説明

医療データ管理システム、医療データ管理プログラム、及び医療データ管理方法

【課題】 投薬の期限管理を行いながら臨床試験データを一元管理して最適な投薬をするシステム、プログラム、方法を提供する。
【解決手段】 患者を選択し、同意を取得して仮登録を行う(S1)。該情報は医師からデータセンタへ送信される。患者に対して所定期間に亘って基礎薬だけを投与して血圧データを収集する。目標未達の患者に対し(S3)、第1段階で基礎薬と割り付けられた薬剤とを併用投与する。目標未達の患者に対し第2段階で基礎薬を増量投与する。それでも降圧目標未達の患者に対し第3段階で割付られた薬剤を増量投与する。目標未達の患者に対し、医師の指示に基づく他の降圧薬を投与する(S4)。投薬情報はサーバから逐一データセンタの端末へ通知される。サーバは複数の医療機関のデータを保有しているので医療データの相互利用ができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬品情報を適正に収集・管理する医療データ管理システム、プログラム、及び医療データ管理方法に関する。また、医薬品の臨床試験に際して適切な患者を選択し、症状に応じて投薬の種類と投薬量等の投薬情報を提示する医療データ管理システム、プログラム、及び医療データ管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、大学病院や総合病院などにおいては、医師が患者の症状などに応じて投薬の種類と薬量の最適と考える組合せを選択して患者への投与を行っている。また、過去の診療データをデータベースに蓄積し、蓄積された診療データを任意の端末において随時取り出すことができる医療データ管理システムに関する技術も開示されている。この技術によれば、必要な時に迅速に過去の医療データを取り出すことができるので、緊急患者などに対して適切な処置を施すことができる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、医師から送信されたWeb情報やFAXなどを利用し、臨床試験データを収集する臨床試験の試験デザインとして、高リスクの本態性高血圧患者にアンジオテンシンII受容体拮抗薬またはCa拮抗薬を投与して心血管系イベント発生率を比較する、大規模介入試験に関する資料も知られている(例えば、非特許文献1参照)。さらに、心房細動の薬物療法に関する多施設共同無作為化比較試験−洞調律維持治療と心拍数調節治療との比較試験−に関する資料も知られている(例えば、非特許文献2参照)。また、電子血圧計を用いた客観的な高血圧治療に関する研究(多施設前向き無作為オープンに関する資料)なども知られている(例えば、非特許文献3参照)。
【特許文献1】特開2002−366655号公報(段落番号0015〜0059、図1〜図2)
【非特許文献1】CASE-J(Candesartan Antihypertensive Survival Evaluation in Japan)http://www.ebm.ne.jp/ku/casej/casej_index.html
【非特許文献2】J-RHYTHM(Japanese Rhythm Management Trial for Atrial Fibrillation)http://application.ebm.ac/j-rhythm/jrhythmplot.html
【非特許文献3】HOMED_BP http://www.cpt.med.tohoku.ac.jp/HOMED-BP/frame.htm
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、一般的に、患者の診療経過や治療結果などは各病院に保管されているので、上記の特許文献や非特許文献に報告されている技術や上記従来の医療データ管理システムでは、病院間において医療データの相互利用や共有・共用などを行うことができない。また、投薬の管理を行いながら臨床試験データを一元管理して適切な投薬情報を提示する医療データ管理システムに関する技術も存在していない。
【0005】
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、投薬の管理を行いながら臨床試験データを一元管理して適切な投薬情報を提示する医療データ管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の医療データ管理システムは、前記の目的を達成するために創案されたものであり、医薬品の投薬効果に関する情報を収集して管理を行う医療データ管理システムであって、適切な症状の患者の患者情報を入力する端末と、この端末から取得した患者情報が所定の条件に合致するか否かを判断して合致する患者を登録するとともに、当該患者の患者情報に基づいて投薬情報を提示するサーバとを備える構成とした。かかる構成によれば、サーバは端末から取得した患者情報から所定の条件に合致する患者を抽出して、当該患者の患者情報に基づいて投薬情報を提示するので、当該患者に対して適切な投薬治療を行うことができる。
【0007】
また、本発明の医療データ管理システムにおいては、前記サーバは、最適な投薬情報を提供してから所定の期間が経過した時点で当該患者の治療効果が目標値に達したときは、同一の基礎薬の投与を継続する旨の投薬情報を提示し、治療効果が目標値に達していないときは、同一の基礎薬と、あらかじめ割り付けられた、基礎薬の作用機序とは異なる他の薬剤(以下、試験薬という)とを併用投与する旨の投薬情報を提示するように構成した。かかる構成によれば、同一の基礎薬によって所定期間に亘って治療を続けても治療効果が目標値に達していないときは、同一の基礎薬と割り付けられた試験薬とを併用投与するので治療効果の期待は高まる。
