説明

医用装置、超音波診断装置及び検査手技登録プログラム

【課題】医用装置、特に超音波診断装置において、検査手技の入力に関するサービスエンジニアの負担やヒューマンエラーを低減し、また、病院情報システムに適宜行なわれる検査手技の追加・変更入力に対して柔軟に対応すること。
【解決手段】病院基幹のLAN12によって病院情報システム10と相互接続され、記憶装置を有する超音波診断装置11において、病院情報システム10で発行した検査予約情報を受信する検査予約情報受信部51と、記憶装置に検査手技が登録されている場合、検査予約情報の中の検査手技と記憶装置に登録された検査手技とを照合して、検査予約情報の中の検査手技が記憶装置に登録のない新規のものであるか否かを判断する新規判断部53と、その新規判断部53で判断した結果、検査予約情報の中の検査手技が新規のものであったとき、その検査手技を記憶装置に記録して登録する検査手技登録部56とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医用装置、特に超音波診断装置に発行される検査予約情報中の検査手技(検査手法)を認識して登録する医用装置、超音波診断装置及び検査手技登録プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
比較的大規模な病院等の医療機関では、病院情報システム(HIS:Hospital Information System)や放射線科情報システム(RIS:Radiology Information System)を構築しており、病院情報システムや放射線科情報システムにて患者に関する情報を集中して管理できるようになっている。このようなシステムを用いて、病院等の医療機関内における検査予約情報を管理することが可能である。
【0003】
例えば、X線撮影装置によるX線撮影が必要な患者があった場合、氏名、性別、年齢及び撮影部位等の患者情報を含んだ検査予約情報が病院内の端末から入力されると、検査予約情報は一旦、センターサーバに記憶される。その後、検査予約情報はX線撮影装置に送信される。X線技師等の撮影者は、X線撮影装置に備えられた表示装置を確認することで、どの患者の撮影を行なえばよいかを判断し、それによりX線撮影を効率的に行なうことができる(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
また、検査予約情報には患者情報のみならず、検査手技(検査手法)に関する情報を付加し、病院情報システムから超音波診断装置に、検査手技を含む検査予約情報を送信することが一般的となっている。
【特許文献1】特開2002−279063号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、検査予約情報に含まれる検査手技は病院毎にオリジナルに定義されている場合が多く、また、北米やヨーロッパ、日本等と各国毎による違いも大きい。そのため、医用装置の据付時にサービスエンジニアは各病院固有の検査手技をシステムに入力する必要があり、サービスエンジニアの負担や、入力ミス等のヒューマンエラーが問題になっていた。また、医用装置の据付後、病院情報システムに検査手技を追加したり変更したりした場合にも、それに合わせて検査手技を医用装置に追加・変更する必要があり、サービスエンジニアの負担になっていた。
【0006】
さらに、検査手技の入力はサービスエンジニアによる手動入力なので、病院情報システムに適宜行なわれる検査手技の追加・変更入力に対して、医用装置は柔軟に対応することができなかった。
【0007】
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、検査手技の入力に関するサービスエンジニアの負担やヒューマンエラーを低減できる医用装置、超音波診断装置及び検査手技登録プログラムを提供することを目的とする。
【0008】
また、本発明の他の目的は、病院情報システムに適宜行なわれる検査手技の追加・変更入力に対して柔軟に対応できる医用装置、超音波診断装置及び検査手技登録プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る医用装置は、上述した課題を解決するために、ネットワーク網によって病院情報システムと相互接続され、記憶装置を有する医用装置において、前記病院情報システムで発行した検査予約情報を受信する検査予約情報受信部と、前記記憶装置に検査手技が登録されている場合、前記検査予約情報の中の検査手技と前記記憶装置に登録された検査手技とを照合して、前記検査予約情報の中の検査手技が前記記憶装置に登録のない新規のものであるか否かを判断する新規判断部と、前記新規判断部で判断した結果、前記検査予約情報の中の検査手技が新規のものであったとき、その検査手技を前記記憶装置に記録して登録する検査手技登録部とを有する。
