化粧料容器
【課題】外形寸法等が異なる各種の中皿を容器本体に収容することができ、しかも、店頭等で組立たり、分解したりすることができる化粧料容器を提供する。
【解決手段】容器本体1と、この容器本体1の中枠収容凹部1aに着脱自在に収容される中枠2と、この中枠2の中皿収容孔部2aに着脱自在に収容される中皿3と、蓋体4とを備えており、上記蓋体4の一端部から蓋側連結部27,28を突設し、上記中枠2の一端部から、上記蓋側連結部27,28に回動自在にかつ着脱自在に連結される枠側連結部24,25を突設し、上記容器本体1の一端部に後側凹部14,15を形成し、上記容器本体1の中枠収容凹部1aに中枠2を着脱自在に収容するとともに、上記容器本体1の後側凹部14,15に上記両枠側連結部24,25と両蓋側連結部27,28とを連結させて着脱自在に収容し、その状態で上記蓋体4を中枠2に対して回動自在とするように構成している。
【解決手段】容器本体1と、この容器本体1の中枠収容凹部1aに着脱自在に収容される中枠2と、この中枠2の中皿収容孔部2aに着脱自在に収容される中皿3と、蓋体4とを備えており、上記蓋体4の一端部から蓋側連結部27,28を突設し、上記中枠2の一端部から、上記蓋側連結部27,28に回動自在にかつ着脱自在に連結される枠側連結部24,25を突設し、上記容器本体1の一端部に後側凹部14,15を形成し、上記容器本体1の中枠収容凹部1aに中枠2を着脱自在に収容するとともに、上記容器本体1の後側凹部14,15に上記両枠側連結部24,25と両蓋側連結部27,28とを連結させて着脱自在に収容し、その状態で上記蓋体4を中枠2に対して回動自在とするように構成している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧料容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、ファンデーション等の化粧料を収容して携帯する化粧料容器として、図15に示すようなコンパクト容器が提案されている。このコンパクト容器は、上面に化粧皿収容凹部31aと化粧用具収容凹部31bとが形成された容器本体31と、この容器本体31の上面を開閉自在に蓋する蓋体32と、内部に化粧料33aが充填された化粧皿33とで構成されており、上記容器本体31の後側壁の中央部分の後側面に形成された後側凹部31cに、上記蓋体32の後端部から垂下する連結部32aが収容されている。そして、上記容器本体31の後側壁の左右両側部分にそれぞれ貫通状に穿設されたピン挿通孔34(図では、一方のピン挿通孔34しか図示せず)および上記蓋体32の連結部32aに貫通状に穿設されたピン挿通孔(図示せず)に挿通されたヒンジピン35を介して、上記容器本体31に蓋体32が回動自在に連結されている。図において、37aは上記容器本体31の前側壁の前側凹部37の奥面に突設された突起であり、閉蓋時には、上記蓋体32のフック32bに着脱自在に係合している。また、38は上記前側凹部37に設けた開蓋用のフックピースである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、上記のコンパクト容器では、容器本体31の上面に化粧皿収容凹部31aを形成しているため、化粧皿33として、その外形寸法や外周部の形状,構造が異なるものを使用する場合には、容器本体31に収容することができなくなる。したがって、上記外形寸法等が異なる化粧皿33を収容することができる容器本体31を新しく作製する必要があるが、この容器本体31には、蓋体32を着脱自在に固定する固定手段(前側凹部37,突起37a等)や、蓋体32を回動自在に支受する支受手段(後側凹部31c等)等が形成されているため、新しく容器本体31を作製しようとすると、製造コストの大幅なアップになる。しかも、上記各ピン挿通孔34にヒンジピン35を挿通するために、エアシリンダ式の専用機械等を用いなければならず、設備に費用がかかるうえ、挿通作業に長時間を要する。しかも、専用機械等を備えた工場等でしか上記のコンパクト容器を組み立てることができない。また、上記の化粧料容器を容器本体31,蓋体32等に分解する場合にも、店頭等では簡単に行えないため、分別廃棄することができないし、蓋体32だけが損傷等した場合にも、店頭等で蓋体32だけを交換することができない。
【0004】
そこで、化粧皿収容凹部31aと化粧用具収容凹部31bとが形成された中枠(図示せず)を作製し、この中枠を容器本体31に着脱自在に固定するようにしたものが提案されている。このものでは、外形寸法や外周部の形状,構造が異なる化粧皿33を使用する場合には、中枠だけを交換すればよく、容器本体31を新しく作製する必要がなくなる。しかしながら、このものでも、エアシリンダ式の専用機械等を用いなければならないという問題や、工場等でしか組み立てることができないという問題や、店頭等で簡単に分解することができないという問題が依然として残っている。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、外形寸法等が異なる各種の中皿を容器本体に収容することができ、しかも、店頭等で組立てたり、分解したりすることができる化粧料容器の提供をその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明の化粧料容器は、上面に中枠収容孔部が形成された容器本体と、上面に中皿収容孔部が形成され上記容器本体の中枠収容孔部に着脱自在に収容される中枠と、この中枠の中皿収容孔部に着脱自在に収容される中皿と、上記容器本体の上面を蓋する蓋体とを備え、上記蓋体の一端部から蓋側連結部を容器本体の一端部側に向かって突設するとともに、上記中枠の一端部から、上記蓋側連結部に回動自在にかつ着脱自在に連結される枠側連結部を上記容器本体の一端部側に向かって突設して、これら両連結部を上記容器本体の一端部に沿って並列可能に構成し、上記容器本体の一端部に、上記両連結部を連結させた状態で着脱自在に収容しうる凹部を形成し、上記容器本体の中枠収容孔部に中枠を着脱自在に収容するとともに上記容器本体の凹部に上記両連結部を連結させて着脱自在に収容し、その状態で上記蓋体を中枠に対して回動自在とするように構成したという構成をとる。