また、本発明の医療データ管理システムにおいては、前記サーバは、同一の基礎薬と割り付けられた試験薬とを併用投与してもその患者の治療効果が目標値に達していないときは、同一の基礎薬の治療効果に応じてあらかじめ割り付けられた量を増量して投与を継続する旨の投薬情報を提示するように構成した。かかる構成によれば、同一の基礎薬と割り付けられた試験薬とを併用投与して所定期間に亘って治療を続けても治療効果が目標値に達していないときは、同一の基礎薬を増量して投与するので治療効果の期待はさらに高まる。
【0008】
また、本発明の医療データ管理システムにおいては、前記サーバは、当該患者の治療効果が目標値に達していないときは、割り付けられた試験薬の治療効果に応じてあらかじめ割り付けられた量を増量して投与を継続する旨の投薬情報を提示するように構成した。かかる構成によれば、所定期間に亘って治療を続けても治療効果が表われないときは、割り付けられた試験薬を増量して投与するので治療効果の期待はさらに高まる。
また、本発明の医療データ管理システムにおいては、前記サーバは、当該患者の治療効果が目標値に達していないときは、医師の判断に基づいて決定すべき、基礎薬及び割り付けられた試験薬とは異なるその他の薬剤を投与する旨の投薬情報を提示するように構成した。かかる構成によれば、所定期間に亘って治療を続けても治療効果が目標値に達していないときは、基礎薬及び割り付けられた試験薬とは異なるその他の薬剤を投与するので治療効果の期待は一段と高まる。
【0009】
また、本発明の医療データ管理システムにおいては、前記サーバは、ネットワークを通じて複数の医療機関における患者情報を収集・保存し、端末からの患者情報の要求に基づいて、複数の医療機関における患者情報から最適な患者情報を選択して提供する機能を備える。かかる構成によれは、投薬の期限管理を行いながら臨床試験データを一元管理しているので、複数の病院間における医療データの相互利用や共有・共用などを行うことができる。
【0010】
また、本発明の医療データ管理プログラムは、医薬品の投薬効果に関する情報を収集して投薬情報管理を行う医療データ管理プログラムであって適切な症状の患者を選択して該患者の同意の有無を照合する第1のステップと、同意を得た患者に対して所定期間に亘って基礎薬を基準量投与する旨の投薬情報を提示するとともに、基礎薬を投与した患者の患者情報を収集する第2のステップと、取得した患者情報から治療効果が目標値に達していない患者を抽出し、前記基礎薬とは異なる作用機序の他の薬剤を割り付け、割り付けられた薬剤と前記基礎薬とを所定期間に亘って併用投与した患者の患者情報を収集する第3のステップと、前記第3のステップで治療効果が目標値に達していない患者を抽出し、前記基礎薬を所定期間に亘って増量投与する旨の投薬情報を提示し、該投薬情報に従って基礎薬を増量投与した患者の患者情報を収集する第4のステップと、前記第4のステップで治療効果が目標値に達していない患者を抽出し、前記割り付けられた薬剤を所定期間に亘って増量投与する旨の投薬情報を提示し、該投薬情報に従って割り付けられた薬剤を増量投与した患者の患者情報を収集する第5のステップと、前記第5のステップで治療効果が目標値に達していない患者を抽出し、医師の判断に基づいて決定すべき、前記基礎薬及び前記割り付けられた薬剤とは異なるその他の薬剤を所定の期間に亘って投与する旨の投薬情報を提示し、該投薬情報に従ってその他の薬剤を投与した患者の患者情報を収集する第6のステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の医療データ管理方法は、医薬品の投薬効果に関する情報を収集して投薬情報管理を行う医療データ管理方法であって、適切な症状の患者を選択して該患者の同意の有無を照合する第1のステップと、同意を得た患者に対して所定期間に亘って基礎薬を基準量投与する旨の投薬情報を提示し、該投薬情報に基づいて基礎薬を投与された患者の患者情報を収集する第2のステップと、取得した患者情報から治療効果が目標値に達していない患者を抽出し、その患者に対して、前記基礎薬とは異なる作用機序の他の薬剤を割り付け、割り付けられた薬剤と前記基礎薬とを所定期間に亘って併用投与する旨の投薬情報を提示し、該投薬情報に基づいて併用投与された患者の患者情報を収集する第3のステップと、前記第3のステップで治療効果が目標値に達していない患者に対して前記基礎薬を所定期間に亘って増量投与する旨の投薬情報を提示し、該投薬情報に基づいて基礎薬を増量投与された患者の患者情報を収集する第4のステップと、前記第4のステップで治療効果が目標値に達していない患者に対して前記割り付けられた薬剤を所定期間に亘って増量投与する旨の投薬情報を提示し、該投薬情報に基づいて割り付けられた薬剤を増量投与された患者の患者情報を収集する第5のステップと、前記第5のステップで治療効果が目標値に達していない患者に対して医師の判断に基づいて決定すべき、前記基礎薬及び前記割り付けられた薬剤とは異なるその他の薬剤を投与する旨の投薬情報を提示し、該投薬情報に基づいてその他の薬剤を投与された患者の患者情報を収集する第6のステップとを含むことを特徴とする
【発明の効果】
【0012】