【0010】
本発明に係る超音波診断装置は、上述した課題を解決するために、ネットワーク網によって病院情報システムと相互接続され、記憶装置を有する超音波診断装置において、前記病院情報システムで発行した検査予約情報を受信する検査予約情報受信部と、前記記憶装置に検査手技が登録されている場合、前記検査予約情報の中の検査手技と前記記憶装置に登録された検査手技とを照合して、前記検査予約情報の中の検査手技が前記記憶装置に登録のない新規のものであるか否かを判断する新規判断部と、前記新規判断部で判断した結果、前記検査予約情報の中の検査手技が新規のものであったとき、その検査手技を前記記憶装置に記録して登録する検査手技登録部とを有する。
【0011】
本発明に係る検査手技登録プログラムは、上述した課題を解決するために、ネットワーク網によって病院情報システムと相互接続され、記憶装置を有するコンピュータに、前記病院情報システムで発行した検査予約情報を受信する検査予約情報受信機能と、前記記憶装置に検査手技が登録されている場合、前記検査予約情報の中の検査手技と前記記憶装置に登録された検査手技とを照合して、前記検査予約情報の中の検査手技が前記記憶装置に登録のない新規のものであるか否かを判断する新規判断機能と、前記新規判断機能によって判断した結果、前記検査予約情報の中の検査手技が新規のものであったとき、その検査手技を前記記憶装置に記録して登録する検査手技登録機能とを実現させる。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る医用装置、超音波診断装置及び検査手技登録プログラムによると、検査手技の入力に関するサービスエンジニアの負担やヒューマンエラーを低減できる。
【0013】
また、本発明に係る医用装置、超音波診断装置及び検査手技登録プログラムによると、病院情報システムに適宜行なわれる検査手技の追加・変更入力に対して柔軟に対応できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明に係る医用装置、超音波診断装置及び検査手技登録プログラムの実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
【0015】
図1は、本発明に係る医用装置及び超音波診断装置の実施の形態を示す概略図である。
【0016】
図1は、病院情報システム(HIS:Hospital Information System)10と、医用装置11、例えば超音波診断装置11aとが備えられ、病院情報システム10及び超音波診断装置11aは、ネットワーク、例えば病院基幹のLAN(Local Area Network)12によって相互接続される。なお、医用装置11は超音波診断装置11aに限定されるものではなく、X線撮影装置、CT(Computerized Tomography)装置及びMRI(Magnetic Resonance Imaging)装置等であってもよい。
【0017】
病院情報システム10には、一般的には病院の受付に設置され、患者の検査予約情報を入力する受付端末21と、検査予約情報を格納するサーバ22とが設けられる。
【0018】
超音波診断装置11aは、コンピュータをベースとして構成されており、超音波プローブ31、送受信回路32、画像生成回路33、画像処理回路34、CPU(Central Processing Unit)35、メモリ36、HD(Hard Disc)37、通信制御装置38、表示装置39及び入力装置40等のハードウェアで構成される。CPU35は、共通信号伝送路としてのバスBを介して、超音波診断装置11aを構成する各ハードウェア構成要素に相互接続されている。なお、超音波診断装置11aには、記録媒体41用のドライブ42を具備する場合もある。
【0019】
超音波プローブ31は、その一方の先端に圧電振動子等の振動子(図示しない)を備えており、被検体に対して超音波の送受信を行なうことが可能である。
【0020】
送受信回路32は、CPU35の指示によって超音波プローブ31を駆動するための信号を発生する共に、超音波プローブ31で受信された信号の処理を行なう。また、送受信回路32は、CPU35の指示によって超音波画像が得られるように超音波ビームの方向を順次変えて生体断面のスキャンを行なう。
【0021】
画像生成回路33は、CPU35の指示によって送受信回路32から出力される超音波エコー信号に基づいて超音波画像を生成する。画像生成回路33は、B(Brightness)モード、CFM(Color Flow Mapping)モード及びドプラモード等の画像生成モードに応じて必要な信号処理を行なう。
【0022】
画像処理回路34は、CPU35の指示によって画像生成回路33で生成された超音波画像と文字及びグラフィック画像を合成して表示画像を生成する。
【0023】
