある装飾を施したものも知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2005−198958号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、外装体の合成樹脂層の肉厚を厚くして深み感を出すことは、外形デザインにおける寸法上の制約や、内部構成による寸法上の制約があるため、自ずと限界がある。また、合成樹脂層の肉厚が厚いと、射出成形手段で成形する場合においては、ゲート箇所の設定によりフローマークやジェッティング等の不良が発生しやすくなり、また、合成樹脂の収縮によって歪みが発生しやすく、外観不良が発生しやすいという問題がある。また、合成樹脂層の肉厚が厚いと外装体の重量が増大してしまい、フリーストップ(容器の蓋体を開放した場合に任意の角度で止まる)が困難になるという問題もある。更に、成形や原料に掛かるコストが増大するという問題もある。
【0004】
一方、塗装の塗膜の厚みを厚くすることについては、塗膜を均一に厚くすることは困難であり、製品外周部に塗装溜まりが発生して外観不良が発生しやすいという問題がある。
【0005】
本発明は前記問題点に鑑みてなされたものであって、合成樹脂層の肉厚を厚くすることや、塗膜の厚みを厚くすることなく、薄肉でありながら視認上は肉厚の成形品に近似させ、従来にない立体的な深み感を備えた化粧品容器及び化粧品容器の製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0007】
即ち、第1の発明においては、透光性を有する合成樹脂で形成され、可視面の裏側の面である反可視面にフレネルレンズ状の凹凸面が形成されており、前記凹凸面に光反射層が積層されていることを特徴とする化粧品容器とする。
【0008】
第2の発明においては、第1の発明において、前記凹凸面は、非球面体レンズ型のフレネルレンズ状に形成されていることを特徴とする化粧品容器とする。
【0009】
第3の発明においては、第1から第2のいずれかの発明において、内装体と、前記内装体の外側に設けられる外装体とを有し、前記内装体が設けられる面にフレネルレンズ状の凹凸面が形成されていることを特徴とする化粧品容器とする。
【0010】
第4の発明においては、第1から第3のいずれかの発明において、凹凸面は、射出成形手段により成形されていることを特徴とする化粧品容器とする。
【0011】
第5の発明においては、第1から第4のいずれかの発明において、光反射層は、真空蒸着手段により形成された薄膜であることを特徴とする化粧品容器とする。
【0012】
第6の発明においては、内装体と、前記内装体の外側に設けられる外装体とを有する化粧品容器の製造方法であって、
前記外装体は、透光性を有する合成樹脂を用いた射出成形手段で、反可視面にフレネルレンズ状の凹凸面が成形され、次いで前記凹凸面に光反射層を真空蒸着手段で積層させたことを特徴とする化粧品容器の製造方法とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0014】
第1の発明によれば、透光性を有する合成樹脂で形成され、可視面の裏側の面である反可視面にフレネルレンズ状の凹凸面が形成されており、凹凸面に光反射層が積層されている化粧品容器としたため、可視面から入射した光は光反射層、すなわち、フレネルレンズ面で反射する。この反射光は、可視面から見た場合、レンズミラーで反射されたように視認されるため、実際よりも肉厚に感じられ、深み感のある装飾効果が得られる。よって、合成樹脂層の肉厚を厚くすることや、塗膜の厚みを厚くすることなく、薄肉でありながら視認上は肉厚の成形品に近似させ、従来にない立体的な深み感を備えた化粧品容器とすることができる。
また、肉薄に形成できるため、外形デザインにおける寸法上の制約や、内部構成による寸法上の制約を受けにくく、デザイン的に自由度の高い化粧品容器とすることができる。
【0015】