本発明の医療データ管理システム、プログラム、方法によれば、サーバが、端末から取得した患者情報が所定の条件に合致する患者を抽出して、当該患者の患者情報に基づいて、投薬情報を提供するので、患者に対して適切な投薬治療を行うことができる。また、同一の基礎薬によって所定期間に亘って治療を続けても治療効果が目標値に達していないときは、治療効果の状況を見ながら、同一の基礎薬と割り付けられた試験薬とを併用投与したり、同一の基礎薬や割り付けられた薬剤を増量投与したりするので、治療効果の期待は一段と高まる。また、収集された医療データを解析することにより、最適な投薬の組合せや投薬量を明らかにすることができる。さらに、本発明の医療データ管理システム、プログラム、方法によれば、投薬の期限管理を行いながら臨床試験データを一元管理しているので、複数の病院間における医療データの相互利用や共有・共用などを行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら、本発明における医療データ管理システムの実施の形態について説明するが、まず、本発明における医療データ管理システムの概要について述べる。図1は、本発明の医療データ管理システムにおける薬剤投与の流れを示す概念図である。
【0014】
図1のステップS1において、まず、医師がデータ収集対象として最適な症状の患者を選択して本人の同意を得る。これが適格性の確認と同意取得の選択・除外基準となる。具体的には、試験の対象候補となる患者から、同意を取得した特定の条件に合致した患者を抽出する。または多数の患者の症状などが記録されたデータベースから同意を取得した患者で特定の条件に合致した患者を抽出する。このような登録処理を仮登録処理という。このようなステップS1の仮登録処理においては、医師から提供された患者情報をデータセンタがサーバに入力する。そして、各患者の同意があることを条件として、患者情報が特定の条件に合致する患者を抽出し、当該患者を登録する処理を行う。
【0015】
次に、ステップS2において、医師に対して基準量の基礎薬を投与する旨の投薬情報を提示して、同意を得た患者への基礎薬の投与を継続させ、所定期間が経過した後、血圧等の患者情報のデータ入力の要求及びデータ入力の確認を行う。
【0016】
次に、所定の治療期間後に血圧が降圧目標値に達していない(以下、降圧目標未達という)患者を抽出し、その患者を試験の対象として登録する。つまり、医薬品臨床試験を実行する患者に対して基礎薬を基準量投薬し(例えば、塩酸ベニジピンを4mg/日投与し)、血圧データを収集して降圧目標未達の患者を抽出して試験の対象患者とする。この期間(例えば、2週間または4〜8週間)は仮登録期間とする。尚、このときの治療効果の目標値としては、血圧の降圧目標値があげられ、例えば、65歳未満の患者の場合は130/85mmHg未満があげられ、65歳以上の患者の場合は140/90mmHg未満があげられる。
【0017】
さらに、ステップS3において、降圧目標達成の患者については原則として同一の投薬を継続するが、降圧目標未達の患者に対しては、試験薬を割り付け、割り付けられた試験薬(例えば、アンジオテンシンII受容体(AT1受容体)拮抗薬、β遮断薬、またはサイアザイト系利尿薬)を併用投与する。その後、降圧の経過を見ながら基礎薬、さらには割り付けられた試験薬を増量して投与する。つまり、ステップS3の処理においては、登録された患者に対して各試験薬(AT1受容体拮抗薬、β遮断薬、またはサイアザイト系利尿薬)を割り付ける(第1段階)。このとき、医師に対して当該患者へ試験薬を投与する旨の投薬情報を提示して、所定期間(例えば、4〜8週間)それぞれの試験薬を投与させる。その後、降圧目標未達の患者を抽出して基礎薬を増量する(例えば、塩酸ベニジピンを8mg/日)(第2段階)。この場合、医師に対して当該患者への基礎薬の投与量を増量する旨の投薬情報を提示して、所定期間(例えば、4〜8週間)増量された基礎薬の投与を継続させる。さらに、降圧目標未達の患者に対しては割り付けられた試験薬を増量する(第3段階)。この場合、医師に対して当該患者への割り付けられた試験薬の投与量を増量する旨の投薬情報を提示して、所定期間(例えば、4〜8週間)増量された基礎薬の投与とともに、増量された試験薬の投与を継続させる。尚、ある患者に薬剤を割り付ける方法としては、年齢や症状などに応じて統計的に割り付ける方法、ランダムに割り付ける方法などがあげられる。
【0018】
そして、ステップS4において、降圧目標未達の患者に対しては、基礎薬および割り付けられた試験薬を増量投与しながら、医師の判断に基づいて決定すべき、基礎薬及び割り付けられた試験薬とは異なるその他の降圧薬を適宜投与する。この場合、医師に対して当該患者への基礎薬及び割り付けられた試験薬とは異なるその他の降圧薬を決定して投与する旨の投薬情報を提示して、増量された基礎薬および試験薬の投与を継続させ、さらにその他の降圧剤を投与させる。ステップS3以降の期間(試験期間)は、所定の期間(例えば、3年間)が経過するまで、医師に対して、患者に投与した薬剤の投与情報や患者の血圧等の症状に関する経過情報などの患者情報のデータ入力の要求と確認を繰り返す。
。本発明の医療データ管理システムでは、上記の臨床試験過程において、患者の選択及び投薬情報の提示を的確に行う医薬品臨床試験システムを提供している。
【0019】
<基礎薬及び試験薬の設定の根拠>