【発明の効果】
【0007】
すなわち、本発明の化粧料容器は、上面に中枠収容孔部が形成された容器本体と、上面に中皿収容孔部が形成され上記容器本体の中枠収容孔部に着脱自在に収容される中枠と、この中枠の中皿収容孔部に着脱自在に収容される中皿と、上記容器本体の上面を蓋する蓋体とを備えている。また、上記蓋体の一端部から蓋側連結部を容器本体の一端部側に向かって突設するとともに、上記中枠の一端部から、上記蓋側連結部に回動自在にかつ着脱自在に連結される枠側連結部を上記容器本体の一端部側に向かって突設して、これら両連結部を上記容器本体の一端部に沿って並列可能に構成し、上記容器本体の一端部に、上記両連結部を連結させた状態で着脱自在に収容しうる凹部を形成している。そして、上記容器本体の中枠収容孔部に中枠を着脱自在に収容するとともに上記容器本体の凹部に上記両連結部を連結させて着脱自在に収容し、その状態で上記蓋体を中枠に対して回動自在とするように構成している。このような本発明の化粧料容器を組み立てる場合には、まず、上記蓋体の一端部から突設した蓋側連結部と、上記中枠の一端部から突設した枠側連結部とを適宜間隔をあけて並列状に並べ、ついで、これら両連結部を互いに近づけて回動自在にかつ着脱自在に連結し、その連結状態で、上記容器本体の中枠収容孔部に中枠を収容するとともに、上記容器本体の一端部に形成した凹部に上記両連結部を収容したのち、中枠の中皿収容孔部に中皿を収容することを行う。このとき、中皿を中枠の中皿収容孔部に収容した状態で、この中枠を容器本体の中枠収容孔部に収容することで、中皿と中枠とを同時に容器本体に収容することもできる。この収容状態では、上記蓋体が中枠に対して回動自在であるため、上記蓋体を容器本体に対して開閉することができる。一方、本発明の化粧料容器を分解する場合には、まず、中枠の中皿収容孔部から中皿を取り外し、ついで、中枠を蓋体とともに容器本体から取り外したのち、中枠と蓋体とを離間させることで、上記連結した両連結部を別々にすることを行う。このとき、中皿を中枠の中皿収容孔部に収容した状態で、この中枠を容器本体の中枠収容孔部から取り外すこともできる。
【0008】
このように、本発明の化粧料容器では、上記容器本体の中枠収容孔部に、上面に中皿収容孔部が形成された中枠を収容しているため、中皿として、外形寸法や外周部の形状,構造が異なる各種の中皿を用いる場合にも、これら中皿を収容することができる各種の中枠を作製すればよく、これら中枠は、その形状,構造等が容器本体と比べて簡単な形状,構造等であるため、製造コストが大幅に安価になる。しかも、本発明の化粧料容器を組み立てる場合には、上記蓋体の一端部から突設した蓋側連結部と、上記中枠の一端部から突設した枠側連結部とを連結し、その連結状態で上記容器本体の中枠収容孔部に中枠を収容するとともに、上記容器本体の凹部に上記両連結部を収容すればよく、従来例では用いていたエアシリンダ式の専用機械等を用いる必要がなく、店頭等で簡単に組み立てることができる。しかも、上記手順と逆の手順で簡単に分解することができ、店頭等で分別廃棄することができるし、蓋体や中枠が損傷等した場合にも、蓋体や中枠だけを交換することができる。
【0009】
また、上記容器本体の一端部に複数の凹部が形成され、上記各凹部の一側に対応する上記中枠の一端部の部分にそれぞれ枠側連結部が突設され、上記各凹部の他側に対応する上記蓋体の一端部の部分にそれぞれ蓋側連結部が突設されていると、上記容器本体の一端部に、連結した両連結部を複数組収容することができ、上記連結が確実になる。
【0010】
また、上記蓋側連結部の一横側面から係合用凸部もしくは係合用凹部が設けられ、上記蓋側連結部の一横側面に対応する上記枠側連結部の一横側面の部分に、上記係合用凸部もしくは係合用凹部に回動自在にかつ着脱自在に連結される係合用凹部もしくは係合用凸部が設けられていると、上記蓋側連結部の一横側面の横側方に上記枠側連結部の一横側面を位置決めし、上記蓋側連結部の一横側面の係合用凸部もしくは係合用凹部を上記枠側連結部の一横側面の係合用凹部もしくは係合用凸部に押し込むようにして係合させるだけで、上記両連結部を簡単に連結することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
つぎに、本発明の実施の形態を図面にもとづいて詳しく説明する。ただし、これに限定されるわけではない。
【0012】
図1および図2は本発明の化粧料容器の一実施の形態を示している。これらの図において、1は上面に平面視略長方形状の中枠収容凹部(中枠収容孔部)1aが形成された(平面視略長方形状の皿状体に形成された)容器本体であり、図3および図4に示すように、上記皿状体を構成する周側壁11のうち前側壁11aの前部に、上側面および前側面が開口する前側凹部13が切欠き形成され、この前側凹部13の奥面に、後述する蓋体4の係合爪4aに着脱自在に係合する凸部13aが突設されている。また、上記容器本体1の周側壁11のうち後側壁11bには、上下両側面および前後両側面が開口する(すなわち、前後方向に貫通状に)左右一対の後側凹部14,15が切欠き形成されている。これら両後側凹部14,15は、その左右方向長さが略同じ長さに形成されており、その内部に、後述する中枠2の枠側連結部24,25と蓋体4の蓋側連結部27,28とが連結された状態で、横側方への抜け出し防止状に収容されている(図1参照)。
【0013】
また、上記中枠収容凹部1aの内周側面のうち前後両側面(すなわち、上記周側壁11のうち前後両側壁11a,11bの内周面)には、上記中枠2の係合用凹部22,23に着脱自在に係合する前後一対の係合用凸部16,17が2組(左右に)相対向状に突設されている。より詳しく説明すると、上記各係合用凸部16,17のうち、2つの後側係合用凸部16は、上記後側壁11bの内周面の、上記両後側凹部14,15の外側縁部(すなわち、左側の後側凹部14の左側縁部および右側の後側凹部15の右側縁部)もしくはその近傍から外側に向かって延びており、2つの前側係合用凸部17は、上記前側壁11aの内周面に、2つの後側係合用凸部16に相対向するようにして突設されている。