CPU35は、超音波診断装置11a全体を制御する制御部であり、メモリ36やHD37に記憶している検査手技登録プログラム等のプログラム、LAN12から転送され通信制御装置38で受信されてHD37にインストールされたプログラム、又はドライブ42に装着された記録媒体41から読み出されてHD37にインストールされたプログラムを、メモリ36にロードして実行する。
【0024】
メモリ36は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等の要素を兼ね備え、IPL(Initial Program Loading)及びBIOS(Basic Input/Output System)や、CPU35のワークメモリやデータの一時的な記憶に用いたりする記憶装置である。
【0025】
HD37は、不揮発性の半導体メモリ等によって構成される。HD37は、超音波診断装置11aにインストールされたプログラム(アプリケーションプログラムの他、OS等も含まれる)等を記憶する記憶装置である。また、OSに、ユーザに対する情報の表示にグラフィックを多用し、基礎的な操作を入力装置40によって行なうことができるGUI(Graphical User Interface)を提供させることもできる。
【0026】
通信制御装置38は、例えば、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)1394ポートや、USB(Universal Serial Bus)ポート、LAN(Local Area Network)接続用のNIC(Network Interface Card)等で構成された通信I/F(Inter Face)であり、各規格に応じた通信制御を行なう。また、通信制御装置38は、アナログモデムや、TA(Terminal Adapter)及びDSU(Digital Service Unit)、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)モデム等の電話回線を通じて、LAN12に接続することができる機能を有しており、これにより、超音波診断装置11aは、通信制御装置38からLAN12に接続することができる。
【0027】
表示装置39としては、CRT(Cathode Ray Tube)等が挙げられ、画像処理回路34で生成した表示画像を表示したり、後述する登録許可画面を表示したりする。
【0028】
入力装置40としては、ユーザ操作が可能なキーボード及びマウス等が挙げられ、操作に従った入力信号がCPU35に送られる。
【0029】
ドライブ42は、記録媒体41の着脱が可能となっており、記録媒体41と一体となって記憶装置として機能する。ドライブ42は、記録媒体41に記録されたデータを読み出して、バスB上に出力し、また、バスBを介して供給されるデータを記録媒体41に書き込む。ここで、CPU35が実行する検査手技登録プログラムは、記録媒体41に、一時的あるいは永続的に格納(記録)することもできる。このような記録媒体41は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することができる。
【0030】
ここで、超音波診断装置11aのHD37等の記憶装置は、検査手技登録プログラム、画像生成回路33で生成した超音波画像、及び、画像処理回路34で生成した表示画像を記憶する。また、超音波診断装置11aの記憶装置には、必要に応じて、サービスエンジニアによってIHE(Integrating the Healthcare Enterprise)が2004年度に公開した検査手技(検査手法)を記録することで、検査手技を登録することができる。また、記憶装置には、任意の検査手技を記録することで、検査手技を登録することができる。
【0031】
図2は、本発明に係る検査手技登録プログラムの実施の形態を示し、検査手技登録プログラムを実行することによる超音波診断装置11aの機能ブロック図である。
【0032】
超音波診断装置11aは、CPU35(図1に示す)によって検査手技登録プログラムが実行されることによって、検査予約情報受信部51、タグ属性抽出部52、新規判断部53、検査手技表示制御部54、検査手技登録判断部55及び検査手技登録部56として機能する。
【0033】
検査予約情報受信部51は、病院情報システム10(図1に示す)で発行した検査予約情報を受信する機能を有する。すなわち、病院の受付に設置される受付端末21で発行した検査予約情報をサーバ22に格納し、そのサーバ22からその日に予約されている検査の通知を検査予約情報受信部51が受信することで、医師及び検査技師等の超音波診断装置11aのオペレータは、その日の超音波診断装置11aの検査予定を知ることができる。
【0034】