ここで基礎薬および試験薬とする降圧剤設定の根拠について説明する。高血圧の薬剤選択の基本は、患者の年齢、重症度、危険因子の有無などに基づいて、利尿薬、交感神経抑制薬(例えば、β遮断薬,α遮断薬)、カルシウム拮抗薬(Ca拮抗薬)、アンジオテンシン変換酵素阻害薬(以下、ACE−Iと略記する)、またはアンジオテンシンII受容体(AT1受容体)拮抗薬(以下、ARBと略記する)の何れかの薬剤が基礎薬として選択される。該薬剤を投与する場合は、始めは少量より開始して適宜に投与量の調節を行う。また、副作用が認められた場合は他の薬剤に切り替える。降圧が不十分な場合には作用機序の異なる薬剤(試験薬)を併用することができる。さらに、軽症および中等症の高血圧では、まず1剤より薬剤を投与し始めるのが好ましい。
Ca拮抗剤としては、例えば、塩酸ベニジピン、ベシル酸アムロジピン、アラニジピン、塩酸エホニジピン、シルニジピン、塩酸ニカルジピン、塩酸ニカルジピン徐放剤、ニソルジピン、ニトレンジピン、ニフェジピン、ニフェジピン徐放剤、ニルバジピン、塩酸バルニジピン、フェロジピン、塩酸マニジピン、塩酸ジルチアゼム塩酸ジルチアゼム徐放剤などがあげられる。ARBとしては、例えば、ロサルタンカリウム、カンデサルタンシレキセチル、バルサルタン、テルミサルタンなどがあげられる。利尿薬としては、例えば、トリクロルメチアジド、ヒドロクロロチアジド、ベンチルヒドロクロロチアジド、ペンフルチジド、メチクロチアジド、クロルタリドン、メフルシド、メチクラン、インダパミド、トリパミドなどがあげられる。ACE−Iとしては、例えば、カプトプリル、カプトプリル徐放剤、マレイン酸エナラプリル、アラセプリル、塩酸デラプリル、シラザプリル、リシノプリル、塩酸ベセナプリル、塩酸イミダプリル、塩酸デモカプリル、塩酸キナプリル、トランドラプリル、ペリンドプリルエルブミンなどがあげられる。α遮断薬としては、例えば、ウラピジル、塩酸テラゾシン、メシル酸ドキサゾシン、塩酸ブナゾシン、塩酸ブナゾシン徐放剤、塩酸プラゾシンなどがあげられる。β遮断薬としては、例えば、アテノロール、フマル酸ビソプロロール、塩酸ベタキソロール、塩酸ベバントロール、酒石酸メトプロロール、酒石酸メトプロロール徐放剤、塩酸アセブトロール、塩酸セリプロロール、ニプラジロール、塩酸チリソロール、ナドロール、塩酸プロプラノロール、塩酸プロプラノロール徐放剤、塩酸インデノロール、塩酸カルテオロール、塩酸カルテオロール徐放剤、ピンドロール、ピンドロール徐放剤、塩酸ブニトロロール、塩酸ブニトロロール徐放剤、硫酸ペンブトロール、マロン酸ボピンドロール、塩酸アロチノロール、カルベジロールなどがあげられる。中枢性交感神経抑制薬としては、例えば、塩酸クロニジン、塩酸グアンファシン、塩酸グアナベンズ、メチルドパなどがあげられる。末梢性交感神経抑制薬としては、例えば、レセルピン、レシナミンなどがあげられる。
【0020】
また、基礎薬の投与を開始した症例で1〜3ヶ月の観察後に効果が不十分な場合は併用療法を行うこともできるが、一応その前に試験薬の単独療法に切り替えることもできる。しかし、それでも効果が十分でないときには第二次、第三次の試験薬を併用することができる。基礎薬と試験薬とを併用する場合は可能な限りお互いの欠点を相殺し合うような薬剤の組合せが好ましい。薬剤の組合せとしては、Ca拮抗薬とARB(あるいはACE−I)、Ca拮抗薬とβ遮断薬、ARB(あるいはACE−I)と利尿薬、β遮断薬とα遮断薬、または、利尿薬とβ遮断薬の組合せが好ましい。
【0021】
<薬剤の投与量および投与方法>
次に、薬剤の投与量および投与方法について説明する。患者に薬剤を投与する場合は選択・除外基準を満たす患者を選択し、図1に示すように、塩酸ベニジピン(基礎薬)4mgから開始し(図1のステップS1、S2参照)、降圧目標値に達しない場合は割付けられた薬剤を併用投与する(図1のステップS3参照)。ここで、降圧目標値に達しない場合には、実施計画書に従って降圧目標値に達するまで塩酸ベニジピンさらには割付けられた試験薬の投与量を増量する(図1のステップS3、S4参照)。このとき、所定の様式の経過報告書にその時点の投与情報及び患者の経過情報を記入する。また、降圧目標値に達した場合には、忍容性に問題がない限り当該治療を継続する。このときの試験薬投与継続期間は割付け開始後、例えば3年間とする。
【0022】
図1のステップに従って、薬剤の投与量および投与方法についてさらに詳しく説明すると、ステップS1からステップS2の過程で、仮登録時直前までに塩酸ベニジピン4mg単剤で4週間以上治療していない場合、未治療例または他の降圧薬既治療例においては、仮登録後塩酸ベニジピン4mgを4〜8週間投与し、降圧目標値に達していない場合(降圧目標未達の場合)はステップS3の割り付けに移行する。また、仮登録時直前までに塩酸ベニジピン4mg単剤で4週間以上治療している場合、仮登録後2週間以上治療を継続した後に降圧目標値未達のときもステップS3の割り付けに移行する。
【0023】
すなわち、ステップS2で降圧目標値に達しない場合(降圧目標未達の場合)は、ステップS3で、試験薬の割り付けを行い、割り付け処理の第1段階で割付けられた薬剤を併用投与する。ここで、降圧目標値に到達した場合は、割り付け処理の第1段階として次のような割り付け治療法を継続する。
第A群: 塩酸ベニジピン(4mg/日)+ARB(常用量)
第B群: 塩酸ベニジピン(4mg/日)+β遮断薬(常用量)
第C群: 塩酸ベニジピン(4mg/日)+利尿薬(このとき、年齢を考慮し常用量の1/2量または1/4量から開始する)
尚、利尿薬に関しては,1/2錠を常用量の1/2量として換算する。但し、インダパミドのみは1mg錠1錠を常用量の1/2量として換算する。
【0024】
