説明

化粧料容器

【課題】粉体化粧料が非圧縮状態で充填され、メッシュ部材が粉体中に埋まるのを防止するだけでなく、コンパクトな形態を維持しつつ、粉体を充填することによって再利用できる化粧料の無駄使いを少なくした化粧料容器を提供する。
【解決手段】粉体化粧料Pを非圧縮状態で収納する凹所11を有する容器本体10と、前記凹所11内に納められ、枠部材31と当該枠部材31に張られたメッシュ材32を有するメッシュ体30と、前記凹所11内に納められ、前記枠部材31をその下面から保持する鍔状の保持部材21と、前記保持部材21の裏面に備えられた複数の板バネ状の弾性部材22を有する保持体20とから化粧料容器1を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は化粧料容器、さらに具体的にはファンデーションやおしろいなど粉体化粧料を非圧縮状態で収めたいわゆるルースタイプの粉体化粧料に用いられる化粧料容器に関する。
【背景技術】
【0002】
ファンデーションやおしろいといった粉体化粧料を非圧縮状態で充填するために粉体用化粧料容器が知られている。この化粧料容器は、充填した粉体化粧料の上面を枠体に張着したメッシュ部材(網材)で覆い、パフでメッシュ部材を押圧することによって、メッシュの上面に浮き出たパウダーをパフに付着させて使用するものである。このような化粧料容器が用いられた化粧料は、通常、粉体の飛散を防止すべく中蓋を備え、メッシュ部材やパフが中蓋の上に載置されて消費者の手元に届けられる。使用に際しては、中蓋が取り去られた後、メッシュ部材が直接粉体表面に載せられる。
【0003】
ところが使用時にパフによってメッシュ部材が押圧されるのでメッシュ部材が粉体中に埋もれてしまう。また、粉体上にメッシュ部材を載せたままで保管することも多く、保管中にもメッシュ部材が徐々に粉体中に埋もれていくということがあった。このような場合、使用の都度、メッシュ部材を粉体中から取り出して粉体表面にメッシュ部材を置き直していた。メッシュ部材が粉体表面に置かれていないと、パフへの粉体付着量が多くなり、過剰な粉体が塗布されたり、塗布に伴って飛び散った粉体が周囲を汚したりするからである。さらにそれだけでなく、メッシュ部材を取り出す際に塗布に伴って飛び散る以上の粉体が飛散し、周囲を汚す原因ともなっていた。また、粉体表面が圧力を受けるために、粉体が固化されるという問題もあった。
【0004】
このような粉体の固化等を防止可能にした化粧料容器が、例えば特開平7−289353号公報(特許文献1)や特開平9−262132号(特許文献2)に開示されている。特許文献1に記載された容器は、フォーム材のような弾性変形可能な衝撃吸収部材及び/又はエアレーション手段であるあて板が容器の底に収められ、当該あて板上に粉体が充填されるものである。この容器では、使用時に圧力が加えられると衝撃吸収部材が圧縮変形し、加えられた圧力が解かれた際に圧縮変形された衝撃吸収部材が元に戻るので、粉体の固化が防がれる。
【0005】
特許文献2に記載された容器は、メッシュが張着された枠体と、鍔状の周縁部を有する底板と、前記枠体の下面と前記底板の周縁部上面との間に挟まれた厚肉の弾性発泡体で形成された周壁とから構成されたドラムを容器本体に収納したものであって、このドラム内に粉体化粧料が充填されている。この容器においても、使用時に加えられた圧力が解かれた際に、圧縮変形された弾性発泡体が元に戻る結果、粉体の固化が防がれるだけでなく、パフが粉体に埋もれるというおそれもない。
【0006】
一方、実開平6−11606号公報(特許文献3)には、圧縮された粉末化粧料を収納する化粧料装着部と、当該化粧料装着部の下面に備えられる枠状の弾性収縮部材を備えた化粧料容器が開示されている。
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載された化粧料容器は、弾性変形可能な衝撃吸収部材及び/又はエアレーション手段を粉体化粧料を保持するあて板の下部に備えるので、容器全体が大きくなるか、容器をコンパクトに設計すると粉体化粧料の充填量が少なくなり、携帯に不便なものである。また、粉体表面にメッシュ部材が置かれる構造であるので、メッシュ部材が埋まるのを防ぐことができない。
【0008】