タグ属性抽出部52は、検査予約情報受信部51で受信した検査予約情報の中から検査手技に関する単数又は複数のタグ名をキーワードとして、単数又は複数のタグ属性を抽出する機能を有する。
【0035】
新規判断部53は、HD37等の記憶装置に既に検査手技が登録されている場合、検査予約情報受信部51で受信した検査予約情報の中の検査手技と、記憶装置に既に登録されている検査手技とを照合して、検査予約情報の中の検査手技が記憶装置に登録のない新規のものであるか否かを判断する機能を有する。また、新規判断部53は、記憶装置に検査手技が登録されていない場合、検査予約情報の中の検査手技を新規のものと判断する機能を有する。
【0036】
具体的には、新規判断部53は、記憶装置に既に検査手技が登録されている場合、タグ属性抽出部52で抽出したタグ属性及びそのタグ情報と、記憶装置に登録された検査手技を構成する検査手技属性及びその属性情報とをそれぞれ照合して、検査予約情報の中の検査手技が記憶装置に登録のない新規のものであるか否かを判断する。
【0037】
検査手技表示制御部54は、新規判断部53で判断した結果、検査予約情報受信部51で受信した検査予約情報の中の検査手技が新規のものであった場合、検査予約情報の中の検査手技の登録許可画面を表示装置39(図1に示す)に表示させる機能を有する。
【0038】
検査手技登録判断部55は、新規判断部53で判断した結果、検査予約情報受信部51で受信した検査予約情報の中の検査手技が新規のものであった場合、その検査手技を登録するか否かを判断する機能を有する。
【0039】
検査手技登録部56は、検査手技登録判断部55で判断した結果、検査予約情報受信部51で受信した検査予約情報の中の検査手技を登録する場合、その検査手技をHD37等の記憶装置に記録して登録(追加記録)する機能を有する。
【0040】
なお、検査手技表示制御部54及び検査手技登録判断部55を有さなくてもよい。その場合、新規判断部53で判断した結果、検査予約情報受信部51で受信した検査予約情報の中の検査手技が新規のものであったとき、検査手技登録部56は、検査手技を記憶装置に記録して登録する。
【0041】
続いて、医用装置11としての超音波診断装置11aの動作について、図3に示したフローチャートを用いて説明する。
【0042】
図1に示した病院基幹のLAN12への超音波診断装置11aの据付時において、必要であれば、サービスエンジニアは入力装置40を用いて所要の検査手技(検査手法)、例えばIHE(Integrating the Healthcare Enterprise)が2004年度に公開した検査手技を記録して登録する(ステップS1)。
【0043】
図4及び図5は、IHE公開の検査手技の一例を表として示す図である。
【0044】
図4及び図5に示す各検査手技(検査手技1乃至27)は、検査手技属性「Req Procedure」、「SPS(Scheduled Procedure Step) Description」、「Protocol Code」、「Protocol Code Meaning」及び「Coding Scheme Designator」に関する属性情報によって区別される。なお、検査手技属性「Req Procedure」はモダリティの区別を、「SPS Description」は胸部や腹部等の検査の大項目を、「Protocol Code」は検査の小項目を、「Protocol Code Meaning」は検査の小項目の意味を、「Coding Scheme Designator」は属性情報の規定を行なった団体をそれぞれ表している。
【0045】
ここで、検査手技は、図4及び図5に示す検査手技属性の他、病院等の医療機関を表す検査手技属性「Scenario」、モダリティ名を表す検査手技属性「Mod」、及び、モダリティのAE(Application Entity)タイトルを表す検査手技属性「Modality AE Titles」によって区別されてもよい。
【0046】
図1に示した超音波診断装置11aのCPU35によって検査手技登録プログラムが読み込まれて実行されることによって、図2に示した検査予約情報受信部51は、病院情報システム10で発行した検査予約情報を受信する(ステップS2)。超音波診断装置11aは、一般的に病院の受付に設置されるサーバ21からその日に予約されている検査が通知され、医師や検査技師等の超音波診断装置11aを操作するオペレータはその日の検査予定を知ることができる。
【0047】
図6は、検査予約情報の一例を表として示す図である。
【0048】
検査予約情報は、医用情報を共通化するために米国で標準化された規格であるDICOM(Digital Imaging and Communication in Medicine)規格で定められたタグ名と、タグ名毎の属性を示すタグ属性と、タグ名毎のタグ情報とから構成される。なお、図6に示した検査予約情報では、検査予約情報の中の検査手技に関するタグ属性のタグ情報の箇所のみに情報を表記し、検査予約情報の中の検査手技に関するタグ属性以外のタグ情報の箇所に存在する情報は便宜上「×××××」と表記している。