次に、割り付け処理の第1段階で薬剤を4週間以上8週間以内投与しても降圧目標未達の場合は、割り付け処理の第2段階として、塩酸ベニジピンを8mgに増量する。尚、割り付け処理の第1段階で降圧目標値に到達した場合はこれまでの治療法を継続する。つまり、割り付け処理の第1段階が経過しても降圧目標未達の場合は、割り付け処理の第2段階として次のような割り付け治療法を継続する。
第A群: 塩酸ベニジピン(8mg/日)+ARB(常用量)
第B群: 塩酸ベニジピン(8mg/日)+β遮断薬(常用量)
第C群: 塩酸ベニジピン(8mg/日)+利尿薬(常用量の1/2量または1/4量)
【0025】
次に、割り付け処理の第2段階で薬剤を4週間以上8週間以内投与しても降圧目標未達の場合は、割り付け処理の第3段階に移行して割付けられた薬剤を増量または常用量(利尿薬)まで増量する。尚、降圧目標値に到達した場合はこれまでの治療法を継続する。つまり、割り付け処理の第2段階が経過しても降圧目標未達の場合は、割り付け処理の第3段階として次のような割り付け治療法を継続する。
第A群: 塩酸ベニジピン(8mg/日)+ARB(増量)
第B群: 塩酸ベニジピン(8mg/日)+β遮断薬(増量)
第C群: 塩酸ベニジピン(8mg/日)+利尿薬(増量)
【0026】
<投与量設定の根拠>
次に、投与量設定の根拠について説明する。本発明の医療データ管理システムでは、併用療法を必要とする高血圧患者を対象としていることから、割り付け処理の第1段階での降圧薬の投与量は一般に用いられている常用量とした。また、利尿薬に関しては、糖・脂質・電解質代謝への影響をより少なくするため常用量の1/2量または1/4量から開始する。
【0027】
ステップS4においては、割り付け処理における第3段階まで投与しても降圧目標未達の場合、基礎薬及び試験薬(カルシウム拮抗薬、ARB、β遮断薬、及び利尿薬)以外のACE−I、α遮断薬など他の降圧薬の追加投与を行ってもよい。尚、その他の降圧薬の種類および投与量は主治医の判断とする。
【0028】
また、投与量の変更については、有害事象または副作用が現れた場合には、原因と思われる試験薬の一方または両方の薬剤を減量または中止する。一方、試験期間中に降圧目標値に到達したが、その後、血圧の上昇または過度の降圧が認められた場合には、前述の各段階をステップアップまたはステップダウンする。尚、薬剤の投与量等については前述の各段階で説明した値に従うこととする。
【0029】
次に、フローチャートを用いて、本発明における医療データ管理システムの処理の流れを詳細に説明する。図2は、本発明における医療データ管理システムの処理の流れを詳細に示すフローチャートである。また、図3、図4は、図2の続きのフローチャートである。図2〜図4のフローチャートは、仮登録票、仮登録チェックシート、仮登録受付表、割付依頼票、患者割付表、割付時調査票、及び6ケ月毎試験経過報告書などのシートを、所定の期限までにコンピュータで発行して医者へ送信し、このシートから必要な患者情報を抽出してデータセンタが入力する流れを示している。
【0030】
図5は、本発明の医療データ管理システムで用いられる仮登録票の様式の一例を示す図である。また、図6は、本発明の医療データ管理システムで用いられる仮登録チェックシートの様式の一例を示す図である。さらに、図7は、本発明の医療データ管理システムで用いられる仮登録受付票の様式の一例を示す図である。その他の割付依頼票、患者割付表、割付時調査票、及び6ケ月毎試験経過報告書などのシートもほぼ同様な様式になっており、何れのシートも所定の項目に該当事項を記入またはチェックを記入すればよいようになっている。
【0031】
また、図2〜図4のフローチャートでは、医師がパソコン操作に不慣れな場合を想定して、医師がデータセンタとの間で患者情報に関する内容についてFAXの送受信を行い、データセンタの端末と本発明の医療データ管理システムのサーバとの間で患者情報に関する内容について電子データの送受信を行う場合を例に挙げて説明する。尚、医師がパソコン操作を行う場合は、データセンタが医師の端末であって、医師が自己の端末から患者情報を入力してサーバとの間で電子データの送受信を行うものと読みかえればよい。
【0032】
図2において、まず、医師が登録に必要な患者情報を記入した図5に示すような仮登録票をデータセンタへFAX送信する(ステップS11)。すると、データセンタが仮登録票の患者情報を電子データでサーバへ送信する(ステップS12)。これによって、サーバは、フラグを発生させると共に患者情報の最終確認を行うために仮登録票の患者情報を医師と治験コーディネーター(以下、CRCと略記する)へ配信する。このとき、医師へはFAXで配信し、CRCへは電子データで配信する(ステップS13)。
【0033】
次に、サーバが臨床試験の登録条件と受信した患者情報とを比較し、登録条件と患者情報とが一致しているか否かを判定する(ステップS14)。ここで、登録条件と患者情報とが一致していない場合は(ステップS14でNoの場合)、サーバは、患者情報のデータを保留すると共に、登録条件と患者情報とが一致しない問題点を出力(プリントアウト)して、その問題点の情報を医師へ自動FAX送信すると共にCRCへ電子データで送信する(ステップS15)。
【0034】
一方、ステップS14で登録条件と患者情報とが一致している場合は(ステップS14でYesの場合)、サーバは、患者情報のデータを保管すると共に、患者情報の入力データを図7に示すような仮登録受付票に出力し、仮登録日のフラグ発生を発生させる。つまり、サーバは、仮登録受付票の内容を確認させるために、医師へ仮登録受付票を自動FAX送信すると共にCRCの端末へ電子データで送信する(ステップS16)。さらに、サーバは、例えば、規定日の3日前に割付依頼票を作成し、その割付依頼票を医師に対して自動FAX送信する(ステップS17)。そして、CRCが医師を訪問し、図5に示すような仮登録チェックシートによって詳細な患者情報確認してデータセンタへ送信する(ステップS18)。
