説明

医用画像診断装置

【課題】医用画像診断装置の操作性の向上を図る。
【解決手段】医用画像診断装置1は、あらかじめ設定された一連の処理からなるルーチン検査に用いられる。医用画像診断装置1のリスト記憶部6には、検査待ち状態の患者の患者ID等をリスト化した患者リストLが記憶されている。オペレータは、画像の印刷処理の終了後に、操作部7Bを操作して画像観察画面1400上のNextボタン1400Aをクリックする。制御部9は、患者リストLを参照して次の患者の有無を判断する。次の患者が存在する場合、制御部9は、その患者の検査を行うために撮像位置決定操作画面1200を表示させる。一方、次の患者が存在しない場合、制御部9は、外部装置400に画像を転送するための画像転送画面1500を表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、被検体内の形態や機能を画像化する医用画像診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
医用画像診断装置としては、磁気共鳴イメージング(Magnetic Resonance Imaging;MRI)装置、X線診断装置、X線CT(Computed Tomography)装置、PET(Positron Emission Computed Tomography)装置、SPECT(Single Photon Emission Computed Tomography)装置、超音波診断装置などが従来から用いられている。
【0003】
近年、医用画像診断装置による検査の標準化が推進されている。つまり、各検査において実施する一連の処理をあらかじめ設定することにより検査の標準化を図るようになってきている。このような検査は「ルーチン検査」などと呼ばれる。たとえば特許文献1には、ルーチン検査におけるオペレータの負担軽減やスループット向上を図る技術が開示されている。
【0004】
一般に、医用画像診断装置の操作画面には、各種のソフトキーが設けられている。オペレータは、適当なソフトキーを操作(クリック等)することによって、次の手順に移行するようになっている。
【0005】
ルーチン検査は、上記のようにあらかじめ決められた手順にしたがって実施される検査である。このような特殊性を鑑み、ルーチン検査の操作画面において、或る手順の作業が終了したことに対応し、次の手順に移行するためのソフトキー上にポインタを自動的に移動させるような技術が開発されている。このような技術は、たとえば特許文献2に開示されている。
【0006】
【特許文献1】特許第3499248号明細書
【特許文献2】特開平9−244852号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、医用画像診断装置の運用現場では、検査対象となる患者のオーダ(予約)を発行してリストを作成し、このリストに基づいて複数の患者に対して順次に検査を行うようになっていることが多い。
【0008】
この場合、次のオーダの有無などの状況に応じて、次に行う作業内容が変わってくることがある。たとえば、次のオーダが存在する場合には、現在実行中のオーダに基づく検査が終了したら次のオーダに基づく検査に移行する一方、次のオーダが存在しない場合には、撮影画像を他の装置(画像データベースや画像ビューア等)に転送するように作業が展開することがある。
【0009】
しかしながら、従来の医用画像診断装置においては、オーダの発行状態に応じて操作画面やポインタを制御することができなかったため、次のオーダの有無に応じて異なる操作を行わねばならないなど、操作が煩雑であった。また、オーダの有無を把握しないで操作を行った場合には、再度操作を行う必要があり面倒であった。
【0010】
この発明は、以上のような問題を解決するためになされたものであり、医用画像診断装置の操作性の向上を図ることが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、この発明は、被検体の体内の形態又は機能を反映したデータを取得する処理、及び該取得されたデータに基づいて画像を生成する処理を含む一連の処理を実行する医用画像診断装置であって、前記一連の処理を施す予定の被検体の有無を表す予定情報を記憶する記憶手段と、前記一連の処理を実行するための操作を行うための複数の操作画面を表示する表示手段と、操作手段と、一つの前記一連の処理の終了後に前記操作手段により所定の操作がなされたときに、次の前記一連の処理を実行するための操作を行うための操作画面を、前記予定情報に基づいて前記複数の操作画面のうちから選択して前記表示手段に表示させる制御手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
この発明に係る医用画像診断装置は、被検体の体内の形態又は機能を反映したデータを取得する処理、及び該取得されたデータに基づいて画像を生成する処理を含む一連の処理を実行する装置である。この医用画像診断装置は、一連の処理を施す予定の被検体の有無を表す予定情報を記憶している。制御手段は、一連の処理の終了後に所定の操作がなされたことに対応し、次の一連の処理を実行するために、複数の操作画面のうちのいずれかを予定情報に基づいて選択して表示手段に表示させる。
【0013】
このような医用画像診断装置によれば、次の被検体(患者、オーダ)の有無に応じて操作画面を選択的に表示することができるので、オペレータは、次の患者の有無を考慮して操作を使い分ける必要がない。したがって、医用画像診断装置の操作性の向上を図ることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
この発明に係る医用画像診断装置の好適な実施形態の一例について、図面を参照しながら詳細に説明する。本発明に係る医用画像診断装置は、たとえばMRI装置、X線診断装置、X線CT装置、PET装置、SPECT装置、超音波診断装置のように、被検体の体内の形態や機能を画像化する機能を有する装置である。
【0015】
[構成]
図1は、この実施形態に係る医用画像診断装置の構成の一例を表している。同図に示す医用画像診断装置1は、RIS200、イメージャ300及び外部装置400のそれぞれと通信可能に接続されている。これらの装置は、たとえば医療機関内に構築されたLAN(Local Area Network)や専用線などのネットワークによって接続されている。
【0016】