【0049】
図2に示したタグ属性抽出部52は、検査予約情報受信部51で受信した検査予約情報の中から検査手技に関するタグ名をキーワードとして単数又は複数のタグ属性を抽出する(ステップS3)。例えば、図6に示した検査予約情報の中から検査手技に関する複数のタグ名「(0040,0007)」,「(0040,0008)」,「(0008,0100)」,「(0008,0102)」,「(0008,0103)」,「(0008,0104)」及び「(0032,1060)」をキーワードとして複数のタグ属性を抽出する。
【0050】
新規判断部53は、記憶装置に既に検査手技が登録されている場合、タグ属性抽出部52で抽出したタグ属性及びそのタグ情報と、記憶装置に登録された検査手技を構成する検査手技属性及びその属性情報とをそれぞれ照合して、検査予約情報の中の検査手技が記憶装置に登録のない新規のものであるか否かを判断する(ステップS4)。又は、新規判断部53は、記憶装置に検査手技が登録されていない場合、検査予約情報の中の検査手技を新規のものと判断する(ステップS4)。
【0051】
具体的には、新規判断部53は、記憶装置に既に検査手技が登録されている場合、タグ属性抽出部52で抽出したタグ属性及びそのタグ情報と、記憶装置に既に登録されている検査手技を構成する検査手技属性及びその属性情報とを照合して、検査予約情報受信部51で受信した検査予約情報の中の検査手技が記憶装置に登録のない新規のものであるか否かを判断する。
【0052】
例えば、新規判断部53は、第1に、図6に示した検査予約情報の中の検査手技に関するタグ名「(0040,0007)」に相当するタグ属性「Scheduled Procedure Step Description」及びそのタグ情報と、図4及び図5に示し既に登録された検査手技を構成する検査手技属性「SPS Description」及びその属性情報とを照合し、第2に、検査予約情報の中の検査手技に関するタグ名「(0008,0100)」に相当するタグ属性「Coding Value」及びそのタグ情報と、既に登録された検査手技を構成する検査手技属性「Protocol Code」及びその属性情報とを照合し、第3に、検査予約情報の中の検査手技に関するタグ名「(0008,0102)」に相当するタグ属性「Coding Scheme Designator」及びそのタグ情報と、既に登録された検査手技を構成する検査手技属性「Coding Scheme Designator」及びその属性情報とを照合し、第4に、検査予約情報の中の検査手技に関するタグ名「(0008,0104)」に相当するタグ属性「Code Meaning」及びそのタグ情報と、既に登録された検査手技を構成する検査手技属性「Protocol Code Meaning」及びその属性情報とを照合し、第5に、検査予約情報の中の検査手技に関するタグ名「(0032,1060)」に相当するタグ属性「Requested Procedure Description」及びそのタグ情報と、既に登録された検査手技を構成する検査手技属性「Req Procedure」及びその属性情報とをそれぞれ照合する。新規判断部53は、タグ情報と属性情報との第1乃至第5の照合が全て一致した場合、検査予約情報受信部51で受信した検査予約情報の中の検査手技が新規のものであると判断する。
【0053】
ステップS4の判断にてYes、すなわち、検査予約情報受信部51で受信した検査予約情報の中の検査手技が新規のものであると判断された場合、検査手技表示制御部54は、超音波診断装置11aの表示装置39に、検査予約情報の中の検査手技の登録許可画面を表示させる(ステップS5)。
【0054】
図7は、検査手技の登録許可画面の一例を示す図である。
【0055】
図7に示した検査手技の登録許可画面には、図6に示した検査予約情報の中の検査手技に関するタグ属性及びそのタグ情報を表示させる。
【0056】
一方、ステップS4の判断にてNo、すなわち、図2に示した検査予約情報受信部51で受信した検査予約情報の中の検査手技が新規のものではないと判断された場合、検査手技登録プログラムを終了する。医師及び技師等のオペレータは、超音波診断装置11aを用いて、検査予約情報受信部51で受信した検査予約情報の中の検査手技に従ったルーチンの検査を行なう。
【0057】
検査手技登録判断部55は、新規判断部53で判断した結果、検査予約情報受信部51で受信した検査予約情報の中の検査手技が新規のものであった場合、その検査手技を登録するか否かを判断する(ステップS6)。ステップS6の判断にてYes、すなわち、検査手技登録判断部55が検査手技を登録すると判断する場合、検査予約情報受信部51で受信した検査予約情報の中の検査手技をHD37等の記憶装置に記録して登録(追加登録)する(ステップS7)。具体的には、図7に示した登録許可画面上の「Add(登録許可)」がオペレータによってクリックされると、検査手技登録判断部55は、登録許可画面上に表示された、検査予約情報受信部51で受信した検査予約情報の中の検査手技を登録すると判断する。