第2の発明によれば、凹凸面は、非球面体レンズ型のフレネルレンズ状に形成されているため、可視面から入射した光は光反射層、すなわち、フレネルレンズ面で反射する。この反射光は、可視面から見た場合、レンズミラーで反射されたように視認されるため、可視面が平面的であっても反可視面はレンズ効果により、まるで球体が存在するように視認される。そして、球体の周囲の反射面は、例えば、可視面よりどんどん落ち込むように立体的に見えるため、実際よりも肉厚に感じられ、深み感のある装飾効果が得られる。よって、合成樹脂層の肉厚を厚くすることや、塗膜の厚みを厚くすることなく、薄肉でありながら視認上は肉厚の成形品に近似させ、従来にない立体的な深み感を備えた化粧品容器とすることができる。
【0016】
第3の発明によれば、内装体と、内装体の外側に設けられる外装体とを有し、内装体が設けられる面にフレネルレンズ状の凹凸面が形成されていることとしたため、凹凸面が内装体によって被覆され、凹凸面及び光反射層が露出することがない。このため、凹凸面及び光反射層の損傷を防ぎ、長期に渡って立体的な深み感のある視覚効果が得られ、また、凹凸面及び光反射層が露出しないため、化粧品容器の外観体裁を損なうことがない。
また、外装体を肉薄に形成できるため、内装体による寸法上の制約を受けにくく、デザイン的に自由度の高い化粧品容器とすることができる。
【0017】
第4の発明によれば、凹凸面は、射出成形手段により成形されているため、可視面と反可視面の間の肉厚が比較的厚い場合であっても、容易にフレネルレンズ状の凹凸面を成形することができる。
【0018】
第5の発明によれば、光反射層は、真空蒸着手段により形成された薄膜であるため、フレネルレンズ状の凹凸のある凹凸面に容易に均一な厚みの光反射層を形成することができる。
【0019】
第6の発明によれば、内装体と、前記内装体の外側に設けられる外装体とを有する化粧品容器の製造方法であって、前記外装体は、透光性を有する合成樹脂を用いた射出成形手段で、反可視面にフレネルレンズ状の凹凸面が成形され、次いで前記凹凸面に光反射層を真空蒸着手段で積層させることで、化粧品容器を製造するため、塗膜の厚みを厚くすることなく、薄肉でありながら視認上は肉厚の成形品に近似させ、従来にない立体的な深み感を備えた化粧品容器を容易に製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
次に、発明の実施の形態について図を用いて説明する。
【実施例1】
【0021】
本発明の実施例1に係る、化粧品容器としてのコンパクト容器1について、図1から図5を用いて説明する。図1、図2に示すように、コンパクト容器1は、容器本体11と、蓋体12とから構成されている。容器本体11は化粧料40を収容する部分であり、内側には、化粧料40を収容する収容凹部13が形成されている。蓋体12は容器本体11の蓋となる部分であり、一端部に設けられたヒンジ部14によって容器本体11と蓋体12とが開閉自在に組み立てられている。また、蓋体12の他端部には係合部15が設けられており、蓋体12が閉じられた状態で容器本体11に係合するように構成されている。
【0022】
図2に示すように、蓋体12は、内装体としての鏡部18と、外装体としての外蓋体16とから構成されており、外蓋体16の内側に鏡部18が装着されている。外蓋体16の外側の面を可視面2とし、可視面2の裏側であって、鏡部18が装着される側の面を反可視面3とする。外蓋体16の内側、すなわち、反可視面3には、鏡部18が装着される鏡装着凹部17が形成されており、鏡部18が接着層19によって固定されている。また、鏡装着凹部17の領域には、凹凸面4が形成されているとともに、凹凸面4上に光反射層5が積層されている。尚、内装体は鏡部18に限定されず、容器本体11や外蓋体16の内側に装着される内張りや容器等であってもよい。また、外装体は外蓋体16に限定されず、容器本体11の外側の部材であってもよい。すなわち、内装体は、コンパクト容器等の化粧品容器を構成する部材の反可視面側に装着される部材であればよい。
【0023】
次に、蓋体12の構成について更に詳しく説明する。図2に示すように、蓋体12を構成する外蓋体16は、透光性のある合成樹脂で形成されている。透光性のある合成樹脂とは、無色透明、着色透明、半透明の合成樹脂であることを意味する。合成樹脂素材として、透光性、耐中身(化粧料)性、及び、後記説明する射出成形時における流動性等に優れた素材を選定することとし、例えば、アクリル樹脂(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等を用いることができる。