RIS(Radiology Information System)200は、医療機関の放射線科にて用いられる各種の情報を管理するシステムである。特に、RIS200は、医師端末等のオーダ端末100からオーダを受け付けて管理する。
【0017】
オーダ(order)とは、医用画像診断装置1等を用いた検査の実施の予約を意味する。オーダは、オーダ端末100により所定のオーダ情報を入力し、RIS200に送信することによって行う。オーダ情報は、患者IDや患者氏名等の患者識別情報、検査装置の識別情報、検査内容(検査部位や検査方法等)などを含む情報である。RIS200は、たとえば各患者毎にオーダ情報を管理している。
【0018】
イメージャ(imager)300は、医用画像診断装置1により生成された画像を印刷出力する装置である。イメージャ300としては、たとえばドライタイプやウェットタイプのレーザイメージャ等の一般的な装置を用いることができる。
【0019】
外部装置400は、医用画像診断装置1以外の装置であり、医用画像診断装置1から送信される情報を受信する装置である。外部装置400の一例としては、読影用のビューア(viewer)等のコンピュータ端末や、PACS(Picture Archiving and Communication System)の画像データベースなど、上記のネットワークを介して医用画像診断装置1と通信可能な任意の装置がある。
【0020】
医用画像診断装置1は、データ収集部2、画像生成部3、画像記憶部4、オーダ受付部5、リスト記憶部6、ユーザインターフェイス7、通信部8及び制御部9を含んで構成されている。以下、これらの構成部分についてそれぞれ説明する。なお、制御部9については、他の構成部分の説明中においても適宜に説明することにする。
【0021】
(データ収集部)
データ収集部2は、被検体(患者)の体内の形態や機能を反映したデータを取得する。データ収集部2は、制御部9による制御を受けて、被検体の体内の形態や機能を反映したデータの収集を実行する。
【0022】
たとえば医用画像診断装置1がMRI装置である場合、データ収集部2は、被検体が載置される寝台装置、静磁場磁石や傾斜磁場コイルを具備したガントリ、RF(Radio Frequency)コイル、これらの磁石やコイルを駆動制御する装置を含んで構成される。
【0023】
また、医用画像診断装置1がX線CT装置である場合、データ収集部2は、寝台装置、対向配置されたX線管及びX線検出器、X線管及びX線検出器を回転させる駆動機構、X線検出器による検出結果を収集するDAS(Data Acquisition System)等を具備したガントリを含んで構成される。医用画像診断装置1がPET装置やSPECT装置の場合についても同様に構成される。
【0024】
更に、医用画像診断装置1がX線診断装置の場合、体内形態や機能を反映したデータを取得する手段は、アーム等により対向位置に保持されたX線管及びX線検出器を含んで構成される。また、医用画像診断装置1が超音波診断装置である場合、当該手段は、被検体に当接されて超音波の送受信を行う超音波プローブを含んで構成される。
【0025】
(画像生成部)
画像生成部3は、データ収集部2により収集されたデータに基づいて画像(画像データ)を生成する。なお、本明細書においては、画像データと、この画像データに基づく画像(表示画像)とを同一視することがある。
【0026】
MRI装置における画像生成部3は、たとえば2次元・3次元フーリエ変換法などの画像再構成処理を実行する専用ボードやマイクロプロセッサを含んで構成される。
【0027】
また、X線CT装置における画像生成部3は、たとえば2次元フーリエ変換法やコンボリューション・バックプロジェクション法などの画像再構成処理を実行する専用ボードやマイクロプロセッサを含んで構成される。なお、画像生成部3は、画像再構成処理の実行前に所定の前処理を行ってもよい。
【0028】
医用画像診断装置1がその他の装置である場合、画像生成部3は、一般に用いられる任意の手法で被検体の画像を生成する。
【0029】
(画像記憶部)
画像記憶部4は、画像生成部3により生成された画像(画像データ)を記憶する記憶装置である。画像記憶部4は、たとえばハードディスクドライブ等の記憶装置によって構成される。画像生成部3により生成された画像は、各患者毎に作成される画像ファイルFiとして記憶される。
【0030】
画像ファイルFiは、たとえば、デジタル医用画像の標準規格であるDICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)におけるStudy(検査)ファイルやSeries(シリーズ)ファイルやImage(画像)ファイルとして形成される。
【0031】
(オーダ受付部)
オーダ受付部5は、RIS200が管理するオーダ情報のうち、医用画像診断装置1を用いた検査についてのオーダ情報を受け付ける。オーダ受付部5は、たとえばLANカード等のネットワークアダプタを含んで構成されている。オーダ受付部5は、受け付けたオーダ情報を制御部9に入力する。
【0032】
オーダ受付部5は、制御部9により制御されて、オーダ情報の受け付けを適宜のタイミングで行うようになっている。たとえば、制御部9は、定期的にオーダ情報の受け付けを行うようにオーダ受付部5を制御する。また、制御部9は、医用画像診断装置1による検査のオーダ情報がRIS200に登録される度毎にオーダ情報を受け付けるようにオーダ受付部5を制御する。
【0033】
(リスト記憶部)
制御部9のリスト制御部9Bは、後述のように、オーダ受付部5から入力されるオーダ情報に基づいて、医用画像診断装置1で検査を行う患者のリスト(患者リストL)を作成してリスト記憶部6に記憶される。リスト記憶部6は、患者リストLを記憶するハードディスクドライブやRAM(Random Access Memory)等の記憶装置によって構成される。
【0034】
患者リストLは、たとえば患者IDや患者氏名等の患者識別情報をリスト化したものである。また、患者リストLには、実施する検査の内容(撮影手法、撮影部位、撮影条件等)が各患者毎に記録されていてもよい。
【0035】
ここで、リスト制御部9Bによる患者リストLの作成処理について説明する。リスト制御部9Bは、オーダ受付部5から新たなオーダ情報が入力されたことに対応し、この新たなオーダ情報に示す患者を現在の患者リストLに追加して患者リストLを逐次に更新する。
【0036】
