説明

医用画像診断システム、医用画像診断装置、及び、プログラム

【課題】セキュリティを確保しつつ、OSの更新を自動的に行うことが可能な医用画像診断システム、医用画像診断装置及びプログラムを提供すること。
【解決手段】サーバ1に、医用画像診断装置の制御プログラムの更新用プログラムを含むDICOM規格の形式で定義された情報を記憶する記憶手段14と、医用画像診断装置に、DICOM規格に沿った通信プロトコルに基づいて更新用プログラムを含む情報を送信する送受信手段16とを有し、医用画像診断装置2に、更新用プログラムを含む情報を受信する送受信手段26と、受信した情報から更新用プログラムを取り出し、取り出した更新用プログラムを用いて自己の制御プログラムを更新する更新手段としての機能を有する制御部21とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医用画像診断システム、医用画像診断装置及びプログラムに関し、特に医用画像診断装置の制御プログラムを更新する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、医療情報を電子的に管理する病院情報システム(Hospital Information System:HIS)や医用画像を管理する医用画像管理システム(Picture Archive Communication System:PACS)、放射線部門における検査情報を管理する放射線部門管理システム(Radiology Information System:RIS)等が導入されており、さらに、検査技師等による検査結果の読影や検査報告書の作成・管理を支援するために、医用情報管理システムが構築されているが、このようなシステムでは、医用画像通信規約(DICOM:Digital Imaging and COmmunication in Medicine)などが採用されている。
【0003】
この医用画像通信規約(DICOM)は、病院内外で、異なった製造業者(ベンダー)の、異なった種類のモダリティを、ネットワークあるいは医用画像保存媒体で、相互に接続して、患者の医用画像検査情報のやり取りや医用画像データの伝送などを実現することを目的としたものである。
【0004】
また、上記各種装置を診療の目的に応じて高速ネットワークを介して相互に接続することにより、これまでのフィルムを中心とした医用画像診断システムの問題点である保管場所不足、フィルムの紛失、遅い配送などといった問題を克服し、医用画像処理、コンピュータ支援診断、総合医用画像診断などといった新しい医用画像診断の付加価値を享受できるようになった(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
一方、上記のようなシステムで用いられるモダリティである医用画像診断装置の制御プログラムとしてコンピュータのOS(Operating System)が用いられる。通常、コンピュータは、Telnet、FTPなどの汎用的な通信プロトコルが利用されているが、これらの通信プロトコルを用いた通信では、外部からコンピュータのOSのセキュリティホールを狙った攻撃やウイルスの侵入の危機に晒されることになる。これはコンピュータのOSを用いる医用画像診断装置でも同様であり、セキュリティの確保が必要である。
【0006】
また、コンピュータのOSは、セキュリティホール対策などの理由から更新を行う必要がある。多くの場合、汎用的な通信プロトコルに従って更新用プログラムを受信し自己の0Sを更新するようになっている。医用画像診断装置の場合も同様にしてOSを更新することが可能である。しかしながら、医用画像診断装置はコンピュータとは異なり、更新用プログラムが医用画像診断装置の動作を保証するとは限らず、OSの更新によって正常に動作しなくなる場合がある。
【0007】
そこで、上述のようなシステムの中には、ファイヤーウォールを用いてDICOMによる通信に必要なポートのみを開放し他のポートを閉鎖することにより、コンピュータのOSのセキュリティホールを狙った攻撃を避け、セキュリティの確保を図ったものがある。
【0008】
これによれば、セキュリティの確保を図るとともに、汎用的な通信プロトコルを用いたOSの更新は出来なくなり、ユーザのOSの勝手な更新による動作の不具合の発生を免れることができる。
【0009】