また、特許文献2に記載された化粧料容器はドラム自体が弾性変形可能になっているので、特許文献1に記載された化粧料容器に比べてコンパクトにすることができる。しかしながら、特許文献2に記載された化粧料容器は、ドラムだけでなく化粧料容器全体がいわゆる使い捨ての構造となっており、資源が無駄使いされることになっていた。また、このドラムでは弾性発泡体が用いられているので、発泡体内部に粉体が入り込み弾性体としての機能を失うおそれもあり、化粧料として使用できなくなるおそれもあった。それだけでなく、使用期間が長期に渡ると粉体化粧料が固化する場合もあるが、そうなるとこの化粧料容器では固化した粉体をほぐすことができず、廃棄せざるを得ないという場合もあった。
【0009】
さらに特許文献3に記載された化粧料容器は、予め粉体化粧料が圧縮されたものであって、粉体の飛散を防止するためにメッシュ部材を必要とせず、粉体の固化を防ぐ必要性は生じない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平7−289353号公報
【特許文献2】特開平9−262132号公報
【特許文献3】実開平6−11606号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本願発明は上記の背景技術に鑑みてなされたものであって、非圧縮状態で充填され、固化の防止が図られた粉体化粧料用の容器であって、メッシュ部材が粉体中に埋まるのを防止するだけでなく、コンパクトな形態を維持しつつ、粉体を充填することによって再利用できる化粧料の無駄使いを少なくした化粧料容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
そこで、本発明においては、粉体を収納する凹所内に弾性部材を備えた保持材を収納し、当該保持材によってメッシュ体の周縁部を保持させた上で、凹所内に粉体を収納することにしている。
【0013】
すなわち、本発明の化粧料容器は、粉体化粧料が非圧縮状態で収納される化粧料容器であって、粉体化粧料を非圧縮状態で収納する凹所を有する容器本体と、前記凹所内に納められ、枠部材と当該枠部材に備えられたメッシュ材を有するメッシュ体と、前記凹所内に収められ、前記メッシュ体を保持する保持体を備え、前記保持体は、前記枠部材をその下面から保持する鍔状の保持部材と、前記保持部材の裏面に備えられた複数の板バネ状の弾性部材を有する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によると、非圧縮状態で粉体が収納された容器の凹所内において、メッシュ体が弾性部材を備えた保持部材によって保持される。このために、パフを介して使用時に加えられた圧力が解かれると、圧縮変形された弾性部材がその復元力によって元の状態に戻る。この結果、粉体の固化が防がれるだけでなく、メッシュ体が粉体中に埋まるのが防止される。
【0015】
また、本発明の保持体は随時凹所内から取り出すことができるので、粉体が固化すれば保持体を取り出して固化した粉体をほぐすことができるだけでなく、粉体のみを容器内に充填して化粧料容器を繰り返し使用できる。そして、板バネ状の弾性部材のみが粉体に埋まることになるので、粉体の収納量に対する影響は小さい。従って、化粧料容器をコンパクトに保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は本発明の一実施例である化粧料容器の分解斜視図である。
【図2】図2は同上の化粧料容器に用いられる保持材の斜視図である。
【図3】図3は同上の保持材を示す図であって、(a)はその正面図、(b)はその平面図、(c)はその底面図である。
【図4】図4は圧縮変形した保持材を示す図であって、(a)はその斜視図、(b)はその正面図である。
【図5】図5は図1に示す化粧料容器の使用説明図であって、(a)はパフメッシュ材上に置かれた状態を示す図、(b)はパフで押圧して保持材を押し下げた状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の化粧料容器は、ファンデーションやおしろいと言った粉体化粧料が非圧縮状態で収納される化粧料容器であって、粉体化粧料を非圧縮状態で収納する凹所を有する容器本体と、枠部材と当該枠部材に張られたメッシュ材(網材)を有するメッシュ体と、前記枠部材をその下面から保持する鍔状の保持部材と当該保持部材の裏面に備えられた弾性部材を有する保持体を備え、前記保持体は粉体化粧料が収納される凹所内に収められ、保持体の保持部材上にメッシュ体が載置される。
【0018】
使用時にパフでメッシュ体を押圧すると弾性部材が弾性変形して粉体化粧料がメッシュ材の上面に浮き出る。このとき浮き出たパウダーはパフに付着する。パウダーが付着したパフを取り出すと、押圧が解除され弾性変形した弾性部材がその復元力により元の形状に戻り、メッシュ材は粉体化粧料の表面上方の位置に戻る。こうして、粉体の固化が防がれるだけでなく、パフが粉体に埋まるのも防止される。