また、リスト制御部9Bは、患者リストLに記録された患者に対する検査が終了したことに対応して、患者リストLから当該患者を削除する。ここで、検査の終了の判断は、たとえばデータ収集部2によるデータ収集が終了したことや、画像ファイルFiが画像記憶部4に記憶されたことなどによって行うことができる。このように、患者リストLは、未だ検査を実施していない患者(つまり検査待ち状態の患者)のリストとして構成される。
【0037】
なお、検査を実施した患者をリストから削除する代わりに、検査を実施したことを示す情報を当該患者の患者識別情報等に付加するようにしてもよい。また、検査待ち状態であることを示す情報を患者識別情報等に付加し、検査の終了に対応して当該情報を削除するように構成することも可能である。いずれにしても、患者リストLは、検査待ち状態の患者を判別可能に記録するものであれば、その形態は任意である。
【0038】
(患者リストの具体例)
ここで、図2に示す患者リストLの具体例を説明する。同図に示す患者リストLは、検査待ち状態の患者の患者IDと患者氏名とを検査順序にしたがってリスト化したものである。
【0039】
患者リストLの検査順序「1」の患者に対する検査が終了すると、リスト制御部9Bは、この患者についての情報をリストから削除するとともに、検査順序「2」以降の検査順序「i(≧2)」の患者についての情報を一つずつ繰り上げて検査順序「i−1」に変更する。リスト制御部9Bは、このようにして検査待ちの患者の管理を行う。
【0040】
図2の検査順序「1」の患者(患者ID「11111」の患者)について検査が実施されて画像が取得されると、制御部9は、この患者の患者IDや患者氏名と関連付けた画像ファイルF1を作成して画像記憶部4に記憶させる。このようにして画像ファイルF1、F2、F3、・・・・が得られる。
【0041】
なお、急患に対する検査が依頼された場合などには、患者リストLに示す検査順序を遵守せずに検査を行うことがある(割り込み検査)。その場合には、検査を実施した患者(検査順序「j」とする)についての情報をリストから削除するとともに、この患者の検査順序以降の検査順序(「j+1」、「j+2」、・・・)の患者についての情報を一つずつ繰り上げる。なお、割り込み検査を行う患者の情報が患者リストLに記録されていない場合もあるが、この場合には、患者リストLに関する処理を特に行う必要はない。
【0042】
患者リストLは、この発明の「予定情報」の一例に相当する。また、リスト記憶部6は、この発明の「記憶手段」の一例に相当する。この発明の予定情報としては、患者リストL以外にも、医用画像診断装置1により検査(ルーチン検査)が実施される予定の被検体の有無を表す任意の情報を用いることが可能である。たとえば、検査を実施予定の被検体の有無を表すフラグや、次の患者の情報のみを記録した情報などを、予定情報として用いることができる。
【0043】
(ユーザインターフェイス)
ユーザインターフェイス7は、オペレータに対して各種の情報を呈示したり、オペレータの指示を医用画像診断装置1に入力したりするための機能を有する。ユーザインターフェイス7には、表示部7Aと操作部7Bが設けられている。
【0044】
表示部7Aは、LCD(Liquid Crystal Display)や、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイなどの任意の表示デバイスによって構成される。表示部7Aは、制御部9の制御を受けて、各種の画面や画像等の情報を表示する。表示部7Aは、この発明の「表示手段」の一例として機能する。
【0045】
操作部7Bは、マウス、トラックボール、ジョイスティック等のポインティングデバイスを含んで構成される。また、操作部7Bには、キーボードやコントロールパネル等の任意の入力デバイスや操作デバイスが設けられている。操作部7Bが操作されると、その操作内容に応じた操作信号が制御部9に入力される。制御部9は、この操作信号に基づいて医用画像診断装置1の各部を制御し、当該操作内容に応じた動作を実行させる。操作部7Bは、この発明の「操作手段」の一例として機能する。
【0046】
オペレータは、ユーザインターフェイス7を用いることにより、新たな患者を患者リストLに追加することができる。たとえば新たな患者が検査室に来室したときに、オペレータは、操作部7Bを操作することにより、当該患者の患者ID等を所定の患者追加用の画面に入力する。これを受けて、制御部9は、オーダ受付部5を制御して当該患者のオーダ情報をRIS200から取得させる。リスト制御部9Bは、RIS200から取得されたオーダ情報や入力された情報に基づいて、当該患者の患者ID等の情報を患者リストLに追加する。このとき、当該患者に関する情報は、たとえば患者リストLの末尾に追加される。また、患者リストL中の任意の検査順序を指定して当該患者に関する情報を追加することも可能である。
【0047】
また、たとえば既に検査を実施した患者について再検査を行う場合などには、オペレータは、操作部7Bを操作することにより、当該患者の患者ID等の情報を患者追加用の画面に入力する。リスト制御部9Bは、入力された情報に基づいて患者リストLを更新する。このとき、当該患者に関する情報を患者リストLの末尾に追加してもよいし、任意の検査順序を指定して追加するようにしてもよい。
【0048】
また、オペレータは、患者リストLに記録された患者(オーダ情報)を手入力操作によって削除することができる。また、検査待ち状態の患者の検査順序を手入力操作によって変更することもできる。これらの処理は、手入力操作の内容に基づいてリスト制御部9Bが実行する。
【0049】
(通信部)
通信部8は、イメージャ300や外部装置400などの外部装置との間でデータ通信を行うもので、LANカード等のネットワークアダプタを含んで構成される。通信部8は、この発明の「送信手段」の一例として機能するものである。
【0050】
なお、図1では、オーダ受付部5と通信部8とを別々に記載しているが、これらはともに通信機能を有しているので、これらを一体的に構成することも可能である。
【0051】
(制御部)
制御部9は、医用画像診断装置1の各部を制御する。制御部9は、画像記憶部4やリスト記憶部6に対するデータの書き込み処理を行う。また、制御部9は、画像記憶部4やリスト記憶部6に記憶されたデータの読み出し処理を行う。更に、制御部9は、各種の表示画面を選択的に表示部7Aに表示させるように動作し、この発明の「制御手段」の一例として機能する。
【0052】
制御部9には、表示制御部9A、リスト制御部9B及び患者判断部9Cが設けられている。なお、リスト制御部9Bについては前述したので、表示制御部9A及び患者判断部9Cについて以下に説明する。