【特許文献1】特開2002−269535号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述のように汎用的な通信プロトコルを用いたOSの更新は出来ない。そこで、ファイヤーウォールによりセキュリティの確保を図った場合には、例えばサービスマンが出向き、更新用プログラムを記録したCDなどの記録媒体を用いてOSの更新を行わざるを得なかった。つまり、上述のようにしてセキュリティの確保及び動作保証は可能となるが、OSの更新をサービスマンによる作業に頼るため、無駄なコストや労力を費やしていた。
【0011】
また、サービスマンによるOSの更新中は、医用画像診断装置が使用出来ないといった問題があった。また、その問題を避けるためは、サービスマンは、医用画像診断装置を使用しない限られた時間にOSの更新を行うしかなかった。
【0012】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、セキュリティを確保しつつ、OSの更新を自動的に行うことが可能な医用画像診断システム、医用画像診断装置及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために請求項1記載の発明は、ネットワークに接続され、外部とDICOM規格に沿った通信プロトコルに従って通信可能な医用画像診断装置を含む医用画像診断システムであって、前記医用画像診断装置と前記ネットワークを介して接続され、前記医用画像診断装置と前記DICOM規格に沿った通信プロトコルに従って通信可能なサーバを含み、前記サーバは、前記医用画像診断装置の制御プログラムの更新用プログラムを含むDICOM規格の形式で定義された情報を記憶する記憶手段と、前記医用画像診断装置に、前記DICOM規格に沿った通信プロトコルに基づいて前記更新用プログラムを含む情報を送信する送信手段とを有し、前記医用画像診断装置は、前記更新用プログラムを含む情報を受信する受信手段と、前記受信した更新用プログラムを含む情報から前記更新用プログラムを取り出し、前記取り出した更新用プログラムを用いて自己の制御プログラムを更新する更新手段とを有することを特徴としている。
【0014】
また、請求項6記載の発明は、ネットワークに接続され、外部とDICOM規格に沿った通信プロトコルに従って通信可能な医用画像診断装置であって、前記ネットワークを介して、自己の制御プログラムの更新用プログラムを含むDICOM規格の形式で定義された情報を前記DICOM規格に沿った通信プロトコルに従って受信する受信手段と、前記受信した更新用プログラムを含む情報から前記更新用プログラムを取り出し、前記取り出した更新用プログラムを用いて自己の制御プログラムを更新する更新手段とを有することを特徴としている。
【0015】
また、請求項7記載の発明は、ネットワークに接続され、外部とDICOM規格に沿った通信プロトコルに従って通信可能な医用画像診断装置に、前記ネットワークを介して、自己の制御プログラムの更新用プログラムを含むDICOM規格の形式で定義された情報をDICOM規格に沿った通信プロトコルに従って受信する手順と、前記受信した更新用プログラムを含む情報から前記更新用プログラムを取り出す手順と、前記取り出した更新用プログラムを用いて自己の制御プログラムを更新する手順とを実行させるためのプログラムことを特徴としている。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、OSの更新用のプログラムをDICOM規格の形式で定義された情報として扱うので、DICOM規格に沿った通信プロトコルに従う通信によりOSの更新用のプログラムの送受信が可能で、自動更新が可能となり、コンピュータのOSのセキュリティホールを狙った攻撃を避け、セキュリティの確保を図ることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明に係る医用画像診断システムの一実施の形態ついて図面を参照しつつ説明する。
【0018】
〔システム構成〕
図1は、本発明に係る医用画像診断システムの一実施形態の構成を示す機能ブロック図である。図1に示すように、本医用画像出力システムは、ネットワークNに接続される、サーバ1、医用画像診断装置2a、2b(まとめて医用画像診断装置2と表示することがある)、医用画像を管理するPACS3(Picture Archive Communication System:医用画像管理システム)、放射線部門における検査情報を管理するRIS4(Radiology Information System:放射線部門管理システム)、及び、医療情報を管理するHIS5(Hospital Information System:病院情報システム)を含んで構成される。