【0035】
さらに、医師が登録に必要な患者情報を記入した割付依頼票をデータセンタへFAX送信する(ステップS19)。すると、データセンタが割付依頼票の患者情報をサーバへ電子データで送信する(ステップS20)。そして、サーバが入力フラグを発生させ、割付依頼票の患者情報を医師へ自動FAX配信すると共にCRCへ自動メール配信する(ステップS21)。次に、サーバが、臨床試験の割付け条件と患者情報とを比較して割付け条件と患者情報とが一致しているか否かを判定する(ステップS22)。ここで、臨床試験の割付け条件と患者情報とが一致していなければ(ステップS22でNoの場合)、サーバは、患者情報のデータを保留すると共に、割付け条件と患者情報とが一致しない問題点を出力(プリントアウト)して、その問題点の情報を医師へ自動FAX送信すると共にCRCへ電子データで送信する(ステップS23)。
【0036】
一方、割付け条件と患者情報とが一致している場合は(ステップS22でYesの場合)、データセンタが大学病院医療情報ネットワーク(UMIN)のサーバへ患者割付票の入力データを送信して、Web上で自動割付を依頼する。この場合、データセンタが割付結果をサーバに入力すると、サーバが患者割付票の入力データを出力するので、データセンタは出力内容を確認することができる(ステップS24)。
【0037】
次に、図3のフローチャートに移って、サーバが、患者割付票を医師へ自動FAX送信すると共にCRCへ電子データで送信する(ステップS25)。さらに、サーバは、開始時調査票を作成し、その開始時調査票を医師へ自動FAX配信すると共にCRCへ自動メール配信する。このとき、サーバは開始時調査票のフラグを発生させる(ステップS26)。すると、医師及びCRCは、開始時調査に必要な患者情報を記入した開始時調査票をデータセンタへ送信する(ステップS27)。
【0038】
これによって、データセンタが開始時調査票の患者情報をサーバへ送信するか、医師・CRCが、開始時調査に必要な患者情報を記入した開始時調査票の内容をWeb上でサーバへ入力する(ステップS28)。すると、サーバは入力フラグを発生させると共に、医師及びCRCへ開始時調査票を自動配信する(ステップS29)。
【0039】
次に、サーバが、臨床開始時条件と患者情報とが一致しているか否かを比較判定し(ステップS30)、両者が一致していない場合は(ステップS30でNoの場合)、サーバが患者情報のデータを保留すると共に、臨床開始時条件と患者情報とが一致しない問題点を出力して、その問題点の情報を医師へ自動FAX送信すると共にCRCへ電子データで送信する(ステップS31)。
【0040】
一方、臨床開始時条件と患者情報とが一致している場合は(ステップS30でYesの場合)、サーバは、患者データを保管すると共に、開始時調査票の情報に不完全部分があれば、医師からの情報発信に基づいて、患者情報を記入する。そして、サーバが、割付連絡時の開始時調査票を作成して医師へ自動FAX送信すると共にCRCへメール自動配信し、開始時調査票の確認フラグを発生させる(ステップS32)。
【0041】
次に、更新された開始時調査票の患者割付データを医師及びCRCへ自動送信する(ステップS33)。そして、CRCが医師を訪問し、割付時調査票によって患者割付票と開始時調査票の内容をまとめて確認してデータセンタへ報告する(ステップS34)。次に、サーバが、患者情報の調査時期を知らせる電子メールを自動作成してCRCにメール配信する(ステップS35)。さらに、図4のフローチャートに移って6ケ月ごとに、サーバが予定日の1ケ月前に調査票を自動作成して調査票フラグを発生させると共に、調査票を医師に自動FAX送信しCRCへ自動メール配信する(ステップS36)。また、3年間6ケ月ごとにCRCが医師を訪問し、調査に必要な患者情報を記入した調査票の内容を確認して、医師またはCRCがデータセンタに送信し(ステップS37)、データセンタが調査票の患者情報をサーバへ入力するか、または、医師、CRCがWeb上からサーバへ調査票の患者情報を直接入力する(ステップS38)。
【0042】
次に、サーバが入力フラグを発生させて、調査票の患者情報を医師へ自動FAX配信すると共にCRCへ自動メール配信する(ステップS39)。そして、サーバが臨床試験の各条件と患者情報とを比較して、臨床試験の各条件と患者情報とが一致しているか否かを判定する(ステップS40)。ここで、両者が一致していない場合は(ステップS40でNoの場合)、サーバが患者情報のデータを保留すると共に、臨床試験の各条件と患者情報とが一致しない問題点を出力して、その問題点の情報を医師へ自動FAX送信すると共にCRCへ電子データで送信する(ステップS41)。
【0043】
一方、臨床の各条件と患者情報とが一致している場合は(ステップS40でYesの場合)、サーバは、患者データを保管すると共に調査票の情報に不完全部分があれば、医師からの情報発信に基づいて患者情報を記入する。そして、サーバは、調査票確認フラグを発生させると共に更新された調査票の患者情報を医師及びCRCへ自動送信する(ステップS42)。このようにして、医療データ管理システム(すなわち、医薬品臨床試験システム)における一連の処理を終了する。
【0044】