【0024】
外蓋体16の可視面2、すなわち、外側の面は、略平滑面として形成されており、外蓋体16の反可視面3、すなわち、外蓋体16の内側の面であって、鏡装着凹部17の領域には、フレネルレンズ状の凹凸面4が形成されている。フレネルレンズは、通常の凹レンズ、又は凸レンズを同心円状に切るとともに、各部分の厚みを減らして、非球面体に形成されたレンズであり、断面形状は略鋸刃状に形成される。本実施例では、フレネルレンズ状の凹凸面4は、凹レンズ状となるように凹凸が所定の間隔で同心円状に形成されたものであり、凹凸の間隔は約0.1mmとされ、凹凸の高さは約0.05mmとされている。また、凹凸面4が形成された領域の肉厚、すなわち、凹凸面4と外側の可視面2との距離は、凹凸の高さ変化を除いて略一定としている。
【0025】
フレネルレンズ状の凹凸面4上には、光反射層5が積層されており、光反射層5は、アルミニウム、ステンレス、金、銀等の金属で形成され、真空蒸着手段等の薄膜を形成する手段を用いて形成されている。光反射層5の厚みは、外蓋体16の可視面2から入射した光の一部又は全部を反射できる厚みであればよく、例えば、50nmから200nmとする。薄膜を形成する手段としては、真空蒸着手段のほかに、静電塗装、電着塗装、スパッタリング、めっき等の手段を用いることもできる。また、フレネルレンズ状の凹凸面4と光反射層5との間には、透光性を有する着色層や、ホログラム形成層等が形成されていてもよい。
【0026】
次に、コンパクト容器1の成形について説明する。尚、以下では、コンパクト容器1の蓋体12の成形について説明するものとし、容器本体11の成形、及び、蓋体12と容器本体11の組み立て等は従来公知の成形手段、及び、組み立て手段を用いるため、説明は省略する。
【0027】
まず、外蓋体16の成形に用いる成形型21について説明する。図3、図4に示すように、蓋体12を構成する外蓋体16を成形する成形型21は、第1型22と第2型23とから構成されている。第1型22は可動型であり、第2型23は固定型である。第1型22は第2型23に対して油圧による開閉手段(図示せず)によって離接する方向に開閉自在に支持されており、第1型22と第2型23の開型と閉型を自在に行うことができる。
【0028】
第2型23には、溶融した合成樹脂を注入するスプルー31と、外蓋体16の外部側の形状を持つ外側キャビティ33とが形成される。第1型22には、注入された合成樹脂を各キャビティへと導くランナー32と、ヒンジ部14の形状を持つヒンジ部キャビティ34と、係合部15の形状を持つ係合部キャビティ35と、外蓋体16の内側、すなわち、反可視面3側の形状を持つコアとが形成される。コアとなる部分には中子装着部36が形成されており、中子装着部36には、フレネルレンズ状の凹凸面4を形成する中子37が装着されている。第2型23の裏面には、射出機のノズル(図示せず)が連結されており、各キャビティに対して溶融樹脂を射出するようにしている。
【0029】
フレネルレンズ状の凹凸面4を形成する中子37は、表面にフレネルレンズ状の凹凸38が形成されており、凹凸38の形状は、外蓋体16の凹凸面4が凹レンズ状となるように、中子37の凹凸38は凸レンズ状に形成されている。中子37の平面形状は略長方形であり、略中央部にレンズの中央部が配置されるように凹凸形状が形成されている。尚、中子37には、1つのフレネルレンズ状の凹凸38を形成したが、複数のフレネルレンズ状の凹凸38を形成してもよい。
【0030】
次に外蓋体16の成形工程について説明する。図4に示すように、開閉手段(図示せず)にて第1型22を第2型23の方向へ移動させ、第1型22と第2型23を開型する。閉型された成形型21に対し、射出機のノズル(図示せず)から、溶融した透明の合成樹脂をスプルー31へ射出すると、スプルー31から注入された合成樹脂は、ランナー32を通って各キャビティに充填される。このとき、中子37の表面の凹凸38は、細かいピッチで微細な凹凸であるため、この凹凸38に十分充填されるようにする必要がある。このため、溶融した合成樹脂の流動性が高くなるような成形条件に設定するようにし、必要であれば、使用する樹脂素材として溶融時の流動性の高いものを選定する。