【0019】
また、弾性部材は板バネ状に形成されているので、粉体に埋まる弾性部材の体積は、特許文献2に記載されたような弾性発泡体からなる弾性部材に比べると極めて少なく、凹所において弾性部材が占める体積が小さくなる。このために、同じ体積量の粉体化粧料を収納する場合にはそれに比べてコンパクトな容器に設計できる。
【0020】
さらに、長期にわたって使用しつづけると粉体が部分的に固化したり、粉体が少なくなるので、化粧料として使用できなくなる。その場合には、メッシュ体及び保持体を凹所から取り出したうえで残った化粧料を取り除き、新しい粉体を充填できるので同じ容器を繰り返して利用できる。
【実施例1】
【0021】
以下、添付された図面を参照しながら本発明についてさらに詳細に説明する。なお、下記実施例は本発明の一態様であって、本発明は下記実施例に限定されることのないのは言うまでもない。
【0022】
図1は本発明の一実施例である化粧料容器1の分解斜視図である。同図に示す化粧料容器1は、粉末化粧料を入れる凹所11を有する容器本体10と、蓋50と、凹所11に収められるメッシュ体30と、当該メッシュ体30を凹所11内で保持する保持体20と、必要に応じて付加される化粧用パフ2と化粧用パフ2を載せる受け皿40を備える。
【0023】
容器本体10は例えば合成樹脂から底を有する円筒状に作製されている。メッシュ体30は枠部材31と枠部材31に張られたメッシュ材32を有する。枠部材31はその外縁が凹所11の周面に沿った鍔状に作製されている。また、枠部材31は周壁部33を有し、その取扱いをしやすくするために、把持部34が周壁部33の上端から上方に向けて周壁部33の一部に延設されている。枠部材31はその外周径が凹所11の内径よりもわずかに小さく、凹所11内を上下方向に自由に移動する。このとき、枠部材31の外周と凹所11の内面の間はできるだけ隙間がないことが好ましい。
【0024】
枠部材31にはメッシュ材32が張られている。このメッシュ材32は公知の粉体化粧料用の容器に用いられているメッシュ材と同じ機能を果たすものであり、メッシュ材32の材質や編み目の大きさ等も公知のメッシュ材と同様のものでよい。
【0025】
保持体20は前記枠部材31の枠部材31をその下面(裏面側)から保持する保持部材21と、保持部材21の裏面に備えられた弾性部材22を有する。保持部材21はその外縁が凹所11の周面に沿った鍔状に作製されている。この保持部材21の大きさは枠部材31を保持できる大きさであればよく、図示する保持部材21は前記枠部材31と平面視でほぼ同じ大きさに作製されている。
【0026】
保持体20は複数の板バネ状の弾性部材22を有しており、図示された保持体20は4つの弾性部材22を有している。各弾性部材22は同形同寸に作製されており、保持部材21の裏面に等間隔に備えられている。従って、保持体20を平面上に置き、その側面から保持体20を見た場合には4つの側面(正面、背面、左右側面)は全て同じ形状に見える。弾性部材22はメッシュ体30を載せた場合にも好ましくは原形を保持できる程度の弾性力(復元力)を有するのが好ましい。保持体20によってメッシュ体30が粉体に埋まるのを防止するだけでなく、携帯中の振動などにより粉体がメッシュ材32を通過してメッシュ体30上に載らないようにするためである。さらには、同様の観点からメッシュ体30上にパフ2を載せた場合にも原形を保持できる程度の弾性力(復元力)を有するのが望ましい。
【0027】
弾性変形を受けた後その復元力により保持部材21を元の位置に戻す板バネの機能を発揮できれば、弾性部材22の形状は特に問われない。図示された弾性部材22は、平面視でほぼ保持部材21に重なるように略円弧状に作製されている。従って、保持部材21に取り付けられた場合において、各弾性部材22は、保持部材21の配置方向、つまり、円筒形の凹所11を有する容器であれば円周方向に延設される形状を有している。また、弾性部材22はその先端に凹所11の底面と平行になるように形成された支持部23を備えているので、保持体20は安定して自立することができる。
【0028】