【0053】
表示制御部9Aは、各種の表示画面や画像を表示部7Aに表示させる。特に、表示制御部9Aは、医用画像診断装置1を用いてルーチン検査を実施するための各種の表示画面を表示部7Aに表示させる。
【0054】
各表示画面には、医用画像診断装置1を用いた検査における各種の操作を行うための操作領域が配設されている。この操作領域としては、たとえばソフトキー、選択メニュー(プルダウンメニュー等)、入力スペースなどがある。これらの表示画面は、この発明の「操作画面」の一例に相当している。
【0055】
表示制御部9Aは、更に、表示画面上におけるポインタの表示位置の制御を行う。このポインタの表示位置の制御は、操作部7Bに対する操作に応じて行う場合もあるし、このような操作を受けずに自動的に行う場合もある(後述)。
【0056】
ここで、ポインタ(pointer)とは、操作部7Bのポインティングデバイスに対する操作に応じて表示画面上を移動する画像である。ポインタは、たとえば矢印形状の画像により構成される。
【0057】
オペレータは、表示されているソフトキーや画像のうちの所望のものにポインタを重ね、所定の操作(クリック、ダブルクリック、ドラッグ等)を行うことにより所望の操作を実施する。なお、ポインタは、カーソル(cursor)などとも呼ばれる。また、ポインタの操作は、たとえばキーボード等を用いて行えるように構成することも可能である。
【0058】
次に、患者判断部9Cについて説明する。患者判断部9Cは、患者リストLに基づいて、検査待ち状態の患者、つまり体内形態や機能を反映したデータの取得が未だなされていない患者が存在するか否かを判断する。
【0059】
図2の患者リストLを参照し、患者判断部9Cの機能の具体例を説明する。データ収集のなされていない患者が存在する状態は、患者リストLの少なくとも検査順序「1」の欄に患者IDや患者氏名が記録されている状態に相当する。一方、データ収集のなされていない患者が存在しない状態は、検査順序「1」の欄に患者IDや患者氏名が記録されていない状態に相当する。
【0060】
このような関係を利用することにより、患者判断部9Cは、患者リストLの検査順序「1」の欄に患者ID等が記録されているか否かを確認することで、データ収集のなされていない患者の有無を判断する。なお、検査待ち状態の患者の有無の判断は、上記以外の任意の判断手法を用いて行ってもよい。
【0061】
以上のような機能を有する制御部9は、CPU(Central Processing Unit)等のマイクロプロセッサ、RAM、ハードディスクドライブなどを含んで構成される。ハードディスクドライブにあらかじめ記憶されたコンピュータプログラムをマイクロプロセッサがRAM上に展開することにより、制御部9による各種の処理が実行される。
【0062】
[使用形態]
この実施形態に係る医用画像診断装置1の使用形態について説明する。図3に示すフローチャートは、医用画像診断装置1の使用形態の一例を表している。また、図4〜図11は、表示部7Aに表示される画面の一例を表している。以下、医用画像診断装置1がMRI装置である場合について、まず図3に示す使用形態の概略を説明し、その後に各ステップの詳細を説明する。
【0063】
〔使用形態の概略〕
まず、オペレータ(放射線技師等)は患者予約を行う(S1)。それにより、現時点における患者リストLが作成される。
【0064】
次に、最初の患者、つまり患者リストLにおける検査順序が「1」の患者を医用画像診断装置1の所定の検査位置(たとえば寝台装置の天板上)に配置させる。そして、撮像位置を決定するための予備的な撮像を行う(S2)。この予備的な撮像をパイロットスキャンと呼ぶことがある。
【0065】
オペレータは、パイロットスキャンにより得られた画像を参照し、撮像位置を決定する(S3)。それにより、スキャン範囲やスライス位置等が撮像位置として決定される。撮像位置を決定したら本撮像を行う(S4)。オペレータや医師は、撮影された画像を観察する(S5)。オペレータは、必要に応じて撮像を再度行う。更に、撮影された画像の印刷を行う(S6)。以上で、当該患者に対する検査、すなわち当該オーダ情報に基づく検査は終了となる。なお、ステップ2〜ステップ6に示す処理は、この発明の「一連の処理」の一例である。
【0066】
画像の印刷が終了したら、オペレータは、操作部7Bを操作して所定の操作を行う(S7)。この実施形態では、所定の操作として、後述のNextボタンをクリックする。
【0067】
所定の操作がなされたことを受けて、患者判断部9Cは、次の患者(オーダ情報)が存在するか判断する(S8)。次の患者が存在しないと判断された場合(S8;N)、外部装置400に画像を転送し(S9)、処理を終了する。
【0068】
一方、次の患者が存在すると判断された場合(S8;Y)、その患者に対する検査に移行する。すなわち、その患者を検査位置に配置させてパイロットスキャンを行う(S2)。以下、その患者に対して同様の処理を実行する。以上のプロセスをステップ8で「N」と判断されるまで反復する。ステップ8において「N」と判断されたら、上記の同様に外部装置400に画像を転送し(S9)、処理を終了する。
【0069】
〔各ステップの詳細〕
(ステップ1)
ステップ1(S1)では患者予約を行う。患者予約は、或る患者に対して医用画像診断装置1を用いた検査を実施するための予約である。換言すると、患者予約は、患者リストLに新たな患者(オーダ情報)を追加登録するための処理である。
【0070】
患者予約は、たとえば、オペレータがユーザインターフェイス7を用いて患者ID等の患者情報を入力することにより行う。なお、RIS200に管理されているオーダ情報に基づいて自動的に患者予約や患者リストLの作成を実行するように構成してもよい。
【0071】
患者予約処理の具体例を説明する。図4、図5は、患者予約に用いられる表示画面を表している。オペレータは、まず、所定の操作を行って、図4に示す患者予約画面1000を表示部7Aに表示させる。次に、オペレータは、操作部7Bを操作して新患者登録ボタン1003をクリックすることにより、新たな患者の登録処理(予約処理)の開始を指示する。
【0072】
次に、オペレータは、患者情報入力部1002に患者情報を入力し、登録ボタン1004をクリックする。更に、オペレータは、ネットワークメニューボタン1005を操作して「受信(DICOM)」を指定する。ネットワークメニューボタン1005は、たとえばプルダウンメニューにより構成されている。「受信(DICOM)」が指定されたことを受けて、表示制御部9Aは、図5に示す検索キー設定画面1100をポップアップ表示させる。