【0019】
ネットワークNは、各々を相互に接続するものであり、いわゆる、LAN(Local Area Network)やインターネットなどである。
【0020】
また、各々は、ネットワークNを介して、相互にDICOM(Digital Imaging and Communication in Medicine:医用画像通信規約)規格に沿った通信プロトコルにより各種情報などの送受信が可能になされている。また、本実施の形態では、サーバ1と各医用画像診断装置2との間にDICOM規格におけるPrivateなSOP(Service Object Pair)クラスが定義され、サーバ1がSCP(Service Class Provider)、医用画像診断装置2がSCU(Service Class User)としての役割を担うものである。したがって、医用画像診断システムを構成する各々の通信手段は、ファイヤーウォールを用いてネットワークNに対しDICOM規格に沿った通信プロトコルに必要なポートのみを開放していればよく、セキュリティが確保できる。
【0021】
ここで、本実施の形態の医用画像診断システムは、上述のようにDICOM規格に沿った通信プロトコルによる通信を行う。したがって、DICOM規格の形式で定義された情報を用いることになる。そこで、本実施の形態は、更新用プログラムを非画像領域、具体的にはDICOM規格におけるNon Imageフォーマットに書き込みDICOM規格の形式で定義された情報(以下、更新用ファイルという)として扱うようにしたことを特徴とする。以下の説明における送信及び受信は、特に記載しないがDICOM規格に沿った通信プロトコルに基づいて行われる。
【0022】
(サーバの構成)
サーバ1は、記憶部12、通信手段である送受信手段16、入力手段15及び制御部11を含んで構成され、OS(Operating System)の更新用プログラムを格納し、ネットワークを介しての要求に応じて制御プログラムを送信する機能を有する。また、DICOMに対応したDICOMサーバである。
【0023】
制御部11は、CPU等の演算制御装置(図示省略)によって構成され、ROM等のプログラム格納部(図示省略)に格納されたコンピュータプログラムを実行することにより装置各部の制御を行う。
【0024】
入力手段15は、キーボード等の入力デバイスや、マウス・トラックボール等のポインティングデバイスなど、オペレータが各種の入力操作を行うためのデバイスと、CD等の記録媒体が着脱可能になされ、記録媒体に記録された情報の読み取りが可能な読取り装置とを含んで構成される。入力手段15は、記録媒体に書込まれた、OSの更新用プログラムを含む更新用ファイルを読み取って、制御部11へ出力する。制御部11は、更新用ファイルを受けて、記憶部12に記憶する。
【0025】
また、更新用ファイルはメーカが記録媒体に書き込み配信したものを例えば医用画像診断システムの管理者が受取り上記のように入力手段15から入力する。また、本システムとは別のネットワークを介してダウンロードして受取ってもよい。
【0026】
記憶部11は、ハードディスクドライブ等の記憶装置によって構成され、更新用ファイルを記憶する更新用ファイル記憶部14と、更新用ファイルの各医用画像診断装置2への配信状況、すなわち各医用画像診断装置2に対する更新用ファイル毎に未配信か配信済みかを記憶する配信情報DB(データベース)13を含んでいる。図2に配信情報DB13の構成の一例を示す。図2に示すように配信情報DB13は、装置ごとに更新用ファイルのそれぞれについて未配信か配信済みかを記憶する。
【0027】
送受信手段16は、送受信インターフェイス回路などから構成され、DICOM規格の沿った通信プロトコルで各種情報を送受信する機能を有する。送受信手段16は、医用画像診断装置2から更新用ファイルの送信指示を受け、制御部11に送り、制御部11の指示に従って更新用ファイルを要求のあった医用画像診断装置2に送信する。すなわち、本発明の送信手段としての機能を有する。
【0028】
