説明

化粧料容器

【課題】化粧皿を簡単に着脱できる化粧料容器を提供する。
【解決手段】化粧料を収容する複数の化粧皿が1個のフレームにそれぞれが着脱可能に配置された容器本体と、前記容器本体に対して開閉可能に設けられた蓋から構成される化粧料容器であって、前記フレームは、平行に配置された2個の横骨組、および前記2個の横骨組を繋ぐ1個の縦骨組からなる略I型の平面形状を有し、前記縦骨組の左右に形成された2個のスペースに、前記2個の横骨組と水平方向にスライド係合する前記化粧皿がそれぞれ着脱可能に配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の着脱可能な化粧皿を用いた化粧料容器に関する。
【背景技術】
【0002】
化粧料容器の1個として、1個の化粧料容器に複数の化粧料、例えば、アイシャドウ、フェイスカラーといった種類の異なる化粧料、あるいは同じ化粧料、例えばアイシャドウでも色の異なる複数のアイシャドウを収容し、コンパクト等の持ち運びがしやすい大きさに形成された化粧料容器が多数用いられている。
【0003】
また、このような複数の化粧料を入れ替えるために、化粧料が収容された化粧皿を着脱可能とした化粧料容器が用いられている。このような化粧料容器の化粧皿は主に蓋を開けて容器本体の上から化粧皿を出し入れする構造が一般的である(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−131182号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の化粧料容器の構造では、化粧皿をスムーズに取り外すのが難しいという問題があった。例えば、取り外しの際に化粧皿内の化粧料で指先が汚れてしまうという問題もある。
【0006】
そこで、本発明は前記問題を解決するために、簡単な動作で化粧皿が取り外し可能な化粧料容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の化粧料容器は、化粧料を収容する複数の化粧皿が1個のフレームにそれぞれが着脱可能に配置された容器本体と、前記容器本体に対して開閉可能に設けられた蓋から構成される化粧料容器であって、前記フレームは、平行に配置された2個の横骨組、および前記2個の横骨組を繋ぐ1個の縦骨組からなる略I型の平面形状を有し、前記縦骨組の左右に形成された2個のスペースに、前記2個の横骨組と水平方向にスライド係合する前記化粧皿がそれぞれ着脱可能に配置されていることを特徴とする。
【0008】
さらに、本発明の化粧料容器は、前記横骨組と平行な枝骨組みが前記縦骨組から延伸され、前記枝骨組みによって前記2個のスペースのいずれかまたは両方が複数に分割され、分割された各スペースに、前記横骨組あるいは前記枝骨組みとスライド係合する化粧皿がそれぞれ着脱可能に配置されている。
【0009】
また、前記化粧皿の裏面に窪みが設けることが可能である。
【0010】
そして、前記蓋に側面が設けられ、前記蓋を閉じたときに前記蓋の側面が、前記容器本体に配置された前記化粧皿の露出された側面を覆うようにする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の化粧料容器は、化粧料を収容する複数の化粧皿が1個のフレームにそれぞれが着脱可能に配置された容器本体と、前記容器本体に対して開閉可能に設けられた蓋から構成される化粧料容器であって、前記フレームは、平行に配置された2個の横骨組、および前記2個の横骨組を繋ぐ1個の縦骨組からなる略I型の平面形状を有し、前記縦骨組の左右に形成された2個のスペースに、前記2個の横骨組と水平方向にスライド係合する前記化粧皿がそれぞれ着脱可能に配置されていることにより、スライド操作により化粧皿を着脱することができるので、簡単に化粧皿を入れ替えすることができる。
【0012】
さらに、本発明の化粧料容器は、前記横骨組と平行な枝骨組みが前記縦骨組から延伸され、前記枝骨組みによって前記2個のスペースのいずれかまたは両方が複数に分割され、分割された各スペースに、前記横骨組あるいは前記枝骨組みとスライド係合する化粧皿がそれぞれ着脱可能に配置されていることにより、前記枝骨組みの個数によってより多くの化粧皿を着脱可能に配置することが可能となる。
【0013】
さらに、前記化粧皿の裏面に窪みを設けることにより、前記化粧皿のスライド動作をし易くすることが可能である。
【0014】
そして、前記蓋に側面が設けられ、前記蓋を閉じたときに前記蓋の側面が、前記容器本体に配置された前記化粧皿の露出された側面を覆うようにすることで、前記蓋を閉じているときに前記化粧皿が脱落するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】化粧料容器を開いた状態の斜視図である。
【図2】化粧料容器を閉じた状態の斜視図である。