【0073】
オペレータは、検索キー設定画面1100上の入力スペースに患者ID等の検索キー(キーワード)を入力し、検索ボタン1101をクリックする。制御部9は、オーダ受付部5を制御し、入力された検索キーを含む信号をRIS200に送信させる。また、表示制御部9Aは、検索キー設定画面1100の表示を終了させる。
【0074】
RIS200は、オーダ受付部5からの信号を受信すると、当該検索キーに該当するオーダ情報を検索し、その検索結果を医用画像診断装置1に送信する。オーダ受付部5は、RIS200から送信されたオーダ情報を受け付け、リスト制御部9Bに送る。
【0075】
リスト制御部9Bは、オペレータが入力した患者情報やRIS200から送信されたオーダ情報に基づいて患者リストLを作成する。患者リストLに既に患者(オーダ情報)が登録されている場合、新規に登録された患者は、新規登録前のリストにおける最後の患者の次の検査順序、すなわちリストの末尾に追加登録される。
【0076】
表示制御部9Aは、新規に登録された患者を含む患者リストLを、患者予約画面1000の患者リスト表示部1001に表示させる。オペレータは、表示された患者リストLから、検査を実施する患者を選択指定する。この指定操作は、たとえば所望の患者の情報をクリックすることにより行う。
【0077】
更に、オペレータは、選択ボタン1006をクリックして患者の指定結果を確定する。選択ボタン1006がクリックされると、表示制御部9Aは、図6に示す撮像位置決定操作画面1200を表示させる。撮像位置決定操作画面1200については後述する。
【0078】
なお、オペレータが入力した検索キーに該当するオーダ情報が検索されなかった場合には、たとえば次のような処理を実行する。まず、RIS200は、オーダ情報が検索されなかった旨を表す信号を医用画像診断装置1に送信する。表示制御部9Aは、この信号に基づいて、オーダ情報が検索されなかった旨のメッセージを含むダイアログを表示部7Aに表示させる。以上で、ステップ1の患者予約の説明を終了する。
【0079】
(ステップ2)
ステップ2(S2)では、ルーチン検査の最初の処理として、撮像位置を決定するためのパイロットスキャンを行う。パイロットスキャンに関する各種の操作は、図6に示す撮像位置決定操作画面1200を用いて行う。
【0080】
撮像位置決定操作画面1200の検査部位表示部1201には、各種の検査部位が選択可能に表示されている。より具体的に説明すると、検査部位表示部1201には、人体の概略を表す画像が表示されており、更に、この人体画像上には、人体の様々な部位を示す矩形状の画像(部位画像)1201aが重畳表示されている。
【0081】
部位画像1201aが示す人体部位としては、たとえば、頭部、頸部、胸部、腹部、臀部、肩部、脚部などがある。なお、医用画像診断装置1においては、各部位画像1201aが示す部位毎にルーチン検査が設定されている。
【0082】
オペレータは、所望の部位画像1201aをクリックすることにより患者の撮像部位を指定する。表示制御部9Aは、クリックされた部位画像1201aに対応する検査の種別を表す情報を、検査種別表示部1202に表示させる。オペレータは、表示された検査種別のうちから所望の検査種別をクリックして選択する。そして、選択/終了ボタン1203をクリックすることにより検査種別の選択結果を確定する。
【0083】
検査種別が確定されると、表示制御部9Aは、この検査種別に対応するパルスシーケンスの種別を表す情報を、パルスシーケンス種別表示部1204に表示させる。ここで、パルスシーケンスとは、目的とする特徴を有するMRI画像(たとえばT1/T2強調画像)を取得するための、RFパルス、傾斜磁場の印可、データ収集などのタイミングの制御(ないし当該制御を行うためのソフトウェア)を意味する。
【0084】
オペレータは、所望のパルスシーケンスの種別を表す情報を選択してクリックし、撮像開始ボタン1205をクリックする。データ収集部2は、制御部9の制御にしたがって、指定された人体部位に関するデータを、指定されたパルスシーケンスにて取得する。画像生成部3は、取得されたデータに基づいて画像を生成する。生成された画像は、たとえば画像記憶部4に記憶される。以上で、ステップ2のパイロットスキャンの説明を終了する。
【0085】
(ステップ3)
ステップ3では、本撮像におけるスキャン範囲やスライス位置等の撮像位置を決定するとともに、本撮像に適用するパルスシーケンス等の撮像プランを決定する。撮像プランの決定は、図6に示す撮像位置決定操作画面1200を用いて行う。また、撮像位置の決定は、図7に示す撮像操作画面1300を用いて行う。図7は、撮像部位として頭部が指定されたときの表示画面の一例を表している。
【0086】
オペレータは、撮像位置決定画面1200のパルスシーケンス種別表示部1204に表示されたパルスシーケンスのうちから、本撮像に適用するパルスシーケンスをクリックして選択する。更に、オペレータは、スキャンプランボタン1206をクリックして、本撮像用のパルスシーケンスを確定する。
【0087】
パルスシーケンスが確定されたことに対応し、表示制御部9Aは、撮像操作画面1300を表示部7Aに表示させる。撮像操作画面1300には、撮像部位の撮像位置を表す情報が表示される撮像位置表示部1301、1302が設けられている。
【0088】
撮像位置表示部1301には、パイロットスキャンにより得られた、撮像部位(頭部)の側方からの断層画像(サジタル像)が表示される。更に、このサジタル像上には、スキャン範囲を表す矩形状の画像と、この矩形状の画像内におけるスライス位置を表す複数の線状の画像とが重畳表示される。ここで、前者の画像をスキャン範囲画像と呼び、後者の画像をスライス位置画像と呼ぶことにする。
【0089】
また、撮像位置表示部1302には、パイロットスキャンにより得られた、撮像部位の上方及び背面からの断層画像(アキシャル像及びコロナル像)が表示される。なお、コロナル像は、患者の正面からの断層画像であってもよい。これらの画像上にも、スキャン範囲画像やスライス位置画像が重畳表示される。
【0090】
オペレータは、操作部7Bを操作し、撮像位置表示部1301に表示されたスキャン範囲画像のサジタル像に対するサイズや位置を調整することによりスキャン範囲を決定する。スキャン範囲の変更は、たとえばスキャン範囲画像の枠をマウスでドラッグするなどして行う。スキャン範囲の変更結果は、撮像位置表示部1302におけるスキャン範囲画像に反映される。