【0014】
また、上記中枠収容凹部1aの底壁(すなわち、上記容器本体1の底壁)12には横長形状に形成された2つの貫通孔18,19(図3参照)が穿設されており、一方の貫通孔18は、中皿3を上記底壁12から取り外すためにコイン等(図示せず)を挿通するもので、他方の貫通孔19は、中枠2を上記周側壁11から取り外すためにコイン等(図示せず)を挿通するものである。
【0015】
2は平面視略長方形状に形成された中枠であり、上記容器本体1の中枠収容凹部1aに着脱自在に収容,固定されている。この中枠2には、図5〜図7に示すように、その略左右方向中央部に、前後方向に延びる仕切り板部21が形成されており、これにより、中枠2の内部空間が中皿収容孔部2aと化粧用具収容孔部2bとに左右に仕切られている。そして、上記中皿収容孔部2aに、内部に化粧料3aが充填された中皿3が収容されており(図1参照)、上記化粧用具収容孔部2bにパフ等の化粧用具(図示せず)が収容されている。この実施の形態では、上記中皿収容孔部2aの底面(すなわち、中枠収容凹部1aの底壁の上面)と中皿3の底面(中皿3の底壁の下面)とを接着剤層(図示せず)を介して接着,固定することにより、上記中皿収容孔部2aに中皿3が着脱自在に収容されている。
【0016】
また、上記中枠2には、その外周側面のうち前後両側面の、上記容器本体1の中枠収容凹部1aの各係合用凸部16,17に対応する部分に、上記各係合用凸部16,17に着脱自在に係合する凹溝状の被係合用凹部22,23が形成されている。また、上記中枠2には、その外周側面のうち後側面の、上記容器本体1の後側凹部14,15の右側半分空間(一側)に対応する部分から、左右一対の枠側連結部24,25が突設されており、これら両枠側連結部24,25の左側面に、上記蓋体4の両蓋側連結部27,28の係合用凸部27a,28aに回動自在にかつ着脱自在に係合する係合用凹部24a,25aが形成されている。
【0017】
4は上記容器本体1の上面を蓋する蓋体であり、図8および図9に示すように、その前端部から、上記容器本体1の前側凹部13の凸部13aに着脱自在に係合する係合爪4aが突設されている。また、上記蓋体4の後端部の、上記容器本体1の後側凹部14,15の左側半分空間(他側)に対応する部分から、左右一対の蓋側連結部27,28が垂設されており、これら両蓋側連結部27,28の右側面に、上記中枠2の係合用凹部24a,25aに回動自在にかつ着脱自在に係合する係合用凸部27a,28aが突設されている。これら両係合用凸部27a,28aは、上記両蓋側連結部27,28の右側面に型成形により一体成形されたものであり、上記中枠2の係合用凹部24a,25aよりやや大径の円筒体からなり、この円筒体に、その右端面から左端部(もしくはその近傍)まで延びる複数の切り目を、この円筒体の周方向に所定間隔をあけて形成したもので構成されている(図11参照)。図8および図9において、6は上記蓋体4の裏面に接着,固定された鏡である。
【0018】
上記構成において、上記の化粧料容器を組み立てる場合には、まず、上記中枠2の後端と蓋体4の後端とを近づけるようにして、上記中枠2の両枠側連結部24,25と上記蓋体4の両蓋側連結部27,28とを適宜間隔をあけて左右に並べ(図10および図11参照)、ついで、上記両枠側連結部24,25の係合用凹部24a,25aに上記両蓋側連結部27,28の係合用凸部27a,28aを位置決めし、上記両係合用凹部24a,25aに上記両係合用凸部27a,28aを押し込むようにして上記両枠側連結部24,25と両蓋側連結部27,28とを回動自在にかつ着脱自在に連結する。
【0019】
つぎに、この連結状態で、上記両枠側連結部24,25と両蓋側連結部27,28とを容器本体1の両後側凹部14,15に位置決めしながら(図12参照)、上記容器本体1の中枠収容凹部1aに中枠2を押し込むとともに、上記連結された各連結部24,25,27,28を容器本体1の両後側凹部14,15に収容し、そののち、上記中枠2の中皿収容孔部2aの底面に中皿3を接着,固定することを行う。これにより、上記容器本体1の両係合用凸部16,17と中枠2の両係合用凹部22,23とが着脱自在に係合する。また、上記両枠側連結部24,25と両蓋側連結部27,28とが容器本体1の両後側凹部14,15に抜け止め状に収容され、かつ、この収容状態で上記蓋体4が中枠2に対して回動自在に連結されているため、上記蓋体4を容器本体1に対して開閉することができる。
【0020】
一方、上記の化粧料容器を分解する場合には、まず、開蓋状態で、上記中枠収容凹部1aの底壁の貫通孔18に下側からコイン等を挿入し中皿3の底面を押し上げて上記中枠2の中皿収容孔部2aの底面から中皿3を取り外し、ついで、上記中枠収容凹部1aの底壁の貫通孔19に下側からコイン等を挿入し中枠2の底面を押し上げて上記中枠収容凹部1aの周側壁11から中枠2を蓋体4とともに取り外したのち、中枠2と蓋体4とを引き離すことにより上記両枠側連結部24,25と両蓋側連結部27,28との係合を外すことを行う。
【0021】
このように、上記実施の形態では、上記容器本体1の中枠収容凹部1aに中枠2を着脱自在に収容し、この中枠2の中皿収容孔部2aに中皿3を収容しているため、中皿3として、外形寸法や外周部の形状,構造が異なる各種の中皿3を用いる場合にも、これら中皿3を収容しうる各種の中皿中枠2を新たに作製すればよく、上記容器本体1を新たに作製する必要がなくなる。そして、上記中枠2は、その形状,構造等が容器本体1と比べて簡単な形状,構造等であるため、製造コストが大幅に安価になる。しかも、上記の化粧料容器を組み立てる場合には、中枠2と蓋体4とを連結したのち、この連結状態で中枠2を容器本体1の中枠収容凹部1aに押し込んで収容するだけでよく、簡単に組み立てることができ、従来例で用いていたエアシリンダ式の専用機械等を用いる必要がなく、店頭等で簡単に組み立てることができる。しかも、上記手順と逆の手順で簡単に分解することができるため、店頭等で分別廃棄することができるし、中枠2や蓋体4が損傷等した場合には、店頭等で中枠2や蓋体4だけを交換することもできる。しかも、上記両蓋側連結部27,28の右側面に両係合用凸部27a,28aを型成形により一体成形しているため、従来例では用いていたヒンジピン35を省くことができる。