以上説明したような医療データ管理システム(すなわち、医薬品臨床試験システム)の処理の流れは、医者がパソコンの操作に慣れていない場合や医師が操作を面倒がる場合を想定して、医師へのFAX送信、医師による患者情報の記入、次いでデータセンタにおける患者情報の電子データ入力という手順を踏んでいる。したがって、データセンタから医師への督促メールの送信、医師がWebの入力ページを開いて入力する、という情報伝達パターンもある。
【0045】
また、図2のステップS11以降における仮登録票の流れでは、塩酸ベニジピンという基礎薬を使っていることを条件として、医者が自分の患者の中から適当なサンプル患者を選び、そのサンプル患者の患者情報(データ)をセンタへ送ることから始まる。そして、患者情報のデータをデータセンタから入力すると、必要なデータが入力されたか否かチェックされ、登録条件を満たすか否かによってフラグが立てられるかどうかが決定される。このとき、フラグが立たないと医者へ再入力のFAX(または電子メール)が送信される。また、ステップS14で仮登録がOKであれば、データセンタから医者へ仮登録受付表がFAXされる。尚、ここまでの処理は、医者がその患者のデータをWebページから入力する操作で代えることができる。
【0046】
次に、ステップS18で仮登録受付表の内容を医師が確認した後、データセンタヘ送信する。ここでは、仮登録の内容を医者が直接確認してもよいし、CRCが医者を訪問して代行して処理を行ってもよいという意味を表わしている。
【0047】
また、ステップS17において、規定日(登録日+2週間または4週間後)の3日前に医師からセンタヘ割付け依頼票を送るが、ここで言う割り付けとは、仮登録されたサンプルをどの薬剤のテストに割り付けるかという意味である。ここでは、年齢や合併症などのような諸条件が統計的な意味を持つように割り付けを行う。この場合も割付依頼表に必要なデータが入っているか否かがチェックされ、フラグが立つまでチェックが繰り返される。また、患者割付表、割付時調査表、経過報告書などは何れも所定のタイミングで医者へ自動FAXされて回収の有無がチェックされる。
【0048】
尚、正常時における試験の流れは上述した通りであるが、副作用や有害事象などが発生した場合は、それぞれの報告書を使って割り込み的にデータがデータセンタへ入力される。そのような割り込み処理は事象ごとに内容が複雑になるし、本発明の基本的な要素から外れているので説明は省略する。すなわち、本発明の医療データ管理システムでは、医師の情報が入力されるデータセンタと、そのデータセンタの情報を管理するサーバとが存在すれば実現できるので、あえて、本発明の医療データ管理システムの構成については図示しない。尚、医師自身の入力行為や報告といった情報の授受にかかる行為は、必要に応じて、CRCや試験実施機構管理機関(以下、SMOと略記する、医療機関の臨床試験業務をサポートする企業を意味する)の社員などのサボート者に代行させることができることは云うまでもない。
また、データ収集の対象となった患者について、症状の悪化による特別な治療の開始、アレルギー反応の発見、あるいは、例えば心血管の障害に基づく特定の症状の発生などの特定のイベントが生じた場合には試験を中止し、その旨がデータセンターにオンラインまたはオフラインにて通知される。そして、このようなイベントの発生がデータとして記録される。
【0049】
以上説明したように、本発明の医療データ管理システムによれば、病院間における医療データの相互利用や共有・共用などを行うことができる。図8は、本発明の医療データ管理システムによって実現される大学病院医療情報ネットワークの構成図である。すなわち、図8に示すように、A大学1、大学・基幹病院2、大学・基幹病院3、大学・基幹病院4、及び試験事務局業務や治験コーディネーター業務(CRC業務)や各種医療サポートを行うSMO5がネットワーク6で接続されていて、相互に業務委託を結んでいる。また、各大学・基幹病院2、3、4はそれぞれ各大学・基幹病院が存在する地域内の診療所、小規模な病院等で形成されるネットワーク(GPネットワーク)2a、3a、4aに接続され、GPネットワーク内の各診療所や病院と連携することにより、各診療所や病院が有する患者情報を共有することができる。例えば、A大学1が、上述したような薬剤投与に関する試験依頼を行うと、SMO5が各大学・基幹病院2、3、4の医療情報を収集して、最適な結果情報をA大学1に提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明により、投薬の管理を行いながら臨床試験データを一元管理して適切な投薬情報を提示する医療データ管理システムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の医療データ管理システムにおける薬剤投与の流れを示す概念図である。
【図2】本発明における医療データ管理システムの処理の流れを詳細に示すフローチャートである。
【図3】図2の続きのフローチャートである。
【図4】図3の続きのフローチャートである。
【図5】本発明の医療データ管理システムで用いられる仮登録票の様式の一例を示す図である。
【図6】本発明の医療データ管理システムで用いられる仮登録チェックシートの様式の一例を示す図である。
【図7】本発明の医療データ管理システムで用いられる仮登録受付票の様式の一例を示す図である。
【図8】本発明の医療データ管理システムによって実現される大学病院医療情報ネットワークの構成図である。
【符号の説明】
【0052】
1 A大学
2、3、4 大学・基幹病院
2a、3a、4a GPネットワーク
5 SMO