制御部11は、送受信手段16を介して医用画像診断装置2から更新用ファイルの送信指示を受けると、配信情報DB(データベース)13を検索して要求のあった医用画像診断装置2への未配信の更新用ファイルの有無を判定する判定手段としての機能を有し、有りの場合に該当する未配信の更新用ファイルを更新用ファイル記憶部14から読み出して、送受信手段16を介して要求のあった医用画像診断装置2へ送信する。また、無しの場合には、その旨を示す情報を送受信手段16を介して要求のあった医用画像診断装置2へ送信する。
【0029】
(医用画像診断装置の構成)
医用画像診断装置2は、患者の検査を行い、医用画像を示す医用画像データを取得して、PACS3等に送るためのものである。また、医用画像診断装置2は、記憶手段24、通信手段である送受信手段26、入力手段25、ハードウェア群27及び制御部21を含んで構成される。
【0030】
ハードウェア群27は、制御部21に制御されて、患者の検査を行い、医用画像を示す医用画像データを取得する機能を有している。
【0031】
入力手段25は、キーボード等の入力デバイスや、マウス・トラックボール等のポインティングデバイスなど、オペレータが各種の入力操作を行うためのデバイスとを含んで構成される。
【0032】
送受信手段26は、送受信インターフェイス回路などから構成され、DICOM規格の沿った通信プロトコルで各種情報を送受信する機能を有する。また、制御部21の指示に従って、更新用ファイルの送信要求を行い、更新用ファイルを受信し制御部21へ送る機能を有する。すなわち、本発明の受信手段としての機能を有する。
【0033】
記憶手段24は、ハードディスクドライブ等の記憶装置や不揮発メモリで構成され、電源起動時の制御を行うための起動用プログラム、OS、本装置を制御するためのプログラム、及び、プログラムを実行するときに必要なパラメータを記憶する。また、OSを更新するためのプログラムは本装置を制御するためのプログラムに含まれている(以下、本装置を制御するプログラムを単にプログラムという。)。また、パラメータには、後述の更新用ファイルを取得する取得時期やOSの更新時期などが含まれる。例えば、図3に示すように記憶手段24に記憶される情報の構成を示すが、各プログラム等は図3に示すように記憶されている。また、OSやプログラムは、圧縮されて格納されている。また、図3に示すように記憶手段24には、その他の情報を記憶するための領域を有し、例えば、更新用のファイルやハードウェア群27で取得した画像データなどを記憶する。
【0034】
制御部21は、CPU22及びRAM23を含んで構成される。制御部21は、装置の電源起動時に起動用プログラムに従って記憶手段24からOS、プログラム及び各種パラメータ等を読み出して伸長処理などをおこなってRAM23に記憶する。CPU22は、RAM23に記憶されたOS、プログラム、各種パラメータまたは入力手段25からの指示信号に基づいて装置全体の制御を行う制御手段としての機能を有する。
【0035】
また、制御部21は、更新用ファイルを受けて記憶手段24に記憶されているOSを更新する本発明の更新手段としての機能を有する。
【0036】
具体的には、制御部21は、RAM23に記憶されたパラメータが示す更新用ファイルを取得する時期を検知する検知手段としての機能を有し、取得時期を検知したら、送受信手段26を介してサーバ1に対して更新用ファイルの送信要求を送る。ここで、更新用ファイルを取得する時期を、例えば、その日の初めて装置を起動したとき、などとすることにより、他の情報を取得するときに同時に行うことができる。
【0037】
制御部21は、この送信要求に基づいてサーバ1から更新用ファイルの送信を受け、送受信手段26で受信した更新用ファイルを記憶手段24に記憶させる。
【0038】
そして、制御部21は、RAM23に記憶されたパラメータが示す更新時期を検知する検知手段としての機能を有し、更新時期を検知したら、記憶手段24に記憶した更新用ファイルを検索し、Non Imageフォーマットに書き込まれた更新用プログラムを読み出して、その読み出した更新用プログラムを用いて記憶手段24に記憶されているOSを更新する。このときRAM23には、電源起動時に読み出して記憶した更新前のOSが記憶されているが、電源をシャットダウンし再度電源を起動するいわゆる再起動を行うことにより更新後のOSが読み出されRAM23に記憶されることになる。
【0039】