【0031】
フレネルレンズ状の凹凸面4を射出成形手段で成形することにより、厚みのある外蓋体16に対して容易にフレネルレンズ状の凹凸面4を成形することができる。また、溶融時の流動性の高い樹脂を用いて、フレネルレンズ状の凹凸面4を射出成形手段で成形することにより、欠損部の少ないフレネルレンズ状の凹凸面4を確実に成形することができる。また、凹凸面4が成形された領域の肉厚、すなわち、凹凸面4と外側の可視面2との距離を、凹凸の高さ変化を除いて略一定として均肉化することにより、成形性は良好となる。
以上により、外蓋体16の外形及び、凹凸面4が成形され、その後、冷却工程を経て成形型21を開型し、外蓋体16を取り出す。
【0032】
続いて、外蓋体16のフレネルレンズ状の凹凸面4に光反射層5を積層する工程について説明する。本実施例では、真空蒸着手段を用いてアルミニウムの薄膜を凹凸面4に形成する。光反射層5を形成する部分は、凹凸面4のみであるため、それ以外の部分にアルミニウムが蒸着することを避けるため、治具やテープ等でマスクした状態において蒸着を行うものとする。真空蒸着手段を用いて光反射層5を形成することにより、凹凸のあるフレネルレンズ状の凹凸面4に容易に均一な厚みの光反射層5を形成することができる。
【0033】
光反射層5の厚みは、外蓋体16の可視面2から入射した光をどの程度反射させるかに応じて変更するものとする。入射した光のほとんど全てを反射させる場合は光反射膜を厚く形成し、入射した光を透過させ、反射する光を減少させる場合は光反射膜を薄く形成することで光透過性を有する光反射膜を形成することができる。光反射層5の厚みは、例えば、50nmから200nmの間で選定する。
【0034】
以上のようにして形成した外蓋体16によれば、可視面2側から見ると実際よりも肉厚に感じられ、深み感のある装飾効果が得られる。このような装飾効果が得られる原理について説明する。
【0035】
図5に示すように、凹凸面4は、凹レンズ型のフレネルレンズ状に形成されているため、可視面2から入射した光は光反射層5、すなわち、フレネルレンズ面で反射する。この反射光は、可視面2から見た場合、凸レンズミラーで反射されたように視認され、凸レンズミラーの虚像面は、図に示すように、実際の凹凸面4より深い位置に存在する。従って、外蓋体16の実際の肉厚が薄いものであっても、レンズの虚像面によって視覚的に感じられる肉厚は変化し、実際の肉厚よりも厚く感じられ、深み感のある装飾効果が得られるのである。
【0036】
よって、本実施例に係るコンパクト容器1によれば、合成樹脂層の肉厚を厚くすることや、塗膜の厚みを厚くすることなく、薄肉でありながら視認上は肉厚の成形品に近似させ、従来にない立体的な深み感を備えたコンパクト容器1とすることができる。
【0037】
また、コンパクト容器1を薄肉に形成できるため、外形デザインにおける寸法上の制約や、内部構成による寸法上の制約を受けにくく、デザイン的に自由度の高いコンパクト容器1とすることができる。
【0038】
また、コンパクト容器1を薄肉に形成できるため、射出成形手段で成形する場合において、フローマークやジェッティング等の不良が発生しにくくなり、また、合成樹脂の収縮による歪みが発生しにくく、外観不良が発生しにくい。
【0039】
また、コンパクト容器1を薄肉に形成できるため、蓋体12の重量を軽量化させることができ、フリーストップ(蓋体12を開放した場合に任意の角度で止まる)が容易となる。
【0040】
また、コンパクト容器1を薄肉に形成できるため、成形や原料に掛かるコストを減少させ、コンパクト容器1を安価に提供することができる。
【0041】
尚、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、例えば、以下のように変更してもよい。
【0042】