【0091】
また、オペレータは、操作部7Bを操作し、撮像位置表示部1301に表示されたスライス位置画像のサジタル像に対する位置等を調整することによりスライス位置を決定する。スライス位置の変更は、たとえばスライス位置画像をマウスでドラッグするなどして行う。スライス位置の変更結果は、撮像位置表示部1302におけるスライス位置画像に反映される。
【0092】
このようにして撮像位置を決定したら、オペレータは、Queue/Exitボタン1303をクリックして撮像位置を確定する。撮像位置が確定されると、表示制御部9Aは、図6の撮像位置決定操作画面1200を再び表示部7Aに表示させる。
【0093】
(ステップ4)
ステップ4では本撮像を行う。本撮像は、予備的なパイロットスキャンとは異なり、診断に供される画像を取得するための撮像である。
【0094】
ステップ3の最後で表示された撮像位置決定操作画面1200の撮像開始ボタン1205がクリックされると、制御部9は、データ収集部2を制御してデータ収集を開始させる。このとき、ステップ3で決定されたスキャン範囲に相当するデータが収集される。画像生成部3は、収集されたデータに基づいて、ステップ3で決定された各スライス位置を断面とする断層画像を生成する。
【0095】
生成された画像は、画像ファイルFiとして画像記憶部4に記憶される。このとき、パルスシーケンスの種別等の撮影条件などについても断層画像とともに記憶される。
【0096】
表示制御部9Aは、ステップ3の説明の最後において撮像位置決定操作画面1200を再度表示させるときに、この撮像位置決定操作画面1200上にNextボタン(図示せず)を表示させる。このNextボタンは、現在実施している工程の次の工程に移行するためにクリックされるソフトキーである。なお、この検査は、ルーチン検査であるので、次の工程はあらかじめ設定されている。オペレータがNextボタンをクリックすると、表示制御部9Aは、図8に示す画像観察画面1400を表示部7Aに表示させる。
【0097】
(ステップ5)
ステップ5では、画像観察画面1400により撮影画像の観察を行う。オペレータは、画像観察画面1400の画像処理開始ボタン1401をクリックし、ステップ4で取得された画像に対する画像処理の開始を指示する。
【0098】
縮小画像表示部1402には、ステップ4で取得された断層画像の縮小画像が配列表示される。オペレータは、操作部7Bを操作して所望の縮小画像を指定する。縮小画像は、ステップ4で取得された断層画像に基づいて制御部9により生成される。縮小画像は、当該断層画像を単に縮小した画像であってもよいし、当該断層画像のサムネイル画像であってもよい。
【0099】
各縮小画像は、その基となる断層画像(画像記憶部4に記憶されている)に関連付けられている。この関連付けは、たとえば画像の取得時に断層画像に付与される画像ID等を用いて行う。表示制御部9Aは、この関連付けを参照し、オペレータが指定した縮小画像に対応する断層画像を画像表示部1403に表示させる。
【0100】
更に、オペレータは、表示された断層画像を観察するとともに、操作部7Bを操作して画像の輝度、パニング(panning)、倍率などの表示条件を調整する。この処理は、たとえばマウスを操作することによって行う。表示条件を調整したら、オペレータは、画像表示部1403の右下端の領域をクリックすることにより表示条件を適用させる。オペレータは、断層画像の選択表示、表示条件の調整及びその適用の各操作を必要に応じて繰り返すことにより、所望の表示態様の断層画像を作成する。
【0101】
(ステップ6)
ステップ6では、ルーチン検査の最後の処理として、画像の印刷(フィルミング)を行う。図8に示す画像観察画面1400の縮小画像表示部1402の左側には、複数のプロトコルを表すボタン(プロトコル指定ボタン1404)が選択可能に配列されている。オペレータは、所望のプロトコルに対応するプロトコル指定ボタン1404をクリックする。
【0102】
次に、オペレータは、画像読込ボタン1405をクリックし、画像表示部1403に表示されている画像をフィルミングに供される画像として読み込ませる。すなわち、制御部9は、画像読込ボタン1405がクリックされたことに対応し、画像表示部1403に表示されている画像の画像データを画像記憶部4から読み出すとともに、別途に作成されたフィルミングに供される画像のフォルダに当該画像データを記憶させる。このとき、各画像について指定されたプロトコルの情報が画像データとともに記憶される。
【0103】
このようにして、オペレータは、取得された画像のうちからフィルミングに供するものを選択する。表示制御部9Aは、フィルミング用として選択された画像を、フィルミング画像表示部1406に配列表示させる。
【0104】
フィルミング用の画像の選択が終了したら、オペレータは、印刷ボタン1407をクリックする。制御部9は、フィルミング用のフォルダに記憶されている画像データ及びプロトコルの情報を通信部8に送る。通信部8は、制御部9による制御に応じ、これらの画像データ及びプロトコルの情報をイメージャ300に送信する。
【0105】
イメージャ300は、医用画像診断装置1からの画像データ等を受信し、各々指定されたプロトコルの情報に基づいて、各画像データに基づく画像をフィルムに印刷する。
【0106】
なお、以上のように使用される画像観察画面1400は、この発明の「印刷操作画面」の一例として機能する表示画面である。
【0107】
(ステップ7)
ステップ7においては、ルーチン検査の一連の処理が終了した後に、オペレータが所定の操作を行う。この実施形態では、所定の操作として、画像観察画面1400上のNextボタン1400Aをクリックする。
【0108】
(ステップ8)
ステップ8では、次の患者の有無を判断する。この処理は、Nextボタン1400Aがクリックされたことに対応して患者判断部9Cが行う。なお、この処理の内容については、前述の患者判断部9Cの説明において詳述した。
【0109】
次の患者が存在すると判断された場合(S8;Y)、表示制御部9Aは、図6に示す撮像位置決定操作画面1200を表示部7Aに表示させる。オペレータは、この新たな患者に対してステップ2〜ステップ6に示す一連の処理を実施する。
【0110】
一方、次の患者が存在しないと判断された場合(S8;N)、表示制御部9Aは、図9に示す画像転送画面1500を表示部7Aに表示させる。画像転送画面1500は、この発明の「画像送信操作画面」の一例に相当する。