例えば、更新用ファイルを取得すると同時に更新を行うと、再起動が必要となり装置の稼動を妨げる場合が発生する。そこで、更新時期を、例えば、電源のシャットダウンを検知したとき、すなわち入力手段25を用いて電源をシャットダウンする旨の入力を検知したときとすれば、装置が使用されている時期の更新を避けることができ、さらに、次の電源起動の後は更新後のOSに基づいて制御されることになるから、いわゆる再起動の必要がなくなる。また、更新時期は、使用が中断されるタイミング(休止する旨の入力を検知したとき)や、検査終了のタイミング(検査終了の旨の入力を検知したとき)などでもよい。
【0040】
(OSの更新手順)
図4乃至図6は、それぞれOSの更新手順を示すフローチャート図である。図4乃至図6を用いてOSの更新手順について説明する。
【0041】
初めに、更新用ファイルを次のようにして記憶する。まず、管理者は、OSの更新用プログラムを含む更新用ファイルが書き込まれたCDなどの記録媒体をメーカから受け、サーバ1の入力手段15に装着する。入力手段15は、更新用ファイルを読み取って制御部11へ送る。制御部11は、更新用ファイルを更新用ファイル記憶部14に記憶するとともに、配信情報DB13を更新する。配信情報DB13には、新たに記憶された更新用ファイルのファイル名が追加され、各装置に対し未配信である旨が記録される。
【0042】
まず、図4に示すように、医用画像診断装置2において、制御部21は、RAM23に記憶されたパラメータが示す更新用ファイルの取得時期の検知を行い、取得時期であれば(ステップS101、Y。以下、ステップS101をS101と省略して記載する。また、他のステップも同様に省略して記載する。)、送受信手段26を介してサーバ1に対して更新用ファイルの送信要求を送る(S102)。
【0043】
ここで図5に示すようにサーバ1において、送受信手段16は医用画像診断装置2から更新用ファイルの送信指示を受信し、制御部11は、その送信指示を受けて(S201、Y)、配信情報DB13を検索する(S202)。そして、制御部11は、要求のあった医用画像診断装置2への未配信の更新用ファイルの有無を判定する。未配信の更新用ファイルがあれば(S203、Y)、制御部11は、該当する未配信の更新用ファイルを更新用ファイル記憶部14から読み出して、送受信手段16を介して要求のあった医用画像診断装置2へ送信し、配信情報DB13の送信した更新用ファイルの配信情報を更新する(S204)。また、未配信の更新用ファイルがなければ(S203、Y)、制御部11は、その旨を示す情報を送受信手段16を介して要求のあった医用画像診断装置2へ送信する(S205)。
【0044】
再び図4に戻り、医用画像診断装置2において、先に送信した送信要求に対し更新用ファイルが送られてきた場合には送受信手段26はこれを受信し(S103、Y)、制御部21は、受信した更新用ファイルを記憶手段24に記憶させる(S104)。一方、先に送信した送信要求に対し未配信の更新用ファイルがない旨を示す情報が送られてきた場合には送受信手段26はこれを受信して(S103、N)終了する。
【0045】
さらに、図6に示すように、医用画像診断装置2において、制御部21は、RAM23に記憶されたパラメータが示す更新時期の検知を行い、更新時期であれば(S301、Y)、制御部21は、記憶手段24を検索し、更新用ファイルがあれば(S302、Y)、制御部21は、更新用ファイルのNon Imageフォーマットに書き込まれた更新用プログラムを読み出して(S303)、その読み出した更新用プログラムを用いて記憶手段24に記憶されているOSを更新する(S304)。更新用ファイルがなければ(S302、N)終了する。
【0046】
このように、OSの更新用のプログラムをDICOM規格の形式で定義された情報として扱うので、OSの更新用のプログラムをDICOM規格に沿った通信プロトコルに従って送受信できる。これにより、自動更新が可能となり、コンピュータのOSのセキュリティホールを狙った攻撃を避け、セキュリティの確保を図ることが可能となる。
【0047】
また、上記の実施の形態では、サーバ1のようなDICOMサーバを設け、更新用ファイルを記憶するとともに医用画像診断装置2への送信を行うようにしたが、このサーバ1の機能をPACS3、RIS4及びHIS5などの医用画像診断システムに接続されたサーバに備えるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本実施の形態に係る医用画像診断システムの一実施の形態を示す機能ブロック図である。