上記実施例では、フレネルレンズ状の凹凸面4の凹凸の間隔は約0.1mmとし、凹凸の高さは約0.05mmとしたが、これに限定されず、所望の装飾効果を得るため、凹凸の間隔、凹凸の高さを変更してもよい。
【0043】
また、所望の装飾効果を得るため、光反射層5の厚みや、透光性のある合成樹脂の着色の色合いを変更するようにしてもよい。
【0044】
上記実施例では、フレネルレンズ状の凹凸面4は射出成形手段により成形したが、これに限定されず、例えば、シート成形手段や、プレス成形手段を用いて成形してもよい。
【0045】
上記実施例では、コンパクト容器1の蓋体12の天板部分にフレネルレンズ状の凹凸面4を形成したが、これに限定されず、他の部分、例えば、化粧品容器の側面等に形成するようにしてもよい。
【0046】
上記実施例では、内装体である鏡部18を装着した部分にフレネルレンズ状の凹凸面4を形成したが、これに限定されず、化粧品容器の広い部分に形成してもよく、あるいは、狭い範囲のみに形成してもよい。特に、薄肉でありながら肉厚に似た装飾効果が得られるため、化粧品容器の設計上、スペースが確保しにくい部分に用いることで、その部分の肉厚を薄くすることができ、スペース確保が容易となる。
【0047】
以上説明した本発明の技術的範囲は、上記の実施例に限定されるものではなく、上記実施例の形状に限定されない。本発明の技術的範囲は、本明細書及び図面に記載した事項から明らかになる本発明が真に意図する技術的思想の範囲全体に、広く及ぶものである。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の実施例1に係る化粧品容器の斜視図。
【図2】図1のA―A線における断面図。
【図3】成形型21を開型した状態を示す断面図。
【図4】成形型21を閉型した状態を示す断面図。
【図5】装飾効果の原理を示す図。
【符号の説明】
【0049】
1 コンパクト容器
2 可視面
3 反可視面
4 フレネルレンズ状の凹凸面
5 光反射層
11 容器本体
12 蓋体
13 収容凹部
14 ヒンジ部
15 係合部
16 外蓋体
17 鏡装着凹部
18 鏡部
19 接着層
21 成形型
22 第1型
23 第2型
31 スプルー
32 ランナー
33 外側キャビティ
34 ヒンジ部キャビティ
35 係合部キャビティ
36 中子装着部
37 中子
38 フレネルレンズ状の凹凸
40 化粧料

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透光性を有する合成樹脂で形成され、可視面の裏側の面である反可視面にフレネルレンズ状の凹凸面が形成されており、前記凹凸面に光反射層が積層されていることを特徴とする化粧品容器。
【請求項2】
前記凹凸面は、非球面体レンズ型のフレネルレンズ状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の化粧品容器。
【請求項3】
内装体と、前記内装体の外側に設けられる外装体とを有し、前記内装体が設けられる面にフレネルレンズ状の凹凸面が形成されていることを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載の化粧品容器。
【請求項4】
前記凹凸面は、射出成形手段により成形されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の化粧品容器。
【請求項5】
前記光反射層は、真空蒸着手段により形成された薄膜であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の化粧品容器。
【請求項6】
内装体と、前記内装体の外側に設けられる外装体とを有する化粧品容器の製造方法であって、
前記外装体は、透光性を有する合成樹脂を用いた射出成形手段で、反可視面にフレネルレンズ状の凹凸面が成形され、次いで前記凹凸面に光反射層を真空蒸着手段で積層させたことを特徴とする化粧品容器の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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