【0111】
(ステップ9)
ステップ9では、画像の転送を行う。ここでは、PACSに画像を転送する場合について説明する。図9、図10及び図11は、画像の転送処理を行うための表示画面の一例を表している。
【0112】
まず、オペレータは、図9に示す画像転送画面1500中の所望の転送ファイルボタン1501をクリックすることにより、PACSに転送する画像データが記憶されたファイルを選択する。
【0113】
次に、オペレータは、ネットワークメニュー1502をクリックして選択肢「送信」及び「受信」を表示させるとともに、ドラッグ操作により「送信」を選択する。このネットワークメニュー1502は、プルダウンメニューにより構成されている。
【0114】
ネットワークメニュー1502の「送信」が選択された後にNextボタン1500Aがクリックされると、表示制御部9Aは、図10に示すネットワークウィンドウ1600をポップアップ表示させる。ネットワークウィンドウ1600には、転送先のリストが表示されている。オペレータは、転送先を選択して終了ボタン1601をクリックする。それにより転送先が指定される。なお、転送先の選択は、リスト中の所望の転送先に対応するチェックボックスをクリックしてチェックマークを入力することにより行う。
【0115】
転送先が指定されると、表示制御部9Aは、ネットワークウィンドウ1600の表示を終了する。画像転送画面1500の検査リスト表示部1503には、既に実施された検査のリストが表示されている。オペレータは、当該リスト中の所望の検査を選択してクリックするとともに、選択ボタン1504をクリックして選択結果を確定する。
【0116】
選択ボタン1504がクリックされた後にNextボタン1500Aがクリックされると、表示制御部9Aは、図11に示す転送情報確認画面1700を表示部7Aに表示させる。転送情報確認画面1700の転送情報表示部1701には、選択された検査や、指定された転送先などの情報が表示される。
【0117】
オペレータは、転送情報表示部1701の表示内容を確認する。その表示内容が適当であれば、オペレータは適用ボタン1702をクリックする。適用ボタン1702がクリックされると、制御部9は、選択された検査において取得された画像データ及びその付帯情報(患者情報や撮影条件等)を通信部8に送る。通信部8は、制御部9による制御に応じ、指定された転送先に画像データ等を送信する。
【0118】
転送先(PACS)は、医用画像診断装置1から送信された画像データ等を受信してデータベースに保管する。PACSは、画像ビューア等からの要求に応じて画像データを提供する。
【0119】
なお、転送情報表示部1701の表示内容が適当でない場合には、オペレータは、転送情報表示部1701の下方に配列された各種のボタンを操作するなどして、検査や転送先を修正し、転送情報を再度確認して転送する。
【0120】
画像の転送処理が終了したら、オペレータは、Nextボタン1700Aをクリックする。それにより、患者リストLに記録されていた患者に対する検査は終了となる。このとき、たとえば、表示制御部9Aは、新たな患者が患者リストLに登録されるまでの待機画面を表示部7Aに表示させる。この待機画面としては、たとえば図4に示した患者予約画面1000などが表示される。
【0121】
[作用・効果]
この実施形態に係る医用画像診断装置1の作用及び効果について説明する。
【0122】
医用画像診断装置1は、患者リストLを記憶している。制御部9は、ルーチン検査における一連の処理の終了後に画像観察画面1400上のNextボタン1400Aがクリックされたことに対応し、前述した操作画面1000〜1700のうちのいずれかを、患者リストLに基づいて選択して表示部7Aに表示させる。
【0123】
より具体的に説明すると、制御部9は、Nextボタン1500Aがクリックされたことに対応し、まず、患者リストLに基づいて次の患者の有無を判断する。次の患者が存在する場合、制御部9は、その患者に対する検査における最初の画面として撮像位置決定操作画面1200を表示させる。一方、次の患者が存在しない場合、制御部9は、画像転送操作画面1500を表示させる。
【0124】
このような医用画像診断装置1によれば、未だに検査を施していない患者の有無に応じて次に行う処理が異なる場合に、次の患者の有無に基づいて次の処理を自動的に判断し、この次の処理を行うための操作画面を自動的に表示することができる。それにより、オペレータは、次の患者の有無を考慮して操作を使い分ける必要がなくなる。したがって、この実施形態によれば、医用画像診断装置の操作性の向上を図ることが可能である。また、この実施形態によれば、次の患者の有無の把握ミスに起因する操作のミスを回避することができる。
【0125】
[変形例]
以上に詳述した構成は、この発明を好適に実施するための一具体例に過ぎない。したがって、この発明の要旨の範囲内における各種の変形を適宜に施すことが可能である。以下に変形例を説明する。
【0126】
上記の実施形態では、Nextボタン1400Aに対する操作をトリガとして、次の患者の有無を判断して操作画面を選択表示するようになっているが、別のトリガを用いることも可能である。たとえば、マウスメニュー(右クリック等により表示されるメニュー)やマウスホイール(マウスに搭載された回転式の操作手段)による操作をトリガとすることができる。また、キーボードの所定のキーに対する操作をトリガとすることもできる。更に、医用画像診断装置の専用のコントロールパネル上に設けられた操作手段に対する操作をトリガにしてもよい。
【0127】
上記の実施形態では、画像の印刷処理を行った後に、次の患者の有無を判断して操作画面を選択表示するようになっているが、印刷処理以外の処理の終了後に、当該判断処理及び表示処理を行うように構成してもよい。たとえば、画像の印刷を行わない場合には、本撮像の終了後や画像観察の終了後に所定の操作を行うことにより、当該判断処理及び表示処理に移行するように構成することが可能である。
【0128】
また、上記の実施形態では、次の患者が存在しない場合には画像の転送処理に移行するようになっているが、画像の転送を行わない場合などにおいては、たとえば上記の待機画面を表示させるなどの構成を採用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0129】
【図1】この発明に係る医用画像診断装置の好適な実施の形態の構成の一例を表す概略ブロック図である。
【図2】この発明に係る医用画像診断装置の好適な実施の形態における患者リストの一例を表す概略図である。