【0022】
図13は本発明の化粧料容器の他の実施の形態を示している。この実施の形態では、上記容器本体1の後側壁11bの左右両側端部に左右一対の後側凹部14,15が切欠き形成されており、これにより、上記中枠2の両枠側連結部24,25および上記蓋体4の両蓋側連結部27,28も、上記両後側凹部14,15に対応する部分に突設されている。より詳しく説明すると、上記中枠2には、その後端壁の右側端部に一方の枠側連結部25が突設されているとともに、上記後端壁の左側端縁から(蓋体4の左側の)蓋側連結部27の左右幅分だけ内側に寄った部分から他方の枠側連結部24が突設されている。一方、上記蓋体4には、その後端壁の左側端部に一方の蓋側連結部27が突設されているとともに、上記後端壁の右側端縁から(中枠2の右側の)枠側連結部25の左右幅分だけ内側に寄った部分から他方の蓋側連結部28が突設されている。それ以外の部分は上記実施の形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。この実施の形態でも、上記実施の形態と同様の作用・効果を奏する。
【0023】
図14は本発明の化粧料容器のさらに他の実施の形態を示している。この実施の形態では、上記容器本体1の後側壁11bの中央部に1つの後側凹部14aが切欠き形成されており、これにより、上記中枠2の中央部に1つの枠側連結部24aが突設されているとともに、上記蓋体4の中央部に1つの蓋側連結部27aが突設されている。それ以外の部分は図1〜図12に示す実施の形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。この実施の形態でも図1〜図12に示す実施の形態と同様の作用・効果を奏する。
【0024】
なお、上記各実施の形態では、容器本体1の上面に中枠収容凹部1aを形成しているが、これに限定するものではなく、中枠収容用の貫通孔を穿設し、この貫通孔に中枠2を着脱自在に収容してもよい。また、上記各実施の形態では、中枠2を枠状に形成しているが、中皿収容凹部と化粧用具収容凹部とを有する皿状体に形成してもよい。また、上記各実施の形態では、上記中枠2の中皿収容孔部2aの底面に中皿3を接着,固定しているが、上記中皿収容孔部2a,中皿3等に各種の係合手段を設け、これら係合手段により、上記中皿収容孔部2aに中皿3を着脱自在に係合してもよい。
【0025】
また、上記各実施の形態では、上記容器本体1の後側壁11bに両後側凹部14,15を形成しているが、左右両側壁もしくは前側壁11aに形成してもよい。この場合には、上記中枠2の両枠側連結部24,25および上記蓋体4の両蓋側連結部27,28も、上記中枠2および蓋体4の左右両側壁もしくは前側壁に形成することになる。また、上記各実施の形態では、上記両蓋側連結部27,28の右側面に両係合用凸部27a,28aを型成形により一体成形しているが、2本の係合用ピンを用い、上記両蓋側連結部27,28の右側面にピン挿通孔を穿設し、エアシリンダ式の専用機械等を用い、上記両ピン挿通孔から両係合用ピンを突出させた状態で、上記両ピン挿通孔に両係合用ピンを挿通,固定してもよい。
【0026】
また、上記各実施の形態では、上記中枠2の両枠側連結部24,25の左側面に係合用凹部24a,25aを形成し、上記蓋体4の両蓋側連結部27,28の右側面に係合用凸部27a,28aを突設しているが、上記両枠側連結部24,25の右側面に係合用凹部24a,25aを形成し、上記両蓋側連結部27,28の左側面に係合用凸部27a,28aを形成してもよいし、上記両枠側連結部24,25の左側面に係合用凸部27a,28aを突設し、上記両蓋側連結部27,28の右側面に係合用凹部24a,25aを形成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の化粧料容器の一実施の形態を示す斜視図である
【図2】上記化粧料容器の要部を示す平面図である。
【図3】容器本体の平面図である。
【図4】上記容器本体の断面図である。
【図5】中枠の平面図である。
【図6】上記中枠の断面図である。
【図7】上記中枠の要部の断面図である。
【図8】蓋体の裏面図である。
【図9】上記蓋体の断面図である。
【図10】上記化粧料容器の組立方法を示す斜視図である。
【図11】上記化粧料容器の組立方法を示す要部斜視図である。
【図12】上記化粧料容器の組立方法を示す斜視図である。
【図13】本発明の化粧料容器の他の実施の形態の要部を示す平面図である。
【図14】本発明の化粧料容器のさらに他の実施の形態の要部を示す平面図である。
【図15】従来例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0028】
1 容器本体
1a 中枠収容凹部
2 中枠
2a 中皿収容孔部
3 中皿
4 蓋体
14,15 後側凹部
24,25 枠側連結部
27,28 蓋側連結部
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧料容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、ファンデーション等の化粧料を収容して携帯する化粧料容器として、図15に示すようなコンパクト容器が提案されている。このコンパクト容器は、上面に化粧皿収容凹部31aと化粧用具収容凹部31bとが形成された容器本体31と、この容器本体31の上面を開閉自在に蓋する蓋体32と、内部に化粧料33aが充填された化粧皿33とで構成されており、上記容器本体31の後側壁の中央部分の後側面に形成された後側凹部31cに、上記蓋体32の後端部から垂下する連結部32aが収容されている。そして、上記容器本体31の後側壁の左右両側部分にそれぞれ貫通状に穿設されたピン挿通孔34(図では、一方のピン挿通孔34しか図示せず)および上記蓋体32の連結部32aに貫通状に穿設されたピン挿通孔(図示せず)に挿通されたヒンジピン35を介して、上記容器本体31に蓋体32が回動自在に連結されている。