各弾性部材22は復元力を有する合成樹脂板から作製される。例えば保持部材21と同形同寸に作製した板部材からなる一つの円環を作製し、これを4等分した各部材を復元力が発揮されるように変形させることによって得られる。こうして得られた弾性部材22は保持体20裏面の所定箇所に取り付けられる。前記のように円環から弾性部材22を作製した場合には、図3(b)(c)に示されたように、平面視した場合に、弾性部材22(支持部23)の先端は保持部材21よりもわずかに内側に位置することになる。もっとも、保持部材21と弾性部材22を一体成型することもできる。また、弾性部材22の先端が保持部材21の下面に位置するような形状、つまり、平面視した場合に弾性部材22(支持部23)の先端が保持部材21に隠れるような形状に作製してもよく、弾性部材22の先端が凹所11の中心方向を向くように保持部材21と交差させるように備えてもよい。この保持体20に上方から力を加えると弾性部材22が弾性変形して、図4に示すように保持体20は圧縮された形状に変形する。この力を取り除くとその復元力によって元の形状に戻る。
【0029】
保持体20は、弾性部材22のみならず保持部材21と共に合成樹脂から作製するのが好ましい。弾性部材22や保持部材21を金属製にすることもできるが、金属製の保持体20が粉体化粧料と接触する結果、化粧料が変質するおそれがあるからである。
【0030】
本発明の化粧料容器1においては、必須ではなく必要によりパフ2及び化粧料容器1内においてパフ2を収納するための受け皿40が備えられる。パフ2は粉体化粧料を顔などの肌に塗布するための化粧用具であって、その材質など制約されるものではなく、公知と同種のものが用いられる。
【0031】
受け皿40はパフ2を載置するボウル状の凹所41と凹所41の周囲に備えられた鍔状部42を有する。受け皿40は中蓋の機能を有するものである。鍔状部42は容器本体10の上端縁12に載置され、受け皿40の底がメッシュ体30と接触する状態で受け皿40は化粧料容器1内に保持される。この受け皿40も、粉体化粧料との接触による粉体の変質を防止すべく、好ましくは合成樹脂から作製される。これによって、化粧料容器1が振動を受けても粉体化粧料がメッシュ体30を通過せず、パフ2や容器本体1の汚れが防止されるだけでなく、蓋50を取った場合に起こりえる容器周辺の汚れも防止される。もっとも、受け皿40はその底がメッシュ体30と接触しないものであっても差し使えない。受け皿40がメッシュ体30の動きを制限するので、受け皿40がない場合に比べて、粉体化粧料がメッシュ体30を通過する量が抑制されるだけでなく、粉体化粧料がパフ2に付着するのを受け皿40が遮るからである。
【0032】
本発明の化粧料容器1においては、保持体20が容器本体10の凹所11内に入れられた後に、粉体化粧料Pが入れられる。保持体20は容器本体10から取り出し可能に入れられる。このとき、保持体20上にメッシュ体30を載置した状態で、メッシュ体30が粉体化粧料の表面に接しないように粉体化粧料Pが入れられる。その後、受け皿40を容器本体10に保持させた上でパフ2及びメッシュ体30を受け皿40に載せて、蓋50をかぶせて製品とする。また、凹所41のない中蓋を用いてメッシュ体30のみを化粧用容器1に添付して製品とするなど、受け皿40やパフ2は必要に応じて適宜組み合わせられる。この状態で使用者に届けられる。
【0033】
化粧料の使用開始時には、受け皿40が取り去られ、図5(a)に示すように、保持体20の上にメッシュ体30が載せられ、パフ2がこのメッシュ体30のメッシュ材32上に載せられる。塗布に際しては、パフ2でもってメッシュ体30を押下すれば、弾性部材22の復元力に反してメッシュ材32が粉体化粧料の表面に圧着され、メッシュ材32から浮き上がった化粧料Pがパフ2に付着する(図5(b)参照)。化粧料Pが付着したパフ2を取り出すと、弾性部材22の復元力によりメッシュ体30は図5(a)に示すように元の位置に戻り、メッシュ体30は化粧料粉体Pの表面から離れる。この後、再び受け皿40を容器本体10に保持させ、パフ2を受け皿40に載せるのが好ましい。受け皿40を用いることによって、メッシュ体30が上下に移動するのが防止される。また、携帯した場合にも粉末の飛散が押さえられ、パフ2に余分な粉末が付着したり化粧料容器1を汚したりするのが防止されるからである。また、受け皿40を廃棄し、メッシュ体30上にパフ2を載せておいても差し使えない。このような使い方をしても、保持体20の弾性部材22の作用によりメッシュ体30は粉体化粧料Pの表面から離れた位置に位置するからである。
【0034】
このように本発明の化粧料容器1では、メッシュ体30が弾性部材22を備えた保持体20に保持されるので、押し下げたパフ2を取り出すとメッシュ体30が保持体20によって持ち上げられ、メッシュ体30が粉体化粧料の表面から離れる。こうして、メッシュ体30が粉体中に埋まるのが防止されるだけでなく、押圧による化粧料の固化も防がれる。