【図3】化粧料容器から化粧皿を取り外した状態の斜視図である。
【図4】化粧料容器の裏面の平面図である。
【図5】図4のA−A断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明を、図を用いて以下に詳細に説明する。図1が化粧料容器1を開いた状態の斜視図、図2が閉じた状態の斜視図であり、図3が化粧料容器1の容器本体2から複数の化粧皿5,5’を取り外した状態の斜視図である。
【0017】
本発明の化粧料容器1は、図1〜3に示すように、化粧料を収容する複数の化粧皿5,5’が1個のフレーム4にそれぞれが着脱可能に配置された容器本体2と、前記容器本体2にヒンジ結合されて開閉可能に設けられた蓋3から構成される。前記フレーム4は、平行に配置された2個の横骨組6、前記2個の横骨組6を繋ぐ1個の縦骨組7、および前記横骨組6の右側から、前記横骨組6と平行に延伸する2個の枝骨組8から構成され、前記2個の横骨組6と前記1個の縦骨組7は略I型となるように配置されている。
【0018】
前記フレーム4には、図3に示すように、前記横骨組6、前記縦骨組7および前記枝骨組8によって、前記化粧皿5,5’が着脱可能に配置されるスペースが、前記縦骨組7の左側に1個、右側に2個の合計4個形成されており、左側のスペースには1個の化粧皿5が配置され、右側の3個の等分割されたスペースには前記化粧皿5よりも小さく、互いに同じ大きさに形成された3個の化粧皿5’が配置される。前記スペースの個数は適宜設定可能である。
【0019】
前記化粧皿5,5’はそれぞれに1種類の化粧料が収容される収容部が形成され、各化粧皿5,5’の両側面には水平方向に延びる溝9が設けられている。前記化粧皿5,5’の側面に設けられた溝9が前記横骨組6および前記枝骨組8の側面に水平方向に延伸するように設けられた凸部10と水平方向にスライド係合する構造となっており、このようなスライド係合を用いることで前記化粧皿5は前記フレーム4に対して着脱可能な構造となっている。
【0020】
さらに、図3に示すように、前記溝9には略半円形断面を有する突起11が設けられ、前記凸部10に設けられた同じく略半円形断面を有する突起12と前記突起11が係合することで、前記フレーム4に配置された前記化粧皿5,5’が前記フレーム4に固定され、前記化粧皿5,5’が脱落するのを防止している。前記溝9を凸部とし、前記凸部10を溝として、前記化粧皿5,5’を前記フレーム4にスライド係合させることもできる。スライド係合の構造としては、その他の構造を用いることも可能である。
【0021】
3個の化粧皿5’は上述のように互いに同じ大きさに形成されているので、前記縦骨組7の右側に形成された3個のスペースの何れの場所にも着脱可能である。これにより、使用者は化粧料の色や種類に応じて前記化粧皿5’を好みの位置に配置することもできる。
【0022】
前記蓋3は前記横骨組6の1個とヒンジ係合されていることで、容器本体2に対して開閉可能となっており、前記蓋3に設けられたフック16が前記横骨組6の残りの1個に設けられた凹部13と係合することで、蓋3が容器本体2を閉じた状態でロックされる。前記蓋3はヒンジ係合だけでなく、スライドによって開閉可能な構造とすることもできる。さらに、前記蓋3の内面には鏡を設けることも可能である。
【0023】
さらに、前記蓋3の両側には側面14が設けられており、前記蓋3を閉じたときに前記側面14が容器本体2の側面に位置し、前記化粧皿5,5’の前記フレーム4から露出している側面を覆う状態となる。このように前記蓋3の側面14が前記化粧皿5,5’の露出した側面を覆うことにより、前記化粧皿5,5’はスライドできない状態となり、前記化粧料容器1をカバン等に入れているときに前記突起11と前記突起12の係合が解除されるような力が不用意に化粧皿5,5’に加わったとしても、前記化粧皿5,5’が前記フレーム4から脱落するのを防止することができる。
【0024】
前記化粧皿5,5’の裏面には、図4,5に示すような、平面形状が円形の窪み15がそれぞれ設けられている。前記容器本体2から取り外す際に前記窪み15に指先を入れることで前記化粧皿5,5’に力を加え易くなり、簡単に前記化粧皿5,5’のフレーム4との係合を解除して前記化粧皿5,5’を取り外すことが可能となる。前記窪み15の代わりに滑り止めとなるリブや突起を設けることも可能である。
【0025】
前記化粧皿5,5’を前記容器本体2から取り外すときは、前記蓋3を開けて、図1に示す状態から前記化粧皿5,5’を取り外す方向に力を加えて、前記突起11と前記突起12との係合を解除し、前記化粧皿5,5’を水平方向にスライドさせると簡単に取り外すことができる。前記化粧皿5,5’を前記容器本体2に取り付けるときには、図3に示す状態から前記化粧皿5,5’の両側面の溝9に前記横骨組6あるいは前記枝骨組8の凸部10が挿入されるように位置合わせを行い、前記化粧皿5,5’を前記突起11が前記突起12と係合するまでスライドさせて前記容器本体2に取り付ける。