図において、37aは上記容器本体31の前側壁の前側凹部37の奥面に突設された突起であり、閉蓋時には、上記蓋体32のフック32bに着脱自在に係合している。また、38は上記前側凹部37に設けた開蓋用のフックピースである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、上記のコンパクト容器では、容器本体31の上面に化粧皿収容凹部31aを形成しているため、化粧皿33として、その外形寸法や外周部の形状,構造が異なるものを使用する場合には、容器本体31に収容することができなくなる。したがって、上記外形寸法等が異なる化粧皿33を収容することができる容器本体31を新しく作製する必要があるが、この容器本体31には、蓋体32を着脱自在に固定する固定手段(前側凹部37,突起37a等)や、蓋体32を回動自在に支受する支受手段(後側凹部31c等)等が形成されているため、新しく容器本体31を作製しようとすると、製造コストの大幅なアップになる。しかも、上記各ピン挿通孔34にヒンジピン35を挿通するために、エアシリンダ式の専用機械等を用いなければならず、設備に費用がかかるうえ、挿通作業に長時間を要する。しかも、専用機械等を備えた工場等でしか上記のコンパクト容器を組み立てることができない。また、上記の化粧料容器を容器本体31,蓋体32等に分解する場合にも、店頭等では簡単に行えないため、分別廃棄することができないし、蓋体32だけが損傷等した場合にも、店頭等で蓋体32だけを交換することができない。
【0004】
そこで、化粧皿収容凹部31aと化粧用具収容凹部31bとが形成された中枠(図示せず)を作製し、この中枠を容器本体31に着脱自在に固定するようにしたものが提案されている。このものでは、外形寸法や外周部の形状,構造が異なる化粧皿33を使用する場合には、中枠だけを交換すればよく、容器本体31を新しく作製する必要がなくなる。しかしながら、このものでも、エアシリンダ式の専用機械等を用いなければならないという問題や、工場等でしか組み立てることができないという問題や、店頭等で簡単に分解することができないという問題が依然として残っている。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、外形寸法等が異なる各種の中皿を容器本体に収容することができ、しかも、店頭等で組立てたり、分解したりすることができる化粧料容器の提供をその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明の化粧料容器は、上面に中枠収容孔部が形成された容器本体と、上面に中皿収容孔部が形成され上記容器本体の中枠収容孔部に着脱自在に収容される中枠と、この中枠の中皿収容孔部に着脱自在に収容される中皿と、上記容器本体の上面を蓋する蓋体とを備え、上記蓋体の一端部から蓋側連結部を容器本体の一端部側に向かって突設するとともに、上記中枠の一端部から、上記蓋側連結部に回動自在にかつ着脱自在に連結される枠側連結部を上記容器本体の一端部側に向かって突設して、これら両連結部を上記容器本体の一端部に沿って並列可能に構成し、上記容器本体の一端部に、上記両連結部を連結させた状態で着脱自在に収容しうる凹部を形成し、上記容器本体の中枠収容孔部に中枠を着脱自在に収容するとともに上記容器本体の凹部に上記両連結部を連結させて着脱自在に収容し、その状態で上記蓋体を中枠に対して回動自在とするように構成したという構成をとる。
【発明の効果】
【0007】
すなわち、本発明の化粧料容器は、上面に中枠収容孔部が形成された容器本体と、上面に中皿収容孔部が形成され上記容器本体の中枠収容孔部に着脱自在に収容される中枠と、この中枠の中皿収容孔部に着脱自在に収容される中皿と、上記容器本体の上面を蓋する蓋体とを備えている。また、上記蓋体の一端部から蓋側連結部を容器本体の一端部側に向かって突設するとともに、上記中枠の一端部から、上記蓋側連結部に回動自在にかつ着脱自在に連結される枠側連結部を上記容器本体の一端部側に向かって突設して、これら両連結部を上記容器本体の一端部に沿って並列可能に構成し、上記容器本体の一端部に、上記両連結部を連結させた状態で着脱自在に収容しうる凹部を形成している。そして、上記容器本体の中枠収容孔部に中枠を着脱自在に収容するとともに上記容器本体の凹部に上記両連結部を連結させて着脱自在に収容し、その状態で上記蓋体を中枠に対して回動自在とするように構成している。このような本発明の化粧料容器を組み立てる場合には、まず、上記蓋体の一端部から突設した蓋側連結部と、上記中枠の一端部から突設した枠側連結部とを適宜間隔をあけて並列状に並べ、ついで、これら両連結部を互いに近づけて回動自在にかつ着脱自在に連結し、その連結状態で、上記容器本体の中枠収容孔部に中枠を収容するとともに、上記容器本体の一端部に形成した凹部に上記両連結部を収容したのち、中枠の中皿収容孔部に中皿を収容することを行う。このとき、中皿を中枠の中皿収容孔部に収容した状態で、この中枠を容器本体の中枠収容孔部に収容することで、中皿と中枠とを同時に容器本体に収容することもできる。この収容状態では、上記蓋体が中枠に対して回動自在であるため、上記蓋体を容器本体に対して開閉することができる。一方、本発明の化粧料容器を分解する場合には、まず、中枠の中皿収容孔部から中皿を取り外し、ついで、中枠を蓋体とともに容器本体から取り外したのち、中枠と蓋体とを離間させることで、上記連結した両連結部を別々にすることを行う。このとき、中皿を中枠の中皿収容孔部に収容した状態で、この中枠を容器本体の中枠収容孔部から取り外すこともできる。
【0008】
このように、本発明の化粧料容器では、上記容器本体の中枠収容孔部に、上面に中皿収容孔部が形成された中枠を収容しているため、中皿として、外形寸法や外周部の形状,構造が異なる各種の中皿を用いる場合にも、これら中皿を収容することができる各種の中枠を作製すればよく、これら中枠は、その形状,構造等が容器本体と比べて簡単な形状,構造等であるため、製造コストが大幅に安価になる。しかも、本発明の化粧料容器を組み立てる場合には、上記蓋体の一端部から突設した蓋側連結部と、上記中枠の一端部から突設した枠側連結部とを連結し、その連結状態で上記容器本体の中枠収容孔部に中枠を収容するとともに、上記容器本体の凹部に上記両連結部を収容すればよく、従来例では用いていたエアシリンダ式の専用機械等を用いる必要がなく、店頭等で簡単に組み立てることができる。しかも、上記手順と逆の手順で簡単に分解することができ、店頭等で分別廃棄することができるし、蓋体や中枠が損傷等した場合にも、蓋体や中枠だけを交換することができる。