【0058】
一方、ステップS6の判断にてNo、すなわち、検査手技登録判断部55が検査手技を登録しないと判断する場合、検査手技登録プログラムを終了する。医師及び技師等のオペレータは、超音波診断装置11aを用いて、検査予約情報受信部51で受信した検査予約情報の中の検査手技に従ったルーチンの検査を行なう。具体的には、図7に示した登録許可画面上の「Ignore(登録不許可)」がオペレータによってクリックされると、検査手技登録判断部55は、登録許可画面上に表示された、検査予約情報受信部51で受信した検査予約情報の中の検査手技を登録しないと判断する。
【0059】
本発明に係る医用装置11、超音波診断装置11a及び検査手技登録プログラムによると、医用装置11や超音波診断装置11a据付時の検査手技の入力や、記憶装置に登録されていない検査手技の入力を支援することができ、検査手技の入力に関するサービスエンジニアの負担やヒューマンエラーを低減できる。
【0060】
また、本発明に係る医用装置11、超音波診断装置11a及び検査手技登録プログラムによると、医用装置11や超音波診断装置11a据付時の検査手技の入力や、記憶装置に登録されていない検査手技の入力を支援することができ、病院情報システム10に適宜行なわれる検査手技の追加・変更入力に対して柔軟に対応できる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明に係る医用装置及び超音波診断装置の実施の形態を示す概略図。
【図2】本発明に係る検査手技登録プログラムの実施の形態を示す機能ブロック図。
【図3】医用装置としての超音波診断装置の動作を示すフローチャート。
【図4】IHE公開の検査手技の一例を表として示す図。
【図5】IHE公開の検査手技の一例を表として示す図。
【図6】検査予約情報の一例を表として示す図。
【図7】検査手技の登録許可画面の一例を示す図。
【符号の説明】
【0062】
10 病院情報システム
11 医用装置
11a 超音波診断装置
39 表示装置
40 入力装置
51 検査予約情報受信部
52 タグ属性抽出部
53 新規判断部
54 検査手技表示制御部
55 検査手技登録部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク網によって病院情報システムと相互接続され、記憶装置を有する医用装置において、
前記病院情報システムで発行した検査予約情報を受信する検査予約情報受信部と、
前記記憶装置に検査手技が登録されている場合、前記検査予約情報の中の検査手技と前記記憶装置に登録された検査手技とを照合して、前記検査予約情報の中の検査手技が前記記憶装置に登録のない新規のものであるか否かを判断する新規判断部と、
前記新規判断部で判断した結果、前記検査予約情報の中の検査手技が新規のものであったとき、その検査手技を前記記憶装置に記録して登録する検査手技登録部とを有することを特徴とする医用装置。
【請求項2】
前記記憶装置に検査手技が登録されていない場合、前記新規判断部は、前記検査予約情報の中の検査手技を新規のものと判断することを特徴とする請求項1に記載の医用装置。
【請求項3】
前記検査予約情報受信部で受信した前記検査予約情報の中から検査手技に関するタグ名をキーワードとしてタグ属性を抽出するタグ属性抽出部を有し、前記新規判断部は、前記タグ属性抽出部で抽出した前記タグ属性及びそのタグ情報と前記記憶装置に登録された検査手技を構成する検査手技属性及びその属性情報とをそれぞれ照合して、前記検査予約情報の中の検査手技が前記記憶装置に登録のない新規のものであるか否かを判断することを特徴とする請求項1に記載の医用装置。
【請求項4】
前記医用装置は表示装置及び入力装置を有し、前記新規判断部で判断した結果、前記検査予約情報の中の検査手技が新規のものであったとき、前記検査予約情報の中の検査手技の登録許可画面を前記表示装置に表示させる検査手技表示制御部と、前記入力装置によって前記登録許可画面上で登録許可が入力されたとき、前記検査予約情報の中の検査手技を前記記憶装置に登録すると判断する検査手技登録判断部とを有し、その検査手技登録判断部で前記検査予約情報の中の検査手技を前記記憶装置に登録すると判断した場合に前記検査手技登録部は、前記検査予約情報の中の検査手技を前記記憶装置に記録して登録することを特徴とする請求項1に記載の医用装置。
【請求項5】
ネットワーク網によって病院情報システムと相互接続され、記憶装置を有する超音波診断装置において、