【図2】配信情報DBの構成を示す図である。
【図3】医用画像診断装置の記憶手段に記憶される情報の構成を示す図である。
【図4】本発明に係る医用画像診断システムの医用画像診断装置における動作の一例を表すフローチャートである。
【図5】本発明に係る医用画像診断システムのサーバにおける動作の一例を表すフローチャートである。
【図6】本発明に係る医用画像診断システムの医用画像診断装置における動作の一例を表すフローチャートである。
【符号の説明】
【0049】
1 サーバ
11 制御部
12 記憶部
13 配信情報DB
14 更新用ファイル記憶部
15 入力手段
16 送受信手段
2 医用画像診断装置
21 制御部
22 CPU
23 RAM
24 記憶手段
25 入力手段
26 送受信手段
27 ハードウェア群
3 PACS
4 RIS
5 HIS

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークに接続され、外部とDICOM規格に沿った通信プロトコルに従って通信可能な医用画像診断装置を含む医用画像診断システムであって、
前記医用画像診断装置と前記ネットワークを介して接続され、前記医用画像診断装置と前記DICOM規格に沿った通信プロトコルに従って通信可能なサーバを含み、
前記サーバは、
前記医用画像診断装置の制御プログラムの更新用プログラムを含むDICOM規格の形式で定義された情報を記憶する記憶手段と、
前記医用画像診断装置に、前記DICOM規格に沿った通信プロトコルに基づいて前記更新用プログラムを含む情報を送信する送信手段とを有し、
前記医用画像診断装置は、
前記情報を受信する受信手段と、
前記受信した更新用プログラムを含む情報から前記更新用プログラムを取り出し、前記取り出した更新用プログラムを用いて自己の制御プログラムを更新する更新手段とを有することを特徴とする医用画像診断システム。
【請求項2】
前記更新用プログラムは、前記DICOM規格により規定される非画像データ領域に書き込まれる請求項1に記載の医用画像診断システム。
【請求項3】
前記医用画像診断装置は、
予め定められた更新時期であることを検知する検知手段をさらに有し、
前記更新手段は、前記自己の制御プログラムの更新を前記検知手段が前記更新時期であることを検知したときに実行する請求項1または請求項2に記載の医用画像診断システム。
【請求項4】
前記更新時期は、電源シャットダウンのタイミングである請求項3に記載の医用画像診断システム。
【請求項5】
前記医用画像診断装置の制御プログラムには、コンピュータのOS(Operating System)が用いられ、
前記更新される制御プログラムは、コンピュータのOSである請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の医用画像診断システム。
【請求項6】
ネットワークに接続され、外部とDICOM規格に沿った通信プロトコルに従って通信可能な医用画像診断装置であって、
前記ネットワークを介して、自己の制御プログラムの更新用プログラムを含むDICOM規格の形式で定義された情報を前記DICOM規格に沿った通信プロトコルに従って受信する受信手段と、
前記受信した更新用プログラムを含む情報から前記更新用プログラムを取り出し、前記取り出した更新用プログラムを用いて自己の制御プログラムを更新する更新手段とを有することを特徴とする医用画像診断装置。
【請求項7】
ネットワークに接続され、外部とDICOM規格に沿った通信プロトコルに従って通信可能な医用画像診断装置に、
前記ネットワークを介して、自己の制御プログラムの更新用プログラムを含むDICOM規格の形式で定義された情報をDICOM規格に沿った通信プロトコルに従って受信する手順と、
前記受信した更新用プログラムを含む情報から前記更新用プログラムを取り出す手順と、
前記取り出した更新用プログラムを用いて自己の制御プログラムを更新する手順とを実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−22490(P2009−22490A)
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−188082(P2007−188082)
【出願日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】