6 ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医薬品の投薬効果に関する情報を収集して管理を行う医療データ管理システムであって、
適切な症状の患者の患者情報を入力する端末と、
前記端末から取得した患者情報が所定の条件に合致するか否かを判断して合致する患者を登録するとともに、当該患者の患者情報に基づいて投薬情報を提示するサーバと、
を備えることを特徴とする医療データ管理システム。
【請求項2】
前記サーバは、
前記投薬情報を提供してから所定の期間が経過した時点で当該患者の患者情報から、該患者の治療効果が目標値に達したときは、同一の基礎薬の投与を継続する旨の投薬情報を提示し、治療効果が目標値に達していないときは、前記同一の基礎薬と、あらかじめ割り付けられた、前記基礎薬とは異なる作用機序の他の薬剤とを併用投与する旨の投薬情報を提示することを特徴とする請求項1に記載の医療データ管理システム。
【請求項3】
前記サーバは、当該患者の治療効果が目標値に達していないときは、前記同一の基礎薬の治療効果に応じてあらかじめ割り付けられた量を増量して投与を継続する旨の投薬情報を提示することを特徴とする請求項2に記載の医療データ管理システム。
【請求項4】
前記サーバは、当該患者の治療効果が目標値に達していないときは、前記割り付けられた薬剤の治療効果に応じてあらかじめ割り付けられた量を増量して投与を継続する旨の投薬情報を提示することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の医療データ管理システム。
【請求項5】
前記サーバは、当該患者に治療効果が目標値に達していないときは、医師の判断に基づいて決定すべき、前記基礎薬及び前記割り付けられた薬剤とは異なるその他の薬剤を投与する旨の投薬情報を提示することを特徴とする請求項4に記載の医療データ管理システム。
【請求項6】
前記サーバは、ネットワークを通じて複数の医療機関における患者情報を収集・保存し、前記端末からの患者情報の要求に基づいて、前記複数の医療機関における患者情報から最適な患者情報を選択して提供する機能を備える請求項1乃至請求項5の何れかに記載の医療データ管理システム。
【請求項7】
医薬品の投薬効果に関する情報を収集して投薬情報管理を行う医療データ管理プログラムであって、
適切な症状の患者を選択して該患者の同意の有無を照合する第1のステップと、
同意を得た患者に対して所定期間に亘って基礎薬を基準量投与する旨の投薬情報を提示するとともに、基礎薬を投与した患者の患者情報を収集する第2のステップと、
取得した患者情報から治療効果が目標値に達していない患者を抽出し、前記基礎薬とは異なる作用機序の他の薬剤を割り付け、割り付けられた薬剤と前記基礎薬とを所定期間に亘って併用投与した患者の患者情報を収集する第3のステップと、
前記第3のステップで治療効果が目標値に達していない患者を抽出し、前記基礎薬を所定期間に亘って増量投与する旨の投薬情報を提示し、該投薬情報に従って基礎薬を増量投与した患者の患者情報を収集する第4のステップと、
前記第4のステップで治療効果が目標値に達していない患者を抽出し、前記割り付けられた薬剤を所定期間に亘って増量投与する旨の投薬情報を提示し、該投薬情報に従って割り付けられた薬剤を増量投与した患者の患者情報を収集する第5のステップと、
前記第5のステップで治療効果が目標値に達していない患者を抽出し、医師の判断に基づいて決定すべき、前記基礎薬及び前記割り付けられた薬剤とは異なるその他の薬剤を所定の期間に亘って投与する旨の投薬情報を提示し、該投薬情報に従ってその他の薬剤を投与した患者の患者情報を収集する第6のステップと、
をコンピュータに実行させることを特徴とする医療データ管理プログラム。
【請求項8】
医薬品の投薬効果に関する情報を収集して投薬情報管理を行う医療データ管理方法であって、
適切な症状の患者を選択して該患者の同意の有無を照合する第1のステップと、
同意を得た患者に対して所定期間に亘って基礎薬を基準量投与する旨の投薬情報を提示し、該投薬情報に基づいて基礎薬を投与された患者の患者情報を収集する第2のステップと、
取得した患者情報から治療効果が目標値に達していない患者を抽出し、その患者に対して、前記基礎薬とは異なる作用機序の他の薬剤を割り付け、割り付けられた薬剤と前記基礎薬とを所定期間に亘って併用投与する旨の投薬情報を提示し、該投薬情報に基づいて併用投与された患者の患者情報を収集する第3のステップと、
前記第3のステップで治療効果が目標値に達していない患者に対して、前記基礎薬を所定期間に亘って増量投与する旨の投薬情報を提示し、該投薬情報に基づいて基礎薬を増量投与された患者の患者情報を収集する第4のステップと、
前記第4のステップで治療効果が目標値に達していない患者に対して、前記割り付けられた薬剤を所定期間に亘って増量投与する旨の投薬情報を提示し、該投薬情報に基づいて割り付けられた薬剤を増量投与された患者の患者情報を収集する第5のステップと、
前記第5のステップで治療効果が目標値に達していない患者に対して、医師の判断に基づいて決定すべき、前記基礎薬及び前記割り付けられた薬剤とは異なるその他の薬剤を投与する旨の投薬情報を提示し、該投薬情報に基づいてその他の薬剤を投与された患者の患者情報を収集する第6のステップと、
を含むことを特徴とする医療データ管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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