【0009】
また、上記容器本体の一端部に複数の凹部が形成され、上記各凹部の一側に対応する上記中枠の一端部の部分にそれぞれ枠側連結部が突設され、上記各凹部の他側に対応する上記蓋体の一端部の部分にそれぞれ蓋側連結部が突設されていると、上記容器本体の一端部に、連結した両連結部を複数組収容することができ、上記連結が確実になる。
【0010】
また、上記蓋側連結部の一横側面から係合用凸部もしくは係合用凹部が設けられ、上記蓋側連結部の一横側面に対応する上記枠側連結部の一横側面の部分に、上記係合用凸部もしくは係合用凹部に回動自在にかつ着脱自在に連結される係合用凹部もしくは係合用凸部が設けられていると、上記蓋側連結部の一横側面の横側方に上記枠側連結部の一横側面を位置決めし、上記蓋側連結部の一横側面の係合用凸部もしくは係合用凹部を上記枠側連結部の一横側面の係合用凹部もしくは係合用凸部に押し込むようにして係合させるだけで、上記両連結部を簡単に連結することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
つぎに、本発明の実施の形態を図面にもとづいて詳しく説明する。ただし、これに限定されるわけではない。
【0012】
図1および図2は本発明の化粧料容器の一実施の形態を示している。これらの図において、1は上面に平面視略長方形状の中枠収容凹部(中枠収容孔部)1aが形成された(平面視略長方形状の皿状体に形成された)容器本体であり、図3および図4に示すように、上記皿状体を構成する周側壁11のうち前側壁11aの前部に、上側面および前側面が開口する前側凹部13が切欠き形成され、この前側凹部13の奥面に、後述する蓋体4の係合爪4aに着脱自在に係合する凸部13aが突設されている。また、上記容器本体1の周側壁11のうち後側壁11bには、上下両側面および前後両側面が開口する(すなわち、前後方向に貫通状に)左右一対の後側凹部14,15が切欠き形成されている。これら両後側凹部14,15は、その左右方向長さが略同じ長さに形成されており、その内部に、後述する中枠2の枠側連結部24,25と蓋体4の蓋側連結部27,28とが連結された状態で、横側方への抜け出し防止状に収容されている(図1参照)。
【0013】
また、上記中枠収容凹部1aの内周側面のうち前後両側面(すなわち、上記周側壁11のうち前後両側壁11a,11bの内周面)には、上記中枠2の係合用凹部22,23に着脱自在に係合する前後一対の係合用凸部16,17が2組(左右に)相対向状に突設されている。より詳しく説明すると、上記各係合用凸部16,17のうち、2つの後側係合用凸部16は、上記後側壁11bの内周面の、上記両後側凹部14,15の外側縁部(すなわち、左側の後側凹部14の左側縁部および右側の後側凹部15の右側縁部)もしくはその近傍から外側に向かって延びており、2つの前側係合用凸部17は、上記前側壁11aの内周面に、2つの後側係合用凸部16に相対向するようにして突設されている。
【0014】
また、上記中枠収容凹部1aの底壁(すなわち、上記容器本体1の底壁)12には横長形状に形成された2つの貫通孔18,19(図3参照)が穿設されており、一方の貫通孔18は、中皿3を上記底壁12から取り外すためにコイン等(図示せず)を挿通するもので、他方の貫通孔19は、中枠2を上記周側壁11から取り外すためにコイン等(図示せず)を挿通するものである。
【0015】
2は平面視略長方形状に形成された中枠であり、上記容器本体1の中枠収容凹部1aに着脱自在に収容,固定されている。この中枠2には、図5〜図7に示すように、その略左右方向中央部に、前後方向に延びる仕切り板部21が形成されており、これにより、中枠2の内部空間が中皿収容孔部2aと化粧用具収容孔部2bとに左右に仕切られている。そして、上記中皿収容孔部2aに、内部に化粧料3aが充填された中皿3が収容されており(図1参照)、上記化粧用具収容孔部2bにパフ等の化粧用具(図示せず)が収容されている。この実施の形態では、上記中皿収容孔部2aの底面(すなわち、中枠収容凹部1aの底壁の上面)と中皿3の底面(中皿3の底壁の下面)とを接着剤層(図示せず)を介して接着,固定することにより、上記中皿収容孔部2aに中皿3が着脱自在に収容されている。
【0016】
また、上記中枠2には、その外周側面のうち前後両側面の、上記容器本体1の中枠収容凹部1aの各係合用凸部16,17に対応する部分に、上記各係合用凸部16,17に着脱自在に係合する凹溝状の被係合用凹部22,23が形成されている。また、上記中枠2には、その外周側面のうち後側面の、上記容器本体1の後側凹部14,15の右側半分空間(一側)に対応する部分から、左右一対の枠側連結部24,25が突設されており、これら両枠側連結部24,25の左側面に、上記蓋体4の両蓋側連結部27,28の係合用凸部27a,28aに回動自在にかつ着脱自在に係合する係合用凹部24a,25aが形成されている。
【0017】
4は上記容器本体1の上面を蓋する蓋体であり、図8および図9に示すように、その前端部から、上記容器本体1の前側凹部13の凸部13aに着脱自在に係合する係合爪4aが突設されている。また、上記蓋体4の後端部の、上記容器本体1の後側凹部14,15の左側半分空間(他側)に対応する部分から、左右一対の蓋側連結部27,28が垂設されており、これら両蓋側連結部27,28の右側面に、上記中枠2の係合用凹部24a,25aに回動自在にかつ着脱自在に係合する係合用凸部27a,28aが突設されている。これら両係合用凸部27a,28aは、上記両蓋側連結部27,28の右側面に型成形により一体成形されたものであり、上記中枠2の係合用凹部24a,25aよりやや大径の円筒体からなり、この円筒体に、その右端面から左端部(もしくはその近傍)まで延びる複数の切り目を、この円筒体の周方向に所定間隔をあけて形成したもので構成されている(図11参照)。図8および図9において、6は上記蓋体4の裏面に接着,固定された鏡である。