【図3】この発明に係る医用画像診断装置の好適な実施の形態の使用形態の一例を表すフローチャートである。
【図4】この発明に係る医用画像診断装置の好適な実施の形態の使用形態において表示される表示画面の一例を表す概略図である。
【図5】この発明に係る医用画像診断装置の好適な実施の形態の使用形態において表示される表示画面の一例を表す概略図である。
【図6】この発明に係る医用画像診断装置の好適な実施の形態の使用形態において表示される表示画面の一例を表す概略図である。
【図7】この発明に係る医用画像診断装置の好適な実施の形態の使用形態において表示される表示画面の一例を表す概略図である。
【図8】この発明に係る医用画像診断装置の好適な実施の形態の使用形態において表示される表示画面の一例を表す概略図である。
【図9】この発明に係る医用画像診断装置の好適な実施の形態の使用形態において表示される表示画面の一例を表す概略図である。
【図10】この発明に係る医用画像診断装置の好適な実施の形態の使用形態において表示される表示画面の一例を表す概略図である。
【図11】この発明に係る医用画像診断装置の好適な実施の形態の使用形態において表示される表示画面の一例を表す概略図である。
【符号の説明】
【0130】
1 医用画像診断装置
2 データ収集部
3 画像生成部
4 画像記憶部
Fi 画像ファイル
5 オーダ受付部
6 リスト記憶部
L 患者リスト
7 ユーザインターフェイス
7A 表示部
7B 操作部
8 通信部
9 制御部
9A 表示制御部
9B リスト制御部
9C 患者判断部
100 オーダ端末
200 RIS
300 イメージャ
400 外部装置
1000 患者予約画面
1100 検索キー設定画面
1200 撮像位置決定操作画面
1300 撮像操作画面
1400 画像観察画面
1500 画像転送画面
1600 ネットワークウィンドウ
1700 転送情報確認画面
1400A、1500A、1700A Nextボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体の体内の形態又は機能を反映したデータを取得する処理、及び該取得されたデータに基づいて画像を生成する処理を含む一連の処理を実行する医用画像診断装置であって、
前記一連の処理を施す予定の被検体の有無を表す予定情報を記憶する記憶手段と、
前記一連の処理を実行するための操作を行うための複数の操作画面を表示する表示手段と、
操作手段と、
一つの前記一連の処理の終了後に前記操作手段により所定の操作がなされたときに、次の前記一連の処理を実行するための操作を行うための操作画面を、前記予定情報に基づいて前記複数の操作画面のうちから選択して前記表示手段に表示させる制御手段と、
を備えることを特徴とする医用画像診断装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記一連の処理のうちの最後の処理において表示される操作画面上に所定のソフトキーを表示させ、前記所定の操作として該ソフトキーが操作されたときに、前記いずれかの操作画面を選択して表示させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の医用画像診断装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記所定の操作がなされたときに、前記予定情報に基づいて前記一連の処理が未だに施されていない被検体が存在するか否かを判断し、該被検体が存在すると判断されたときに、前記データの取得を行うための操作画面を前記表示手段に表示させる、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の医用画像診断装置。
【請求項4】
ネットワークを通じて外部装置にデータを送信する送信手段を更に備え、
前記制御手段は、前記所定の操作がなされたときに、前記予定情報に基づいて前記一連の処理が未だに施されていない被検体が存在するか否かを判断し、該被検体が存在しないと判断されたときに、前記送信手段を制御して前記画像を前記外部装置に送信させる、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の医用画像診断装置。
【請求項5】
前記複数の操作画面は、前記一連の処理のうちの最初の処理として被検体の撮像位置を決定するための撮像位置決定操作画面と、前記一連の処理のうちの最後の処理として前記画像を印刷するための印刷操作画面とを含み、
前記制御手段は、前記印刷操作画面上に所定のソフトキーを表示させ、前記所定の操作として該ソフトキーが操作されたときに、前記予定情報に基づいて前記一連の処理が未だに施されていない被検体が存在するか否かを判断し、該被検体が存在すると判断されたときに、前記撮像位置決定操作画面を前記表示手段に表示させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の医用画像診断装置。
【請求項6】
ネットワークを通じて外部装置にデータを送信する送信手段を更に備え、
前記複数の操作画面は、前記一連の処理のうちの最後の処理として前記画像を印刷するための印刷操作画面と、前記画像を外部装置に送信するための画像送信操作画面とを含み、
前記制御手段は、前記印刷操作画面上に所定のソフトキーを表示させ、前記所定の操作として該ソフトキーが操作されたときに、前記予定情報に基づいて前記一連の処理が未だに施されていない被検体が存在するか否かを判断し、該被検体が存在しないと判断されたときに、前記画像送信操作画面を前記表示手段に表示させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の医用画像診断装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−212184(P2008−212184A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−49548(P2007−49548)
【出願日】平成19年2月28日(2007.2.28)
【公序良俗違反の表示】
特許法第64条第2項第4号の規定により図面の一部または全部を不掲載とする。
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【出願人】(594164531)東芝医用システムエンジニアリング株式会社 (892)
【Fターム(参考)】