【0026】
本発明の化粧料容器1は、上述のような前記化粧皿5,5’の取り外し動作の際に、使用者は化粧皿5,5’の裏面と縁を持って水平方向にスライドさせることで、前記化粧皿5,5’を取り外すことができるので、使用者は化粧皿5,5’に収容された化粧料に触れることなく、簡単な動作で着脱することができる。これにより、使用者は指先を汚さずに簡単に化粧皿5,5’の入れ替えを行うことができる。
【0027】
また、前記化粧皿5,5’は蓋3を開けているときは、前記突起11と前記突起12との係合により固定されており、さらに、蓋3を閉めた状態では、前記蓋3の側面14が前記化粧皿5,5’の側面を押さえることにより、より強固にロック状態が保たれて不用意に前記化粧皿5,5’が外れてしまうの防止するので、化粧料容器1を安心してカバン等に入れた状態で持ち運びすることができる。
【0028】
前記化粧皿5,5’の平面形状として、ここでは矩形の場合について説明してきたが、平面形状が矩形の場合、前記化粧皿5,5’の向きは左右反対でも前記フレーム4に取り付けることができる。そのため使用者はその都度前記化粧皿5,5’の向きを細かく確認することなく簡単に取り付けることができる。
【0029】
また、前記化粧皿5,5’の平面形状としては、矩形に限定するものではなく、前記フレーム4とスライド係合する2個の側面を有する形状であれば、例えば前記縦骨組7と接する面が曲線や折れ曲がった直線の形状とすることもできる。また、3個の化粧皿5’が同じ大きさ同じ形状を用いているが、それぞれ異なる形状とすることも可能である。このようにして前記化粧皿5,5’の平面形状に様々な形状を用いることにより、デザイン性を高めた化粧料容器1とすることができる。
【0030】
さらに、前記化粧皿5,5’を、化粧用具を収容するために用いることも可能である。これにより、化粧料と化粧用具を収容した化粧皿5,5’を組み合わせることでより使い勝手を高めることができる。
【0031】
本発明の化粧料容器1の使用方法としてはいくつかの方法が考えられる。化粧皿5,5’に収容されている化粧料が無くなった場合、化粧料が無くなった化粧皿5,5’と同じものだけを購入して新しい化粧皿5,5’と空になった化粧皿5,5’を入れ替えることができる。これにより、1個の化粧皿5,5’が空になったとしても、新しい化粧料容器1を購入する必要が無くなる。また、予め複数の化粧皿5,5’を用意しておき、必要に応じて入れ替えて使用することもできる。
【符号の説明】
【0032】
1 化粧料容器
2 容器本体
3 蓋
4 フレーム
5,5’ 化粧皿
6 横骨組
7 縦骨組
8 枝骨組
9 溝
10 凸部
11 突起
12 突起
13 凹部
14 側面
15 窪み
16 フック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧料を収容する複数の化粧皿が1個のフレームにそれぞれが着脱可能に配置された容器本体と、前記容器本体に対して開閉可能に設けられた蓋から構成される化粧料容器であって、
前記フレームは、平行に配置された2個の横骨組、および前記2個の横骨組を繋ぐ1個の縦骨組からなる略I型の平面形状を有し、
前記縦骨組の左右に形成された2個のスペースに、前記2個の横骨組と水平方向にスライド係合する前記化粧皿がそれぞれ着脱可能に配置されていることを特徴とする化粧料容器。
【請求項2】
前記横骨組と平行な枝骨組みが前記縦骨組から延伸され、前記枝骨組みによって前記2個のスペースのいずれかまたは両方が複数に分割され、分割された各スペースに、前記横骨組あるいは前記枝骨組みとスライド係合する化粧皿がそれぞれ着脱可能に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の化粧料容器。
【請求項3】
前記化粧皿の裏面に窪みが設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の化粧料容器。
【請求項4】
前記蓋に側面が設けられ、前記蓋を閉じたときに前記蓋の側面が、前記容器本体に配置された前記化粧皿の露出された側面を覆うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の化粧料容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−244880(P2011−244880A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−118247(P2010−118247)
【出願日】平成22年5月24日(2010.5.24)
【出願人】(000158781)紀伊産業株式会社 (327)