【0018】
上記構成において、上記の化粧料容器を組み立てる場合には、まず、上記中枠2の後端と蓋体4の後端とを近づけるようにして、上記中枠2の両枠側連結部24,25と上記蓋体4の両蓋側連結部27,28とを適宜間隔をあけて左右に並べ(図10および図11参照)、ついで、上記両枠側連結部24,25の係合用凹部24a,25aに上記両蓋側連結部27,28の係合用凸部27a,28aを位置決めし、上記両係合用凹部24a,25aに上記両係合用凸部27a,28aを押し込むようにして上記両枠側連結部24,25と両蓋側連結部27,28とを回動自在にかつ着脱自在に連結する。
【0019】
つぎに、この連結状態で、上記両枠側連結部24,25と両蓋側連結部27,28とを容器本体1の両後側凹部14,15に位置決めしながら(図12参照)、上記容器本体1の中枠収容凹部1aに中枠2を押し込むとともに、上記連結された各連結部24,25,27,28を容器本体1の両後側凹部14,15に収容し、そののち、上記中枠2の中皿収容孔部2aの底面に中皿3を接着,固定することを行う。これにより、上記容器本体1の両係合用凸部16,17と中枠2の両係合用凹部22,23とが着脱自在に係合する。また、上記両枠側連結部24,25と両蓋側連結部27,28とが容器本体1の両後側凹部14,15に抜け止め状に収容され、かつ、この収容状態で上記蓋体4が中枠2に対して回動自在に連結されているため、上記蓋体4を容器本体1に対して開閉することができる。
【0020】
一方、上記の化粧料容器を分解する場合には、まず、開蓋状態で、上記中枠収容凹部1aの底壁の貫通孔18に下側からコイン等を挿入し中皿3の底面を押し上げて上記中枠2の中皿収容孔部2aの底面から中皿3を取り外し、ついで、上記中枠収容凹部1aの底壁の貫通孔19に下側からコイン等を挿入し中枠2の底面を押し上げて上記中枠収容凹部1aの周側壁11から中枠2を蓋体4とともに取り外したのち、中枠2と蓋体4とを引き離すことにより上記両枠側連結部24,25と両蓋側連結部27,28との係合を外すことを行う。
【0021】
このように、上記実施の形態では、上記容器本体1の中枠収容凹部1aに中枠2を着脱自在に収容し、この中枠2の中皿収容孔部2aに中皿3を収容しているため、中皿3として、外形寸法や外周部の形状,構造が異なる各種の中皿3を用いる場合にも、これら中皿3を収容しうる各種の中皿中枠2を新たに作製すればよく、上記容器本体1を新たに作製する必要がなくなる。そして、上記中枠2は、その形状,構造等が容器本体1と比べて簡単な形状,構造等であるため、製造コストが大幅に安価になる。しかも、上記の化粧料容器を組み立てる場合には、中枠2と蓋体4とを連結したのち、この連結状態で中枠2を容器本体1の中枠収容凹部1aに押し込んで収容するだけでよく、簡単に組み立てることができ、従来例で用いていたエアシリンダ式の専用機械等を用いる必要がなく、店頭等で簡単に組み立てることができる。しかも、上記手順と逆の手順で簡単に分解することができるため、店頭等で分別廃棄することができるし、中枠2や蓋体4が損傷等した場合には、店頭等で中枠2や蓋体4だけを交換することもできる。しかも、上記両蓋側連結部27,28の右側面に両係合用凸部27a,28aを型成形により一体成形しているため、従来例では用いていたヒンジピン35を省くことができる。
【0022】
図13は本発明の化粧料容器の他の実施の形態を示している。この実施の形態では、上記容器本体1の後側壁11bの左右両側端部に左右一対の後側凹部14,15が切欠き形成されており、これにより、上記中枠2の両枠側連結部24,25および上記蓋体4の両蓋側連結部27,28も、上記両後側凹部14,15に対応する部分に突設されている。より詳しく説明すると、上記中枠2には、その後端壁の右側端部に一方の枠側連結部25が突設されているとともに、上記後端壁の左側端縁から(蓋体4の左側の)蓋側連結部27の左右幅分だけ内側に寄った部分から他方の枠側連結部24が突設されている。一方、上記蓋体4には、その後端壁の左側端部に一方の蓋側連結部27が突設されているとともに、上記後端壁の右側端縁から(中枠2の右側の)枠側連結部25の左右幅分だけ内側に寄った部分から他方の蓋側連結部28が突設されている。それ以外の部分は上記実施の形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。この実施の形態でも、上記実施の形態と同様の作用・効果を奏する。
【0023】
図14は本発明の化粧料容器のさらに他の実施の形態を示している。この実施の形態では、上記容器本体1の後側壁11bの中央部に1つの後側凹部14aが切欠き形成されており、これにより、上記中枠2の中央部に1つの枠側連結部24aが突設されているとともに、上記蓋体4の中央部に1つの蓋側連結部27aが突設されている。それ以外の部分は図1〜図12に示す実施の形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。この実施の形態でも図1〜図12に示す実施の形態と同様の作用・効果を奏する。
【0024】
なお、上記各実施の形態では、容器本体1の上面に中枠収容凹部1aを形成しているが、これに限定するものではなく、中枠収容用の貫通孔を穿設し、この貫通孔に中枠2を着脱自在に収容してもよい。また、上記各実施の形態では、中枠2を枠状に形成しているが、中皿収容凹部と化粧用具収容凹部とを有する皿状体に形成してもよい。また、上記各実施の形態では、上記中枠2の中皿収容孔部2aの底面に中皿3を接着,固定しているが、上記中皿収容孔部2a,中皿3等に各種の係合手段を設け、これら係合手段により、上記中皿収容孔部2aに中皿3を着脱自在に係合してもよい。
【0025】