【0035】
特に、本発明においては保持体20は凹所11内から自由に出し入れ可能となっている。そのために、粉体化粧料が長期の使用により固化すれば、メッシュ体30と保持体20を取り出して固化した化粧料をほぐしたり、固化した部分を取り出したりできる。また、粉体化粧料が少なくなった場合にも、メッシュ体30と保持体20を取り出して残った化粧料を取り除き、新たな粉体化粧料を充填することにより化粧料容器1を再利用できる。
【0036】
さらに、弾性部材22は板バネ状に作製されているので、肉厚の鍔状に形成したスポンジのような発泡弾性体から作製した場合に比べて、弾性部材22が凹所11内に占める体積が小さくなって、容器本体10をコンパクトにできる。また、発泡弾性体からなる弾性部材では発泡弾性体の内部に粉体が入り込んだり、渦巻きバネからなる弾性部材では渦巻き内部に粉体が入り込み、弾性部材が弾性変形できなくなるおそれがあるが、本発明における弾性部材22は板バネ状に作製されているのでそのようなおそれもなく、それらの弾性部材を用いた場合に比べて耐久性にも優れた化粧料容器1が提供される。
【0037】
上記実施例においては、4つの弾性部材22を用いて保持体20を構成しているが、保持体20が自立する限りにおいては、それより少ない数、例えば3つ、場合によっては2つでも差し使えなく、また、粉体化粧料が隣接する弾性部材22同士の間に入り込み、弾性部材22としての機能が妨げられない限り、それよりも多数の弾性部材22を用いてもよい。自立性と粉体化粧料の入り込みを考慮すると弾性部材22の数は3乃至4が好ましい。
【0038】
また、上記実施例においては、円筒状の凹所11を有する容器本体10を用いた化粧料容器1として説明したが、四角柱や六角柱の凹所11を有する容器本体10内に、四角枠や六角枠をした鍔状の保持部材21と、保持部材21の配置方向、すなわち保持部材21を構成する各辺と平行に配設される板バネ状の弾性部材22を有する保持体20を納めた化粧料容器1とすることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明によると、メッシュ体が粉体中へ埋まったりパフを介した押圧により化粧料が固化したりすることがないだけでなく、再利用が可能であり、しかも、粉体を無駄なく使用できるコンパクトな粉体化粧料用の容器が提供される。
【符号の説明】
【0040】
1 化粧料容器
2 パフ
11 凹所
20 保持体
22 弾性部材
30 メッシュ体
31 枠部材
32 メッシュ材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉体化粧料を非圧縮状態で収納するための化粧料容器であって、
粉体化粧料を収納する凹所を有する容器本体と、
前記凹所内に納められ、枠部材と当該枠部材に張られたメッシュ材を有するメッシュ体と、
前記凹所内に納められ、前記メッシュ体を保持する保持体を備え、
前記保持体は、前記枠部材をその下面から保持する鍔状の保持部材と前記保持部材の裏面に備えられた複数の板バネ状の弾性部材を有する化粧料容器。
【請求項2】
前記保持部材は前記凹所の内周に沿って配置され、前記弾性部材は前記保持部材への取付位置から前記保持部材の配置方向に延設される請求項1に記載の化粧料容器。
【請求項3】
前記メッシュ体の上方に位置する凹所と、前記容器本体の上端縁に載置される鍔状部を備えた受け皿を有する請求項1又は2に記載の化粧料容器。
【請求項4】
前記受け皿の底面がメッシュ体に接触する請求項3に記載の化粧料容器。
【請求項5】
粉体化粧料が非圧縮状態で化粧料容器に収納された化粧料であって、
前記化粧料容器は、請求項1〜4の何れか1項に記載の容器であって、
前記保持体を押圧しない状態において、前記粉体化粧料の表面が前記保持部材の裏面よりも下方に位置するように前記粉体化粧料が収納された化粧料。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−212320(P2011−212320A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−84438(P2010−84438)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(591230619)株式会社ナリス化粧品 (200)