前記病院情報システムで発行した検査予約情報を受信する検査予約情報受信部と、
前記記憶装置に検査手技が登録されている場合、前記検査予約情報の中の検査手技と前記記憶装置に登録された検査手技とを照合して、前記検査予約情報の中の検査手技が前記記憶装置に登録のない新規のものであるか否かを判断する新規判断部と、
前記新規判断部で判断した結果、前記検査予約情報の中の検査手技が新規のものであったとき、その検査手技を前記記憶装置に記録して登録する検査手技登録部とを有することを特徴とする超音波診断装置。
【請求項6】
前記記憶装置に検査手技が登録されていない場合、前記新規判断部は、前記検査予約情報の中の検査手技を新規のものと判断することを特徴とする請求項5に記載の超音波診断装置。
【請求項7】
前記検査予約情報受信部で受信した前記検査予約情報の中から検査手技に関するタグ名をキーワードとしてタグ属性を抽出するタグ属性抽出部を有し、前記新規判断部は、前記タグ属性抽出部で抽出した前記タグ属性及びそのタグ情報と前記記憶装置に登録された検査手技を構成する検査手技属性及びその属性情報とをそれぞれ照合して、前記検査予約情報の中の検査手技が前記記憶装置に登録のない新規のものであるか否かを判断することを特徴とする請求項5に記載の超音波診断装置。
【請求項8】
前記超音波診断装置は表示装置及び入力装置を有し、前記新規判断部で判断した結果、前記検査予約情報の中の検査手技が新規のものであったとき、前記検査予約情報の中の検査手技の登録許可画面を前記表示装置に表示させる検査手技表示制御部と、前記入力装置によって前記登録許可画面上で登録許可が入力されたとき、前記検査予約情報の中の検査手技を前記記憶装置に登録すると判断する検査手技登録判断部とを有し、その検査手技登録判断部で前記検査予約情報の中の検査手技を前記記憶装置に登録すると判断した場合に前記検査手技登録部は、前記検査予約情報の中の検査手技を前記記憶装置に記録して登録することを特徴とする請求項5に記載の超音波診断装置。
【請求項9】
ネットワーク網によって病院情報システムと相互接続され、記憶装置を有するコンピュータに、
前記病院情報システムで発行した検査予約情報を受信する検査予約情報受信機能と、
前記記憶装置に検査手技が登録されている場合、前記検査予約情報の中の検査手技と前記記憶装置に登録された検査手技とを照合して、前記検査予約情報の中の検査手技が前記記憶装置に登録のない新規のものであるか否かを判断する新規判断機能と、
前記新規判断機能によって判断した結果、前記検査予約情報の中の検査手技が新規のものであったとき、その検査手技を前記記憶装置に記録して登録する検査手技登録機能とを実現させることを特徴とする検査手技登録プログラム。
【請求項10】
前記記憶装置に検査手技が登録されていない場合、前記新規判断部機能によって前記検査予約情報の中の検査手技を新規のものと判断することを特徴とする請求項9に記載の検査手技登録プログラム。
【請求項11】
前記コンピュータに、前記検査予約情報受信機能によって受信した前記検査予約情報の中から検査手技に関するタグ名をキーワードとしてタグ属性を抽出するタグ属性抽出機能を実現させ、前記新規判断機能によって、前記タグ属性抽出部で抽出した前記タグ属性及びそのタグ情報と前記記憶装置に登録された検査手技を構成する検査手技属性及びその属性情報とをそれぞれ照合して、前記検査予約情報の中の検査手技が前記記憶装置に登録のない新規のものであるか否かを判断することを特徴とする請求項9に記載の検査手技登録プログラム。
【請求項12】
前記コンピュータは表示装置及び入力装置を有し、前記コンピュータに、前記新規判断機能によって判断した結果前記検査予約情報の中の検査手技が新規のものであったとき、前記検査予約情報の中の検査手技の登録許可画面を前記表示装置に表示させる検査手技表示制御機能と、前記入力装置によって前記登録許可画面上で登録許可が入力されたとき、前記検査予約情報の中の検査手技を前記記憶装置に登録すると判断する検査手技登録判断機能とを実現させ、その検査手技登録判断機能によって前記検査予約情報の中の検査手技を前記記憶装置に登録すると判断した場合に、前記検査手技登録機能によって前記検査予約情報の中の検査手技を前記記憶装置に記録して登録することを特徴とする請求項9に記載の検査手技登録プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−190183(P2007−190183A)
【公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−11049(P2006−11049)
【出願日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【出願人】(594164531)東芝医用システムエンジニアリング株式会社 (892)
【Fターム(参考)】