また、上記各実施の形態では、上記容器本体1の後側壁11bに両後側凹部14,15を形成しているが、左右両側壁もしくは前側壁11aに形成してもよい。この場合には、上記中枠2の両枠側連結部24,25および上記蓋体4の両蓋側連結部27,28も、上記中枠2および蓋体4の左右両側壁もしくは前側壁に形成することになる。また、上記各実施の形態では、上記両蓋側連結部27,28の右側面に両係合用凸部27a,28aを型成形により一体成形しているが、2本の係合用ピンを用い、上記両蓋側連結部27,28の右側面にピン挿通孔を穿設し、エアシリンダ式の専用機械等を用い、上記両ピン挿通孔から両係合用ピンを突出させた状態で、上記両ピン挿通孔に両係合用ピンを挿通,固定してもよい。
【0026】
また、上記各実施の形態では、上記中枠2の両枠側連結部24,25の左側面に係合用凹部24a,25aを形成し、上記蓋体4の両蓋側連結部27,28の右側面に係合用凸部27a,28aを突設しているが、上記両枠側連結部24,25の右側面に係合用凹部24a,25aを形成し、上記両蓋側連結部27,28の左側面に係合用凸部27a,28aを形成してもよいし、上記両枠側連結部24,25の左側面に係合用凸部27a,28aを突設し、上記両蓋側連結部27,28の右側面に係合用凹部24a,25aを形成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の化粧料容器の一実施の形態を示す斜視図である
【図2】上記化粧料容器の要部を示す平面図である。
【図3】容器本体の平面図である。
【図4】上記容器本体の断面図である。
【図5】中枠の平面図である。
【図6】上記中枠の断面図である。
【図7】上記中枠の要部の断面図である。
【図8】蓋体の裏面図である。
【図9】上記蓋体の断面図である。
【図10】上記化粧料容器の組立方法を示す斜視図である。
【図11】上記化粧料容器の組立方法を示す要部斜視図である。
【図12】上記化粧料容器の組立方法を示す斜視図である。
【図13】本発明の化粧料容器の他の実施の形態の要部を示す平面図である。
【図14】本発明の化粧料容器のさらに他の実施の形態の要部を示す平面図である。
【図15】従来例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0028】
1 容器本体
1a 中枠収容凹部
2 中枠
2a 中皿収容孔部
3 中皿
4 蓋体
14,15 後側凹部
24,25 枠側連結部
27,28 蓋側連結部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面に中枠収容孔部が形成された容器本体と、上面に中皿収容孔部が形成され上記容器本体の中枠収容孔部に着脱自在に収容される中枠と、この中枠の中皿収容孔部に着脱自在に収容される中皿と、上記容器本体の上面を蓋する蓋体とを備え、上記蓋体の一端部から蓋側連結部を容器本体の一端部側に向かって突設するとともに、上記中枠の一端部から、上記蓋側連結部に回動自在にかつ着脱自在に連結される枠側連結部を上記容器本体の一端部側に向かって突設して、これら両連結部を上記容器本体の一端部に沿って並列可能に構成し、上記容器本体の一端部に、上記両連結部を連結させた状態で着脱自在に収容しうる凹部を形成し、上記容器本体の中枠収容孔部に中枠を着脱自在に収容するとともに上記容器本体の凹部に上記両連結部を連結させて着脱自在に収容し、その状態で上記蓋体を中枠に対して回動自在とするように構成したことを特徴とする化粧料容器。
【請求項2】
上記容器本体の一端部に複数の凹部が形成され、上記各凹部の一側に対応する上記中枠の一端部の部分にそれぞれ枠側連結部が突設され、上記各凹部の他側に対応する上記蓋体の一端部の部分にそれぞれ蓋側連結部が突設されている請求項1記載の化粧料容器。
【請求項3】
上記蓋側連結部の一横側面から係合用凸部もしくは係合用凹部が設けられ、上記蓋側連結部の一横側面に対応する上記枠側連結部の一横側面の部分に、上記係合用凸部もしくは係合用凹部に回動自在にかつ着脱自在に連結される係合用凹部もしくは係合用凸部が設けられている請求項1または2記載の化粧料容器。
【請求項1】
上面に中枠収容孔部が形成された容器本体と、上面に中皿収容孔部が形成され上記容器本体の中枠収容孔部に着脱自在に収容される中枠と、この中枠の中皿収容孔部に着脱自在に収容される中皿と、上記容器本体の上面を蓋する蓋体とを備え、上記蓋体の一端部から蓋側連結部を容器本体の一端部側に向かって突設するとともに、上記中枠の一端部から、上記蓋側連結部に回動自在にかつ着脱自在に連結される枠側連結部を上記容器本体の一端部側に向かって突設して、これら両連結部を上記容器本体の一端部に沿って並列可能に構成し、上記容器本体の一端部に、上記両連結部を連結させた状態で着脱自在に収容しうる凹部を形成し、上記容器本体の中枠収容孔部に中枠を着脱自在に収容するとともに上記容器本体の凹部に上記両連結部を連結させて着脱自在に収容し、その状態で上記蓋体を中枠に対して回動自在とするように構成したことを特徴とする化粧料容器。
【請求項2】
上記容器本体の一端部に複数の凹部が形成され、上記各凹部の一側に対応する上記中枠の一端部の部分にそれぞれ枠側連結部が突設され、上記各凹部の他側に対応する上記蓋体の一端部の部分にそれぞれ蓋側連結部が突設されている請求項1記載の化粧料容器。
【請求項3】
上記蓋側連結部の一横側面から係合用凸部もしくは係合用凹部が設けられ、上記蓋側連結部の一横側面に対応する上記枠側連結部の一横側面の部分に、上記係合用凸部もしくは係合用凹部に回動自在にかつ着脱自在に連結される係合用凹部もしくは係合用凸部が設けられている請求項1または2記載の化粧料容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2007−61492(P2007−61492A)
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−253743(P2005−253743)
【出願日】平成17年9月1日(2005.9.1)
【出願人】(000158781)紀伊産業株式会社 (327)
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年9月1日(2005.9.1)
【出願人】(000158781)紀伊産業株式会社 (327)
[ Back to top ]